JP2008242277A - カラーフィルタ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェットノズルを使用して、開口率の高い高品質のカラーフィルタを得る。
【解決手段】 遮光層と撥液層からなる積層型遮光部と乾燥抑制溶剤を含有する着色剤により、複雑な形状の開口領域に白抜けすることなく着色剤を充填する。
【選択図】 なし
【解決手段】 遮光層と撥液層からなる積層型遮光部と乾燥抑制溶剤を含有する着色剤により、複雑な形状の開口領域に白抜けすることなく着色剤を充填する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、遮光部と、該遮光部により区画された開口領域を有する透明基板に対して、複数の吐出ノズルを有するインクジェットヘッドによって着色剤を供給し、前記開口領域を前記着色剤で充填するカラーフィルタ製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、カラー液晶ディスプレイの需要が増加し、ディスプレイの大きさも大型化してきている。
従来から提供されているカラーフィルタ製造方法としては、フォトリソグラフィーを主体とする製造プロセスを利用する方法が主として使用されていた。
しかし、近年は、コスト低減、環境への配慮が強く望まれるようになってきたことに配慮して、複数の吐出ノズルを有するインクジェットヘッドを用いるカラーフィルタ製造方法が注目されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
インクジェットヘッドを用いるカラーフィルタ製造方法でカラーフィルタを製造すれば、レジスト、着色剤の量を削減できるという利点を享受できるとともに、現像等の薬剤処理を不要にできるという利点を享受できる。
たとえば、特許文献1に記載されたカラーフィルタ製造方法では、基板上にその上面が撥インク性を有する凸部を形成し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹き付けて凹部にインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルタの製造方法において、凹部を親インク処理剤により表面処理した基板を用いるようにしている。
特許文献2に記載されたカラーフィルタ製造方法では、基材上に凸部を形成し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹き付けて凹部にインクを堆積させて着色層を形成するカラーフィルタの製造方法において、凸部を形成後、エネルギー線を照射することにより凹部の親インク性を制御し、その後インクジェット方式によりインクを吹き付けるようにしている。
特許文献3に記載されたカラーフィルタ製造方法では、支持基板上に複数の画素と隣接する画素間に位置する樹脂組成物からなる隔壁とを少なくとも有する光学素子の製造方法であって、支持基板上に、該基板の法線方向の断面が逆テーパー形状の隔壁を形成する工程と、上記隔壁表面にフッ素化処理を施す工程と、インクジェット方式により上記隔壁で囲まれた領域にインクを付与して画素を形成する工程とを有するようにしている。
特開平9−203803号公報
特開平9−230129号公報
特開2002−62422号公報
インクジェットヘッドを用いるカラーフィルタ製造方法でカラーフィルタを製造する場合には、開口領域内に着色剤を着弾させ、それを開口領域内に濡れ拡がらせることが必要であるが、多くの場合、着色剤は十分に濡れ拡がることなく、この結果、開口領域内に着色剤の存在しない部分、すなわち、白抜けが発生する。
そのような白抜けが発生したカラーフィルタを用いたパーソナルコンピュータ、カラー液晶ディスプレイでは、ドット抜けの発生、色むらの発生、色彩性の低下、色コントラストの低下などの不都合が生じ、最悪の場合には、カラーフィルタが不良品になってしまう。これらの不都合が生じる原因は、主として、着色剤が濡れ拡がる前に乾いてしまうこと、透明基板上の開口領域の濡れ性が悪いこと、または開口領域の一部分の濡れ性が悪いことであり、従来は、紫外線、プラズマ等を用いる物理的表面改質洗浄装置等により被着色物である透明基板を洗浄あるいは処理することで、着色剤の濡れ性を向上させ、白抜けを抑制するようにしていた。
さらに説明する。
特許文献1に記載されたカラーフィルタ製造方法では、凸部により区切られた凹部という極めて微小な区域に対して「親インク処理剤による表面処理」を行うことが必須であり、撥インク性を有する凸部に「親インク処理剤」を付着させることなく前記表面処理を実施するためには、格段の注意を必要とし、非常に手間がかかるので、実用的でないという問題がある。
特許文献2に記載されたカラーフィルタ製造方法では、エネルギー線の照射のために光源と、エネルギー線を対象物全体に照射するための空間と、光源と照射対象物との間の遮蔽物のない装置環境とが必要であり、一般的な門型の移動台に設置されるインクジェット塗布装置との干渉等を考慮すると、カラーフィルタ製造装置の大型化、または塗布装置とエネルギー線照射装置の別体化による設置面積の巨大化等の問題がある。
特許文献3に記載されたカラーフィルタ製造方法では、基板の法線方向の断面が逆テーパー状の隔壁を形成するに当って、ネガ型の感光剤を適正露光より少なめに露光して逆テーパー形状を形成し、または積層パターニングした順テーパーの反転形状転写により逆テーパー形状を形成するという、非常に不安定な、または複雑な工程を採用しなければならず、実用的でないという問題がある。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されたような工夫を行ったとしても、白抜けは完全に解消される訳ではなく、白抜けの発生を防止するために、開口領域の形状を単純化することが行われていた。
一方、カラー液晶ディスプレイにおいては、バックライトからの光の利用効率を高めるためにさまざまな工夫が行われており、その一つとして、開口領域の面積(開口率)を大きくすることが行われている。しかしながら、カラー液晶ディスプレイにおいては、個々の開口領域に少なくとも1個以上の液晶駆動用の半導体や、それを電気的に接続する導体の存在が不可避であり、それらの部位を表示領域から隠し、かつ、開口率を大きくするためには、開口領域の形状が複雑にならざるを得ない。従来、そのような複雑な形状にならざるを得ない開口領域には、インクジェットヘッドでは着色剤を完全に充填することは困難であった。
本発明は、これらの問題点を鑑みてなされたものであり、開口領域の形状が複雑な場合でも、インクジェット法により、白抜けを発生させることなく着色剤を開口領域内に充填できるカラーフィルタ製造方法を提供することを目的としている。
本発明のカラーフィルタ製造方法は、遮光部と、該遮光部により区画された開口領域を有し、該開口領域の長辺と平行な方向の最大幅A1、短辺と平行な方向の最大幅A2、外周部の長さLが式(1)を満たす透明基板に対して、複数の吐出ノズルを有するインクジェットヘッドによって、少なくとも1種の乾燥抑制溶剤を含む該着色剤を供給し、該開口領域を着色剤で充填することを特徴とするものである。
2.02(A1+A2) < L < 2.48(A1+A2) (1)
なお、前記遮光部が、親液性の遮光層および該遮光層の上部に形成された撥液層からなる積層構造を有していることが好ましい。
また、前記乾燥抑制溶剤が、20℃において2〜200Paの飽和蒸気圧を有するものであり、前記着色剤中の前記乾燥抑制溶剤の含有量が50〜88重量%であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタ製造方法によって、近年のカラー液晶ディスプレイの高精細化、大型化に必須の要件である半導体素子(TFT)や電気的接続のための導体の存在により開口領域が複雑な形状を足らざるを得ない技術的な制約条件の中で、インクジェットヘッドを用いて、その複雑な開口領域形状をもつカラーフィルタを白抜けなく製造することができる。それにより、高品位な表示機能を与えるカラーフィルタを効率よく、かつ、信頼性高く製造することが可能となる。
本発明において、開口率を高めるために行なわれる開口領域の形状の複雑化は式(1)のように定義される。開口領域の外周部の長さLは、もっとも単純な形状では、開口領域の長辺方向の最大幅A1と短辺方向の最大幅A2を足したものの2倍となる。しかしながら、近年のカラー液晶ディスプレイの高精細化、大型化に必須の要件である半導体素子(TFT)や電気的接続のための導体の存在の中で、開口領域をできる限り大きくするために、遮光部に突起を作ったり、遮光部に切り込みを入れたりすることが必要となる。そのため、Lは、A1とA2を足したものの、2.02倍より大きく、2.48倍より小さくなければならない。Lが、2.02倍以下の場合には、開口率を向上する効果がなく、また、Lが2.48倍以上の場合には、形状が複雑となりすぎて、白抜けが発生しやすくなる。なお、開口領域が遮光部によって分断されているような場合でも、A1、A2は分断領域は無いものとして計れば良い。
本発明では、このような複雑形状の開口領域をもつカラーフィルタをインクジェットヘッドを用いるカラーフィルタ製造方法で実現するためには、次の2つの手段が好ましいことを見出した。
一つ目は、遮光部を親液性の遮光層と該遮光層の上部に形成された撥液層からなる積層構造とすることである。このような構成とすることにより、開口領域内に着弾した着色剤は親液性の遮光層に吸い寄せられて白抜けの発生を防止するとともに、遮光層の上にある撥液層により隣の開口領域への着色剤の溢れを防止できるのである。
二つ目は、着色剤が少なくとも1種類の乾燥抑制溶剤を含むことである。着色剤が乾燥抑制溶剤を含んでいると、インクジェットヘッドの詰まり、着色剤の飛行軌跡の曲がりの発生を防止する、または低減することができるとともに、所望の開口領域に狙い通り着弾させると共に、乾燥する前に濡れ拡がることにより、白抜けを生じさせることなく着色剤を充填することができるという利点を達成することができる。ここで、乾燥抑制溶剤は、20℃において2〜200Paの飽和蒸気圧を有するものであり、着色剤が、乾燥抑制溶剤を50〜88重量%含むものであることが好ましく、また、乾燥抑制溶剤が、20℃において2〜50Paの飽和蒸気圧を有するものであり、着色剤が、乾燥抑制溶剤を50〜88重量%含むものであることがより好ましい。
以下、遮光部、着色剤の構成要素について詳しく説明する。
遮光部の下層となる遮光層は、金属層または黒色樹脂層であるが、黒色樹脂層が好ましい。
金属層としては、Cr等の金属を真空蒸着またはスパッタリングして形成された金属薄膜などが一般的である。
黒色樹脂層としては、樹脂中に黒色着色材料を分散し、または樹脂自身を染料により染色した薄膜が使用できる。着色剤は、使用する有機溶剤および水に不溶であり遮光剤としての役割を果たすものが使用される。例えば、有機顔料としてピグメントブラック7あるいはカーボンブラックの他、黒鉛、酸化鉄、酸化マンガン、チタンブラックなどの無機顔料あるいは金属酸化物を遮光剤として使用することができる。これら遮光剤は必要に応じて混合して用いることもでき、さらに他の色の顔料を添加することもできるが、遮光性と分散性の観点から、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックには、樹脂処理、酸性処理、塩基性処理などの表面処理を行うこともできる。
黒色樹脂層中に含まれる樹脂としては特に限定されないが、好ましくは200℃以上でも軟化することのないアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、および耐熱性樹脂として知られるポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などが適している。アクリル樹脂としては、例えば主たる樹脂成分としてポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピラン樹脂、シリコーン樹脂等の低分子量ポリマーまたはオリゴマーにアクリル酸、メタクリル酸またはそのエステル基を導入したいわゆるプレポリマーに、架橋剤として単分子中に2つ以上アクリル酸基、メタクリル酸基またはそのエステル基を有する多官能反応物を添加する系等があげられる。この場合、必要に応じて反応開始剤として熱または光によってラジカルを発生するラジカル発生剤を添加することは有効である。メラミン樹脂としてはフェノール樹脂、アルキッド樹脂等OH基を有するポリマーに架橋剤としてメチロール化メラミンを添加し、また、開始剤として光または熱による酸発生剤を加えた系も有効である。
黒色樹脂層を形成するには、該黒色樹脂層を形成すべき組成物に感光性を付与してフォトリソグラフィーの方法によってパターン化してもよいし、感光性を付与せずフォトレジスト法によってパターン化しても良い。
遮光層の厚さは、1.3〜2.5μmであることが好ましく、塗布性、パターン解像度、光学濃度(OD値)などから最適値を決めることができる。OD値は2〜5の範囲で可能であるが、光漏れを防ぐためには2.5以上が好ましい。
遮光層は、親液性であることが好ましい。ここで言う親液性とは、画素形成に用いられるカラー材料としての着色剤に対する接触角で表され、遮光層に対する接触角は、好ましくは30度以下、より好ましくは15度以下である。遮光層を親液性にするためには、フッ素やシリコンなどの低表面エネルギーの物質をできるだけ少なくすることが好ましく、遮光層の塗膜中におけるフッ素原子の含有量は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは10ppm以下であり、ケイ素原子の含有量は、好ましくは200ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。
遮光部の上層となる撥液層には、光硬化型あるいは光可溶化型の感光剤(樹脂成分)に撥液性成分を混合したものが使用できる。
光硬化型の感光剤を使用する場合、いわゆるネガ型レジストとなり、感光剤としては、架橋点を形成できるポリマーまたはオリゴマーを主成分に選び、これに架橋剤を添加することが好ましい。必要な場合には反応開始剤を添加することが有効である。
具体的には、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性の高分子に、重クロム酸アンモニウムまたはビスアジド系の架橋剤を添加する系、または環化ゴム、ビニルフェノール等の芳香族ポリマーに同じくビスアジド系の架橋剤を添加する系が挙げられる。また、ラジカル重合で反応させる系としては、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピラン樹脂、シリコーン樹脂等の低分子量ポリマーまたはオリゴマーに、アクリル酸、メタクリル酸またはそのエステル基を導入したプレポリマーに、架橋剤として多官能アクリレート、メタクレートを添加する系が挙げられる。この場合、必要に応じて反応開始剤として光ラジカル発生剤を添加しても良い。また、エポキシ樹脂に光カチオン発生剤を添加する系、フェノールノボラックやOH基を有するポリマーに架橋剤としてメチロール化メラミンを添加し、また、開始剤として光酸発生剤を加える系も有効である。光硬化型の感光剤として上記の材料が有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、一般に光硬化型の感光剤として知られる材料はいずれも当該感光層の主成分として用いることができる。
光可溶化型の感光剤を使用する場合、いわゆるポジ型レジストとなり、感光剤としては主成分となる高分子とその高分子の溶媒に対する溶解性を抑制する作用を有し、さらに光を照射することにより溶解抑制効果を消失する物質との混合物または両者の結合体を用いることができる。
例えば、o−ナフトキノンジアジドとアルカリ可溶性樹脂との混合物および両者をエステル結合したものは光可溶化型の感光剤として用いることができる。例えば、フェノール類としてフェノール、O−、m−、P−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、4−メチル−2−t−ブチルフェノール、2−ナフトール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン等の芳香族ヒドロキシ化合物、アルデヒド類としてホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアルデヒド等を用い、触媒として、有機酸例えば蟻酸、シュウ酸、P−トルエンスルホン酸、及びトリクロロ酢酸等、無機酸例えば燐酸、塩酸、硫酸、及び過塩素酸等、2価金属塩例えば酢酸亜鉛、及び酢酸マグネシウム等の存在下、バルクまたは任意の溶媒中で反応させ、フェノールノボラック樹脂を得ることができる。
また、キノンジアジド基含有化合物としては、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノンと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸との完全エステル化合物、あるいはその部分エステル化合物等を挙げることができる。
また、他のキノンジアジド基含有化合物例えばオルソベンゾキノンジアジド、オルソナフトキノンジアジド、オルソアントラキノンジアジド、及びオルソナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類等のこれら核置換誘導体、更には、オルソナフトキノンスルホニルクロリドと水酸基又はアミノ基を持つ化合物例えばフェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ナフトール、カルビノール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を−部残してエステル化又はエーテル化された没食子酸、アニリン、及びP−アミノジフェニルアミン等との反応生成物等も用いることができる。これらは単独で用いても良いし、また2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらのキノンジアジド基含有化合物は、例えば前記ポリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドとをジオキサン等の適当な溶媒中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリ存在下に縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより製造することができる。
この他、ジアゾメルドラム酸とフェノールノボラック樹脂の混合物、ジアゾメドンとポリビニルフェノールとの混合物、o−ニトロベンジルカルボン酸エステルとアクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との混合物、およびポリo−ニトロベンジルメタクリレート等を用いることができる。
撥液性成分としては、表面エネルギーの低い含フッ素化合物やシリコーン微粒子が好ましく使用される。
含フッ素化合物としては、フッ素原子を有する高分子化合物、親水基および/または親油基と含フッ素基の両方を有するモノマー(低分子化合物)あるいはオリゴマー等がある。フッ素原子を有する高分子化合物は、光透過性の樹脂層中に溶解状態または分子オーダーでの混合状態で含有されていても良いし、あるいは微粒子状の分散状態で含有されていても良い。
光透過性の樹脂層中に溶解状態または分子オーダーでの混合状態で含有されるものとしては、例えば、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレンの単独重合体、これらと四フッ化エチレンや他の溶媒可溶性モノマーとの共重合体等があげられる。このように溶解状態あるいは分子オーダーで含有されるものは、パターニング精度を向上する点では有利である。
一般にフッ素系界面活性剤として知られている材料も用いることができ、感光剤の種類により、親水基、または親油基の構造を選択することで感光剤との混合状態を良好にすることができる。フッ素系界面活性剤の含フッ素基としては、CnF(2n+1)(n=1〜50)のパーフルオロアルキル基、また、この中の1つまたは複数のフッ素原子をCnF(2n+1)鎖で置換した枝別れタイプ、さらに芳香環の水素原子の一部または全部をFまたはCnF(2n+1)で置換したタイプ、および4フッ化エチレンのフッ素原子をCF3で置換したタイプを用いることができる。パーフルオロアルキル基の場合、その炭素鎖長に制限はないが、好ましくはn<20、より好ましくは3<n<15が効果的である。芳香環タイプとしては、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、パーフルオロベンゼン、フルオロフェノール、およびその誘導体を用いることができる。この様な含フッ素基は界面活性剤の中に単独もしくは複数個存在することができる。特に含フッ素成分として末端のCF3−を基本構造単位内に2つ以上含有するものはインキ反発性の点でCF3−が1つの構造に比べて非常に優れており、より好ましい。具体的には、モノマー内、またはオリゴマーが基本構成単位の繰り返しで構成されている場合には、基本構成単位内にCnF(2n+1)の直鎖状の側鎖を2つ以上含む構造はいずれも良好なインキ反発性を実現できる。
親水基としては、OH基、カルボン酸、スルホン酸、リン酸およびその塩、アンモニウム塩、エチレンオキシド、およびポリエチレンオキシド等が効果的である。親油基としては鎖状炭化水素、芳香環等疎水性を示す構造はすべて用いることができる。オリゴマーの場合、主鎖にこれらの含フッ素基、親水基、および親油基がペンダントされている構造がより効果的である。これらの中でも、含フッ素化合物は、含フッ素基と、親水基および/または親油基を有するモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。含フッ素基と、親水基および/または親油基を有するモノマーまたはオリゴマーは、一般式Rf−X−Rf´、または一般式(Rf−X−R)−Y−(Rf´−X´−Rf´)で表される化合物を含むことが好ましい。ここで、RfおよびRf´はフルオロアルキル基、RおよびR´はアルキレン基を表し、RfとRf´またRとR´は同一でも異なっていてもよい。また、X、X´、およびYは、−COO−、−OCOO−、−CONR´´−、−OCONR´´−、−SO2NR´´−、−SO2−、−SO2O−、−O−、−NR´´−、−S−、−CO−、−OSO2O−、−OPO(OH)O−のうちの何れかを表し、X、X´、およびYは同一でも異なっていてもよい。R´´は、アルキル基または水素を表す。
一方、シリコーン微粒子を撥液性成分として使用する場合としては、光透過性の樹脂層中に有機シリコーンをエマルジョン状態で分散した構造や、シリコーンゲル微粒子を光透過性の樹脂層中に分散した構造などが挙げられる。有機シリコーンとしては、鎖状のシロキサン構造、シロキサンが環状構造を形成した例えばシクロシロキサン構造等が挙げられる。シリコーンゲル微粒子の大きさとしては、撥液層の分解能の点で小さい方が好ましく、直径50μm以下、より好ましくは10μm以下である。また、シリコーンゲル微粒子を分散させる際に分散性を良好に保つために界面活性剤を用いることが有効である。添加する界面活性剤としては特に限定されないが、ケイ素を含有するシリコン系の界面活性剤が分散性の面でより有効である。また、感光剤中に有機シリコーンをエマルジョン状態で分散する場合にも界面活性剤の添加は分散安定性の向上にも有効である。
撥液層中の感光剤成分と撥液性成分の割合については、前者が多すぎるとインキ反発性が不充分となり、また後者が多すぎるとパターン解像度が劣化する。そのため、非遮光層中の撥液層成分は1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
撥液層の厚さは任意に設定することができ、中でも0.01〜3.0μmであることが好ましく、0.1μm〜0.5μmであることがより好ましい。
撥液層は、撥液性の性質を持つように形成する。ここで言う撥液性とは、画素形成に用いられるカラー材料としての着色剤に対する接触角で表され、好ましくは45度以上、より好ましくは60度以上であるが、インクを反発し、遮光部に囲まれた領域のみにカラー材料を形成させる効果を持つものであれば、特に限定されない。撥液層を撥液性にするためには、上記のようにフッ素やシリコンなどの低表面エネルギーの物質を含むことが好ましく、撥液層の塗膜中、特に撥液層塗膜の表面から0.1μmの範囲内におけるフッ素原子の含有量は、好ましくは500ppm以上、より好ましくは5000ppm以上である。フッ素含有量がこの範囲に入らない場合は、ケイ素原子の含有量が、好ましくは1000ppm以上、より好ましくは10000ppm以上含まれることが好ましい。なお、撥液層塗膜の表面から0.1μmより内部の部分においては、フッ素原子やケイ素原子は上記範囲でなくても良く、このように、表面近傍に低表面エネルギー成分を偏在させることで撥液性の効果を高くすることができる。
着色剤は、樹脂、乾燥抑制溶剤、色素、必要に応じて他の溶剤や硬化剤、分散剤や、その他の添加剤等が混合されたものであり、遮光部で囲まれた開口領域に噴射された後、乾燥、加熱もしくは紫外線等のエネルギー線を照射することによって硬化させ、カラーフィルタの画素とすることができる。ここで、樹脂としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が例示できるが、これらに限定されない。
これらの中でもポリイミド樹脂は好ましく、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸の状態であっても良いし、骨格にヒドロキシル基やスルホニル基等の極性基を導入することにより溶剤への溶解性を向上させた可溶性ポリイミドを用いても良い。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応により得ることができ、脂肪族系または脂環式系、芳香族系、フッ素含有のもの等、任意のものを用いることができる。また、ジアミンの一部として、シロキサンジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン等が挙げられる。
また、アクリル樹脂も好ましく用いられ、特に限定はないが、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、あるいは酸無水物等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、他の共重合可能なエチレン性不飽和化合物と組み合わせて用いても良い。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレン等の脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーン等のマクロモノマー等が挙げられるが、これらに限定されない。
そして、耐熱性を有している樹脂であることが好ましい。また、可視領域で透明性が高い樹脂であることが必要である。
そして、耐熱性を有している樹脂であることが好ましい。また、可視領域で透明性が高い樹脂であることが必要である。
色素は、染料、顔料系のものの何れであってもよいが、耐熱性を考慮すれば顔料系のものであることが好ましく、有機顔料系のものであることが一層好ましい。着色剤に使用できる代表的な有機顔料をカラーインデックスナンバーで表すと、赤色顔料としては、ピグメントレッド9、97、122、123、144、149、166、168、177、190、192、209、215、216、224、254等が例示でき、緑色顔料としては、ピグメントグリーン7、10、36、47等が例示でき、青色顔料としては、ピグメントブルー15:3、15:4、15:6、21、22、60、64等が例示できる。そして、顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理等の表面処理が施されていてもよい。
溶剤としては、乾燥抑制溶剤が好ましい。ここでいう乾燥抑制溶剤とは、ヘッドの詰まりを防止し、かつ着色剤が基板上に着弾した時に乾燥するよりも早く濡れ拡がる効果を有するものである。ヘッドの詰まりについては、着色剤を間欠的に、例えば5秒間の吐出停止の後に吐出可能かどうかで判断できる。また、着色剤が基板上に着弾した時にも乾燥していないことは、着弾後の基板を加熱乾燥することなく、綿棒のようなもので拭き取ってやり、綿棒に着色剤が付着していることで確認できる。
このような乾燥抑制溶剤としては、20℃での飽和蒸気圧が、2〜200Paの範囲内であるものが好ましく、2〜50Paの範囲内であるものがより好ましい。飽和蒸気圧が2Pa未満であれば、予備乾燥時間が長くなり、基板を搬送できるまでに長時間を要し、タクトタイムが遅くなるという問題があり、飽和蒸気圧が200Paを越えれば、着色剤の画素内における濡れ広がり速度よりも乾燥速度が早くなり白抜けが発生しやすく、またヘッドの詰まりの問題が発生するため好ましくない。これら乾燥抑制溶剤は着色剤全量に対して50〜88重量%含むことが好ましい。50重量%未満であれば、乾燥抑制溶剤の効果が小さくなり、白抜け、ヘッドの詰まりが発生しやすくなるため好ましくなく、88重量%よりも多ければ、色素や樹脂等の固形物の必要量を確保できなくなり、カラーフィルタとしての所望の色を得ることが困難になるからである。
このような乾燥抑制溶剤としては、例えば、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、N−メチルピロリドン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、マロン酸ジエチル、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ダイアセトンアルコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセタート等が挙げられる。これらの乾燥抑制溶剤の中でも、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、γ−ブチロラクトンが乾燥抑制効果および顔料分散性が良好な点から好ましく、さらにジプロピレングリコールn−ブチルエーテルがより好ましい。また、これら乾燥抑制溶剤を2種類以上混合することもでき、さらに乾燥抑制溶剤の効果のない、他の溶剤を含むこともできる。
他の有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の脂肪族エステル類、あるいは、エタノール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等の脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられるがこれらに限定されない。
何れの場合にも、20℃において2〜200Paの飽和蒸気圧を有するものであり、着色剤が乾燥抑制溶媒を50〜88重量%含むものであることが好ましく、また、2℃において2〜50Paの飽和蒸気圧を有するものであり、着色剤が、溶媒を50〜88重量%含むものであることがより好ましい。
着色剤の一例として、20℃において39Paの飽和蒸気圧を有するN−メチル−2ピロリドンを溶媒とし、顔料、樹脂、分散剤等の固形分を15重量%としたものを採用することが可能であり、この場合には、乾燥抑制溶媒を85重量%含むことになる。
また、N−メチル−2ピロリドンと、50Paの飽和蒸気圧を有する2−エトキシエチルエーテル、8Paの飽和蒸気圧を有するジプロピレングリコールn−ブチルエーテルとを混合したものを溶媒として採用してもよい。
また、乾燥抑制溶剤の添加は、インクジェットヘッドの複数の吐出ノズルが着色剤吐出動作を休止している間に着色剤が乾燥固化すること、固化した残渣物が堆積することに起因して吐出ノズルが詰まること、残渣物に起因して吐出される着色剤の方向が曲がること、着色剤の吐出量がばらつくこと、等の不都合を防止し、または低減することにも寄与する。
本発明のカラーフィルタは、例えば、以下のようにして作製されるが、これらに限定されるものではない。
まず、下層を遮光層、上層を撥液層とする遮光部の形成について述べる。遮光層の形成には黒色樹脂層を用い、該黒色樹脂層を形成すべき組成物に感光性を付与してフォトリソグラフィーの方法によってパターン化してもよいし、感光性を付与せずフォトレジスト法によってパターン化しても良い。
まず、遮光層に用いられる材料が感光性の場合について述べる。この場合、まず、遮光層のみをパターニングした後、しかるべき方法によって撥液層をパターニングすることによって、遮光層と撥液層が積層した遮光部を得ることができる。
遮光層は、感光性黒色樹脂組成物を用いてパターニングすることが好ましい。感光性黒色樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法等で基板に塗布する方法、基板を着色組成物中に浸漬する方法、着色組成物を基板に噴霧する等の種々の方法を用いることができる。
透明基板としては、特に限定されず、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラスや、プラスチックフィルム、シート等を用いることができる。また、透明基板上には、必要に応じて遮光層および画素と透明基板の接着性を向上する透明薄膜を塗布しておくことができる。接着性向上のための透明薄膜としては、シランカップリング剤等の接着助剤で基板表面を処理しておくと、着色膜と基板の接着力を向上させることができる。
上記により、基板上に黒色樹脂組成物を塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥等により溶剤を除去し、塗膜を形成する。この後、必要に応じて塗膜上に酸素遮断膜を設けても良い。続いて該塗膜上方にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。次いでアルカリ性現像液で現像を行う。ここで、現像液として非イオン系界面活性剤等の界面活性剤を0.01〜1質量%添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られるため好ましい。
アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類等が挙げられ、エタノール、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤を適宜加えても良い。
得られた遮光層の塗膜パターンは、その後、加熱処理することによってパターンニングされた遮光層となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中等で、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
次に、パターニングされた遮光層の上層に撥液層を形成させる。撥液層に用いる材料としては感光性樹脂組成物が好ましく、ネガ型レジスト、ポジ型レジストのどちらも使用することができるが、ポジ型レジストを使用することが好ましい。撥液性のポジ型レジストとした場合には、パターニングされた遮光層の上に、遮光層の塗膜形成と同様の方法にて撥液層の塗膜を形成し、その後、透明基板側から紫外線を照射するいわゆる裏露光を行うことが好ましい。かかる方法によれば、レジストを露光する時にレジスト用マスクを使用することなく、パターニングされた遮光層自身をマスクとして利用出来る為、レジスト用マスクと既形成の遮光層との位置合わせが不要になり工程が簡単となる。また裏露光では、裏からの光がガラス基板を透過する際、ガラス面内での多重反射等により、遮光層により囲われた画素部にあるレジスト全体にまんべんなく照射されるため、遮光層側壁面にも画素部のガラス面にもレジスト残渣が残らないため、遮光部側壁面の親液性が維持され、画素部のガラス面の親液性も向上し、結果としてインクが画素全体に塗れ広がるという効果が得られる。
露光照度、露光時間、露光光の光束の平行光または広がり状態、現像条件等を調節することにより、簡単に該撥液層の頂部の幅を、該遮光層の幅より小さくすることが可能となる。
露光工程に使用できるランプとしては、超高圧水銀灯、ケミカル灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、紫外線LEDランプ等を用いることができる。露光照度は10mW/cm2〜300mW/cm2であることが好ましい。10mW/cm2より小さいと該撥液層頂部の幅が該遮光層の幅より大きくなる傾向があるため好ましくなく、300mW/cm2より大きいとポジ型レジストの溶解速度を制御することが困難となり撥液層の欠けや剥がれの原因となるため好ましくない。露光時間は、露光照度との兼ね合いから適宜調整することができるが、生産性の観点から1秒〜30秒が好ましい。通常、露光照度と露光時間を掛け合わせた露光量は、10mJ/cm2〜300mJ/cm2の範囲で使用される。
また、裏露光の特徴としてマスクを設置することなくパターニング露光が可能である。通常のフォトリソ法による露光の場合は、マスク汚れを防止するための露光ギャップが必要であり、通常、マスクと被射塗膜との間は100μm以上離れている。そのため、一般的には、フォトリソ法に使用する露光装置はコリメーション角が2°以下の平行光が用いられている。ところが、本発明における裏露光を実施する場合には、遮光層と撥液層は接した状態、すなわち露光ギャップは0の状態となるため平行光の必要は無く、むしろ照射光としては広がりを持った方が撥液層の頂部の幅を遮光層の幅より小さくすることができるため好ましい。コリメーション角としては3°〜50°であることが好ましく、10°〜30°であることがさらに好ましい。3°より小さい場合は、撥液層の頂部の幅を遮光層の幅より小さくする効果が小さく、50°より大きい場合は、光の拡散が大きくなり過ぎ、撥液層の溶解速度を制御することが困難となるため好ましくない。
次に現像工程を行う。現像液は、遮光層で使用できるものと同様のものが挙げられ、これら現像液のアルカリ性物質の濃度は特に限定されるわけではないが、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると現像されにくく、撥液部の頂部の幅が大きくなる傾向があるため好ましくなく、逆に高すぎると塗膜表面の膜荒れやパターンのぎざりが起こりやすく好ましくない。アルカリ現像はディップ現像、シャワー現像、パドル現像等の方法が可能であり、これらを組み合わせても良い。シャワー現像では最適な画素形状になるようにシャワー圧力を調整することが好ましく、シャワーの圧力は0.05〜5MPaが好ましい。現像後はアルカリ現像液を除去するために適宜純水などによる洗浄工程を加えても良い。
得られた撥液層の塗膜パターンは、その後、加熱処理することによってパターニングされた撥液層となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中等で、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
一方、遮光層に用いられる材料が非感光性の場合について述べる。この場合、遮光層自体をフォトリソ法によりパターニングすることは出来ないため、印刷法、転写法、フォトレジスト法等により、パターニングした遮光層を得ることができるが工程が長く、コスト的に不利である。よって、好ましくは、遮光層の塗膜を形成した後にパターン化することなく、その上に撥液層となる感光性樹脂組成物層を形成し、この感光性樹脂組成物層をレジストとしてフォトリソ法によりパターン化し、さらにそのレジストパターンをマスクとして遮光層をエッチングし、パターン化する。この方法によれば、1回のフォトリソ工程で遮光層と撥液層を同時に形成することが出来る。撥液層となる感光性樹脂組成物は、ネガ型レジストでもポジ型レジストでも良い。
かかる方法にて作製した遮光部は、遮光層が感光性の場合、非感光性の場合に依らず、該撥液層の頂部の幅w3が、遮光層の幅w2より小さいことが好ましい。さらに、w3/w2が0.1〜0.8であることが好ましく、0.2〜0.7であることがより好ましい。w3/w2の比が上記範囲にある場合、その後の工程であるカラー材料の形成時に、着色剤が遮光部から溢れることを防止する効果を大きくすることができ、結果として画素形状の安定的な形成が可能となり外観ムラを抑制できるため好ましい。また、遮光層および撥液層の断面形状については特に限定されず、パターンの両側が順テーパー形状となった台形の他、半円形や半楕円形であっても良い。
遮光部の配置は任意に設定することができ、線状に配置されたいわゆるストライプタイプのものや、遮光部を格子状に配置することができる。さらに、開口率を大きくするため、対向基板でのTFTパターン、配線電極などに合わせた突起、切り込みなどを有しても良い。その場合、開口領域の外周部の長さLは、もっとも単純な形状では、開口領域の長辺方向の最大幅A1と開口領域の短辺方向の最大幅A2を足したものの2倍となるが、開口領域をできる限り大きくするために、遮光部に突起を作ったり、遮光部に切り込みを入れたりすることにより、A1とA2を足したものの、2.02倍より大きく、2.48倍より小さいことが必要である。Lが、2.02倍以下の場合には、開口率を向上する効果がなく、また、Lが2.48倍以上の場合には、形状が複雑となりすぎて、白抜けが発生する結果となる。
続いて、カラー材料である着色剤を塗布する。塗布の方法としては、遮光部に囲まれた開口領域に選択的に噴射できるインクジェット法を採用する。
インクジェット法としては、圧電素子を用いて間欠的に着色剤を噴射する方法や、帯電した着色剤を連続的に噴射し電場によって制御する方法、着色剤を加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用でき、中でも圧電素子を用いたいわゆるピエゾ方式が好ましい。インクジェット装置を用いて着色する方法としては、例えばR、G、B3色分のヘッドを用意し、それぞれのヘッドから微小着色剤滴を噴射し遮光部で囲まれた開口領域にカラー材料を形成させる。このとき、遮光部の構成と着色材の組成を前記の範囲にすることで、複雑な形状の開口領域を白抜けなどの欠陥なく良好なカラーフィルタを安価に製造することができる。
上記方法によりで任意の色数について着色パターンを形成せしめると、所望のパターン状に設けられた着色層からなる白抜けのない画素を有するカラーフィルタが作製できる。また、色数は任意だが、RGBの3色が好ましい。
また必要に応じて、保護膜、透明電導膜等を形成することができる。これらを形成する位置、形成順序、形成方法等は、特に限定されない。一例として、遮光部および着色層の上に保護膜、さらにその上に透明導電膜を形成する等の構成が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
A.遮光層材料(遮光部−1)の作製
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(R−140p、三井石油製)50重量部、カーボン粉(MA−8、三菱マテリアル製)30重量部、トルエン20重量部を混合し、遮光層材料(遮光部−1)を得た。
B.撥液層材料(PP−1)の作製
o−ナフトキノンジアジド/フェノールノボラック系ポジ型感光剤(マイクロポジットRC100、シプレー社)60重量部、“シンナー”C(シプレー社)20重量部、フッ素系界面活性剤(EF−123A、トーケムプロダクツ)5重量部、(F179、大日本インキ)5重量部を混合し、撥液層材料(PP−1)を得た。
C.着色剤(INK−1R、INK−1G、INK−1B)の作製
赤色顔料PR177を5重量部、高分子分散剤“ソルスパース”24000(アビシア社)1重量部、アクリル共重合体溶液(“サイクロマーP”ACA−250、ダイセル化学工業)5重量部、エポキシ樹脂“エピコート”828(油化シェル社)3重量部、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル86重量部を分散混合し、赤色着色剤(INK−1R)を得た。同様にして、赤色顔料の代わりに緑色顔料PG36を用いて緑色着色剤(INK−1G)を、赤色顔料の代わりに青色顔料PB15を用いて青色着色剤(INK−1B)を得た。
D.遮光部格子の作製
コーニングジャパン株式会社製0.7mm厚ガラス基板“1737”上に、上記Aで作製した遮光層材料(遮光部−1)を熱処理後の膜厚が1.5μmとなるようスピンナーで塗布して塗膜を形成した。該塗膜を、100℃のオーブンで10分乾燥した後、この上に撥液層材料(PP−1)を熱処理後の膜厚が0.5μmとなるようにスピンナーで塗布し、80℃のオーブンで10分乾燥した。キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を用い、各色画素の周辺部に格子状に遮光部が残るフォトマスクパターンを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後、水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、パターニングした。次に100℃で20分加熱した後、トルエン中に1分浸漬し、遮光層をエッチングによりパターニングした。パターニング後230℃で30分加熱硬化を行い遮光部格子を作製した。このとき、開口領域の形状は図1に示すようなもので、A1は450μm、A2は150μm、Lは1214μmであり、これらの関係は、L=2.023(A1+A2)であった。
E.カラーフィルタの作製
上記Dで作製した遮光部付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて赤色、緑色、青色の各着色剤(INK−1R、INK−1G、INK−1B)を噴射し着色した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも拘らず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
A.遮光層材料(遮光部−1)の作製
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(R−140p、三井石油製)50重量部、カーボン粉(MA−8、三菱マテリアル製)30重量部、トルエン20重量部を混合し、遮光層材料(遮光部−1)を得た。
B.撥液層材料(PP−1)の作製
o−ナフトキノンジアジド/フェノールノボラック系ポジ型感光剤(マイクロポジットRC100、シプレー社)60重量部、“シンナー”C(シプレー社)20重量部、フッ素系界面活性剤(EF−123A、トーケムプロダクツ)5重量部、(F179、大日本インキ)5重量部を混合し、撥液層材料(PP−1)を得た。
C.着色剤(INK−1R、INK−1G、INK−1B)の作製
赤色顔料PR177を5重量部、高分子分散剤“ソルスパース”24000(アビシア社)1重量部、アクリル共重合体溶液(“サイクロマーP”ACA−250、ダイセル化学工業)5重量部、エポキシ樹脂“エピコート”828(油化シェル社)3重量部、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル86重量部を分散混合し、赤色着色剤(INK−1R)を得た。同様にして、赤色顔料の代わりに緑色顔料PG36を用いて緑色着色剤(INK−1G)を、赤色顔料の代わりに青色顔料PB15を用いて青色着色剤(INK−1B)を得た。
D.遮光部格子の作製
コーニングジャパン株式会社製0.7mm厚ガラス基板“1737”上に、上記Aで作製した遮光層材料(遮光部−1)を熱処理後の膜厚が1.5μmとなるようスピンナーで塗布して塗膜を形成した。該塗膜を、100℃のオーブンで10分乾燥した後、この上に撥液層材料(PP−1)を熱処理後の膜厚が0.5μmとなるようにスピンナーで塗布し、80℃のオーブンで10分乾燥した。キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を用い、各色画素の周辺部に格子状に遮光部が残るフォトマスクパターンを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後、水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、パターニングした。次に100℃で20分加熱した後、トルエン中に1分浸漬し、遮光層をエッチングによりパターニングした。パターニング後230℃で30分加熱硬化を行い遮光部格子を作製した。このとき、開口領域の形状は図1に示すようなもので、A1は450μm、A2は150μm、Lは1214μmであり、これらの関係は、L=2.023(A1+A2)であった。
E.カラーフィルタの作製
上記Dで作製した遮光部付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて赤色、緑色、青色の各着色剤(INK−1R、INK−1G、INK−1B)を噴射し着色した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも拘らず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
比較例1
着色剤の溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、遮光部からのインク溢れは無かったが、開口領域内に白抜けが発生した。
着色剤の溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、遮光部からのインク溢れは無かったが、開口領域内に白抜けが発生した。
比較例2
遮光部格子作製の際に、遮光層材料塗膜を形成せずに撥液層材料を2.0μmの膜厚となるように遮光部を作製したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、遮光部からのインク溢れはなかったが、開口領域内に白抜けが発生した。遮光部全体が撥液性であるため、着色剤が遮光部近辺まで濡れ拡がりにくいことが原因と考えられる。
遮光部格子作製の際に、遮光層材料塗膜を形成せずに撥液層材料を2.0μmの膜厚となるように遮光部を作製したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、遮光部からのインク溢れはなかったが、開口領域内に白抜けが発生した。遮光部全体が撥液性であるため、着色剤が遮光部近辺まで濡れ拡がりにくいことが原因と考えられる。
比較例3
撥液層材料にフッ素系界面活性剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域内に白抜けはなかったが、遮光部からのインク溢れが発生した。
撥液層材料にフッ素系界面活性剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域内に白抜けはなかったが、遮光部からのインク溢れが発生した。
実施例2
開口領域の形状を図2に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1340μmであり、これらの関係は、L=2.23(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
開口領域の形状を図2に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1340μmであり、これらの関係は、L=2.23(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
実施例3
開口領域の形状を図3に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1480μmであり、これらの関係は、L=2.47(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
開口領域の形状を図3に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1480μmであり、これらの関係は、L=2.47(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
実施例4
開口領域の形状を図4に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1214μmであり、これらの関係は、L=2.023(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
開口領域の形状を図4に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1214μmであり、これらの関係は、L=2.023(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
比較例4
開口領域の形状を図5に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1200μmであり、これらの関係は、L=2(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が単純であるため、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。しかしながら、液晶ディスプレイとして組み立てたときにはTFT部分を遮光することが出来ず、結果として、表示品位は低下した。
開口領域の形状を図5に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1200μmであり、これらの関係は、L=2(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が単純であるため、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。しかしながら、液晶ディスプレイとして組み立てたときにはTFT部分を遮光することが出来ず、結果として、表示品位は低下した。
比較例5
開口領域の形状を図6に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1494μmであり、これらの関係は、L=2.49(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑でありすぎるため、白抜けが発生した。
開口領域の形状を図6に示すようなもの(A1は450μm、A2は150μm、Lは1494μmであり、これらの関係は、L=2.49(A1+A2))にしたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑でありすぎるため、白抜けが発生した。
実施例5
遮光部を下記のように作製した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
A.遮光層材料(遮光部−2)の作製
カーボン粉(MA−8、三菱マテリアル製)30重量部、アクリル共重合体溶液(“サイクロマーP”ACA−250、ダイセル化学工業)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、光重合開始剤“イルガキュア”369(チバ・スペシャリティケミカルズ)3重量部、シクロヘキサノン37重量部を混合し、遮光層材料(遮光部−2)を得た。
D.遮光部の作製
コーニングジャパン株式会社製0.7mm厚ガラス基板“1737”上に、上記Aで作製した遮光層材料(遮光部−2)を熱処理後の膜厚が1.5μmとなるようスピンナーで塗布して塗膜を形成した。該塗膜を、80℃のオーブンで10分乾燥した後、キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を用い、各色画素の周辺部に格子状に遮光部が残るフォトマスクパターンを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬してパターニングし、230℃で30分加熱硬化を行った。次に、遮光層パターンの上に撥液層材料(PP−1)を熱処理後の膜厚が0.5μmとなるようにスピンナーで塗布し、80℃のオーブンで10分乾燥した。コリメーション角が20°と平行度の低いLEDランプ(照度20mW/cm2)を用い、遮光層パターンをマスクの代わりとしガラス基板側よりいわゆる裏露光を行い、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。
遮光部を下記のように作製した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。その結果、開口領域形状が複雑であるにも関わらず、白抜けなく着色剤を開口領域内に充填することができた。また、遮光部へのインク溢れもなく、全体として外観ムラのないカラーフィルタが作製できた。
A.遮光層材料(遮光部−2)の作製
カーボン粉(MA−8、三菱マテリアル製)30重量部、アクリル共重合体溶液(“サイクロマーP”ACA−250、ダイセル化学工業)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、光重合開始剤“イルガキュア”369(チバ・スペシャリティケミカルズ)3重量部、シクロヘキサノン37重量部を混合し、遮光層材料(遮光部−2)を得た。
D.遮光部の作製
コーニングジャパン株式会社製0.7mm厚ガラス基板“1737”上に、上記Aで作製した遮光層材料(遮光部−2)を熱処理後の膜厚が1.5μmとなるようスピンナーで塗布して塗膜を形成した。該塗膜を、80℃のオーブンで10分乾燥した後、キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を用い、各色画素の周辺部に格子状に遮光部が残るフォトマスクパターンを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬してパターニングし、230℃で30分加熱硬化を行った。次に、遮光層パターンの上に撥液層材料(PP−1)を熱処理後の膜厚が0.5μmとなるようにスピンナーで塗布し、80℃のオーブンで10分乾燥した。コリメーション角が20°と平行度の低いLEDランプ(照度20mW/cm2)を用い、遮光層パターンをマスクの代わりとしガラス基板側よりいわゆる裏露光を行い、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。
露光後、水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、230°で30分加熱硬化を行い、遮光層の上に撥液層が積層した遮光部を作製した。
Claims (3)
- 遮光部と、該遮光部により区画された開口領域を有し、該開口領域の長辺と平行な方向の最大幅A1、短辺と平行な方向の最大幅A2、外周部の長さLが式(1)を満たす透明基板に対して、複数の吐出ノズルを有するインクジェットヘッドによって、少なくとも1種の乾燥抑制溶剤を含む着色剤を供給し、前記開口領域を前記着色剤で充填することを特徴とするカラーフィルタ製造方法。
2.02(A1+A2) < L < 2.48(A1+A2) (1)
- 前記遮光部が、親液性の遮光層および該遮光層の上部に形成された撥液層からなる積層構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 前記乾燥抑制溶剤が、20℃において2〜200Paの飽和蒸気圧を有するものであり、前記着色剤中の前記乾燥抑制溶剤の含有量が50〜88重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007085423A JP2008242277A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | カラーフィルタ製造方法 |
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-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007085423A patent/JP2008242277A/ja active Pending
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