JP2013165136A - 金属ベース回路基板の製造方法 - Google Patents

金属ベース回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム基板表面を安全性に優れるとともに簡便な方法で、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着性、半田耐熱性、耐屈曲性に優れるとともに、これを用いた各種装置の歩留まりを向上させることが可能な金属ベース回路基板を得ることができる金属ベース回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の金属ベース回路基板の製造方法は、アルミニウム基板を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させる工程と、処理後の前記アルミニウム基板表面に絶縁樹脂層を形成し、次いで該絶縁樹脂層上に金属層を形成する工程とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ベース回路基板の製造方法に関する。
従来から、実装部品から発せられる熱を放熱することを目的として、アルミニウム基板上に、絶縁樹脂層を介して金属層が積層された金属ベース回路基板が使用されている。
金属ベース回路基板を構成する金属基板表面に酸化被膜が形成されている場合、絶縁樹脂層との密着性を低下させる。そのため、特許文献1または2に記載のように、アルミニウム基板表面の酸化被膜を除去するため、該表面を研磨する機械研磨が行われている。また、近年では、LEDのような発光素子等を搭載し、液晶表示装置等の光源として用いられるようになってきている(特許文献2)。
特開平07−197272号公報 特開2007−194155号公報
しかしながら、液晶表示装置等の電子機器に対する薄型化や小型化への要求に伴い、搭載位置の面積等に制限を受け、少スペースに実装する必要性が生じてきている。そのような少スペースに実装する場合、金属ベース回路基板が折り曲げられ、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との間で剥離するという問題が生じることがあった。
特許文献に記載の機械研磨によれば、アルミニウム基板表面に凹凸が形成され、アンカー効果により樹脂層との密着性が向上する。しかしながら、機械研磨は大量の研磨カスが生じ、さらにこれらを精度よく除去するための装置や工程が別途必要であった。このように、機械研磨は、安全性や製造コスト、さらに工程の煩雑さに改善すべき点があった。
また、機械研磨は、アルミニウム基板表面に凹凸を形成するため、該表面に形成される樹脂層が平坦とならず、ひいては樹脂層上に形成される回路が平坦ではなくなることがあった。そのため、回路に搭載される素子との接続が不十分となり、金属ベース回路基板を用いた各種装置の歩留まりが低下することがあった。一方、これらの処理を行わなければ、アルミニウム基板表面と樹脂層との密着性が低く、金属ベース回路基板を用いた各種装置の歩留まりが大きく低下するため、機械研磨は必須の工程となっていった。
本発明者らは上記の課題に鑑み鋭意研究したところ、アルミニウム基板表面を安全性に優れ、かつ簡便な方法により処理することにより、樹脂層との密着性の向上と、金属ベース回路基板を用いた各種装置の歩留まり向上の何れをも満たすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示すことができる。
(1)アルミニウム基板を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させる工程と、処理後の前記アルミニウム基板表面に絶縁樹脂層を形成し、次いで該絶縁樹脂層上に金属層を形成する工程とを有することを特徴とする金属ベース
回路基板の製造方法。
(2)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度が0.05mol/L〜2.0mol/Lであることを特徴とする(1)記載の金属ベース回路基板の製造方法。
(3)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、分子内に2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸であることを特徴とする(1)又は(2)記載の金属ベース回路基板の製造方法。
(4)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、酒石酸であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の金属ベース回路基板の製造方法。
(5)アルミニウム基板と絶縁樹脂層と金属層とが順に積層されてなる金属ベース回路基板に用いられるアルミニウム基板の処理方法であって、アルミニウム基板を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させることを特徴とする金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
(6)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度が0.05mol/L〜2.0mol/Lであることを特徴とする(5)記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
(7)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、分子内に2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸であることを特徴とする(5)又は(6)記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
(8)前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が酒石酸であることを特徴とする(5)から(7)のいずれか1項に記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
本発明の金属ベース回路基板の製造方法は、アルミニウム基板表面を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液と接触させる工程を備えており、安全性に優れるとともに簡便な方法で、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着性、半田耐熱性、耐屈曲性に優れるとともに、これを用いた各種装置の歩留まりを向上させることが可能な金属ベース回路基板を得ることができる。
本実施形態の製造方法により得られる金属ベース回路基板の一例を模式的に示す断面図である。 実施例における密着性試験方法を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宣説明を省略する。
<金属ベース回路基板の製造方法>
本実施形態の金属ベース回路基板の製造方法は、以下の工程(a)〜(b)を有する。
(a)アルミニウム基板を、分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させる工程
(b)処理後のアルミニウム基板表面に絶縁樹脂層を形成し、次いで絶縁樹脂層上に金属層を形成する工程
(工程(a))
アルミニウム基板を、分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間、好ましくは0.5〜3分間接触させる。分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に接触させる時間が上記下限値未満であると、密着力を上昇させる効果が十分でなく、上記上限値を超えると、水素等のガスが発生するおそれがあり、好ましくない。当該処理に用いられる分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸としては、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、メバロン酸、シキミ酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、グリコール酸、パントイン酸、タルトロン酸、シトラマル酸、ロイシン酸等があげられる。この中でも、分子内に2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸が、アルミ箔地表面のアルミおよびマグネシウム酸化物や圧延油の炭化物の除去に充分な酸性度をもち、かつ、侵蝕性が強烈でなくアルミニウムの溶解性が低く、かつ水に対する溶解度が大きく、好ましい。特に酒石酸が酸性度の点から好ましい。分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度は0.05mol/L〜2.0mol/Lが好ましい。分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度が上記下限値未満であると、密着力を上昇させる効果が十分でなく、上記上限値を超えると、水素等のガスが発生するおそれがあり、好ましくない。
当該処理方法としては、アルミニウム基板表面に上記条件で分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液を接触させることができればよく、浸漬処理、流水処理、噴霧処理等を挙げることができる。接触処理後、所定の方法により無機酸を除去する。アルミニウム基板の表面粗度(Rz)は、処理前後でほとんど変化せず、3〜9μmであり、平滑である。表面粗度は、JIS B0601に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)として算出することができる。
このような処理を施すことにより、アルミニウム基板表面が平滑な場合であっても、絶縁樹脂層を形成する樹脂組成物との濡れ性が向上し、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着性が向上する。工程(a)の処理後、アルミニウム基板表面の水との接触角は50°〜95°、好ましくは55〜90°とすることができる。水との接触角は、JIS R3257に準拠して行い、5点以上の平均を接触角として算出することができる。
本実施形態において、アルミニウム基板の表面は、機械研磨が行われていないため、自然酸化による酸化層を有する。アルミニウム基板の厚さは100μm〜5000μmである。厚さが上記下限値未満であると、ヒートスプレッダーとしての放熱性が低下し、一方、厚さが上記上限値を超えると折り曲げ等の加工性が低下する。
(工程(b))
工程(a)の後、金属箔表面に絶縁樹脂層を形成し、処理後のアルミニウム基板と貼り合わせる。具体的には、硬化後の厚みを考慮して、樹脂組成物を金属箔表面に塗布し、予備硬化させてBステージ化状態とする。そしてアルミニウム基板と貼り合わせ、後硬化を行いアルミニウム基板表面に、絶縁樹脂層と金属層が積層された金属ベース回路基板を製造する。あるいは、樹脂組成物をアルミニウム基板表面に塗布し、硬化させて絶縁樹脂層を形成した後、この絶縁樹脂層上に金属蒸着等により金属層を形成することもできる。
絶縁樹脂層を調製するための樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、無機フィラー、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、酸化防止剤、レベリング剤等を含むことができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂などを挙げることができ、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールF型またはA型のエポキシ樹脂、さらにこれらの樹脂が水素添加されたものを用いることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、絶縁樹脂層は可とう性に優れ、金属ベース回路基板10が曲げられて使用される場合においても、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との剥離が抑制される。
熱硬化性樹脂は、絶縁樹脂層中に10〜90質量%の量で含むことができる。なお、熱硬化性樹脂以外の樹脂を配合することもできる。これにより、アルミニウム基板との密着性をより改善することができる。
無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム等を用いることができる。これらの無機フィラーは、電気絶縁性に優れるとともに熱伝導性にも優れる。無機フィラーは、絶縁樹脂層中に10〜90質量%の量で含むことができる。
硬化剤としては、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、イソホロンジアミン(IPD)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、mフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ヒドラジド、ドデセニル無水コハク酸(DDSA)、ポリアゼライン酸無水物(PAPA)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)、無水メチルナジック酸(MNA)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)、テトラブロモ無水フタル酸(TBPA)、無水ヘット酸(HET)等を挙げることができる。
硬化促進剤としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどの各種イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイトなどの各種リン化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)などの各種三級アミン等を挙げることができる。
カップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどの各種シランカップリング剤を挙げることができる。
本実施形態における絶縁樹脂層の曲げ弾性率は、5〜20GPaである。これにより、金属ベース回路基板に応力が加わった場合においても、絶縁樹脂層は可とう性に優れるため、アルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着性がより向上する。
曲げ弾性率は、以下のように測定することができる。2枚の樹脂付き銅箔を樹脂層同士を向かい合うように重ね、220℃で180分間プレスを行い、両面銅箔付き樹脂板を得る。この両面銅箔付き樹脂板を全面エッチングし、6mm×25mm×0.2mm(厚)の試験片を作製し、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、25℃での曲げ弾性率を測定する。
絶縁樹脂層は単層であってもよく、多層で構成されていてもよい。絶縁樹脂層の膜厚は20μm〜200μmである。膜厚が20μm未満であると絶縁性が低下し、一方、膜厚が200μmを超えると折り曲げ等の加工性が低下する。またヒートスプレッダーとしての放熱性が低下する。絶縁樹脂層の膜厚が上記範囲内にあれば、これらの特性のバランスに優れる。
金属層は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫等から構成され、2種以上含んでいてもよい。金属層の層厚は、1500μm程度である。なお、絶縁樹脂層と金属層との間には、接着層等の他の層が介在していてもよい。
本実施形態の金属ベース回路基板の製造方法によれば、図1に記載のように、アルミニウム基板12と、絶縁樹脂層14と、金属層16とが順に積層されてなる金属ベース回路基板10を得ることができる。金属ベース回路基板10はヒートスプレッダーとして用いることができる。
このような構成を有する金属ベース回路基板10は、アルミニウム基板12表面が上記のような処理を施されているので、アルミニウム基板12と絶縁樹脂層14との密着性が向上する。さらに、半田耐熱性、耐屈曲性にも優れ、これを用いた各種装置の歩留まりが向上する。アルミニウム基板12表面は、水との接触角が50°〜95°の範囲にある。
アルミニウム基板12表面の水との接触角が小さいほど、水との濡れ性は向上するものの、水との接触角が50°未満ではアルミニウム基板12と絶縁樹脂層14との密着性は低下する。この原因は明らかではないものの、アルミニウム基板12表面の水との接触角が所定の範囲であることで、絶縁樹脂層14を形成する樹脂組成物との濡れ性が好適な範囲となり、アルミニウム基板12表面が平滑であっても絶縁樹脂層14との密着性が向上すると考えられる。
本実施形態における金属ベース回路基板10においては、アルミニウム基板12と前記絶縁樹脂層14との密着強度を2.0〜5.0MPa、好ましくは3.0〜4.5MPaとすることができる。
密着強度は、以下の条件で測定することができる。
試験装置:NXT−250P(富山産業株式会社製)
アルミ試験チップ(円盤状、接着面2.0cmφ)に、前記絶縁樹脂層を得るための樹脂ワニスを塗布し、塗布面を固定されたアルミ試験板に接着する。180℃60分間の条件で前記樹脂ワニスを硬化させ、前記アルミ試験チップと前記アルミ試験板とを樹脂層を介して接着させる。
アルミニウム試験チップ1.5mm/分速度で垂直方向に引き上げ、前記アルミニウム試験チップまたは前記アルミニウム試験板と前記樹脂層とが剥がれた時点を密着強度として測定する。
金属ベース回路基板10は、金属層16を所定のパターンにエッチング等することにより回路を形成することができる。そして、この回路上にLED、半導体素子またはレーザ素子等の各種発熱素子を搭載することにより、金属ベース回路基板10はヒートスプレッダーとして機能する。
以下、実施例において、本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
なお、以下の実施例1において樹脂ワニスaを用いた場合を「実施例1a」、樹脂ワニスbを用いた場合を「実施例1b」として表記する。その他の実施例、比較例についても同様である。
(樹脂ワニスaの調製)
ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量6.0×10、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格の比率=75:25)22.0質量部、ビスフェノールFエポキシ樹脂(DIC社製、830S、エポキシ当量170)10.0質量部、ビスフェノールAエポキシ樹脂(三菱化学社製、1001、エポキシ当量475)15.0質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成社製2PZ)1.0質量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製、HP−360、粒径3.0μm)50.0質量部をシクロヘキサノンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、樹脂組成物が固形分基準で70質量%のワニスを得た。
(樹脂ワニスbの調製)
ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量6.0×10、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格の比率=75:25)22.0質量部、ビフェニル骨格エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000、エポキシ当量185)10.0質量部、ビスフェノールAエポキシ樹脂(三菱化学社製、1001、エポキシ当量475)15.0質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成社製2PZ)1.0質量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製、HP−360、粒径3.0μm)50.0質量部をシクロヘキサノンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、樹脂組成物が固形分基準で70質量%のワニスを得た。
(アルミニウム基板のカルボン酸処理)
厚さ1mm、縦横それぞれ10cmのアルミニウム板を基板とした。表1の処理条件に従ってこの基板を所定の濃度のカルボン酸に所定の時間浸漬した後、アセトンで洗浄・乾燥し、アルミニウム試験板を得た。
(実施例1〜13、および比較例1〜7)
表1〜5の処理条件に従ってアルミニウム板を処理し、アセトンで洗浄・乾燥し、アルミニウム試験板を得た。
(参考例)
厚さ1mm、縦横それぞれ10cmのアルミニウム板を基板とした。この基板の表面をサンドペーパー(#1500)で研磨した後、アセトンで洗浄し乾燥させアルミニウム試験板を得た。
各実施例、比較例および参考例により得られたアルミニウム試験板について、以下の測定法により次の各評価を行った。評価結果を表1〜表3に示す。処理条件と密着強度の関係を図3に示す。
a.水との接触角
JIS R3257に準拠して行い、5点以上の平均を接触角として算出した。
b.表面粗度(Rz)
JIS B0601に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)として算出した。
c.密着強度
密着性試験装置(形式:NXT−250P、富山産業株式会社製)を用い、図2のように、密着性試験装置のアルミニウム試験チップ(接着面2.0cmφ)に樹脂ワニスaまたはbを塗布し、塗布面をアルミニウム試験板に接着し、180℃60分間の硬化条件で硬化させ、樹脂層を形成した。そして、図2のように、アルミニウム試験チップ1.5mm/分速度で垂直方向に引き上げ、前記アルミニウム試験チップまたは前記アルミニウム試験板と前記樹脂層とが剥がれた時点を密着強度として測定した。
以上のように、分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸に0.5分間〜10分間接触
させることにより、アルミニウム基板の表面が平滑であってもアルミニウム基板と絶縁樹脂層との密着強度に優れ、さらに半田耐熱性、耐屈曲性にも優れることが推測された。したがって、これを用いた各種装置の歩留まりを向上させることが明らかとなった。
10 金属ベース回路基板
12 アルミニウム基板
14 絶縁樹脂層
16 金属層

Claims (8)

  1. アルミニウム基板を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させる工程と、処理後の前記アルミニウム基板表面に絶縁樹脂層を形成し、次いで該絶縁樹脂層上に金属層を形成する工程とを有することを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
  2. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度が0.05mol/L〜2.0mol/Lであることを特徴とする請求項1記載の金属ベース回路基板の製造方法。
  3. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、分子内に2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属ベース回路基板の製造方法。
  4. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、酒石酸であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属ベース回路基板の製造方法。
  5. アルミニウム基板と絶縁樹脂層と金属層とが順に積層されてなる金属ベース回路基板に用いられるアルミニウム基板の処理方法であって、アルミニウム基板を分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液に0.5分間〜10分間接触させることを特徴とする金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
  6. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸溶液の濃度が0.05mol/L〜2.0mol/Lであることを特徴とする請求項5記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
  7. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が、分子内に2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸であることを特徴とする請求項5又は6記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
  8. 前記分子内にヒドロキシ基を有するカルボン酸が酒石酸であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の金属ベース回路基板用アルミニウム基板の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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