JP2008248449A - ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物 - Google Patents

ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーンオイルをはじめとする付着油分の多いポリウレタン繊維及びそれを含む繊維素材を脆化させることなく、格段に油分除去性を高めて諸々の工程トラブルを解消し、高品質の最終製品を得ることができる精練剤組成物を提供する。
【解決手段】下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤(成分A)、下記化学式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物の群から選択される1種又は2種以上の混合物である両性界面活性剤(成分B)、及びポリエーテル変性シリコーン(成分C)の3成分を含有する。
Figure 2008248449

[Rは炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を示す。また、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、nは0〜50である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物に関し、より詳しくは、紡糸、製織、編成段階で使用された油剤、糊剤等を除去するために行われる精練工程に用いられるポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物に関する。
近年では繊維素材が複雑化し、また海外生機の輸入の増加により除去しにくい成分不明の油剤や糊剤が生機に付着しており、精練トラブルを引き起こす事例が後を絶たない状況にある。中でも、紡糸の際に大量のシリコーンオイルを使用するポリウレタン繊維素材(以下、「スパンデックス」ということがある)は、パンティストッキング、インナーウェア、水着等のストレッチ性、フィット感のある素材として近年注目され、ポリエステル、綿、ナイロン等を中心に混紡されることが多くなり、精練処理が難しくなる傾向にある。
油剤の中でもシリコーンオイルは精練が困難とされる油剤の一つであり、充分に精練が行われないと後工程での染色ムラ、最終セッター時の発煙現象等、工程トラブルを引き起こす原因となっている。
従来、スパンデックスの精練剤組成物には、エチレンオキサイド付加モル数の高い(所謂、HLBの高い)非イオン界面活性剤を主成分とし、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤を単に配合して構成されるものが多かった。
スパンデックスを含まないポリエステル、ナイロン、綿繊維材料の場合は、高アルカリ、高温条件下で精練することにより、シリコーンオイルをはじめ鉱物油やエステル化オイル等の油剤をある程度除去できるが、スパンデックスを含む繊維は、スパンデックスが熱やアルカリに弱く脆化が懸念されるため、精練条件を強くできないため、中性〜弱アルカリ領域、50〜70℃近辺の温度条件で実施されるような精練では、ほとんどのシリコーンオイルは脱脂できないのが実状である。
こうなれば、精練剤の威力が脱脂力を左右するが、従来の非イオン界面活性剤を中心として設計される精練剤では、脱脂効果が低い上に再付着を起こし、未精練の生機より残脂率が上昇する結果になることが多々あった。仮にアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤を配合し若干精練性が上がったとしても高泡で、日夜高速化する工程管理上これらを使用するのは困難であった(特許文献1〜4)。
特開2000−80562号公報 特開2002−69834号公報 特開2002−201565号公報 特開2003−342868号公報
スパンデックスを製織、編成する際には、多量のシリコーンオイルを使用する場合が多く、特にタイツ、パンティストッキング等の分野では繊維重量に対して15%以上のオイルを使用している場合もあり、従来の非イオン界面活性剤単独、もしくは非イオン界面活性剤を主剤にアニオン界面活性剤、両性界面活性剤を配合するといった構成の従来の精練剤では、中性〜弱アルカリ領域、50〜70℃近辺での条件下で効果の高い脱脂力、再付着防止能力がほとんどといっていいほど得られなかった。
こういった状況下で精練が不十分となり、染色浴への油剤の持込み、染料と交じり合って染色釜内部に汚染を引き起こしたり、浴の上層部にオイル層ができ生地汚染を発生したり、生地の染色ムラ、オイルスポットを発生するといった染色トラブルの原因となっていた。更に最終セット時には、落ちきれなかった油剤が熱により焼けが生じて生地を黄変させたり、油剤が揮発して白煙となり工場労働者の健康被害に繋がる恐れもあった。
また、工程管理上では、アニオン界面活性剤や両性界面活性剤を多く配合すれば、脱脂効果はある程度向上するものの、泡が高くなり工程スピードの高速化に対応しきれなくなるため、生産効率が低下する懸念があった。
上記のように、スパンデックスを含む素材の精練は、従来からポリオキシアルキレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェノール等の非イオン活性剤を中心としてアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、更には溶剤系の洗浄剤が用いられてきたが、シリコーンオイルの脱脂力不足、再付着、除去し切れなかった油剤と染料の釜内汚染、最終セット時の発煙現象等の問題から、より強力な脱脂力を持ちながらも、環境や人体に優しい精練剤が要求されていた。
そこで本発明の目的は、大量のシリコーンオイルをはじめとする付着油分の多いポリウレタン繊維及びそれを含む繊維素材を脆化させることなく、格段に油分除去性を高め、染色ムラや生地への再付着、染料と除去しきれなかった油剤が結合してできるスカム等による缶体汚染、セット時の油剤の揮発による発煙現象など諸々の工程トラブルを解消し、高品質の最終製品を得るためのポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物の提供することにある。
上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等に代表される非イオン界面活性剤と両性界面活性剤を配合し、更にスパンデックス素材に大量に付着しているシリコーンオイルに効果的に働きかけて繊維からのシリコーンオイルの離脱を促す、すなわち「呼び水的」役割を担うポリエーテル変性シリコーンを添加し、更には両性界面活性剤由来の泡高を抑制させるために自己乳化型シリコーンを添加し設計した精練剤で精練工程を得れば、従来なら高温、高アルカリでしか除去が困難であったシリコーンオイルが、中性〜弱アルカリ条件下もしくは精練には低温とされる50℃付近から通常精練温度の90℃近辺に至るまで、幅広い温度領域で効果的に脱脂できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物は、下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤(成分A)、下記化学式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物の群から選択される1種又は2種以上の混合物である両性界面活性剤(成分B)、及びポリエーテル変性シリコーン(成分C)の3成分を含有するものである。
Figure 2008248449
は炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を示す。また、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、nは0〜50である。
Figure 2008248449
Figure 2008248449
Figure 2008248449
上記式(2−1)〜(2−3)において、Rは炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基である。
上記本発明のポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物は、前記成分Aと成分Bの配合比率A/(A+B)が重量基準で0.2〜0.8の範囲にあり、成分Cの配合比率C/(A+B)が重量基準で0.001〜0.2の範囲にあることが好ましい。
また、本発明ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物は、前記成分Aが炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和アルコールの含有量が80%以上である高級アルコールを出発原料として合成され、成分Bが前記化学式(2−1)で表されるカルボキシルベタイン型の両性界面活性剤であることが好ましい。
本発明においては、前記成分A、成分B、及び成分Cに加え、さらにシリコーン系消泡剤を含有するものとすることができる。
ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維素材に対して、本発明に係る精練剤を使用して精練すれば、高アルカリ、高温条件下で精練しなくても、素材の脆化や品質を損ねることなく、効果的にシリコーンオイルをはじめとする各種油剤を除去することができ、染色ムラやオイルスポット、染色缶体汚染やスカム、セット時の発煙等の工程トラブルを回避し、スムーズな工程管理を得ることができる。
本発明において用いる上記化学式(1)で表される非イオン性界面活性剤(成分A)は、飽和及び/又は不飽和アルコールにオキシアルキレン基を付加させて得られるポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物である。
式(1)中、Rは炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基であり、アルキル基又はアルケニル基が挙げられる。炭素数が8より小さいと臨界ミセル濃度(cmc)が大きくなり、低含有量では洗浄性が低下し、22を超えると浸透力の低下が著しく洗浄性が低下する。
AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を示し、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)等が示される。また、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、nは0〜50であり、nが50を超えると洗浄性が大きく低下することとなる。
上記非イオン性界面活性剤の原料アルコールとしては、炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和アルコールの含有量が80%以上である高級アルコールが好ましく、具体的には、トリデシルアルコール、C12−14セカンダリーアルコール、C12−15オキソアルコール、C14−15オキソアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オレイルセチルアルコール等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、上記原料アルコールに上記オキシアルキレン基をブロック付加又はランダム付加して得られ、原料アルコール及びオキシアルキレン基はそれぞれ単独でもよく、2種以上を混合したものでもよい。
本発明に用いる非イオン性界面活性剤の好適な例は、炭素数が12〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられ、更には炭素数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルが油分の乳化性、分散性、再付着防止性に優れるためより好ましい。
また、上記で得られる非イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルセチルエーテルの他、C12−14セカンダリーアルコール、C12−15オキソアルコール、C14−15オキソアルコールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は2種類以上を混合し用いることもできる。
商業的に入手できる上記非イオン性界面活性剤としては、第一工業製薬(株)製のノイゲンTDXシリーズ、ノイゲンET−9シリーズなどが例示される。
上記非イオン性界面活性剤は、環境ホルモン問題の原因となりうるポリオキシエチレンアルキルフェノールを含まないことから、精練工程及び後工程の安全性を確保するものとなる。
両性界面活性剤(成分B)としては、公知の両性界面活性剤、例えばアミノ酸型、ベタイン型、イミダゾリン型、アルキルポリアミノ酸型又はアミンオキシド型が使用できるが、好適に使用できる両性界面活性剤としては、式(2−1)で表されるラウリルジメチルベタインのようなアルキルカルボキシルベタイン型、式(2−2)で表される脂肪酸アミドプロピルベタインのようなアルキルアミドプロピルベタイン型、式(2−3)で表されるラウリルジメチルアミンオキシドのようなアミンオキシド型を使用することができるが、洗浄作用及び乳化作用を向上する効果の大きい脂肪酸アミドプロピルベタインに代表される式(2−1)で表されるカルボキシルベタイン型及び式(2−2)で表されるアルキルアミドプロピルベタイン型が好ましい。
これらの両性界面活性剤の具体例としては、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
商業的に入手できる上記両性界面活性剤としては、第一工業製薬(株)製のアモーゲンS、LB−C、CB−H、CB−Cなどが例示される。
本発明におけるポリエーテル変性シリコーン(成分C)とは、疎水基がジメチルポリシロキサンであり、親水基が親水性置換基であるポリアルキレンオキサイドから構成される非イオン性の界面活性剤である。ポリエーテル変性シリコーンは撥水性を有するシリコーンオイルの乳化作用に対し繊維からのシリコーンオイルの離脱を促す、すなわち「呼び水的」役割を担うもので、上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の配合品のみの場合に比べ、シリコーンオイルの脱脂力、即ち精練効果を向上することができる。
本発明におけるポリエーテル変性シリコーンは特に限定するものではないが、グリフィンの式に基づくHLB値において、HLBは7以上13以下が好ましく、特に7以上9以下であるものが好ましい。HLBが7未満ではシリコーンオイルに対する乳化作用が低く、HLBが13を超えると乳化作用の低下と洗浄性の低下を引き起こす結果となる。また、泡切れが悪くなる傾向もある。
これらのポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリアルキレンオキサイドから構成される非イオン性界面活性剤が挙げられる。
商業的に入手できる上記ポリエーテル変性シリコーンとしては、東レ・ダウコーニング(株)製のL−7006、FZ−2104、FZ−2123、FZ−2164などが例示される。
本発明におけるポリウレタン繊維は、特に限定するものではないが、一般的に「スパンデックス」と言われるものが使用できる。また、本発明におけるポリウレタン混繊維は、ポリウレタン繊維とナイロン繊維、ポリエステル繊維、綿などの繊維と混用されるものを表す。
上記非イオン性界面活性剤(成分A)と両性界面活性剤(成分B)の配合比率は、A/(A+B)が重量基準で0.2〜0.8の範囲にあることが好ましく、さらには0.3〜0.7、特に0.4〜0.6の範囲にあることが好ましい。配合比率A/(A+B)が0.2未満であると、精練効果すなわち脱脂率が低下する傾向を示し、0.8を超えて両性界面活性剤が多くなると泡立ちが増加する傾向になる。
また、ポリエーテル変性シリコーン(成分C)の配合量は、上記成分A、Bに対する配合比率C/(A+B)が重量基準で0.001〜0.2の範囲にあることが好ましい。配合比率C/(A+B)が0.001未満であるとその添加効果が得られず、0.2を超えて添加してもそれ以上の効果は得られず、不経済になる。
しかしながら、上記成分Aと成分Bの配合比率A/(A+B)が0.3を超えて両性界面活性剤の量が多くなると、従来の非イオン性界面活性剤主体の精練剤より非常に泡高となり精練工程において現場的に使用しづらくなる。そこで、消泡システムを検討した結果、消泡成分として乳化型シリコーン消泡剤を少量添加することで、高級アルコール系消泡剤などの他の消泡剤では得ることのできない消泡効果が得られ、前記泡立ちの問題を解消するに至った。
乳化型シリコーン消泡剤の具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、有機変性シリコーンオイル、フロオロシリコーンオイル、シリカシリコーンコンパウンド等を界面活性剤でエマルション化したものが挙げられる。
前記消泡剤としては、公知のものが使用でき、また市販品を使用してもよく、市販品としては、東レ・ダウコーニング(株)製のFSアンチフォーム 1224、1233、91、92、DK−Q1−1074などが挙げられる。
また本発明においては、更に、アミノカルボン酸、ポリアクリル酸等の金属イオン封鎖剤を併用し、精練浴におけるFe、Ca、Mgなどの金属セッケンの生成を阻止して、精練効果を高めることもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤の配合比率試験
生機にポリウレタン/ナイロンの混紡品であるインナーレース素材を用いて下記の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤(比較例のみ)の配合比率を変更し精練性能試験(脱脂率、泡立ち)を下記の弱アルカリ精練条件で行った。結果を表1に示す。
残脂率(%)は、ソックスレー抽出処理(溶媒:ジエチルエーテル)前後の生機重量から次式により算出した。
残脂率(%)=(抽出処理前生機重量(g)−抽出処理前生機重量(g))×100/抽出処理前生機重量(g)
泡立ちは、比較例1の泡立ち量を基準に評価し、比較例1を「△」、比較例1より少ないを「○」、非常に少ないを「◎」、多いを「×」、非常に多いを「××」で示した。
(弱アルカリ精練条件)
[供試布]ポリウレタン/ナイロン混紡生機(混紡比15/85、インナーレース用織物)
[精練条件]
・精練剤:2.0g/L
・ソーダ灰:1.0g/L
・サイゾールFX−20(第一工業製薬(株)製 キレート分散剤):0.5g/L
*浴比(生地重量:溶液量)=1:10
*温度条件:80℃×15分→湯洗×2分→水洗×1分→乾燥
使用した界面活性剤は下記の通りである。なお、HLBはグリフィンの式による計算値を示す。
・非イオン界面活性剤:ポリオキシアルキレンオレイルセチルエーテル(HLB=13.2)
・両性界面活性剤:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(有効成分30%)
・アニオン界面活性剤:ラウリルアルコール硫酸エステルNa塩
・ポリエーテル変性シリコーンA:ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドからなるHLB=8のポリエーテル変性シリコーン
・ポリエーテル変性シリコーンB:ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドが交互に繰り返したHLB=7の直鎖状のブロックコポリマー
・乳化型消泡シリコーンA:FSアンチフォーム 1224(東レ・ダウコーニング(株)製)
・乳化型消泡シリコーンB:FSアンチフォーム 92(東レ・ダウコーニング(株)製)
Figure 2008248449
表1から、非イオン界面活性剤と両性界面活性剤を配合することにより、比較例5(特開2002−201565号公報記載の実施例1の処方、非イオン性界面活性剤サンモールBL650 2.0g/L+金属イオン封鎖剤+アクロマー DH700 2000ppm配合)よりも良好な残脂率が得られることが分かる。更に、ポリエーテル変性シリコーンを併用すれば脱脂力が向上することが分かる。この場合、非イオン界面活性剤:両性界面活性剤の比率が5:5(実施例4)で最良の残脂率を示した。また実用レベルの泡高にするには、消泡シリコーンを併用することにより脱脂力と低泡化を兼ね備えた配合系が得られ、泡の問題を解決することができる。一方、非イオン界面活性剤:アニオン界面活性剤=5:5(比較例3)、両性界面活性剤:アニオン界面活性剤=5:5(比較例4)とした処方では各実施例に脱脂力、泡高共に及ばないことが分かる。
(2)両性界面活性剤の種類による性能試験
オレイルセチルアルコールを出発アルコールとした非イオン性界面活性剤と、上記(2−1)〜(2−3)で表される両性界面活性剤の組み合わせによる精練性能試験(残脂率)を行った。非イオン界面活性剤と両性界面活性剤の比率は5:5であり、他の精練条件は上記実施例4の場合と同一である。結果を表2に示す。
Figure 2008248449
表2に示すように、いずれの両性界面活性剤でも良好な残脂率を示したが、特には化学式(2−1)で示したヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが良好であった。
(3)非イオン性界面活性剤の種類による性能試験
次に、非イオン性界面活性剤のアルキル基の相違(C8〜C20)による精練性能試験を行った。非イオン界面活性剤:両性界面活性剤=5:5として、両性界面活性剤はヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインを用いた。他の精練条件は上記実施例4の場合と同一である。結果を表3に示す。
Figure 2008248449
表3から、オレイルアルコールを出発原料とする非イオン性界面活性剤の性能が最も良好であった。
(3)パンティストッキングにおける中性精練条件での性能試験(脱脂率)
生機にスパンデックス+ナイロンの混紡品である2種類のパンティストッキング素材(A、B)を用いて精練性能試験(残脂率)を下記の中性精練条件で行った。他の精練条件は上記実施例4の場合と同一である。結果を表4に示す。
(中性精練条件)
[供試布]
パンスト生機(ゾッキ カバリング糸 100%)
・生機A:スパンデックス20d+ナイロン8d5f
・生機B:スパンデックス35d+ナイロン12d10f
[精練条件]
・精練剤:3.0g/L
・サイゾールFX−20(第一工業製薬(株)製 キレート分散剤):0.5g/L
*浴比(生地重量:溶液量)=1:20
*温度条件:60℃×20分→湯洗×2分→水洗×1分→乾燥
Figure 2008248449

パンティストッキングには、ポリウレタン素材混紡織物等よりも格段に多いシリコーンオイルを中心とした油剤が付着している。熱やアルカリによる脆化を防止するため、50〜60℃近辺の比較的低温で中性精練される場合が多く、油剤を除去するには非常に厳しい条件である。表4に示すように、本発明においては、このような条件下でも優れた脱脂力が得られることが分かる。
(5)起泡性・消泡性試験
上記試験(1)における実施例1、6、及び比較例1、2、3の配合処方において、浴処方を精練剤の配合量のみを1.0g/L(200mL浴)に変更し、下記評価方法に従い起泡性・消泡性試験を行った。結果を表5及び図1に示す。
[評価方法]
JIS K2518(エアポンプ空気導入法)に準拠し、下記の方法で評価した。
*起泡性:1リットルのメスシリンダーに処方浴200ccを入れ、エアポンプで空気導入量1000cc/minで空気を導入し、泡が1リットルの目盛になるまでの時間を測定した(Max:800cc)。
*消泡性:泡が1リットルの目盛まで起泡された時点で空気導入を停止し、泡の残存量を30秒毎に測定した。
Figure 2008248449
実施例4と比較例6の活性剤配合は同じだが、実施例4に示される通りシリコーン系消泡剤を配合することで消泡時間が大幅に改善されることが分かる。
本発明によるポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物は、ポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤の有効成分として使用することができる。また、シリコーンオイルを使用する組成物産業資材分野、例えばゴムチューブ等の製造分野でも、熱やアルカリの使用制限がある油剤除去に有効な脱脂効果が得られる。

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤(成分A)、下記化学式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物の群から選択される1種又は2種以上の混合物である両性界面活性剤(成分B)、及びポリエーテル変性シリコーン(成分C)の3成分を含有することを特徴とするポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物。
    Figure 2008248449
    [Rは炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を示す。また、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、nは0〜50である。]
    Figure 2008248449
    Figure 2008248449
    Figure 2008248449
    [Rは炭素数8〜22の範囲にある炭化水素基である。]
  2. 前記成分Aと成分Bの配合比率A/(A+B)が重量基準で0.2〜0.8の範囲にあり、成分Cの配合比率C/(A+B)が重量基準で0.001〜0.2の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物。
  3. 前記成分Aが炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和アルコールの含有量が80%以上である高級アルコールを出発原料として合成され、成分Bが前記化学式(2−1)で表されるカルボキシルベタイン型の両性界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物。
  4. 前記成分A、成分B、及び成分Cに加え、さらにシリコーン系消泡剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン繊維及びポリウレタン混繊維用の精練剤組成物。
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