JP2008239395A - セメントの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスベスト及び石膏を含有する廃材を無害化処理して、有効に再利用したセメントの製造方法、特に、アスベスト及び石膏を含有する廃材のアスベスト粉塵等の飛散や放散を防止して、無害化処理した該廃材を石膏源として使用する、セメントの製造方法を提供する。
【解決手段】セメントの製造方法は、アスベスト及び石膏を含有する廃材にアルカリ水溶液を含浸させて湿式粉砕し、前記廃材に含まれるアスベストを非アスベスト化した無害化処理物中の残存アルカリを酸により中和した該処理物を、セメント製造時の石膏源として配合して、セメントを製造するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメントの製造方法に関し、特に、アスベスト及び石膏を含有する廃材を利用したセメントの製造方法に関する。
従来より、アスベストは長期間にわたって強度低下が起きないことから、様々な分野で広く使用されてきており、スレート板、水道管、耐火被覆材、ブレーキパッド、ガスケット、保温板、ロープ、パッキング、アセチレンボンベの充填材として多くの部材に使用されてきたが、近年、アスベストは、綿肺、肺癌、悪性中皮腫など多くの健康阻害の要因となることが明らかとなり、使用が禁止されている。
特に従来の石膏ボード等は、耐火性、遮音性及び保温性等に優れていることから、耐火性被覆材等として、吹き付け施工品、天井、壁材等に多く用いられており、かかる石膏ボードにはアスベストが含有されていた。
これらの多量に使用されてきたアスベスト含有部材は、上記したような環境的理由により、そのまま使用を継続することは危険であり、早急に廃棄・無害化処理をしなければならない状況となっている。
これまでのアスベスト含有廃材は、一般廃棄物として取り扱われて、現在は産業廃棄物として廃棄処分されているが、アスベストの飛散や放散が問題となっており、緊急な安全対策が求められている。
またアスベストを含有する廃材の有効利用は進んでいないのが現状である。
特に、耐火被覆材や崩壊した天井板などアスベストを含有する石膏ボード等の建材を用いた建造物の解体等がピークを迎えているが、アスベストの暴露とそのアスベストの飛散、放散の問題が深刻化している。
かかるアスベスト(石綿)は天然に産する鉱物繊維で、例えば、蛇紋岩系のクリソタイル(3MgO・2SiO・2HO)角閃石系のアモサイト((Mg,Fe)Si22(OH))、クロシドライト(NaFe 2+Fe 3+Si22(OH))、アンソフィライト(MgSi22(OH))、トレモライト(CaMgSi22(OH))、アクチノライト(Ca(Mg,Fe)Si22(OH))が挙げられる。
かかる蛇紋岩系のクリソタイルは、加熱すると約700℃で脱水、変態し、約900℃で無害なフォレストライト(2MgO・SiO)になることが知られているが、実際には、容易に無害化することは困難であり、従ってその有効利用も十分に図られていない。
かかるアスベストの有害性は、その繊維質に由来するものであるので、繊維質の改質、融解により無害化する方法として、特許第3680958号(特許文献1)には、ロータリーキルンを用いたセメントの製造方法であって、前記ロータリーキルンの排出口側に設けた燃焼手段の近傍から石綿廃材を前記ロータリーキルン内に供給し、この供給された石綿廃材、及びセメント原料を前記燃焼手段によって処理することを特徴とするセメント製造方法が記載されている。
また、特開2005−279589号公報(特許文献2)には、アスベストを含むスレート廃材を粉砕せずにホウ砂、ホウ酸と炭酸ナトリウムの混合物、又はホウ砂と炭酸ナトリウムの混合物からなる融解剤の水溶液に漬け、それを減圧下に置いて融解剤をスレート廃材の表面からスレート内部の空隙内に含浸することによって前処理した後、該前処理したスレート廃材を融解剤を満たした溶融炉内に浸漬して780℃〜1000℃の範囲に加熱することによってスレート廃材中のアスベストを溶融させてガラス化させることを特徴とするスレート廃材の処理方法が記載されている。
更に、特開2006−52177号公報(特許文献3)には、無機質系材料の廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内に投入して、加熱処理することによりセメントに変換してなる無機質系材料の廃材の処理方法において、廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値がセメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整し、廃材とセメント原料との合計量に占める廃材の比率が乾燥状態における質量比率で1〜20%の範囲とし、廃材をセメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入し、1000〜1500℃で20〜60分間加熱処理して焼結体を得、得られた焼結体を粉末化することを特徴とする無機質系材料の廃材の処理方法が記載されている。
上記の各々の特許文献に記載された従来の方法においては、アスベスト含有廃棄物を溶融炉やセメントキルンに投入して無害化を行っている。
しかし、アスベスト含有廃棄物を溶融炉やセメントキルンに供給する際に、アスベストの飛散や放散を防止することはできず、また、上記従来の方法では、前処理としてアスベスト含有廃材を粉砕したり、分解したり、微細クラック等を形成したりするために、重機などを用いてアスベスト含有廃材を破壊するなど、主として機械的手段を用いるので、アスベストが飛散、放散してしまい、無害化処理工程における人体への健康面での影響問題は十分に解決されていないのが現状である。
さらに、アスベスト含有廃材の無害化処理工程において、当初から溶融することが必要であるのでエネルギー消費量も多大である。
特許第3680958号 特開2005−279589号公報 特開2006−52177号公報
本発明の目的は、アスベスト及び石膏を含有する廃材を無害化処理して、有効に再利用したセメントの製造方法を提供することである。
特に、アスベスト及び石膏を含有する廃材のアスベスト粉塵等の飛散や放散を防止して、少ないエネルギー消費量で無害化処理した該廃材を石膏源として使用する、セメントの製造方法を提供することである。
本発明者らは、アスベスト及び石膏含有廃材を、微粉砕処理してアスベストを無害化したものを、セメント製造時の石膏源として利用することができることを見出し、本発明に到達した。
本発明の請求項1記載のセメントの製造方法は、アスベスト及び石膏を含有する廃材を微粉砕処理することで、前記廃材に含まれるアスベストを非アスベスト化した無害化処理物を、セメント製造時の石膏源として配合することを特徴とする、セメントの製造方法である。
好適には、請求項2記載のセメントの製造方法は、請求項1記載のセメントの製造方法において、前記無害化処理物は、アスベスト及び石膏を含有する廃材をアルカリ水溶液下で湿式粉砕し、次いで残存アルカリを酸により中和したものであることを特徴とする。
請求項3記載のセメントの製造方法は、請求項2記載のセメントの製造方法において、前記アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の苛性アルカリや、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ等の水溶液、またはこれらの混合水溶液であることを特徴とするセメントの製造方法である。
また、請求項4記載のセメントの製造方法は、請求項1〜3いずれかの項記載のセメントの製造方法において、前記無害化処理物を石膏源としてセメントクリンカと混合することを特徴とするものである。
ここで、アスベストの無害化または非アスベスト化とは、アスベストが微粉砕されて、アスペクト比が3未満の粒子形状となるか、またはアスベストがアルカリ水溶液下でメカノケミカル反応して、クリソタイル、クロシドライト、アモサイト等の針状結晶がそれ以外の物質に転化した状態を表すものであり、このような状態であることで、人体に対して、無害となる。
本発明は、アスベスト及び石膏含有廃材を、安全にかつ完全に無害化処理することができるとともに、少ないエネルギー消費量でセメント製造時の石膏源として有効利用してセメントを製造することができる。
アスベスト含有廃材を微粉砕することで、有害な針状結晶を破壊して、アスペクト比の減少により、物理的な形状変化による有害性の低減が図れる。
特に、アスベスト含有廃材をアルカリ溶液下で湿式粉砕することで、粉砕によるアスペクト比の減少による物理的な形状変化による毒性の低減に加えて、更にアルカリ共存下における粉砕エネルギーによるメカノケミカル反応によって効率的にアスベストの構造破壊が促進されるため、短時間で処理物を無害化することができる。
また、アスベスト及び石膏を含有する廃材をセメントに有効利用することができるので、アスベスト及び石膏を含有する廃材の処理に無駄がなくなる。
本発明を以下の最良の形態例について説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のセメントの製造方法は、アスベスト及び石膏を含有する廃材を微粉砕し、好適にはアルカリ水溶液下で湿式粉砕し、次いで残存アルカリを酸により中和して、前記廃材に含まれるアスベストを非アスベスト化した無害化処理物を、セメント製造時の石膏源として配合するものである。
このように、アスベスト及び石膏を含有する廃材を、好適にはアルカリ湿式粉砕処理するメカノケミカル処理とすることで、環境的に安全にかつ完全に無害化することができるとともに、該無害化処理物を石膏源として有効利用することができるので、少ないエネルギー消費量でアスベスト及び石膏を含有する廃材の有効利用を促進することができる。
本発明のセメントの製造方法に用いることができるアスベスト及び石膏を含有する廃材としては、特に種類は限定されず、例えば、アスベスト含有石膏ボード、アスベスト含有吹付け石膏等の、建材に用いられていたアスベスト及び石膏を含有する廃材であれば、すべて対象とすることができ、特に、今後、多量の排出が予想され、アスベストの飛散・放散が特に問題となるアスベスト及び石膏含有吹き付け施工品を解体して生じる廃材も有効に利用することができる。
また、回収された石膏ボードには、紙繊維や糊等の有機物の添加物も含まれているが、本発明の方法を適用する場合には、粉砕処理やアルカリ処理や酸処理の過程で容易に分離することができる。
本発明における微粉砕処理は、好適には、アスベストを含有する廃材を密閉状態で破砕・微粉砕し、更に好適には、微粉砕をアルカリ水溶液下での湿式粉砕により行うことによって前記廃材中のアスベストを非アスベスト化するものである。
アスベストは、その針状結晶が有害であるため、針状結晶を破壊すれば有害ではなくなる。従って、アスベスト含有廃材を微粉砕処理することで、アスベストのアスペクト比を減少させ、針状結晶を破壊するものである。
本発明における微粉砕処理では、針状結晶を破壊するまで、アスベスト含有廃材を微粉砕処理する。
特に、アスベストを含有する廃材の破砕・微粉砕を密閉状態で行うようにすれば環境的に安全である。
このように、環境的に安全に破砕・微粉砕処理し、更に、アルカリ処理と粉砕処理とを同時に行うメカノケミカル処理とすることで、寸法の大きいアスベスト含有廃材であっても、安全にかつ完全に無害化することができることとなる。
従って、健康面への影響を極めて少なくすることができるようになる。
本発明のアスベスト含有廃材の微粉砕処理は、まず、アスベストを含有する廃材を、好適には、密閉状態で破砕処理し、更に、密閉状態で微粉砕処理、更に好適にはアルカリ水溶液下で湿式粉砕処理する。
ここで、密閉状態とは、アスベストが作業環境中の自由な大気(密閉空間内の大気を除く)と直接接触していない状態をいい、例えば、ケースにより密閉可能な破砕機を密閉している状態、破砕機から粉砕機までの移送手段をケースにより密閉している状態、またはケースにより密閉可能な粉砕機を用いて実現される密閉状態、あるいは、好適には、アスベスト含有廃材をアルカリ水溶液等の液体に浸漬させた状態等が挙げられる。
具体的には、破砕機、移送手段及び粉砕機等を配置し、これらの各装置を一つの密閉されたケースで覆う方法や、破砕機、移送手段及び粉砕機等の各々の装置を各々のケース等で密閉する方法等が挙げられる。
特に、アスベスト含有廃材をアルカリ水溶液に浸漬して破砕処理する場合には、アスベストが飛散・放散しないように破砕する工程と、アルカリ処理工程とを好適に同時に行うことができる。またこの場合、破砕処理に続けてそのまま粉砕処理を行ってもよい。
アスベスト含有廃材が、少なくともアルカリ水溶液による湿潤状態となれば足りるので、上記破砕を、上記したようにアスベスト含有廃材がアルカリ水溶液に浸漬された状態のままで実施しても、あるいは、アスベスト含有廃材をアルカリ水溶液に浸漬して湿潤状態となれば、アルカリ水溶液から取り出して破砕を実施してもよい。
またアスベスト含有廃材をアルカリ処理するアルカリ水溶液に浸漬して破砕処理する場合には、破砕処理に続けてそのまま粉砕処理を行ってもよい。
この場合には、アスベストを含有する廃材をアルカリ水溶液に浸漬した状態で破砕・粉砕・アルカリ処理を同時に行うものである。
上記破砕する際の手段としては、公知の建材廃材を破砕する手段を用いることができる。
例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、ジョークラッシャー、回転式破砕機、シュレッダー等がある。
このように、破砕することで、大きい形状の廃材も、粉砕機にポンプ圧送しやすくなるとともに、該廃材の比表面積を大きくして、アルカリ溶液による無害化を効率よく図ることができることとなる。
破砕機から粉砕機にポンプ圧送する場合には、ポンプ圧送時の詰まりや粉砕工程での能力低下がなされないように、粉砕物の粒子径は3mm以下とすることが好ましく、より好ましくは1mm以下とするのがよい。
本発明における微粉砕処理は、好適には、アスベスト含有廃材を密閉状態で破砕し、破砕された該廃材を好ましくはアルカリ水溶液下で、例えば湿式粉砕機にポンプ圧送して該廃材を更に湿式粉砕する。
このようにすることで、アスベストが飛散・放散しないように粉砕する工程をアルカリ水溶液下で効率よく行うことができる。
すなわち、アルカリによるアスベストの構造破壊と、粉砕によるアスペクト比の減少により、物理的な形状変化による毒性の低減、及びアルカリ共存下における粉砕エネルギーによるメカノケミカル反応により、アスベストの構造破壊が促進されるため、短時間で処理物を無害化することができる。
粉砕手段としては、公知の建材廃材を粉砕する手段を用いることができる。
例えば、媒体撹拌ミル、タワーミル、振動ミル、ボールミル、遊星ミル等が用いられる。
粉砕することで、アスベスト含有廃材とアルカリ水溶液の接触面積を増大させ、無害化を効果的に行うことができる。
また粉砕処理することで、アルカリ水溶液の温度が約70〜80℃に上昇する。
したがって、かかる温度上昇により、更に効率的に無害化が図れる。
上記破砕及び/又は粉砕する工程において、必要に応じて、加温、加圧することも可能であり、これにより廃材の無害化処理を、より短時間で実施することができることとなる。
粉砕機で粉砕された粉砕物は、湿式サイクロン等の分級機により分級する。
分級された粒子のうち、粗粒分は粉砕機へ戻し、細粒分は無害化処理物として系外へ排出する。
粉砕時間、粉砕ボール径、湿式粉砕の場合のスラリー濃度、分級条件等の運転条件は、使用する設備毎に事前に試験運転を行うことにより定める。
また、試験運転では、分級後の細粒分をサンプリングし、X線回折による測定でクリソタイル、クロシドライト、アモサイト等の含有率が0.1%未満となるか、または、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡のいずれかの顕微鏡観察による測定でアスペクト比が3未満になるよう運転条件を定める。
破砕されたアスベスト含有廃材を、粉砕処理しながらアルカリ水溶液に含浸して、十分に非アスベスト化させて無害化する際に使用できるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の苛性アルカリや、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ等、またはこれらの混合水溶液を有効に用いることができ、その濃度はアスベストの非アスベスト化への反応が生じる条件であれば特に限定されないが、濃度が高いほうが短時間でまた多量に無害化処理することができる。
また、アルカリ水溶液の濃度は、現場の状況等に応じて適宜設定すればよい。
かかるアルカリ処理することで、アスベストのSi−OやFeOの骨格を形成する構造を破壊することができ、したがって、針状結晶を壊すことができる。
またアスベストの針状結晶の縦横比を小さくすることがき、針状結晶構造を立方化構造に近い構造とすることが可能となる。
以上のとおり処理された無害化処理物は、更に中和処理および/または脱水処理を行うことが好ましい。
中和処理及び脱水処理を行うことにより、無害化処理物から余剰のアルカリやアルカリ塩及び水分を除去することができ、製造されるセメント中のアルカリ量増加による品質低下を防止することができる。
中和処理は、アルカリ水溶液下での湿式粉砕を行った場合に行われ、粉砕処理工程で得られた無害化処理物をアジテータに投入して酸で中和し、これをデカンターにて酸をリンスするようにすればよい。
脱水処理は、デカンター、フィルタープレス等により行えばよく、このような処理によりケーキ状処理物が得られる。
使用できる酸としては、燐酸、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸、またはこれらの混合酸等、アルカリ湿式粉砕処理において用いたアルカリを有効に中和できるものであれば公知の酸を用いることができ、その濃度は特に限定されず、現場の状況等に応じて適宜設定すればよい。
上記無害化処理されたアスベスト及び石膏含有廃材、好ましくは酸で中和された無害化アスベスト及び石膏含有廃材を、セメントの製造に用いる。
セメントを製造するには、一般的に、原料工程、焼成工程、仕上げ工程に大別され、焼成工程を経ることで、セメントクリンカが調製される。
次いで、セメント粉末を製造するには、セメントクリンカにセメントの硬化速度を調整する機能を有する石膏を加え、粉砕して粉末状として、セメントを調製する。
本発明においては、得られたアスベスト及び石膏含有廃材の無害化処理物を、仕上げ工程においてセメントクリンカと混合する石膏源として用いるものである。
図1に示すように、具体的に例えば、セメントクリンカが貯蔵されているセメントクリンカサイロ1から供給されるセメントクリンカはまず、予備粉砕機3で粉砕される。
上記無害化処理されたアスベスト及び石膏含有廃材は石膏源として石膏ヤード2に貯蔵されている。
かかる予備粉砕されたセメントクリンカと、石膏ヤード2から供給される上記無害化処理されたアスベスト及び石膏含有廃材をセメント粉砕機(仕上げミル)4に導入して、粉砕混合する。
得られた粉砕混合物はセパレータ5に導入され、所望の粒度範囲の粉末がポルトランドセメント7として得られる。
また上記セパレータ5で粒度の大きいセメント粉末は、再度セメント粉砕機(仕上げミル)4に導入されて粉砕される。
必要に応じて、セパレータ5で所望の粒度範囲に調整されたセメント粉末に、フライアッシュや高炉スラグ粉末を添加して、混合機6で均一に混合して、フライアッシュセメントや高炉セメント8を調製することもできる。
なお、アスベスト及び石膏含有廃材の無害化処理物は、有効成分として石膏を、不純物としてアスベストが転化した無害化生成物を含むものである。
一方、例えば、普通ポルトランドセメントを製造する場合の、セメント中の石膏の配合割合は、SO換算で2〜3重量%程度である。
従って、普通ポルトランドセメントへの無害化処理物の配合限度としてSO換算で2〜3重量%程度まで可能である。
このようにして得られたセメントは、セメントとして安定した性能を有するものであり、アスベスト及び石膏廃材を完全に無害化して、セメントとして再利用を図ることができるものである。
本発明のセメントの製造方法は、アスベスト及び石膏含有廃材、特に建材を解体して発生したアスベスト及び石膏含有廃材を有効利用することで、再利用品を使用した安定的なセメントを製造することに適用することが可能となる。
セメントを製造する仕上げ工程を概略的に示す工程図。
符号の説明
1 セメントクリンカサイロ
2 石膏ヤード
3 予備粉砕機
4 セメント粉砕機
5 セパレータ
6 混合機
7・8 セメントサイロ

Claims (4)

  1. アスベスト及び石膏を含有する廃材を微粉砕処理することで、前記廃材に含まれるアスベストを非アスベスト化した無害化処理物を、セメント製造時の石膏源として配合することを特徴とする、セメントの製造方法。
  2. 請求項1記載のセメントの製造方法であって、前記無害化処理物は、アスベスト及び石膏を含有する廃材をアルカリ水溶液下で湿式粉砕し、次いで残存アルカリを酸により中和したものであることを特徴とする、セメントの製造方法。
  3. 請求項2記載のセメントの製造方法において、前記アルカリ水溶液は、苛性アルカリ若しくは炭酸アルカリの水溶液、またはこれらの混合水溶液であることを特徴とする、セメントの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載のセメントの製造方法において、前記無害化処理物を石膏源としてセメントクリンカと混合することを特徴とする、セメントの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014054621A (ja) * 2012-08-16 2014-03-27 Kitasato Institute アスベストの無害化処理方法

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