JP2008231335A - 電子機器用接着剤シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導性と接着性、取り扱い性に優れた電子機器用接着剤シートを提供すること。
【解決手段】少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートであって、前記接着層が、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により、空隙を有する接着剤層(a)を形成し、次いで、前記接着剤層(a)の空隙を、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物により充填して得られることを特徴とする電子機器用接着剤シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子機器用接着剤シートおよびその製造方法に関する。より詳しくは、ダイボンディング材、放熱板(ヒートスプレッダー)、補強板(スティフナー)、シールド材の接着剤、銅張り積層板、リードフレームと金属製の支持基板間の絶縁層、カバーレイ、回路間の絶縁層、半導体パッケージとヒートシンクの接着等各種の電子材料を作製するために適した電子機器用接着剤シートおよびその製造方法に関する。
近年、電子機器の実装技術の向上に伴い、機器の小型化、薄型化が進んでおり、その結果、電子機器の使用用途は増加の一途をたどっている。電子機器を小型化、薄型化する場合、機器から発生する熱の密度が高まるために、熱の発生を抑えるとともに、使用する半導体集積回路(IC)パッケージやトランジスタ、ダイオード、電源などの電子部品から発生する熱を効率的に外部に放出させることが重要となってくる。また、パソコン等で使用されるマイクロチッププロセッサ(MPU)の動作周波数の上昇とともに、MPUチップより発生する熱量は非常に大きくなっている。また、プラズマパネルディスプレイ、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)は、ディスプレイパネルが発熱するため、この熱を外部に放出することが重要となってきている。
一般に、上記のような電子部品から発生した熱を外部に放出するには、熱源となる電子部品に、ヒートシンクや金属板、電子機器筐体等のより放熱面積の大きい放熱部品を取り付ける方法が知られている。このとき、電子部品と放熱部品とが接する界面が、熱の移動の上で抵抗となっているため、界面における熱移動を補助する手段として熱伝導グリースや放熱スペーサーなどを界面に挟む方法が知られているが、これらの放熱材料には接着性がないため、部材同士を別途固定する必要があった。
このように近年では作業性の観点から、界面における熱移動に加え、電子部品と放熱部品とを固定することのできる材料が求められている。このような要求に対応できる材料として、熱硬化性樹脂および熱伝導性の高いフィラーを含有する接着剤組成物をシート状に加工した材料が挙げられる。例えば、エポキシ樹脂およびその硬化剤、高分子量樹脂、硬化促進剤および球形アルミナを含む、熱伝導率が0.6W/m・K以上の熱伝導性接着剤組成物を基材上に塗布し、その硬化度をDSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態にした熱伝導性接着フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この熱伝導性接着フィルムの熱伝導率は充分ではなく、接着性も十分とはいえなかった。
このような熱伝導性接着フィルムの熱伝導率を向上させる方法としては、含有する熱伝導性フィラーの含有量を増加させる方法がある。しかしながら、熱伝導性フィラーの含有量を増加させると接着性が低下するため、単体で接着性を持たせる場合、その含有量には限界があった。
このため、熱伝導性フィラーを含む層の両面に接着性向上を目的として薄い接着剤層を積層する方法が提案されている。例えば、第1層として、エポキシ樹脂、ゴム成分、及び硬化剤成分からなる接着剤組成物を、第2層としてエポキシ樹脂、ゴム成分、及び硬化剤成分からなる接着剤成分に20〜90体積%の無機充填材を添加してなる接着剤組成物を、第3層としてエポキシ樹脂、ゴム成分、及び硬化剤からなる接着剤組成物を基材フィルムに塗布し、半硬化状態に熱処理して3層構造とした熱硬化性接着シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、無機充填剤を70〜95重量%含有するエポキシ樹脂、ゴム成分、硬化剤成分からなる充填剤入りフィルムの両面に、170℃における溶融粘度が2Pa.s以下である充填剤を含まないエポキシ樹脂フィルムを貼り合せてなる熱硬化性接着フィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、中央の層の無機充填剤を増量するとシートが堅くなり、取り扱いが難しくなるという課題があった。
特許3559137号公報(請求項1) 特開2000−290613(請求項1) 特開2002−12834(請求項1)
上記のように、従来の熱伝導性接着剤シートは、その熱伝導率を向上させるため熱伝導性フィラーの含有量を増加させると、接着性、取り扱い性が不十分であった。本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、熱伝導性と接着性、取り扱い性に優れた電子機器用接着剤シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は主として以下の構成を有する。すなわち、少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートであって、前記接着層が、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により、空隙を有する接着剤層(a)を形成し、次いで、前記接着剤層(a)の空隙を、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物により充填して得られることを特徴とする電子機器用接着剤シートである。
本発明の電子機器用接着剤シートは、熱伝導性、被着体との接着性に優れる。また、屈曲性に優れるため、取り扱い性が大きく向上する。このため、電子機器内の発熱部品とヒートシンクや放熱板等の放熱部品を接着するために好適に用いることができる。また、本発明の電子機器用接着剤シートを用いて発熱部品と放熱部品を接着したり、プリント基板を積層することにより、放熱特性に優れた電子機器を得ることができる。
本発明の電子機器用接着剤シート(以下、接着剤シートという)は、電子機器内の発熱部品とヒートシンク、放熱板等の放熱部品との接着用シート、リードフレームと金属製の支持基板間の絶縁層、スティフナー、ヒートスプレッダー、FPCやその補強板、カバーレイや銅張り積層板、多層基板の層間接着剤、およびそれらを用いた基板部品、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープ、ダイボンディング材、シールド材等に使用でき、それら被着体の形状および材料は特に限定されない。
以下、本発明の構成を詳述する。本発明の接着シートは、少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートであって、前記接着層が、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により、空隙を有する接着剤層(a)を形成し、次いで、前記接着剤層(a)の空隙を、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物により充填して得られることを特徴とする。熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物から形成される、空隙を有する接着剤層(a)を形成することにより、熱伝導性に優れた接着剤シートを得ることができる。さらに、接着剤層(a)の空隙を熱伝導性充填剤の含有量が低い接着剤層により充填することにより、熱伝導性充填剤の含有量が同程度である単一の接着剤層を有する接着剤シートに比べて、接着性と屈曲性が著しく向上する。
以下、接着剤層について説明する。空隙を有する接着剤層(a)を形成するための接着剤組成物は、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有することが必要である。より好ましくは60体積%以上である。熱伝導性充填剤の含有量が固形分中50体積%未満であると、十分な熱伝導性が得られない。
ここでいう熱伝導性充填剤とは、充填剤単体での熱伝導率が10(Wm−1−1)以上の充填剤を指す。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により測定できる。例えば、アルバック理工(株)製 熱定数測定装置TC−7000を用いて熱拡散率を測定し、別に測定した密度、比熱のパラメータから熱伝導率を算出する。熱伝導性充填剤の具体例としてアルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化硼素、窒化珪素、銀粉末、銅粉末、アルミニウム粉末、炭化珪素、ダイヤモンド粉末、グラファイト、炭素繊維などが挙げられる。この中でも、熱伝導率の点で窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、アルミナなどが好ましく用いられるがこれに限定されるものではない。これら熱伝導性充填剤を2種以上含有してもよく、更に他の充填剤を含有してもよい。
熱伝導性充填剤は、充填剤の酸化、加水分解等の変質防止の目的や充填剤と接着剤組成物中のその他の有機成分とのぬれ性向上の目的、および接着剤シートの物性向上のために、表面処理を施してもよい。具体的には、シリカ、リン酸等でのコーティングや、酸化膜付与処理、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シラン化合物等での表面処理などが挙げられる。表面処理に使用されるシランカップリング剤の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらシランカップリング剤を2種以上使用してもよい。表面処理に使用するシランカップリング剤の量は、熱伝導性充填剤100重量部に対して0.3〜1重量部が好ましい。また、接着剤組成物に熱伝導性充填剤以外の充填剤を含有し、これら充填剤を合わせて表面処理する場合は、充填剤の合計100重量部に対して0.3〜1重量部程度が好ましい。
熱伝導性充填剤の粒子形状、結晶性は特に制限されず、破砕系、球状、鱗片状等が用いられるが、塗料への分散性の点から、球状が好ましく用いられる。熱伝導性充填剤の平均粒径は接着剤層の厚みに対して1/3以下であることが好ましい。平均粒径が接着剤層の厚みの1/3以下であることにより、接着剤シートの貼りあわせの際にエアーの噛み込み等が少なくなり、接着性がより向上する。本発明において平均粒径とは、粒度分布計で粒度分布を測定し、累積分布をパーセント(%)で表した時の50%に相当する粒子径(メジアン径)をいう。粒子が球状でない場合には球相当体積を基準とした粒度分布を測定する。粒度分布計としては堀場LA500レーザー回折式粒度分布計等が挙げられる。なお、粒度分布は、体積基準で、粒子径表示を56分割片対数表示(0.1〜200μm)するものとする。熱伝導性充填剤を2種以上含有する場合、例えば、平均粒径が1.7μmの窒化アルミニウム粉末と平均粒径が0.7μmのアルミナ粉末のように、粒径の異なる熱伝導性充填剤を組み合わせることで充填性が向上し、熱伝導性がより向上するので好ましい。
空隙を有する接着剤層(a)を形成するための接着剤組成物は、樹脂を含有することが好ましい。具体例として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS)、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂(アクリルゴム)、ポリウレタンポリエステルなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
この中でも、接着性の点でエポキシ樹脂を含有することが好ましい。エポキシ樹脂を含有することで、耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層にしたときの強度等の物性バランスを実現することができる。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されず、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、エポキシ基と架橋反応する硬化剤を含有することは、硬化後の接着力を向上させる点で好ましい。硬化剤の例としては、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、ジシアンジアミド、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラック樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物等が挙げられる。この中でも、耐熱性に優れることからフェノール系の硬化剤が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
また、エポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応促進、硬化速度の調整のために硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒の具体例として、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセチルアセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス−(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどのホスフィン系化合物が挙げられる。
また、エポキシ樹脂とともに、靭性付与の目的で先に挙げた熱可塑性樹脂を含有してもよい。このとき、熱可塑性樹脂にエポキシ樹脂と反応が可能な官能基を有していてもよい。官能基の具体例として、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等が挙げられる。
空隙を有する接着剤層(a)を形成する方法は特に限定されないが、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物を、30〜60重量%の固形分濃度で有機溶媒に溶解した塗料を、支持体に塗布・乾燥する方法が好ましい。塗料の固形分濃度を30重量%以上にすることで、溶液粘度が適切な範囲となり、熱伝導性充填剤の沈殿を防ぎ、塗布性が良好となる。また、60重量%以下にすることで、乾燥時に溶媒成分が揮発し、空隙を有する接着剤層(a)を容易に形成することができる。
有機溶剤は、樹脂成分を溶解させることができれば特に制限されない。具体例としてクロロベンゼン、ベンジルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
塗料を塗布する支持体は、工程により自由に選択される。一例として、離型処理を施したPETフィルムや、前記のPETフィルム上に、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物から形成された厚み1〜10μmの接着剤層を有するもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における接着剤層は、前記のように形成した空隙を有する接着剤層(a)の空隙を、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物により充填して得られる。これにより、接着剤シートの接着性と屈曲性が著しく向上する。このとき、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中20体積%以下であることが重要である。熱伝導性充填剤の含有量が20体積%を超えると、空隙を有する接着剤層(a)の空隙を十分に充填することができず、接着性と屈曲性の向上効果を十分に得ることができない。さらに、耐熱性が低下する。なお、ここで用いる接着剤組成物は、熱伝導性充填剤を含有しなくてもかまわない。
熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物は、樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含有することが好ましい。また、熱伝導性充填剤以外の充填剤を含有してもよい。これらの例としては、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物として例示したものを挙げることができる。
空隙を有する接着剤層(a)の空隙を充填する方法は特に限定されない。例えば、支持体上に形成した空隙を有する接着剤層(a)を支持体から剥がし、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物に含浸する方法や、空隙を有する接着剤層(a)に熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を塗布・乾燥する方法、空隙を有する接着剤層(a)の両面に、あらかじめシート状に形成した熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%のシート状接着剤組成物をラミネートする方法等が挙げられる。この中で、空隙を有する接着剤層(a)に、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を塗布・乾燥する方法が、生産性の点で好ましい。
このとき、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を、固形分濃度が5〜30重量%となるように有機溶媒に溶解した塗料とし、空隙を有する接着剤層(a)に塗布することが、空隙の充填性の点で好ましい。
本発明において、接着力をより向上させるため、接着剤層の最表面は、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%の層であることが好ましい。その厚みは1〜10μmが好ましく、熱伝導性と接着性をより高いレベルで両立させるためには、2〜5μmがより好ましい。接着剤層の最表面を熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%の層とするためには、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物からなる接着剤層(b)の上に、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により空隙を有する接着剤層(a)を形成し、さらに、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を適切な厚みに塗布・乾燥する方法や、支持体上に熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により空隙を有する接着剤層(a)を形成し、これを支持体から剥離して、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物に含浸・乾燥する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、空隙を有する接着剤層(a)を複数層設けてもかまわない。
本発明の接着剤シートは、接着剤層と、剥離可能な保護フィルム層とを有する構成のものをいう。例えば、保護フィルム層/接着剤層の2層構成、あるいは、保護フィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層構成がこれに該当する。また、接着剤層と保護フィルム層以外に別の層を有していてもよい。例えば、接着剤層の内部に炭素繊維のクロス等の熱伝導性材料を積層した複合構造、接着剤層の内部にポリイミド等の絶縁性フィルムが積層された複合構造等がこれにあたる。
接着剤層の厚みは、弾性率および線膨張係数との関係で適宜選択できるが、10〜500μmが好ましく、より好ましくは20〜200μmである。接着剤層は接着部材の表面に凹凸に追従できるのであれば、なるべく薄い方が熱伝導の点で好ましい。
保護フィルム層は、接着剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特に限定されない。例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルム、これらにシリコーンあるいはフッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムおよびこれらのフィルムをラミネートした紙、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙等が挙げられる。保護フィルム層は、加工時に視認性が良いように、例えば、顔料による着色が施されていてもよい。これにより、先に剥離する側の保護フィルム層が簡便に認識できるため、誤使用を避けることができる。
接着剤層の両面に保護フィルム層を有する場合、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF、F(F>F)としたとき、F−Fは好ましくは5Nm−1以上、さらに好ましくは15Nm−1以上である。F−Fを5Nm−1以上とすることで、目的の保護フィルム層を安定して剥離することができるため作業性が良い。また、剥離力F、Fはいずれも好ましくは1〜200Nm−1、さらに好ましくは3〜100Nm−1である。この範囲であれば、保護フィルム層の脱落や、接着剤層の損傷等のトラブルを防ぐことができる。
本発明の接着剤シートは、ダイボンディング材、放熱板(ヒートスプレッダー)、補強板(スティフナー)、シールド材の接着剤、銅張り積層板、リードフレームと金属製の支持基板間の絶縁層、カバーレイ、回路間の絶縁層、半導体パッケージとヒートシンクの接着等に好適に用いられる。特に、発熱が多く、放熱性が必要とされる部位に特に好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、各実施例で行った評価方法について述べる。
(1)接着力:接着剤シートの一方の保護フィルム層を剥がし、0.35mm厚のSUS304上に130℃、1MPaの条件でラミネートした。その後、先のSUS上にラミネートした接着剤層のもう一方の保護フィルム層を剥がし、ポリイミドフィルム(厚み75μm:宇部興産(株)製“ユーピレックス”(登録商標)75S)を130℃、1MPa、0.3m/分の条件でさらにラミネートした後、0.5MPa加圧下、170℃、2時間の加熱処理を行い、評価用サンプルを作製した。ポリイミドフィルムを5mm幅にスリットした後、5mm幅のポリイミドフィルムを90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の接着力を測定した。ここで、接着力としては、加工性、ハンドリング性、半導体装置の信頼性の観点より、8.0N/cm以上であれば良好と判断した。
(2)熱伝導率:アルバック理工(株)製 熱定数測定装置TC−7000により、測定温度100℃、照射光:ルビーレーザー光、真空雰囲気中にて熱拡散率を測定した。また、アルキメデス法により接着剤組成物の密度を測定し、DSC法により比熱を測定し、これらのパラメータから熱伝導率を算出した。
(3)耐熱性:30mm角に型抜きした接着剤シートの一方の保護フィルムを剥がし、30mm角の0.35mm厚SUS304の上に置いた。130℃、1MPa、0.3m/分の条件でロールラミネートした後、続いて接着剤シートのもう一方の保護フィルムを剥がし、ポリイミドフィルム(厚み75μm:宇部興産(株)製“ユーピレックス”(登録商標)75S)を130℃、1MPa、0.3m/分の条件でさらにラミネートした後、0.5MPa加圧下、170℃、2時間の加熱処理を行い、耐熱性評価用サンプルを作製した。サンプル20個を30℃/70%RHの条件下、168時間吸湿させた後、すみやかに温度設定のされた赤外線リフロー炉を3回通過させた。その後サンプル内部に膨れが発生したか否かを超音波探傷機により観察した。赤外線リフロー炉の最高温度は260℃、保持時間は10秒である。評価用サンプル20個片中で膨れが発生したサンプル数を計数した。
(4)取り扱い性:接着剤シートを保護フィルム層が付いた状態で直径3インチ(7.62センチメートル)のプラスチック製のコアに巻き付け、接着剤シートの割れの有無を目視にて評価した。
実施例1
1−i:空隙を有する接着剤層(a)の形成
熱伝導性充填剤として窒化アルミニウム粉末(Hグレード、平均粒径D50=1μm(株)トクヤマ製)と球状アルミナ(AO502、平均粒径D50=0.7μm、(株)アドマテックス製)を8:2の重量比で混合し、熱伝導性充填剤100重量部をシランカップリング剤(KBM403、信越化学工業(株)製)0.5重量部で乾式処理を行った。この表面処理を行った熱伝導性充填剤190重量部、樹脂成分として、ビスフェノール型エポキシ(“エピコート”(登録商標)828、エポキシ当量190、ジャパンエポキシレジン(株)製)13重量部、フェノールノボラック樹脂(PSM4326、水酸基当量105、群栄化学工業(株)製)5重量部、熱可塑性樹脂(SGP−3、ナガセケムテックス(株)製、ブチルアクリレートを主成分とするエポキシ基含有アクリルゴム)18重量部、エポキシ樹脂硬化触媒(トリフェニルホスフィン)0.1重量部に希釈溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)180重量部を添加し、40℃の条件下でミキサーで均一となるまで攪拌し塗料とした。このときの固形分濃度は56重量%、塗料中の熱伝導性充填剤の含有量は全固形分中66体積%であった。
次にこの塗料を、支持体としてシリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)GT)に、バーコータで約30μmの乾燥厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層(a)を形成した。この接着剤層の断面を観察すると、空隙が存在することが確認された。
1−ii:1−iで作製したシートの空隙の充填
接着剤組成物として“エピコート”(登録商標)828を13重量部、PSM4326を5重量部、SGP−3を18重量部、トリフェニルホスフィンを0.1重量部配合し、更に希釈溶媒としてMIBKを265重量部添加し、40℃の条件下でミキサーで均一となるまで攪拌し塗料とした。このときの固形分濃度は12重量%であった。
次にこの塗料を前記iで作製したシートの表面にバーコータで塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。このときの塗布厚みは、乾燥時に最表面に2μmの該接着剤組成物の層が形成されるよう調整した。
その後、保護フィルム層を塗布面に貼り合わせた。さらに、空隙を有する接着剤層を形成する際に使用した支持体を剥がし、上記と同様の方法で接着剤層の形成、保護フィルムの貼り合わせを行い、本発明の接着剤シートを得た。
得られた接着剤シートの接着剤層の断面を観察すると、空隙は該接着剤組成物で充填され、接着剤層(a)の両面に2μmの該接着剤組成物の層が形成されていた。接着剤シートの評価結果を表1に示す。
実施例2
2−i:接着剤層の形成
1−iiで調整した塗料溶液と同一の塗料を調合し、支持体としてシリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)GT)に、バーコータで約2μmの乾燥厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。
2−ii:空隙を有する接着剤層(a)の形成
実施例1の1−iで調整した塗料溶液と同一の組成の塗料を調合し、支持体として2−iで作製した2μmの接着剤層がついたフィルムの接着剤側にバーコータで約30μmの乾燥厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層(a)を形成した。
このシート接着剤層の断面を観察すると、支持体上に2μmの接着剤層、空隙が存在する接着剤層(a)が順に存在していることが確認された。
2−iii:2−iiで作製したシートの空隙の充填
1−iiで調整した塗料と同一の組成の塗料を調合し、2−iiで作製したシートの表面にバーコータで塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。このときの塗布厚みは乾燥時に最表面に2μmの該接着剤組成物の層が形成されるよう調整した。得られた接着剤層の断面を観察すると、空隙は該接着剤組成物で充填され、接着剤層(a)の両面に2μmの該接着剤組成物の層が形成されていた。接着剤シートの評価結果を表1に示す。
実施例3
空隙を有する接着剤層(a)を実施例1の1−iと同様に作製した。
次いで、接着剤組成物としてAO502:100重量部をKBM403:0.5重量部でシラン処理した熱伝導性充填剤を17重量部、“エピコート”(登録商標)828を13重量部、PSM4326を5重量部、SGP−3を18重量部、トリフェニルホスフィンを0.1重量部配合し、更に希釈溶媒としてMIBKを160重量部添加し、40℃の条件下でミキサーで均一となるまで攪拌し塗料とした。このときの固形分濃度は17重量%、塗料中の熱伝導性充填剤の含有量は全固形分中14体積%であった。
次に、この塗料を、空隙を有する接着剤層(a)の表面にバーコータで塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。このときの塗布厚みは、乾燥時に最表面に5μmの該接着剤組成物の層が形成されるよう調整した。
その後、保護フィルムを塗布面に貼り合わせ、空隙を有する接着剤層を形成する際に使用した支持体を剥がし、上記と同様の方法で接着剤層の形成、保護フィルムの貼り合わせを行った。
得られた接着剤層の断面を観察すると、空隙は該接着剤組成物で充填され、接着剤層(a)の両面に5μmの該接着剤組成物の層が形成されていた。接着剤シートの評価結果を表1に示す。
実施例4
最表面に形成される接着剤の層をそれぞれ0.5μmとした以外は実施例1同様に接着剤シートを作製した。評価結果を表1に示す。
実施例5
最表面に形成される接着剤の層をそれぞれ10μmとした以外は実施例1に同様に接着剤シートを作製した。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1の1−iで作製した塗料のうち、希釈溶媒の量を50重量部に変更して調合を行った。このとき、塗料溶液の粘度が非常に高いためミキサーでの攪拌はできず、3本ロールで混合を行った。このときの固形分濃度は82重量%であった。この塗料を“フィルムバイナ”(登録商標)GTに乾燥厚みが30μmとなるよう塗布・乾燥し、接着剤シートを得た。接着剤層の断面を観察したが、空隙は観察されなかった。接着剤シートの評価結果を表1に示す。
比較例2
比較例1で作製した接着剤層の両面に、実施例1の1−iiと同様に厚み2μmの接着剤層を形成した。接着剤シートの評価結果を表1に示す。
比較例3
熱伝導性充填剤として窒化アルミニウム粉末(Hグレード)とAO502を8:2の重量比で混合し、この熱伝導性充填剤100重量部を0.5重量部のKBM403で乾式処理を行った。この表面処理を行った熱伝導性充填剤を81重量部、樹脂成分として、“エピコート”(登録商標)828を6.8重量部、PSM4326を2.3重量部、SGP−3を9重量部、エポキシ樹脂硬化触媒(トリフェニルホスフィン)0.06重量部に希釈溶媒としてDMF/モノクロルベンゼン/MIBK等量混合溶媒を133重量部添加し、40℃の条件下でミキサーで均一となるまで攪拌し塗料とした。このときの固形分濃度は35重量%、塗料中の熱伝導性充填剤の含有量は全固形分中63体積%であった。
次にこの塗料を “フィルムバイナ”(登録商標)GTにバーコータで約30μmの乾燥厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。
この接着剤層の断面を観察すると、樹脂成分中に熱伝導性充填剤が均一に分散していた。
比較例4
空隙を有する接着剤層(a)を実施例1の1−iと同様に作製した。
次いで、接着剤組成物としてAO502:100重量部をKBM403:0.5重量部でシラン処理した熱伝導性充填剤を33重量部、“エピコート”(登録商標)828を13重量部、PSM4326を5重量部、SGP−3を18重量部、トリフェニルホスフィンを0.1重量部配合し、更に希釈溶媒としてMIBKを240重量部添加し、40℃の条件下でミキサーで均一となるまで攪拌し塗料とした。このときの固形分濃度は17重量%、塗料中の熱伝導性充填剤の含有量は全固形分中25体積%であった。
次に、この塗料を、空隙を有する接着剤層(a)の表面にバーコータで塗布し、120℃で5分間乾燥し、接着剤層を形成した。このときの塗布厚みは、乾燥時に最表面に5μmの該接着剤組成物の層が形成されるよう調整した。
その後、保護フィルムを塗布面に貼り合わせ、空隙を有する接着剤層を形成する際に使用した支持体を剥がし、上記と同様の方法で接着剤層の形成、保護フィルムの貼り合わせを行った。
得られた接着剤シートの接着剤層の断面を観察すると、接着剤層(a)の中心付近に充填されていない空隙が存在した。また、接着剤層(a)の両面に5μmの該接着剤組成物の層が形成されていた。
Figure 2008231335
表1から明らかなように、本発明により得られた接着剤シートは熱伝導性が高く、更に高い接着力、良好な取り扱い性を併せ持つ。

Claims (4)

  1. 少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートであって、前記接着層が、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により、空隙を有する接着剤層(a)を形成し、次いで、前記接着剤層(a)の空隙を、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物により充填して得られることを特徴とする電子機器用接着剤シート。
  2. 少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートの製造方法であって、(1)熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物により、空隙を有する接着剤層(a)を形成する工程、(2)前記接着剤層(a)に、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を塗布する工程を有することを特徴とする電子機器用接着剤シートの製造方法。
  3. 前記(1)の工程が、熱伝導性充填剤を固形分中50体積%以上含有する接着剤組成物を30〜60重量%の固形分濃度で有機溶媒に溶解した塗料を、支持体に塗布・乾燥する工程であることを特徴とする請求項2記載の電子機器用接着剤シートの製造方法。
  4. 前記(2)の工程が、熱伝導性充填剤の含有量が固形分中0〜20体積%である接着剤組成物を5〜30重量%の固形分濃度で有機溶媒に溶解した塗料を、空隙を有する接着剤層(a)に塗布する工程であることを特徴とする請求項2記載の電子機器用接着剤シートの製造方法。
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