JP5870934B2 - 金属ベース回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
また、近年では、LEDのような発光素子などを搭載し、液晶表示装置などの光源として用いられるようになってきている(特許文献6)。
アルミニウム基板と、絶縁樹脂層と、金属層とが順に積層され、
前記アルミニウム基板表面の水との接触角が50°以上95°以下であり、
前記アルミニウム基板の表面粗度(Rz)が3μm以上9μm以下である、金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記アルミニウム基板を50℃以上80℃以下の水に0.5分間以上3分間以下接触させる工程と、
処理後の前記アルミニウム基板表面に前記絶縁樹脂層を形成し、次いで前記絶縁樹脂層上に前記金属層を形成する工程と
を含む、金属ベース回路基板の製造方法が提供される。
アルミニウム基板と、絶縁樹脂層と、金属層とが順に積層され、
前記アルミニウム基板表面の水との接触角が50°以上95°以下であり、
前記アルミニウム基板の表面粗度(Rz)が3μm以上9μm以下である、金属ベース回路基板に用いられるアルミニウム基板の処理方法であって、
前記アルミニウム基板を50℃以上80℃以下の水に0.5分間以上3分間以下接触させる、金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法が提供される。
図1に記載のように、本実施形態に係る金属ベース回路基板10は、アルミニウム基板12と、絶縁樹脂層14と、金属層16とが順に積層されてなる。金属ベース回路基板10は、ヒートスプレッダーとして用いられる。
絶縁樹脂層14と接触するアルミニウム基板12の表面は、表面粗度(Rz)が3μm以上9μm以下の範囲にあり、さらに好ましくは3μm以上5μm以下の範囲にあり平滑である。そして、アルミニウム基板12の表面は、水との接触角が50°以上95°以下、好ましくは55°以上90°以下である。
水との接触角は、JIS R3257に準拠して行い、5点以上の平均を接触角として算出することができる。表面粗度は、JIS B0601に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)として算出することができる。
絶縁樹脂層14の曲げ弾性率は、5GPa以上20GPa以下である。これにより、金属ベース回路基板に応力が加わった場合においても、絶縁樹脂層14は可とう性に優れるため、アルミニウム基板12と絶縁樹脂層14との密着性がより向上する。
曲げ弾性率は、以下のように測定することができる。
樹脂層同士が向かい合うように2枚の樹脂付き銅箔を重ね、220℃で180分間プレスを行い、両面銅箔付き樹脂板を得る。この両面銅箔付き樹脂板を全面エッチングし、6mm×25mm×0.2mm(厚)の試験片を作製する。そして、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、25℃での曲げ弾性率を測定する。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、などを挙げることができ、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールF型またはA型のエポキシ樹脂、さらにこれらの樹脂が水素添加されたものを用いることが好ましい。とくに常温で液状のビスフェノールF型またはA型のエポキシ樹脂が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、絶縁樹脂層14は可とう性に優れ、金属ベース回路基板10が曲げられて使用される場合においても、アルミニウム基板12と絶縁樹脂層14との剥離が抑制される。
これらの中でも、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカが、高熱伝導性の観点から好ましい。さらに好ましくは、アルミナである。アルミナを用いた場合、高熱伝導性に加え、耐熱性、絶縁性の点で好ましい。また、結晶性シリカまたは非晶性シリカは、イオン性不純物が少ない点で好ましい。絶縁信頼性に優れる金属ベース基板を製造することができる。
結晶性シリカまたは非晶性シリカは、プレッシャークッカテストなどの水蒸気雰囲気下で絶縁性が高く、金属、アルミ線、アルミ板などの腐食が少ない点で好適である。
一方、難燃性の観点からは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
さらに、溶融粘度調整やチクトロピック性の付与の目的においては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグシウム、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカが好ましい。
金属層16は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫などから構成され、2種以上含んでいてもよい。金属層16の層厚は、0.1〜1500μm程度である。なお、絶縁樹脂層14と金属層16との間には、接着層などの他の層が介在していてもよい。
密着強度は、以下の条件で測定することができる。
・試験装置:NXT−250P(富山産業社製)
・アルミニウム試験チップ(円盤状、接着面2.0cmφ)に、前記絶縁樹脂層を得るための樹脂ワニスを塗布し、塗布面を固定されたアルミニウム試験板に接着する。180℃60分間の条件で前記樹脂ワニスを硬化させ、前記アルミニウム試験チップと前記アルミニウム試験板とを樹脂層を介して接着させる。
・アルミニウム試験チップを1.5mm/分速度で垂直方向に引き上げ、前記アルミニウム試験チップまたは前記アルミニウム試験板と前記樹脂層とが剥がれた時点を密着強度として測定する。
本実施形態の金属ベース回路基板10の製造方法として、(1)アルミニウム基板を水で処理し、その後、絶縁樹脂層、金属層を形成する方法、(2)アルミニウム基板を紫外線で処理し、その後、絶縁樹脂層、金属層を形成する方法が挙げられる。
以下、(1)アルミニウム基板を水で処理し、その後、絶縁樹脂層、金属層を形成する方法について説明する。
本実施形態の金属ベース回路基板10の製造方法は以下の工程(a)〜(b)を含んでいる。
(a)アルミニウム基板12を、50℃以上80℃以下の水に0.5分〜3分間接触させる工程
(b)処理後のアルミニウム基板12表面に絶縁樹脂層14を形成し、次いで絶縁樹脂層14上に金属層16を形成する工程
アルミニウム基板12を、50℃以上80℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下の水に0.5分間以上3分間以下、好ましくは0.5分間以上2分間以下接触させる。当該処理に用いられる水としては、純水を用いることができる。また、アルミニウム基板12の表面張力に影響を与えない範囲で、イソプロピルアルコール、エタノール、tert-ブチルアルコールなどのアルコール類、Ca2+、Mg2+、Na+、K+、Cl−などの各種イオンを含んでいてもよい。
このような接触処理により、アルミニウム基板12表面の水との接触角を50°以上95°以下、好ましくは55°以上85°以下に調整することができる。
次いで、処理後のアルミニウム基板12表面に、絶縁樹脂層14を形成し、次いで絶縁樹脂層14上に金属層16を形成する。
具体的には、硬化後の厚みを考慮して、樹脂組成物をアルミニウム基板12表面に塗布し、予備硬化させてBステージ化状態とする。そして、金属箔を貼り合わせ、後硬化を行い、アルミニウム基板12表面に、絶縁樹脂層14と金属層16が積層された金属ベース回路基板10を製造する。
また、工程(a)の後、金属箔表面に絶縁樹脂層を形成し、処理後のアルミニウム基板12と貼り合わせてもよい。具体的には、硬化後の厚みを考慮して、樹脂組成物を金属箔表面に塗布し、予備硬化させてBステージ化状態とする。そしてアルミニウム基板12と貼り合わせ、後硬化を行いアルミニウム基板12表面に、絶縁樹脂層14と金属層16が積層された金属ベース回路基板10を製造する。
また、金属箔としては、キャリア箔付き極薄金属箔を用いることもできる。キャリア箔付き極薄金属箔とは、剥離可能なキャリア箔と極薄金属箔とを張り合わせた金属箔である。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることで絶縁層の両面に極薄金属箔層を形成できることから、例えば、セミアディティブ法などで回路を形成する場合、無電解メッキを行うことなく、極薄金属箔を直接給電層として電解メッキすることで、回路を形成後、極薄銅箔をフラッシュエッチングすることができる。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることによって、厚さ10μm以下の極薄金属箔でも、例えばプレス工程での極薄金属箔のハンドリング性の低下や、極薄銅箔の割れや切れを防ぐことができる。
まず、樹脂組成物を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンシクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソールなどの有機溶剤中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニスを作製する。
塗工装置は、とくに限定されないが、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーターおよびカーテンコーターなどを用いることができる。これらの中でも、ダイコーター、ナイフコーター、およびコンマコーターを用いる方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な厚みを有する絶縁樹脂層14を効率よく製造することができる。
このような金属ベース回路基板10に半導体素子、抵抗部品などを表面実装した場合、部材間の歪が大きくなることを抑制し、十分な熱衝撃信頼性を得ることができる。また、絶縁樹脂層14の厚さを250μm以下とすることにより、金属ベース回路基板10の表面実装部分における歪量が少なくなり、良好な熱衝撃信頼性を得ることができるとともに、熱抵抗が低減し十分な放熱性を得ることができる。そのため、絶縁樹脂層14の厚さが上記範囲内にあれば、これらの特性のバランスに優れる。
5×10−2<c−(b×1/100)<11 (1)
ここで、c(質量%)は、樹脂組成物の合計量100質量%に対するカップリング剤の含有量を示す。b(質量%)は、樹脂組成物の合計量100質量%に対する無機フィラーの含有量を示す。
上記式(1)中[c−(b×1/100)]は、無機フィラーの表面に付着せずに、樹脂組成物中に存在しているカップリング剤(すなわち、樹脂組成物中の遊離しているカップリング剤)の含有量を示す。
まず、カップリング剤は、分子内に有機材料および無機材料と結合する官能基を合わせ持っている。このカップリング剤を介して、無機材料と有機材料とが結合されることになる。
カップリング剤は、本技術分野において、無機フィラーと樹脂組成物との接着に用いられており、無機フィラーの表面に処理されることになる。このため、カップリング剤の処理量(カップリング剤の樹脂組成物全体に対する含有量)は、無機フィラーの含有量に応じて、決定されることになる。
通常、カップリング剤の処理量は、無機フィラーの合計量100質量%に対して0.5〜1質量%程度であることが知られている。
したがって、上記式(1)中の(b×1/100)は、無機フィラーに対するカップリング剤の一般的な処理量を示す。そして、カップリング剤の全量cから、カップリング剤の処理量(b×1/100)を差し引くことにより、上述のとおり、樹脂組成物中の遊離しているカップリング剤の含有量[c−(b×1/100)]を見積もることができる。
本実施形態において、樹脂組成物中の遊離しているカップリング剤の含有量を特定の範囲とすることにより、絶縁樹脂層14とアルミニウム基板12との密着性、およびヒートサイクル特性のバランスを実現することができる。すなわち、樹脂組成物中の遊離しているカップリング剤の含有量として、下限値は好ましくは5×10−2質量%以上、より好ましくは1×10−1質量%以上、さらに好ましくは5×10−1質量%以上であり、上限量は、とくに限定されないが、例えば、好ましくは11質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは9質量%以下である。
また、樹脂組成物中の遊離しているカップリング剤の含有量を上限値以下とすることにより、カップリング剤が加水分解されて、半田耐熱性が低下することが抑制される。
これに対して、本実施形態においては、[c−(b×1/100)]>0.05となる。これにより、絶縁樹脂層14とアルミニウム基板12との密着性を高め、金属ベース回路基板10の絶縁性特性を向上させることが可能となる。
分子量が4.0×104以上8.0×104以下であることにより、次の効果が得られる。第1に、低弾性率化が可能となり、金属ベース回路基板10に用いると応力緩和性にも優れることになる。例えば、電子部品などを実装した半導体装置を製造した場合、当該半導体装置は、急激な加熱/冷却の環境下においても、電子部品と金属ベース基板を接合する半田接合部、またはその近傍で、クラックなどの不良が発生することが抑制されることになる。
なお、樹脂組成物全体とは、例えば、溶剤などを用いたワニスの場合は、溶剤を除く固形を意味し、液状エポキシ、カップリング剤などの液状成分は、樹脂組成物に含まれる。
つづいて、(2)アルミニウム基板を紫外線で処理し、その後、絶縁樹脂層、金属層を形成する方法について説明する。
本実施形態の金属ベース回路基板10の製造方法は以下の工程(c)、(d)を含んでいる。
(c)アルミニウム基板12表面に紫外線を照射する工程
(d)処理後のアルミニウム基板12表面に絶縁樹脂層14を形成し、次いで絶縁樹脂層14上に金属層16を形成する工程
なお、工程(d)は、上述した工程(b)と同じ工程なので説明は省略する。
アルミニウム基板12表面に紫外線を照射する。当該処理に用いられる紫外線としては、波長が185nmまたは254nmのものを用いることができる。
また、アルミニウム基板12表面に照射する紫外線の放射強度は、とくに限定されないが、好ましくは1.0mW/cm2以上100mW/cm2以下である。
このような紫外線処理により、アルミニウム基板12表面の水との接触角を50°以上95°以下、好ましくは55°以上90°以下に調整することができる。また、アルミニウム基板12の表面粗度(Rz)は、処理前後でほとんど変化せず、3〜9μmであり、平滑である。
(実施例1)
なお、以下の実施例1において樹脂ワニスaを用いた場合を「実施例1a」、樹脂ワニスbを用いた場合を「実施例1b」として表記する。その他の実施例、比較例についても同様である。
ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量6.0×104、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格の比率=75:25)22.0質量部、ビスフェノールFエポキシ樹脂(DIC社製、830S、エポキシ当量170)10.0質量部、ビスフェノールAエポキシ樹脂(三菱化学社製、1001、エポキシ当量475)15.0質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成社製2PZ)1.0質量部、シランカップリング剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製、HP−360、粒径3.0μm)50.0質量部をシクロヘキサノンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、樹脂組成物が固形分基準で70質量%のワニスを得た。
ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量6.0×104、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格の比率=75:25)22.0質量部、ビフェニル骨格エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000、エポキシ当量185)10.0質量部、ビスフェノールAエポキシ樹脂(三菱化学社製、1001、エポキシ当量475)15.0質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成社製2PZ)1.0質量部、シランカップリング剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製、HP−360、粒径3.0μm)50.0質量部をシクロヘキサノンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、樹脂組成物が固形分基準で70質量%のワニスを得た。
厚さ1mm、縦横それぞれ10cmのアルミニウム板を基板とした。表1の処理条件に従ってこの基板を所定の温度の純水に所定の時間浸漬した後、アセトンで洗浄・乾燥し、アルミニウム試験板を得た。
表1〜3の処理条件に従ってアルミニウム板を処理し、アセトンで洗浄・乾燥し、アルミニウム試験板を得た。
厚さ1mm、縦横それぞれ10cmのアルミニウム板を基板とした。この基板の表面をサンドペーパー(#1500)で研磨した後、アセトンで洗浄し乾燥させアルミニウム試験板を得た。
厚さ1mm、縦横それぞれ10cmのアルミニウム板を基板とした。紫外線照射装置として、低圧水銀灯(オーク社製、波長:185nm、放射強度5.0mW/cm2)を使用した。表4の処理条件に従って基板の片面に紫外線を照射し、アルミニウム試験板を得た。
JIS R3257に準拠して行い、5点以上の平均を接触角として算出した。
b.表面粗度(Rz)
JIS B0601に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)として算出した。
c.密着強度
密着性試験装置(形式:NXT−250P、富山産業株式会社製)を用い、図2のように、密着性試験装置のアルミニウム試験チップ(接着面2.0cmφ)に樹脂ワニスaまたはbを塗布し、塗布面を固定されたアルミニウム試験板に接着し、180℃60分間の硬化条件で硬化させた。そして、図2のように、アルミニウム試験チップを1.5mm/分速度で垂直方向に引き上げ、前記アルミニウム試験チップまたは前記アルミニウム試験板と前記樹脂層とが剥がれた時点を密着強度として測定した。評価結果を表1〜4に示す。
以上のように、アルミニウム基板の表面が平滑(表面粗度(Rz):3〜9μm)であっても、アルミニウム基板表面の水との接触角が50°以上95°以下であることにより、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着強度に優れ、さらに半田耐熱性、耐屈曲性にも優れることが推測された。したがって、これを用いた各種装置の歩留まりを向上させることが明らかとなった。
Claims (9)
- アルミニウム基板と、絶縁樹脂層と、金属層とが順に積層され、
前記アルミニウム基板表面の水との接触角が50°以上95°以下であり、
前記アルミニウム基板の表面粗度(Rz)が3μm以上9μm以下である、金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記アルミニウム基板を50℃以上80℃以下の水に0.5分間以上3分間以下接触させる工程と、
処理後の前記アルミニウム基板表面に前記絶縁樹脂層を形成し、次いで前記絶縁樹脂層上に前記金属層を形成する工程と
を含む、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項1に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記アルミニウム基板はカップリング剤で表面処理されていない、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項1または2に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
以下の条件で測定された、前記処理後のアルミニウム基板と前記絶縁樹脂層との密着強度が20kg/cm 2 以上50kg/cm 2 以下である、金属ベース回路基板の製造方法;
・アルミニウム試験チップ(円盤状、接着面2.0cmφ)に、前記絶縁樹脂層を得るための樹脂ワニスを塗布し、塗布面を固定された前記アルミニウム基板に接着する。180℃60分間の条件で前記樹脂ワニスを硬化させ、前記アルミニウム試験チップと前記アルミニウム基板とを樹脂層を介して接着させる。
・アルミニウム試験チップを1.5mm/分速度で垂直方向に引き上げ、前記アルミニウム試験チップまたは前記アルミニウム基板と前記樹脂層とが剥がれた時点を密着強度として測定する。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記絶縁樹脂層は、常温で液状のビスフェノールF型またはA型のエポキシ樹脂の硬化物を含む、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記絶縁樹脂層は、フェノキシ樹脂およびゴム成分から選択される1種以上の可とう性付与成分を含む、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項5に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記可とう性付与成分の含有量は、前記絶縁樹脂層100質量%に対して10質量%以上40質量%以下である、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記絶縁樹脂層は、無機フィラーと、シランカップリング剤と、を含み、
前記絶縁樹脂層の合計量100質量%に対する前記シランカップリング剤の含有量をc質量%とし、
前記絶縁樹脂層の合計量100質量%に対する前記無機フィラーの含有量をb質量%としたとき、
5×10 −2 <c−(b×1/100)<11
を満たす、金属ベース回路基板の製造方法。 - 請求項7に記載の金属ベース回路基板の製造方法において、
前記無機フィラーが水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたはアルミナである、金属ベース回路基板の製造方法。 - アルミニウム基板と、絶縁樹脂層と、金属層とが順に積層され、
前記アルミニウム基板表面の水との接触角が50°以上95°以下であり、
前記アルミニウム基板の表面粗度(Rz)が3μm以上9μm以下である、金属ベース回路基板に用いられるアルミニウム基板の処理方法であって、
前記アルミニウム基板を50℃以上80℃以下の水に0.5分間以上3分間以下接触させる、金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
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