JP2008248041A - エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
近年、IC、LSI等の半導体素子は、主にエポキシ樹脂組成物で封止され半導体装置に用いられている。近年の電子機器の市場動向は、小型化、軽量化、高性能化が進んできており、これに対応するため、半導体素子の高集積化が年々進んできている。又、半導体装置は、表面実装化が促進されており、半導体素子の高集積化において、半導体素子は大型化し、これを搭載する半導体装置は、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、BGA(Ball Grid Array)等の形態となり、表面実装型の半導体装置になってきている。
このような用途におけるエポキシ樹脂組成物は、小型化、軽量化、高性能化の要求に伴い、様々な特性が要求され、また要求される特性も高度なものとなってきている。従って、その要求特性を満足すべく、数多くの硬化剤の検討がなされている。例えば、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の脂肪族または芳香族アミン化合物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸等の酸無水物、フェノールノボラック樹脂等のフェノール樹脂類、その他ポリアミド、変成ポリアミン類、イミダゾール類等である。しかしながら、これらの硬化剤を用いて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、フェノールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、4,4’−メチレンジアニリン等から誘導される各種エポキシ樹脂を硬化させて得られるエポキシ樹脂組成物は、性能的に一長一短があり、すべての要求性能を満足し得るものとは言い難い。
このようなエポキシ樹脂組成物の欠点を改善する目的で、フェノールを原料とするフェノールアラルキル樹脂として、エポキシ樹脂としての用途(例えば特許文献1参照)、IC封止剤としての用途(例えば特許文献2参照)等が知られている。しかしながら、近年の複合材用マトリックス樹脂に対して要求されている性能は、耐熱性、機械的強度、耐酸化性、耐湿性、更には難燃性等の種々の性能においてもより高い水準にある。したがって、フェノールを原料とするフェノールアラルキル樹脂ではこれらの要求性能を満たすことができず、特に難燃性の面で更なる改善が望まれている。
特開平5−117350号公報
特開平8−283536号公報
本発明は、難燃性に優れ耐半田性、耐湿信頼性にも優れるエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、構造中にビフェニル構造を導入することにより上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
前記の課題は以下の[1]〜[3]に記載の本発明により達成される。
[1]1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と下記一般式(1)で表される化合物(B)とを含んでなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[式(1)中、R1〜R6は、それぞれ、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0または1以上の整数である。]
[2]前記エポキシ樹脂組成物は、充填剤を含むものである[1]項に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3][1]または[2]項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置。
[1]1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と下記一般式(1)で表される化合物(B)とを含んでなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[2]前記エポキシ樹脂組成物は、充填剤を含むものである[1]項に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3][1]または[2]項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置。
本発明によれば、前記エポキシ樹脂組成物を用いて封止した半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、難燃性に優れるものである。
本発明は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と下記一般式(1)で表される化合物(B)とを含んでなることを特徴とすることにより、該エポキシ樹脂組成物で半導体素子が封止された半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、難燃性に優れるものである。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物の各成分について、順次説明する。
[化合物(A)]
本発明に用いる1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、何ら制限はない。
この化合物(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など、フェノール類、ナフトール類やフェノール樹脂などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ樹脂、その他に、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂や、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、何ら制限はない。
この化合物(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など、フェノール類、ナフトール類やフェノール樹脂などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ樹脂、その他に、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂や、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、前記化合物(A)としては、特に、ビフェニル型エポキシ樹脂またはビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂とを併用して用いることが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時(例えば半導体装置の製造時等)の流動性が向上するとともに、得られた半導体装置の耐半田クラック性がより向上する。
ここで、「耐半田クラック性の向上」とは、得られた半導体装置が、例えば半田浸漬や半田リフロー工程等において、高温に曝された場合であっても、クラックや剥離等の欠陥の発生が生じ難くなることを言う。
ここで、「耐半田クラック性の向上」とは、得られた半導体装置が、例えば半田浸漬や半田リフロー工程等において、高温に曝された場合であっても、クラックや剥離等の欠陥の発生が生じ難くなることを言う。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂およびビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の芳香族炭化水素は、一部または、全部を、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基などの炭素数1〜4のアルキル基、及びフェニル基等の置換基で置換されていても良い。好ましくは芳香族炭化水素のいずれもが、置換されていないか、または、芳香族炭化水素の一部が、メチル基に置換されていることである。これにより、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下し、例えば半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となる。また、その硬化物は、吸水性が低減するので、得られた半導体装置は、その内部の部材の経時劣化(例えば断線の発生等)が好適に防止され、その耐湿信頼性がより向上する。
[化合物(B)]
本発明に用いる前記記一般式(1)で表される化合物(B)は、反応溶媒中酸触媒の存在下でフェニルフェノール化合物と下記一般式(2)で表されるアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とのを反応させることにより得られる。
本発明に用いる前記記一般式(1)で表される化合物(B)は、反応溶媒中酸触媒の存在下でフェニルフェノール化合物と下記一般式(2)で表されるアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とのを反応させることにより得られる。
前記フェニルフェノール化合物としては、特に限定されないが、例えばo-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、4−ヒドロキシ−2‘−メチルビフェニル、4−ヒドロキシ−4‘−メチルビフェニル、4−ヒドロキシ−2‘−メトキシビフェニル4−ヒドロキシ−4‘−メトキシビフェニルなどが挙げられ、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
前記、一般式(2)で表されるアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体のR7、R8は、それぞれ、塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基またはアルコキシ基であり、アルコキシ基としては、特に限定されないが、炭素数4以下の低級アルコキシ基が好ましい。
反応溶媒中酸触媒の存在下で前記一般式(2)で表されるアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とフェニルフェノール化合物との反応において、アルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とフェニルフェノール類とを反応させる割合は、特に限定されないが、例えばアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体の1molに対して、フェニルフェノール類を1mol以上20mol以下であれば反応させることができる。好ましくは、アルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とフェニルフェノール類との配合割合、アルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体の1molに対して、フェニルフェノール類を1.5mol以上10mol以下である。フェニルフェノール化合物の配合量が多くなるほど未反応のモノマーが増加し、前記下限値以上にすることにより分子量の増加を抑えることができ、軟化点および溶融時の粘度を低く抑えることができ好ましい。
上記反応溶媒中酸触媒の存在下で前記一般式(2)で表されるアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体とフェニルフェノール化合物とを反応させる反応温度は、110℃以上が好ましく、110℃未満では反応速度が遅くなる。反応時間を短くするためには、反応温度を130〜250℃の範囲に更には130〜180℃の範囲とすることがより望ましい。反応時間は、特に限定されないが、1〜30時間が好ましい。
酸触媒としては、特に限定されないが、例えば、無機または有機の酸、例えば塩酸、硫酸、などの鉱酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄などのフリーデルクラフツ型触媒、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などの硫酸エステル等が挙げられ、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
酸触媒の添加量は、フェニルフェノール化合物およびアルカリハライドまたはアラルキルアルコール誘導体の総量100重量部に対しの0.0001〜10重量部であることが好ましく、さらには0.001〜1重量部であることが好ましい。
前記反応の際に用いる反応溶媒は、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルソロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられ、これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と一般式(1)で表される化合物(B)の配合比率については、特に限定されないが、エポキシ樹脂のエポキシ1.0当量に対して一般式(1)で表される化合物(B)の活性水素が0.5〜1.5当量であることが好ましく、さらには0.8〜1.2当量であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、充填剤を含有してもよい。充填剤は、特に限定されないが、例えば、溶融シリカおよび結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ等が挙げられる。これらに中で、溶融シリカが好ましく、さらには粒子形状が球状である溶融シリカが好ましい。特に好ましくは、粒径が1〜100μmの球状溶融シリカである。これにより、硬化物の吸湿率を低下させるとともに、線膨張係数を低下させることができる。
上記、充填剤の含有量は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、一般式(1)で表される化合物(B)との合計量100重量部に対し、200〜2400重量部であることが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、前記成分の他に、例えば、硬化促進剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩類、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、および一般式(1)で表される化合物(B)を、必要に応じて、充填材、その他の各種添加剤を、ミキサーを用いて、常温混合し、更にこれらの混合物を、熱ロールおよび加熱ニーダー等の混練機を用いて、加熱混練後、冷却、粉砕することにより得られる。
本発明の半導体装置は、上記で得られた充填材を含むエポキシ樹脂組成物を、モールド樹脂として用いて、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で、硬化成形することにより、半導体素子を封止して、得られる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性、難燃性に優れる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性、難燃性に優れる。
以上、本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体装置の好適実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例)
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[化合物(B)の合成例]
以下に化合物(B)合成例を示すが、必ずしもこの方法、反応温度、反応時間に限定されるものではない。
以下に化合物(B)合成例を示すが、必ずしもこの方法、反応温度、反応時間に限定されるものではない。
[化合物B−1]
撹拌機、温度計、冷却器を備えた反応器に、p-フェニルフェノール1700g(10mol)とパラキシレングリコールジメチルエーテル415g(2.5mol)を仕込み、ジエチル硫酸1.7gを加えた後、反応温度を175℃に保ちながら2時間反応させた。その間、生成するメタノールを留去した。反応終了後、未反応のp-フェニルフェノールを減圧蒸留により除去し、化合物B−1を950g得た。軟化点は81℃であった。
撹拌機、温度計、冷却器を備えた反応器に、p-フェニルフェノール1700g(10mol)とパラキシレングリコールジメチルエーテル415g(2.5mol)を仕込み、ジエチル硫酸1.7gを加えた後、反応温度を175℃に保ちながら2時間反応させた。その間、生成するメタノールを留去した。反応終了後、未反応のp-フェニルフェノールを減圧蒸留により除去し、化合物B−1を950g得た。軟化点は81℃であった。
[化合物B−2]
化合物B−1の合成において、パラキシレングリコールジメチルエーテルの仕込み量を531g(3.5mol)に代えた以外は化合物B−1の合成と同様にして化合物B−2を1050g得た。軟化点は85℃であった。
化合物B−1の合成において、パラキシレングリコールジメチルエーテルの仕込み量を531g(3.5mol)に代えた以外は化合物B−1の合成と同様にして化合物B−2を1050g得た。軟化点は85℃であった。
(実施例1)
[エポキシ樹脂組成物の調製および半導体装置の製造]
以下のようにして、本発明のエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
[エポキシ樹脂組成物の調製および半導体装置の製造]
以下のようにして、本発明のエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
まず、化合物(A)としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX4000H)、化合物(B)として前述合成により得られた化合物B−1、硬化促進剤(DBU:1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7)、無機充填材として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、カルナバワックス、シランカップリング剤(A−186)を、それぞれ用意した。
次に、YX4000H(ビフェニル型エポキシ樹脂):53重量部、化合物B−1:47重量部、溶融球状シリカ:730重量部、カーボンブラック:2重量部、カルナバワックス:2重量部、A−186(シランカップリング剤)3重量部、DBU(硬化促進剤)1.5重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
次に、このエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用い、100ピンTQFPのパッケージ(半導体装置)を8個、および、16ピンDIPのパッケージ(半導体装置)を15個、それぞれ製造した。
100ピンTQFPは、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
また、16ピンDIPは、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
次いで、上記で得たエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各種特性を評価した。各特性の測定方法および試験方法は、下記の通りとした。配合表並びに評価結果を表1に示した。
[評価方法]
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
(2)硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。この値の大きい方が硬化性は良好である。
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。この値の大きい方が硬化性は良好である。
(3)ガラス転移温度(Tg)測定
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(幅2mm×長さ30mm×厚さ1.0mm)を成形し、175℃、4時間で後硬化したものを用いた。
測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製 DMS6100)を用い5℃/分の割合で昇温しながら、周波数10Hzの歪みを与えて動的粘弾性の測定を行ない、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を判定した。
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(幅2mm×長さ30mm×厚さ1.0mm)を成形し、175℃、4時間で後硬化したものを用いた。
測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製 DMS6100)を用い5℃/分の割合で昇温しながら、周波数10Hzの歪みを与えて動的粘弾性の測定を行ない、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を判定した。
(4)耐半田クラック性
100ピンTQFP(Thin Quad Flat Package)の半導体パッケージを、85℃、相対湿度85%の環境下で、168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。また、チップと樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)×100]として、5個のパッケージの平均値を求め、%で表示した。クラック数、剥離率が少ないほど、耐半田クラック性は良好である。
100ピンTQFP(Thin Quad Flat Package)の半導体パッケージを、85℃、相対湿度85%の環境下で、168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。また、チップと樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)×100]として、5個のパッケージの平均値を求め、%で表示した。クラック数、剥離率が少ないほど、耐半田クラック性は良好である。
(5)耐湿信頼性
16ピンDIP(Dual Inline Package)の半導体パッケージを、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を、16ピンDIPに印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち、8個以上に不良が出るまでの時間を、不良時間とした。単位は時間。なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間以上と示した。不良時間が長いほど、耐湿信頼性に優れる。
16ピンDIP(Dual Inline Package)の半導体パッケージを、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を、16ピンDIPに印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち、8個以上に不良が出るまでの時間を、不良時間とした。単位は時間。なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間以上と示した。不良時間が長いほど、耐湿信頼性に優れる。
(6)UL94難燃性
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(127mm×12.7mm×厚み1.6mm)を成形し、175℃、8時間で後硬化し、UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(127mm×12.7mm×厚み1.6mm)を成形し、175℃、8時間で後硬化し、UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
(実施例2)
化合物B−1に代えて、化合物B−2を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
化合物B−1に代えて、化合物B−2を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
(実施例3)
YX4000Hに代えて、E−XLC−3L(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
YX4000Hに代えて、E−XLC−3L(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
(比較例1)
化合物B−1代えて、XLC−4L(フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
化合物B−1代えて、XLC−4L(フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
(比較例2)
YX4000Hに代えて、E−XLC−3Lを用い、化合物B−1に代えて、XLC−4L(フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
YX4000Hに代えて、E−XLC−3Lを用い、化合物B−1に代えて、XLC−4L(フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製))を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
(比較例3)
化合物B−1に代えて、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)製PR−53195)、を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
化合物B−1に代えて、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)製PR−53195)、を用いた以外は実施例1と同様にして、表1の配合表に従いエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。得られたエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を用いて各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜3は、いずれも優れた、難燃性を示し、耐湿信頼性、耐半田性、硬化性、流動性も十分なものであった。
これに対して、比較例1〜3は耐湿信頼性、耐半田性、硬化性に優れるが、難燃性が十分でない。
これに対して、比較例1〜3は耐湿信頼性、耐半田性、硬化性に優れるが、難燃性が十分でない。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた硬化物により封止した半導体装置は、難燃性、耐半田性、耐湿信頼性に優れるもので、表面実装型の半導体装置にも有用である。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007089856A JP2008248041A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
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ID=39973380
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