JP2009083309A - 小片シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】押出形成の生産性を低下させずに、製造ライン中でのレーザー光による切断が可能な小片シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】小片シートの製造方法において、溶融したアクリル系樹脂をダイ44からシート状に押し出し、樹脂シートAを型ローラ46とニップローラ48で挟みこんで成型すると同時に、裏面に溝60A〜Cを形成する。樹脂シートAを搬送方向に沿ってレーザー切断装置90Aのレーザー光で溝60A〜Cの部分を切断する。
【選択図】 図4
【解決手段】小片シートの製造方法において、溶融したアクリル系樹脂をダイ44からシート状に押し出し、樹脂シートAを型ローラ46とニップローラ48で挟みこんで成型すると同時に、裏面に溝60A〜Cを形成する。樹脂シートAを搬送方向に沿ってレーザー切断装置90Aのレーザー光で溝60A〜Cの部分を切断する。
【選択図】 図4
Description
本発明は小片シートの製造方法に関し、特に、サイドエッジ方式の導光板に適用される小片シートの製造方法に関する。
従来の導光板の製造方法は、大型の樹脂シートを製造し、後工程で樹脂シートを必要ななサイズに切断することで行われている。樹脂シートの切断は、切断面の後研磨を不要とするためレーザー光による切断が適用されている(特許文献1)。
しかし、アクリル樹脂系の樹脂シートをレーザー光で切断しようとすると、切断時に可燃性の分解ガスが発生するため、分解ガスを除去する必要がある。特に、厚みが1mm以上の樹脂シートを切断した場合、分解ガスが大量に発生する。その分解ガスを除去するために、送風を行うとレーザー光で溶融した切断面が荒れてしまうおそれがある。また、吸気を行うとその吸気能力が律速となり、レーザー切断装置の加工速度は2m/分以下となる。このため、導光板の製造ラインにレーザー切断装置を導入した場合、製造ラインの速度が2m/分以下となり、押出成形の生産性が著しく低下するおそれがあった。
特開2004−175864号公報
押出成形の生産性を低下させずに、製造ライン中でのレーザー光による切断が可能な小片シートの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の小片シートの製造方法は、樹脂シートを搬送方向及び搬送方向に直交する方向に沿って切断することで小片シートを製造する方法であって、溶融したアクリル系樹脂をダイからシート状に押し出す工程と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラで挟み、該樹脂シートを成形する工程と、前記樹脂シートを前記型ローラから剥離する工程と、前記樹脂シートを搬送方向と直交する方向に沿って切断する工程と、前記樹脂シートを搬送方向に沿ってレーザー光で切断する工程と、を備え、前記レーザー光による切断工程の前に、前記樹脂シート上のレーザー光による切断予定箇所に溝を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、アクリル樹脂系の樹脂シートに溝を形成し、その溝をレーザー光で切断することで、分解ガスの発生を少なくできる。分解ガスの発生が少ないので、ガス除去のための送風及び吸気能力を上げる必要性がない。レーザー光による加工速度を2m/分以上とすることが可能となる。
また、レーザー光で厚いシートを切断しようとするとレーザー光の出力を高出力にするか、または集光レンズにより集光させる必要があった。高出力とした場合にはドロスが発生しやすくなり、また集光させると焦点深度が小さくなるために厚みのあるシートでは均質な切断面を得ることができなかった。樹脂シートに溝を形成し、切断箇所を薄くすることで、レーザー光の出力を小さく、焦点深度を大きくすることができ、均質で高品質な切断面を得ることができる。
また、レーザー光により切断するので、切断面は鏡面状となり、その切断面を光入射面とすることで光損失の少ない小片シートを得ることができる。
本発明の小片シートの製造方法は、前記発明において、前記溝が、レーザー光の照射面とは反対側の面に形成されることを特徴とする。レーザー光が、溝の形成された反対面から照射されるので、レーザー光を切断部に容易にフォーカスさせることができる。エネルギーロスが少なく、精度の良い切断が実現できる。
本発明の小片シートの製造方法は、前記発明において、前記溝が、前記樹脂シートを型ローラとニップローラで挟むことで形成されることを特徴とする。樹脂シートを成形するときに溝を形成するので、新たな装置を設置する必要がない。
本発明の小片シートの製造方法は、前記発明において、前記溝が、ホットナイフにより形成されることを特徴とする。ホットナイフにより切断することで小片シートサイズが変更されても自由に切断位置を決めることができる。
本発明の小片シートの製造方法は、前記発明において、前記溝が、前記樹脂シートの残渣部が1mm以下となる深さで形成されていることを特徴とする。1mm以下とすることで、分解ガスの発生を少なくでき、また、レーザー光による切断をより高速に行うことができる。
本発明の小片シートの製造方法は、前記発明において、前記樹脂シートの成形工程が、幅方向において厚さの分布を有するよう前記樹脂シートを加工するものであることを特徴とする。厚さの分布を有する小片シートが液晶表示装置等に好適に使用される。
本発明によれば、樹脂シートに溝を形成し、その溝をレーザー光で切断することで、押出形成の生産性を低下させずに、小片シートを得ることができる。また、生産性が高いので製造ライン中でのレーザー光による切断が可能となる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について、小片シートの製造方法を、導光板を例にして説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は、本発明が適用される導光板を製造する全体工程図の一例であり、図2は各工程を実施するための各種機器を備えた導光板の製造装置の概念図である。
図1に示すように、本発明が適用される導光板の製造方法は、主として、原料の計量や混合を行う原料工程10と、溶融した樹脂を連続してシート状(帯状)に押し出す押出工程12と、押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラで挟み、樹脂シートを幅方向に厚みの分布を持つ形状に成形しながら冷却して固化する成形工程14と、固化した樹脂シートを徐冷する徐冷工程16と、徐冷した樹脂シートの反りに関して所定基準に対する合否を測定する反り測定工程18と、反りが所定基準を超える場合には成形工程14及び徐冷工程16にフィードバックして、樹脂シートの幅方向における冷却速度及び徐冷速度が均一化するように制御する制御工程20と、樹脂シートの表裏面に表面保護用のフィルムをラミネートするラミネート工程22と、樹脂シートを所定サイズ(長さ・幅)となるように切断し、個々の導光板を形成する切断工程24と、切断された導光板を積載する積載工程26とで構成される。
以下、本発明が適用される導光板の製造装置の構成を、上記各工程10〜26ごとに説明する。
図2に示すように、原料工程10では、原料サイロ28(又は原料タンク)及び添加物サイロ30(又は添加物タンク)から自動計量機32に送られた原料樹脂及び添加物が自動計量され、混合器34で原料樹脂と添加物が所定比率になるように混合される。
原料樹脂に添加物として散乱粒子を添加する場合、最初に、原料樹脂に散乱粒子を所定濃度よりも高濃度に添加されたマスターペレットが造粒機で製造される。次いで、マスターバッチ方式を好適に採用することで、散乱粒子を所定濃度よりも高濃度に添加されたマスターペレットと散乱粒子が添加されていないベースペレットとが混合器34で所定比率混合される。散乱粒子以外の添加物を添加する場合も同様である。
本発明に使用される原料樹脂としてはアクリル系樹脂を用いることができ、例えばメチルメタクリレート樹脂(PMMA)やMS樹脂などが挙げられる。原料工程10で適切に計量・混合された原料樹脂は押出工程12に送られる。
押出工程12では、混合器34で混合された原料樹脂がホッパー36を介して押出機38に投入される。原料樹脂が押出機38により混練りされながら溶融される。押出機38は単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機38の内部を真空にするベント機能を含むものが好ましい。押出機38で溶融された原料樹脂は、スクリューポンプ又はギアポンプ等の定量ポンプ40により供給管42を介してダイ44(例えばTダイ)に送られる。ダイ44からシート状に押し出された樹脂シートAは成形工程14に送られる。
成形工程14では、ダイ44から押し出された樹脂シートAが、型ローラ46とニップローラ48とで挟まれる。樹脂シートAが幅方向に厚みの分布を持つ形状に成形されならながら、冷却され固化される。固化した樹脂シートAは剥離ローラ50で剥離される。成形工程14を経た樹脂シートAは次に徐冷工程16に送られる。
樹脂シートAを型ローラ46とニップローラ48とで挟むことで、樹脂シートAに溝が形成される。溝は、樹脂シートA上であって、後述する切断工程においてレーザー光での切断が予定されている領域に形成される。
徐冷工程(又はアニーリング工程)16は、剥離ローラ50の下流における樹脂シートAの急激な温度変化を防止するために設けられている。樹脂シートAに急激な温度変化が生じた場合、例えば樹脂シートAの表面近傍が塑性状態になっているにも拘わらず、樹脂シートAの内部が弾性状態となり、この部分の硬化による収縮で樹脂シートAの表面形状が悪化するおそれがある。また、樹脂シートAの表裏面に温度差が生じた場合、樹脂シートAに反りを生じ易い。特に、幅方向において肉厚分布がある樹脂シートAである場合、樹脂シートAに反りが発生しやすくなる。
徐冷工程16には、入口と出口を有するトンネル状の徐冷ゾーン54(又はアニーリングゾーン)が設けられている。徐冷ゾーン54の前半部では、樹脂シートAは加熱手段55で加熱され、徐々に自然冷却される。徐冷ゾーン54の後半部では樹脂シートAに冷風を当てて強制的な冷却が行われる。
徐冷ゾーン54の前半部に設ける加熱手段55としては、複数のノズルより温度制御されたエア(温風)を樹脂シートAに向けて噴出させる構成、ニクロム線ヒータ、赤外線ヒータ、誘電加熱手段等により、樹脂シートAを加熱する構成等、公知の各種手段が採用できる。
また、徐冷ゾーン54の前半部には、樹脂シートAが徐冷搬送される際に、搬送を阻害しないように樹脂シートAに外力を加えて、樹脂シートAを本来の反りのない形状に保持するため、形状保持手段56が設けられる。
また、徐冷ゾーン54の後半部には、樹脂シートAを挟んで上側と下側とに、冷風を噴出して樹脂シートAを浮上搬送する複数のエアノズル装置74が設けられる。エアノズル装置74としては、ウェブ状の搬送物を浮上搬送する際に使用される公知のものを使用できる。これにより、樹脂シートAはローラに接触しない非接触状態で常温程度まで冷却される。
次に、図2に示すように、徐冷工程16で冷却された樹脂シートAは、ニップタイプのフィードローラ76により引き取られて、反り測定工程18に送られる。
反り測定工程18では、反り測定器78により樹脂シートAの反りの所定基準に対する合否が判断される。
ここで反りを、樹脂シートAの例で説明する。図3に示すように、縦600mm・横1100mmに切り出した樹脂シートAの裏面(平坦面側)を平面な測定基盤80の上面に載置したときに、樹脂シートAと測定基盤80との最大距離Hを反り量という。反り量の所定基準(規格値)は、樹脂シートAの用途及びユーザ側の規格により設定される。反り測定器78は所定基準に対する合否を判断する。反り測定器78としては、例えば、樹脂シートAの表面(外周)を静電センサなどでスキャンさせ、樹脂シートAと静電センサとの距離(形状)を計測し、予め作成しておいた計測値と反り量との関係から反り量を求める方式を採用することができる。
そして、反り測定器78で測定された反り量が所定基準を超える場合には、制御工程20において、成形工程14及び徐冷工程16にその情報をフィードバックして、樹脂シート幅方向における冷却速度及び徐冷速度が均一となるように制御される。
反り測定工程18の下流には、ラミネート工程22、切断工程24、及び積載工程26が順に設けられている。ラミネート工程22は、樹脂シートAの表裏面に保護フィルム(ポリエチレン等のフィルム)を貼り付ける工程である。一対のリール82から巻き戻された保護フィルム84が樹脂シートAを挟み込むように合流され、ニップローラ86を通過することによりラミネートされる。
切断工程24は、樹脂シートAを搬送方向と直交する方向に沿って切断し、所定長さに切り揃える工程と、樹脂シートAの両端部及び中央部の溝が形成された部分を搬送方向に沿って切除する工程とを含んでいる。樹脂シートは切断工程24を経ることで、樹脂シートAが個々の導光板に切断される。
樹脂シートAを所定長さに切り揃えるには、例えば、切断機88として、図2に示すように、受け刃88Aと押し当て刃88Bとからなるタイプの切断機を好適に使用できる。但し、これに限定するものではなく、レーザー切断装置を好適に使用することができる。
また、搬送方向に沿って切断するための切断機90としては、図2に示すように、レーザー光を利用したレーザー切断装置90Aが使用される。本発明では、樹脂シートAに形成された溝の領域がレーザー切断装置90Aのレーザー光で切除されることになる。その後、積載工程26では、切断された個々の導光板がストッカー79に積載される。
次に、図4は本発明が適用される導光板の製造装置における一部拡大図である。なお、図4においては、押出工程12、成形工程14及び切断工程24のみが示されている。
型ローラ46は中央部と両端部が細い形状に成形されている。ニップローラ48は略平坦状に形成される。型ローラ46のローラ面には、樹脂シートを成形するための反転形状が形成される。これにより、ダイ44から押し出された高温の樹脂シートAが型ローラ46とニップローラ48とで所定ニップ圧で狭圧(ニップ)されることにより、厚さ分布を持つ形状に成形される。本実施の形態においては、樹脂シートAは2箇所の肉厚部を有するよう成形されている。ニップローラ48には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラ46との間の樹脂シートAを所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、いずれも、ニップローラ48と型ローラ46との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
剥離ローラ50は、型ローラ46に対向配置され、樹脂シートAを巻き掛けることにより樹脂シートAを型ローラ46より剥離するためのローラで、型ローラ46の180度下流側に配置される。
型ローラ46、ニップローラ48及び剥離ローラ50の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
本実施形態において、ニップローラ48には、突起48Aが3箇所に設けられている。突起48Aはニップローラ48の表面を周回するように設けられている。この突起48Aと型ローラ46で樹脂シートAを挟むことで、樹脂シートAの裏面に溝60A,溝60B及び溝60Cが形成される。溝60A〜Cが形成される領域は、切断工程24においてレーザー光による切断が予定されている箇所と一致する。
溝60A〜Cの深さは、溝形成後の樹脂シートAの残渣部の厚さが1mm以下となるように形成するのが好ましく、さらに0.3mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。その理由は、0.3mm未満であるとレーザー光切断前に割れる恐れが発生し、0.8mmより大きいと高速での切断がしづらくなるためである。溝60A〜C幅は、0.1mm以上1mm以下となるよう形成される。樹脂シートAに形成される溝の深さ及び幅は、導光板の厚さ、切断工程24でのレーザー光の種類等に基づいて適宜決定される。
裏面に溝60A〜Cが形成された樹脂シートAは、徐冷工程、反り測定工程及びラミネート工程を経てパスローラ62により切断工程24に送られる。
切断工程24は少なくとも3段階の切断工程を有している。第1の切断工程では、樹脂シートAの両縁部が溝60A,60Cに沿ってレーザー光により切断される。樹脂シートAの両縁部が、搬送中にレーザー切断装置により切断される。樹脂シートAは、成型工程14で所定の形状に成型されるが、樹脂シートAの両縁部は、その形状において中央部に比較して寸法精度が悪くなるため切断される。樹脂シートAの両縁部は、導光板における光入射面とならないので、樹脂シートAを搬送しながら切断しても、導光板の品質面への影響は小さい。
切断された樹脂シートAの一部は回収ボックス64で回収され、回収された樹脂の一部は再利用される。切断面が導光板の光入射面とならない限り、必ずしもレーザー光による切断は必要ないが、光散乱等の影響を少なくするため、レーザー光による切断が好適に使用される。
次に、樹脂シートAは、搬送方向と直行する方向に沿って切断される。切断は上述した受け刃と押し当て刃とからなるタイプの切断機で行われる。本実施の形態の導光板においては、搬送方向と直行する方向に沿って切断された面が光入射面とならないので、レーザー光による切断である必要はない。しかし、両縁部の切断と同様に、光入射面とならない面であっても、光散乱等の影響を少なくするため、レーザー光による切断が好適に使用される。
本発明においては、樹脂シートAをレーザー光により搬送方向に沿って切断することで、導光板の光入射面が形成される。つまり、溝60Bに沿って、レーザー光により切断された樹脂シートAの切断面が、導光板の光入射面となる。レーザー光を使用することで、切断後の研磨が不要で、鏡面状の光入射面を容易に得ることが可能となる。特に、レーザー光による切断箇所には溝60A〜Cが形成されているので、切断に伴う分解ガスの発生を少なくできる。
吸気装置(不図示)が、分解ガスを吸気するために設置される。分解ガスの発生が少ないので大型の吸気装置を設ける必要がなく、分解ガスの吸気が製造プロセスにおける律速とならない。その結果、レーザー切断装置の加工速度を2m/分以上とすることができる。
レーザー切断装置90Aのレーザー光源としては、例えば炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、エキシマレーザー等が好適に使用される。導光板に使用されるアクリル樹脂系からなる樹脂シートを切断する場合、出力10W〜1200Wの炭酸ガスレーザーが使用され、厚み2mmの板で切断速度 2mm/秒〜100mm/秒で切断される。
図5は、切断される樹脂シートA、溝60A,60B,60C及びレーザー切断装置90Aの位置関係を示している。図5(A)に示すように、樹脂シートAの裏面側には溝60A,60B,60Cが、両端部及び中央部に設けられている。そしてレーザー切断装置90Aからのレーザー光が、溝形成面と反対の面に照射される。溝形成面からレーザー光を照射するよりも、反対面から照射するほうが焦点を容易に切断部に合わせることができるからである。溝形成面からレーザー光の照射では、溝の深さにより焦点位置がずれるおそれがあるからである。
一般に、レーザー切断装置90Aのレーザー光は拡がりを有するため、切断対象物に垂直に照射されない。本発明によれば、切断箇所に溝を形成しているので、その厚みは薄くなっている。対象物の厚みが薄いので角度がつく部分が減少し、レーザー光をより垂直に近い形で照射させることができる。
また、図5(B)は、レーザー光のスポット径の大きさと溝の幅の関係を示している。特に中央部の溝60Bの幅がレーザー光のスポット径より大きい場合、シングルのレーザー光では切残しが生じるおそれがある。特に、導光板の光照射面となる切断面に切残しが生じると、光源からの光が効率よく導光板に入射されない。そこで、溝60Bの切断に際し、レーザー光をツインビームとしたので樹脂シートAは鏡面状となるよう確実に切断される。
図6は、ホットナイフを用いた溝の形成方法を示している。
ホットナイフ91は樹脂シートAが型ロール46に巻き掛けられた状態で図示しないジグにより固定され押し当てられる。ホットナイフのこて先は棒状、へら状などのタイプが使用でき、その素材は真鍮、メッキ加工が挙げられるが特に限定されるものでない。
ホットナイフの表面温度は200℃〜300℃の範囲が好ましい。200℃未満の低い温度では切断部分の滑らにならず、また300℃より高い温度では樹脂の分解により端面に発泡を生じるためである。
最後に図7は樹脂シートから切断された導光板を示している。導光板は、その厚さが均一ではなく、厚さ分布を有している。
ノートパソコン等の比較的小画面な液晶パネルには、図7(A)に示すように、一端側が厚肉で他端側が薄肉な形状の導光板100が使用される。導光板100は、光源ユニット(図示せず)の光が入射する光入射面102と、面上の光を出射する光出射面104と、光入射面102から光を光出射面104に導くための光反射面106と、光入射面102の対向側に位置する対向面108とで構成される。
大画面液晶テレビのような大画面な液晶パネルには、図7(B)に示すように中央部が厚肉で両端が薄肉な形状の導光板200が使用される。導光板200は、光源ユニット(図示せず)の光が入射する光入射面202と、面上の光を出射する光出射面204と、光入射面202から光を光出射面204に導くための光反射面206と、光入射面202の対向側に位置する対向面208とで構成される。
導光板100及び200は、横側から光を入射するための光入射面102及び202を有しているので、サイドエッジ型またはサイドエッジ方式の導光板と呼ばれる。
本発明においては、導光板100の光入射面102及び導光板200の光入射面202が、樹脂シートに形成された溝をレーザー光で切断することにより形成される。その結果、光入射面102及光入射面202の切断面は鏡面状となり、研磨加工が不要となる。
10…原料工程、12…押出工程、14…成形工程、16…徐冷工程、18…反り測定工程、20…制御工程、22…ラミネート工程、24…切断工程、26…積載工程、28…原料サイロ、30…添加物サイロ、32…自動計量機、34…混合器、36…ホッパー、38…押出機、40…定量ポンプ、42…供給管、44…ダイ、46…型ローラ、48…ニップローラ、突起…48A、50…剥離ローラ、54…徐冷ゾーン、55…加熱手段、56…形状保持手段、60A,60B,60C…溝、76…フィードローラ、78…反り測定器、79…ストッカー、80…測定基盤、82…リール、84…保護フィルム、86…ニップローラ、88…切断機、90…切断機、90A…レーザー切断装置、91・・・ホットナイフ
Claims (6)
- 樹脂シートを搬送方向及び搬送方向に直交する方向に沿って切断することで小片シートを製造する方法であって、
溶融したアクリル系樹脂をダイからシート状に押し出す工程と、
押し出した樹脂シートを型ローラとニップローラで挟み、該樹脂シートを成形する工程と、
前記樹脂シートを前記型ローラから剥離する工程と、
前記樹脂シートを搬送方向と直交する方向に沿って切断する工程と、
前記樹脂シートを搬送方向に沿ってレーザー光で切断する工程と、
を備え、
前記レーザー光による切断工程の前に、前記樹脂シート上のレーザー光による切断予定箇所に溝を形成する工程を有することを特徴とする小片シートの製造方法。 - 前記溝が、レーザー光の照射面とは反対側の面に形成されることを特徴とする請求項1記載の小片シートの製造方法。
- 前記溝が、前記樹脂シートを型ローラとニップローラで挟むことで形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の小片シートの製造方法。
- 前記溝が、高温のエッジナイフにより形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の小片シートの製造方法。
- 前記溝が、前記樹脂シートの残渣部が1mm以下となる深さで形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1記載の小片シートの製造方法。
- 前記樹脂シートの成形工程が、幅方向において厚さの分布を有するよう前記樹脂シートを加工するものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1記載の小片シートの製造方法。
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