JP2008248732A5 - - Google Patents

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非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法
本発明は、たとえばガスタービンや蒸気タービン等の回転機械に適用される非常油ポンプの駆動機構に関する。
従来、発電等に用いられるガスタービンや蒸気タービンのように大型の回転機械においては、専用の潤滑ポンプを用いて摺動部に潤滑油の供給を行っている。このような回転機械は、停電時においても非常用電源である蓄電池から電源の供給を受けて運転される非常油ポンプを備え、必要最低限の潤滑油を供給して運転を継続できるようになっている。
非常油ポンプ周辺の回路構成について、従来例を図5に示して簡単に説明する。
図示の例では、非常油ポンプ(EOP)を駆動するEOPモータ1と、非常用シールオイルポンプ(ESOP)を駆動するESOPモータ2とが非常用電源である蓄電池3に接続されている。EOPモータ1と蓄電池3との間、及びESOPモータ2と蓄電池3との間には、それぞれ始動電流制限抵抗4,5が設けられている。この始動電流制限抵抗4,5は、直流電動機であるEOPモータ1及びESOPモータ2への突入電流を抑えるとともに、蓄電池3の負担軽減を目的とするものである。すなわち、始動電流制限抵抗4,5は、EOPモータ1及びESOPモータ2の始動時において、直列に接続した複数の抵抗要素を介して起動した後、スイッチ操作により徐々にバイパスする抵抗要素の数を増やすものであり、最終的には全ての抵抗要素をバイパスして直流電動機に必要な電力が給電される。なお、図中の符号6,7は、EOPモータ1またはESOPモータ2の運転時にONとされる主遮断機である。
また、非常用の電動給油装置においては、始動時間が短くて済み、しかも籠型誘導電動機を使用可能な非常用の電動装置として、VVCFインバータを用いたものが開示されている。(たとえば、特許文献1参照)
特開平8−312308号公報
ところで、直流電動機は、交流電動機と比較した場合、下記のような問題点を有することが指摘されている。すなわち、一般的に納期が長いことに加えてコストも高く、かつ、入手先が限定されて少ないという問題を有している。
一方、始動電流制限抵抗についても、上述した直流電動機と同様に、納期の長さや、バイパス回路の入手先が限定されて少ないという問題を有している。なお、始動電流制限抵抗の場合、始動時の電流は抵抗要素の数に応じてステップ状の変化をすることになる。
このような背景から、市場性があって容易に入手可能な機器を使用でき、しかも、非常油ポンプを滑らかに起動することができる非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容易に入手可能な機器を使用して、非常油ポンプを滑らかに起動することができる非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明は、停電時に非常電源を用いて回転機械に潤滑油を供給する非常油ポンプのポンプ駆動機構において、前記非常油ポンプの駆動源が前記非常電源からインバータを介して給電を受ける交流電動機とされ、前記インバータに常用及び予備が設けられていることを特徴とするものである。
このような非常油ポンプのポンプ駆動機構によれば、非常油ポンプの駆動源が非常電源からインバータを介して給電を受ける交流電動機とされ、常用及び予備のインバータが設けられているので、非常油ポンプの交流電動機は、非常電源から常用または予備のインバータを介して交流電源の給電を受ける。そして、インバータを採用することにより、始動時の電流を滑らかに変化させることができる。
本発明は、停電時に非常電源を用いて回転機械に潤滑油を供給する非常油ポンプの駆動ポンプ切換方法において、前記非常油ポンプの駆動源が前記非常電源から常用インバータまたは予備インバータを介して給電を受ける交流電動機とされ、前記交流電動機は、交流電動機の起動指令信号と、前記常用インバータの異常信号と、前記予備インバータの正常信号とが全て揃った場合に前記予備インバータを介して起動されることを特徴とするものである。
このような非常油ポンプの駆動ポンプ切換方法によれば、非常油ポンプの駆動源が非常電源から常用インバータまたは予備インバータを介して給電を受ける交流電動機とされ、交流電動機は、交流電動機の起動指令信号と、常用インバータの異常信号と、予備インバータの正常信号とが全て揃った場合に予備インバータを介して起動されるので、非常油ポンプ起動の確実性を増して停電時の回転機械潤滑を確実に実施することができる。
上記の発明において、前記交流電動機として優先順位の異なる複数が存在し、各交流電動機に専用の常用インバータが設けられるとともに前記予備インバータを共用とする場合、前記交流電動機の優先順位下位側は、前記交流電動機の優先順位上位側において前記常用インバータの故障信号及び電動機起動指令がないことを必要条件にして前記予備インバータにより起動されることが好ましく、これにより、予備インバータは優先順位上位の交流電動機の優先的な始動に使用可能となる。
上述した本発明によれば、市場性を有する交流電動機やインバータを採用することにより機器調達及び保守部品調達が容易になり、さらに、予備インバータを設けることによって非常油ポンプを確実かつ滑らかに起動することが可能になる。特に、インバータを採用したので、滑らかな電流変化により交流電動機を起動でき、パラメータを変更すれば速度調整も容易に実施可能となる。従って、信頼性が高く、応答性や汎用性にも優れている非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法を提供できるという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係る非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、ガスタービン及びその排熱を用いた発電装置概要を示す構成図である。
図示の発電装置10は、ガスタービン11、高圧蒸気タービン12及び低圧蒸気タービン13を備えている。高圧蒸気タービン12及び低圧蒸気タービン13は、ガスタービン11を運転して得られる排気ガスの熱を用いて生成した蒸気により駆動される。この発電装置10は、ガスタービン11、高圧蒸気タービン12及び低圧蒸気タービン13が同軸に連結され、さらに、これらを駆動源とするため出力軸と連結された発電機14が運転されて発電するように構成されている。
上述したガスタービン11、高圧蒸気タービン12、低圧蒸気タービン13及び発電機14等は、軸受等の摺動部に対して外部から供給される多量の潤滑油が必要となる大型の回転機械である。このため、発電装置10は、各回転機械の摺動部等に潤滑油を供給して循環させる潤滑装置20を備えている。
潤滑装置20は、所望の潤滑油量を貯蔵可能な貯油槽21を備えている。この貯油槽21には、潤滑油を各回転機械へ供給する常用潤滑油ポンプ(MOP)22及び非常油ポンプ(EOP)23が設けられている。なお、図中の符号21aは網部材であり、常用潤滑油ポンプ22及び非常油ポンプ23が吸い込む潤滑油と、貯油槽21に回収した潤滑油との間に配設されて異物の流通を防止している。
常用潤滑油ポンプ22は、常用電動機(MOPモータ)22aを駆動源として運転されるポンプであり、通常はメンテナンス等を考慮して複数台が設置されている。この常用潤滑油ポンプ22を運転して送出される潤滑油は、潤滑油供給管24を通ってガスタービン11、高圧蒸気タービン12、低圧蒸気タービン13及び発電機14に供給される。この潤滑油は、各回転機械内部において摺動部等の所定位置に供給されて潤滑した後、潤滑油回収配管25を通って貯油槽21に戻される。
非常油ポンプ23は、非常電動機(EOPモータ)23aを駆動源として運転されるポンプであり、通常は上述した潤滑油ポンプ22と比較して容量の小さなポンプが使用される。すなわち、非常油ポンプ23は、停電時に非常電源を使用して運転されるポンプであり、非常電源等の制約から各回転機械が必要とする最小限の潤滑油量を供給して所定時間運転可能なポンプ性能に設定されている。この非常油ポンプ23を運転して供給される潤滑油は、非常用供給管26を通ってガスタービン11、高圧蒸気タービン12、低圧蒸気タービン13及び発電機14に供給され、各回転機械内部において摺動部等の潤滑に使用される。
上述した非常電動機23aは、電源切換装置30を介して非常電源50と接続されている。
常用電源40は買電等の交流電源であり、常用電動機22aには交流電動機が使用されている。
一方、非常電源50は蓄電池等の直流電源であり、後述するインバータを介して非常電動機23aに給電される。この非常電動機23aは、直流電源である非常電源50をインバータにより変換した交流電源の給電を受けて駆動される交流電動機である。
また、図4に示す符号の60は、上述した潤滑油系統から独立した密封油系統であり、水素冷却を行う発電機14から冷媒の水素が漏れないようにシール(密封)するための油(シールオイル)を循環させる流路系統が形成されている。この密封油系統60は、密封油を貯蔵する貯油槽61と、常用電源40で運転して密封油を循環させる常用シールオイルポンプ(SOP)62と、非常電源50で運転して密封油を循環させる非常用シールオイルポンプ(ESOP)63とを備えている。
常用シールオイルポンプ62は常用電動機(SOPモータ)62aを駆動源として運転され、非常用シールオイルポンプ(ESOP)63は非常用シールオイル電動機(ESOPモータ)63aを駆動源として運転される。なお、図中の符号64は発電機14へ連結されたシールオイル供給管、65は非常用シールオイル供給管、66はシールオイル回収管である。
ここで、電源切換装置30の要部構成を図1及び図4に基づいて説明する。
図示の電源切換装置30は、非常油ポンプ23を駆動する非常電動機(EOPモータ)23aと、非常用シールオイルポンプ(ESOP)63を駆動するESOPモータ63aとの二つの非常用電動機について、停電により潤滑油ポンプ22や常用シールオイルポンプ62を使用できなくなった場合に非常電源50の給電を受けて起動させるものである。ここで使用する非常電源50は、たとえば充電器51を備えた蓄電池が使用される。
なお、以下の説明においては、EOPモータ23aの出力がESOPモータ63aよりも大きく、かつ、非常時に運転する優先順位は、EOPモータ23aがESOPモータ63aより上位にあるものとする。
EOPモータ23aは、EOP常用インバータ31及び切換スイッチ32を介して非常電源50と接続されている。この場合、EOP常用インバータ31は、EOPモータ23aに給電される非常電源50の直流電源を交流電源に変換するために設けた専用の常用インバータであり、出力の大きいEOPモータ23aに合わせた仕様とされる。
ESOPモータ63aは、ESOP常用インバータ33及び切換スイッチ34を介して非常電源50と接続されている。この場合、ESOP常用インバータ33は、小出力のESOPモータ63aに仕様を合わせた専用の常用インバータでる。
さらに、図示電源切換装置30は、EOP常用インバータ31及びESOP常用インバータ33と並列に接続された予備インバータ35を備えている。この予備インバータ35は、出力の大きいEOPモータ23aに仕様を合わせたものであるが、小出力のESOPモータ63aにも使用可能である。すなわち、大出力モータ用のインバータは、小出力モータ用として兼用することが可能である。
切換スイッチ32は、EOPモータ23aに給電する非常電源系統を選択して切り換えるものである。この場合の切換スイッチ32は、EOPモータ23aに給電するインバータとして、EOP常用インバータ31または予備インバータ35のいずれか一方を選択することができる。
切換スイッチ34は、ESOPモータ63aに給電する非常電源系統を選択して切り換えるものである。この場合の切換スイッチ34は、ESOPモータ63aに給電するインバータとして、ESOP常用インバータ33または予備インバータ35のいずれか一方を選択することができる。
以下では、上述した構成の電源切換装置30が制御する非常油ポンプ23の駆動ポンプ切換方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS1でスタートすると、ステップS11及びステップS21に進んで起動指令の有無を確認する。
ステップS11では、停電等の理由により常用電源40を使用できない状況となり、常用潤滑油ポンプ(MOP)22に代えて非常油ポンプ(EOP)23の起動指令が出されたか否かを判断する。この結果、EOP起動指令がない「NO」の場合には、EOP起動指令が出るまで同様の判断を継続して状況を監視する。なお、この実施形態では、出力の大きいEOPモータ23aを始動するEOP起動指令が、出力の小さいESOPモータ63aを始動するESOP起動指令よりも優先順位が上位にあるものとする。
一方、ステップS11でEOP起動指令がある「YES」の場合には、次のステップS12に進んでEOP常用インバータ31は正常か否かを判断する。この結果、ステップS12においてEOP常用インバータ31が正常な「YES」の場合には、ステップS2に進んで非常油ポンプ23が起動される。すなわち、ステップS2では、EOP常用インバータ31を介してEOPモータ23aが始動され、EOPモータ23aにより駆動される非常油ポンプ23が起動される。このとき、EOP常用インバータ31は、電流値を滑らかな変化により上昇させて非常油ポンプ23を起動することができる。
しかし、ステップS12においてEOP常用インバータ31に異常がある「NO」の場合には、次のステップS13に進んで予備インバータ35は正常か否かを判断する。この結果、ステップS13において予備インバータ35に異常がある「NO」の場合には、非常油ポンプ23のEOPモータ23aを起動することができるEOP常用インバータ31及び予備インバータ35がともに異常な状況にあるから、ステップS3に進んで非常油ポンプ23は起動失敗となる。
一方、ステップS13において予備インバータ35が正常と判断された「YES」の場合には、次のステップS2に進むことにより、正常な予備インバータ35を用いて電流値を滑らかに上昇変化させながらEOPモータ23aを始動して非常油ポンプ23の起動が行われる。
同様に、最初のステップS1でスタートした後、ステップS21に進んで起動指令の有無を確認する場合について説明する。
この結果、ステップS21においては、停電等の理由により常用電源40を使用できない状況になると、常用シールオイルポンプ(SOP)62に代えて、非常用シールオイルポンプ(ESOP)63の起動指令が出されたか否かを判断する。この結果、ESOP起動指令がない「NO」の場合には、ESOP起動指令が出るまで同様の判断を継続して状況を監視する。なお、この実施形態では、EOPモータ23aを始動するEOP起動指令の優先順位が、ESOP駆動用のESOPモータ63aを始動するESOP起動指令より上位にある。
一方、ステップS21でEOP起動指令がある「YES」の場合には、次のステップS22に進んでESOP常用インバータ33は正常か否かを判断する。この結果、ESOP常用インバータ33が正常な「YES」の場合には、ステップS4に進んでESOPが起動される。すなわち、ステップS4では、ESOP常用インバータ33を介してESOPモータ63aが始動され、ESOPモータ63aにより駆動される非常用シールオイルポンプ63が起動される。このとき、ESOP常用インバータ33は、電流値を滑らかな変化により上昇させて非常用シールオイルポンプ63を起動する。
しかし、ステップS22においてESOP常用インバータ33に異常がある「NO」の場合には、次のステップS23に進んで予備インバータ35は正常か否かを判断する。この結果、ステップS23において予備インバータ35に異常がある「NO」の場合には、ESOPモータ63aを起動することができるESOP常用インバータ33及び予備インバータ35がともに異常な状況にあるから、ステップS5に進んでESOPモータ63aは起動失敗となる。
一方、ステップS23において予備インバータ35が正常と判断された「YES」の場合には、次のステップS24に進むことにより、次のような確認を行うこととなる。
すなわち、EOP起動指令がなく、しかも、EOP常用インバータ31に故障がないことを判断する。
ステップS23の判断において、EOP起動指令がなく、かつ、EOP常用インバータ31に故障がない「YES」の場合には、次のステップS4に進むことにより、正常な予備インバータ35を用いて電流値を滑らかに上昇変化させながらESOPモータ63aを始動して非常油ポンプ23の起動が行われる。
しかし、ステップS23の判断において、EOP起動指令やEOP常用インバータ31の故障の内少なくとも一方がある「NO」の場合には、予備インバータ35の優先使用権がEOPモータ23aにあるため、次のステップS5に進んでESOPモータ63aは起動失敗となる。
このような非常油ポンプ23の駆動ポンプ切換方法を採用することにより、非常油ポンプ23の駆動源が非常電源50からEOP常用インバータ31または予備インバータ35を介して給電を受ける交流電動機のEOPモータ23aは、EOPモータ23aの起動指令信号と、EOP常用インバータ31の異常信号と、予備インバータ35の正常信号とが全て揃った場合に、予備インバータ35を介して起動される。このため、非常油ポンプ23を起動する確実性が増し、停電時の回転機械潤滑を確実に実施することができる。
また、たとえばEOPモータ23a及びESOPモータ63aのように、起動優先順位の異なる交流電動機が複数存在し、各交流電動機(EOPモータ23a及びESOPモータ63a)に専用の常用インバータ31,33が設けられるとともに予備インバータ35を共用とする場合、交流電動機の起動優先順位が下位側となるESOPモータ63aにおいては、起動優先順位が上位側のEOPモータ23aにおいてEOP常用インバータ31の故障信号及び電動機起動指令がないことを必要条件にして予備インバータ35により起動される。このため、予備インバータ35は、起動優先順位が上位にある交流電動機の始動に優先使用される。
ところで、上述したインバータを使用する構成の電源切換装置30は、始動電流制限抵抗を使用する従来構成と比較して、故障率の大幅な低下により信頼性が向上している。
以下では、上述した故障率の低下について、図3及び図6に基づいて具体的に算出した故障率を示して説明する。
最初に、図6に示す従来構成において、EOPモータ1に対して必要な電流を供給できない場合を「故障」と定義した故障率λを算出する。図6に示す回路構成において、図中の符号6は主遮断機、8は補助遮断機、5は始動電流制限抵抗、1はEOPモータ1である。以下では、故障の可能性がある回路構成要素(機器)について、故障率や不作動率の一例として下記のように設定し、全体の故障率λtを算出する。
1)主遮断機6(λms);0.059×10−3
2)補助遮断機8の接点(λcs);0.21×10−3
3)補助遮断機8の動作用補助リレー(λcr);0.036×10−3
4)抵抗短絡用スイッチC1の接点(λcs1);0.21×10−3
5)抵抗短絡用スイッチC1の動作用補助リレー(λcr1);0.057×10−3
6)抵抗短絡用スイッチC2の接点(λcs2);0.21×10−3
7)抵抗短絡用スイッチC2の動作用補助リレー(λcr2);0.057×10−3
8)抵抗短絡用スイッチC3の接点(λcs3);0.21×10−3
9)抵抗短絡用スイッチC3の動作用補助リレー(λcr3);0.057×10−3
ここで、故障率λtは、図6(b)に示すロジックに基づいて下記の数式により算出される。
λt=λms+λcs+λcr+λcs1+λcr1+λcs2+λcr2+λcs3+λcr3
=(0.059+0.21×4+0.036+0.057×3)×10−3
=1.106×10−3
次に、EOP常用インバータ31及び予備インバータ35を用いてEOPモータ23aに給電する場合について、EOPモータ23aに対して必要な電流を供給できない場合を「故障」と定義した故障率λを算出する。ここで、EOP常用インバータ31が故障した場合は自動的に予備インバータ35に切り換えられるものの、予備インバータ35からEOP常用インバータ31への切換はないものとする。さらに、インバータの予備品在庫はないが、切換スイッチ32の予備品在庫はあるものとする。
図3に示す回路構成において、図中の符号36はEOP常用インバータ用遮断機、37は予備インバータ用遮断機、31はEOP常用インバータ、35は予備インバータ、32は切換スイッチ、23aはEOPモータである。以下では、故障の可能性がある回路構成要素(機器)について、故障率や不作動率の一例として下記のように設定し、全体の故障率λiを算出する。
1)主遮断機36、37(λmsa,λmsb);0.059×10−3
2)インバータ31,35(λiia,λiib);1.786×10−6
3)切換スイッチ32の動作用補助リレー(λcr);0.036×10−3
4)切換スイッチ32の接点(λcs);0.21×10−3
従って、切換スイッチ32の故障率λcは、λc=λcr+λcs=0.246×10−3となる。
また、各機器の平均修復時間Tは、下記の通りである。
主遮断機36,37については、納期及び交換に必要となる期間Tmsa,Tmsbを合計90日(2160時間)に設定する。
同様に、インバータ31,35についても、納期及び交換に必要となる期間Tiia,Tiibを合計90日(2160時間)に設定する。
切換スイッチ32については、在庫として保有する予備品との交換に必要な期間Tcrを1日(24時間)に設定する。
ここで、故障率λiは、図3(b)に示すロジックに基づいて下記の数式により算出される。
λi=(λmsa+λiia)×Tiia×(λmsb+λiib)
+(λiia+λmsa)×Tmsb×(λiib+λmsb)
+λiia×Tiia×λc
+λc×Tc×λiia
=(0.059×10−3+1.786×10−6×2160
+(1.786×10−6+0.059×10−3×2160
+1.786×10−6×2160×0.059×10−3
+0.246×10−3×24×1.786×10−6
=16.92×10−6
このように、インバータ31,35を用いた本発明の構成は、その故障率λi(16.92×10−6)を従来の故障率λt(1.106×10−3)と比較すると、EOPモータ23aに対して必要な電流を供給できなくなる故障率λの大幅な低下により、信頼性が大きく向上していることが分かる。
上述したように、本発明では、非常電動機23a及びその駆動源として市場性を有するEOP常用インバータ31を設置し、停電時に非常電源50の直流を変換した交流を給電される交流電動機により非常油ポンプ23を運転するので、機器調達及び保守部品調達が容易になる。さらに、EOP常用インバータ31に加えて予備インバータ35を設けたので、非常油ポンプ23を確実かつ滑らかに起動することが可能になる。特に、インバータの採用は、滑らかな電流変化により交流電動機を起動でき、しかも、パラメータの変更により速度調整も容易である。従って、故障率の大幅な低下により信頼性が高く、応答性や汎用性にも優れている非常油ポンプ23のポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法を提供することができる。
ところで、上述した実施形態では、ガスタービン11が高圧蒸気タービン12、低圧蒸気タービン13及び発電機14と同軸に連結されているが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえばガスタービン11の単体運転や蒸気タービンの単体運転のように、停電時に非常電源を用いて回転機械に潤滑油を供給する非常油ポンプのポンプ駆動機構としても適用可能なことはいうまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る非常油ポンプのポンプ駆動機構及び駆動ポンプ切換方法の一実施形態として、電源切換装置の構成例を示す図である。 図1に示した電源切換装置において、インバータの切換制御を説明するためのフローチャートである。 故障率λiの算出例を示す図で、(a)は算出対象の回路構成図、(b)は故障率λiを算出するロジック図である。 本発明の適用例として、ガスタービン及びその排熱を用いた発電装置概要を示す構成図である。 電源切換装置の従来例を示す図である。 故障率λtの算出例を示す図で、(a)は算出対象の回路構成図、(b)は故障率λtを算出するロジック図である。
20 潤滑装置
23 非常油ポンプ(EOP)
23a 非常電動機(EOPモータ)
30 電源切換装置
31 EOP常用インバータ
32,34 切換スイッチ
33 ESOP常用インバータ
35 予備インバータ
50 非常電源
63 非常用シールオイルポンプ(ESOP)
63a 非常用シールオイル電動機(ESOPモータ)
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