JP4189730B2 - 石綿スレートの非石綿化処理方法 - Google Patents

石綿スレートの非石綿化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石綿含有製品である石綿スレートを有効にリサイクルできるように非石綿化処理するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石綿スレートは、石綿とセメントとを主原料とした製品であり、主として波形スレート、フレキシブルボード、平板等の建材として広く利用されてきたが、石綿は健康に有害であることから、石綿を原料として使用しない繊維強化セメント板が開発されている。一方、既存の建築物等には石綿スレートが使用されており、この石綿スレートが建築物の改修や建て替えに伴って廃材となった場合、石綿が残存したままではリサイクルすることが難しいため、最終処分場に埋め立て処理されていた。しかし、埋め立て処理には限界があるため、石綿スレート中の石綿を非石綿化処理するとともに有効にリサイクルするための技術が求められている。
【0003】
特許文献1には、廃スレート材粉砕粉末100重量部に粘土質原料5〜15重量部、フリット5〜20重量部、長石5〜25重量部、珪砂0〜30重量部を添加、混合したのち、必要とする水を加え、成形または造粒後乾燥工程を経て焼成工程で焼結反応を行うことを特徴とする廃スレート材利用焼成体の製造方法が開示されている。しかし、焼結体は利用できる用途が限定されるためリサイクルしにくいという問題があった。
【0004】
特許文献2には、石綿セメント製品の加熱処理品であって、X線回折による石綿ピークが不在であることを特徴とする水硬性粉体組成物が開示されている。しかし、この方法で得られた水硬性粉体組成物は、強度発現が低く使用しにくいという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−254917号公報
【特許文献2】
特開平5−293457号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の技術では廃材等の石綿スレートを非石綿化処理することはできてもリサイクルしにくいという課題があった。従って、本発明の目的は、廃材等の石綿スレートを非石綿化処理してβ−CSを主体とするセメントを生成させることにより、得られた処理生成物がポルトランドセメントとほぼ同等の高い強度発現を有し、単に石綿スレートを非石綿化処理するだけではなく有効にリサイクルさせることができるための方法を提供することにあり、本発明者は、石綿スレートに使用される石綿の大半がクリソタイルであることに着目し本発明を完成するに至った。なお、前記CSは、セメント化学において2CaO・SiOを意味する一般的な表記法である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の石綿スレートの非石綿化処理方法は、石綿スレートを粗粉砕処理し、粗粉砕処理した石綿スレートにカルシウム質粉末及び/又はシリカ質粉末を添加してCaOとSiOとのモル比(CaOのモル数をSiOのモル数で除した値であり、以下C/S比と記す)が2.0以上2.8以下となるように調整し、次いで目開き45μmふるい通過量が85%質量以上となるよう微粉砕処理した後、600℃以上1100℃以下で焼成することにより、β−CSを主成分とするセメントを生成させることを特徴とするものであり、粒径1mm以上の粒子の含有量が20質量%以下となるように石綿スレートを粗粉砕処理する構成を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明になる石綿スレートの非石綿化処理方法においては、まず石綿スレートを粗粉砕処理し、しかる後にカルシウム質粉末及び/又はシリカ質粉末を添加してC/S比が2.0以上2.8以下となるように調整することが好ましい。この粗粉砕処理に使用する装置としては、例えば自由粉砕ミルが好適に使用される。粗粉砕処理された石綿スレートの粒度は特に限定されるものではないが、後述の微粉砕処理時間を短縮するためには、粒径1mm以上の粒子の含有量が20質量%以下となるよう粗粉砕処理することが好ましい。
【0009】
石綿スレートを自由粉砕ミル等の機械を用いて粗粉砕すると粉塵が多量に発生するので、十分な集塵設備を設けておく必要がある。また、必要に応じて、粗粉砕処理を行う前にあらかじめ石綿スレートに吸水させたり、あるいは粗粉砕処理中に水を散布するなどの方法により、粉塵の発生を抑えることも好適である。
【0010】
粗粉砕処理した石綿スレート粉砕粉に、カルシウム質粉末及び/又はシリカ質粉末を添加してC/S比が2.0以上2.8以下となるように調整する。ここでC/S比はβ−CSの理論組成比より高く設定することが好適である。これは、一般に石綿スレートには、SiO成分及びCaO成分以外にAl成分及びFe成分が含まれており、焼成時にこれらとCaO成分の反応によりbrownmillerite(Ca(AlFe1−x)等の化合物を生成し、この反応でCaO成分が消費されることにより、生成するβ−CS量が少なくなることを防ぐためである。また、C/S比が2.0未満であると、merwinite(CaMgSi)等水和活性の乏しいCa−Mgケイ酸塩が生成し易く、一方、C/S比が2.8を超えると遊離CaO量が多くなり、いずれの場合も生成するβ−CS量が少なくなるので好ましくない。なお、前記カルシウム質粉末とは消石灰、生石灰、炭酸カルシウム及び貝殻焼却灰等のCaO(ライム)を主成分とする粉末である。また、前記シリカ質粉末とは珪石粉、珪藻土、シリカヒューム、沈降性非晶質シリカ及びフライアッシュ等のSiO(シリカ)を主成分とする粉末である。さらにごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰、凝灰岩、シラス、コンクリート廃材、生コンスラッジ、ケイ酸カルシウム製品廃棄物等、CaO成分及びSiO成分の両方を含む物質もC/S比を調整するために使用することができる。但し、石綿スレートの粗粉砕粉と混合して加熱しても、1100℃以下の温度で安定して存在する物質は、その成分中にCaO及びSiOのうちの少なくとも1種類を含んでいたとしても、本発明におけるカルシウム質粉末及びシリカ質粉末のいずれにも該当しない。
【0011】
石綿スレートは石綿とポルトランドセメントとを主原料とするが、石綿スレートに使用される石綿は大半がクリソタイルであり、アモサイト等の角閃石系石綿が使用されることは極めて少ない。また、石綿スレートは波形スレート、フレキシブルボード、平板等の製品区分ごとに、クリソタイルとポルトランドセメントとの質量比率がほぼ特定の範囲内にあることから、前記C/S比の調整は容易に行うことができる。
【0012】
C/S比を調整した後、微粉砕処理を行う。微粉砕処理で使用する装置はボールミルが好ましい。ここでボールミルとは転動ボールミル、振動ボールミル、及び遊星回転ボールミル等、粉砕媒体にボールを使用する粉砕装置を言う。ボールミルを使用すると、石綿スレートは微粉砕されるだけではなく、カルシウム質粉末及び/又はシリカ質粉末との良好な混合とメカノケミカル効果により、後述する焼成においてβ−CSの生成が促進されるので好適である。微粉砕処理を行う時間等の処理条件は、ミルの種類及びサイズ、ボールの材質及びサイズ、並びに処理量等に基づいて適宜選択すればよいが、後述の焼成を効率良く行うためには微粉砕処理後の目開き45μmふるい通過量が85質量%以上となるよう処理することが好ましく、93質量%以上がさらに好ましい。目開き45μmふるい通過量が85質量%未満であると、焼成の効率が悪くなるだけではなく焼成時に反応不足となり、β−CSの生成量が減少するという問題を生じることから好ましくない。なお、長時間微粉砕処理を行うと、ミル容器の底に処理物が固着するという問題が発生する場合がある。この問題を避けるために界面活性剤等の固着防止剤及び/又は粉砕助剤を適宜使用してもよい。
【0013】
焼成は600℃以上1100℃以下で行うのが好適であり、さらに好適には800℃以上1000℃以下で行う。焼成温度が600℃未満であると石綿が非石綿化されず、かつβ−CSの生成が遅れるという問題があるので好ましくない。また、焼成温度が1100℃を越えると、生成したβ−CSの比表面積が小さくなり、水和活性度が低下するという問題があるので好ましくない。焼成時間は処理量及び処理温度により適宜選択すればよい。すなわち、処理量が多く処理温度が低い場合は長時間の焼成を行う必要があり、処理量が少なく処理温度が高い場合は短時間の焼成でよい。
【0014】
以上の処理を行うことにより、石綿スレートを非石綿化処理して、処理生成物としてβ−CSを主成分とするセメントを生成させることができる。ここで、β−CSを主成分とするセメントとは、β−CSを60質量%以上含有し水と反応して硬化する粉末状の物質をいう。この処理生成物であるセメント中にはβ−CSの他、石綿由来のMgO、ポルトランドセメント中のFeとAl分由来のbrownmillerite、遊離CaO及び/又はCaCO等が含まれる。なお、この処理生成物であるセメント中に占めるβ−CSの比率の求め方は、まず遊離CaO及び/又はCaCO含有量(a質量%)を粉末X線回折法により定量し、次にサリチル酸−メタノール法によりβ−CS並びにCaO及び/又はCaCO等を溶解させた残分、すなわちMgO及びbrownmillerite含有量(b質量%)を定量した後、処理生成物であるセメント全体の質量を100質量%として、これからa質量%とb質量%とを減じた値を計算することにより求めた。なお、石綿スレート以外のノンアスベストケイ酸カルシウム製品、ALC微粉末、コンクリート微粉末等、石綿を含まないケイ酸カルシウム系廃棄物についても、C/S比を的確に把握することができれば、本発明と同様の処理を行うことでβ−CSを主成分としポルトランドセメントとほぼ同等の強度発現を有するセメントを得ることができるので、これらの廃棄物についても本発明を適用すれば有効にリサイクルすることができる。
【0015】
本発明になる石綿スレートの非石綿化処理により、処理生成物として得られたβ−CSを主成分とするセメントは、普通ポルトランドセメントと比べ比表面積が大きく、粉体の見かけかさ密度が1/2以下であり、水和活性度及び強度発現はほぼ同等であるという特徴を有する。このβ−CSを主成分とするセメントは、建築材料の原料等として普通ポルトランドセメントとほぼ同様に使用することが可能である。すなわち繊維補強セメント板、木片セメント板、木毛セメント板、モルタル、コンクリート等の原料として使用することができる。また、粉体の見かけかさ密度という特徴を生かすことにより、低かさ密度製品を良好に製造することができ、あるいは他のセメントと併用することで密度調整材として使用しても良い。
【0016】
【実施例】
以下の実施例及び比較例により本発明の石綿スレートの非石綿化処理方法をさらに説明する。
実施例1
倉庫の改修に伴い取り外された波形スレート(クリソタイル10質量%を含有し、C/S比は1.7)を自由粉砕ミルを用い粒径1mm以上の粒子の含有量が15質量%となるように粗粉砕処理した。粗粉砕処理した波形スレートにカルシウム質粉末として消石灰をC/S比が2.4となるように混合した。この混合物を振動ボールミルを使用して30分間微粉砕処理し、目開き45μmふるい通過量を96質量%とした後、900℃で1時間焼成して処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及び得られた処理生成物の主構成相はβ−CSでその含有量は73質量%であり、他にCaO、MgO、及びbrownmilleriteが含まれることが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は18μmでBET比表面積は4.5m/gであった。次に、得られた処理生成物95質量%とセルロースパルプ(NBKP)5質量%とに水/固形分比が10となるよう水を加え混合してスラリーとし、このスラリーを加圧脱水成型して幅40mm×長さ160mm×厚さ7mmの成形体を作製した。この成形体を80℃で20時間蒸気養生し硬化体を得た。この硬化体のかさ密度は1.61g/cmで曲げ強度は25.4N/mmであった。従って、得られた処理生成物はβ−CSを主成分とするセメントであることが確認された。また、得られた処理生成物の代わりに普通ポルトランドセメントを使用し、同一条件で作製した硬化体のかさ密度は1.80g/cmで曲げ強度は22.0N/mmであったことから、この処理生成物の強度発現は普通ポルトランドセメントとほぼ同等であり、普通ポルトランドセメントと同様に使用できることが確認された。
【0017】
実施例2
実施例1において、C/S比の調整にカルシウム質粉末として消石灰を使用する替わりに炭酸カルシウムを使用したこと以外は実施例1と同様の処理を行って処理生成物を得た。この処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及び主構成相はβ−CSでその含有量は72質量%であり、他にCaO、MgO、及びbrownmilleriteが含まれることが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は19μmでBET比表面積は4.8m/gであり実施例1と同様であった。次に、得られた処理生成物を使用して、実施例1と同一の方法で作製した硬化体のかさ密度は1.57g/cmで曲げ強度は23.8N/mmであった。従って、得られた処理生成物はβ−CSを主成分とするセメントであることが確認され、また、得られた処理生成物を使用して作製した硬化体のかさ密度及び曲げ強度は実施例1とほぼ同等の値であったことから、この処理生成物の強度発現は普通ポルトランドセメントとほぼ同等であり、普通ポルトランドセメントと同様に使用できることが確認された。
【0018】
実施例3
実施例1と同一の波形スレートを使用し、振動ボールミル処理時間を1時間、焼成温度を1000℃とした以外は実施例1と同様の処理を行って処理生成物を得た。この処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及び得られた処理生成物の主構成相はβ−CSでその含有量は76質量%であり、他にCaO、MgO、及びbrownmilleriteが含まれてことが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は18μmでBET比表面積は3.5m/gであった。次に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同一の方法で作製した硬化体のかさ密度は1.70g/cmで曲げ強度は28.9N/mmであった。従って、得られた処理生成物はβ−CSを主成分とするセメントであることが確認され、また、得られた処理生成物を使用して作製した硬化体のかさ密度及び曲げ強度は実施例1とほぼ同等の値であったことから、この処理生成物の強度発現は普通ポルトランドセメントとほぼ同等であり、普通ポルトランドセメントと同様に使用できることが確認された。
【0019】
実施例4
実施例1と同一の波形スレートを使用し、これをハンマーミルを用いて粗粉砕処理した。得られた粗粉砕粉に含まれる粒径1mm以上の粒子の割合は97質量%であった。この粗粉砕粉にカルシウム質粉末として消石灰を添加しC/S比を2.4に調整し混合した。この混合物を振動ボールミルを使用して実施例1と同一の粒度である目開き45μmふるい通過量が96質量%まで微粉砕したところ、要した時間は360分であった。微粉砕した混合物を900℃で1時間焼成して処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及び得られた処理生成物の主構成相はβ−CSでその含有量は70質量%であり、他にCaO、MgO、及びbrownmilleriteが含まれることが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は22μmでBET比表面積は4.0m/gであった。更に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同一の方法で作製した硬化体のかさ密度は1.59g/cmで曲げ強度は21.9N/mmであった。従って、得られた処理生成物はβ−CSを主成分とするセメントであることが確認され、また、得られた処理生成物を使用して作製した硬化体のかさ密度と曲げ強度は実施例1とほぼ同等であったことから、この処理生成物の強度発現は普通ポルトランドセメントとほぼ同等であり、普通ポルトランドセメントと同様に使用できることが確認されたが、微粉砕処理に要する時間が実施例1よりも大幅に増加した。
【0020】
比較例1
実施例1と同一の波形スレートを使用し、自由粉砕ミルを用いて粒径1mm以上の粒子の含有量が15質量%となるように粗粉砕処理した。この粗粉砕処理した波形スレートにカルシウム質粉末として消石灰を、C/S比が2.4となるように混合した。この混合物を微粉砕処理することなく900℃で1時間焼成して処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及びこの処理生成物の構成相はβ−CS、CaO、MgO、及びbrownmilleriteであるが、β−CSの生成量が少なくその含有量は44質量%であり、β−CSを主成分とするものではないことが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は65μmでBET比表面積は4.2m/gであった。次に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同一の方法で硬化体を作製したところ、硬化体のかさ密度は1.45g/cmで曲げ強度は12.2N/mmであった。従って、得られた処理生成物は水硬性は有するもののβ−CSを主成分とするセメントではなく強度発現が低いので、硬化体を作製したときにポルトランドセメントと同等の性能を得ることはできなかった。
【0021】
比較例2
実施例1と同一の波形スレートを使用し、C/S比が1.8となるようにカルシウム質粉末として消石灰を混合した以外は実施例1と同様の処理を行って処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及びこの処理生成物の構成相はβ−CS、MgO、及びmerwiniteであるが、β−CSの生成量が少なくその含有量は32質量%であることからβ−CSを主成分とするものではないことが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は18μmでBET比表面積は3.5m/gであった。次に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同様の方法で硬化体を作製したところ、硬化体のかさ密度は1.42g/cmで曲げ強度は10.3N/mmであった。従って、得られた処理生成物は水硬性は有するもののβ−CSを主成分とするセメントではなく強度発現が低いので、硬化体を作製したときにポルトランドセメントと同等の性能を得ることはできなかった。
【0022】
比較例3
実施例1と同一の波形スレートを使用し、C/S比が3.2となるように消石灰を混合した以外は実施例1と同様の処理を行って処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及びこの処理生成物の構成相はβ−CS、CaO、MgO、及びbrownmilleriteであるがβ−CSの生成量が少なくその含有量は46質量%であったことから、β−CSを主成分とするものではないことが確認された。また、得られた処理生成物の平均粒径は16μmでBET比表面積は4.1m/gであった。次に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同一の方法で硬化体を作製したところ、硬化体のかさ密度は1.47g/cm、曲げ強度は13.4N/mmであった。従って、得られた処理生成物は水硬性は有するもののβ−CSを主成分とするセメントではなく強度発現が低いので、硬化体を作製したときにポルトランドセメントと同等の性能を得ることはできなかった。
【0023】
比較例4
実施例1と同一の波形スレートを使用し、焼成温度を500℃とした以外は実施例1と同様の処理を行って処理生成物を得た。処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークが認められ、非石綿化されていなかった。
【0024】
比較例5
実施例1と同一の波形スレートを使用し、焼成温度を1150℃とした以外は実施例1と同一の処理を行って処理生成物を得た。得られた処理生成物の構成相をX線回折により同定したところ、クリソタイルの回折ピークは認められず非石綿化されていること、及びこの処理生成物の主構成相はβ−CSでその含有量は79質量%であり、他にCaO、MgO、及びbrownmilleriteを含むことが確認された。得られた処理生成物の平均粒径は20μmであったが、BET比表面積は0.8m/gであり、実施例1と比較して比表面積が非常に小さかった。次に、得られた処理生成物を使用して実施例1と同一の方法で硬化体を作製したところ、硬化体のかさ密度は1.79g/cmで曲げ強度は8.2N/mmであった。従って、得られた処理生成物はβ−CSを主成分とするセメントではあるものの比表面積が非常に小さく強度発現が低いので、硬化体を作製したときにポルトランドセメントと同等の性能を得ることはできなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、石綿スレートを単に非石綿化処理するだけでなく、処理生成物としてポルトランドセメントとほぼ同等の高活性のセメントを生成させることができるので、有効にリサイクルすることができる。

Claims (2)

  1. 石綿スレートを非石綿化するための処理方法であって、石綿スレートを粗粉砕処理し、粗粉砕処理した石綿スレートにカルシウム質粉末及び/又はシリカ質粉末を添加してCaOとSiOとのモル比が2.0以上2.8以下となるように調整し、次いで目開き45μmふるい通過量が85質量%以上となるよう微粉砕処理した後、600℃以上1100℃以下で焼成することにより、β−CSを主成分とするセメントを生成させることを特徴とする石綿スレートの非石綿化処理方法。
  2. 粒径1mm以上の粒子の含有量が20質量%以下となるように石綿スレートを粗粉砕処理することを特徴とする請求項1記載の石綿スレートの非石綿化処理方法。
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