JP2008243448A - リチウム遷移金属複合酸化物、および、それを用いたリチウム二次電池用正極、ならびに、それを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム遷移金属複合酸化物、および、それを用いたリチウム二次電池用正極、ならびに、それを用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract


【課題】
リチウム二次電池の正極材料として好適な高性能(高容量、高レート特性、抵抗特性等
)のリチウム遷移金属複合酸化物を安価に提供する。また、高性能なリチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】
一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物において、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物。LiNiαMnβCoγδ (1)
(式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物、および、それを用いたリチウム二次電池用正極、ならびに、それを用いたリチウム二次電池に存する。
近年、携帯用電子機器、通信機器の小型化、軽量化に伴い、その電源として、また、自動車用動力源として、高出力、高エネルギー密度であるリチウム二次電池が注目されている。
従来、リチウム二次電池の正極活物質としては、標準組成がLiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられてきた。さらに、安全性や原料コストの観点から、LiCoOやLiNiOと同じ層状構造を有し、かつ遷移金属の一部をマンガン等で置換したリチウム遷移金属複合酸化物を用いる技術、具体的には、LiNiOのニッケルサイトの一部をマンガンで置換したLiNi1−xMn(ただし0<x<1)、ニッケルサイトの一部をマンガンとコバルトで置換したLiNi1−x−yMnCo(ただし0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)が注目されていた(例えば特許文献1〜2)。
また、リチウム遷移金属複合酸化物のなかでもLiCoOは、正極活物質として注目された材料のひとつであり、これを対象として様々な技術が提案されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、LiCoOは、原料であるCoが高価である点と、電池安全性が十分ではない点とが課題だった。
これに対して、近年では、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物を正極活物質として使用することが提案されている(例えば、特許文献4)。リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物は、高価であるCoの使用量が少ないことにより、原料が安価であると共に、電池安全性を高めることができる正極活物質として用いることができる。即ち、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物を用いることにより、特許文献3の技術では得られなかったコスト面でのメリットと、電池安全性が向上するというメリットとが得られるのである。
特開2003−17052号公報 特開2003−45414号公報 特開平10−279315号公報 特開2003−242976号公報
しかしながら、従来のリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物は、電池としての抵抗が高いことによる出力が低い問題があり、更なる改善が望まれていた。また、特許文献4に記載の製造方法では、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物を製造するために、共沈法を用いて製造した前駆体に対して加熱処理を行なうため、工程が複雑で生産性が十分ではなく、改善が望まれていた。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されており、該二次粒子内部に細孔を保有し、かつ、タングステンを含有することによって、特性の高いリチウム二次電池が得られるようになることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
1. 一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物において、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物。
(化1)
LiNiαMnβCoγδ (1)
(式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
2. 比表面積が0.1m/g以上8m/g以下である、前記1に記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
3. タップ密度が0.8g/cm以上3.0g/cm以下である、前記1または2に記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
4. リチウム遷移金属複合酸化物を構成する粒子のメジアン径が1μm以上20μm以下である、前記1から3のいずれかに記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
5. 前記1から4のいずれかに記載のリチウム遷移金属複合酸化物を含有する、リチウム二次電池用正極。
6. 前記5に記載のリチウム二次電池用正極、負極および電解質からなることを特徴とするリチウム二次電池。
7. 原料化合物を液体媒体中で湿式粉砕混合し、次いで噴霧乾燥、焼成することを特徴とするリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法であって、リチウム遷移金属複合酸化物が、一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物において、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
(化2)
LiNiαMnβCoγδ (1)
(式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
本発明によれば、リチウム二次電池の正極材料として好適な高性能(高容量、高レート特性、抵抗特性等)のリチウム遷移金属複合酸化物を安価に提供することができる。更に本発明によれば、高性能なリチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施する
ことができる。
[1.リチウム遷移金属複合酸化物]
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子の形態を有しており、該二次粒子内部に細孔を保有し、かつ、タングステンを含有する粒子からなっている。より具体的には、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下の範囲にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物である。
(化3)
LiNiαMnβCoγδ (1)
(式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
以下適宜、上記式(1)において記号「Q」で表わされる元素を「所定元素」という。
この所定元素としては、Al、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoが挙げられる。更に、この中でも、所定元素としては、Al、Fe、Mg、Ga、Ti、B、Bi、Nb、MoおよびCaがより好ましく、また、Al、Mg、B、Bi、NbおよびMoが更に好ましい。なお、所定元素は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
また、上記式(1)中、xは0<x≦1.2の関係を満足する数である。詳しくは、xは、通常0より大きく、好ましくは0.8以上、また、通常1.2以下、好ましくは1.15以下の数である。xの値が大きすぎると本発明の正極活物質の結晶構造が不安定化したり、これを使用したリチウム二次電池の電池容量の低下を招くおそれがある。また、xの値が小さすぎても、やはりこれを使用したリチウム二次電池の電池容量の低下を招くおそれがある。
さらに、上記式(1)中、αは0.2≦α≦0.6の関係を満足する数である。詳しくは、αは、通常0.2以上、好ましくは0.3以上、また、通常0.6以下、好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.43以下の数である。αの値が大きすぎると本発明のリチウム遷移金属複合酸化物が、Niを主体とする従来のリチウム二次電池用正極活物質に用いられるものと類似となり、二次粒子内部に細孔をあまり有さないモルフォロジーとなるため、これを用いたリチウム二次電池の電池安全性が低下するおそれがある。また、αの値が小さすぎると、焼結性が低下することによる低密度化が顕著になり、また単一相のリチウム遷移金属複合酸化物が製造しにくくなる恐れがある。
また、上記式(1)中、βは0.2≦β≦0.6の関係を満足する数である。詳しくは、βは、通常0.2以上、好ましくは0.3以上、また、通常0.6以下、好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.43以下の数である。βの値が大きすぎると、焼結性が低下することによる低密度化と、これを用いたリチウム二次電池の電池特性の劣化が顕著となるおそれがある。また、βの値が小さすぎると原料コストが増大しリチウム二次電池用正極として好ましくない。
さらに、上記式(1)中、γは0≦γ≦0.5の関係を満足する数である。詳しくは、
γは、通常0以上、好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、また、通常0.5以下、好ましくは0.45以下の数である。一般にCoは資源的に乏しく高価であるため、γが大きすぎるのは好ましくない。
また、上記式(1)中、δは0≦δ≦0.1の関係を満足する数である。詳しくは、δは、通常0以上、好ましくは0.001以上、また、通常0.1以下、好ましくは0.05以下の数である。δが大きすぎると本発明の正極活物質を用いたリチウム二次電池の容量が低下するおそれがあるため好ましくない。なお、所定置換元素として2種以上の元素を用いる場合には、用いた所定置換元素の合計をδとし、その値が上記範囲内に収まっていることが望ましい。
また、上記式(1)中、Yは0<Y≦0.1の関係を満足する数である。詳しくは、Yは、通常0より大きく、好ましくは0.001以上、また、通常0.1以下、好ましくは0.05以下の数である。Yが大きすぎると本発明の正極活物質を用いたリチウム二次電池の容量が低下するおそれがあるため好ましくない。
さらに、上記のα、β、γおよびδは、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2の関係を満たす。また、一般式(1)においては、酸素量に多少の不定比性があっても良い。
また、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、比表面積が0.1m/g以上8m/g以下である。比表面積はNi,Mn,Coの比率、QやWの添加量によって大きく変化するが、より好ましくは0.2m/g以上6m/g以下であり、最も好ましくは0.5m/g以上5m/g以下である。なお、比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置によって測定できる。本発明では、大倉理研製:AMS8000型全自動粉体比表面積測定装置を用い、吸着ガスに窒素、キャリアガスにヘリウムを使用し、連続流動法によるBET1点式法測定を行った。具体的には粉体試料を混合ガスにより150℃の温度で加熱脱気し、次いで液体窒素温度まで冷却して窒素/ヘリウム混合ガスを吸着させた後、これを水により室温まで加温して吸着された窒素ガスを脱着させ、その量を熱伝導検出器によって検出し、これから試料の比表面積を算出した。
更に、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、タップ密度が0.8g/cm以上3.0g/cm以下である。タップ密度も同様にNi,Mn,Coの比率、QやWの添加量によって大きく変化するが、より好ましくは0.9g/cm以上であり、最も好ましくは1.0g/cm以下である。密度が高い分には問題ないので特に上限はないが、通常は3.0g/cm以下である。なお、タップ密度は、試料粉体を10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、200回タップした後の粉体充填密度(タップ密度)を測定した。
また、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する粒子のメジアン径が1μm以上20μm以下である。あまり小さすぎると粉体の取り扱いが困難になり、大きすぎるとリチウム二次電池用正極にする場合に電極の厚さに対して粒子が大きすぎてしまう。よって、より好ましくは2μm以上15μm以下、最も好ましくは3μm以上10μm以下である。なお、メジアン径は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、複素屈折率として実数部1.60、虚数部0.10を設定し、粒子径基準を体積基準として測定されたものである。本発明では、測定の際に用いる分散媒として、0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。
ここで、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線について、以下に詳細に説明する。
水銀圧入法は、多孔質粒子等の試料について、圧力を加えながらその細孔に水銀を浸入させ、圧力と圧入された水銀量との関係から、比表面積や細孔径分布等の情報を得る手法
である。
具体的には、まず試料の入った容器内を真空排気した上で、容器内に水銀を満たす。水銀は表面張力が高く、そのままでは試料表面の細孔には水銀は侵入しないが、水銀に圧力をかけ、徐々に昇圧していくと、径の大きい細孔から順に径の小さい細孔へと、徐々に細孔の中に水銀が浸入していく。圧力を連続的に増加させながら水銀液面の変化(つまり細孔への水銀圧入量)を検出していけば、水銀に加えた圧力と水銀圧入量との関係を表す水銀圧入曲線が得られる。
ここで、細孔の形状を円筒状と仮定し、その半径をr、水銀の表面張力をδ、接触角をθとすると、細孔から水銀を押し出す方向への力の大きさは−2πrδ(cosθ)で表される(θ>90°なら、この値は正となる)。また、圧力P下で細孔へ水銀を押し込む方向への力の大きさはπrPで表されることから、これらの力の釣り合いから以下の数式(1)、(2)が導かれる。
(数1)
−2πrδ(cosθ)=πrP 数式(1)
Pr=−2δ(cosθ) 数式(2)
水銀の場合、表面張力δ=480dyn/cm程度、接触角θ=140°程度の値が一般的によく用いられている。これらの値を用いた場合、圧力P下で水銀が圧入される細孔の半径は以下の数式(3)で表される。
Figure 2008243448
即ち、水銀に加えた圧力Pと水銀が浸入する細孔の半径rとの間には相関があることから、得られた水銀圧入曲線に基づいて、試料の細孔半径の大きさとその体積との関係を表す細孔分布曲線を得ることができる。例えば、圧力Pを0.1MPaから100MPaまで変化させると、7500nm程度から7.5nm程度までの範囲の細孔について測定が行える。なお、水銀圧入法による細孔半径の大凡の測定限界は、下限が約3nm以上、上限が約200μm以上である。
水銀圧入法による測定は、水銀ポロシメータ等の装置を用いて行うことができる。水銀ポロシメータの具体例としては、Micromeritics社製オートポア、カンタクローム社製ポアマスター等が挙げられる。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、前述の水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μm以上50μm以下にメインピークトップを有し、かつ細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする。
本明細書において「細孔分布曲線」とは、細孔の半径を横軸に、その半径以上の半径を有する細孔の単位重量(通常は1g)あたりの細孔体積の合計を細孔半径の対数で微分した値を縦軸にプロットしたものであり、通常はプロットした点を結んだグラフとして表す。
また、本明細書において「メインピーク」とは、細孔分布曲線が有するピークの中で最も大きいピークを意味し、通常は二次粒子間の空隙に対応したピークを現す。そして「サブピーク」とは、細孔分布曲線が有するメインピーク以外のそれより小さいピークを意味
する。「ピークトップ」とは、細孔分布曲線が有する各ピークにおいて縦軸の座標値が最も大きい値をとる点を意味する。
本発明にかかる細孔分布曲線が有するメインピークは、細孔半径1μm以上50μm以下にメインピークトップを有する。細孔半径がある程度大きいということは、二次粒子がある程度しっかり形成されていることを意味し、電極としての活物質の充填率や特定の量の導電材を用いたときの導電パスの確保という観点から好ましい。細孔半径1μmを下回ると、二次粒子の形成が十分ではなくなる。メインピーク半径の上限は特にないが、あまり大きくても二次粒子同士の接触がとれずに導電パス不足となることから、通常50μm以下である。
本発明にかかる細孔分布曲線が有するサブピークは、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有する。前述のメインピークより小さい細孔半径領域にサブピークを有するということは、通常二次粒子内部に細孔を有することを意味する。本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、このような空隙を二次粒子内部に有することによって、低温出力特性と良好な塗布性を両立させることが可能となっているものと推測される。前述のメインピークの細孔半径から、サブピークトップは通常1μm以下であり、下限は特にないが、あまり小さくても二次粒子内部のリチウムイオンの拡散が阻害され、出力特性が低下するおそれがあるので、通常0.08μm以上である。
WO2002−41419号公報には、Li1.04Ni0.53Mn0.30Co0.140.03などの組成の実施例が開示されているが、これらは全て周知慣用技術である共沈法により合成されている。共沈法で合成すると、二次粒子内部に細孔が生成せず、即ち水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークを有さないものとなり、出力特性に不利なモルフォロジーとなる。二次粒子内部に細孔を保有するリチウム遷移金属複合酸化物を製造する方法については、以下に詳細に説明する。
[2.製造方法]
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)は、少なくとも、原料化合物を湿式粉砕混合し噴霧乾燥して得られる焼成前駆体からなる焼成材料を焼成する工程を備えることが好ましい。
従って通常、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、目的とするリチウム遷移金属複合酸化物と同じ元素組成となるように、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素を含有する原料化合物を混合し、この原料化合物の混合物(以下適宜、「原料混合物」という)を噴霧乾燥により粒子状の焼成前駆体に成形した後、この焼成前駆体を含む焼成材料を焼成することによって製造することができる。
[2−1.混合工程]
まず、原料化合物を混合して原料混合物を調製する。
原料化合物は、本発明の正極活物質を構成する元素を含有するものであれば特に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の化合物を用いることができる。通常は、Li、NiおよびMn、並びに、Coや所定置換元素等の元素の一部または複数を含む、酸化物;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩;ハロゲン化物;有機塩等の各種のものを組み合わせて用いることができる。また、Bおよび置換所定元素Qは別途混合することが可能となる場合があり、その場合には、これらのB又は置換所定元素Qを含む原料化合物は必ずしも当初に、目的とする正極活物質と同じ元素組成となるように混合することを要しない。
リチウムを含有する化合物(以下適宜、「リチウム化合物」という)としては、通常L
CO、LiNO等の無機リチウム塩;LiOH、LiOH・HO等のリチウムの水酸化物;LiCl、LiI等のリチウムハロゲン化物;LiO等の無機リチウム化合物;アルキルリチウム、酢酸リチウム、脂肪酸リチウム等の有機リチウム化合物などを挙げることができるが、粒子毎の組成のばらつきが小さく、より均一な粒子群を作製する上では、水に難溶なリチウム化合物が好ましい。水溶性のリチウム化合物を使用すると、湿式粉砕混合処理後の噴霧乾燥工程において、溶解していたリチウム成分が急激に析出することにより、粒子毎のリチウムと遷移金属元素との濃度分布にばらつきが生じ、電池特性の劣化を招く。水に難溶なリチウム化合物としては、例えばLiF、LiCO、LiPO、LiAsOなどが挙げられる。リチウム化合物は1種を単独で用いても良く、水に難溶であれば2種以上を本発明の効果を著しく損なわない限り任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
ニッケルを含有する化合物(以下適宜、「ニッケル化合物」という)としては、Ni(OH)、NiO、NiOOH、NiCO・2Ni(OH)・4HO、NiC・2HO、Ni(NO・6HO、NiSO、NiSO・6HO、脂肪酸ニッケル、ニッケルハロゲン化物等を挙げることができる。
中でも好ましいものとしては、Ni(OH)、NiO、NiOOH、NiCO・2Ni(OH)・4HO、NiC・2HO等が挙げられる。このような窒素および硫黄を含まないニッケル化合物は、焼成工程においてNOxおよびSOx等の有害物質を発生させないので好ましい。さらに、工業原料として安価に入手でき、かつ、焼成を行なう際に反応性が高いという観点から、特に好ましいのはNi(OH)、NiOおよびNiOOHである。
なお、ニッケル化合物も1種を単独で用いても良く、2種以上を本発明の効果を著しく損なわない限り任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
マンガンを含有する化合物(以下適宜、「マンガン化合物」という)としては、Mn、Mn、MnO、MnOOH、MnCO、Mn(NO、MnSO、有機マンガン化合物、マンガン水酸化物、マンガンハロゲン化物等を挙げることができる。中でも好ましいものとしては、MnOOH、Mn、MnO、Mn等が挙げられる。これらは、最終目的物である本発明の正極活物質のマンガン酸化数に近い価数を有しているため好ましい。
なお、マンガン化合物も1種を単独で用いても良く、本発明の効果を著しく損なわない限り、2種以上の化合物を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
コバルトを含有する化合物(以下適宜、「コバルト化合物」という)としては、CoO、Co、Co、Co(OH)、CoOOH、Co(NO・6HO、CoSO・7HO、有機コバルト化合物、コバルトハロゲン化物等を挙げることができる。中でも好ましいものとしては、CoO、Co、Co、CoOOH、Co(OH)等が挙げられる。
なお、コバルト化合物も1種を単独で用いても良く、本発明の効果を著しく損なわない限り、2種以上の化合物を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
さらに、例えば元素Qを含有する化合物としては、通常は無機塩や有機塩などを用いればよい。
なお、元素Qを含有する化合物も1種を単独で用いても良く、本発明の効果を著しく損なわない限り、2種以上の化合物を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
原料化合物の混合方法は、少なくとも湿式粉砕混合方式であれば特に限定されない。また、粒子毎の組成のばらつきが小さく、より均一な粒子群を作製する上では、湿式粉砕混合処理は原料化合物スラリーの平均粒径が0.45μm以下であることが好ましい。これ
より大きい平均粒径のスラリーを用いて合成したリチウム遷移金属複合酸化物においては、粒子毎の組成のばらつきが大きくなり、電池特性の劣化に繋がる。よって、原料化合物スラリーの平均粒径は、通常0.45μm以下、更に好ましくは0.40μm以下、最も好ましくは0.35μm以下である。なお、メジアン径は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、屈折率1.24を設定し、粒子径基準を体積基準として測定されたものである。本発明では、測定の際に用いる分散媒として、0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。
スラリーの固形分濃度については、1重量%以上50重量%の間で適宜選択される。あまり低すぎても生産性の低下を招くため、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、あまり高すぎてもスラリーの大幅な増粘を招くので、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
なお、本発明においては、固形分濃度を高くして、スラリーが大幅に増粘した場合には分散剤を、逆にスラリーの粘度が低すぎる場合には増粘剤を添加し、スラリー粘度を調製する場合がある。しかし、これらの添加剤は、必要以上に添加しすぎると、以下に説明する焼成工程において、焼結や不均一な焼き上がりなどを招くことがあり、電池特性の劣化につながるおそれがある。よって、本願発明においては、これらの添加剤の添加は必要以上に行わないほうが好ましく、また、これらの添加剤の添加をできる限り行わないほうが、より良好なリチウム遷移金属複合酸化物が得られることが多い。
[2−2.噴霧乾燥工程]
得られた原料混合物は、次に、造粒工程に供される。本発明においては、造粒は噴霧乾燥によって行われる。噴霧乾燥により、原料混合物の粒子状物として焼成前駆体を得ることができる。
噴霧乾燥は、生成する焼成前駆体の均一性や粉体流動性、粉体ハンドリング性能、二次粒子を効率よく形成できる等の点で優れた造粒方法である。噴霧乾燥の具体的方法に制限は無く、公知の方法により任意に行なうことができる。例えば、上記原料化合物の混合を湿式で行なった場合には、通常は原料化合物がスラリーとして得られるために、ノズルの先端に気体流と原料混合物のスラリーとを流入させることによってノズルからスラリーを液滴として吐出させ、乾燥ガスと接触させて液滴を迅速に乾燥させる方法を用いることができる。
上記噴霧乾燥の際の条件は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、乾燥ガス入り口温度は通常80℃以上400℃以下、更に好ましくは100℃以上300℃以下である。また、導入する乾燥ガス(L/min)と吐出させるスラリー(L/min)から算出される気液比は、通常500以上5000以下、更に好ましくは1000以上3000以下である。
さらに、噴霧乾燥によって得られる焼成前駆体は、使用した原料化合物が共存する金属複合混合物の粒子状物である。したがって、原料化合物として、本発明の正極活物質を構成する元素(但し、酸素を除く)をそれぞれ含有する化合物を不足無く用いている場合、この焼成前駆体は、焼成材料として次の焼成工程に供される。但し、湿式粉砕混合工程に添加しなかったBやBiといった元素の原料化合物は、この焼成前駆体を作製した時点で乾式混合される。
[2−3.焼成工程]
前記焼成前駆体は、次いで焼成工程に供される。焼成により、本発明のリチウム遷移金
属複合酸化物を得ることができる。
焼成の具体的な方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等の装置を用いて行なうことができる。
また、通常、焼成は、昇温工程、最高温度保持工程および降温工程の三工程に分けられる。ここで、最高温度保持工程は必ずしも一回とは限らず、目的に応じて二段階またはそれ以上の段階に分けて行なうようにしてもよい。
さらに、焼成中にその他の処理を行なう工程を行なうようにしてもよい。例えば、二次粒子を破壊しない程度に凝集を解消するために行なう解砕工程や、一次粒子或いはより微小な粉末にまで砕くための粉砕工程を挟んで、昇温工程、最高温度保持工程および降温工程をそれぞれ2回またはそれ以上繰り返して行なうようにしてもよい。
また、焼成時の条件は本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常は、以下の条件で焼成を行なう。
昇温工程では、通常0.1℃/分〜5℃/分の昇温速度で昇温を行なうことが望ましい。昇温速度が遅すぎても時間がかかって工業的に不利であるが、あまり速すぎても炉によっては炉内温度が設定温度に追従しなくなるおそれがあるためである。
また、最高温度保持工程では、焼成温度は通常500℃以上、好ましくは600℃以上、より好ましくは800℃以上、また、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下である。温度が低すぎると、結晶性の良い本発明の正極活物質を得るために長時間の焼成時間を要する傾向にある。反面、温度が高すぎると本発明の正極活物質が激しく焼結して焼成後の粉砕・解砕歩留まりが低下し、工業的に不利となるおそれがある。また、本発明の正極活物質に酸素欠損等の欠陥が多く生成し、本発明の正極活物質を使用したリチウム二次電池の電池容量の低下や、充放電による結晶構造の崩壊による劣化を招くおそれがある。
さらに、最高温度保持工程での保持時間は、通常1時間以上100時間以下の広い範囲から選択される。また、焼成時間が短すぎると結晶性の良い本発明の正極活物質が得られにくい。
また、降温工程では、通常0.1℃/分〜10℃/分の降温速度で降温を行なう。あまり遅すぎても時間がかかって工業的に不利になるおそれがあり、また、あまり速すぎても目的物の均一性に欠ける場合や、容器の劣化を早める傾向にある。
さらに、焼成雰囲気としては、空気、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の各種が使用できるが、焼成雰囲気によってタップ密度などの粉体特性が変化するので、空気などの酸素濃度が10体積%〜80体積%である雰囲気が好ましい。酸素濃度が高すぎると、得られるリチウム遷移金属複合酸化物の嵩密度が低下するおそれがある。
焼成により得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、適宜解砕および/または分級に処せられる。分級手法は特に限定されないが、タッピングボールによりメッシュを通す振動分級を行うと、二次粒子の形態が崩れ、粒度分布や細孔分布などに大きな変化を生じさせることがある。よって、メッシュに叩きつける力ではない分級方法、例えばメッシュ上の焼成粉体をメッシュに押し付けて通す方法、回転翼の遠心力により円筒型メッシュを通す方法などがより好ましいと考えられる。
[2−4.その他の工程]
また、上記の本発明のリチウム遷移金属酸化物の製造方法においては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した混合(粉砕を含む)、噴霧乾燥および焼成以外の工程を備えていても良い。
例えば、得られた本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、正極活物質としてそのまま用いてもよいが、表面処理を施してから用いるようにしてもよい。表面処理の方法に制限
は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の表面処理を行なうことができる。表面処理の目的と効果はいろいろあるが、例えば、正極活物質表面の反応活性点が低減し、マンガン等の金属元素溶出を抑制することができる。この目的で用いられる手法としては、例えばリチウム遷移金属複合酸化物をシランカップリング剤などの有機ケイ素化合物で表面処理する方法(例えば特開2002−83596号公報参照)等が挙げられる。また、正極として用いた場合の導電性を向上させるため、例えば炭素材を機械的に複合化被覆処理する方法(例えば特開2003−137554号公報参照)等が挙げられる。
[3.リチウム二次電池用正極]
上述した本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、正極活物質として本発明のリチウム二次電池用正極(以下適宜、「本発明の正極」という)に用いられる。
本発明のリチウム二次電池用正極は、集電体(正極集電体)と、集電体上に形成された活物質層(正極活物質層)とを備える。また、適宜、本発明の効果を著しく損なわない限り、その他の層や部材を備えていても良い。
[3−1.正極集電体]
正極集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、ステンレス等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウムが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
さらに、集電体と表面に形成された活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面は予め粗面化処理しておくことが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
また、集電体の形状も任意である。例えば、本発明の正極を用いたリチウム二次電池の重量を低減させる、即ち重量当たりのエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に活物質層を形成させた場合、この穴を通しての活物質層のリベット効果により活物質層の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、活物質層と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなるおそれがある。
さらに、正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。厚すぎると、本発明の正極を用いたリチウム二次電池全体の容量が低下するおそれがあり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になるおそれがある。
[3−2.正極活物質層]
本発明の正極の正極活物質層は、本発明の正極活物質を含有して構成された層であり、本発明の正極活物質を含有する限り、公知の任意の構成とすることができる。なお、この正極活物質層に含有させる本発明の正極活物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
また、本発明の正極の正極活物質層は、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の正極活物質以外の任意の正極活物質を併用することができる。併用する正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであればその種類に制限はないが、例えば、Fe、Co、Ni、Mnなどの遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物、遷移金属の硫化物などが挙げられる。また、上記の併用する正極活物質も、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。ただし、本発明の正極の正極活物質層中においては、本発明の正極活物質の割合が多いことが好ましい。
さらに、正極活物質層には、通常、バインダーが含有される。このバインダーは、正極活物質を結着させて集電体上に保持するためのものである。
バインダーは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等を考慮して選択するのが好ましい。具体例としては、シリケート、水ガラスのような無機化合物や、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等の有機化合物などを挙げることができる。なお、バインダーは1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
また、正極活物質層には、各種の助剤等を含有させても良い。助剤等の例としては、電極の導電性を高める導電剤などが挙げられる。導電剤は、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック等の炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。なお、これらの助剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
正極活物質層中の正極活物質の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上であり、また、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。正極活物質が多すぎると本発明の正極の強度が不足する傾向があり、少なすぎると本発明の正極を用いたリチウム二次電池の容量の面で不十分となるおそれがある。
また、正極活物質層にバインダーを含有させる場合、正極活物質層中のバインダーの割合も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、また、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。正極活物質が多すぎると本発明の正極を用いたリチウム二次電池の容量の面で不十分となるおそれがあり、少なすぎると本発明の正極の強度が不十分となるおそれがある。
さらに、正極活物質層に導電剤を含有させる場合、正極活物質層中の導電剤の割合も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、また、通常50重量%以下、好ましくは10重量%以下である。導電剤が多すぎると本発明の正極を用いたリチウム二次電池の容量の面で不十分となるおそれがあり、少なすぎると本発明の正極を用いたリチウム二次電池の電気導電性が不十分となるおそれがある。
また、本発明の正極の正極活物質層の厚さは本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。正極活物質層が薄すぎると正極活物質層の均一性が確保しにくくなるだけでなく、本発明の正極を用いたリチウム二次電池の容量が小さくことがある。一方、厚すぎると本発明の正極を用いたリチウム二次電池のレート特性が低下するおそれがある。
さらに、本発明の正極の製造方法に制限は無く、集電体上に上述した正極活物質層を形成することができれば公知の任意の方法を用いることができる。例を挙げると、正極活物質層の上記構成成分をシート状に成形し、これを集電体に圧着する方法;上記構成成分を含有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布、乾燥する方法などが挙げられる。ま
た、塗布、乾燥により得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を高めるために、ローラープレス等により圧密するのが好ましい。
塗布、乾燥により正極活物質層を形成する場合、塗布するスラリーを調製するための溶媒としては、上記正極活物質層の構成成分を溶解又は分散させることが可能なものを任意に用いることができる。具体例を挙げると、水系溶媒と有機系溶媒とのどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水等が挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
[4.リチウム二次電池]
本発明の正極は、本発明のリチウム二次電池に好適に用いられる。
本発明のリチウム二次電池は、本発明の正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、リチウム塩を含む電解質とを備えて構成される。また、適宜、例えばセパレータ等のその他の部材を備えていても良い。
[4−1.正極]
本発明のリチウム二次電池の正極としては、上述した本発明の正極を用いる。
[4−2.負極]
負極としては、リチウムを吸蔵および放出可能な公知の負極を任意に用いることができる。例えば、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金などの金属箔などを用いることもできるが、通常、正極の場合と同様に、集電体(負極集電体)上に活物質層(負極活物質層)を設けた負極を用いることが好ましい。また、正極と同様に、負極も本発明の効果を著しく損なわない限り、その他の層や部材を備えていても良い。
[4−2−1.負極集電体]
負極集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。中でも、負極の集電体としては銅が好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
また、負極の集電体も、正極の集電体と同様に、予め粗面化処理しておくのが好ましい。
さらに、正極同様、集電体の形状も任意であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。また、集電体として薄膜を使用する場合の好ましい厚さも、正極の場合と同様である。
[4−2−2.負極活物質層]
負極活物質層は、負極活物質を含有して構成された層である。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料であれば他に制限は無く、公知の負極活物質を任意に用いることができる。ただし、通常は、負極活物質として炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料の例としては、天然黒鉛、熱分解炭素等が挙げられる。なお、負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
負極活物質層は、通常は正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、バインダーと、必要に応じて各種の助剤等とを含有する。バインダーや助剤の具体例としては、正極活物質層と同様のものが挙げられる。また、その製造方法も、正極活物質層と同様である。
[4−3.電解液]
電解質としては、リチウム塩を含む電解質であれば他に制限は無く、公知の電解質を任意に用いることができる。例えば、電解液、固体電解質、ゲル状電解質などが挙げられるが、中でも電解液が好ましく、特に非水電解液がより好ましい。
非水電解液としては、各種の電解塩を非水系溶媒に溶解したものが挙げられる。電解塩としては、例えば、LiCiO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiBr、LiCFSO等のリチウム塩などが挙げられる。また、非水系溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。なお、これらの電解塩や非水系溶媒はそれぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
[4−4.セパレータ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。セパレータの材質や形状は特に制限されず本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、上述の非水系電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。
セパレータとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子からなる微多孔性高分子フィルム、ガラス繊維等の不繊布フィルター、ガラス繊維と高分子繊維との複合不繊布フィルターなどを挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
実施例1
LiCO、Ni(OH)、Mn、CoOOH、WOをLi:Ni:Mn:Co=1.05:0.33:0.33:0.33:0.005(モル比)となるように混合し、これに純水を加え、固形分濃度18重量%のスラリーを調製した。循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒子径が0.3μmになるまで粉砕した後、二流体ノズル型スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥を行い、平均粒径約6μmの粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物前駆体を得た。
上述のようにして得られた粉体約10gを直径約5cmのアルミナ製るつぼに仕込み、空気や窒素を流通させながら焼成することのできる雰囲気焼成炉に入れて1L/minの流量の空気を流通させながら、昇温速度3.3℃/分で最高温度1000℃まで昇温させ、1000℃で6時間保持した後、降温速度3.3℃/分で降温させて、ほぼ仕込みのモル比組成のリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
このリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、粉末X線回折パターンにより層状構造の単相であることが確認された。なお、粉末X線回折パターンは以下の装置・条件により行った。
〔粉末X線回折測定装置〕 PANalytical PW1700
〔測定条件〕X線出力:40kV、30mA、走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):10.0−90.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°、走査速度:3.0°/min.
スリット:DS 1°、SS 1°、RS 0.2mm
また、メジアン径は5.2μmであった。メジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分
布測定装置によって、複素屈折率として実数部1.60、虚数部0.10を設定し、分散媒として、0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物約5gを10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、200回タップした後の粉体充填密度(タップ密度)を測定した結果、1.1g/cmであった。
また、この複合酸化物のBET比表面積を大倉理研製「AMS8000型全自動粉体比表面積測定装置」を用いて測定した結果、1.8m2/gであった。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物について、水銀圧入法による細孔分布曲線を求めた結果、メインピークトップは1.2μm、サブピークトップは0.5μmであった。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いてリチウム二次電池を作製し、評価を行った。結果を表−1に示す。
比較例1
LiOH、NiO、Mn、CoOOHをLi:Ni:Mn:Co=0.05:0.33:0.33:0.33(モル比)となるように混合し、これに純水を加え、固形分濃度18重量%のスラリーを調製した。循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒子径が0.3μmになるまで粉砕した後、二流体ノズル型スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥を行い、平均粒径約6μmの粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物前駆体を得た。得られた前駆体に対して、メジアン径約3μmのLiOHをLi:(Ni+Mn+Co)=1:1となるように混合し、実施例1と同様にして焼成し、リチウム遷移金属複合酸化物を得た。平均粒径は5.5μm、タップ密度は1.6g/cm、比表面積は0.9m/gであった。また、水銀圧入法による細孔分布曲線を求めた結果、メインピークトップは1.2μm、サブピークトップは0.2μmであった。
比較例2
実施例1と同様の組成物を共沈法により合成した。Ni(NO・6HO、Mn(NO・6HO、Co(NO・6HOをNi:Mn:Co=0.33:0.33:0.33(モル比)となるように秤量し、純水を加えて2mol/lの溶液を作製した。これに5.4mol/lのNaOH水溶液を徐々に加え、Ni、Mn、Coがほぼ仕込みのモル比組成の共沈水酸化物を得た。得られた共沈水酸化物を十分に洗浄・乾燥し、メジアン径約3μmのLiOHとWOをLi:Ni:Mn:Co:W=1.05:0.33:0.33:0.33:0.005(モル比)となるように混合し、実施例1と同様にして焼成し、リチウム遷移金属複合酸化物を得た。平均粒径は6.5μm、タップ密度は2.3g/cm、比表面積は0.7m/gであった。また、水銀圧入法による細孔分布曲線を求めた結果、メインピークトップは1.2μm、サブピークはなかった。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いてリチウム二次電池を作製し、以下の容量で評価を行った。
<電池評価試験例>
A.正極の作製と容量確認およびレート試験
実施例1および比較例1〜6で得られたリチウム遷移金属複合酸化物を75重量%、アセチレンブラック20重量%、ポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量%の割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφ、12mmφのポンチを用いて打ち抜いた。この際、全体重量は各々約8mg、約18mgになるように調整した。これをAlのエキスパンドメタルに圧着して正極とした。
9mmφに打ち抜いた前記正極を試験極とし、Li金属を対極としてコインセルを組ん
だ。これに、0.2mA/cmの定電流充電、即ち正極からリチウムイオンを放出させる反応を上限4.2Vで行い、ついで0.2mA/cmの定電流放電、即ち正極にリチウムイオンを吸蔵させる反応を下限3.0Vで行った際の正極活物質単位重量当たりの初期充電容量をQs(C)[mAh/g]、初期放電容量をQs(D)[mAh/g]、ついで電流値を上げていき、11mA/cmの定電流放電容量をQs11(D)[mAh/g]とし、その数値を比較した。
B.負極の作製と容量確認
負極活物質としての平均粒径約8〜10μmの黒鉛粉末(d002=3.35Å)と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンとを重量比で92.5:7.5の割合で秤量し、これをN−メチルピロリドン溶液中で混合し、負極合剤スラリーとした。このスラリーを20μmの厚さの銅箔の片面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させた後、12mmφに打ち抜き、0.5ton/cm2でプレス処理をしたものを負極とした。
なお、この負極を試験極とし、Li金属を対極として電池セルを組み、0.5mA/cm2の定電流で負極にLiイオンを吸蔵させる試験を下限0Vで行った際の負極活物質単
位重量当たりの初期吸蔵容量をQf[mAh/g]とした。
C.コインセルの組立
コイン型セルを使用して、電池性能を評価した。即ち、正極缶の上に正極を置き、その上にセパレータとして厚さ25μmの多孔性ポリエチレンフィルムを置き、ポリプロピレン製ガスケットで押さえた後、負極を置き、厚み調整用のスペーサーを置いた後、非水電解液溶液として、1mol/Lの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させたエ
チレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積分率3:7の混合溶媒を電解液として用い、これを電池内に加えて十分しみ込ませた後、負極缶をのせ電池を封口した。なおこの時、正極活物質の重量と負極活物質重量のバランスは、ほぼ
(数2)
正極活物質重量[g]/負極活物質重量[g]=(Qf[mAh/g]/1.2)/Qs(C)[mAh/g]
となるように設定した。
D.室温抵抗測定
得られたコインセルについて、下記数式3で表されるコンディショニング電流値I [mA]={Qs(D)[mAh/g]}×正極活物質重量M[g]/5で充電上限電圧4.1V
、放電下限電圧3.0Vとして、充放電2サイクルの初期コンディショニングを行い、その際の2サイクル目における正極活物質単位重量当たりの放電容量Qs(D)[mAh
/g]を測定した。
引き続いて、−30℃の低温雰囲気下で電池を十分緩和した後、1時間率電流値、1C[mA]=Qs(D)[mAh/g]×正極活物質重量M[g]として、定電流1/3C[m
A]で充電深度40%に調整し、次いで定電流0.25Cで10秒間放電を行った。この
ときの放電10秒後の電圧をV[mV]とし、放電前の電圧をV[mV]として、その差ΔV[mV]=V[mV]−V[mV]を算出し、放電電流0.25C[mA]を用いて抵抗R[
Ω]=ΔV[mV]/0.25C[mA]として算出した。この抵抗R[Ω]が小さい程、低温
における出力特性に優れ、急速放電に有利である等の効果が得られる。
表−1に、前記実施例1および比較例1〜2で得られたリチウム遷移金属複合酸化物の対極Liの0.2mA/cm充放電容量、11mA/cm放電容量、低温抵抗値、メインピークトップおよびサブピークトップをそれぞれ示す。
表−1より、実施例で得られたリチウム遷移金属複合酸化物は抵抗値Rが低く、良好な低温出力特性を示す。それに対して、比較例1で得られたリチウム遷移金属複合酸化物は
、サブピークが0.08μm以上1μm以下にありながら、タングステンを含有しないことにより、抵抗値Rが高く、低温出力特性が良くないことがわかる。また比較例2で得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、サブピークを有さない、即ち二次粒子内部に細孔を有さないモルフォロジーであるため、リチウムイオンの拡散に不利であり、そのためレート特性が悪く、抵抗値Rも実施例1ほど良好ではない。よって、二次粒子内部に十分な細孔を有し、かつタングステンを含有することが、電池特性に優れたリチウム遷移金属複合酸化物を得るために重要な点であり、従来成し得なかった技術である。
Figure 2008243448

Claims (7)

  1. 一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物において、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物。(化1)
    LiNiαMnβCoγδ (1)
    (式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
  2. 比表面積が0.1m/g以上8m/g以下である、請求項1に記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
  3. タップ密度が0.8g/cm以上3.0g/cm以下である、請求項1または2に記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
  4. リチウム遷移金属複合酸化物を構成する粒子のメジアン径が1μm以上20μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のリチウム遷移金属複合酸化物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のリチウム遷移金属複合酸化物を含有する、リチウム二次電池用正極。
  6. 請求項5に記載のリチウム二次電池用正極、負極および電解質からなることを特徴とするリチウム二次電池。
  7. 原料化合物を液体媒体中で湿式粉砕混合し、次いで噴霧乾燥、焼成することを特徴とするリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法であって、リチウム遷移金属複合酸化物が、一次粒子および/またはそれらが凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物において、下記一般式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であって、水銀圧入法により求められる該二次粒子の細孔分布曲線において、細孔半径1μmより大きく50μm以下にメインピークトップを有し、かつ、細孔半径0.08μm以上1μm以下にサブピークトップを有することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
    (化2)
    LiNiαMnβCoγδ (1)
    (式中、QはAl、Fe、Ga、Sn、V、Cr、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、B、Bi、Nb、Ta、Mo、Zr、CaおよびMoから選ばれる少なくとも一種の元素を表す。0.2≦α≦0.6、0.2≦β≦0.6、0≦γ≦0.5、0≦δ≦0.1、0.8≦α+β+γ+δ≦1.2、0<x≦1.2、0<Y≦0.1の関係を満たす数を示す。)
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