JP4525131B2 - エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明はエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
IC、LSI等の半導体素子は、主にエポキシ樹脂組成物で封止され半導体装置に用いられている。近年の電子機器の市場動向は、小型化、軽量化、高性能化が進んできており、これに対応するため、半導体素子の高集積化が年々進んできている。又、半導体装置は、表面実装化が促進されており、半導体素子の高集積化において、半導体素子は大型化し、これを搭載する半導体装置は、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、BGA(Ball Grid Array)等の形態となり、表面実装型の半導体装置になってきている。
これらに、半導体素子を封止する従来のエポキシ樹脂組成物を適用した場合、表面実装の際に、半導体装置が半田浸漬または半田リフロー工程で急激に200℃以上の高温環境下に置かれることより、樹脂組成物の硬化物に収縮が生じ、あるいは硬化物に吸湿した水分が爆発的に気化し、その応力により、半導体装置にクラックが発生したり、半導体素子、リードフレームおよびインナーリード上のメッキ部分とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が生じ、封止材料としての電気的信頼性が著しく低下する問題がある。実装時の熱応力に対応するために、低粘度の樹脂成分を用いて無機充填材を高充填して、樹脂組成物の硬化物の強度と吸湿率を向上させるか、樹脂成分としてはよりビフェニル型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂やジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等を用いて硬化物の強靱性を付与する手法がなされている。しかし、これらのエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物は、硬化物のガラス転移温度が従来よりも低くなり、高温および高湿度環境における信頼性に劣るものとなっている。
半導体封止用樹脂組成物のガラス転移温度と耐湿性向上を目的としてとして、多官能ジヒドロキシベンゾオキサジンを添加することが試みられている(例えば、特許文献1参照。)が、多官能ジヒドロキシベンゾオキサジンは硬化性が低く、近年のエポキシ樹脂組成物に要求される速硬化性に対応できていない。
特開平6−322121号公報
本発明は、速硬化性であり、硬化物にした際に、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性および難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、イミド結合と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を少なくとも2つ以上とを有する化合物を用いたエポキシ樹脂組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)およびイミド結合と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を少なくとも2つ以上とを有する化合物(C)を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、前記化合物(C)は、下記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
式(1)、(2)および式(3)中、R1〜R2、R4〜R5およびR7〜R8は炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を示し、R3およびR6は有機基を示す。
また、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置である。
本発明のエポキシ樹脂組成物における前記化合物(C)としては、前記一般式(1)におけるR1〜R2および前記一般式(2)におけるR4〜R5として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基を有するものが好ましく、前記一般式(3)におけるR7として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基を、R8として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基および下記一般式(4)で表される基から選ばれる基を有するものが好ましい。
式(4)中、R8は単結合、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基、またはフェニル基を示し、R9は炭素−炭素三重結合を含む置換基を示す。
前記炭素−炭素三重結合を含む置換基としては、エチニル基、およびプロパギルエーテル基から選ばれるものが好ましい。
また、前記化合物(C)は、150℃以上のガラス転移温度を有するものを用いることが好ましい。
本発明の、前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)が、下記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂および下記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂の少なくとも一方を主成分とすることが好ましい。
式(5)中、R10〜R13は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(6)中、R14〜R21は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、aは、1以上の整数であり、1〜10であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物は、下記一般式(7)で表されるフェノール樹脂および下記一般式(8)で表されるフェノール樹脂の少なくとも一方を主成分とすることが好ましい。
式(7)中、R22〜R25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、bは、1以上の整数であり、1〜10であることが好ましい。
式(8)中、R26〜R33は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、cは、1以上の整数であり、1〜10であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに充填材を含むものである。
本発明によれば、速硬化性であり、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供できるものであり、前記エポキシ樹脂組成物を用いて、その硬化物により封止した半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性に優れるものである。
本発明は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)およびイミド結合と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を少なくとも2つ以上とを有する化合物(C)を含んでなるエポキシ樹脂組成物であり、前記化合物(C)は、下記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物であることを特徴とすることにより、速硬化性を有し、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供し、このエポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子が封止された半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性に優れるものである。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物の各成分について、順次説明する。
[化合物(A)]
本発明に用いる1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、何ら制限はない。
この化合物(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など、フェノール類、ナフトール類やフェノール樹脂などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ樹脂、その他に、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂や、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、前記化合物(A)としては、特に、前記一般式(5)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂および前記一般式(6)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂のいずれか一方または双方を主成分とするものを用いるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時(例えば半導体装置の製造時等)の流動性が向上するとともに、得られた半導体装置の耐半田クラック性がより向上する。
ここで、「耐半田クラック性の向上」とは、得られた半導体装置が、例えば半田浸漬や半田リフロー工程等において、高温に曝された場合であっても、クラックや剥離等の欠陥の発生が生じ難くなることを言う。
前記一般式(5)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂における置換基R10〜R13は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基から選ばれるが、これらの置換基の中でも、特に、メチル基であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下し、例えば半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となる。また、その硬化物は、吸水性が低減するので、得られた半導体装置は、その内部の部材の経時劣化(例えば断線の発生等)が好適に防止され、その耐湿信頼性がより向上する。
また、前記一般式(6)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂における置換基R14〜R22は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基から選ばれるが、これらの置換基の中でも特に、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下し、例えば半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となるとともに、半導体装置の耐湿信頼性がより向上する。
また、前記一般式(6)におけるaは、エポキシ樹脂単位の平均の繰り返し数を表している。すなわち、aは、1以上の整数であれば、特に限定されず、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。aを前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性がより向上する。
[化合物(B)]
本発明に用いる1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するものであり、前記化合物(A)の硬化剤として作用(機能)するものである。
この化合物(B)としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノール樹脂、トリスフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、キシリレン変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂およびジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、前記化合物(B)としては、特に、前記一般式(7)で表されるフェノールアラルキル樹脂および前記一般式(8)で表されるビフェニルアラルキル樹脂のいずれか一方または双方を主成分とするものを用いるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時(例えば半導体装置の製造時等)の流動性が向上するとともに、得られた半導体装置の耐半田クラック性や耐湿信頼性がより向上する。
前記一般式(7)で表されるフェノールアラルキル樹脂における置換基R22〜R25、および、前記一般式(8)で表されるビフェニルアラルキル樹脂における置換基R26〜R33は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基から選ばれるが、これらの置換基の中でも、特に、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。かかるフェノール樹脂は、それ自体の溶融粘度が低いため、エポキシ樹脂組成物中に含有しても、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を低く保持することができ、その結果、例えば半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物(得られる半導体装置)の吸水性(吸湿性)が低減して耐湿信頼性がより向上するとともに、耐半田クラック性もより向上する。
また、前記一般式(7)におけるb、および、前記一般式(8)におけるcは、それぞれ、フェノール樹脂単位の平均の繰り返し数を表している。すなわち、bおよびcは、それぞれ、1以上の整数であれば、特に限定されず、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。bおよびcを、それぞれ、前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性の低下が好適に防止または抑制される。
[化合物(C)]
本発明に用いるイミド結合と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を少なくとも2つ以上とを有する化合物は、前記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表されるものであり、その化合物単独でも熱エネルギーで硬化する化合物であって、耐熱性に優れるものであり、エポキシ樹脂中に存在することでエポキシ樹脂とも反応しエポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる硬化を発現する。
前記化合物(C)における炭素−炭素三重結合を含む置換基としては、エチニル基、フェニルエチニル基、フェニルジエチニル基、ナフチルエチニル基、フルオレニルエチニル基、フェノキシエチニル基およびプロパギルエーテル基などを挙げることができ、これらの中でも、エチニル基、およびプロパギルエーテル基が好ましい。これらの基における芳香環上の水素は、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基、フェニル基等の置換基で置換されていても良い。
前記化合物(C)における炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基における芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、イソプロピリデンジフェニル基、メチレンジフェニル基、スルホンジフェニル基、およびビフェニル基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物における炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基R1〜R2としては、前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基がより好ましいが、例えば、下記一般式(9)で表される芳香族基が好ましい。
式(4)中、R34〜R36はエチニル基、フェニルエチニル基、フェニルジエチニル基およびプロパギルエーテル基などの前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を示す。
また、前記一般式(1)で表される化合物における有機基R3としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、テトラフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などの芳香族基が好ましく、中でも、フェニル基およびビフェニル基がより好ましいが、例えば、下記一般式(10)で表される基が好ましい。これらの基のベンゼン環上の水素は、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基、フェニル基等の置換基で置換されていてもよい。
式(10)中、R37〜R39は水素、または、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基およびフェニル基などの置換基を示し、置換基R40は、単結合、または、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基およびフェニル基などの基を示す。
前記一般式(2)で表されるにおける炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基R4〜R5としては、前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基がより好ましいが例えば、下記一般式(11)で表される芳香族基が好ましい。
式(11)中、R41〜R43はエチニル基、フェニルエチニル基、フェニルジエチニル基およびプロパギルエーテル基などの前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を示す。
また、前記一般式(2)で表される硬化性化合物における有機基R6としてとしては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、テトラフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基などの芳香族基が好ましく、中でも、フェニル基およびビフェニル基がより好ましいが、例えば、下記一般式(12)で表される基が好ましい。これらの基のベンゼン環上の水素は、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基およびフェニル基等の置換基で置換されていてもよい。
式(12)中、R44〜R46は水素、または、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基およびフェニル基などの置換基を示し、置換基R47は、単結合、または、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基およびフェニル基等の基を示す。
前記一般式(3)で表される化合物における前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基R7〜R8としては、中でも、R7として、前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基がより好ましいが、例えば、前記一般式(4)、一般式(9)もしくは一般式(12)で表される芳香族基が好ましく、R8として、前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびビフェニル構造を有する基から選ばれる基がより好ましいが、例えば、前記一般式(10)および前記一般式(11)で表される芳香族基が好ましい。
前記化合物(C)における炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基の数としては、該化合物の硬化性、硬化物の高いガラス転移温度や強度を得る上で、少なくとも2つ以上を有するものであるが、4つ以下であることが好ましい。5つ以上有するものは軟化点が高くなり、取扱い難くなる場合がある
前記化合物(C)は、例えば、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有する一級アミン化合物と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有しない無水カルボン酸化合物とを、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有しない一級アミン化合物と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有する無水カルボン酸化合物とを、また、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有する一級アミン化合物と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有する無水カルボン酸化合物が、必ずしもこれらに限定されるものではない。
前記炭素−炭素三重結合を含む置換基有する芳香族基を有する一級アミン化合物としては、例えば、エチニルアニリンおよびアミノフェニルプロパギルエーテルなどのアミノベンゼン化合物、エチニルアミノナフタレンおよびプロパギルアミノナフタレンなどのアミノナフタレン化合物、エチニルアミノアントラセンおよびプロパギルエーテルアミノアントラセンなどのアミノアントラセン化合物等が挙げられる。これらの内、エチニルアニリン、アミノフェニルプロパギルエーテルおよびエチニルアミノアントラセンが好ましい。
前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有する無水カルボン酸化合物としては、例えば、エチニル無水フタル酸およびプロパギルエーテル無水フタル酸などの無水フタル酸化合物、エチニルナフタレン無水物およびプロパギルエーテルナフタレン無水物などの無水ナフタレン化合物、エチニルアントラセン無水物などの無水アントラセン化合物等が挙げられる。これらの内、エチニル無水フタル酸、エチニルナフタレン無水物、プロパギルエーテル無水フタル酸、プロパギルエーテルナフタレン無水物およびエチニルアントラセン無水物が好ましい。
前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有しない一級アミン化合物としては、例えば、フェニレンジアミン、オキシアニリン、ジアミノビフェニル、アミノフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、アミノフェニルジスルフィド、ジアミノナフタレン、ジチオビス(ナフチルアミン)およびパラロスアニリン等が挙げられる。好ましくはフェニレンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、オキシアニリン、ジアミノビフェニル、ジアミノフェニルメタン、アミノフェニルスルホン、アミノフェニルジスルフィドおよびパラロスアニリン等が挙げられる。
前記炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を有しない無水カルボン酸化合物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、カルボキシルナフタレン二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物およびアントラセンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記化合物(C)の合成方法としては、例えば、前記一級アミン化合物と前記無水カルボン酸化合物とを、例えば、酢酸、無水酢酸、アセトン、ジメチルホルムアミド、トルエン等の有機溶媒中で、加熱して、反応させる方法を挙げることができる。前記合成反応において、イミド環を形成させやすいよう、例えば、コバルト、ニッケルの酢酸塩、トリエチルアミン、その他、酸性触媒等脱水作用の触媒を加えても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、化合物(C)の含有量としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましいが、5〜20重量部の範囲とするのが、より好ましい。前記下限値未満では高温保管特性の効果が小さくなる恐れがあり、一方、前記上限値を越えると速硬化性が低下する恐れがある。
本発明に用いる充填剤としては、例えば、溶融シリカおよび結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカなどが挙げられる。これらに内、溶融シリカが好ましく粒子形状が球状であることが好ましい。充填材としてより好ましいのは、1〜100μmの球状シリカである。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、充填剤の含有量としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計量100重量部あたり、200〜2400重量部であることが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、前記成分の他に、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩類およびパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記成分(A)、成分(B)および成分(C)を、必要に応じて、充填材、その他の各種添加剤を、ミキサーを用いて、常温混合し、更にこれらの混合物を、熱ロールおよび加熱ニーダー等の混練機を用いて、加熱混練後、冷却、粉砕することにより得られる。
本発明の半導体装置は、上記で得られた充填材を含むエポキシ樹脂組成物を、モールド樹脂として用いて、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で、硬化成形することにより、半導体素子などの電子部品を封止して得ることができる。
本発明の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、SIP(Single Inline Package)、HSIP(SIP with Heatsink)、ZIP(Zig-zag Inline Package)、DIP(Dual Inline Package)、SDIP(Shrink Dual Inline Package)、SOP(Small Outline Package)、SSOP(Shrink Small Outline Package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-leaded Package)、QFP(Quad Flat Package)、QFP(FP)(QFP Fine Pitch)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、QFJ(PLCC)(Quad Flat J-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性および難燃性に優れる。
以上、本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体装置の好適実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[化合物(C)の合成]
化合物(C)の合成は、「熱硬化性樹脂」Vol.11,No.4(1990),p.28−34に記載の方法に順じ合成した。以下に合成を行った実施例を示すが、必ずしも文献の方法、反応温度、反応時間に限定されるものではない。
(合成例1)
[化合物C−1]
容量0.5Lのフラスコに、4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)を酢酸溶液に80mlに溶解させる。次に、酢酸70mlに溶解させた、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)をゆっくり滴下する。滴下終了後、オイルバス温度を約120℃(酢酸の沸点117℃以上)に上げ、オイルバス中で3時間還流加熱した。反応終了後、減圧蒸留により約70mlの酢酸を除去し、その後冷却した。十分冷却後、約300mlの水を注ぎ、析出した固体を吸引ろ過により単離した。その固体を真空乾燥機にて、95℃で8時間真空乾燥し、化合物(C)である下記式(13)で表される化合物C−1を38g得た。化合物C−1を180℃で8時間硬化させたのち、幅2mm×長さ30mm×厚さ1.0mmの樹脂板を用い、測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製 DMS6100)を用い5℃/分の割合で昇温しながら、周波数10Hzの歪みを与えて動的粘弾性の測定を行い、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を判定したところ化合物C−1硬化物のTgは225℃であった。
(合成例2)
[化合物C−2]
化合物C−1の合成において、4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)に代えてピロメリット酸二無水物21.8g(0.1モル)を、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えてm−エチニルアニリン23.4g(0.2モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(14)で表される化合物C−2を40g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−2硬化物のTgは215℃であった。
(合成例3)
[化合物C−3]
化合物C−1の合成において、4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)に代えて1,4,5,8−カルボキシルナフタレン二無水物26.8g(0.1モル)、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えてm−エチニルアニリン23.4g(0.2モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(15)で表される化合物C−3を42g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−3硬化物のTgは224℃であった。
(合成例4)
[化合物C−4]
化合物C−1の合成において、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えて4,4’−オキシアニリン20.1g(0.1モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(16)で表される化合物C−4を23g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−4硬化物のTgは235℃であった。
(合成例5)
[化合物C−5]
化合物C−1の合成において、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えて4,4’−ジアミノベンゾフェノン、21.2g(0.1モル)を添加して用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(17)で表される化合物C−5を28g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−5硬化物のTgは233℃であった。
(合成例6)
[化合物C−6]
化合物C−1の合成において、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えて4−アミノフェニルスルホン24.8g(0.1モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(18)で表される化合物C−6を39g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−6硬化物のTgは221℃であった。
(合成例7)
[化合物C−7]
化合物C−1の合成において、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えて4−アミノフェニルジスルフィド24.8g(0.1モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(19)で表される化合物C−7を37g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−7硬化物のTgは226℃であった。
(合成例8)
[化合物C−8]
化合物C−1の合成において、4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)に代えて4−エチニル無水フタル酸51.6g(0.3モル)、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えてパラロスアニリン30.5g(0.1モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(20)で表される化合物C−8を63g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−8硬化物のTgは243℃であった。
(合成例9)
[化合物C−9]
化合物C−1の合成において、4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)に代えて3−プロパギルエーテル無水フタル酸37.6g(0.2モル)を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(21)で表される化合物C−9を53g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−9硬化物のTgは222℃であった。
(合成例10)
[化合物C−10]
化合物C−1の合成において4−エチニル無水フタル酸34.4g(0.2モル)に変えて8−エチニル−4,10-アントラセン無水物27.2(0.1モル)、m−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)に代えて5−プロパギル−1−アミノナフタレン19.7g(0.1モル)、を用いた以外は、化合物C−1の合成と同様にして、化合物(C)である下記式(22)で表される化合物を23g得た。化合物C−1同様硬化物を作製し、Tgを測定したところC−10硬化物のTgは216℃であった。
[評価方法]
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
(2)硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。この値の大きい方が硬化性は良好である。
(3)ガラス転移温度(Tg)測定
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(幅2mm×長さ30mm×厚さ1.0mm)を成形し、175℃、4時間で後硬化したものを用いた。
測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製 DMS6100)を用い5℃/分の割合で昇温しながら、周波数10Hzの歪みを与えて動的粘弾性の測定を行ない、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を判定した。
(4)耐半田クラック性
100ピンTQFP(Thin Quad Flat Package)の半導体パッケージを、85℃、相対湿度85%の環境下で、168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。また、チップと樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)×100]として、5個のパッケージの平均値を求め、%で表示した。クラック数、剥離率が少ないほど、耐半田クラック性は良好である。
(5)耐湿信頼性
16ピンDIP(Dual Inline Package)の半導体パッケージを、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を、16ピンDIPに印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち、8個以上に不良が出るまでの時間を、不良時間とした。単位は時間。なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間以上と示した。不良時間が長いほど、耐湿信頼性に優れる。
(6)高温保管特性
16ピンDIP(Dual Inline Package)の半導体パッケージを、185℃で1000時間処理し、内部のICチップの電気抵抗を測定した。通常0.6Ωである電気抵抗の回路が、劣化して電気抵抗1Ω以上となった場合を不良と見なし、10パッケージ中の不良個数を測定した。
(7)UL94難燃性
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で、試験片(127mm×12.7mm×厚み1.6mm)を成形し、175℃、8時間で後硬化し、UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
[エポキシ樹脂組成物の調製および半導体装置の製造]
以下のようにして、前記化合物(C)、またはジヒドロキシベンゾオキサジン、3−エチニルビフェニルを含むエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
(実施例1)
まず、化合物(A)として下記式(23)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX4000H)、化合物(B)として下記式(24)で表されるフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XL−225、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、硬化促進剤(TPP:トリフェニルホスフィン)、化合物(C)としてC−1、無機充填材(D)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、カルナバワックス、シランカップリング剤(A−186)を、それぞれ用意した。
<式(23)で表される化合物の物性>
融点 :105℃
エポキシ当量 :193
150℃のICI溶融粘度:0.15poise
<式(24)で表される化合物の物性>
軟化点 :77℃
水酸基当量 :172
150℃のICI溶融粘度:3.6poise
次に、ビフェニル型エポキシ樹脂:48重量部、フェノールアラルキル樹脂:42重量部、化合物C−2:10重量部、溶融球状シリカ:730重量部、カーボンブラック:2重量部、カルナバワックス:2重量部、シランカップリング剤(A−186)3重量部、TPP1.5重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、このエポキシ樹脂組成物をモールド樹脂として用い、100ピンTQFPのパッケージ(半導体装置)を8個、および、16ピンDIPのパッケージ(半導体装置)を15個、それぞれ製造した。
100ピンTQFPは、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
また、16ピンDIPは、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
(実施例2)
まず、化合物(A)として下記式(25)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000P、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、化合物(B)として下記式(26)で表されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851ss、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、硬化促進剤としてTPP、化合物(C)としてC−2、無機充填材(D)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、カルナバワックス、シランカップリング剤(日本ユニカー製A-186)を、それぞれ用意した。
<式(25)で表される化合物の物性>
軟化点 :60℃
エポキシ当量 :272
150℃のICI溶融粘度:1.3poise
<式(26)で表される化合物の物性>
軟化点 :68℃
水酸基当量 :199
150℃のICI溶融粘度:0.9poise
次に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:42重量部、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂:28重量部、化合物C2:30重量部、溶融球状シリカ:730重量部、カーボンブラック:2重量部、カルナバワックス:2重量部、シランカップリング剤(A−186)3重量部、TPP1.5重量部を、まず、室温で混合し、次いで、熱ロールを用いて105℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、上記で得た化合物C−3〜10およびジヒドロキシベンゾオキサジン、3−エチニルビフェニルを用いて、前記実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調整し、パッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例1〜2、4〜7、10、参考例3、8、10、比較例1〜4)
各成分を、表1に従って、配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体封止材料を調製し、各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜10では、いずれも優れた高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性、難燃性を示し、硬化性も十分なものであった。
これに対して、比較例1はガラス転移温度(Tg)が低いため高温保管特性が低下する。またジヒドロキシベンゾオキサジンを用いた比較例2は、Tgが高く高温保管特性に優れるが、硬化性が悪く、要求される速硬化性に対応できない。比較例3では硬化性が改善されるものも不十分であり、Tgが低く高温保管特性も十分でない。1つ三重結合を含む3−エチニルビフェニルを用いた実施例4についてもTgが低く高温保管特性も十分でない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化性であり、難燃性に優れたものであり、これを用いた硬化物により封止した半導体装置は、耐半田性、耐湿信頼性、高温保管性に優れるもので、耐半田性に優れる点から表面実装型の半導体装置に用いられる。また高温保管性が要求される車載用の電子部品装置、例えば、燃料電池自動車およびハイブリッド自動車等のパワーエレクトロニクス機器等やハイブッド車のモーター駆動用の電子部品のチップの保護などに有用である。

Claims (9)

  1. 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)およびイミド結合と炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を少なくとも2つ以上とを有する化合物(C)を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、前記化合物(C)は、前記エポキシ樹脂組成物において、前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計100重量部に対して、0.1〜50重量部含み、下記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    [ただし、前記炭素−炭素三重結合を含む置換基は、エチニル基、フェニルエチニル基、フェニルジエチニル基、ナフチルエチニル基、フルオレニルエチニル基、フェノキシエチニル基またはプロパギルエーテル基であり、これらの基における芳香環上の水素は、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基またはフェニル基で置換されていても良い。]
    [式(1)、(2)および式(3)中、R1〜R2、R4〜R5およびR7〜R8は炭素−炭素三重結合を含む置換基を有する芳香族基を示し、R3は、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、テトラフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、または下記一般式(10)で表される基であり、R6は、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、テトラフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、または下記一般式(12)で表される基であり、前記R3およびR6のベンゼン環上の水素は、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基およびフェニル基で置換されていてもよい。]

    [式(10)中、R37〜R39は水素、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基、またはフェニル基を示し、置換基R40は、単結合、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基、またはフェニル基を示す。]

    [式(12)中、R44〜R46は水素、エチニル基、プロパギルエーテル基、水酸基、アミノ基、メチル基、エチル基、またはフェニル基を示し、置換基R47は、単結合、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基、またはフェニル基を示す。]
  2. 前記化合物(C)は、前記一般式(1)におけるR1〜R2および前記一般式(2)におけるR4〜R5として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基を有するものである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記化合物(C)は、前記一般式(3)におけるR7として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基から選ばれる基を、R8として、炭素−炭素三重結合を含む置換基を有するフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基および下記一般式(4)で表される基から選ばれる基を有するものである請求項1に記載の硬化性化合物。
    [式(4)中、R8は単結合、エチル基、プロピル基、カルボニル基、スルホニル基、ジスルフィド基、エーテル基、またはフェニル基を示し、R9は炭素−炭素三重結合を含む置換基を示す]
  4. 前記炭素−炭素三重結合を含む置換基は、エチニル基、およびプロパギルエーテル基から選ばれるものである請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記化合物(C)は、150℃以上のガラス転移温度を有するものである請求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、下記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂および下記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂の少なくとも一方を主成分とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    [式中、R10〜R13は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
    [式中、R14〜R21は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、aは、1以上の整数である。]
  7. 前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物は、下記一般式(7)で表されるフェノール樹脂および下記一般式(8)で表されるフェノール樹脂の少なくとも一方を主成分とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    [式中、R22〜R25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、bは、1以上の整数である。]
    [式中、R26〜R33は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、cは、1以上の整数である。]
  8. 充填剤を含む請求項1乃至7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置。
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