JP2008244152A - グリーンシート、グリーンシートの製造方法、及び積層電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】密着性及び通気性を向上させたセラミックグリーンシートを提供する。
【解決手段】本発明のセラミックグリーンシート10は、セラミック粒子とバインダ樹脂とを含み、内部電極パターン12が形成される第1の部分と内部電極パターン12が形成されない第2の部分10gとを有する。第2の部分10gにおいて、第2の主面10bの第3の領域10eにバインダ樹脂が偏在している。
【選択図】図4
【解決手段】本発明のセラミックグリーンシート10は、セラミック粒子とバインダ樹脂とを含み、内部電極パターン12が形成される第1の部分と内部電極パターン12が形成されない第2の部分10gとを有する。第2の部分10gにおいて、第2の主面10bの第3の領域10eにバインダ樹脂が偏在している。
【選択図】図4
Description
本発明は、グリーンシート、グリーンシートの製造方法、及びそのグリーンシートを積層して製造する積層電子部品の製造方法に関する。
従来から、セラミック素体とセラミック素体の内部に形成された内部電極とを備える積層電子部品がある。この積層電子部品を製造する方法として、電極パターンが形成された複数のグリーンシートを積層して製造する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−72121号公報
上記の積層電子部品を製造する際には、数十枚、数百枚以上のグリーンシートを積層するので、製造工程において積層したグリーンシートがずれ易い。製造工程中にグリーンシートがずれると、その積層電子部品は、特性が低下したりばらつくので問題がある。
そこで本発明は、グリーンシートの積層ずれを抑制するグリーンシート、グリーンシートの製造方法、及び積層電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、グリーンシートの積層ずれを抑制するために、グリーンシート同士の密着性が高いグリーンシートを開発することとした。ところで、積層電子部品の製造工程において、積層したグリーンシート及び電極パターンに含まれるバインダを除去するために加熱すると、所定の温度となったときにバインダがガスとなって一気に放出される。このため、バインダガスを放出するための孔を別途形成する必要が生じる。グリーンシートの積層ずれの問題と共にバインダガスの放出の問題を解決するために、本発明は、密着性が高く、且つ、通気性を向上させたグリーンシート、グリーンシートの製造方法、そのグリーンシートの製造方法を用いた積層電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のグリーンシートは、セラミック粒子と樹脂成分とを含むグリーンシートであって、電極パターンが形成される第1の部分と電極パターンが形成されない第2の部分とを有し、第2の部分において、互いに対向する主面のいずれか一方の面に樹脂成分が偏在していることを特徴とする。
本発明のグリーンシートによれば、電極パターンが形成されない第2の部分において、互いに対向する主面のいずれか一方の面に樹脂成分が偏在している。すなわち、グリーンシートの第2の部分において、一方の面側に樹脂成分の割合が高い部分が形成され、それ以外の部分は樹脂成分の割合が低くなっている。樹脂成分の割合が高い部分は、他のグリーンシート又は電極パターンとの密着性が高いので、グリーンシートを積層した際に、積層ずれを抑制することができる。樹脂成分の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、グリーンシートの通気性を高めることができる。
好ましくは、第2の部分において、樹脂成分が偏在している領域と対向する領域に亀裂が形成されている。この場合、亀裂によって更に通気性が向上する。
本発明のグリーンシートの製造方法は、電極パターンが形成される第1の部分と電極パターンが形成されない第2の部分とを有し、セラミック粒子と樹脂成分とを含むグリーンシートを形成するグリーンシート形成工程と、第2の部分において、互いに対向する主面の一方の面に樹脂成分と相溶な溶剤を付着させることにより、第2の部分において、互いに対向する主面の他方の面に樹脂成分を偏在させる偏在工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のグリーンシートの製造方法では、グリーンシートの第2の部分における一方の主面にグリーンシートの樹脂成分と相溶な溶剤を付着させるので、溶剤によってグリーンシートの樹脂成分が溶けて他方の主面に溜まる。これにより、グリーンシートの第2の部分において樹脂成分が偏在する。すなわち、グリーンシートの他方の面において樹脂成分の割合が高い部分が形成され、第2の部分においてそれ以外の部分は、樹脂成分の割合が低くなる。樹脂成分の割合が高い部分は、他のグリーンシート又は電極パターンとの密着性が高いので、グリーンシートを積層した際に、積層ずれを抑制することができる。樹脂成分の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、グリーンシートの通気性を高めることができる。
好ましくは、偏在工程では、第2の部分において、互いに対向する主面のうち電極パターンが形成された方の主面に溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、溶剤を付着させる。
この場合、第2の部分において、互いに対向する主面のうち電極パターンが形成された方の主面に溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、電極パターンとグリーンシートの主面との間の段差を解消するための補助層を形成ことができる。同時に溶剤を第2の部分の一方の面に付着させることができる。すなわち、溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、補助層を形成すると共に、グリーンシートにおける樹脂成分を偏在させて密着性及び通気性を高めることができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
本発明の積層電子部品の製造方法は、電極パターンが形成される第1の部分及び電極パターンが形成されない第2の部分を有すると共にセラミック粒子及び樹脂成分を含むグリーンシートと、第1の部分に位置する電極パターンと、を有する単位積層シートを形成する単位積層シート形成工程と、第2の部分において、互いに対向する主面の一方の面に樹脂成分と相溶な溶剤を付着させることにより、第2の部分において、互いに対向する主面の他方の面に樹脂成分を偏在させる偏在工程と、偏在工程において樹脂成分が偏在した複数の単位積層シートを積層する積層工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の積層電子部品の製造方法では、グリーンシートの第2の部分における一方の主面にグリーンシートの樹脂成分と相溶な溶剤を付着させるので、溶剤によってグリーンシートの樹脂成分が溶けて他方の主面に溜まる。これにより、グリーンシートの第2の部分において樹脂成分が偏在する。すなわち、グリーンシートの他方の面において樹脂成分の割合が高い部分が形成され、第2の部分においてそれ以外の部分は、樹脂成分の割合が低くなる。樹脂成分の割合が高い部分は、他のグリーンシート又は電極パターンとの密着性が高いので、グリーンシートを積層した際に、積層ずれを抑制することができる。樹脂成分の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、グリーンシートの通気性を高めることができる。
好ましくは、偏在工程では、第2の部分において、互いに対向する主面のうち電極パターンが形成された方の主面に溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、溶剤を付着させる。
この場合、第2の部分において、互いに対向する主面のうち電極パターンが形成された方の主面に溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、電極パターンとグリーンシートの主面との間の段差を解消するための補助層を形成ことができる。同時に溶剤を第2の部分の一方の面に付着させることができる。すなわち、溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、補助層を形成すると共に、グリーンシートにおける樹脂成分を偏在させて密着性及び通気性を高めることができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
本発明によれば、グリーンシートの密着性を高めてグリーンシートの積層ずれを抑制することができる。また、グリーンシートの通気性を高めて、バインダ除去の際にバインダガスを抜け易くさせることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る積層コンデンサ(積層電子部品)の構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の積層コンデンサ1は、略直方体形状の素子2と、素子2に形成された一対の第1の端子電極3及び第2の端子電極4と、を備える。
第1端子電極3と第2の端子電極4とは、素子2の長手方向に対向する一対の端面にそれぞれ形成されている。積層コンデンサ1が基板に実装される際には、素子2の一対の端面と垂直な1つの側面が、基板に対向するように配置される。
図2に示すように、素子2は、略直方体形状の誘電体層5と、誘電体層5の内部に互いに平行に配置された第1の内部電極6及び第2の内部電極7とを有している。本実施形態では、素子2は、それぞれ二つの第1の内部電極6と第2の内部電極7とを有している。
略四角形状に形成された第1の内部電極6は、一辺が第1の端子電極3の形成された素子2の端面に露出して、第1の端子電極3と機械的かつ電気的に接続されている。略四角形状に形成された第2の内部電極7は、一辺が第2の端子電極4の形成された素子2の端面に露出して、第2の端子電極4と機械的かつ電気的に接続されている。
第1の内部電極6と第2の内部電極7とは、誘電体層5を介して交互に積層されている。積層コンデンサ1では、第1の内部電極6と第2の内部電極7とにおいて両者が互いに対向する領域と、誘電体層5において第1と第2の内部電極6,7とが対向する領域に挟まれた領域と、によって主に特性が発揮される。
引き続いて、本発明に係る積層コンデンサの製造方法として第1〜第3の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図3〜図6を参照して第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図3は、第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。図4は、第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。図5は、図4(d)に示される単位積層シートの構成を示す図である。図6は、図4に続く第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。
図3〜図6を参照して第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図3は、第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。図4は、第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。図5は、図4(d)に示される単位積層シートの構成を示す図である。図6は、図4に続く第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。
第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法では、最初に、図4(a)に示すように、セラミックグリーンシート(グリーンシート)10を形成し(ステップS1;グリーンシート形成工程)、乾燥させる(ステップS2)。セラミックグリーンシート10は、誘電体材料としてのセラミック粒子にバインダ樹脂、溶剤、及び可塑剤等を加えて混合分散することにより得たセラミックスラリーを支持体11上に塗布して形成する。本実施形態では、バインダ樹脂としてOH基を有するものを用いる。例えば、OH基を有するバインダ樹脂として、ブチラールを用いる。なお、乾燥後のセラミックグリーンシート10の厚さは、1〜7μm程度である。
次に、図4(b)に示すように、セラミックグリーンシート10の第1の主面10aに矩形状の内部電極パターン(電極パターン)12を複数形成し(ステップS3)、乾燥させる(ステップS4)。内部電極パターン12は、電極ペーストをセラミックグリーンシート10上にスクリーン印刷することにより形成される。電極ペーストは、例えばNi、Ag、Pdなどの金属粉末に樹脂と溶剤等を混合したペースト状の組成物である。電極ペーストに含まれる溶剤が、内部電極パターン形成時にセラミックグリーンシート10の樹脂を溶かさないように、溶剤として、セラミックグリーンシート10の樹脂と非相溶なものを用いる。例えば、電極ペーストに含まれる溶剤として、メンタノールプロピオネート、ターピニルアセテート等を用いる。乾燥後の内部電極パターンの厚さは、1〜2μm程度である。
以上のステップS1〜S4によって、セラミックグリーンシート10と、内部電極パターン12と、を有する単位積層シート13が形成される(単位積層シート形成工程)。セラミックグリーンシート10は、内部電極パターン12が形成された第1の主面10aと、第1の主面10aに対向する第2の主面10bとを有する。第1の主面10aは、内部電極パターン12が形成された第1の領域10cと、内部電極パターン12から露出した第2の領域10dとを含む。第2の領域10dは、すなわち、内部電極パターン12が形成されていない領域である。なお、セラミックグリーンシート10は、セラミック粒子とバインダ樹脂を含んでいる。
セラミックグリーンシート10は、第1の領域10cと、第2の主面10bにおいて第1の領域10cに対向する領域と、この領域と第1の領域10cとの間の部分を含む、第1の部分を有する。第1の部分は、セラミックグリーンシート10において内部電極パターン12が形成されている部分である。セラミックグリーンシート10は、第2の領域10dと、第2の主面10bにおいて第2の領域10dに対向する第3の領域10eと、第3の領域10eと第2の領域10dとの間の部分10fとを含む第2の部分10gを有する。第2の部分10gは、セラミックグリーンシート10において内部電極パターン12が形成されていない部分である。
次に、セラミックグリーンシート10の第2の部分10gにおいて樹脂を偏在させる(ステップS5;偏在工程)。まず、図4(c)に示すように、内部電極パターン12の上面のみをマスクプレート14で覆い、その上側から溶剤Sをスプレーする。これにより、単位積層シートにおいて第2の領域10dのみに溶剤Sを付着させる。
溶剤Sとして、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂と相溶なものを用いる。溶剤Sがセラミックグリーンシート10の第2の領域10dに付着すると、シートアタックが起こる。すなわち、溶剤Sは、OH基を含んで構成され、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂を構成するOH基と水素結合を起こし、バインダ樹脂を溶かす。溶けたバインダ樹脂が下方に移動し、図4(d)及び図5に示すように第2の主面10b側の第3の領域10eに溜まる。すなわち、溶剤Sは、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂を取り込みながら沈降する。
これにより、第2の部分10gにおいて、第3の領域10eには、バインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成される。このように、第2の部分10gにおいて、一方の主面上の第3の領域10eに、バインダ樹脂が偏在する。また、第2の部分10gにおいて、バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、そのバインダ樹脂の密度が第1の部分におけるバインダ樹脂の密度より高い。
第2の部分10gにおいて、バインダ樹脂が偏在した部分R以外の部分は、相対的にバインダ樹脂の割合が低くなり、セラミック粒子の割合が高くなるので、通気性が高まる。すなわち、第2の領域10d及び部分10fは、第1の部分よりセラミック粒子の割合が高くなり、通気性が第1の領域10cより高くなる。また、第2の領域10dと部分10fとにおいては、溶けたバインダ樹脂が下方に移動することにより、その移動経路に空隙15が形成され、第2の領域10d上には亀裂16が形成される。
このようにして、第2の部分10gにおいて、バインダ樹脂が偏在したセラミックグリーンシート10が形成される。バインダ樹脂を偏在させるための溶剤Sとして、例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、IPA(イソプロピルアルコール)等を用いることができる。溶剤Sの種類を選択したり、その濃度及び量を調整することにより、バインダ樹脂が偏在する度合いを調整することができる。
続いて、図6に示すように、単位積層シート13から支持体11を剥離し、複数の単位積層シート13を積層する(ステップS6;積層工程)。本実施形態では、4つの単位積層シート13A〜13Dと1つのセラミックグリーンシート10Eを積層している。
単位積層シート13Aに含まれる内部電極パターン12Aの表面と、単位積層シート13Bに含まれるセラミックグリーンシート10Bの第3の領域10eとが接触して積層される。第3の領域10eには、バインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成されているので、単位積層シート13Aと単位積層シート13Bとの接触面において、積層方向と垂直方向へのずれが防止される。従って、単位積層シート13Aに含まれる内部電極パターン12Aと単位積層シート13Bに含まれる内部電極パターン12Bとの相対的な位置関係もずれないように積層することができる。
同様に、単位積層シート13Bに含まれる内部電極パターン12Bの表面と、単位積層シート13Cに含まれるセラミックグリーンシート10Cの第3の領域10eとが接触して積層され、第3の領域10eに形成されたバインダ樹脂の割合が高い部分Rによって、積層方向と垂直方向へのずれが防止される。同様に、単位積層シート13Cに含まれる内部電極パターン12Bの表面と、単位積層シート13Cに含まれるセラミックグリーンシート10Dの第3の領域10eとが接触して積層され、第3の領域10eに形成されたバインダ樹脂の割合が高い部分Rによって、積層方向と垂直方向へのずれが防止される。
従って、内部電極パターン12Aと、内部電極パターン12Bと、内部電極パターン12Cと、内部電極パターン12Dとの相対的な位置関係もずれないように積層することができる。バインダ樹脂が偏在している第2の部分10gにおけるバインダ樹脂の割合が高い部分R以外の部分ではバインダ樹脂の割合が低く、空隙率の高い領域が形成されているので、通気性が向上している。
以上のように単位積層シート13を積層して積層体Pを得た後に、図6に示す切断線Lに沿って切断することにより、積層チップ体を形成する。その後、積層チップ体を加熱して、乾燥、脱バインダを行う。脱バインダ時において、所定の温度となったときにバインダがガスとなって一気に放出される。積層体Pにおいてバインダ樹脂が偏在している第2の部分10gの第2の領域10d及び部分10fは通気性が高いので、主にバインダガスが放出されやすい。また、バインダ樹脂が偏在している第2の部分10gには空隙15や亀裂16が形成されているので、バインダガスは主に空隙15や亀裂16を通って放出されることとなる。
脱バインダを行った後、焼成を行い、積層チップ体の外表面に第1及び第2の端子電極3,4を形成する。内部電極パターンが焼成されて形成された内部電極のうち、第1の端子電極3に電気的に接続された内部電極が第1の内部電極6となる。内部電極パターンが焼成されて形成された内部電極のうち、第2の端子電極4に電気的に接続された内部電極が第2の内部電極7となる。積層されたセラミックグリーンシート10は焼成されることにより、誘電体層5となり、誘電体としての機能を発揮する。このようにして積層コンデンサ1が製造される。
以上説明した本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、セラミックグリーンシート10の第2の部分10gにおける第2の領域10dにセラミックグリーンシート10のバインダ樹脂と相溶な溶剤Sを付着させるので、溶剤Sによってセラミックグリーンシート10のバインダ樹脂が溶けて第3の領域10eに溜まる。これにより、第2の部分10gにおいて第3の領域10eにバインダ樹脂が偏在する。すなわち、セラミックグリーンシート10の第3の領域10eにおいてバインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成され、第2の部分10gにおいてそれ以外の部分は、バインダ樹脂の割合が低くなる。バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、他のセラミックグリーンシート10又は内部電極パターン12との密着性が高い。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高い。
このようにして製造された本実施形態のセラミックグリーンシート10では、バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、他のセラミックグリーンシート10又は内部電極パターン12との密着性が高いので、単位積層シート13を積層した際に、積層ずれを抑制することができる。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、セラミックグリーンシートの通気性を高めることができる。これにより、脱バインダ時に一気にバインダガスが発生しても効率良く放出することができる。
また、セラミックグリーンシート10は、第2の領域10dには亀裂16が形成され、部分10fには空隙15が形成されているのでより通気性が向上する。
本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、セラミックグリーンシート10において、第2の部分10gのみにおいてバインダ樹脂を偏在させる。よって、図6に示すように、積層体Pにおいて、内部電極パターン12に挟まれた領域Fではバインダ樹脂は偏在していない。すなわち、積層コンデンサ1の誘電体層5において、第1と第2の内部電極6,7に挟まれる領域は成分が偏在したり、亀裂が発生したりしていない。この第1と第2の内部電極6,7に挟まれる領域は、積層コンデンサ1において主に容量特性を発揮する部分である。この領域を変化させないので、積層コンデンサとしての特性を低下させることはない。また、ショートの発生、耐電圧の低下等の問題を誘発することもない。
更に、本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、電極ペーストに含まれる溶剤とセラミックグリーンシート10の樹脂とは、非相溶である。この場合、内部電極パターン12をセラミックグリーンシート10の第1の主面10a上に形成する際に、電極ペーストに含まれる溶剤によって、セラミックグリーンシート10の第1の主面10aに凹凸が形成されるのを防止できる。セラミックグリーンシート10において電極ペーストが印刷される領域は、積層コンデンサ1において内部電極に挟まれる領域を含む。よって、誘電体層5において第1と第2の内部電極6,7に挟まれる領域の変形を防止して、積層コンデンサ1の特性が低下することを防止できる。
また、本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、溶剤Sは、内部電極パターン12に含まれる樹脂と非相溶であるので、溶剤Sによる内部電極パターン12の変形を防止できる。内部電極パターン12は積層コンデンサ1において第1及び第2の内部電極6,7となる。すなわち、内部電極パターン12の変形を防止することにより、第1及び第2の内部電極6,7の変形によって積層コンデンサ1の特性が低下することを防止できる。
(第2の実施形態)
図7を参照して第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図7は、第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法では、偏在工程が、第1の実施形態に係る積層コンデンサ1の製造方法と異なる。
図7を参照して第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図7は、第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法では、偏在工程が、第1の実施形態に係る積層コンデンサ1の製造方法と異なる。
第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法では、第1の実施形態の場合のステップS1〜S4と同様にして、セラミックグリーンシート10とセラミックグリーンシート10の第1の主面10aに位置する内部電極パターン12とを有する単位積層シート13を形成する(単位積層シート形成工程)。
次に、第2の実施形態における偏在工程では、セラミックグリーンシート10の第1の主面10aにおいて内部電極パターン12から露出した第2の領域10dに、セラミックスラリーを印刷して補助層17を形成する。補助層17は、第1の主面10aと内部電極パターン12との段差を解消するために形成するものである。補助層17を形成するためのセラミックスラリー(スラリー)は、誘電体材料としてのセラミック粒子にバインダ樹脂、溶剤、及び可塑剤等を含む。補助層17に含まれるバインダ樹脂は、例えば、セルロース系樹脂である。
補助層17に含まれる溶剤は、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂と相溶なものを用いる。セラミックスラリーを印刷することにより、セラミックスラリーに含まれる溶剤がセラミックグリーンシート10の第2の領域10dに付着すると、シートアタックが起こる。すなわち、溶剤Sは、OH基を含んで構成され、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂を構成するOH基と水素結合を起こし、バインダ樹脂を溶かす。
溶けたバインダ樹脂が下方に移動し、図7(c)に示すように第2の主面10b側の第3の領域10eに溜まる。すなわち溶剤は、セラミックグリーンシート10のバインダ樹脂を取り込みながら沈降する、これにより、第3の領域10eには、バインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成される。バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、第1の領域10dよりバインダ樹脂の割合が高くなる。このようにして、第2の部分10gと補助層17とにおいて、第3の領域10eにバインダ樹脂が偏在する。
補助層17の表面17aと、補助層17の表面17aと第3の領域10eとの間の部分20fとは、バインダ樹脂が第3の領域10eに移動するので、第3の領域10eよりバインダ樹脂の割合が相対的に低くなり、セラミック粒子の割合が高くなる。補助層17の表面17aと部分20fとは、第1の部分よりバインダ樹脂の割合が低くなり、セラミック粒子の割合が高くなる。よって、補助層17の表面17a及び部分20fは、通気性が第1の領域10cより高くなる。また、溶けたバインダ樹脂が下方に移動することにより、その移動経路に空隙18が形成され、補助層17の表面17aには亀裂19が形成される。
このように、補助層17と第2の部分10gとを含む部分20gにおいて、バインダ樹脂が偏在する。なお、補助層17に含まれる溶剤は、補助層17形成時に内部電極パターン12を溶かさないように、内部電極パターン12に含まれる樹脂と非相溶なものを用いる。例えば、補助層17の溶剤として、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等を用いることができる。
その後、積層工程では、部分20gにおいてバインダ樹脂が偏在した複数の単位積層シート13を積層して積層体Pを形成する。積層体Pを切断することにより、積層チップ体を形成する。その後、積層チップ体を加熱して、乾燥、脱バインダ、及び焼成を行う。脱バインダ時において、所定の温度となったときにバインダがガスとなって一気に放出される。ガスは、バインダ樹脂が偏在している部分20gにおいて、主に通気性の高い補助層17の表面17aと部分20fとを通って放出される。また、ガスは、主に空隙18や亀裂19を通って放出されることとなる。焼成後、積層チップ体の外表面に第1及び第2の端子電極3,4を形成する。
以上説明した本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、第2の部分10gにおいて、互いに対向する主面のうち内部電極パターン12が形成された方の第1の主面10aに溶剤Sとセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、内部電極パターン12とセラミックグリーンシート10の主面との間の段差を解消するための補助層17を形成ことができる。
同時に溶剤Sを部分20gの第2の領域10dに付着させることができる。よって、溶剤Sによってセラミックグリーンシート10のバインダ樹脂が溶けて第3の領域10eに溜まる。これにより部分20gにおいて第3の領域10eにバインダ樹脂が偏在する。すなわち、セラミックグリーンシート10の第3の領域10eにおいてバインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成され、これにより、第2の部分10g及び補助層17における部分R以外の部分は、バインダ樹脂の割合が低くなる。バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、他のセラミックグリーンシート10又は内部電極パターン12との密着性が高い。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高い。
このようにして製造された本実施形態のセラミックグリーンシート10では、バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、他のセラミックグリーンシート10又は内部電極パターン12との密着性が高い。これにより、単位積層シート13を積層した際に、積層ずれを抑制することができる。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、セラミックグリーンシートの通気性を高めることができる。これにより、脱バインダ時に一気にバインダガスが発生しても効率良く放出することができる。
このように本実施形態では、溶剤Sとセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、補助層17を形成すると共に、セラミックグリーンシート10におけるバインダ脂を偏在させて密着性及び通気性を高めることができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
本実施形態のセラミックグリーンシート10は、補助層17の表面17aには亀裂16が形成され、部分20fには空隙15が形成されているのでより通気性が向上する。
本実施形態において、内部電極パターン12に挟まれた領域ではバインダ樹脂は偏在していない。すなわち、積層コンデンサ1の誘電体層5において、第1と第2の内部電極6,7に挟まれる領域は成分が偏在したり、亀裂が発生したりしていない。よって、積層コンデンサとしての特性を低下させることはない。また、ショートの発生、耐電圧の低下等の問題を誘発することもない。
(第3の実施形態)
図8及び図9を参照して第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図8は、第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。図9は、第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。上記第1及び第2の実施形態の積層コンデンサの製造方法では、単位積層シート13を形成する際に、セラミックグリーンシート10を形成し、その第1の主面10aに内部電極パターン12を形成した。第3の実施形態の積層コンデンサの製造方法では、単位積層シート13を形成する際に、内部電極パターン12を形成した上に、セラミックグリーンシート21を形成する。
図8及び図9を参照して第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明する。図8は、第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。図9は、第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を説明するための断面模式図である。上記第1及び第2の実施形態の積層コンデンサの製造方法では、単位積層シート13を形成する際に、セラミックグリーンシート10を形成し、その第1の主面10aに内部電極パターン12を形成した。第3の実施形態の積層コンデンサの製造方法では、単位積層シート13を形成する際に、内部電極パターン12を形成した上に、セラミックグリーンシート21を形成する。
第3の実施形態に係る積層コンデンサの製造方法では、最初に、図9(a)に示すように、支持体11上に矩形状の複数の内部電極パターン12を形成し(ステップS21)、乾燥させる(ステップS22)。内部電極パターン12は、電極ペーストを支持体11上にスクリーン印刷することにより形成される。電極ペーストは、例えばNi、Ag、Pdなどの金属粉末に樹脂と溶剤等を混合したペースト状の組成物である。
次に、図9(b)に示すように、複数の内部電極パターン12を覆うようにセラミックグリーンシート21を形成し(ステップS23)、乾燥させる(ステップS24)。セラミックグリーンシート21は、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料にバインダ樹脂、溶剤、及び可塑剤等を加えて混合分散することにより得たセラミックスラリーを支持体11上に塗布して形成する。セラミックグリーンシート21に含まれるバインダ樹脂として、第1の実施形態と同様な樹脂を用いることができる。
以上のステップS21〜ステップS24によって、セラミックグリーンシート21とセラミックグリーンシート21の第1の主面21aに位置する内部電極パターン12とを有する単位積層シート22が形成される(単位積層シート形成工程)。セラミックグリーンシート21は、互いに対向する第1の主面21aと第2の主面21bとを有する。第1の主面21aは、内部電極パターン12が形成された第1の領域21cと、内部電極パターン12から露出した第2の領域21dを含む。
セラミックグリーンシート21は、第1の領域21cと、第2の主面10bにおいて第1の領域21cに対向する領域と、この領域と第1の領域21cとの間の部分を含む、第1の部分を有する。第1の部分は、セラミックグリーンシート21において内部電極パターン12が形成されている部分である。セラミックグリーンシート21は、第2の領域21dと、第2の主面21bにおいて第2の領域21dに対向する第3の領域21eと、第3の領域21eと第2の領域21dとの間の部分21fとを含む第2の部分21gを有する。第2の部分21gは、セラミックグリーンシート21において内部電極パターン12が形成されていない部分である。
次に、セラミックグリーンシート21の第2の部分21gにおいてバインダ樹脂を偏在させる(ステップS5;偏在工程)。まず、図9(c)に示すように、第1の主面21aにおいて内部電極パターン12が形成された領域に対向する領域をマスクプレート23で覆い、その上側から溶剤Sをスプレーする。これにより、単位積層シート22において第3の領域21eのみに溶剤Sを付着させる。
溶剤Sとして、セラミックグリーンシート21のバインダ樹脂と相溶なものを用いる。溶剤Sがセラミックグリーンシート21の第3の領域21eに付着すると、シートアタックが起こる。すなわち、溶剤Sは、OH基を含んで構成され、セラミックグリーンシート21のバインダ樹脂を構成するOH基と水素結合を起こし、バインダ樹脂を溶かす。溶けたバインダ樹脂が下方に移動し、図9(d)に示すように第1の主面21a側の第2の領域21dに溜まる。すなわち、溶剤Sは、セラミックグリーンシート21のバインダ樹脂を取り込みながら沈降する。これにより、第2の領域21dには、第2の部分21gにおいて相対的にバインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成される。このバインダ樹脂の割合が高い部分Rは、第1の部分よりバインダ樹脂の割合が高い。このように、第2の部分21gにおいて、第3の領域21dにバインダ樹脂が偏在する。
また、第3の領域21eと部分21fとは、バインダ樹脂が第2の領域21dに移動するので、バインダ樹脂の割合が第2の部分21gにおいて相対的に低くなり、セラミック粒子の割合が高くなる。よって、第3の領域21e及び部分21fは、通気性が第1の領域10cより高くなる。なお、第3の領域21eと部分21fとは、第1の部分よりバインダ樹脂の割合が低く、セラミック粒子の割合が高い。また、溶けたバインダ樹脂が下方に移動することにより、その移動経路に空隙25が形成され、第3の領域21e上には亀裂24が形成される。
このように、第2の部分21gにおいて、バインダ樹脂が偏在している。溶剤Sとして、例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、IPA(イソプロピルアルコール)等を用いることができる。溶剤Sの種類を選択したり、その濃度及び量を調整することにより、バインダ樹脂が偏在する度合いを調整することができる。
以上説明した本実施形態の積層コンデンサの製造方法では、セラミックグリーンシート21の第2の部分21gにおける第3の領域21eにセラミックグリーンシート21のバインダ樹脂と相溶な溶剤Sを付着させるので、溶剤Sによってセラミックグリーンシート21のバインダ樹脂が溶けて第2の領域21dに溜まる。これにより、第2の部分21gにおいて、第2の領域21dにバインダ樹脂が偏在する。すなわち、セラミックグリーンシート21の第2の領域21dにおいてバインダ樹脂の割合が高い部分Rが形成され、第2の部分21gにおいてそれ以外の部分は、バインダ樹脂の割合が低くなる。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高い。
このようにして製造された本実施形態のセラミックグリーンシート21では、バインダ樹脂の割合が高い部分Rは、他のセラミックグリーンシート21又は内部電極パターン12との密着性が高い。これにより、単位積層シート22を積層した際に、積層ずれを抑制することができる。バインダ樹脂の割合が低い部分は、セラミック粒子の割合が高いので、セラミックグリーンシートの通気性を高めることができる。これにより、脱バインダ時に一気にバインダガスが発生しても効率良く放出することができる。
また、セラミックグリーンシート21は、第3の領域21eには亀裂24が形成され、部分21fには空隙25が形成されているのでより通気性が向上する。
なお、本実施形態において、内部電極パターン12に挟まれた領域ではバインダ樹脂は偏在していない。すなわち、積層コンデンサ1の誘電体層5において、第1と第2の内部電極6,7の間の領域は成分が偏在していないし、亀裂が発生してもいない。よって、積層コンデンサ1としての特性を低下させることはない。また、ショートの発生、耐電圧の低下等の問題を誘発することもない。
上記第1〜第3の実施形態では、本発明の積層電子部品の製造方法として積層コンデンサ1の製造方法を説明したが、本発明の積層電子部品の製造方法の対象は積層コンデンサに限られない。本発明の積層電子部品の製造方法の対象は複数のセラミックグリーンシートを積層して製造する積層電子部品であればよく、バリスタ、インダクタ、又はそれらを含む複合電子部品でもよい。
1…積層コンデンサ(積層電子部品)、10,10A〜10E,21…セラミックグリーンシート(グリーンシート)、10a,21a…第1の主面、10b,21b…第2の主面、10c,21c…第1の領域、10d,21d…第2の領域、10e,21e…第3の領域、10f,20f,21f…領域、10g,20g,21g…領域、12,12A〜12D…内部電極パターン、13,13A〜13D,22…単位積層シート、15,18,23…空隙、16,19,24…亀裂、17…補助層、17a…表面、R…部分、S…溶剤。
Claims (6)
- セラミック粒子と樹脂成分とを含むグリーンシートであって、
電極パターンが形成される第1の部分と前記電極パターンが形成されない第2の部分とを有し、
前記第2の部分において、互いに対向する主面のいずれか一方の面に前記樹脂成分が偏在していることを特徴とするグリーンシート。 - 前記第2の部分において、前記樹脂成分が偏在している領域と対向する領域に亀裂が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシート。
- 電極パターンが形成される第1の部分と前記電極パターンが形成されない第2の部分とを有し、セラミック粒子と樹脂成分とを含むグリーンシートを形成するグリーンシート形成工程と、
前記第2の部分において、互いに対向する主面の一方の面に前記樹脂成分と相溶な溶剤を付着させることにより、前記第2の部分において、互いに対向する主面の他方の面に前記樹脂成分を偏在させる偏在工程と、
を備えることを特徴とするグリーンシートの製造方法。 - 前記偏在工程では、前記第2の部分において、互いに対向する前記主面のうち前記電極パターンが形成された方の主面に前記溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、前記溶剤を付着させることを特徴とする請求項3に記載のグリーンシートの製造方法。
- 電極パターンが形成される第1の部分及び前記電極パターンが形成されない第2の部分を有すると共にセラミック粒子及び樹脂成分を含むグリーンシートと、前記第1の部分に位置する前記電極パターンと、を有する単位積層シートを形成する単位積層シート形成工程と、
前記第2の部分において、互いに対向する主面の一方の面に前記樹脂成分と相溶な溶剤を付着させることにより、前記第2の部分において、互いに対向する主面の他方の面に前記樹脂成分を偏在させる偏在工程と、
前記偏在工程において前記樹脂成分が偏在した複数の単位積層シートを積層する積層工程と、
を備えることを特徴とする積層電子部品の製造方法。 - 前記偏在工程では、前記第2の部分において、互いに対向する前記主面のうち前記電極パターンが形成された方の主面に前記溶剤とセラミック粒子とを含むスラリーを塗布することにより、前記溶剤を付着させることを特徴とする請求項5に記載の積層電子部品の製造方法。
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JP2007005461A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Tdk Corp | 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層電子部品の製造方法 |
-
2007
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