JP2008246919A - 記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】インク供給口から吐出口までの距離が異なったとしても、吐出されるインクの特性を吐出口ごとに調節することが可能な記録ヘッドを提供すること。
【解決手段】本発明の記録ヘッドは、インク供給口4から導入したインクに複数の発熱素子7によってエネルギを与え、複数の発熱素子7に対応した略面積の等しい複数の吐出口6からインクを吐出し、その吐出口6がオリフィスプレート3上で千鳥状に配列されて形成されている。そして、それぞれの発熱素子7A、7Bは、インク供給口からの距離に応じた面積を有している。インク供給口4からの距離が長い発熱素子7ほど、発熱素子7の面積は小さく、インク供給口4からの距離が短い発熱素子7ほど、発熱素子7の面積は大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクを吐出することで記録を行うインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドに関する。
一般的に利用されているインクジェット記録方式には、インク滴を吐出するために用いられるエネルギ発生素子として、例えば電気熱変換素子(発熱素子)等のエネルギ発生素子を用いるものがある。これは、発熱素子に電圧を印加することによりその近傍のインクを瞬時に沸騰させ、沸騰時のインクの相変化により生じる急激な発泡圧によってインクを高速に吐出させるものである。
かかる方式においては、半導体製造プロセスと同様の工程を経て小型化された発熱素子を配置することが可能であるので、大きなスペースを記録ヘッドの内部に確保しておかなくても良い。また、記録ヘッドの構造が簡素で、吐出口を高密度に配置することが可能であること等の利点がある。
この種の記録ヘッドの構成について説明する。この記録ヘッドは、インクを吐出させる発熱素子が設けられた素子基板と、この素子基板に接合されるオリフィスプレートとを備えている。オリフィスプレートは、インクの液滴を吐出する複数の吐出口を有するとともに、素子基板に接合されることによって吐出口が連通するエネルギ作用室としての発泡室およびこれに連通するインク流路等が形成される。なお、これら吐出口、エネルギ作用室及びインク流路を総称してノズルという。発泡室の内部空間を画成する壁のうち素子基板の内部には、発熱素子が埋設されている。そして、発熱素子の駆動によって発泡室内部で気泡を発生させ、その発泡圧によって吐出口からインクを吐出する。また、素子基板には、オリフィスプレートに接する主面からその反対側の裏面にかけて素子基板を貫通するようにインク供給口が形成されている。
以上のように構成された記録ヘッドにおいては、インクは、インク供給口からインク流路を通って、発泡室内に供給されて充填される。発泡室内に充填されたインクは、エネルギ発生素子により膜沸騰されて発生する気泡によって、素子基板の主面に対してほぼ直交する方向に飛翔されて、吐出口からインク滴として吐出される。
最近では、インクジェット記録装置にはより高い解像度での記録を実現することが要望されており、これに伴って記録ヘッドにはより微細な吐出口を高密度に実装することが求められている。しかし、吐出口を直線状に配列して高密度に配置すると、隣接する吐出口の間の距離が短くなり、吐出口に対応した発泡室の間の距離も短くなる。従って、発泡室の間の壁の厚さ及びインク流路の間の壁の厚さが薄くなることで、素子基板とオリフィスプレートとの密着性が低下し、オリフィスプレートと素子基板とが剥がれ易くなる等の問題が発生する虞がある。
そこで、特許文献1のように、直線状に延在する一つの共通したインク供給口に対して同じ側に二列の吐出口列を配置し、且つ、各列の吐出口間の関係では吐出口をずらして千鳥状に配列することが考えられる。このように吐出口を配列することで、吐出口を高密度に配置したまま、隣接している発泡室どうしの間隔が確保される。従って、発泡室の間の壁の厚さが厚くなり、素子基板とオリフィスプレートとの密着性が向上する。
特開2006−315395号公報
ところが、このように吐出口列を配置すると、インク供給口から吐出口までの距離が一定でなくなることになる。つまり、インク供給口からの距離が比較的長い位置に配置された吐出口と、比較的短い位置に配置された吐出口とがオリフィスプレート上に形成されていることになる。また、それと共にインク供給口からその吐出口に対応したエネルギ発生素子までの流路の長さも一定でなくなる。
このように、インク供給口から吐出口及びエネルギ発生素子までの距離が異なると、吐出されるインクの吐出特性が異なることになる。インク供給口から吐出口及びエネルギ発生素子までの距離が長いと、吐出されるインクの速度が速く、インクの流量も大きくなる。これは、インク供給口から吐出口までの距離が異なると、インク供給口と吐出口との間のインク流路におけるインクの流れの抵抗が異なることによるものである。インク流路が長くなると、インクが吐出されるまでにインクに働く摩擦が大きくなり、また、それに加えてインクを移動させる際に必要とされる慣性力が大きくなる。従って、インク流路の長さが長い程、インク流路内のインクの有する吐出の際の抵抗は大きくなる。この抵抗が大きいと、吐出口からインクを吐出する際に、発熱素子が熱せられて発生する気泡に関して、インク供給口から吐出口へ向かう方向とは逆方向(つまり吐出口からインク供給口へ向かう方向)へ膨張する膨張量が少なくなる。従って、気泡がインクを押し退けるための発泡圧による力におけるインク供給口から吐出口へ向かう方向に対して逆方向への成分が小さくなる。そして、その分、吐出口へ向かう吐出方向への気泡の膨張量が大きくなる。従って、発泡圧による力における吐出方向成分が大きくなる。発泡圧による力の吐出方向成分が大きくなるので、吐出口から吐出されるインクの流速が速くなり、流量が大きくなる。
インク供給口からの距離と吐出されるインクの速度及び流量との関係を示すテーブルを図11に示す。図11は、エネルギ発生素子としてサイズが一辺15μmの略正方形の電気熱変換素子を用いた場合の、インク供給口からの距離が長い吐出口から吐出されるインクの速度と距離が短い吐出口から吐出されるインクの速度とを比較したテーブルである。
インク供給口からの距離の短い吐出口から吐出されるインクの速度を基準とし、インク供給口からの距離の長い吐出口からのインクの速度をインク供給口からの距離の短い吐出口から吐出されるインクの速度で割った速度比は、1.2であった。このように、インク供給口から吐出口までの距離が異なると、その吐出口から吐出されるインクの速度が異なる。このインクの速度については、吐出量が0.6、0.8、1.1(pl)のときについていずれの場合も同様の傾向を示した。
そして、インク供給口から吐出口までの距離が長くなることで吐出されるインクの速度が過度に速くなると、液滴の一部が分離して微細な液滴となるインクミストが発生することがある。特に、インクミストが多く発生してしまうと、記録装置の内部に付着して汚れとなり、この汚れが記録媒体に付着することでこれを汚すことがある。また、インクミストがインクジェット記録装置に配置されるセンサなどに付着すると、装置の誤動作を引き起こす虞もある。
図12に、1pl以下の吐出量の際の、吐出されるインクの速度とインクミストの発生量の関係についての傾向を示したグラフを示す。図12のグラフでは、発生するインクミストの量を縦軸に取り、吐出されるインクの速度を横軸に取って、不具合が起こり得るときのインクミストの発生量が示されている。図12に示されるように、インクミストの発生量に注目すると、あるインクの速度を越えたときにインクの速度が大きくなるにつれ発生するインクミストの量が大きくなっている。
また、吐出されるインクの流量が吐出口ごとに異なると、インクが記録媒体へ記録された際に、画像に濃度差が生じる虞がある。吐出されるインクの流量が多いと記録される画像が濃くなり、インクの流量が少ないと薄くなる。また、吐出されるインクの流速が過度に大きくなると、吐出されるインクの流れが乱れ、記録媒体に着弾した際にドットの形状に差が生じることがある。
ここで、インク供給口から吐出口までの距離が異なる吐出口に対して吐出速度、吐出量を揃えるために、インク供給口から吐出口までのインクの流路であるインク流路の幅を調節することでインク流路におけるインクの抵抗を調節することが考えられる。つまり、インク流路の長さが異なることで流れの抵抗がインク流路ごとに異なってしまったのを、インク流路の幅によって抵抗を調節することでそれぞれの吐出口から吐出されるインクの速度及び流量を揃えることが考えられる。
しかし、インク流路の幅が狭いと、製造工程での寸法の僅かな違いでそのインク流路を流れるインクの流抵抗が大きく異なり、流抵抗が寸法の違いに敏感になる。このように、幅を狭くしたインク流路では、インク流路のロバスト性が低いので、吐出されるインクのインク特性が安定しない。
インク流路の幅を狭くすることによってインク流路のロバスト性が低くなる具体例については、図13及び図14に示されている。図13は、インク流路の幅が8μm及び6μmのときを基準として記録ヘッドの製造の際にインク流路の幅の寸法に±1μmの誤差が生じた際の、その誤差によるインク流路内のインクの粘性抵抗の変動を示すテーブル及びそのグラフである。図14は、インク流路の幅が8μm及び6μmのときを基準として記録ヘッドの製造の際にインク流路の幅の寸法に±1μmの誤差が生じた際の、その誤差によるインク流路内のインクの慣性抵抗の変動を示すテーブル及びそのグラフである。ここで、図13及び図14の説明のために、インク供給口からの流路の長さが相対的に長い吐出口を長ノズル、相対的に短い吐出口を短ノズルとする。インク流路の幅が8μmの場合には、記録ヘッドの製造の際に±1μmの寸法のバラツキがあったとき、流抵抗(粘性抵抗及び慣性抵抗)の変動は、長ノズル、短ノズルとで略同じである。しかしながら、インク流路における流抵抗が長ノズルと短ノズルとを略同じとなるようにするために、短ノズルのインク流路の幅を狭くした場合には、±1μmの寸法の違いがあったときに、短ノズルの粘性抵抗及び慣性抵抗の変動が大きくなる。このため、記録ヘッドの製造の際に、このように僅かでも寸法の違いが生じたときに、吐出されるインクの特性が大きく異なってくる。従って、記録ヘッドの製造の際に製造工程において高い精度が求められ、製造に手間がかかるようになるので、このようにインク流路の幅を狭くすることは好ましくない。
また、長ノズルによって吐出されるインクの流量を小さくするために、吐出口径を小さくすることも考えられる。しかし、これによってインクの流量を小さくすることは可能であっても、吐出されるインクの速度を低減させることは困難である。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、隣接するインク流路の間隔を確保するために千鳥状に吐出口を配列することでインク供給口から吐出口までの距離が吐出口ごとに異なったとしても、インクの特性を揃えることが可能な記録ヘッドを提供することにある。
本発明の記録ヘッドは、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子が配されたエネルギ作用室と、該エネルギ作用室に対しインクを導入する流路と、を有するノズルと、該ノズルに連通するインク供給口とを有する記録ヘッドにおいて、相対的に長い第一の流路を含む第一のノズルは、第一の吐出口と第一のエネルギ発生素子を備えるとともに、相対的に短い第二の流路を含む第二のノズルは、第二の吐出口と第二のエネルギ発生素子を備え、前記第一の吐出口と前記第二の吐出口の開口径が等しく、かつ、前記第一の流路と前記第二の流路の断面積が等しく、前記第一のノズルと前記第二のノズルは、前記インク供給口の同一側部に配されるとともに、前記第一のエネルギ発生素子は、前記第二のエネルギ発生素子より面積が小さいことを特徴とする。
本発明にかかる記録ヘッドによれば、エネルギ発生素子がインク供給口からの流路の長さに応じた面積を有している。従って、吐出口を千鳥状に配列することでインク供給口からの距離がそれぞれの吐出口及びエネルギ発生素子で異なったとしても、それに応じてインクに与えられるエネルギの量を調節することができる。これにより、インク供給口から吐出口及びエネルギ発生素子までの流路の長さが異なることによりインクに与えられる吐出方向への発泡圧による力が異なっても、吐出されるインクの特性を揃えることができる。従って、インク供給口からの距離の異なる吐出口から、略等しい特性を有するインクが吐出されることが可能となり、インクが記録媒体に付与された際に、画像に濃度差やドット形状の差が生じることを抑えることができる。
(第一実施形態)
以下、本発明を実施するための第一実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、第一実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド1の一部を破断してその構造を概略的に示す斜視図である。本実施形態の記録ヘッド1は、素子基板2にオリフィスプレート3が接合されて形成されている。図1(b)に、素子基板2の平面図を示す。
素子基板2には、記録ヘッド1にインクを導入するために素子基板2を貫通してインク供給口4が形成されている。そして、素子基板2とオリフィスプレート3が接合されることで、それらの間には、インク供給口4に連通して共通液室5が画成される。オリフィスプレート3には、共通液室5に連通してインクを記録ヘッド1の外部に吐出する吐出口6が形成されている。素子基板2における吐出口6に対応した位置には、吐出口6からインクを吐出するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子としての発熱素子7が設けられている。本実施形態では、発熱素子7は、通電に応じて発熱する電気熱変換素子である。共通液室からは、各吐出口6に向かってインクを導入する流路であるインク流路8が形成される。また、共通液室5に連通する端部とは反対側のインク流路8の端部であって吐出口6に対向する部位は、発熱素子7が埋設されたエネルギ作用室としての発泡室9となる。
本実施形態の記録ヘッド1では、オリフィスプレート3には複数の吐出口6が形成されている。インク供給口4を挟んで一方の側には、相対的に小さな開口径を有し二列に配列された開口径の等しい複数の吐出口6aが千鳥状に配置されており、インク供給口4の他方の側には相対的に大きな開口径を有する複数の吐出口6bが直線状に配置されている。吐出口6aは相対的に小量の吐出量(例えば0.5pl)を得るために形成されている吐出口であり、吐出口6bは相対的に多量の吐出量(例えば3pl)を得るために形成されている吐出口である。なお、吐出口6aは例えば2400dpi(ドット/インチ;参考値)の密度で配列され、吐出口6bは例えば1200dpiの密度で配列されたものとすることができる。
共通液室5内には、素子基板2とオリフィスプレート3との間に荷重を受け持つための円柱状の柱10が複数設けられている。これにより、オリフィスプレート3の内部で大きな空間を占める共通液室5の部分が補強され、記録ヘッド1の耐久性が向上する。
図1における記録ヘッド1のII-II線に沿う断面図のうちの要部を図2に示す。また、図2におけるIII-III線に沿う断面図を図3に示し、図2におけるIV-IV線に沿う断面図を図4に示す。図2に示されるように、本実施形態においては、インク供給口4の一方の側(同一側部)には吐出口6aが千鳥状に二列配列されている。従って、インク供給口4の一方の側におけるオリフィスプレート3上には、インク供給口4からの距離が異なる二種類の吐出口6aが存在することになる。ここで、吐出口6と、共通液室5と、インク流路8とを合わせたものをノズルという。
また、発熱素子7は、吐出口6に対応した位置の発泡室9の下方に埋設されているので、吐出口6のインク供給口4からの距離が異なるのに伴い、それに対応した位置に配置されている発熱素子7のインク供給口4からの長さも異なる。つまり本実施形態では、インク供給口4からの流路であるインク流路8の長さが異なる二種類の発熱素子7が配置されることになる。ここで、インク供給口4から吐出口6までの距離が相対的に短い方のインク流路8(第二の流路)に連通する発泡室9に配置されている発熱素子を発熱素子7A(第二のエネルギ発生素子)とする。そして、その発熱素子7Aに対応して形成されている吐出口を吐出口6A(第二の吐出口)とする。また、インク供給口4から吐出口6までの距離が相対的に長い方のインク流路8(第一の流路)に連通する発泡室9に配置されている発熱素子を発熱素子7B(第一のエネルギ発生素子)とする。そして、その発熱素子7Bに対応して形成されている吐出口を吐出口6B(第一の吐出口)とする。従って、ノズルには、相対的に長いインク流路8を含むノズル(第一のノズル)と、相対的に短いインク流路8を含むノズル(第二のノズル)とがあることになる。なお、発熱素子7は素子基板2の内部に埋設されているため、本来は図1及び図2では図面上に表れてこないのだが、ここでは説明のために示すものとする。
図2に示されるように、発熱素子7Aと発熱素子7Bとの面積を比較すると、発熱素子7Aの方が発熱素子7Bより大きい。すなわち、インク供給口4からの距離が短いインク流路8には、相対的に面積の大きい発熱素子7Aが配置されており、インク供給口4からの距離が長いインク流路8には、相対的に面積の小さい発熱素子7Bが配置されている。
なお、本実施形態では、吐出口6aに連通するインク流路8は、その幅が8μm、高さは14μmに形成され、夫々のインク流路の断面積は実質的に等しい。
次に、インクが吐出される際の記録ヘッド1の動作について説明する。
発熱素子7に通電すると、電気エネルギが熱に変換されて発熱素子7が発熱する。これにより、発熱素子7に面した発泡室9の内部で発熱素子7上に位置したインクが蒸発し、そこで気泡が生じる。発泡室9の内部で気泡が生じると、発泡室9内部のインクが気泡に押し退けられて、発熱素子7の上方に位置したインクが押されて移動する。そして、移動する発泡室9内部のインクのうちの一部のインクは、生成される気泡により吐出口の方へ押され、インクが吐出口6から吐出される。吐出口6から吐出されたインクは、記録媒体における所定位置に着弾することになる。
このとき、インク流路8内のインクの流抵抗が大きければ、気泡はインク供給口4へ向かう方向に広がるのに大きな力が必要とされる。従って、発熱素子7上で発生した気泡は、インク供給口4に向かう方向には膨張し難くなる。これにより、気泡はインク供給口4に向かう方向にはあまり膨張せずに、その分、吐出口6へ向かう方向に膨張する。そして、気泡の膨張が吐出方向へ偏った分、発泡室9の内部に貯留されているインクへ与えられる運動エネルギのうち吐出方向に与えられる成分が大きくなる。発泡室9の内部のインクへ与えられる吐出方向への運動エネルギが高まるので、吐出されるインクの速度及び流量が大きくなる。逆に、インク流路8内のインクの流抵抗が小さければ、発泡室9内部のインクへ与えられる運動エネルギのうち吐出方向への運動エネルギが小さくなるので、吐出されるインクの速度及び流量は相対的に小さくなる。このように、気泡を介してインクに与えられる運動エネルギのうち吐出方向への成分は、インク流路8内の流抵抗に応じて変化する。
インク流路8における流抵抗は、幅および高さ、つまりインク流路8の断面積が等しければインク流路8の長さに応じて異なる。インク流路8が長いとその内部を流れるインクの流抵抗は大きくなり、インク流路8が短いとその内部を流れるインクの流抵抗は小さくなる。従って、図2に示されるように、吐出口6が千鳥状に配列されていることで、インク供給口4からの距離が異なる二種類の吐出口6A、6Bが形成され、これにより、流抵抗の異なる二種類のインク流路に連通する吐出口6A、6Bが形成されていることになる。
オリフィスプレート上に流抵抗の異なるインク流路8に連通した二種類の吐出口6A、6Bが形成されているので、吐出されるインクの速度及び流量は吐出口6A、6Bで本来異なってくる。
しかしながら、本実施形態においては、インク流路8の長い発熱素子7Bよりもインク流路8の短い発熱素子7Aの方が、発熱素子7の面積が大きく形成されている。それぞれの発熱素子7は、インク供給口4からの距離に応じた面積を有しており、インク供給口4からの距離が相対的に長い発熱素子7ほど、発熱素子7の面積は小さく、インク供給口4からの距離が相対的に短い発熱素子7ほど、発熱素子7の面積は大きい。従って、発熱素子7から発熱される熱量は発熱素子7Bよりも発熱素子7Aの方が大きく、これにより発泡室9内部に貯留されているインクに与えられる運動エネルギは発熱素子7Bよりも発熱素子7Aの方が大きい。これにより、インク供給口4から発熱素子7までの距離が異なることによる流抵抗の差を相殺させて、異なる長さのインク流路8に連通する吐出口6から吐出されるインクの速度及び流量を揃えるのである。
このように、発熱素子7の面積を調節することにより、千鳥状に配列されることでインク供給口4からの距離が異なる吐出口6A、6Bにおけるインク流路8の流抵抗の差を緩和することができる。これにより、異なる流抵抗を有するインク流路8からの吐出口6A、6Bから吐出されるインクの速度及び流量を略等しくすることができる。従って、インクが記録媒体に着弾した際に、画像に濃度差やドット形状の差が生じることを抑えることができる。また、発熱素子7の面積を過度に大きくせずに、インクの速度を抑える方向にインク特性を揃えることで、インクを吐出する際のインクミストの発生を抑えることができる。また、発熱素子7の面積を大きくせず、吐出されるインクの速度及び流量を抑える方向、すなわち、吐出口6Aを含むノズルの特性が得られるように揃えた場合、吐出口6Bに対応して配される発熱素子7の面積が小さくなる。このことから、発熱素子7における消費電力を抑えることができる。発熱素子7の面積が小さくなることから、記録ヘッド1の小型化を図ることができる。また、発熱素子における消費電力が抑えられるので、記録装置の運転コストが抑えられる。また、この場合、発熱素子7からの発熱量が全体的に小さくなるので、吐出動作を繰り返し行うことによる記録ヘッド1の温度上昇が抑えられる。また、記録ヘッド1の温度上昇が抑えられるので、記録ヘッド1において部分的な温度上昇が生じることによるインク吐出量のばらつきを低減することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1は、隣接するインク流路8の間の間隔を保ちつつ高密度に吐出口6が配列されたまま、吐出口6から吐出されるインクのインク特性を揃えている。従って、インク流路8間の壁の厚さが確保され、素子基板2とオリフィスプレート3との間で密着性が向上する。これにより、記録ヘッド1の強度が確保される。
なお、本実施形態においては、後述する実施形態と異なり、発熱素子7は略正方形の形状に形成されている。従って、同面積の後述するような長方形の発熱素子と比較すると、本実施形態の発熱素子は、発泡に寄与する実効的な面積(有効発泡面積)が比較的大きく確保される。従って、発熱素子の面積に対して発泡効率が良い。従って、本実施形態の発熱素子7は、後述する長方形の発熱素子に比べて面積をさらに小さくして形成されることが可能である。従って、長方形の発熱素子に比べて消費電力が抑えられる。また、記録ヘッド1の温度上昇も抑えることができる。
さらには、図2の断面図に示されるように、発泡室9の断面が略正方形の形状に形成されている。従って、後述する長方形の発熱素子が配置されている発泡室と比較して、吐出口6の中心から発泡室9におけるインク供給口4とは逆側の壁面までの距離が短い。従って、吐出口6からインクが吐出される際に、発泡室9内部に空気を取り込んでしまうような不具合が発生することを抑えることができる。特に、吐出口6の周囲における発泡室9内部の壁面では、インクの流れが生じない淀み領域となり易く、この領域が大きくなると発泡室9内部に空気を取り込み易くなる。発泡室9内部に空気が取り込まれると、吐出口6からのインクの吐出量が一定しない等の不都合が生じることがあるので、本実施形態の構成は有利である。
(第二実施形態)
次に、図5ないし図7を用いて、第二実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5には、第二実施形態における記録ヘッド1の要部の断面図が示されている。第一実施形態においては、発熱素子7が略正方形に形成されており、インク供給口4からの距離に応じて発熱素子7の面積を調節する構成とした。これに加えて、本実施形態では、インク供給口4からの距離が短い発熱素子を略正方形の形状とし、インク供給口4からの距離が長い発熱素子を長方形の形状とした。
図5に示されるように、素子基板2には、それぞれの吐出口6に対応した位置に発熱素子が埋め込まれており、インク供給口4からの距離が短い発熱素子を発熱素子11Aとし、インク供給口4からの距離が長い発熱素子を発熱素子11Bとする。図示されていないが、本実施形態のそれぞれの発熱素子11は、いずれも吐出口6の配列方向に対して直交する方向であって、インク流路8が延びている方向に通電されるようになっている。そして、発熱素子11は、その面積が大きいほど通電する方向に長く、その面積が小さいほど通電する方向に短い形状を有している。なお、本実施形態では、発熱素子11は、千鳥状に配列された複数の吐出口6の配列方向に対して直交する方向に通電している。そして、発熱素子11は、複数の吐出口6の配列方向よりも複数の吐出口6の配列方向に対して直交する方向の方が長い長方形である。
本実施形態における記録ヘッド1によってインクを吐出する際には、インク供給口4から発熱素子11までの距離に応じて抵抗が変化することによって吐出されるインクの速度及び流量が異なることから、その距離に応じて異なる面積の発熱素子11を配置する。インク供給口4からの距離が短い発熱素子11Aでは、インク流路8における抵抗が相対的に小さく、吐出されるインクの速度及び流量も相対的に小さい。また、インク供給口4からの距離が長い発熱素子11Bでは、インク流路8における抵抗が相対的に大きく、吐出されるインクの速度及び流量も相対的に大きい。従って、この差を相殺させて吐出されるインクの速度及び流量を揃えるために、発熱素子11Aの面積を発熱素子11Bの面積に対して相対的に大きくする。
しかしながら、このように発熱素子11の面積に差を持たせることにより、発熱素子11に通電させた際の電流における抵抗及び発熱素子11を通電させた際の電圧が異なってくることがある。通常、発熱素子11の面積が大きければ駆動の際の電圧も大きく、発熱素子11が小さければ駆動の際の電圧も小さいと考えられる。仮に、発熱素子11Aと発熱素子11Bとの間で通電させた際の電圧が異なっているとすると、駆動電圧を統一させることができなくなり、別々の駆動用の電源を用いることになる。その場合、記録ヘッド1を製造する際のコストが嵩む虞がある。
従って、駆動電圧を揃えて統一した駆動電圧による駆動によってインクを吐出させるために、本実施形態ではインク供給口4からの距離が長い発熱素子11Bを長方形とし、インク流路8の延びる方向に長い形状とする。そして、本実施形態の発熱素子11は、長方形の発熱素子11Bにおける長辺の延びる方向であって、吐出口6の配列方向に対して直交する方向に通電することとした。つまり、発熱素子11Bは、複数の吐出口6の配列方向よりも複数の吐出口6の配列方向に対して直交する方向の方が長い長方形の形状を有している。
これにより、発熱素子11Bの抵抗及び通電させた際の電圧を確保したまま、面積が相対的に小さく、発熱量も抑えられた発熱素子11Bとすることができる。発熱素子11Bを通電方向に長くすることにより、吐出口6から吐出されるインクのインク特性を発熱素子11Aと発熱素子11Bとで揃えながら、発熱素子11Bに通電させた際の電圧と発熱素子11Aに通電させた際の電圧とを統一させることができる。従って、インク供給口4からの距離の異なる吐出口6から吐出されるインクの特性を揃えながら、駆動電圧を統一することで記録装置の電源を共通化することができるので、記録ヘッド1の製造におけるコストを抑えることができる。
(第三実施形態)
次に、図8を用いて、第三実施形態について説明する。なお、前記第一実施形態及び第二実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第二実施形態においては、発熱素子11Aと発熱素子11Bとで通電の際の電圧を揃えるために、発熱素子11Aを正方形とし、面積の小さい発熱素子11Bの一辺の長さを通電方向に長くした長方形の形状として電圧を発熱素子11Aに揃える構成とした。第三実施形態では、図1における大流量のインクを吐出するための吐出口6bに対応した位置に配置された発熱素子12と、吐出口6aに対応した位置に配置された発熱素子11Aとの通電の際の電圧を揃えるために、発熱素子11Aも長方形とした。従って、発熱素子12は略正方形であるが、発熱素子11A及び発熱素子11Bはどちらも長方形の形状を有している。また、本実施形態では、発熱素子における吐出口6の配列方向に対して直交する方向への長さを吐出口6の配列方向への長さで割ったアスペクト比は、発熱素子の面積に応じた大きさを有して形成されている。発熱素子の面積が大きいほどアスペクト比が小さく、その面積が小さいほどアスペクト比が大きくなるように発熱素子が形成されている。
図8(a)には、第三実施形態における記録ヘッド1の要部の断面図が示されている。図8(b)には、図8(a)におけるB−B線に沿う断面図が示され、図8(c)には、図8(a)におけるC−C線に沿う断面図が示されている。インク供給口4を挟んで一方の側に、千鳥状に吐出口6が配列されている。そして、そのうちインク供給口4からの距離が長い吐出口6Bに対応する位置に発熱素子11Bが配置され、インク供給口4からの距離が短い吐出口6Aに対応する位置に発熱素子11Aが配置されている。本実施形態では、発熱素子11Aは発熱素子11Bよりも大きな面積を有するように形成されている。さらに、発熱素子11における吐出口6の配列方向に対して直交する方向の長さを吐出口6の配列方向で割ったアスペクト比は、発熱素子11Aよりも発熱素子11Bが大きくなるように形成されている。
また、本実施形態では、インク供給口4を挟んで吐出口6aの他方の側には、吐出口6bが配置されている。吐出口6bからは大流量のインクが吐出されるように形成されており、吐出口6bに対応した位置に配置されている発熱素子12は、発熱素子11A、発熱素子11Bに比べて大きく形成されている。本実施形態では、発熱素子12が略正方形の形状に形成されており、発熱素子12における吐出口6の配列方向に対して直交する方向の長さを吐出口6の配列方向で割ったアスペクト比は、発熱素子11A、発熱素子11Bに比べて小さく形成されている。それぞれの発熱素子のアスペクト比の大小を比較すると、発熱素子11B>発熱素子11A>発熱素子12の関係が成り立っている。
このように、発熱素子における吐出口6の配列方向に対して直交する方向への長さを吐出口6の配列方向への長さで割ったアスペクト比は、それぞれの発熱素子のインク供給口4からの距離に応じた大きさを有している。そして、インク供給口4からの距離が長いほどそのアスペクト比が大きく、短いほどアスペクト比が小さくなるように発熱素子が形成されている。
本実施形態における吐出口6A、6Bが用いられて、それぞれの吐出口6から吐出されるインクの速度を比較したテーブルを図9に示す。なお、この実験で用いられる記録ヘッド1については図10に示されている。吐出速度比の欄には、インク供給口4からの距離の短い吐出口6Aから吐出されるインクの速度を基準として、吐出口6Aから吐出されるインクの速度を吐出口6Bから吐出されるインクの速度で割った値が示されている。吐出口6から吐出されるインクの量を、0.8、1.1(pl)としたいずれの場合においても、吐出されるインクの速度は吐出口6Aと6Bとで略同じであった。また、吐出量を0.6(pl)としたときにおいても、吐出口6Bから吐出されるインクの速度が吐出口6Aから吐出されるインクの1.1倍と、吐出口6Aと吐出口6Bとでインクの速度に差があまり生じなかった。前述した図11のテーブルでインク供給口からの距離が異なる吐出口に対して同じ発熱素子を用いた場合のそれぞれのインク速度と比較すると、吐出口6A、6Bから吐出されるインクの速度が揃えられていることが確認される。
本実施形態では、発熱素子をこのように形成することで発熱素子12、発熱素子11A、発熱素子11Bの全ての発熱素子における電圧を揃えることができる。従って、全ての駆動電圧を統一することができ、記録装置の製造の際には、駆動電源の個数をさらに少なく抑えることができる。従って、本実施形態の記録ヘッド1を適用すれば、電源を共通化することにより、さらに記録装置の製造コストを抑えることができる。
(第四実施形態)
次に、図10を用いて、第四実施形態について説明する。なお、前記第一実施形態ないし第三実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図10(a)に、本実施形態における記録ヘッド1の要部の断面図を示し、図10(b)に図10(a)におけるB−B線に沿う断面図を示し、図10(c)に図10(a)におけるC−C線に沿う断面図を示している。また、説明のために、本実施形態における記録ヘッド1の各部の寸法の一部を示している。
本実施形態は、発熱素子の配置及び大小関係においては第三実施形態と同様であるが、図10(b)あるいは図10(c)の断面図における吐出口の周囲の形状が異なる。第一実施形態ないし第三実施形態のノズルにおいては、吐出口6は、発泡室9から記録媒体へ向かう方向へ直線上に形成されている。しかしながら、本実施形態のノズルにおいては、発泡室9と吐出口13との間に段差が形成されており、この段差によってできた発泡室9と吐出口13との間に形成されている孔を説明のために第二吐出口14とする。
本実施形態においては、吐出口6と発泡室9との間に第二吐出口14が形成されているので、発泡室9から吐出口6へのインク流路8で径の変化が緩やかな構成とされている。インクが吐出される際には、インク流路8は第二吐出口14で一旦その径が狭められ、それからさらに吐出口13で径が狭められることになる。従って、発泡室9から吐出口6へインクが流れる際に急激にインク流路8の径が狭められるわけではなく、徐々にインク流路8の径が拡大されて、インクが記録ヘッド1の外部に吐出されることになる。これにより、インクが吐出される際の吐出方向へのインクの流抵抗が低減され、発熱素子によってインクに与えられるエネルギに対してインクの運動エネルギとなるエネルギ効率が向上する。
従って、本実施形態における吐出口6の周囲の形状を適用すれば、それぞれの発熱素子の面積をさらに小さくすることができる。従って、記録装置による記録の際の消費電力をさらに小さくすることができる。また、発熱素子の面積を小さくすることができるので、記録ヘッド1による繰り返しの吐出の際の記録ヘッド1の昇温を抑えることができる。また、記録ヘッド1において部分的な温度上昇が生じることによるインク吐出量のばらつきをさらに低減することができる。
(a)は本発明の第一実施形態における記録ヘッドの一部を破断した斜視図であり、(b)はその記録ヘッドに用いられる素子基板の平面図である。 図1の記録ヘッドにおけるII-II線に沿う断面図である。 図2の記録ヘッドにおけるIII-III線に沿う断面図である。 図2の記録ヘッドにおけるIV-IV線に沿う断面図である。 本発明の第二実施形態における記録ヘッドの要部の断面図である。 図5の記録ヘッドにおけるVI-VI線に沿う断面図である。 図5の記録ヘッドにおけるVII-VII線に沿う断面図である。 (a)は本発明の第三実施形態における記録ヘッドの要部の断面図であり、(b)は(a)の記録ヘッドにおけるB-B線に沿う断面図であり、(c)は(a)の記録ヘッドにおけるC-C線に沿う断面図である。 本発明の第三実施形態における吐出口6A及び吐出口6Bにより吐出されるインクの速度を比較したテーブルである。 (a)は本発明の第四実施形態における記録ヘッドの要部の断面図であり、(b)は(a)の記録ヘッドにおけるB-B線に沿う断面図であり、(c)は(a)の記録ヘッドにおけるC-C線に沿う断面図である。 インク供給口からの距離の異なる吐出口に対して、同じ形状の発熱素子を用いて吐出されるインクの速度を比較したテーブルである。 1pl以下の吐出量の際の、吐出されるインクの速度とインクミストの発生量の傾向を示したグラフである。 インク流路の幅が8μm及び6μmのときを基準とし、インク流路の幅の寸法に±1μmの誤差が生じた際の、その誤差によるインクの粘性抵抗の変動を示すテーブル及びそのグラフである。 インク流路の幅が8μm及び6μmのときを基準とし、インク流路の幅の寸法に±1μmの誤差が生じた際の、その誤差によるインクの慣性抵抗の変動を示すテーブル及びそのグラフである。
符号の説明
1 記録ヘッド
2 素子基板
3 オリフィスプレート
4 インク供給口
6 吐出口
7、11、12 発熱素子
8 インク流路
9 発泡室

Claims (5)

  1. インクを吐出するための吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子が配されたエネルギ作用室と、該エネルギ作用室に対しインクを導入する流路と、を有するノズルと、該ノズルに連通するインク供給口とを有する記録ヘッドにおいて、
    相対的に長い第一の流路を含む第一のノズルは、第一の吐出口と第一のエネルギ発生素子を備えるとともに、相対的に短い第二の流路を含む第二のノズルは、第二の吐出口と第二のエネルギ発生素子を備え、
    前記第一の吐出口と前記第二の吐出口の開口径が等しく、かつ、前記第一の流路と前記第二の流路の断面積が等しく、
    前記第一のノズルと前記第二のノズルは、前記インク供給口の同一側部に配されるとともに、前記第一のエネルギ発生素子は、前記第二のエネルギ発生素子より面積が小さいことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記エネルギ発生素子は、通電させることで発熱する電気熱変換素子であって、該電気熱変換素子は前記流路の長さに応じた通電方向への長さを有しており、前記流路の長さが大きいほど通電方向に長くなっていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記電気熱変換素子は、千鳥状に配列された前記複数の吐出口の配列方向に対して直交する方向に通電することを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記電気熱変換素子は、前記複数の吐出口の配列方向に対して直交する方向に通電されることで発熱し、前記複数の吐出口の配列方向よりも前記複数の吐出口の配列方向に対して直交する方向の方が長い長方形であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
  5. 前記電気熱変換素子における前記複数の吐出口の配列方向に対して直交する方向の長さを前記複数の吐出口の配列方向の長さで割ったアスペクト比は、前記流路の長さに応じた大きさを有しており、前記流路の長さが長いほど前記アスペクト比が大きいことを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッド。
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