JP2008238556A - ポリビニルアルコール組成物からなる積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易に製造することが可能なポリビニルアルコールからなる積層体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、ポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、前記組成物層が、無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥して形成されたものであり、無機塩が水溶性であり、かつ結晶水を含有することができる塩であることを特徴とする積層体。2層以上のポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、組成物層における無機塩濃度が層毎に異なることを特徴とする上記積層体。ハイドロゲル層を積層してなる上記積層体。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に、ポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、前記組成物層が、無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥して形成されたものであり、無機塩が水溶性であり、かつ結晶水を含有することができる塩であることを特徴とする積層体。2層以上のポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、組成物層における無機塩濃度が層毎に異なることを特徴とする上記積層体。ハイドロゲル層を積層してなる上記積層体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、生体適合性に優れるポリビニルアルコール(PVA)を主体とし、透明度、強度、吸水性、保水性に優れ、かつそれ自体が粘着性を有すると共に剥離性が優れた積層体に関する。
PVAハイドロゲルは、透明で耐熱性があり、耐薬品性、ガス透過性、耐バクテリア性に優れているので、創傷被覆材等の生体適合材料として期待されている。また、PVAハイドロゲルに薬理活性物質又は薬理活性物質と吸収助剤及び/又は粘着性付与材を含有させた経皮吸収製剤が提示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなハイドロゲルの製造法としては、10〜40%PVA水溶液に放射線を照射し、この水溶液を乾燥し、これを水に漬けて膨潤させる方法(例えば、特許文献2参照)があり、さらにゲルの強度を増す方法として、PVA水溶液を乾燥後これを熱処理したものに放射線を照射する方法等がある(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、ハイドロゲルの強度や粘着性を改良する手段として、PVAとその他の重合体を混合した水溶液に放射線照射してハイドロゲルを得る方法が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。これらは粘着層、吸水・支持層、支持体層などを含むハイドロゲル積層体となっており、各層によって照射する放射線の線量を変えることによって、粘着層や支持層などによって物性を変更することに成功している。
さらに、ハイドロゲルの強度や粘着性を改良する手段として、PVAとその他の重合体を混合した水溶液に放射線照射してハイドロゲルを得る方法が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。これらは粘着層、吸水・支持層、支持体層などを含むハイドロゲル積層体となっており、各層によって照射する放射線の線量を変えることによって、粘着層や支持層などによって物性を変更することに成功している。
しかしながら、積層体の各層に放射線を照射する方法では、特殊な装置が必要であり、また、放射線が繰り返し照射される下層においては、その物性を制御することが困難になるという問題があった。
特公平3−77171号公報
特開平4−358532号公報
特開平9―262249公報
特開平9−267453公報
「医科器械学」、1992年、第62巻、p.285−289
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、簡易に製造することが可能なポリビニルアルコールからなる積層体を提供することである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の無機物を含むPVA水溶液からPVA組成物層を形成してなる積層体が上記課題を解決することを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)支持体上に、ポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、前記組成物層が、無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥して形成されたものであり、無機塩が水溶性であり、かつ結晶水を含有することができる塩であることを特徴とする積層体。
(2)2層以上のポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、組成物層における無機塩濃度が層毎に異なることを特徴とする(1)記載の積層体。
(3)ハイドロゲル層を積層してなる(1)または(2)に記載の積層体。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体を用いてなる貼付材。
(1)支持体上に、ポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、前記組成物層が、無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥して形成されたものであり、無機塩が水溶性であり、かつ結晶水を含有することができる塩であることを特徴とする積層体。
(2)2層以上のポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、組成物層における無機塩濃度が層毎に異なることを特徴とする(1)記載の積層体。
(3)ハイドロゲル層を積層してなる(1)または(2)に記載の積層体。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体を用いてなる貼付材。
本発明の積層体は、透明であり、強度、吸水性、保水性に優れ、既存品よりも簡易に製造することが可能である。また、本発明の積層体からなる貼付材は、浸出液吸収後も基材が軟化することがなく、剥離が完全かつ容易で、剥離後の基材の残留がなく、積層体が粘着性を有するため、実用面、衛生面での利便性が高い。
本発明の積層体を構成するPVA組成物は、無機塩含有PVA水溶液を塗布、乾燥して形成されたものである。
PVAは、平均重合度が1000〜2500であることが好ましく、ケン化度が50〜100%であることが好ましい。
PVAは、平均重合度が1000〜2500であることが好ましく、ケン化度が50〜100%であることが好ましい。
本発明において、無機塩は水溶性であり、かつ結晶水を含有することができるもの、すなわち、水が存在すると、結晶水を持った水和物になる性質を有するものであることが必要である。このような無機塩は、PVA水溶液中では、塩水和物として、溶解しているPVA中に取込まれるので、無機塩はPVA水溶液に添加時には無水物の形態であってもよい。
本発明で使用する無機塩としては、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩及び酸化物等が例示され、カチオンの種類は特に限定されないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、アルミニウムなどが特に望ましい。
本発明で使用する無機塩としては、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩及び酸化物等が例示され、カチオンの種類は特に限定されないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、アルミニウムなどが特に望ましい。
上記PVAと無機塩とを含有する無機塩含有PVA水溶液において、PVAの濃度は、5〜80質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。PVAの濃度が5質量%未満であると、組成物層の成形性が低下し、80質量%を超えると、PVAの溶解が困難になる。一方、無機塩の濃度は、0.05〜75質量%が好ましく、4〜50質量%がより好ましい。無機塩の濃度が0.05質量%未満であったり、75質量%を超えると成形性が低下する。
水溶液中における無機塩とPVAとの質量比率(無機塩/PVA)は、1/99〜75/25であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましい。無機塩の質量比率が1質量%未満であったり、75質量%を超えると成形性が低下する。
なお、水溶液中には、水溶性の有機溶媒を含有することができるが、その濃度が50質量%を超えると、組成物層が固形化しないことがある。
水溶液中における無機塩とPVAとの質量比率(無機塩/PVA)は、1/99〜75/25であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましい。無機塩の質量比率が1質量%未満であったり、75質量%を超えると成形性が低下する。
なお、水溶液中には、水溶性の有機溶媒を含有することができるが、その濃度が50質量%を超えると、組成物層が固形化しないことがある。
本発明において、PVA組成物層は、上記無機塩含有PVA水溶液を支持体に塗布、乾燥して形成されたものである。塗布方法としては、ローラーコーティング、はけ塗りなどの通常の方法を使用することができる。乾燥条件としては、15〜80℃、0.1〜240時間が好ましい。この方法により、厚さ10μm〜1mm、より好ましくは、30〜300μmのPVA組成物層を得ることができる。
また、後述するように、本発明の積層体は、複数のPVA組成物層やハイドロゲル層を積層することができ、それらの層上にも上記同様、無機塩含有PVA水溶液を塗布、乾燥して、PVA組成物層を形成することができる。
また、後述するように、本発明の積層体は、複数のPVA組成物層やハイドロゲル層を積層することができ、それらの層上にも上記同様、無機塩含有PVA水溶液を塗布、乾燥して、PVA組成物層を形成することができる。
このようにして形成されたPVA組成物は、従来のPVAハイドロゲルとは本質的に異なるものである。
すなわち、従来のPVAハイドロゲルにおいては、低温に保持することにより、多量の水分子を含有する。一方、本発明におけるPVA組成物は、PVA水溶液を常温又は加熱した状態(80℃以下)で十分乾燥することにより、いわゆる自由水としての水の含有量は、一部吸着水としての水が存在するので0質量%にはならないが、PVAの10質量%以下となる。そして、無機塩水和物としてPVA中に取込まれた水の大部分は乾燥によっても除去されることはなく、PVA中に残存する。この無機塩水和物としてPVA中に取込まれた水は、上記自由水とは異なるものであり、自由水とは異なる挙動を示す。したがって、本発明におけるPVA組成物は、従来のPVAハイドロゲルとは基本的に異なるものである。
すなわち、従来のPVAハイドロゲルにおいては、低温に保持することにより、多量の水分子を含有する。一方、本発明におけるPVA組成物は、PVA水溶液を常温又は加熱した状態(80℃以下)で十分乾燥することにより、いわゆる自由水としての水の含有量は、一部吸着水としての水が存在するので0質量%にはならないが、PVAの10質量%以下となる。そして、無機塩水和物としてPVA中に取込まれた水の大部分は乾燥によっても除去されることはなく、PVA中に残存する。この無機塩水和物としてPVA中に取込まれた水は、上記自由水とは異なるものであり、自由水とは異なる挙動を示す。したがって、本発明におけるPVA組成物は、従来のPVAハイドロゲルとは基本的に異なるものである。
本発明において、支持体は、織布、不織布やフィルム等が望ましい。
織布もしくは不織布を用いる場合、材質は特に制限されないが、具体的には綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース系繊維、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル等の合成繊維が挙げられる。
フィルムを用いる場合も特に材質は制限されないが、具体的にはレーヨン、アセテートやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリウレタン、PVAやポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルキルエーテルなどのビニル系高分子等の高分子物質が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることも出来る。また、支持体として、本発明で使用する無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液から形成されるフィルムを使用してもよい。
織布もしくは不織布を用いる場合、材質は特に制限されないが、具体的には綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース系繊維、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル等の合成繊維が挙げられる。
フィルムを用いる場合も特に材質は制限されないが、具体的にはレーヨン、アセテートやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリウレタン、PVAやポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルキルエーテルなどのビニル系高分子等の高分子物質が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることも出来る。また、支持体として、本発明で使用する無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液から形成されるフィルムを使用してもよい。
本発明の積層体は、支持体上に2層以上のPVA組成物層が積層されてもよく、PVA組成物層における無機塩濃度は層毎に異ならせることができる。例えば、支持体上に接する組成物層において無機塩濃度を高く設定することによって、積層体に強度を付与することができ、一方、最外層の組成物層において無機塩濃度を低く設定することによって、積層体表面に粘着性を付与することができる。また、支持体上に接する組成物層と、最外層の組成物層との間に中間層を設けてもよく、その場合は、中間層における無機塩濃度は、両層の中間値に設定することが好ましい。
本発明の積層体には、ハイドロゲル層を積層してもよい。ハイドロゲルの具体例としては、放射線を照射したPVA、ビニロン、アクリルアミド、ポリアクリル酸もしくはこれらの混合物などが挙げられる。これらにはポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールなどの素材を添加していてもよい。ハイドロゲル層を積層することによって、積層体に用途に応じた物性を付与することができる。
本発明のPVA組成物層を含む積層体は、単独でも創傷被覆材などに用いることが出来る。また、PVA組成物層に医薬品成分、冷却用組成物、保湿剤、化粧品用成分などの有効成分を加えることによって、医薬品、医薬部外品、化粧品等の貼付剤、保湿剤、パップ剤やパック剤等の発熱時や炎症時の患部の冷却剤、電気治療器の導電性パッド、飲料などの冷却剤、洗浄剤等の日用品に好適に使用可能な冷却用組成物並びに冷却剤などの用途に用いることが可能である。また、無機塩濃度などの組成を調節することによって導電性パッドとしても用いることが出来る。
組成物層に添加する冷却用組成物としては、例えば、アルキレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの物質やこれらの混合物が挙げられる。
また、組成物層に添加する保湿成分としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルビトール、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩などの物質やこれらの混合物が挙げられる。
組成物層に添加する冷却用組成物としては、例えば、アルキレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの物質やこれらの混合物が挙げられる。
また、組成物層に添加する保湿成分としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルビトール、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩などの物質やこれらの混合物が挙げられる。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
ケン化度97%、平均重合度1,800のPVA(顆粒)200gに、蒸留水300gを加え、さらに無機塩としてCa(NO3)2・4H2OをPVAに対して60質量%となるように加え、系全体を100℃に加熱し、十分に攪拌し、均一なPVA水溶液(A)とした。
同様にして、Ca(NO3)2・4H2OがPVAに対して100質量%であるPVA水溶液(B)と、150質量%であるPVA水溶液(C)を調製した。
まず、PVA水溶液(A)をポリウレタンフィルム支持体上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して組成物層(A)を形成した。次に組成物層(A)上にPVA水溶液(B)を同様の方法で塗布・乾燥し、組成物層(B)を形成した。さらにこの組成物層(B)上にPVA水溶液(C)を同様の方法で塗布・乾燥することによって組成物層(C)を形成した。
得られた、支持体/組成物層(A)/組成物層(B)/組成物層(C)からなる積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は3%であり、下記比較例1より優れた透明度を得ることが出来た。
ケン化度97%、平均重合度1,800のPVA(顆粒)200gに、蒸留水300gを加え、さらに無機塩としてCa(NO3)2・4H2OをPVAに対して60質量%となるように加え、系全体を100℃に加熱し、十分に攪拌し、均一なPVA水溶液(A)とした。
同様にして、Ca(NO3)2・4H2OがPVAに対して100質量%であるPVA水溶液(B)と、150質量%であるPVA水溶液(C)を調製した。
まず、PVA水溶液(A)をポリウレタンフィルム支持体上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して組成物層(A)を形成した。次に組成物層(A)上にPVA水溶液(B)を同様の方法で塗布・乾燥し、組成物層(B)を形成した。さらにこの組成物層(B)上にPVA水溶液(C)を同様の方法で塗布・乾燥することによって組成物層(C)を形成した。
得られた、支持体/組成物層(A)/組成物層(B)/組成物層(C)からなる積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は3%であり、下記比較例1より優れた透明度を得ることが出来た。
実施例2
無機塩としてMg(CH3COO)2を使用した以外は実施例1と同様にして、支持体上に無機塩濃度が異なる組成物層を3層積層した。
得られた積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は2.3%であり、下記比較例1より優れた透明度を得ることが出来た。
無機塩としてMg(CH3COO)2を使用した以外は実施例1と同様にして、支持体上に無機塩濃度が異なる組成物層を3層積層した。
得られた積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は2.3%であり、下記比較例1より優れた透明度を得ることが出来た。
実施例3
ケン化度97%、平均重合度1,800のPVA(顆粒)200gに、蒸留水300gを加え、さらに無機塩としてMg(CH3COO)2をPVAに対して150質量%となるように加え、系全体を100℃に加熱し、十分に攪拌し、均一なPVA水溶液とした。
このPVA水溶液をポリウレタンフィルム支持体上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して組成物層を形成した。
次に、ポリアクリル酸部分中和物5質量%とカルボキシメチルセルロース6質量%の水溶液を、前記組成物層上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して、ハイドロゲル層を形成した。
得られた、支持体/組成物層/ハイドロゲル層からなる積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は10.2%であった。
ケン化度97%、平均重合度1,800のPVA(顆粒)200gに、蒸留水300gを加え、さらに無機塩としてMg(CH3COO)2をPVAに対して150質量%となるように加え、系全体を100℃に加熱し、十分に攪拌し、均一なPVA水溶液とした。
このPVA水溶液をポリウレタンフィルム支持体上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して組成物層を形成した。
次に、ポリアクリル酸部分中和物5質量%とカルボキシメチルセルロース6質量%の水溶液を、前記組成物層上に、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、25℃、相対湿度60%RHで24時間乾燥して、ハイドロゲル層を形成した。
得られた、支持体/組成物層/ハイドロゲル層からなる積層体は層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであった。また積層体のヘーズ(曇度)は10.2%であった。
比較例1
ケン化度98.5%、平均重合度1700のPVA20gと、水80gとを300mlのガラス製三角フラスコに入れ、121℃のオートクレーブを用いて20分間加熱し、PVAを溶解し、PVA水溶液(1)を作製した。
また、同じPVA20gと、重量平均分子量900,000のVEMA20gと、水60gとを300mlのガラス製三角フラスコに入れ、上記と同様の手順でPVA水溶液(2)を作製した。
ポリウレタンフィルム支持体上に、PVA水溶液(1)を250μmの厚さに塗布し、上面から20kGyの電子線を一度に照射してポリウレタンフィルム上にハイドロゲル層(1)を形成させた。
次に、ハイドロゲル層(1)上に、更にPVA水溶液(1)を250μmの厚さに塗布し、上面から電子線の照射量を40kGyに上げてハイドロゲル層(2)をハイドロゲル層(1)上に形成させた。
同様にして、ハイドロゲル層(2)上にPVA水溶液(2)を250μmの厚さに塗布し、上面から60kGyの電子線を一度に照射して、ハイドロゲル層(2)上にハイドロゲル層(3)を形成させた。得られた積層体は、層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであったが、積層体のヘーズ(曇度)は5%であった。
ケン化度98.5%、平均重合度1700のPVA20gと、水80gとを300mlのガラス製三角フラスコに入れ、121℃のオートクレーブを用いて20分間加熱し、PVAを溶解し、PVA水溶液(1)を作製した。
また、同じPVA20gと、重量平均分子量900,000のVEMA20gと、水60gとを300mlのガラス製三角フラスコに入れ、上記と同様の手順でPVA水溶液(2)を作製した。
ポリウレタンフィルム支持体上に、PVA水溶液(1)を250μmの厚さに塗布し、上面から20kGyの電子線を一度に照射してポリウレタンフィルム上にハイドロゲル層(1)を形成させた。
次に、ハイドロゲル層(1)上に、更にPVA水溶液(1)を250μmの厚さに塗布し、上面から電子線の照射量を40kGyに上げてハイドロゲル層(2)をハイドロゲル層(1)上に形成させた。
同様にして、ハイドロゲル層(2)上にPVA水溶液(2)を250μmの厚さに塗布し、上面から60kGyの電子線を一度に照射して、ハイドロゲル層(2)上にハイドロゲル層(3)を形成させた。得られた積層体は、層と層とがしっかり結合しており物理的に一体化したものであったが、積層体のヘーズ(曇度)は5%であった。
Claims (4)
- 支持体上に、ポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、前記組成物層が、無機塩含有ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥して形成されたものであり、無機塩が水溶性であり、かつ結晶水を含有することができる塩であることを特徴とする積層体。
- 2層以上のポリビニルアルコール組成物層を積層してなる積層体であって、組成物層における無機塩濃度が層毎に異なることを特徴とする請求項1記載の積層体。
- ハイドロゲル層を積層してなる請求項1または2に記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体を用いてなる貼付材。
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JP2007081729A JP2008238556A (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | ポリビニルアルコール組成物からなる積層体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015147857A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 東レ株式会社 | 導電性フィルム |
WO2016104644A1 (ja) * | 2014-12-26 | 2016-06-30 | 花王株式会社 | 含水ゲル組成物 |
JP2018051155A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 積水化成品工業株式会社 | 導電性積層ハイドロゲルシート |
-
2007
- 2007-03-27 JP JP2007081729A patent/JP2008238556A/ja active Pending
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