JP2008244278A - 超電導コイルおよび該超電導コイルを備えた超電導機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯状の超電導線が巻回されたコイル部が複数層に積層された超電導コイルであって、前記コイル部間に介在されるスペーサにより前記コイル部が間隔をあけて積層され、前記スペーサは前記コイル部の内周側の間隔を保持する円筒状の内周側スペーサと、該内周側スペーサの外周側に周方向に間隔をあけて位置し、前記コイル部の外周側の間隔を保持する外周側スペーサからなる。
【選択図】図3
Description
前記スペーサは前記コイル部の内周側の間隔を保持する円筒状の内周側スペーサと、
該内周側スペーサの外周側に周方向に間隔をあけて位置し、前記コイル部の外周側の間隔を保持する外周側スペーサと、
からなることを特徴とする超電導コイルを提供している。
前記外周側スペーサは、径方向先端側のコイル軸線方向の寸法を内周側スペーサと同一とする一方、内周側スペーサと連続する基部側のコイル軸線方向の寸法を内周側スペーサよりも小さくしてL字状としていることが好ましい。
また、前記空隙は気泡の通路にもなるため、コイル部間に気泡が溜まって冷却効果が低下するのを防止することができる。
特に、コイル軸線方向を水平方向として配置した場合、超電導コイルの下部側でコイル部間に流入した冷媒の流れが悪くなり、気泡も溜まりやすくなる。よって、このような場合に、外周側スペーサを前記のような形状として冷媒・気泡流通用の空隙を設けた構成が好適である。
コイル軸線方向の寸法を内周側スペーサと同一とした先端側の部位の径方向長さは、コイルの径(外径−内径)の1/4以上としていることが好ましい。
前記構成によれば、内周側スペーサと外周側スペーサとの間に設けた隙間が前記と同様に冷媒や気泡の通路となるため、冷却効率を向上させることができる。
前記構成によれば、巻枠とは別に内周側スペーサを設ける必要がなくなり、部品点数を低減できると共に、巻枠に内周側スペーサを取り付ける作業が不要となるため、製造コストを低減することができる。
前記コイル部の超電導線が最内周ターンの渡り部で連続するダブルパンケーキコイルである。
また、超電導線を螺旋状に巻回したソレノイドコイルの場合にも、コイル部間に前記スペーサを介在させてもよい。
前記超電導機器としては、モータ、発電機、変圧器、超電導電力貯蔵装置(SMES)、限流器等が挙げられる。
図1乃至図3に、本発明の第1実施形態を示す。
本実施形態の超電導コイル10は、超電導機器である超電導モータに用いられるものである。該超電導コイル10は、幅4mmの帯状のビスマス系超電導線11と絶縁テープ(図示せず)を重ね合わせた状態で円筒状の巻枠12に巻回した第1コイル部10aと第2コイル部10bからなるダブルパンケーキコイルとしている。これら第1コイル部10aと第2コイル部10bとは、第1コイル部10aの最内周の超電導線11と第2コイル部10bの最内周の超電導線11とを斜めに延びる渡り部(図示せず)の超電導線で連続させている。また、第1、第2コイル部10a、10bのコイル軸線方向の両端面には繊維強化樹脂(FRP)からなる厚さ0.2mmの絶縁シート13を配置している。
前記スペーサ20は、繊維強化樹脂(FRP)からなり、超電導コイル10の内周側に配置される円筒状の内周側スペーサ21と、該内周側スペーサ21の外周面から径方向に突出し、周方向に間隔をあけて設けた外周側スペーサ22からなる。本実施形態では、外周側スペーサ22を内周側スペーサ21の外周面から突設して、内周側スペーサ21と外周側スペーサ22を一体に設けて1つのスペーサ20としている。
また、外周側スペーサ22の細幅部22bと上方の第1コイル部10aとの間には、隙間が設けられ、冷媒・気泡流通用の空隙S1が形成される。このように、外周側スペーサ22を設けていない位置と外周側スペーサ22の細幅部22bを設けた位置では、第1コイル部10aと第2コイル部10bの間が空隙S2、S1となるが、第1、第2コイル部10a、10bの内周側全体に内周側スペーサ21を介在させると共に、外周側では周方向に間隔をあけて外周側スペーサ22の太幅部22aを介在させているため、第1コイル部10aと第2コイル部10bの間隔を全ての位置で一定に保持することができる。
なお、巻枠12の外周面と内周側スペーサ21の内周面との間には隙間を設けており、該隙間に第1コイル部10aと第2コイル部10bとの間に架け渡される渡り部の超電導線を通している。
なお、本実施形態では、超電導コイル10をダブルパンケーキコイルとしているが、2つ以上のシングルパンケーキコイルを積層し、隣接したシングルパンケーキコイルの超電導線同士を接続する構成としてもよい。
また、複数のダブルパンケーキコイルを積層し、積層したダブルパンケーキコイル間に本実施形態のスペーサを介在させてもよい。
本変形例では、外周側スペーサ22のコイル軸線方向の寸法を均一とし、該外周側スペーサ22に周方向に貫通する貫通孔22cを設けている。
前記構成によれば、貫通孔22cが冷媒・気泡の流通路となり、前記第1実施形態と同様、超電導コイルの温度上昇を低減することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、円筒状の内周側スペーサ21とブロック状の外周側スペーサ22を別体に設けている。内周側スペーサ21の外周側に空隙S1をあけて外周側スペーサ22を配置しており、かつ、外周側スペーサ22同士は周方向に間隔をあけて配置している。内周側スペーサ21と外周側スペーサ22のコイル軸線方向の寸法は同一としている。
なお、外周側スペーサ22は少なくとも一方のコイル部に接着剤を介して固定している。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、円筒状の内周側スペーサ21を巻枠12の外周に一体に設け、巻枠12とスペーサ20を一体成形品としている。即ち、巻枠12の外周面のコイル軸線方向中央に第1実施形態のスペーサ20を突設している。ただし、渡り部を形成する箇所には内周側スペーサ21を設けていない。
なお、本実施形態においても、第2実施形態のように内周側スペーサ21と外周側スペーサ22を別体に設けてもよい。
また、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
10a 第1コイル部
10b 第2コイル部
11 超電導線
12 巻枠
20 スペーサ
21 内周側スペーサ
22 外周側スペーサ
S1、S2 空隙
Claims (7)
- 帯状の超電導線が巻回されたコイル部を複数備え、これらコイル部がスペーサを介して間隔をあけて積層されており、
前記スペーサは前記コイル部の内周側の間隔を保持する円筒状の内周側スペーサと、
該内周側スペーサの外周側に周方向に間隔をあけて位置し、前記コイル部の外周側の間隔を保持する外周側スペーサと、
からなることを特徴とする超電導コイル。 - 前記内周側スペーサはリング状とし、その外周面に前記外周側スペーサを周方向に間隔をあけて突設し、
前記外周側スペーサは、径方向先端側のコイル軸線方向の寸法を内周側スペーサと同一とする一方、内周側スペーサと連続する基部側のコイル軸線方向の寸法を内周側スペーサよりも小さくしてL字状としている請求項1に記載の超電導コイル。 - 前記内周側スペーサはリング状とする一方、前記外周側スペーサを前記内周側スペーサとは別体のブロック状とし、該外周側スペーサと内周側スペーサのコイル軸線方向の寸法を同一とし、これら外周側スペーサを前記内周側スペーサに対して径方向に間隔をあけて配置している請求項1に記載の超電導コイル。
- 前記超電導線が巻き付けられる巻枠の外周に前記内周側スペーサを一体に設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導コイル。
- 前記コイル部はシングルパンケーキコイルからなり、隣接するコイル部の超電導線同士が接続されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
- 前記コイル部の超電導線が最内周ターンの渡り部で連続するダブルパンケーキコイルである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超電導コイルを備えた超電導機器。
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