JP2008251961A - カーボンナノチューブデバイス及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブデバイス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度のカーボンナノチューブ束を得ることができるカーボンナノチューブデバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】TiN膜12上に複数のCo粒子13を1層分程度分散させ、Co粒子13を覆うCo膜をTiN膜12上に形成する。次いで、熱CVD法により繊維状のカーボンナノチューブ17の束を形成する。この時、Co膜14はその形態を維持せずに凝集し、新たなCo粒子15が形成される。この結果、笠部16とCo粒子13との間に隙間が生じる。笠部16とCo粒子13との間に隙間が生じると、この隙間に原料が供給されることとなり、Co粒子13を起点として繊維状のカーボンナノチューブ17の束が根元成長様式で成長し、Co粒子15を起点として繊維状のカーボンナノチューブ17の束が先端成長様式で成長する。つまり、Co粒子13からカーボンナノチューブ17が伸び、Co粒子15からもカーボンナノチューブ17が伸びる。
【選択図】図1C

Description

本発明は、カーボンナノチューブの高密度化を図ったカーボンナノチューブデバイス及びその製造方法に関する。
無線通信において情報を送信する携帯電話基地局等の高出力増幅器では、出力源である高出力トランジスタの発熱量が大きくなるため、放熱性が非常に重要となっている。放熱性の確保のために、例えばフェイスアップ構造とよばれる構造が採用されている。フェイスアップ構造では、高出力トランジスタのチップがパッケージに直接接合されている。このため、熱がパッケージを介して放出される。
しかし、フェイスアップ構造では、チップの電極とパッケージの電極とが金ワイヤで繋がれている。このため、電極間のインダクタンスが高く、高周波化に伴って増幅率が低下してしまう。
そこで、チップの電極とパッケージの電極とがカーボンナノチューブの束からなるバンプで繋がれた構造が提案されている(非特許文献1)。この構造では、フェイスアップ構造とは、チップの表裏が反転している。カーボンナノチューブは優れた放熱性及び高い導電性を具えている。また、カーボンナノチューブを用いることにより、インダクタンスの低減が可能である。このため、フェイスアップ構造と同等の放熱性を確保することができ、また、2GHzの周波数帯域において、フェイスアップ構造よりも増幅率を10デシベル(dB)程度向上させることができる。
但し、第4世代以降の携帯電話用の基地局には、更なる高周波(3GHz以上)での出力の保持(10dB)及び放熱性が要求される。この要求に応えるためには、バンプを構成するカーボンナノチューブの密度を1011本/cm2程度とする必要があるが、現状の密度は1010本/cm2のオーダーである。従って、非特許文献1に記載された技術では、今後の要求に応えることはできない。
また、LSIのビア配線等においても、カーボンナノチューブの高密度化の要請がある(非特許文献2)。つまり、今後の導電材料としてカーボンナノチューブは着目されており、その高密度化の要請が種々の分野において生じているのである。
しかしながら、カーボンナノチューブに関する研究は、未だ十分にされているとはいえず、その高密度化も十分ではない。カーボンナノチューブの形成に当たっては、触媒として金属微粒子を用いているが、例え金属微粒子を最密に配置したとしても、これらのすべてからカーボンナノチューブが成長することはなく、従来の技術では、十分な密度は得られていない。金属微粒子の凝集及び死活化等が生じてしまい、個数にして10%程度の金属微粒子からしかカーボンナノチューブが成長しないのである。
特開2003−277033号公報 T. Iwai et al. IEEE IEDM Technical Digest, 2005, p.257. M. Nihei et al., Jpn. J. Appl. Phys. 42 (2003) L721
本発明の目的は、高密度のカーボンナノチューブ束を得ることができるカーボンナノチューブデバイス及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明に想到した。
本発明に係るカーボンナノチューブデバイスには、基材と、前記基材から伸びた第1のカーボンナノチューブ群と、が設けられている。更に、前記第1のカーボンナノチューブ群の先端に形成されたカーボンナノチューブ結合部と、前記カーボンナノチューブ結合部から前記基材に向けて伸び、前記基材との結合部を有する第2のカーボンナノチューブ群と、が設けられている。
本発明に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法では、基材上に複数の触媒粒子を分散し、その後、前記触媒粒子を覆う触媒膜を形成する。次に、前記触媒膜を凝集させ、そこから前記基材に向けて伸びる第2のカーボンナノチューブ群を形成すると共に、前記触媒粒子から伸びる第1のカーボンナノチューブ群を形成する。
本発明によれば、第1のカーボンナノチューブと第2のカーボンナノチューブが互いに独立して形成され、これらが混合されているため、高い密度のカーボンナノチューブの束を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1A乃至図1Cは、本発明の第1の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図1Aに示すように、シリコン基板1上にチタンナイトライド(TiN)膜12を形成する。TiN膜12の厚さは、5nm程度とする。TiN膜12はカーボンナノチューブに対するサポート材料膜として機能する。
次に、図1Bに示すように、TiN膜12上に複数のCo粒子13を1層分程度分散させる。Co粒子13の平均粒径は、3.8nm程度とする。次いで、スパッタ法等によりCo粒子13を覆うCo膜14をTiN膜12上に形成する。Co膜14の厚さは、2.6nm程度とする。Co粒子13及びCo膜14はカーボンナノチューブに対する触媒粒子及び触媒膜として機能する。なお、Co膜14の形成前に、Co粒子13の表面に自然酸化膜が形成される。
次いで、図1Cに示すように、CVD炉において、熱CVD法により繊維状のカーボンナノチューブ17の束を形成する。この時、シリコン基板11の温度は510℃程度とし、CVD炉内にアセチレン及びアルゴンの混合ガスを200sccm程度の流量で導入する。なお、アセチレン及びアルゴンの割合は、10体積%のアセチレンに対しアルゴンを90体積%とする。また、CVD炉内の圧力は1kPa程度とする。
本実施形態では、Co粒子13がCo膜14に覆われているため、初期段階からカーボンナノチューブ17が成長するのではなく、先ず、Co膜14を起点として、笠型のカーボンナノチューブからなる笠部16が成長する。この時、Co膜14はその形態を維持せずに、図1Cに示すように凝集し、新たなCo粒子15が形成される。この結果、笠部16とCo粒子13との間に隙間が生じる。なお、Co粒子13の表面には、上述のように自然酸化膜が存在しているため、Co粒子13がCo膜14と凝集することはない。そして、笠部16とCo粒子13との間に隙間が生じると、この隙間に原料が供給されることとなり、Co粒子13を起点として繊維状のカーボンナノチューブ17の束(第1のカーボンナノチューブ群)が根元成長様式で成長し、Co粒子15を起点として繊維状のカーボンナノチューブ17の束(第2のカーボンナノチューブ群)が先端成長様式で成長する。つまり、Co粒子13から上方に向けてカーボンナノチューブ17が伸び、Co粒子15から下方に向けてカーボンナノチューブ17が伸びる。この結果、笠部16により複数のカーボンナノチューブが結合される。また、Co粒子15を起点とするカーボンナノチューブ17の束はTiN膜12まで伸び、ここに結合部が形成される。なお、図1Cに示すように、複数のCo粒子13の一部は死活化し、そこからのカーボンナノチューブ17の成長は生じないこともある。
その後、カーボンナノチューブ17を加工したり、これらに他の電子部品を接続したりする。
このような第1の実施形態によれば、先端成長様式及び根元成長様式を併用してカーボンナノチューブを成長させることができる。そして、これらの成長は、互いに独立しており、他方から干渉を受けることはない。従って、従来の方法と比較して高密度のカーボンナノチューブ17の束を得ることができる。このため、非特許文献1に記載されているような高出力増幅器のバンプとして用いた場合には、第4世代以降の携帯電話用の基地局に要求されている高周波(3GHz以上)での出力の保持(10dB)及び放熱性を満たすことが可能となる。
なお、TiN膜12の形成、Co粒子13の分散及びCo膜14の形成の際には、例えばリフトオフ法を採用する。つまり、所望のデバイスの形状に沿った開口部を有するレジストパターンを用いて、スパッタリング法等によるTiN膜12の形成、Co粒子13の分散及びCo膜14の形成を行い、その後、レジストパターンを、その上に存在するTi膜12、Co粒子13及びCo膜14ごと除去する。この結果、レジストパターンの開口部に整合する部分のみにTiN膜12、Co粒子13及びCo膜14が残る。但し、カーボンナノチューブ17の形成条件によっては、カーボンナノチューブ17は、その下にTiN膜12がないCo粒子13及びCo膜14からは成長しない。つまり、TiN膜12の形成にリフトオフ法を採用することにより、TiN膜12を所望の箇所のみに残存させておけば、Co粒子13の分散及びCo膜14の形成の際にリフトオフ法を採用せずともカーボンナノチューブ17を選択成長させることは可能である。従って、Co粒子13及びCo膜14が残っても他の問題が生じない場合には、Co粒子13の分散及びCo膜14の形成にリフトオフ法を採用しなくてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、カーボンナノチューブの束を高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)用のバンプに用いる。図2A乃至図2Dは、本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を工程順に示す断面図であり、図3A乃至図3Cは、本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を工程順に示す模式図である。
先ず、図2A及び図3Aに示すように、AlN基板21の表面に選択的に、Au又はCu等からなる下部電極等の電極22を形成する。電極22は、例えばリソグラフィー等により形成することができる。
次に、図2Bに示すように、電極22上にTa膜23及びTiN膜24をこの順で形成する。Ta膜23の厚さは、15nm程度とし、TiN膜24の厚さは、5nm程度とする。Ta膜23は電極22に対する拡散防止膜として機能し、TiN膜24はカーボンナノチューブに対するサポート材料膜として機能する。また、Ta膜23及びTiN膜24は、電極の一部としても機能する。次いで、TiN膜24上に複数のCo粒子25を1層分程度分散させる。Co粒子25の平均粒径は、3.8nm程度とする。その後、スパッタ法等によりCo粒子25を覆うCo膜26をTiN膜24上に形成する。Co膜26の厚さは、2.6nm程度とする。Co粒子25及びCo膜26はカーボンナノチューブに対する触媒粒子及び触媒膜として機能する。なお、Ta膜23の形成、TiN膜24の形成、Co粒子25の分散及びCo膜26の形成に当たっては、例えばリフトオフ法を採用する。つまり、少なくとも電極22を露出する開口部を有するレジストパターンを用いて、Ta膜23の形成、TiN膜24の形成、Co粒子25の分散及びCo膜26の形成を行い、その後、レジストパターンを、その上に存在するTa膜23、TiN膜24、Co粒子25及びCo膜26ごと除去する。このようにして、図3Bに示すように、バンプ基部31が電極22上に選択的に形成される。なお、Co膜26の形成前に、Co粒子25の表面に自然酸化膜が形成される。
続いて、図2Cに示すように、CVD炉において、熱CVD法により繊維状のカーボンナノチューブ29の束を形成する。この時、シリコン基板21の温度は510℃程度とし、CVD炉内にアセチレン及びアルゴンの混合ガスを200sccm程度の流量で導入する。なお、アセチレン及びアルゴンの割合は、10体積%のアセチレンに対しアルゴンを90体積%とする。また、CVD炉内の圧力は1kPa程度とする。また、時間制御等により、繊維状のカーボンナノチューブ29の高さは15μm〜20μm程度とする。
本実施形態でも、Co粒子25がCo膜26に覆われているため、初期段階からカーボンナノチューブ29が成長するのではなく、先ず、Co膜26を起点として、笠型のカーボンナノチューブからなる笠部28が成長する。この時、Co膜26はその形態を維持せずに、図2Cに示すように凝集し、新たなCo粒子27が形成される。この結果、笠部28とCo粒子25との間に隙間が生じる。なお、Co粒子25の表面には、上述のように自然酸化膜が存在しているため、Co粒子25がCo膜26と凝集することはない。そして、笠部28とCo粒子25との間に隙間が生じると、この隙間に原料が供給されることとなり、Co粒子25を起点として繊維状のカーボンナノチューブ29の束(第1のカーボンナノチューブ群)が根元成長様式で成長し、Co粒子27を起点として繊維状のカーボンナノチューブ29の束(第2のカーボンナノチューブ群)が先端成長様式で成長する。つまり、Co粒子25から上方に向けてカーボンナノチューブ29が伸び、Co粒子27から下方に向けてカーボンナノチューブ29が伸びる。この結果、笠部28により複数のカーボンナノチューブが結合される。また、Co粒子27を起点とするカーボンナノチューブ29の束はTiN膜24まで伸び、ここに結合部が形成される。なお、図2Cに示すように、複数のCo粒子25の一部は死活化し、そこからのカーボンナノチューブ29の成長は生じないこともある。
その後、図2D及び図3Cに示すように、カーボンナノチューブ29の束の表面に、めっき法等によりAu膜30を形成する。このようにして、バンプが形成される。このバンプ上には、例えば、非特許文献1に記載されているように、HEMTのゲート、ソース及びドレインの各パッドが接続され、高出力増幅器が得られる。
このような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態を高出力増幅器に適用した場合には、高い放熱性を維持しながら、インダクタンスをより一層低減することができる。
なお、上述のカーボンナノチューブ29の形成条件では、カーボンナノチューブ29は、その下にTa膜23及びTiN膜24がないCo粒子25及びCo膜26からは成長しないことがある。つまり、Ta膜23及びTiN膜24を所望の箇所のみに残存させておけば、Co粒子25の分散及びCo膜26の形成の際にリフトオフ法を採用せずともカーボンナノチューブ29を選択成長させることは可能である。従って、Co粒子25及びCo膜26が残っても他の問題が生じない場合には、Co粒子25の分散及びCo膜26の形成にリフトオフ法を採用しなくてもよい。
なお、触媒として、Coの他に、Ni及びFe等を用いてもよい。また、これら同士の合金を用いてもよい。更に、これらと、Ti(チタン)、TiN、Mo(モリブデン)及びAl(アルミ二ウム)等のカーボンナノチューブの成長をサポートする作用を有する金属との合金を用いてもよい。このような合金としては、例えば、TiCo(チタンコバルト)、MoCo(モリブデンコバルト)、CoNi(コバルトニッケル)、TiNi(チタンニッケル)及びAlFe(アルミ二ウム鉄)等が挙げられる。また、カーボンナノチューブの成長をサポートする作用を有する材料として、酸化アルミニウム、酸化チタン、TiSi(チタンシリサイド)、TaN(タンタルナイトライド)、HfN(ハフニウムナイトライド)等を用いてもよい。但し、酸化アルミニウム及び酸化チタン等からなる絶縁膜を用いる場合には、それを挟む膜等の間の導電性を確保できる厚さにする。
また、触媒膜の形成方法はスパッタ法に限定されず、電子ビーム蒸着法及び分子線エピタキシー(MBE)等を採用してもよい。更に、触媒粒子の分級は、例えば、微分型静電分級器(DMA)又はインパクタ等を用いて行うことができる。微分型静電分級器は、例えば「S. Sato, Chemical Physics Letters, 2005, vol. 402, p.149」及び「S. Sato, Chemical Physics Letters, 2003, vol. 382, p.361」等に記載されている。また、インパクタは、例えば「S. Sato et al., Proc. IEEE International Interconnect Technology Conference 2006, p230」に記載されている。
また、カーボンナノチューブの形成条件は、上述のものに限定されない。例えば、シリコン基板21の温度を400℃乃至450℃程度とし、上記の混合ガスを更にアルゴンにより希釈したものを導入してもよい。この場合、例えば、上記の混合ガスの流量を0.5sccmとし、アルゴンの流量を1000sccmとする。つまり、上記の混合ガスを0.05%に希釈する。また、CVD炉内の圧力は1kPa程度のままでよい。
なお、笠状のカーボンナノチューブを安定して形成するために、Co膜の厚さは1.5nm〜4.5nmとすることが好ましく、TiN膜の厚さは2.5nm〜15nm程度とすることが好ましく、基板の温度は380℃〜580℃程度とすることが好ましい。また、上述のように、混合ガスをアルゴンで希釈する場合には、その希釈は0.01%以上とすることが好ましい。条件がこれらの範囲から外れると、笠状のカーボンナノチューブの形成が困難になる場合がある。
また、カーボンナノチューブの形成方法は熱CVD法に限定されない。例えば、ホットフィラメントCVD法、リモートプラズマCVD法、プラズマCVD法等を採用してもよい。また、原料ガスとして、アセチレンの他に、メタン及びエチレン等の炭化水素系ガスを用いてもよく、炭化水素系ガスを含む混合ガスを用いてもよい。更に、原料ガスとして、エタノール等のアルコール系ガスを用いてもよく、二酸化炭素等を用いてもよい。また、カーボンナノチューブとしては、多層カーボンナノチューブを形成することが好ましい。多層カーボンナノチューブは高い導電性を示すが、単層カーボンナノチューブを形成する場合には、半導体的な性質を有するものと導電性を示す金属的な性質を有するものとの2種類が混在するからである。但し、金属的な性質を有する単層カーボンナノチューブの存在比率が支配的になる場合には、単層カーボンナノチューブを形成してもよい。
ここで、本願発明者が行った実験について説明する。この実験では、第1の実施形態に沿ってカーボンナノチューブを成長させ、その電子顕微鏡観察を行った(実施例)。また、比較のために、Co粒子を用いずにCo膜のみを用いてカーボンナノチューブを成長させ、その電子顕微鏡観察も行った(比較例)。実施例の顕微鏡写真を図4に示し、比較例の顕微鏡写真を図5に示す。
図4及び図5に示すように、実施例において比較例よりもカーボンナノチューブを高い密度で成長させることができた。実施例では、100nmの範囲内に平均で4.5本のカーボンナノチューブが存在した。これは、2.0×1011本/cm2の密度に相当する。一方、比較例では、100nmの範囲内に平均で2.4本のカーボンナノチューブが存在した。これは、5.8×1010本/cm2の密度に相当する。
なお、本発明は、高出力増幅器以外の電子デバイスにも適用することが可能である。例えば、LSIのビア配線及び放熱シート等に適用してもよい。
また、特許文献1には、触媒としてPt膜及びCo膜を用いることが記載されているが、触媒粒子と触媒膜との組み合わせに関する記載はない。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
基材と、
前記基材から伸びた第1のカーボンナノチューブ群と、
前記第1のカーボンナノチューブ群の先端に形成されたカーボンナノチューブ結合部と、
前記カーボンナノチューブ結合部から前記基材に向けて伸び、前記基材との結合部を有する第2のカーボンナノチューブ群と、
を有することを特徴とするカーボンナノチューブデバイス。
(付記2)
前記第1のカーボンナノチューブ群の起点として前記基材上に分散した複数の触媒粒子を有することを特徴とする付記1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
(付記3)
前記第2のカーボンナノチューブ群の起点として前記カーボンナノチューブ結合部内に分散した複数の触媒粒子を有することを特徴とする付記1又は2に記載のカーボンナノチューブデバイス。
(付記4)
前記触媒粒子は、Co、Ni及びFeからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする付記2又は3に記載のカーボンナノチューブデバイス。
(付記5)
前記第1及び第2のカーボンナノチューブ群は、多層カーボンナノチューブの束であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブデバイス。
(付記6)
前記カーボンナノチューブ結合部は、笠型の形状を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブデバイス。
(付記7)
基材上に複数の触媒粒子を分散する工程と、
前記触媒粒子を覆う触媒膜を形成する工程と、
前記触媒膜を凝集させ、そこから前記基材に向けて伸びる第2のカーボンナノチューブ群を形成すると共に、前記触媒粒子から伸びる第1のカーボンナノチューブ群を形成する工程と、
を有することを特徴とするカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
(付記8)
前記第1及び第2のカーボンナノチューブ群として、多層カーボンナノチューブの束を形成することを特徴とする付記7に記載のカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
(付記9)
前記触媒粒子として、Co、Ni及びFeからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むものを用いることを特徴とする付記7又は8に記載のカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
(付記10)
前記触媒膜として、Co、Ni及びFeからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むものを用いることを特徴とする付記7乃至9のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
本発明の第1の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 図1Aに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 図1Bに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 図2Aに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 図2Bに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 図2Cに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す模式図である。 図3Aに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す模式図である。 図3Bに引き続き、カーボンナノチューブデバイスの製造方法を示す模式図である。 実施例の顕微鏡写真を示す図である。 比較例の顕微鏡写真を示す図である。
符号の説明
11:シリコン基板
12:TiN膜
13:Co粒子
14:Co膜
15:Co粒子
16:笠部
17:カーボンナノチューブ
21:AlN基板
22:電極
23:Ta膜
24:TiN膜
25:Co粒子
26:Co膜
27:Co粒子
28:笠部
29:カーボンナノチューブ
30:Au膜

Claims (6)

  1. 基材と、
    前記基材から伸びた第1のカーボンナノチューブ群と、
    前記第1のカーボンナノチューブ群の先端に形成されたカーボンナノチューブ結合部と、
    前記カーボンナノチューブ結合部から前記基材に向けて伸び、前記基材との結合部を有する第2のカーボンナノチューブ群と、
    を有することを特徴とするカーボンナノチューブデバイス。
  2. 前記第1のカーボンナノチューブ群の起点として前記基材上に分散した複数の触媒粒子を有することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
  3. 前記第2のカーボンナノチューブ群の起点として前記カーボンナノチューブ結合部内に分散した複数の触媒粒子を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブデバイス。
  4. 前記第1及び第2のカーボンナノチューブ群は、多層カーボンナノチューブの束であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブデバイス。
  5. 基材上に複数の触媒粒子を分散する工程と、
    前記触媒粒子を覆う触媒膜を形成する工程と、
    前記触媒膜を凝集させ、そこから前記基材に向けて伸びる第2のカーボンナノチューブ群を形成すると共に、前記触媒粒子から伸びる第1のカーボンナノチューブ群を形成する工程と、
    を有することを特徴とするカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
  6. 前記第1及び第2のカーボンナノチューブ群として、多層カーボンナノチューブの束を形成することを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノチューブデバイスの製造方法。
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