JP2008241609A - 距離計測システム及び距離計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測するに際し、量子化誤差を軽減し得る距離計測システム及び距離計測方法を提供する。
【解決手段】 対象物Sのステレオ視によって対象物Sまでの距離Dを計測する距離計測システム1は、対象物Sを撮像する撮像系31,32の配置を変更し得る撮像装置2と、対象物Sを撮像する撮像系71,72の配置を変更し得る撮像装置6と、演算部11と、を備えている。演算部11は、各撮像系31,32,71,72において対象物Sを捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、各撮像系31,32,71,72の配置の変更可能な範囲で最小となるように、各撮像系31,32,71,72の配置を位置決めし、位置決めされた各撮像系31,32,71,72によって撮像された画像に基づいて対象物Sまでの距離Dを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 対象物Sのステレオ視によって対象物Sまでの距離Dを計測する距離計測システム1は、対象物Sを撮像する撮像系31,32の配置を変更し得る撮像装置2と、対象物Sを撮像する撮像系71,72の配置を変更し得る撮像装置6と、演算部11と、を備えている。演算部11は、各撮像系31,32,71,72において対象物Sを捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、各撮像系31,32,71,72の配置の変更可能な範囲で最小となるように、各撮像系31,32,71,72の配置を位置決めし、位置決めされた各撮像系31,32,71,72によって撮像された画像に基づいて対象物Sまでの距離Dを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測する距離計測システム及び距離計測方法に関する。
例えば、ステレオカメラを用いて対象物のステレオ視を行い、対象物までの距離を三角測量法によって算出するに際しては、量子化誤差(サンプリング誤差)が問題となる。このような量子化誤差を軽減する技術として、特許文献1には、所定の間隔で配置された3台以上のカメラのうち2台のカメラを異なる組合せで選定して、各組合せにおいて対象物までの距離を算出し、その平均値をとる距離計測方法が記載されている。
特開2006−38718号公報
上述した特許文献1記載の距離計測方法は、量子化誤差を軽減する技術として有効であるが、更なる量子化誤差の軽減が望まれている。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測するに際し、量子化誤差を軽減することができる距離計測システム及び距離計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る距離計測システムは、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測する距離計測システムであって、対象物を撮像する複数の第1の撮像系の配置を変更することができる第1の撮像装置と、対象物を撮像する複数の第2の撮像系の配置を変更することができる第2の撮像装置と、第1及び第2の撮像系のそれぞれにおいて対象物を捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、第1及び第2の撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、第1及び第2の撮像系の配置を位置決めし、位置決めされた第1及び第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像に基づいて対象物までの距離を算出する演算部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る距離計測方法は、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測する距離計測方法であって、対象物を撮像する複数の第1の撮像系の配置を変更することができる第1の撮像装置、及び対象物を撮像する複数の第2の撮像系の配置を変更することができる第2の撮像装置を用意する工程と、第1及び第2の撮像系のそれぞれにおいて対象物を捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、第1及び第2の撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、第1及び第2の撮像系の配置を位置決めし、位置決めされた第1及び第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像に基づいて対象物までの距離を算出する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明者は、第1及び第2の撮像系のそれぞれにおいて対象物を捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域に真値(真の距離)が含まれることを見出した。この知見に基づいて、本発明に係る距離計測システム及び距離計測方法では、真値が含まれる重複領域が、第1及び第2の撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、第1及び第2の撮像系の配置が位置決めされ、位置決めされた第1及び第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像に基づいて対象物までの距離が算出される。これにより、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測するに際し、量子化誤差を軽減することができる。
本発明に係る距離計測システムにおいては、第1及び第2の撮像装置のそれぞれは、複数の光学系及び1つの撮像素子を有し、光学系の配置を変更することができることが好ましい。この撮像装置によれば、光学系のそれぞれと撮像素子との組合せで複数の撮像系を構成することができる。
本発明に係る距離計測システムにおいては、演算部は、第1及び第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像において対象物の像のエッジ近似直線の交点を対応点として対象物までの距離を算出することが好ましい。これによれば、領域分割が困難な場合であっても、対応点を検出することで、対象物までの距離を精度良く算出することができる。
本発明によれば、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測するに際し、量子化誤差を軽減することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、距離計測システム1は、X軸方向に位置する対象物Sのステレオ視によって対象物Sまでの距離Dを計測するシステムである。距離計測システム1は、Y軸方向に沿って並設されたステレオカメラである撮像装置(第1の撮像装置)2及び撮像装置(第2の撮像装置)6と、撮像装置2,6からの画像データの取込みや各種演算処理を行う演算部11と、撮像装置2,6から取り込まれた画像データや演算部11によって算出された結果等を表示する表示部12と、撮像装置2,6から取り込まれた画像データや演算部11によって算出された結果等を記憶する記憶部13と、を備えている。
撮像装置2は、レンズ等を含む2つの光学系41,42、及びCCD等である1つの撮像素子5を有している。撮像装置2では、光学系41と撮像素子5との組合せ及び光学系42と撮像素子5との組合せで、対象物Sを撮像する2つの撮像系(第1の撮像系)31,32が構成されている。撮像装置2は、Y軸方向に沿って光学系41,42の間隔を変更することで、撮像系31,32の配置を変更することができる。
同様に、撮像装置6は、レンズ等を含む2つの光学系81,82、及びCCD等である1つの撮像素子9を有している。撮像装置6では、光学系81と撮像素子9との組合せ及び光学系82と撮像素子9との組合せで、対象物Sを撮像する2つの撮像系(第2の撮像系)71,72が構成されている。撮像装置6は、Y軸方向に沿って光学系81,82の間隔を変更することで、撮像系71,72の配置を変更することができる。
これらの撮像装置2,6を用いて対象物Sのステレオ視を行うと、図2,3に示されるように、撮像系31,71のそれぞれにおいて対象物Sを捉えた画素の視線(図3における破線)によって画定される領域R1と、撮像系32,72のそれぞれにおいて対象物Sを捉えた画素の視線(図3における実線)によって画定される領域R2とが互いに重なる重複領域RDに真値(真の距離D)が含まれることになる。
そこで、演算部11は、真値が含まれる重複領域RDが、各撮像系31,32,71,72の配置の変更可能な範囲で最小となるように、各撮像系31,32,71,72の配置を位置決めする。そして、演算部11は、位置決めされた各撮像系31,32,71,72によって撮像された画像に基づいて三角測量法によって対象物Sまでの距離Dを算出する。その理由は、例えば、図5に示されるように、重複領域RDが比較的大きい状態で対象物Sまでの距離Dを算出する場合に比べ、図4に示されるように、重複領域RDが比較的小さい状態で対象物Sまでの距離Dを算出する場合の方が、量子化誤差が小さくなるからである。
図6は、重複領域の大きさと計測距離との関係を示すグラフであり、(a)に真の距離が16.1mの場合を示し、(b)に真の距離が15.8mの場合を示す。図6(a)に示されるように、重複領域RDの大きさが小さくなるほど、量子化誤差が軽減され、真の距離Dである16.1mに計測距離が収束する。同様に、図6(b)に示されるように、重複領域RDの大きさが小さくなるほど、量子化誤差が軽減され、真の距離Dである15.8mに計測距離が収束する。
以上のように構成された距離計測システム1では、真値が含まれる重複領域RDが、各撮像系31,32,71,72の配置の変更可能な範囲で最小となるように、各撮像系31,32,71,72の配置が位置決めされ、位置決めされた各撮像系31,32,71,72によって撮像された画像に基づいて対象物Sまでの距離Dが算出される。これにより、対象物Sのステレオ視によって対象物Sまでの距離Dを計測するに際し、量子化誤差を軽減することができる。
また、演算部11は、各撮像系31,32,71,72によって撮像された画像において対象物Sの像のエッジ近似直線の交点を対応点として対象物Sまでの距離Dを算出する。これによれば、領域分割が困難な場合であっても、対応点を検出することで、対象物Sまでの距離Dを精度良く算出することができる。
具体的には、図7(a)に示されるように、原画像を取得した後、図7(b)に示されるように、原画像に対して2値化処理を施して2値化画像を作成する。続いて、図8(a)に示されるように、エッジとなる画素(図8(a)における灰色の部分)を検出した後、図8(b)に示されるように、エッジとなる画素(図8(b)における灰色の部分)に基づいてエッジ近似直線を算出して、エッジ近似直線の交点を対応点として検出する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、撮像装置に3つ以上の撮像系を設け、そのうちの2つの撮像系を異なる組合せで選定しながら(すなわち、対象物を撮像する2つの撮像系の配置を変更しながら)、真値が含まれる重複領域が、撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、撮像系の配置を位置決めしてもよい。
また、各撮像装置は、3つ以上の撮像系を有し、3つ以上の撮像系で対象物の撮像を行ってもよいし、更に、距離計測システムは、3つ以上の撮像装置を備えていてもよい。これらの場合には、対象物のステレオ視によって対象物までの距離を計測するに際し、量子化誤差をより一層軽減することができる。
また、上記実施形態では、2次元平面における対象物までの距離の計測について説明したが、本発明は、3次元空間における対象物までの距離の計測にも適用可能である。
1…距離計測システム、2…撮像装置(第1の撮像装置)、31,32…撮像系(第1の撮像系)、41,42,81,82…光学系、5,9…撮像素子、6…撮像装置(第2の撮像装置)、71,72…撮像系(第2の撮像系)、11…演算部。
Claims (4)
- 対象物のステレオ視によって前記対象物までの距離を計測する距離計測システムであって、
前記対象物を撮像する複数の第1の撮像系の配置を変更することができる第1の撮像装置と、
前記対象物を撮像する複数の第2の撮像系の配置を変更することができる第2の撮像装置と、
前記第1及び前記第2の撮像系のそれぞれにおいて前記対象物を捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、前記第1及び前記第2の撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、前記第1及び前記第2の撮像系の配置を位置決めし、位置決めされた前記第1及び前記第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像に基づいて前記対象物までの距離を算出する演算部と、を備えることを特徴とする距離計測システム。 - 前記第1及び前記第2の撮像装置のそれぞれは、複数の光学系及び1つの撮像素子を有し、前記光学系の配置を変更することができることを特徴とする請求項1記載の距離計測システム。
- 前記演算部は、前記第1及び前記第2の撮像系のそれぞれによって撮像された前記画像において前記対象物の像のエッジ近似直線の交点を対応点として前記対象物までの距離を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の距離計測システム。
- 対象物のステレオ視によって前記対象物までの距離を計測する距離計測方法であって、
前記対象物を撮像する複数の第1の撮像系の配置を変更することができる第1の撮像装置、及び前記対象物を撮像する複数の第2の撮像系の配置を変更することができる第2の撮像装置を用意する工程と、
前記第1及び前記第2の撮像系のそれぞれにおいて前記対象物を捉えた画素の視線によって画定される領域が互いに重なる重複領域が、前記第1及び前記第2の撮像系の配置の変更可能な範囲で最小となるように、前記第1及び前記第2の撮像系の配置を位置決めし、位置決めされた前記第1及び前記第2の撮像系のそれぞれによって撮像された画像に基づいて前記対象物までの距離を算出する工程と、を含むことを特徴とする距離計測方法。
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