JP2008250015A - 偏肉樹脂シートの製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏肉樹脂シートを押出成形法により製造する際に、製造される偏肉樹脂シートに反りが発生しないようにでき、仮に成形冷却工程で反りが発生したとしても徐冷工程で矯正することができる。
【解決手段】溶融した樹脂をダイ44からシート状に押し出す押出工程12と、押し出した樹脂シートAを型ローラ46とニップローラ48とでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却工程14と、型ローラ46から剥離した樹脂シートAを徐冷する徐冷工程16と、を備え、樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する方法において、徐冷工程16の少なくとも前半部には、樹脂シートAに該樹脂シートAの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートAを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら徐冷する工程を有するようにした。
【選択図】 図8
【解決手段】溶融した樹脂をダイ44からシート状に押し出す押出工程12と、押し出した樹脂シートAを型ローラ46とニップローラ48とでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却工程14と、型ローラ46から剥離した樹脂シートAを徐冷する徐冷工程16と、を備え、樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する方法において、徐冷工程16の少なくとも前半部には、樹脂シートAに該樹脂シートAの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートAを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら徐冷する工程を有するようにした。
【選択図】 図8
Description
本発明は偏肉樹脂シートの製造方法及び装置に係り、特に、液晶表示装置のバックライトの導光板や、装飾・表示・照明用ディスプレイ等の各種大型ディスプレイ用途の導光板として使用される偏肉樹脂シートの製造方法に関する。
液晶表示装置のバックライトや、装飾用・照明用等のディスプレイ装置等には、光源からの光を導いて面発光する導光板が使用されている。例えば、液晶表示装置には、液晶パネル(LCD)の裏面側から導光板を介して光を照射し、液晶パネルを照明するバックライトが設けられている(例えば非特許文献1)。
携帯電話等の小型液晶パネルやノートパソコンの液晶パネルのように比較的小画面の液晶パネルで使用される導光板は、溶融樹脂を射出成形する射出成形法により製造されることが多い。しかし、大画面液晶テレビのような例えば20インチ以上の液晶パネルの導光板は、成形設備、成形技術の関係から射出成形法で製造されることはなく、溶融樹脂を押出成形する押出成形法により製造されている。
また、一般的に、ノートパソコン等の比較的小画面な液晶パネルには、図13(A)に示すように一端側が厚肉で他端側が薄肉な楔形状の導光板が使用され、大画面液晶テレビのような大画面な液晶パネルには、図13(B)に示すように中央部が厚肉で両端が薄肉な蒲鉾形状の導光板が使用される。
かかる偏肉樹脂シートの製造は、通常、ダイから押し出した樹脂シートを偏肉成形しながら冷却して固化した後、徐冷することにより製造されている。しかし、押出成形法により偏肉樹脂シートを製造する過程で、偏肉樹脂シートに反りが発生し、この反りが導光板の光学特性を低下させるという問題がある。特に、大画面液晶パネル用の導光板のようにサイズが大きくなるほど反りが発生し易くなる。
押出成形での反り防止、反りの原因となる残留応力歪みの解消、シート厚精度の制御等に関する技術としては、例えば特許文献2〜5等がある。
液晶バックライト用アクリル材料と成形技術の開発、真鍋健二他、住友化学工業(株)、研究開発論文2002−II 特開平11−320656号公報
特許3730215号公報
特開2002−120273号公報
特公平6−37065号公報
液晶バックライト用アクリル材料と成形技術の開発、真鍋健二他、住友化学工業(株)、研究開発論文2002−II
しかしながら、特許文献2〜5の押出成形による樹脂シートは平板状のものであり、偏肉樹脂シートを対象としたものではなく、これらの先行技術では偏肉樹脂シートの反りを解決することができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、偏肉樹脂シートを押出成形法により製造する際に、製造される偏肉樹脂シートに反りが発生しないようにでき、仮に成形冷却工程で反りが発生したとしても徐冷工程で矯正することができる偏肉樹脂シートの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、溶融した樹脂をダイからシート状に押し出す押出工程と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラとでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却工程と、前記型ローラから剥離した樹脂シートを徐冷する徐冷工程と、を備え、前記樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する方法において、前記徐冷工程の少なくとも前半部には、前記樹脂シートに該樹脂シートの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら徐冷する工程を有することを特徴とする偏肉樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明の請求項1によれば、徐冷工程では、前記樹脂シートに該樹脂シートの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら徐冷するようにした。
これにより、徐冷工程で樹脂シートの内部に反りを発生させるような内部応力(内力)が発生しても、樹脂シートは外力により本来の反りのない偏肉形状に保持されているので、反りを発生しないまま徐冷され、次第に内部応力も緩和される。また、彼に、成形冷却工程で樹脂シートに反りが発生した場合には、徐冷工程における外力により反りを強制的に矯正した状態で徐冷されるので、次第に反りの原因となっていた内部応力も緩和される。
従って、偏肉樹脂シートを押出成形法により製造する際に、製造される偏肉樹脂シートに反りが発生しないようにでき、仮に成形冷却工程で反りが発生したとしても徐冷工程で矯正することができる。
請求項2は請求項1において、前記徐冷工程の入口における前記樹脂シートの表面温度は該樹脂のガラス転移温度Tg℃以下Tg−30℃以上であり、前記外力を付与しなくなる時点での前記樹脂シートの表面温度はTg-20℃以下Tg-80℃以上であると共に、前記外力は線圧で200kgf/cm以下10kgf/cm以上であることを特徴とする。
請求項2は、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持する際の樹脂シートの好ましい温度条件及び外力の好ましい圧力条件を規定したものであり、上記の温度及び圧力に設定することで、樹脂シートの反りを一層効果的に矯正できる。
請求項3は請求項1又は2において、前記樹脂シートの幅方向の徐冷速度を均一化することを特徴とする。
偏肉樹脂シートは樹脂シート幅方向の肉厚に偏りがあるため徐冷速度分布が発生し易く、この徐冷速度分布が反りの原因となる内部応力を発生し易い。従って、樹脂シートの幅方向の徐冷速度を均一化することにより、本発明の効果を一層向上できる。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記樹脂シートを表裏面からローラで挟み込むことで前記外力を加えると共に、該樹脂シートの偏肉形状面側に配置されたローラは該偏肉形状面に沿うように構成されていることを特徴とする。
請求項4は、樹脂シートに外力を加える好ましい態様を示したものであり、樹脂シートを表裏面からローラで挟み込むことで前記外力を加えると共に、該樹脂シートの偏肉形状面側に配置されたローラは該偏肉形状面に沿うように構成されているので、外力を加えても樹脂シートの偏肉形状を破損することがない。また、偏肉形状面とローラ面との間に隙間が発生しにくいので、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に精度良く保持することができる。
請求項5は請求項4において、前記偏肉形状面側に配置されたローラは、前記偏肉形状面と同じローラ面を有する偏肉ローラであることを特徴とする。
請求項5は、偏肉形状面側に配置されるローラの好ましい態様の一例で、偏肉形状面と同じローラ面を有する1本の偏肉ローラで構成したものである。これにより、偏肉形状面に無理な外力が加わらないと共に、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に精度良く保持することができる。例えば、蒲鉾形状の偏肉樹脂シートの場合には、蒲鉾形状とは対照的なコンケーブ形状のローラを使用する。また、楔形状の偏肉樹脂シートの場合には、該楔形状とは対照的な楔形ローラを使用する。
請求項6は請求項4において、前記偏肉形状面側に配置されたローラは、樹脂シート幅方向に配列された複数の短尺ローラであることを特徴とする。
請求項6は、偏肉形状面側に配置されるローラの好ましい別の態様で、樹脂シート幅方向に配列された複数の短尺ローラを配置したものである。これにより、偏肉形状に沿って複数の短尺ローラを配置することができ、偏肉形状面に無理な外力が加わらないと共に、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に精度良く保持することができる。
請求項7は請求項4〜6の何れか1において、前記偏肉形状面側に配置されたローラは、弾性ローラであることを特徴とする。
請求項7は、偏肉形状面側に配置されるローラの好ましい更に別の態様で、弾性ローラを用いたものである。これにより、偏肉形状に外力を加えたときに、弾性ローラが塑性変形して偏肉形状面に倣うので、偏肉形状面に無理な外力が加わらないと共に、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に精度良く保持することができる。尚、請求項5の偏肉形状ローラや請求項6の短尺ローラが弾性ローラであってもよい。
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、溶融した樹脂をダイからシート状に押し出す押出手段と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラとでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却手段と、前記型ローラから剥離した樹脂シートを徐冷する徐冷手段と、を備え、前記樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する装置において、前記樹脂シートに該樹脂シートの搬送を阻害しない外力を加えながら該樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持する形状保持手段と、前記加える外力を調整する外力調整手段と、前記徐冷される樹脂シートの幅方向における冷却速度を均一化する徐冷制御手段と、を備えたことを特徴とする偏肉樹脂シートの製造装置を提供する。
請求項8は、本発明を装置として構成したものであり、形状保持手段と、外力調整手段と、徐冷制御手段と、を備えたので、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら適切な徐冷温度で徐冷することができる。
請求項9は請求項8において、前記形状保持手段は、前記樹脂シートの偏肉形状面側に配置され、該偏肉形状面に沿うように構成された第1のローラと、前記樹脂シートの平坦面側に配置された真っ直ぐな第2のローラと、から成ることを特徴とする。
これにより、偏肉形状面に無理な外力が加わらないと共に、樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に精度良く保持することができる。第1のローラとしては、上述した偏肉形状ローラ、短尺ローラ、弾性ローラを好適に使用できる。
本発明の偏肉樹脂シートの製造方法及び装置によれば、偏肉樹脂シートを押出成形法により製造する際に、製造される偏肉樹脂シートに反りが発生しないようにでき、仮に成形冷却工程で反りが発生したとしても徐冷工程で矯正することができる。
以下添付図面に従って、本発明の偏肉樹脂シートの製造方法及び装置の好ましい実施の形態を詳説する。尚、本実施の形態では、偏肉樹脂シートとして蒲鉾形状の場合で説明する。
図1は、本発明の偏肉樹脂シートを製造する全体工程図の一例であり、図2は各工程を実施するための各種機器を備えた偏肉樹脂シートの製造装置の概念図である。
図1に示すように、本発明の偏肉樹脂シートの製造方法は、主として、原料の計量や混合を行う原料工程10と、溶融した樹脂を連続してシート状(帯状)に押し出す押出工程12と、押し出した樹脂シートAを偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却工程14と、固化した樹脂シートAを徐冷する徐冷工程16と、徐冷した樹脂シートAの反りに関して所定基準に対する合否を測定する反り測定工程18と、反りが所定基準を超える場合には成形冷却工程14及び徐冷工程16にフィードバックして、樹脂シート幅方向における冷却速度及び徐冷速度が均一化するように制御する制御工程20と、樹脂シートAの表裏面に表面保護用のフィルムをラミネートするラミネート工程22と、樹脂シートAを所定サイズ(長さ・幅)に裁切断する裁断・切断工程24と、裁切断された樹脂シートAを積載する積載工程26とで構成される。
以下、本発明の偏肉樹脂シートの製造装置の構成を、上記各工程10〜26ごとに説明する。
図2に示すように、原料工程10では、原料サイロ28(又は原料タンク)及び添加物サイロ30(又は添加物タンク)から自動計量機32に送られた原料樹脂及び添加物が自動計量され、混合器34で原料樹脂と添加物が所定比率になるように混合される。
原料樹脂に添加物として散乱粒子を添加する場合には、原料樹脂に散乱粒子を所定濃度よりも高濃度に添加したマスターペレットを造粒機(図11参照)で製造しておき、散乱粒子が添加されていないベースペレットとを混合器34で所定比率混合するマスターバッチ方式を好適に採用できる。散乱粒子以外の添加物を添加する場合も同様である。
本発明に使用される原料樹脂としては熱可塑性樹脂を用いることができ、例えばポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマーなどが挙げられる。原料工程10で適切に計量・混合された原料樹脂は押出工程12に送られる。
押出工程12では、混合器34で混合された原料樹脂がホッパー36を介して押出機38に投入され、この押出機38により混練りされながら溶融される。押出機38は単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機38の内部を真空にするベント機能を含むものが好ましい。押出機38で溶融された原料樹脂は、スクリュウーポンプ又はギアポンプ等の定量ポンプ40により供給管42を介してダイ44(例えばTダイ)に送られる。そして、ダイ44からシート状に押し出された樹脂シートAは次に成形冷却工程14に送られる。
成形冷却工程14では、ダイ44から押し出された樹脂シートAを、型ローラ46とニップローラ48とでニップして偏肉成形しながら冷却して固化し、固化した樹脂シートAを剥離ローラ50で剥離する。これらのローラ46、48、50を成形冷却ローラと称することにする。
図3(A)及び図4の成形冷却ローラの拡大図に示すように、型ローラ46は中央部が細く両端部が太いコンケーブ形状に形成され、ニップローラ48は平坦状に形成される。即ち、型ローラ46のローラ面には、偏肉樹脂シートを成形するための反転形状が形成される。これにより、ダイ44から押し出されて高温な樹脂シートAが型ローラ46とニップローラ48とで所定ニップ圧で狭圧(ニップ)されることにより、蒲鉾形状に成形される。
型ローラ46の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
型ローラ表面の逆蒲鉾形状の形成は、ローラ表面の材質にもよるが、一般的にはNC旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。型ローラ表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。型ローラ46は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図4の矢印方向に回転駆動される。
また、型ローラ46には、図5に示すように、蒲鉾形状に略一致するように樹脂シート幅方向に冷却温度分布を付与するための手段が設けられる。図6(A)に示すように、このような冷却制御手段52としてはローラの一端側から他端側に形成された同径な流路53に温度調節した冷却液体を循環させる構成が好ましく採用できる。この冷却液体の供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。これにより、図6(A)から分かるように、型ローラ46の両端部はローラ厚みが大きく、型ローラ46の冷熱が樹脂シートAの肉薄な両端部に伝達されにくい。逆に、型ローラ46の中央部はローラ厚みが小さく、型ローラ46の冷熱が樹脂シートAの肉厚な中央部に伝達され易い。これにより、樹脂シート幅方向における冷却速度を均一化できる。尚、型ローラ46に形成するローラ厚み分布は、例えば断熱材55で形成することができる。断熱材55の熱伝導率としては、室温で1W/mK以下が好ましく、例えばポリイミド樹脂やガラス等を好適に使用できる。
図3及び図4に示すように、ニップローラ48は、型ローラ46に対向配置され、型ローラ46とで樹脂シートAを挟圧するためのローラである。ニップローラ48の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
特に、型ローラ46とニップローラ48との関係は、図3(B)に示すように、型ローラ46の両端部に先細形状なテーパー46Aを形成して、ニップローラ48とで樹脂シートAを狭圧したときに、樹脂シートAのテーパー対応部分がカットされるようにすることが好ましい。これは、ダイ44から押し出された樹脂シートAの両端部(耳部)が所望の厚みよりも厚膜になる傾向にあり、その厚膜部がその後の工程において反りの形成を促進してしまうためである。この場合、型ローラ46とテーパー頂部46Bがニップローラ48に当接して磨耗し易くなるので、当接部をタングステンカーバイト等の超硬材料で超硬処理を施すか、あるいは焼き入れすることが好ましい。型ローラ46及び剥離ローラ50についても同様に、当接部をタングステンカーバイト等の超硬材料で超硬処理を施すか、あるいは焼き入れすることが好ましい。
ニップローラ48の表面は鏡面状に加工されていることが好ましく、中心線平均粗さRaで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。このような平滑な表面とすることにより、成形後の樹脂シートAの裏面を良好な状態にできる。また、ニップローラ48は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図4の矢印方向に回転駆動される。尚、ニップローラ48に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂シートAの裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
ニップローラ48には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラ46との間の樹脂シートAを所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、いずれも、ニップローラ48と型ローラ46との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ48には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ48の背面側(型ローラ46の反対側)に図示しないバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
また、ニップローラ48にも型ローラ46と同様に、蒲鉾形状に略一致するように樹脂シート幅方向に冷却温度分布(図5参照)を付与する冷却制御手段52が設けられていることが好ましい。ニップローラ48に設ける冷却制御手段52としては、例えば図6(B)〜(E)のものを好適に採用できる。図6(B)はニップローラ48の内部に形成されたクラウン形状の流路53に冷却液体を流す場合である。これにより、ニップローラ48の両端部はローラ厚みが大きく、ニップローラ48の冷熱が樹脂シートAの肉薄な両端部に伝達されにくい。逆に、ニップローラ48の中央部はローラ厚みが小さく、ニップローラ48の冷熱が樹脂シートAの肉厚な中央部に伝達され易い。これにより、樹脂シート幅方向の冷却速度を均一化できる。ローラ構造としては、スパイラルローラ、ドリルドローラ、ジャケットローラ等の各種のローラ構造を採用できる。
図6(C)の冷却制御手段52は、コンケーブ形状の流路53に加熱液体を流す場合である。この場合にも樹脂シート幅方向に温度分布が形成されるので、樹脂シート幅方向の冷却速度を均一化できる。この場合の加熱流体は当然のことながら、樹脂シートAの温度よりも低い温度である。
図6(D)の冷却制御手段52は、図6(C)の加熱液体の代わりにシースヒータを埋め込んだ場合であり、図6(E)は、誘導加熱方式のインダクションヒータ(IHヒータ)をローラ幅方向に複数設けて、ローラ幅方向における加熱温度を制御できるようにしたものである。この他にも、バンドヒータ、シリコンラバーヒータ、スチームヒータ等の各種の加熱方法を採用できる。
また、図3及び図4に示すように、剥離ローラ50は、型ローラ46に対向配置され、樹脂シートAを巻き掛けることにより樹脂シートAを型ローラ46より剥離するためのローラで、型ローラ46の180度下流側に配置される。剥離ローラ50の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂シートAの裏面を良好な状態にできる。そして、剥離ローラ表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。剥離ローラ50の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。剥離ローラ50は、図示しない駆動手段により、所定の周速度で図4の矢印方向に回転駆動される。尚、剥離ローラ50に駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂シートAの裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
また、剥離ローラ50にも型ローラ46やニップローラ48と同様に、蒲鉾形状に略一致するように樹脂シート幅方向に冷却温度分布(図5参照)を付与する冷却制御手段52が設けられていることが好ましい。
型ローラ46、ニップローラ48、及び剥離ローラ50には、ローラ表面の温度をローラ幅方向でモニターできるように、複数の表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
このように構成された成形冷却工程14によれば、蒲鉾形状の樹脂シート幅方向における冷却速度を均一化することができるので、成形冷却工程14において樹脂シートAに反りが発生するのを効果的に抑制できる。成形冷却工程14を経た樹脂シートAは次に徐冷工程16に送られる。
徐冷工程(又はアニーリング工程)16は、図2に示すように、剥離ローラ50の下流における樹脂シートAの急激な温度変化を防止するために設けられたものである。樹脂シートAに急激な温度変化を生じた場合、例えば樹脂シートAの表面近傍が塑性状態になっているのに、樹脂シートAの内部が弾性状態であり、この部分の硬化による収縮で樹脂シートAの表面形状が悪化する。また、樹脂シートAの表裏面に温度差を生じ、樹脂シートAに反りを生じ易い。特に、偏肉樹脂シートのように樹脂シート幅方向において肉厚分布がある場合に反りを生じ易い。
徐冷工程16には、入口と出口を有するトンネル状の徐冷ゾーン54(又はアニーリングゾーン)が設けられ、徐冷ゾーン54の前半部では樹脂シートAを加熱手段55で加熱しながら徐々に自然冷却し、徐冷ゾーン54の後半部では樹脂シートAに冷風を当てて強制冷却を行う。
徐冷ゾーン54の前半部に設ける加熱手段55としては、複数のノズルより温度制御されたエア(温風)を樹脂シートAに向けて噴出させる構成、ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等により、樹脂シートAを加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
徐冷ゾーン54の前半部には、樹脂シートAが徐冷搬送される際に、樹脂シートに該樹脂シートAの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートAを本来の反りのない蒲鉾形状に保持するための形状保持手段56が設けられる。形状保持手段56としては、例えば図7〜図9に示すものを好適に使用できる。
図7の形状保持手段56は、蒲鉾形状の樹脂シートAの凸側の面に1本のコンケーブローラ58(偏肉形状ローラ)を配置し、反対側の平坦面にローラ面が平坦で真直な1本の真直ローラ60を配置し、樹脂シートAを所定の圧力で挟み込むようにしたものである。
図8の形状保持手段56は、蒲鉾形状の樹脂シートAの凸側の面に、ローラ面が平坦で短尺な複数の短尺ローラ62を樹脂シート幅方向に分割配置(図8は2本の短尺ローラ62で構成)し、反対側の平坦面にローラ面が平坦で真直な1本の真直ローラ64を配置し、樹脂シートAを所定の圧力で挟み込むようにしたものである。短尺ローラ62の回転軸両端は軸受66により回転自在に支持されると共に、軸受66にエアシリンダ68(外力調整手段)が設けられる。そして、エアシリンダ68のピストンを伸長させるストロークにより挟み込む圧力を調整する。符号70は長尺ローラ64の軸受であり、長尺ローラ64の軸受70及短尺ローラ62のエアシリンダ68は、図示しない徐冷装置本体に支持される。
図9の形状保持手段56は、図8と基本的な構造は同様であり、樹脂シート幅方向に配置された短尺ローラ62の長さを図8よりも更に短く(4本の短尺ローラ62で構成)して、樹脂シートAの蒲鉾形状に倣って精密に挟み込むことができるようにしたものである。尚、形状保持手段56は、図7〜図9の構造に限定するものではなく、要は徐冷搬送される樹脂シートAの搬送を阻害することなく、樹脂シートAを反りのない状態での蒲鉾形状に保持できるものであればどのようなものでもよい。例えば、短尺ローラ62を更に短くした車輪を備えた押圧手段を樹脂シートAの幅方向に密に配列することで形状保持手段を形成することも可能である。
形状保持手段56を構成する上記ローラのうち、少なくとも樹脂シートAの凸側の面に配置されるローラは弾性ローラであることが好ましい。弾性ローラの材質としては例えばシリコンゴム(SR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPT)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、フッ素ゴム(FPM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハイパロンゴム(CMS)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、図7〜図9の形状保持手段56には、型ローラの蒲鉾形状に略一致するように樹脂シート幅方向に徐冷温度分布(図5の温度分布曲線参照)を付与するための徐冷制御手段57が設けられていることが好ましい。図7の形状保持手段56を構成するコンケーブローラ58及びローラ60には、図6で説明したと同様の構造の徐冷制御手段57を採用できる。また、図8及び図9の短尺ローラ62を使用した場合には、樹脂シート幅方向に配列された複数の短尺ローラ62によって、上記した徐冷温度分布を形成することが必要である。
上記の如く徐冷工程16を構成することにより、徐冷工程16で樹脂シートAの内部に反りを発生させるような内部応力(内力)が発生しても、樹脂シートAは形状保持手段56による圧力(外力)により本来の反りのない蒲鉾形状に保持されているので、反りを発生しないまま徐冷され、次第に内部応力も緩和される。また、仮に、成形冷却工程14で樹脂シートAに反りが発生した場合には、徐冷工程16における形状保持手段56による圧力により反りを強制的に矯正した状態で徐冷されるので、次第に反りの原因となっていた内部応力も緩和される。
この場合、形状保持手段56は、樹脂シートAの蒲鉾形状面側に配置されたローラは該蒲鉾形状面に沿うように構成されているので、圧力を加えても樹脂シートAの蒲鉾形状を破損することがない。また、蒲鉾形状面とローラ面との間に隙間が発生しにくいので、樹脂シートAを本来の反りのない蒲鉾形状に精度良く保持することができる。
また、徐冷制御手段57により樹脂シート幅方向での徐冷速度が均一化されるので、徐冷工程16において反りが発生しないように徐冷できる。また、徐冷工程16前段の成形冷却工程14において樹脂シートAに反りが発生したとしても、その反りを矯正しつつ内部応力を緩和することができる。
この場合、徐冷ゾーン54入口に設けた最初の形状保持手段56と接触する樹脂シートAの表面温度は該樹脂のガラス転移温度Tg℃以下Tg−30℃以上とし、徐冷ゾーン54の前半部出口、即ち形状保持手段56での保持が終了する時点における樹脂シートAの表面温度はTg-20℃以下Tg-80℃以上であることが好ましく、Tg-50℃以下Tg-60℃以上であることが更に好ましい。
徐冷ゾーン54に配置される形状保持手段56の間隔は、樹脂シートAの搬送方向において、1000mm以下であることが好ましく、500mm以下であることが更に好ましい。また、形状保持手段56で樹脂シートAを挟み込む圧力は、線圧で200kgf/cm以下10kgf/cm以上であることが好ましく、50kgf/cm以下30kgf/cm以上であることが更に好ましい。
また、徐冷ゾーン54の後半部には、樹脂シートAを挟んで上側と下側とに、冷風を噴出して樹脂シートAを浮上搬送する複数のエアノズル装置74が設けられる。エアノズル装置74としては、ウェブ状の搬送物を浮上搬送する際に使用される公知のものを使用できる。これにより、樹脂シートAはローラに接触しない非接触状態で常温程度まで冷却される。
次に、図2に示すように、徐冷工程16で冷却された樹脂シートAは、ニップタイプのフィードローラ76により引き取られて、反り測定工程18に送られる。
反り測定工程18では、反り測定器78により樹脂シートAの反りの所定基準に対する合否を測定する。ここで反りを、蒲鉾形状の樹脂シートAの例で説明すると、図10に示すように、縦600mm・横1100mmに切り出した樹脂シートAの裏面(平坦面側)を平面な測定基盤80の上面に載置したときに、樹脂シートAと測定基盤80との最大距離Hを反り量という。反り量の所定基準(規格値)は、樹脂シートAの用途及びユーザ側の規格により設定されるので、反り測定器78は所定基準に対する合否を測定する。反り測定器78としては、例えば、樹脂シートAの表面(外周)を静電センサなどでスキャンさせ、樹脂シートAと静電センサとの距離(形状)を計測し、予め作成しておいた計測値と反り量との関係から反り量を求める方式を採用することができる。そして、反り測定器78で測定された反り量が所定基準を超える場合には、成形冷却工程14及び徐冷工程16にフィードバックして、樹脂シート幅方向における冷却速度及び徐冷速度が均一化するように制御する。即ち、上述した成形冷却工程14では冷却制御手段52により、徐冷工程16では徐冷制御手段57により、樹脂シート幅方向に型ローラ46と略同じ蒲鉾形状の温度分布(図5参照)が形成し、これにより樹脂シート幅方向の冷却速度及び徐冷速度を均一化する。
この場合、蒲鉾形状の樹脂シートAは、蒲鉾形状の種類や偏肉分布の度合い等により反りが生じる場合と生じない場合があるので、反りが所定基準を超えている場合のみ、フィードバックすればよい。反りが生じていないにもかかわらず樹脂シート幅方向における冷却速度及び徐冷速度を画一的に制御すると、却って良くない場合がある。
図2に示すように、反り測定工程18の下流には、ラミネート工程22、裁断・切断工程24、及びストッカー79を備えた積載工程26が順に設けられる。このうち、ラミネート工程22は、樹脂シートAの表裏面に保護フィルム(ポリエチレン等のフィルム)を貼り付ける工程であり、一対のリール82から巻き戻された保護フィルム84が樹脂シートAを挟み込むように合流され、ニップローラ86を通過することによりラミネートされる。
裁断・切断工程24は樹脂シートAの幅方向両端部分(耳部)を切除すると共に樹脂シートAを所定長さに切り揃える工程である。切断機88としては、図2に示すように、受け刃88Aと押し当て刃88Bとからなるギロチンタイプの切断機を好適に使用できるが、これに限定するものではない。また、裁断機90としては、図2に示すように、レーザーカッター90Aあるいは電子ビーム切断を好適に使用できるが、これに限定するものではない。
上記の如く構成された本発明の偏肉樹脂シートの製造装置によれば、ダイ44より押し出したシート状の樹脂シートAを、型ローラ46とニップローラ48とで挟圧することにより、樹脂シートAを蒲鉾形状に成形すると共に冷却固化した後、剥離ローラ50により型ローラ46から剥離する。型ローラ46より剥離した樹脂シートAを、水平方向に搬送し、徐冷ゾーン54を通過することにより徐冷し、歪みが除去された状態で、下流の製品取り部において所定長さに切断し、樹脂シートAの製品として収容する。この場合、ダイ44から押し出す樹脂シートAの押し出し速度は、0.1〜50m/分、好ましくは0.3〜30m/分の値が採用できる。したがって、型ローラ46の周速も略これに一致させる。尚、型ローラ46、ニップローラ48、及び剥離ローラ50の各ローラの速度ムラは、設定値に対して1%以内になるように制御することが好ましい。また、剥離ローラ50の箇所における樹脂シートAが樹脂の軟化点Ta以下の温度になっていることが好ましい。この際、樹脂シートAにポリメチルメタクリレート樹脂を採用した場合、剥離ローラ50の設定温度は、50〜110°Cとできる。
かかる偏肉樹脂シートの製造において、本発明では、徐冷工程16の少なくとも前半部には、形状保持手段56により樹脂シートAに該樹脂シートAの搬送を阻害しないように圧力を加えて、該樹脂シートAを本来の反りのない蒲鉾形状に保持しながら徐冷するようにしたので、偏肉樹脂シートを押出成形法により製造する際に、製造される偏肉樹脂シートに反りが発生しないようにでき、仮に成形冷却工程14で反りが発生したとしても徐冷工程16で矯正することができる。
この場合、成形冷却工程14以降で使用されるローラの周速度は、工程の下流側に位置するローラほど周速度が大きくなるドロー制御を行うことも、偏肉樹脂シートの反り抑制に有効である。更には、成形冷却工程において、型ローラ46とニップローラ48の間隙を適切に制御することも、偏肉樹脂シートAの反り抑制に有効である。
図11及び図12は、偏肉樹脂シートの製造装置の制御システムを示したものである。尚、図11及び図12の測定装置は、上述した反り測定器78の他に、樹脂シートAの厚みを測定する厚み測定器、樹脂シートAの光透過率を測定する透過率測定器、樹脂シートAの表面粗さを測定する粗さ測定器、樹脂シートAのレターデーションを測定するレターデーション測定器等の各種の測定器を含む装置である。
図11に示すように、測定装置で測定された各種の測定データは、PLC(Programmable Logic Controller:シーケンサ)を含むDCS(Distributed Control System:分散制御システム)に入力される。また、各機器からは運転データがDCSに入力される。DCSは、測定データ及び運転データを記憶すると共に、測定データ及び運転データに基づいて各機器を適正に制御するための演算を行う。そして、演算により得られた制御信号が自動計量機、混合器、ホッパー、押出機、ダイ、成形冷却ローラ、徐冷機、及び振分装置の各機器に出力される。ここで、振分装置は、樹脂シートの不良品を製造ラインから廃棄除去箱に排除するための装置であり、反り、厚み、透過率、表面粗さ、レターデーション等の評価項目の規格品外の樹脂シートが不良品として除去される。
DCSによる各機器の具体的な制御としては、図12に示すように、原料工程では、自動計量機の混入量制御、スクリュウーポンプ又はギアポンプ等の定量ポンプを制御することによる押出機からダイへの溶融樹脂の押出量制御を行う。原料工程では、ダイ幅方向における樹脂シートの流量制御を行う。成形冷却工程では、成形冷却ローラ(型ローラ、ニップローラ、剥離ローラ)の各回転駆動部の制御、互いのローラの間隙を調整する間隙駆動部の制御、各温度制御部の制御を行う。徐冷工程の前半部では温度制御部の制御や形状保持手段の圧力制御部の制御を行うと共に、後半部の浮上搬送ではエア搬送駆動部の制御を行う。また、フィードローラ(引取ローラ)駆動部、ラミネータ駆動部、裁断機駆動部、カッター駆動部、端面仕上げ駆動部等を制御する。
尚、本発明の実施の形態では、蒲鉾形状の偏肉樹脂シートを製造する例で説明したが、これに限定するものではなく、楔形状の偏肉樹脂シート等のように、樹脂幅方向で肉厚分布を有する偏肉樹脂シートに適用できる。この楔形状の偏肉樹脂シートの場合には、蒲鉾形状の偏肉樹脂シートを製造して半分に切断することで製造できる。
10…原料工程、12…押出工程、14…成形冷却工程、16…徐冷工程、18…反り測定工程、20…制御工程、22…ラミネート工程、24…裁断・切断工程、26…積載工程、28…原料サイロ、30…添加物サイロ、32…自動計量機、34…混合器、36…ホッパー、38…押出機、40…定量ポンプ、42…供給管、44…ダイ、46…型ローラ、48…ニップローラ、50…剥離ローラ、52…冷却制御手段、53…流路、54…徐冷ゾーン、55…断熱材、56…形状保持手段、58…コンケーブローラ、60…ローラ、62…短尺ローラ、64…長尺ローラ、66…軸受、68…エアシリンダ、70…軸受、74…フィードローラ、78…反り測定器、79…ストッカー、80…測定基盤、82…リール、84…保護フィルム、86…ニップローラ、88…切断機、90…裁断機
Claims (9)
- 溶融した樹脂をダイからシート状に押し出す押出工程と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラとでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却工程と、
前記型ローラから剥離した樹脂シートを徐冷する徐冷工程と、を備え、前記樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する方法において、
前記徐冷工程の少なくとも前半部には、前記樹脂シートに該樹脂シートの搬送を阻害しないように外力を加えて、該樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持しながら徐冷する工程を有することを特徴とする偏肉樹脂シートの製造方法。 - 前記徐冷工程の入口における前記樹脂シートの表面温度は該樹脂のガラス転移温度Tg℃以下Tg−30℃以上であり、前記外力を付与しなくなる時点での前記樹脂シートの表面温度はTg−20℃以下Tg−80℃以上であると共に、前記外力は線圧で200kgf/cm以下10kgf/cm以上であることを特徴とする請求項1の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 前記樹脂シートの幅方向の徐冷速度を均一化することを特徴とする請求項1又は2の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 前記樹脂シートを表裏面からローラで挟み込むことで前記外力を加えると共に、該樹脂シートの偏肉形状面側に配置されたローラは該偏肉形状面に沿うように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 前記偏肉形状面側に配置されたローラは、前記偏肉形状面と同じローラ面を有する偏肉ローラであることを特徴とする請求項4の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 前記偏肉形状面側に配置されたローラは、樹脂シート幅方向に配列された複数の短尺ローラであることを特徴とする請求項4の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 前記偏肉形状面側に配置されたローラは、弾性ローラであることを特徴とする請求項4〜6の何れか1の偏肉樹脂シートの製造方法。
- 溶融した樹脂をダイからシート状に押し出す押出手段と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラとでニップして偏肉成形しながら冷却して固化する成形冷却手段と、前記型ローラから剥離した樹脂シートを徐冷する徐冷手段と、を備え、前記樹脂シート幅方向のシート厚みに偏りのある偏肉樹脂シートを製造する装置において、
前記樹脂シートに該樹脂シートの搬送を阻害しない外力を加えながら該樹脂シートを本来の反りのない偏肉形状に保持する形状保持手段と、
前記加える外力を調整する外力調整手段と、
前記徐冷される樹脂シートの幅方向における冷却速度を均一化する徐冷制御手段と、を備えたことを特徴とする偏肉樹脂シートの製造装置。 - 前記形状保持手段は、
前記樹脂シートの偏肉形状面側に配置され、該偏肉形状面に沿うように構成された第1のローラと、
前記樹脂シートの平坦面側に配置された真っ直ぐな第2のローラと、から成ることを特徴とする請求項8の偏肉樹脂シートの製造装置。
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