JP2008272566A - アスベスト含有資源の無害化熱処理方法,アスベスト含有成形物資源の無害化熱処理方法,アスベスト無害化熱処理物を用いた水硬性組成物。 - Google Patents
アスベスト含有資源の無害化熱処理方法,アスベスト含有成形物資源の無害化熱処理方法,アスベスト無害化熱処理物を用いた水硬性組成物。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】アスベスト廃材を、比較的低温、且つ炉内へアスベストを飛散させることなく無害化する手段を提供する。
【解決手段】密封袋詰めされた飛散性アスベスト含有物に、塩化カルシウム、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、リン酸ソーダ等を注入した後、貝殻、セッコウ、石灰石、ドロマイト、セメント硬化物等のカルシウム剤とともに900℃以上1100℃以下の温度で焼成し、一方、非飛散性アスベストは所定の速度で600℃まで昇温した後、上記カルシウム剤とともに上記温度で焼成し、いずれの場合も、焼成生成物にセッコウやフライアッシュを混合して水硬性固化材とする。
【選択図】なし
【解決手段】密封袋詰めされた飛散性アスベスト含有物に、塩化カルシウム、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、リン酸ソーダ等を注入した後、貝殻、セッコウ、石灰石、ドロマイト、セメント硬化物等のカルシウム剤とともに900℃以上1100℃以下の温度で焼成し、一方、非飛散性アスベストは所定の速度で600℃まで昇温した後、上記カルシウム剤とともに上記温度で焼成し、いずれの場合も、焼成生成物にセッコウやフライアッシュを混合して水硬性固化材とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、我国の建設業において、莫大に発生している健康上有害物質である、アスベスト(珪酸:SiO2 の針状結晶)の無害化最終処理について、極めて斬新なる新技術に関する。具体的には、我国では、建設コストを安く押さえることのみで工事の方針が進められてきたため、コストの安いアスベストが非常に多く使用されてきていたが、当然に安全衛生上改修が必要で、剥離した有害アスベストの処理の行き詰まりを打開する進歩性大なる新技術に関するものである。
我国内では、社会政治情勢が不透明であるから、公共工事を含む建設工事にしても、安全衛生よりも、工事会社の利益がより優先され、建築物の壁や耐火被覆部分にも、輸入で価格の安いアスベストが大量に用いられて来た。しかし、最近になって、企業保償と国家保償の対象となる中皮腫癌はアスベストが原因と考えられるに至り、建物にアスベストを使用した部分の改修工事が盛んに行なわれるようになった。ところが、こられの改修工事においても、またしても、工事会社の利益が優先となり、散水するのみで、工事中に乾いてしまう部分も多く、アスベストの発塵は特に目に見えない部分では依然発生している。従って、アスベスト癌患者の認定は年々増大している。
また、剥離したアスベストを有害な針状結晶のままで、運んだり、埋め立て処分したりしているだけで、有害物を有害のままで処理することが黙認されており、最終処分というには、論理上間違いが続いている。
而も、例えば、東京都であるが、アスベスト廃材を埋め立てるのに、最終処分場を作るとNHKなどで報道していたにもかかわらず、現場の人がその場所を問い合せると「実際にはまだ設けていない」と東京都の担当者から返事があるのみとのことである。ところが、更にNHKの報道では、有害物をそのまま埋め立てることは、環境上不当であるといっており、結局、従来の技術と政策では、改修剥離後のアスベストの行き処がなく、闇で処分されているのを、行政当局もマスコミも黙認している現状で、環境行政は行き詰まり、この面では新技術も進歩が滞っており行き詰まっているというのが、偽らざる我国の背景技術の現状である。
また、剥離したアスベストを有害な針状結晶のままで、運んだり、埋め立て処分したりしているだけで、有害物を有害のままで処理することが黙認されており、最終処分というには、論理上間違いが続いている。
而も、例えば、東京都であるが、アスベスト廃材を埋め立てるのに、最終処分場を作るとNHKなどで報道していたにもかかわらず、現場の人がその場所を問い合せると「実際にはまだ設けていない」と東京都の担当者から返事があるのみとのことである。ところが、更にNHKの報道では、有害物をそのまま埋め立てることは、環境上不当であるといっており、結局、従来の技術と政策では、改修剥離後のアスベストの行き処がなく、闇で処分されているのを、行政当局もマスコミも黙認している現状で、環境行政は行き詰まり、この面では新技術も進歩が滞っており行き詰まっているというのが、偽らざる我国の背景技術の現状である。
アスベスト鉱物のクリソタイル、アモサイトなどが、強靱な針状結晶鉱物であるが、600℃以上に加熱されると結晶水を放出して非晶質となり、更に加熱されてマグネシアシリケ−ト鉱物であるエンスタタイトやフォルステライトとなることは、学術的に広く知られた理論であり、また単なる低温加熱で無害化する処理方法は、次記複数の特許として公開されているが、上記種々の行き詰まりを解決する技術は未だ殆ど存在しない。
しかし、この窮状をある程度解決することを目的とした次の従来技術も存在した。
1)1番目の従来技術、特願平7−265893は、石綿原料焼結体とその製造方法についての発明であり、その課題は、環境に対する有害物として規制されている石綿を含む産業廃棄物を無害化することを可能とし、さらに、その産業廃棄物から価値ある工業製品である焼結体を製造することをも可能とする。而して、その解決手段は石綿から成る廃棄物を主原料とし、その原料の組成物中の石綿の重量比が60%以上に対して珪酸ソ−ダまたは珪酸カリウムを3〜15%含有させ、その配合物を1000〜1200℃の温度で焼成・焼結して得る、という技術である。
2)2番目の従来技術、特開2005−168632は、アスベスト無害化処理方法であり、その課題は、低エネルギでアスベストを確実に無害化できるアスベストの無害化処理方法を提供することである。而して、その解決手段は、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合(又は混練)し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成る。また、アスべストを含んだ物質(アスベストを含んだスレ−ト板、屋根瓦、水道管、自動車のブレ−キ、アセチレンボンベの充填材、耐火被覆材等)とフロン分解物とを混合(又は混練)し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成る。また、アスベスト含有物質が多孔質の場合には、スラリ−状のフロン分解物を含浸させた後に低温加熱処理しても無害化できるというものである。
3)3番目の従来技術、特願平10−515609は、石綿を除去するための組成物及び方法であり、その要点は、温石綿含有材料を非石綿材料に転化させるための組成物としては、水、少なくとも約30重量%の無機酸及び約0.1ないし約4重量%の、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金族のヘキサフルオロケイ酸塩を含んで成るものというものである。
4)4番目の従来技術、特許第3198148は、石綿セメント製品に関係した水硬性粉体組成物についてのもので、石綿セメント製品を600〜1450℃の温度で、15分〜2時間加熱処理した石綿セメント製品の加熱処理品であって、X線回析による石綿のピ−クが不在であり、且つガラス状固化物が不在である水硬性粉体組成物というものである。
特願平07−265893号公報
特開2005−168632号公報
特願平10−515609号公報
特許第3198148号公報
1)1番目の従来技術、特願平7−265893は、石綿原料焼結体とその製造方法についての発明であり、その課題は、環境に対する有害物として規制されている石綿を含む産業廃棄物を無害化することを可能とし、さらに、その産業廃棄物から価値ある工業製品である焼結体を製造することをも可能とする。而して、その解決手段は石綿から成る廃棄物を主原料とし、その原料の組成物中の石綿の重量比が60%以上に対して珪酸ソ−ダまたは珪酸カリウムを3〜15%含有させ、その配合物を1000〜1200℃の温度で焼成・焼結して得る、という技術である。
2)2番目の従来技術、特開2005−168632は、アスベスト無害化処理方法であり、その課題は、低エネルギでアスベストを確実に無害化できるアスベストの無害化処理方法を提供することである。而して、その解決手段は、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合(又は混練)し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成る。また、アスべストを含んだ物質(アスベストを含んだスレ−ト板、屋根瓦、水道管、自動車のブレ−キ、アセチレンボンベの充填材、耐火被覆材等)とフロン分解物とを混合(又は混練)し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成る。また、アスベスト含有物質が多孔質の場合には、スラリ−状のフロン分解物を含浸させた後に低温加熱処理しても無害化できるというものである。
3)3番目の従来技術、特願平10−515609は、石綿を除去するための組成物及び方法であり、その要点は、温石綿含有材料を非石綿材料に転化させるための組成物としては、水、少なくとも約30重量%の無機酸及び約0.1ないし約4重量%の、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金族のヘキサフルオロケイ酸塩を含んで成るものというものである。
4)4番目の従来技術、特許第3198148は、石綿セメント製品に関係した水硬性粉体組成物についてのもので、石綿セメント製品を600〜1450℃の温度で、15分〜2時間加熱処理した石綿セメント製品の加熱処理品であって、X線回析による石綿のピ−クが不在であり、且つガラス状固化物が不在である水硬性粉体組成物というものである。
アスベスト無害化処理に関する法律的な条件は、環境省により制定されていて、回収物の破砕・粉砕は原則禁止されている為、従来技術にあるような処理方法は大きい制約を受ける。飛散性アスベストは2重袋に入れて回収されるが、開封して処理をすることは出来ないし、長尺のスレ−ト板は炉に入れる為の破砕が不可能となる為、受入原形のまま加熱処理する方法が求められているものであり、これら上記の従来技術の条件では対応出来ないものである。
更に、上記のように、アスベスト無害化処理に関する法律的な条件が変わった今日においては、発明が解決すべき課題もまた一層新しく設定される必要がある。例えば、
スレ−ト板などのように、硬化した組織がセメントゲルで包まれた状態では、炉内においてもアスベスト繊維が飛散する心配はないが、高密度のセメントゲル中に化学的に結合された結晶水は、200℃までは蒸発することなく、加熱過程において内部に高圧水蒸気の形で潜在している為、極めてゆっくり加熱を行なわないと、爆裂して破壊することを実験的に確認した。炉内の加熱時に爆裂を起こさない加熱条件を確立することが必要である。 更にまた、飛散性のアスベストは、プラスチックの袋にいれたまま炉内に入れると、袋が溶融されると繊維状になって炉内雰囲気に飛散する。従って、極めて厳しい大気汚染防止基準をクリアする為には完全な飛散防止をした新しい焼成方法を開発することが必要である。
更に、上記のように、アスベスト無害化処理に関する法律的な条件が変わった今日においては、発明が解決すべき課題もまた一層新しく設定される必要がある。例えば、
スレ−ト板などのように、硬化した組織がセメントゲルで包まれた状態では、炉内においてもアスベスト繊維が飛散する心配はないが、高密度のセメントゲル中に化学的に結合された結晶水は、200℃までは蒸発することなく、加熱過程において内部に高圧水蒸気の形で潜在している為、極めてゆっくり加熱を行なわないと、爆裂して破壊することを実験的に確認した。炉内の加熱時に爆裂を起こさない加熱条件を確立することが必要である。 更にまた、飛散性のアスベストは、プラスチックの袋にいれたまま炉内に入れると、袋が溶融されると繊維状になって炉内雰囲気に飛散する。従って、極めて厳しい大気汚染防止基準をクリアする為には完全な飛散防止をした新しい焼成方法を開発することが必要である。
しかしながら、上記従来技術はいずれも、アスベスト無害化の技術そのものにおいても更に最近の環境基準クリアにおいても、下記の通り大きな問題点、欠点を有するもので、どれも、極めて不充分な技術である。
即ち、前記1番目の従来技術:特願平07−265893では、アスベストを含む廃材資源を乾燥工程において、低温で2段に加熱しているが、焼成工程では、突然1000℃以上に加熱するので、該廃材中の結晶水が急激に蒸気化膨張して、該アスベスト廃材は爆裂し、雰囲気内にアスベスト粉塵が発生し、加熱炉排気による環境汚染が起こるという欠点がある。また長尺物廃材を解砕・粉砕する段階でもアスベスト粉塵を発生するという問題点がある。
即ち、前記1番目の従来技術:特願平07−265893では、アスベストを含む廃材資源を乾燥工程において、低温で2段に加熱しているが、焼成工程では、突然1000℃以上に加熱するので、該廃材中の結晶水が急激に蒸気化膨張して、該アスベスト廃材は爆裂し、雰囲気内にアスベスト粉塵が発生し、加熱炉排気による環境汚染が起こるという欠点がある。また長尺物廃材を解砕・粉砕する段階でもアスベスト粉塵を発生するという問題点がある。
また、前記2番目の従来技術:特開2005−168632では、アスベスト廃棄物とフロン廃棄物を混合処理する手段を用いるが、その後フロンは、環境有害物質とされ使用禁止になったので、この従来技術はアスベストの無害化処理には使用できないという問題点がある。
次に、前記3番目の従来技術:特願平10−515609は、アスベスト除去のためにヘキサフルオロケイ酸塩を使用するという技術であるが、アスベスト廃材を無害化処理するために、有機薬品を使用するので、処理原価が非常に高価なものとなり、工業上利用不可能という問題点がある。
更に、前記4番目の従来技術:特許第3198148は、石綿セメント製品(廃棄物)を600〜1450℃で15分〜2時間加熱処理して、X線回析で石綿のピ−クが出ないようにする技術とのことで、800℃以上に加熱するとX線回析においてアスベストは完全に消滅していることを立証している。しかしながら、同技術では、焼成処理をしたものは水硬性を持つ焼結体であることが記載されているが、セメント硬化体を再加熱したものは15〜18%の生石灰成分を含むものであり、そのまま水硬性固化材に使用すると大きい膨張破裂を起こす為、そのままでは商品とならないという欠点がある。
本発明は上記の従来技術の諸欠点、問題点を殆ど除去し、アスベストを無害化し、粉塵の飛散を完全に防止し、その上で、而も国家社会が行き詰まっている埋め立て場所も不要とする画期的進歩的手段を創始提供せんとしているものである。
課題に対する第一の対応は、非飛散性のセメント硬化体の爆裂防止条件である。セメント硬化体は、水和反応によって、CaO−SiO2 −H2 Oのセメントゲルとなって結合硬化されるが、これらの硬化体は、200〜300Åの空隙を持つ強固な結合体で、水は毛細管引力による物理的吸着と化学結合水が共存していて、昇温による主たる結晶水の放出は、熱分析をしてみると550℃付近にあるが、200℃までは蒸発脱水しないため、硬化体内部の蒸気圧は著しく高くなり、爆裂して組織を破壊するものであるが、200℃以上600℃までに加熱昇温速度を5℃/分以下に調整すると解決出来ることを実験により確認した。
課題に対する第一の対応は、非飛散性のセメント硬化体の爆裂防止条件である。セメント硬化体は、水和反応によって、CaO−SiO2 −H2 Oのセメントゲルとなって結合硬化されるが、これらの硬化体は、200〜300Åの空隙を持つ強固な結合体で、水は毛細管引力による物理的吸着と化学結合水が共存していて、昇温による主たる結晶水の放出は、熱分析をしてみると550℃付近にあるが、200℃までは蒸発脱水しないため、硬化体内部の蒸気圧は著しく高くなり、爆裂して組織を破壊するものであるが、200℃以上600℃までに加熱昇温速度を5℃/分以下に調整すると解決出来ることを実験により確認した。
課題に対する第二の対応は、飛散性の袋入りアスベストの炉内での飛散防止であり、無機質の粉体の中に埋没させて完全に防止する方法を創始した。無機質粉末は粒度0.5〜2mmの範囲のものが好適であり、特に(請求項3)に示すように、貝殻、セッコウ、又は解体コンクリ−ト再生骨材製造時に発生するセメント硬化物を含む粉末は何れも加熱処理により水硬性の材料となるものを選択し、焼成された粉末は固化材製造の原料として使用するものである。
また、アスベスト・セメント板は、900〜1100℃の間で焼成されたものは、セメント硬化体中に生成されている石灰分が生石灰の形で15〜18%遊離された形の組成物となることをX線回析により確認した。これらの組成物は多量の生石灰を含む為、加水すると急結するが、3日後には著しい炭酸化膨張を起こして大きく膨張し、強度を発現出来ないものであった。(請求項4)は、加水・水和の初期に生石灰とセッコウ、及びフライアツシュ中のAl2 O3 成分を結合させてエトリンガイト組成物とするものである。
エトリンガイトは3CaO・Al2 O3 ・3CaSO4 32H2 Oであり、CaO−25%、Al2 O3 −15%、CaSO4 −60%が理論的な組成であり、焼成物の遊離CaOの含有率を測定して、Al2 O3 成分20〜25%を含むフライアッシュの配合率及びセッコウの配合率を調整して、プレミックスされた粉体の固化材とするものである。
また、アスベスト・セメント板は、900〜1100℃の間で焼成されたものは、セメント硬化体中に生成されている石灰分が生石灰の形で15〜18%遊離された形の組成物となることをX線回析により確認した。これらの組成物は多量の生石灰を含む為、加水すると急結するが、3日後には著しい炭酸化膨張を起こして大きく膨張し、強度を発現出来ないものであった。(請求項4)は、加水・水和の初期に生石灰とセッコウ、及びフライアツシュ中のAl2 O3 成分を結合させてエトリンガイト組成物とするものである。
エトリンガイトは3CaO・Al2 O3 ・3CaSO4 32H2 Oであり、CaO−25%、Al2 O3 −15%、CaSO4 −60%が理論的な組成であり、焼成物の遊離CaOの含有率を測定して、Al2 O3 成分20〜25%を含むフライアッシュの配合率及びセッコウの配合率を調整して、プレミックスされた粉体の固化材とするものである。
上記の課題を解決するための手段の特徴を列挙すれば次の通りである。
本発明の手段の第1の特徴は、飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、耐熱金属容器の底に並べた後、それらの間隙及び上下面に、カルシウム含有の無機質粉末を充填して該アスベスト含有物を埋没させ、次いで焼成炉に入れて、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有資源の無害化熱処理方法であることである。
第2の特徴は、非飛散性のアスベスト成形物を破砕せず長尺のまま2〜10枚重ねて結束したものを、炉床に回転するロ−ラ−を有するロ−ラ−ハ−スキルンに挿入し200℃から600℃までの間の昇温速度を5℃/分以内のヒ−トカ−ブで加熱した後、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有成形物資源の無害化熱処理方法であることである。
本発明の手段の第1の特徴は、飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、耐熱金属容器の底に並べた後、それらの間隙及び上下面に、カルシウム含有の無機質粉末を充填して該アスベスト含有物を埋没させ、次いで焼成炉に入れて、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有資源の無害化熱処理方法であることである。
第2の特徴は、非飛散性のアスベスト成形物を破砕せず長尺のまま2〜10枚重ねて結束したものを、炉床に回転するロ−ラ−を有するロ−ラ−ハ−スキルンに挿入し200℃から600℃までの間の昇温速度を5℃/分以内のヒ−トカ−ブで加熱した後、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有成形物資源の無害化熱処理方法であることである。
第3の特徴は、前記カルシウム含有の無機質粉末が、貝殻、セッコウ、石灰石、ドロマイト、セメント硬化物のうちより選ばれた1種以上の粉末である請求項1に記載のアスベスト含有資源の無害化熱処理方法であることである。
第4の特徴は、飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、該袋内へ塩化カルシウム、炭酸ソ−ダ、苛性ソ−ダ、リン酸ソ−ダのうちより選ばれたい1種以上の水溶液を注入して全部を湿潤させた後、耐熱金属容器の底に並べて、それらの袋の上下及び隙間にカルシウム含有の無機質粉末を充填し前記アスベスト含有物を埋没させて、焼成炉に入れて900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有資源の無害化熱処理方法であることである。
第4の特徴は、飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、該袋内へ塩化カルシウム、炭酸ソ−ダ、苛性ソ−ダ、リン酸ソ−ダのうちより選ばれたい1種以上の水溶液を注入して全部を湿潤させた後、耐熱金属容器の底に並べて、それらの袋の上下及び隙間にカルシウム含有の無機質粉末を充填し前記アスベスト含有物を埋没させて、焼成炉に入れて900〜1100℃の範囲の温度で熱処理するアスベスト含有資源の無害化熱処理方法であることである。
第5の特徴は、アスベスト・セメント成形物を、前記方法により熱処理して得られたものについて粉粒径1mm以下の微粉とし、それに焼セッコウ及びフライアッシュを混合して、1部又は全部にエトリンガイトを生ずる組成物から成ることを特徴とするアスベスト無害化熱処理物を用いた水硬性組成物であることである。
1)従来までのところ、アスベストを熱処理して無害化する技術論では、少なくとも800℃以上に加熱して結晶変態をさせれば良いことは広く知られているが、我が国に於ては未だ1400℃で溶融処理する実績しかない為、法的には溶融方式のみが認められている。溶融炉は、設備投資は能力1トン/日当たり約1億円と高額であり、減価償却コストに於いて4万円/トン以上となり、無害化する為のコストは少なくとも8〜10万円/トンを要するものである為、政府は革新的技術により、低コストで処理出来る技術を広く募集している。本発明は、これらの要望に応じる為に、古くからのセラミックス技術による経験的な加熱条件を適用し、溶融方式の約1/5のコストで処理出来る方法と再生組成物を発明したもので、従来に比べ革新的環境効果と顕著な経済効果がある。
2)更に、焼成炉内でのアスベスト繊維の飛散を防止することは、従来、不可能とされていた問題に取り組み、粉体内に埋没させて完全に飛散を防止する革新的な方法を発明した。この方法を適用すれば、社会的、環境浄化保全の効果を得ることができる。
3)また、本発明の従来にない甚大な効果として、無害化処理された焼成物は国交省が推進進する水害や地震に対する地盤補強材としての土壌固化材として、現在の市場製品の約1/2の価格で供給出来る完全なリサイクル技術として広く展開出来る利点がある。
2)更に、焼成炉内でのアスベスト繊維の飛散を防止することは、従来、不可能とされていた問題に取り組み、粉体内に埋没させて完全に飛散を防止する革新的な方法を発明した。この方法を適用すれば、社会的、環境浄化保全の効果を得ることができる。
3)また、本発明の従来にない甚大な効果として、無害化処理された焼成物は国交省が推進進する水害や地震に対する地盤補強材としての土壌固化材として、現在の市場製品の約1/2の価格で供給出来る完全なリサイクル技術として広く展開出来る利点がある。
飛散性アスベストはプラスチック袋に約15kg密封されて持ち込まれる。開封することなく、最良の仕様としてフラックス剤を注射して添加した後、耐熱金属ボックスの底へ敷き並べた後、貝殻、セッコウ及びコンクリ−ト解体物から再生骨材を製造する過程において発生する硬化したセメントと砂分が主成分である2mm以下の粉末を選択して充填し袋を粉末中に埋没させる。
耐熱金属ボックスは、そのまま焼成炉内へ挿入して、900〜1100℃の範囲の温度で加熱し、生石灰又は焼セッコウ又はセメント質粉末と、アスベストが変態された珪酸マグネシウム質の焼結物を取り出す。アスベストの処理物及び無機質粉末は微粉砕された水硬性固化材の原料として利用する。
耐熱金属ボックスは、そのまま焼成炉内へ挿入して、900〜1100℃の範囲の温度で加熱し、生石灰又は焼セッコウ又はセメント質粉末と、アスベストが変態された珪酸マグネシウム質の焼結物を取り出す。アスベストの処理物及び無機質粉末は微粉砕された水硬性固化材の原料として利用する。
非飛散性のアスベスト・セメント板は、複数枚重ねて結束させるか、又はパレットへ積み重ねて持ち込まれる。これらの焼成は、トンネルキルンの台車上に積み重ねて焼成することも出来るが、精度の高いヒ−トカ−ブの管理と熱効率の面から、ロ−ラ−ハ−スキルンのロ−ラ−上へ8枚から10枚程度積み重ねてキルンへ挿入し、600℃までの昇温速度を5℃/分以下に調整した後、10℃/分以上の速度で1000℃まで昇温した後、冷却して無害化された板状の焼結物として取り出す。この焼結物は、破砕・粉砕されて、少なくとも200μmの微粉末として水硬性固化材の原料として利用する。
飛散性アスベストの処理
A:サイズ600×600×600mmのsus304製のボックスにアスベスト解体物約15kg入りの2重袋を底に置き、貝殻(2mm以下)を80kg入れて埋没させた。
B:予めアスベスト入り袋内へNa2 ・HPO4 ・12H2 Oを50℃に加熱して液状とし、注射口を袋に差し込んで約5kgを注入した後、ボックス底へ入れて貝殻粉80kgを入れて埋没させた。
ボックスA及びBをシャトルキルン内へ入れ、5℃/分の昇温速度で1000℃に焼成 した。
焼成物のX線回析による判定は次の通りであった。
A:アスベスト焼成物は粉体状であったが、X線回析ではクリソタイル等の石綿鉱物は不検出であった。
B:アスベスト焼成物は、焼結したクリンカ−状の塊であり、粉砕したものは主として非晶質のガラス状であるが、クリソタイルの石綿鉱物は不検出であった。
なお、充填した貝殻は、約90%はCaOであった。
A:サイズ600×600×600mmのsus304製のボックスにアスベスト解体物約15kg入りの2重袋を底に置き、貝殻(2mm以下)を80kg入れて埋没させた。
B:予めアスベスト入り袋内へNa2 ・HPO4 ・12H2 Oを50℃に加熱して液状とし、注射口を袋に差し込んで約5kgを注入した後、ボックス底へ入れて貝殻粉80kgを入れて埋没させた。
ボックスA及びBをシャトルキルン内へ入れ、5℃/分の昇温速度で1000℃に焼成 した。
焼成物のX線回析による判定は次の通りであった。
A:アスベスト焼成物は粉体状であったが、X線回析ではクリソタイル等の石綿鉱物は不検出であった。
B:アスベスト焼成物は、焼結したクリンカ−状の塊であり、粉砕したものは主として非晶質のガラス状であるが、クリソタイルの石綿鉱物は不検出であった。
なお、充填した貝殻は、約90%はCaOであった。
非飛散性屋根材スレ−ト板の無害化処理
(焼成前のクリソタイルの含有率をX線回折し、5.6%の含有物)
サンプルサイズ幅900mm×長さ1820mm×厚さ6.3mmの波板を8枚重ねて1束としたものをロ−ラ−ハ−スキルンに入れて20℃〜600℃の間の昇温速度を5℃/分、8℃/分、10℃/分の3水準に設計して炉内での爆裂の可否を実験した。その結果は表1に示す。
以上のように昇温速度は5℃/分が安全性の限界であった為、20℃から600℃を5℃/分、600℃から1000℃を10℃/分の速度で昇温して約30分1000℃に保った後、冷却して取り出した。
(焼成物のX線回折により判定)
焼成物はCaO12〜13%を含む、結晶度の弱い珪酸カルシウム化合物が検出されたが、クリソタイルは不検出であった。
(焼成前のクリソタイルの含有率をX線回折し、5.6%の含有物)
サンプルサイズ幅900mm×長さ1820mm×厚さ6.3mmの波板を8枚重ねて1束としたものをロ−ラ−ハ−スキルンに入れて20℃〜600℃の間の昇温速度を5℃/分、8℃/分、10℃/分の3水準に設計して炉内での爆裂の可否を実験した。その結果は表1に示す。
以上のように昇温速度は5℃/分が安全性の限界であった為、20℃から600℃を5℃/分、600℃から1000℃を10℃/分の速度で昇温して約30分1000℃に保った後、冷却して取り出した。
(焼成物のX線回折により判定)
焼成物はCaO12〜13%を含む、結晶度の弱い珪酸カルシウム化合物が検出されたが、クリソタイルは不検出であった。
水硬性固化材の製造
スレ−ト板焼成物60%、半水セッコウ20%、フライアッシュ20%の粉末化合物は、混水量40%でペ−スト状となり、型枠に成形して3日、7日、28日の圧縮強度を測定した。その結果は表2の通りであった。
上記の実験結果が得られ、pH8.5〜9.0の中性固化材として使用できるものであった。
スレ−ト板焼成物60%、半水セッコウ20%、フライアッシュ20%の粉末化合物は、混水量40%でペ−スト状となり、型枠に成形して3日、7日、28日の圧縮強度を測定した。その結果は表2の通りであった。
Claims (5)
- 飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、耐熱金属容器の底に並べた後、それらの間隙及び上下面に、カルシウム含有の無機質粉末を充填して該アスベスト含有物を埋没させ、次いで焼成炉に入れて、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理することを特徴とするアスベスト含有資源の無害化熱処理方法。
- 非飛散性のアスベスト成形物を破砕せず長尺のまま2〜10枚重ねて結束したものを、炉床に回転するロ−ラ−を有するロ−ラ−ハ−スキルンに挿入し200℃から600℃までの間の昇温速度を5℃/分以内のヒ−トカ−ブで加熱した後、900〜1100℃の範囲の温度で熱処理することを特徴とするアスベスト含有成形物資源の無害化熱処理方法。
- 前記カルシウム含有の無機質粉末が、貝殻、セッコウ、石灰石、ドロマイト、セメント硬化物のうちより選ばれた1種以上の粉末である請求項1に記載のアスベスト含有資源の無害化熱処理方法。
- 飛散性アスベスト含有物をプラスチックないしはビニ−ルの袋に入れて回収し、該袋内へ塩化カルシウム、炭酸ソ−ダ、苛性ソ−ダ、リン酸ソ−ダのうちより選ばれたい1種以上の水溶液を注入して全部を湿潤させた後、耐熱金属容器の底に並べて、それらの袋の上下及び隙間にカルシウム含有の無機質粉末を充填し前記アスベスト含有物を埋没させて、焼成炉に入れて900〜1100℃の範囲の温度で熱処理することを特徴とするアスベスト含有資源の無害化熱処理方法。
- アスベスト・セメント成形物を前記方法により熱処理して得られたものを粉粒径1mm以下の微粉とし、それに焼セッコウ及びフライアッシュを混合して、1部又は全部にエトリンガイトを生ずる組成物から成ることを特徴とするアスベスト無害化熱処理物を用いた水硬性組成物。
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JP2010149080A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd | アスベストの無害化処理方法 |
JP2011200832A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Nishimatsu Constr Co Ltd | アスベスト含有建材の加熱処理システム |
CZ306605B6 (cs) * | 2016-01-22 | 2017-03-22 | Výzkumný ústav stavebních hmot, a.s. | Způsob využití azbestocementového odpadu |
WO2023043185A1 (ko) * | 2021-09-14 | 2023-03-23 | 주식회사 엘지화학 | 독성 폐기물의 처리 공정 및 처리 장치 |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006321080A patent/JP2008272566A/ja active Pending
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