JP2008244193A - 放熱用材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い熱伝導率を有し、かつ絶縁性に優れる放熱用材料を安価に提供することを目的課題とする。
【解決手段】本発明は、アルミニウム基板と、その一表面に形成された絶縁層と、他の一表面に形成された熱放射層とを含み、該熱放射層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層とから成り、該絶縁層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成ることを特徴とする放熱用材料である。
【選択図】図1

Description

本発明は放熱用材料に関し、詳しくは熱伝導率が高くかつ柔軟性に優れた放熱用材料及びその製造方法に関する。
パーソナルコンピュータやモバイル電子機器の高機能化に伴い、CPU等の発熱源の発熱量が飛躍的に増大しており、放熱デバイスの高性能化が求められている。その放熱手法の一つとして簡易でかつ効果的な方法に、発熱源の表面に放熱シートや接着剤を貼り付けて放熱する方法がある。このような放熱方法においては、機器の安全性に鑑みて、放熱材料には絶縁性が要求される場合が多い。
一般的な絶縁性放熱材料は、樹脂中にアルミナや窒化アルミのような高熱伝導率のセラミックス粒子が分散された構造を持つが、基本的に粒子が樹脂中で孤立した粒子分散構造であるために、セラミックス粒子の体積含有率を高くしても複合材料の熱伝導率は大変低い。
放熱性の高い材料として例えば特許文献1のような発明がなされている。
これは、基板が樹脂とCu箔の積層材料からなり、樹脂基板の表面には接着層が、別の一表面であるCu箔の表面には熱放射層が形成されている。接着層と樹脂基板の厚み方向を経てCu箔に伝わった熱は、Cu箔の面内方向に伝わると共に、最表面に設けられた熱放射層から大気中に輻射熱として放熱される。熱放射層には、輻射率の高いセラミックス粒子が用いられ、これを含有した塗料を塗布することで作製される。
しかしながら、従来の放熱材料には以下のような問題がある。すなわち、1)接着層が単なる樹脂であるため熱伝導率が低く放熱性が十分でない。2)樹脂基板の熱伝導率が低いため放熱性が十分でない。3)熱放射層を別工程で形成しなければならないのでコストが高くなる、という問題である。
また、放熱材料は厚みが大きいと輻射効果が低くなるため、理想的には1μm程度の厚さにすることが好ましい。しかし、セラミックス粒子を薄く均一に塗布することは難しいという問題もある。
特開2005−116668
本発明は、上記問題点を解決すべく、高い熱伝導率を有し、かつ絶縁性に優れる放熱用材料を安価に提供することを課題とする。
本発明はこの課題を解決すべくされたものであり、以下の特徴を持つ。
(1)アルミニウム基板と、その一表面に形成された絶縁層と、他の一表面に形成された熱放射層とを有し、該絶縁層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成ることを特徴とする放熱用材料。
(2)前記熱放射層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層とから成ることを特徴とする上記(1)に記載の放熱用材料。
(3)前記アルマイトがチタンを含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の放熱用材料。
(4)前記絶縁層の表面に接着層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)
のいずれか一に記載の放熱用材料。
(5)前記柱状または突起状アルマイトの先端部の長径が50μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(6)前記柱状または突起状アルマイトの先端部の長径に対する高さの比であるアスペクト比が3以上であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(7)前記複合層におけるアルマイトの体積含有率が20〜60%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(8)前記アルマイトがα型の結晶系を含むことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(9)前記複合層の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(10)前記アルミニウム基板の厚さが50μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(11)前記複合層の引っ張り伸び率が20%以上であることを特徴とする、上記(1)〜(10)のいずれか一に記載の放熱用材料。
(12)アルミニウム基板の表面を陽極酸化処理することにより、一方の面にアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成る絶縁層を形成し、他方の面に熱放射層を形成することを特徴とする放熱用材料の製造方法。
(13)前記アルミニウム基板の表面に形成された熱放射層が、アルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層から成ることを特徴とする上記(12)に記載の放熱用材料の製造方法。
(14)アルミニウム基板の一部をマスキングした後、非マスキング部を陽極酸化処理して、基板の表面に柱状または突起状のアルマイトを形成する工程を含むことを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の放熱用材料の製造方法。
(15)アルミニウム基板の表面と裏面に、マスクパターンの位相が基板の縦方向及び横方向にそれぞれ1/2ずつ互いにずれるようにマスキングした後、非マスキング部を陽極酸化処理して、基板の表面に柱状または突起状のアルマイトを形成する工程を含むことを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の放熱用材料の製造方法。
(16)前記柱状または突起状アルマイトの隙間に樹脂を充填させる工程を含むことを特徴とする上記(12)〜(15)のいずれか一に記載の放熱用材料の製造方法。
(17)前記陽極酸化処理が封孔処理を含むことを特徴とする上記(12)〜(16)のいずれか一に記載の放熱用材料の製造方法。
(18)前記樹脂を充填する工程の前に、500℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする上記(16)又は(17)に記載の放熱用材料の製造方法。
本発明に係る放熱用材料は、絶縁層の熱伝導率が高く、さらに熱輻射層を兼ね備えているため、高い放熱性を発揮する。また当該放熱用材料は陽極酸化により低コストで作製することができる、
本発明に係る放熱シートは図1に示すような基本構造を有することを特徴とする。すなわち、アルミニウム基板とその一表面に形成された絶縁層、他の一表面に形成された熱放射層を含み、該絶縁層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成ることを特徴とする。また、熱放射層がアルマイト、または基板面にほぼ垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層とか
ら成ることを特徴とする。
アルミニウム基板を陽極酸化処理して得られる多孔質アルミナをアルマイトと呼ぶが、これは極めて大きな表面積を持つと共に絶縁性に優れた材料である。
従って、本発明に係る放熱用材料のように、アルマイトを熱放射層として放熱材料の表面に形成することで大きな熱輻射効果を持たせることが出来る。また、アルミニウム基板表面の一部を絶縁マスキングし、非絶縁処理部のみを陽極酸化すると、柱状または突起状アルミナからなる多孔質層が形成できる(図1、構造2、4)。このような処理をすると、表面積はさらに大きくなるので熱輻射効果が大きくなる。尚、アルマイトに微量のチタンが含有された材料を陽極酸化した場合、輻射率が大きくなるので好ましい。チタンは1〜3wt%程度含有されていれば効果が出る。これを越えると効果が飽和する。
一方で、アルミニウム基板のもう一表面の一部を絶縁マスキングし、非絶縁処理部のみを陽極酸化すると、同様に柱状または突起状アルミナからなる多孔質層が形成できる。この多孔質層部の隙間に粘着性、柔軟性の高い樹脂を充填することにより、絶縁性で熱伝導率の高い接着層にすることができる(図1の構造3及び4)。また、全面を陽極酸化し、多孔質アルマイト層のみからなる絶縁層としても構わない。この場合は、絶縁層表面に別途樹脂製の接着層を形成しなければならず、熱伝導率が低くなるので、柱状アルミナと樹脂の複合接着層ほどの高熱伝導は得られないが、マスキングしなくていいので低コストになる。
陽極酸化とは、アルミニウム板を電解液中で、数十ボルトの電界を印加することにより、その表面から多孔質アルミナに変質させていくプロセスである。電解液としては、シュウ酸、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の水溶液がよく用いられる。
図2に示すように、アルミニウムを陽極酸化した時に形成されるアルミナ柱の約1/3は元のアルミニウム位置よりも高い位置に、残りの2/3は、アルミニウム基材の内部に形成されることはよく知られている。本発明者は、この現象に注目し、アルミニウム表面の一部をマスキングして、酸化されない状態にしておくことにより、柱状アルミナの形成が可能であり、このアルミナの隙間に樹脂を充填する。陽極酸化により形成されたアルミナの熱伝導率は60W/mK程度と高く、かつ電気絶縁性に優れるので、本複合材料は、絶縁性に優れ、熱伝導率が高く、柔軟性に優れた放熱用材料となることを見いだした。
陽極酸化によってアルミニウム基板表面に、柱状または突起状アルミナからなる多孔質層を形成させるためには、まず、アルミニウム基板表面にマスキングを行う。マスキングの形状は例えば、ハニカム形状が考えられる。これにより、陽極酸化される各部位は孤立する。陽極酸化をするのは、基板の一表面でも良いし両面でも構わない。図1の構造4のように両面を陽極酸化する場合には、表裏のマスクパターンは揃っていても構わないが、図3に示すように互いにずらしてマスクすることがより好ましい。例えば、表裏面のマスクパターンの位相を1/2ずつ互いにずらして形成すれば、アルミナが互い違いにアルミ基板中に形成されるため、より薄いアルミ基板を使用することが可能となり好ましい。マスクパターンの位相をずらすとは、マスクパターンを基板の縦方向(y軸)及び横方向(x軸)にそれぞれ、そのパターンのピッチ長さをずらすことをいう。
マスキング材は、一連の陽極酸化処理で曝される酸やアルカリに対して耐性がある材料ならなんでもよく、樹脂ならエポキシ等、あるいはSiO等のセラミックス膜でもよい。
マスキング後の陽極酸化により、孤立した部分(アルミニウムが露出した部分)のみがアルミナに変質していくが、この時、アルミナに転化した先端面はアルミニウム面よりも高い位置になるので、陽極酸化の進行に伴い柱の高さが増大していく。陽極酸化は、通常
のアルミニウムの陽極酸化のプロセスがそのまま使える。陽極酸化処理の条件によってはアルミナが基材面に対してほぼ垂直な柱になる場合もあるし、また、先端面が底部よりも小さな突起状になる場合もある。本発明においてはどちらでもよいが、後者の場合、放熱させるために発熱源に接触させた時、樹脂が発熱源に接触する面積が大きくなるので、発熱源と放熱材との隙間が生じにくくなり、熱抵抗がより小さくなるという利点もある。
本発明に係る放熱用材料は、その複合層における柱状または突起状アルミナの先端部の長径が50μm以下であることを特徴とする。また、当該柱状または突起状アルミナの先端部の長径に対する高さの比であるアスペクト比が3以上であることを特徴とする。更に、当該複合層において、アルマイトの体積含有率が20〜60%であり、複合層の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする。また、アルマイトがα型の結晶系を含むことが好ましい。
柱状または突起状アルミナの先端部の長径が小さいほど、発熱源と接触した時に複合材が変形しやすく、凹凸のある熱源部材表面にしっかりと接触するようになる。当該長径は50μm以下であることが好ましく、また、小さければ小さいほど当該効果が発揮されるようになるため好ましい。例えば、上記マスクパターンをスクリーン印刷により形成すると30μm程度の、半導体露光プロセス等によりマスクすると100nm程度の長径のアルミナを作製することが可能となる。
柱状または突起状アルミナの先端部の長径に対する高さの比であるアスペクト比が大きいほど、シート形状をした放熱用材料は変形しやすくなるため、3以上であることが好ましく、より好ましくは5以上である。
絶縁層を形成する基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層中のアルミナの体積含有率が低いほど変形しやすくなるが、複合層の熱伝導率は小さくなるので、20〜60%が好ましい。20%未満であると、複合材料の熱伝導率が低くなる。60%を超えると変形しにくくなるため、凹凸形状を有する場合の発熱部への設置が困難になる。陽極酸化アルミナの結晶系は通常はアモルファス(非晶質)であるが、500℃以上で熱処理することにより、α型へ転化し始め、アルミナの熱伝導率はより高くなり、これに伴い複合材料の熱伝導率も増大する。
本発明に係る放熱用材料は、そのアルミニウム基板の厚さが50μm以下であることを特徴とする。また、前記複合層の引っ張り伸び率が20%以上であることを特徴とする。
陽極酸化後の金属部の厚さが小さいほど、柔軟性に優れた放熱用材料になる。特に、厚さが50μm以下のシート状の基板であれば柔軟性が高く好ましい。また、絶縁層において柱状または突起状アルマイトの多孔質層に充填する樹脂はできるだけ硬度が小さく、柔軟性に富む樹脂が好ましい。多孔質層に樹脂を充填してなる複合層の引っ張り伸び率は20%以上であることが好ましい。
本発明に係る放熱用材料の製造方法は、アルミニウム基板の表面を陽極酸化処理することにより、一方の面にアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層から成る絶縁層を、もう一方の面に熱放射層を形成することを特徴とする。更に当該熱放射層は、アルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層から成ることを特徴とする。
柱状または突起状のアルマイトは、アルミニウム基板の一部をマスキングした後、非マスキング部を陽極酸化処理する工程により作製することができる。絶縁層を形成する複合層は、更に、該アルマイトの隙間に樹脂を充填させる工程を含むことにより作製される。
基板にアルミニウム箔を使って陽極酸化し、アルミ箔の厚さ方向の途中で処理を終えると、アルミ箔表面にアルミナ柱が形成された構造体ができる。その他、基板としては、樹
脂、Cu箔、セラミックス、ガラス等種類を問わないが、基板には電気伝導性が高い材料が好ましい。これらの基板の表面に、CVDやその他の方法でアルミの厚膜を形成することで、アルミ基板の時と同様に陽極酸化することができる。アルミナの結晶化を促進させたい場合は、熱処理温度を高くすればいいので、この場合は、耐熱性に優れるセラミックス等がよい。
次に、該多孔質層の隙間に樹脂を充填して複合層を形成するが手法は特に限定されない。例えば、紫外線硬化型樹脂を用いる場合、液体状の樹脂を多孔質層に含浸させる。含浸は、例えば、形成したウィスカーからなる多孔質層表面に樹脂を滴下し、デシケータ等の容器に装填した後、デシケータ内部を真空にすることで含浸がしやすくなる。次に、含浸した樹脂に紫外線を照射すると樹脂が硬化して複合材料ができる。
樹脂はできるだけ硬度が小さく、柔軟性に富む樹脂が好ましい。樹脂の柔軟性は、一般には引っ張り試験時の伸び率が目安になる。伸び率としては50%以上が好ましい。例えば、主鎖がポリイソプレンからなり、主鎖の両端にアクリル系二重結合を持つウレタンアクリレート系樹脂などがある。そのほかの樹脂でももちろんかまわない。このような樹脂を用いて複合材料にした場合の引っ張り伸び率は20%以上が好ましい。また粘着性樹脂を充填させれば、熱源への貼り付けが容易になるため好ましい。
また、本発明に係る放熱用材料の製造方法は、陽極酸化処理が封孔処理を含むことを特徴とする。更に、上記アルマイトの隙間に樹脂を充填させる工程の前に、500℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする。
陽極酸化後のアルマイト層に封孔処理を行うと、アルマイトの先端部が閉じ耐水性が向上する。樹脂と複合した場合の長期信頼性、すなわち耐絶縁性の安定的な確保という観点では、封孔処理を行ったほうが好ましい。封孔処理は、加圧水蒸気中での処理など公知技術で対応できる。また、500℃以上で熱処理することにより、上述のごとく、陽極酸化アルミナの結晶系をアモルファス(非晶質)からα型へ転化することができるため、アルミナの熱伝導率がより高くなり、これによって放熱用材料の熱伝導率を増大させることができる。
本発明のセラミックス−樹脂複合材料は、柱状アルミナがシートの厚さ方向に沿って垂直に成長しているため、隣の柱状セラミックス粒子とは独立して存在している。そのため、樹脂を含浸した後も、シートの面内方向の伸びに対しての抵抗が小さいという特徴がある。すなわち、引っ張り伸び率の高いシートとなるのである。これに対して、通常のセラミックス多孔質体は三次元的に連結した構造になっているため、変形しにくく、複合材料とした場合に引っ張り伸び率が小さくなる。
このような放熱用シートを熱源に貼り付けると、熱は熱伝導率の高い複合材料の厚み方向に沿って、熱伝導率の極めて高いAl箔に伝達された後、Al箔の表面に形成されたアルマイト層から熱輻射により放熱されると共に、Al箔の面内方向にも伝達され、さらに熱輻射効果が得られるので放熱効果は極めて大きくなる。
<パターンニング>
基板として、100×100mm、各種厚さのAl箔を用いた。
図4に示すように、フォトリソグラフィーでマスク材としてシリカ膜を0.5μmの厚さでコーティングした。アルミの露出部のサイズ(A)とピッチ(B)は変化させた。片面のみを陽極酸化する場合は、裏面は全てマスクした。
<陽極酸化>
図5に示す装置を用いて陽極酸化処理を行った。めっき浴として、硫酸、シュウ酸を用いた。正極には白金板を用いた。系全体が一定温度になるようチラーで温度調節した。
<樹脂の含浸>
樹脂として、昭和高分子製のビニルエステル樹脂:商品名:リポキシPH−300A(スチレン系)を用いた。
これらの樹脂に樹脂の1wt%の重合開始剤(IRGACRE184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を添加、攪拌後、ウィスカーを成長させた第一基板表面に滴下した。これを真空オーブンに入れ、ロータリーポンプで真空にしながら室温で樹脂を含浸させた。複合材料のセラミックスの含有率は、複合材料の比重から計算した。
<樹脂の硬化>
波長が365nmの紫外線を50mW/cmの光強度で照射して樹脂を硬化させた。
<評価>
[1]樹脂複合材料自体の熱伝導率の測定
加工により複合材料層のみを切り出し、周期加熱法により測定した。
[2]引っ張り伸び率の測定
加工により複合材料層のみを切り出し、JIS K 6249準拠の方法で測定した。[3]熱抵抗の測定
図6に示すように、幅30×30mm、厚さが10mmの最上部に熱電対を埋め込んだCu板の上に放熱シートを設置し、AlNヒータで加熱した。放熱シート表面に設置した熱電対の温度とCu板の温度から熱抵抗を算出した。
試験条件は、測定時間10分間、12Wの発熱量にて行った。
熱抵抗は下記の式で算出した。
熱抵抗の測定(℃/W)=(発熱体温度−ヒートシンク温度)/印加電力
結果を表1に示す。表1中、構造とは図1に示す構造の番号を指す。
本発明に係る放熱用材料は熱抵抗が低く、高い放熱性を示した。
Figure 2008244193
本発明に係る放熱用材料の構造の例を表わす概念図である。 陽極酸化によってアルミニウム基板にアルミナが形成された状態の一例を表す概念図である。 陽極酸化によってアルミニウム基板の表裏にアルミナが形成された状態の一例を示す概念図である。 陽極酸化を行なう際に使用するマスクの形状の一例を表す概念図である。 陽極酸化を行なう装置の一例を表す概念図である。 本発明に係る放熱用材料の熱抵抗を測定する装置の一例を表す概念図である。

Claims (18)

  1. アルミニウム基板と、その一表面に形成された絶縁層と、他の一表面に形成された熱放射層とを有し、該絶縁層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成ることを特徴とする放熱用材料。
  2. 前記熱放射層がアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層とから成ることを特徴とする請求項1に記載の放熱用材料。
  3. 前記アルマイトがチタンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の放熱用材料。
  4. 前記絶縁層の表面に接着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の放熱用材料。
  5. 前記柱状または突起状アルマイトの先端部の長径が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の放熱用材料。
  6. 前記柱状または突起状アルマイトの先端部の長径に対する高さの比であるアスペクト比が3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の放熱用材料。
  7. 前記複合層におけるアルマイトの体積含有率が20〜60%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の放熱用材料。
  8. 前記アルマイトがα型の結晶系を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の放熱用材料。
  9. 前記複合層の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一に記載の放熱用材料。
  10. 前記アルミニウム基板の厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一に記載の放熱用材料。
  11. 前記複合層の引っ張り伸び率が20%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一に記載の放熱用材料。
  12. アルミニウム基板の表面を陽極酸化処理することにより、一方の面にアルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトと樹脂による複合層とから成る絶縁層を形成し、他方の面に熱放射層を形成することを特徴とする放熱用材料の製造方法。
  13. 前記アルミニウム基板の表面に形成された熱放射層が、アルマイト、または基板面に略垂直に形成された柱状または突起状アルマイトの多孔質層から成ることを特徴とする請求項12に記載の放熱用材料の製造方法。
  14. アルミニウム基板の一部をマスキングした後、非マスキング部を陽極酸化処理して、基板の表面に柱状または突起状のアルマイトを形成する工程を含むことを特徴とする請求項12又は13に記載の放熱用材料の製造方法。
  15. アルミニウム基板の表面と裏面に、マスクパターンの位相が基板の縦方向及び横方向にそれぞれ1/2ずつ互いにずれるようにマスキングした後、非マスキング部を陽極酸化処
    理して、基板の表面に柱状または突起状のアルマイトを形成する工程を含むことを特徴とする請求項12又は13に記載の放熱用材料の製造方法。
  16. 前記柱状または突起状アルマイトの隙間に樹脂を充填させる工程を含むことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一に記載の放熱用材料の製造方法。
  17. 前記陽極酸化処理が封孔処理を含むことを特徴とする請求項12〜16のいずれか一に記載の放熱用材料の製造方法。
  18. 前記樹脂を充填する工程の前に、500℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の放熱用材料の製造方法。
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