JP2008238835A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブレーキ液圧を発生させるポンプと、マスタシリンダと前記ポンプの吸入側とを繋ぐ第1油路と、ホイルシリンダと前記マスタシリンダとを繋ぐ第2油路と、前記ポンプの吐出側と前記ホイルシリンダとを繋ぐ第3油路と、前記第2油路に設けられたゲートアウトバルブと、前記ゲートアウトバルブを制御する液圧制御手段と、を備えたブレーキ液圧制御装置において、前記液圧制御手段は、前記ブレーキ液圧を増圧するときに前記ゲートアウトバルブの閉弁量を制御するようにした。
【選択図】 図1
Description
図1は、本発明のブレーキ液圧制御装置を適用したブレーキシステムの配管図である。このブレーキシステムにおいては、P系統とS系統との2系統からなる、X配管と呼ばれる配管構造となっている。P系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続されており、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとが設けられており、このポンプPPとポンプPSは、1つのモータMによって駆動される。
ホイルシリンダW/Cと油路14とは油路13P,13Sによって接続されており、油路13と油路14とはチェックバルブ7とリザーバ15との間において合流している。この各油路13にそれぞれ、ノーマルクローズ型のソレノイドバルブである減圧バルブ4FL,4RR,4FR,4RLが設けられている。なお油路13は、本発明の第4油路に相当する。
実施例1におけるブレーキ液圧制御装置においては、Vehicle Dynamics Control(以下VDC)、Traction Control System(以下TCS)、Anti-lock Brake System(以下ABS)から要求液圧に応じて液圧制御を行う。
VDCは、舵角センサ20でドライバのステアリング操作量を検知し、ヨーレイト/横Gセンサ21、車輪回転センサ22などの情報から車両の走行状態(アンダステア、オーバステアの程度)を判断し、4輪ブレーキ制御とエンジン出力制御とを制御して車両の安定性を向上させる。またTCSは、車輪回転センサ22などの情報から4輪ブレーキ制御とエンジン出力制御とを制御して駆動スリップを防止する。またABSは、制動時の車輪ロックを防止することにより、操舵性の確保を行う。
前述のVDC、TCS、ABSの制御による要求液圧を演算するVDC/TCS/ABSコントロールユニット23は、ドライバのステアリング操作量を検出する舵角センサ20、車両のヨーレイト、横Gを検出するヨーレイト/横Gセンサ21、各車輪の車輪速度を検出する車輪回転センサ22から各検出値を入力し、各ホイルシリンダW/Cに対する要求液圧を演算する。
次にブレーキ液圧制御の処理について説明する。
実施例1では、P系統のホイルシリンダW/CとS系統のホイルシリンダW/Cとに異なるブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧制御を行う。図3は、P系統のホイルシリンダW/CとS系統のホイルシリンダW/Cとに異なるブレーキ液圧を発生させる例を示す図であり、右旋回時にオーバステアが発生したときのVDCによる各ホイルシリンダW/Cのブレーキ液圧配分を示す。図3に示すように、右旋回時にオーバステアが発生した場合には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と左後輪のホイルシリンダW/C(RL)とにブレーキ液圧を発生させ、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)のブレーキ液圧に対して左後輪のホイルシリンダW/C(RL)のブレーキ液圧は小さくなるように配分される。
ステップS1では、P系統を増圧制御中か否かを判断し、増圧制御中の場合はステップS2へ移行し、増圧に必要な液量からP系統モータ要求デューティMTR_req[P]を演算し、ステップS4へ移行する。増圧制御中でない場合はステップS3へ移行し、モータロックを防止するためのデューティlow_dutyをP系統モータ要求デューティにセットし、ステップS4へ移行する。
ステップS7では、P系統モータ要求デューティMTR_req[P]とS系統モータ要求デューティMTR_req[S]の最大値を、モータデューティMTR_dutyにセットし、モータを駆動する。
ステップS8では、増圧制御中か否かを判断し、増圧制御中の場合はステップS10へ移行し、所要液量とモータデューティMTR_dutyとに基づきゲートインバルブ要求パルスGI_reqを演算し、ステップS11へ移行する。
ステップs21では、減圧バルブパルスSO_pulseをセットする。
次に、実施例1のブレーキ液圧制御装置の作用について説明する。
P系統のポンプPPとS系統のポンプPSを1つのモータMによって駆動する場合、ポンプPPとポンプPSの駆動量は等しくなるため、ポンプPPとポンプPSの駆動量の差によって、P系統に供給する液量とS系統に供給する液量に差を生じさせることはできない。そこで、ゲートインバルブ1Pとゲートインバルブ1Sの駆動量を制御して、ポンプPPとポンプPSへのブレーキ液の供給量を調整することによって、P系統の制御対象輪のホイルシリンダの液圧とS系統の制御対象輪のホイルシリンダの液圧とに差を生じさせるようにしている。
GI_req[P] = 10[msec] × 100[%](MTR_req[P]) ÷ 100[%](MTR_duty) = 10[msec]
GI_req[S] = 10[msec] × 10[%](MTR_req[S]) ÷ 100[%](MTR_duty) = 1[msec]
となる(ステップS10)。
(1)ブレーキ液圧を発生させるポンプPと、マスタシリンダM/CとポンプPの吸入側とを繋ぐ油路10(第1油路)と、ホイルシリンダW/CとマスタシリンダM/Cとを繋ぐ油路12(第2油路)と、ポンプPの吐出側とホイルシリンダW/Cとを繋ぐ油路11(第3油路)と、油路12に設けられたゲートアウトバルブ2と、ゲートアウトバルブ2を制御する液圧コントロールユニット24(液圧制御手段)とを備え、液圧コントロールユニット24は、ブレーキ液圧を増圧するときにゲートアウトバルブ2の閉弁量を制御するようにした。
よって、ホイルシリンダW/Cの液圧が要求液圧を超えようとすると、ゲートアウトバルブ2によって液圧を逃がすため、ホイルシリンダW/Cの過増圧を抑制することができる。
よって、ゲートインバルブ1によってポンプPの吐出量を制御するとともに、ホイルシリンダW/Cの液圧が要求液圧を超えようとすると、ゲートアウトバルブ2によって液圧を逃がすため、ホイルシリンダW/Cの過増圧を抑制することができる。
ブレーキ配管の構成、コントローラの構成については、実施例1と同様であるため同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)のブレーキ液圧に対して右後輪のホイルシリンダW/C(RR)のブレーキ液圧は小さくなるようにブレーキ液圧を発生させた場合のブレーキ配管内の液圧を示す図である。図10では、油路内の液圧を線の太さで示しているが、該略図であり正確な液圧を示すものではない。
ステップS31では、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)のブレーキ液圧が、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)の要求液圧が等しいか否かを判断し、等しい場合にはステップS33へ移行して、異なる場合にはステップS34へ移行する。
ステップS33では、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)のブレーキ液圧の保持を行う。P系統モータ指令デューティ比MTR_req[P]を演算し、P系統ゲートインバルブ基準パルスGI_base[P]を0[msec]に設定し、S系統ゲートアウトバルブ制御指令信号GO_req[P]を演算して、ステップS35へ移行する。このとき、P系統モータ指令デューティ比MTR_req[P]は、モータMがロックしない程度の極低回転で駆動する値に設定する。
ステップS35では、左前輪増圧バルブ制御信号SI[FL]をOFF、つまり全開に設定し、左前輪減圧バルブ制御信号SO[FL]をOFF、つまり全閉に設定して、ステップS36へ移行する。
ステップS37では、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)のブレーキ液圧が、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)の要求液圧が等しいか否かを判断し、等しい場合にはステップS39へ移行して、異なる場合にはステップS40へ移行する。
ステップS39では、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)のブレーキ液圧の保持を行う。右後輪増圧バルブ制御信号SI[RR]を演算し、右後輪減圧バルブ制御信号SO[RR]をOFF、つまり全閉に設定して、図7のステップS20へ移行する。
ステップS12では、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)のブレーキ液圧の保持を行う。右後輪増圧バルブ制御信号SI[RR]を演算し、右後輪減圧バルブ制御信号SO[RR]を演算して、図7のステップS20へ移行する。
次に、実施例2のブレーキ液圧制御装置の作用について説明する。
前述の図10のように、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)にブレーキ液圧を供給するときには、P系統のみに上流圧を発生させれば良いため、実施例1のようにP系統とS系統に上流圧の差を生じさせる必要はない。しかしながら、ポンプPPの吐出量は常に一定というわけではないため、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)の要求液圧に対して、過増圧となることもある。
そこで実施例2では、右後輪の増圧バルブ3RRの開弁制御を行うことによって、右後のホイルシリンダW/C(RR)の要求液圧を供給できるようにした。
また図12(e),(f)に示すように、左前輪の増圧バルブ3FLはOFFであって制御がなされていないのに対して、右後輪の増圧バルブ3RRは右後輪のホイルシリンダW/C(RR)の要求液圧に応じて制御されているため、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)とを異なるブレーキ液圧に制御することができる。
実施例1では、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と左後輪のホイルシリンダW/C(RL)とを異なるブレーキ液圧に制御するブレーキ液圧制御について説明したが、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)とを異なるブレーキ液圧に制御するブレーキ液圧制御についても同様に行うことができる。
また実施例1,2のブレーキ制御装置を、2系統からなるブレーキ配管構成に用いているが、1系統からなるブレーキ配管構成に用いても良い。
また実施例1,2のブレーキ制御装置を、1系統に2つのホイルシリンダW/Cを有するブレーキ配管に用いているが、1系統に1つまたは3つ以上のホイルシリンダW/Cを有するブレーキ配管に用いても良い。
ブレーキ液圧を貯溜するリザーバと、
前記ホイルシリンダと前記リザーバとを繋ぐ第4油路と、
前記第4油路に減圧バルブと、
を備え、
前記液圧制御手段は、前記要求液圧に応じてブレーキ液圧を増圧するときに、前記減圧バルブを閉弁制御することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
前記第3油路は、1つの前記ポンプと複数の前記ホイルシリンダとを繋ぎ、各ホイルシリンダに対して増圧バルブを有する油路であって、
前記液圧制御手段は、各ホイルシリンダの前記要求液圧に応じて、各増圧バルブを開弁制御することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
よって、ポンプが要求液圧の最も高いホイルシリンダに応じて駆動している場合であっても、他のホイルシリンダも各増圧バルブによって、個別にブレーキ液圧を制御することができる。
前記ポンプと、前記第1油路と、前記第2油路と、前記第3油路と、前記第ゲートインバルブと、前記ゲートアウトバルブと、を独立して有するブレーキ系統を複数備え、
前記複数の系統に独立して備えられたポンプを1つのモータによって駆動することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
よって、各系統のポンプを1つのモータで駆動するため、ポンプの駆動量が等しい場合であっても、各系統ごとに異なるブレーキ液圧を発生させることができる。
前記モータはオン-オフ制御モータであることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
ホイルシリンダの要求液圧に応じてモータの駆動量を可変に制御できないオン-オフ制御モータであっても、ゲートアウトバルブによって液圧を逃がすため、ホイルシリンダの過増圧を抑制することができる。
2P,2S ゲートアウトバルブ
3FL,3RR,3FR,3RL 増圧バルブ
4FL,4RR,4FR,4RL 減圧バルブ
20 コントローラ
21 バルブ特性演算部
30 コントローラ
31 強制デューティ演算部
32 コイル特性演算部
36 電流モニタ部
PP,PS ポンプ
Claims (2)
- ブレーキ液圧を発生させるポンプと、
マスタシリンダと前記ポンプの吸入側とを繋ぐ第1油路と、
ホイルシリンダと前記マスタシリンダとを繋ぐ第2油路と、
前記ポンプの吐出側と前記ホイルシリンダとを繋ぐ第3油路と、
前記第2油路に設けられたゲートアウトバルブと、
前記ゲートアウトバルブを制御する液圧制御手段と、
を備えたブレーキ液圧制御装置において、
前記液圧制御手段は、前記ブレーキ液圧を増圧するときに前記ゲートアウトバルブの閉弁量を制御することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記第2油路に設けられたノーマルオープンのゲートアウトバルブと、
前記第1油路に設けられたノーマルクローズのゲートインバルブと、
前記ホイルシリンダの要求液圧を演算する要求液圧演算手段と、
を備え、
前記液圧制御手段は、前記ポンプにより前記ブレーキ液圧を増圧するときに前記要求液圧に応じて、前記ゲートインバルブの開弁量を制御するとともに、前記ゲートアウトバルブの閉弁量を制御することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
Priority Applications (1)
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11310121A (ja) * | 1998-04-27 | 1999-11-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両の制動制御装置 |
JP2000177554A (ja) * | 1998-12-18 | 2000-06-27 | Nissan Motor Co Ltd | ブレーキ制御装置 |
JP2001260840A (ja) * | 2000-03-16 | 2001-09-26 | Unisia Jecs Corp | ブレーキ制御装置 |
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2007
- 2007-03-24 JP JP2007078003A patent/JP2008238835A/ja active Pending
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