JP2005526879A - 吸収性ハイドロゲル - Google Patents
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Abstract
本発明は、吸収性ハイドロゲル組成物およびハイドロゲル含有構造を提供する。典型的には、この新規な材料の第1の部分は、内部多孔性構造を有する多孔質の柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含み、第2の部分は、相対的に非多孔質であり、例えば、相対的に連続的な内部構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む。このようなハイドロゲルおよび構造の製造方法が、その用途とともに提供される。
Description
本発明は、吸収性(多孔質)ハイドロゲルに関し、特に、創傷および熱傷の包帯および相対的に高速での流動体の吸収が求められる他の用途への利用に適した吸収性ヒドロゲルに関する。本発明はまた、新規なハイドロゲルの製造方法および前記ヒドロゲルの使用に関する。
本明細書において、「ハイドロゲル(hydrogel)」および「ハイドロゲル組成物(hydrogel composition)」という表現は、含水ゲルに限定されると解釈されるべきではなく、この表現には、有機非ポリマー組成物を含むゲルおよびゲル組成物を含む、すべての親水性ゲルおよびゲル組成物が一般に含まれる。
米国特許番号第5,750,585号(パーク(Park),他)は、参照により本明細書に組み込まれている。上記特許には、固相および気相を含み、該気相の体積が該固相の体積を超える、超吸収性ハイドロゲル発泡体が開示されている。このような発泡体は一般に、相対的に軽い発泡体と考えることができる。この発砲体の好ましい密度は0.015〜0.5と規定されている。発泡体が膨張する際は、より高い密度は好ましくないと規定されている(従来技術,カラム7,第35行〜第46行)。
従来の発泡体は、超吸収体、経口薬物輸送媒体、および食事制御のための胃貯留デバイスとしての潜在的な用途を有すると規定されている。
具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ−(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、またはポリ−(2−ヒドロキシプロピル−メタクリレート)が挙げられる。
従来技術文献に記載された特定の発泡体は、有機可塑剤を含んでおらず、超吸収性を供与するために乾燥させている。これらは一般に、界面活性剤と少なくとも2つのアルケニル基を有する約0.1〜10重量%の架橋剤とを含む水性溶液で、少なくとも1つの適切な親水性オレフィンモノマーを重合させる工程、重合工程においてモノマー溶液にガスを導入して、発泡したポリマーマトリクスを形成する工程、およびこの発泡体を乾燥する工程により形成される。
従来技術特許の実施例には、二酸化炭素吹き込み剤として炭酸水素ナトリウムを使用してガスを生成することが示されており、一方、一般的な記述にはまた、モノマー溶液へとガスを機械的に導入することが言及されている。重合工程においてモノマー溶液にガスを導入するのは不便であり、重合手順が小さなバッチサイズの生産に通常限定されるおそれがある。
米国特許番号第5,750,585号に記載された発泡体は、典型的には約1〜約3時間かけて水と接触した状態でゆっくりと膨張する(従来技術特許の図面参照)。この水の吸収の遅さによって、本発明において検討された用途でこの発泡体を使用するのが不適になる。この発泡体の相対的に低い密度により、この発泡体から、許容可能な機械的強度を有するフィルムまたはシートを形成するのが不適になる。
米国特許番号第6,136,873号(ハーンレ(Hahnle),他)は、参照により本明細書に組み込まれている。上記特許には、ある種の超吸収性ハイドロゲル発泡体が記載されている。この発泡体の好ましい密度は一般に、0.05〜0.07[g/cm3]であると規定されている。
上記従来技術の発泡体は、おむつ、生理用ナプキン、失禁用品、および超吸収性を利用したある種の他の日用品に関して、超吸収剤としての潜在的な実用性を有すると規定されている。創傷を覆うための包帯材料が1つの潜在的な用途として記載されている(カラム15,第24〜26行目)。
上記従来技術文献は、重合可能な混合物中で使用できる潜在的なモノマーおよびモノマー混合物の広範囲なリストを含む。しかしながら、すべての実施例において、アクリル酸およびアクリル酸ナトリウムの混合物を使用する。
上記従来技術文献に記述された特定の発泡体は、ある種の可塑剤を含んでいてよく、通常、重合後に、好ましくは15〜35重量%の含水量に乾燥させることが規定されている。
モノマー混合物に導入されるガスは、「フリーラジカルに不活性なガスの微細な気泡」と規定されている。実施例には、アルゴンまたは二酸化炭素雰囲気下での機械的攪拌の使用が示されている。
米国特許番号第6,136,873号に記述された発泡体は水と接触した状態で膨張し、実施例において、パラメータASとして吸収速度が報告されている。そこで使用されているように、AS=20/tであり、ここで、「t=発泡体1[g]が20[g]の水を吸収する(すなわち、2000%の吸収)のに要する時間」である。水の吸収率は、米国特許第5,750,585号で報告された発泡体よりも速いようであるが、その製造方法は、不活性ガス雰囲気下で行なう必要がある点で不便であり、回分式生産についてのみ最適である。
例えば皮膚接着性物品においてある範囲の用途についての皮膚接着剤として使用するために、親水性ポリマーを基調とした、非発泡体で、かつ相対的に非多孔質のハイドロゲルについて多くの研究がなされてきた。このような材料は、皮膚接着剤に適したある範囲の特性を有する。代表的な参考文献には、国際特許出願番号WO97/24149、WO97/34947、WO00/06214、WO00/06215、WO00/07638、WO00/46319、WO00/65143、およびWO01/96422が含まれ、これらは参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、非常に許容可能な水の吸収速度を用いて、簡便な方法にて多孔質ゲルを製造することができるという、我々が予期せぬ知見に基づく。この製造方法(特に、重合段階)は回分式、部分的に連続式、または連続式であることができる。多孔質ハイドロゲルはシート状または層状に調製することができる。多孔質ハイドロゲルは、内部多孔性(cellular)構造によって特徴付けられる。多孔質ハイドロゲルは、良好な機械的強度、良好な流動体吸収能力の要求、および必要に応じてゲルの柔軟性および皮膚への粘着性の要求をいずれも具備することができる。
本明細書で用いられる「コモノマー(comonomer)」、「モノマー(monomer)」、および同様の表現には、イオン性およびノニオン性のモノマーおよびモノマー混合物が含まれる。「重合する(polymerise)」、「ポリマー(polymers)」、および同様の表現には、単重合、共重合、およびその生産物のいずれもが含まれる。
本発明の第1の態様によれば、内部多孔性構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む第1の部分と、相対的に連続的な内部構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む第2の部分とを含む、ハイドロゲル組成物が提供される。
第1の部分は、マトリクスに対する気泡孔の体積比率が約1:3(より好ましくは約1:1)より大きくなるような内部多孔性構造を有する多孔質発泡体を含んでいてもよく、第2の部分は、相対的に非多孔質のマトリクスであってもよく、実質的には気泡孔を含まないか、あるいは副次的な気泡孔を含んでいてもよい(例えば、マトリクスに対する気泡孔の体積比率が約1:10より小さく、例えば約1:20より小さい)。ハイドロゲル組成物の前記第2の部分は、本明細書では「連続的(continuous)」として言及することができ、この表現は上述の関連する意義に用いられる。
相対的に多孔質である、ハイドロゲル組成物の前記第1の部分は、第1の吸収率を有し、相対的に非多孔質である、ハイドロゲル組成物の前記第2の部分は、第1の吸収率より小さい第2の吸収率を有する。第1の吸収率は非常に速くてもよく、例えば、吸水性の紙キッチンロールによる水の吸収率と同等であってもよい。ハイドロゲル組成物の吸収能力は通常、少なくとも約30重量%であってもよく(すなわち、飽和時に吸収されかつ保持される水の重量は、使用されるハイドロゲル組成物の重量の少なくとも30重量%であることができる)、かつ、最大約20000%であってもよい。より典型的には、ハイドロゲル組成物の吸収能力は、約300〜約10000%であることができる。便宜上、ハイドロゲル組成物の前記第1の部分は、本明細書では「多孔質(porous)」と言及でき、この表現は上述の関連する意義に用いられる。
本発明の第2の態様によれば、多孔質ハイドロゲル(例えば、ハイドロゲル発泡体)の調製方法であって、親水性モノマーおよび任意の1またはそれ以上のコモノマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、前記重合可能な混合物は、相対的に高い濃度の導入された気泡を含む第1の部分と、相対的に低い濃度の気泡を含む第2の部分と、を含む、方法が提供される。本発明の第1の態様のハイドロゲル組成物を調製するために用いられる場合、前記重合可能な混合物の前記第1の部分は重合後に、ハイドロゲル組成物の多孔質部分を形成し、前記重合可能な混合物の前記第2の部分は重合後に、ハイドロゲル組成物の連続的な部分を形成する。前記重合可能な混合物の前記第1の部分は好ましくは、混合物に対する体積比率が約1:3(より好ましくは約1:1)より大きい泡を有し、前記重合可能な混合物の前記第2の部分は、実質的には泡を含まないか、あるいは副次的な泡を含んでいてもよい(例えば、混合物に対する気泡孔の体積比率は約1:10より小さく、例えば約1:20より小さい)。
本発明の第2の態様の方法における重合工程は好ましくは、重合可能な混合物に関して相対的な動作にて、熱、光(例えばUV光)、または他の放射源のような重合誘導装置を用いて、空気中で実行されるフリーラジカル重合である。この方法によれば、従来技術で利用可能である静的な回分式手順よりもむしろ、動作(移動)中の行方向の(line-wise)重合手順を達成することができる。重合可能な混合物は好ましくは、重合手順に適した支持部材上にシート状または層状に敷設され、これにより、重合可能な混合物の第1の部分は典型的には、ビール(beer)上の「頭(head)」のような方法で第2の部分上に配置される。
ある種の多孔質ハイドロゲル組成物はそれ自体新規であり、これらのハイドロゲル組成物およびこれらの好ましい調製方法は、本発明のさらなる態様を構成する。
本発明の第3の実施形態によれば、内部多孔性構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲルであって、前記親水性ポリマーは、下記のモノマーのいずれかのポリマーから選択される、ハイドロゲル組成物を提供する。
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその置換誘導体またはその塩;
アクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその置換誘導体またはその塩;
アミド結合またはアルキルアミド結合を介して炭素−炭素二重結合に結合するアルキル基またはアルキレン基または置換アルキル基または置換アルキレン基を含むノニオン性モノマー(例えば、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルラクタム、N−アルキル化アクリルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、またはN−アクロイルモルフォリン);
上記のいずれかのモノマーを互いに含むか、あるいは上記のいずれかのモノマーと1またはそれ以上のコポリマーとの混合物;
1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1またはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとからなるモノマー/コモノマー対(前記モノマー/コモノマー対中の相対的な前記モノマーの量が、アニオン性基とカチオン性基とが実質的に等モル当量存在するような量であることが好ましい。);および
前記モノマー/コモノマー対と、上記のいずれかのモノマーとの混合物。
アクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその置換誘導体またはその塩;
アミド結合またはアルキルアミド結合を介して炭素−炭素二重結合に結合するアルキル基またはアルキレン基または置換アルキル基または置換アルキレン基を含むノニオン性モノマー(例えば、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルラクタム、N−アルキル化アクリルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、またはN−アクロイルモルフォリン);
上記のいずれかのモノマーを互いに含むか、あるいは上記のいずれかのモノマーと1またはそれ以上のコポリマーとの混合物;
1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1またはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとからなるモノマー/コモノマー対(前記モノマー/コモノマー対中の相対的な前記モノマーの量が、アニオン性基とカチオン性基とが実質的に等モル当量存在するような量であることが好ましい。);および
前記モノマー/コモノマー対と、上記のいずれかのモノマーとの混合物。
本発明の第3の態様の多孔性ハイドロゲル組成物は、マトリクスに対する気泡孔の体積比率が約1:3(より好ましくは約1:1)より大きくなるような内部多孔性構造を有する多孔質発泡体を含むことができる。
前記多孔性ハイドロゲル組成物は、非常に速い水分吸収率(例えば、吸収性紙キッチンロールによる水の吸収率と同等)を有することが好ましい。ハイドロゲル組成物の吸収能力は通常、少なくとも約30重量%であることができる(すなわち、飽和時に吸収されかつ保持される水の重量は、使用されるハイドロゲル組成物の重量の少なくとも30重量%であることができる)、かつ、最大約20000%であってもよい。より典型的には、ハイドロゲル組成物の吸収能力は、約300〜約10000%であることができる。
本発明の第4の態様によれば、本発明の第3の態様の多孔質ハイドロゲル組成物の調製方法が提供され、該方法は、本発明の第3の態様で列挙されたモノマーおよびモノマー混合物から選択される親水性モノマーを含む重合可能な混合物を含み、前記重合可能な混合物は導入された気泡孔を含む。
このような製造プロセスのある種の態様はより一般的には、新規性および進歩性を有する。
本発明の第5の態様によれば、多孔質ハイドロゲル組成物の調製方法であって、親水性モノマーおよび任意の1またはそれ以上のコモノマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、
前記重合可能な混合物は、主に空気からなる泡を含み、
前記泡は、主に空気からなる雰囲気下で前記混合物に導入され、
前記重合可能な混合物は、前記泡を前記重合可能な混合物へと導入した後、重合する前に、前記重合のために敷設される、方法である。
前記重合可能な混合物は、主に空気からなる泡を含み、
前記泡は、主に空気からなる雰囲気下で前記混合物に導入され、
前記重合可能な混合物は、前記泡を前記重合可能な混合物へと導入した後、重合する前に、前記重合のために敷設される、方法である。
本発明の第4および第5の態様は、組み合わせて使用するのが特に好ましい。
本発明の第4および第5の態様における重合可能な混合物は好ましくは、混合物に対する体積比率が約1:3(より好ましくは約1:1)より大きな泡を有する。
本発明の第4および第5の態様の方法における重合工程は好ましくは、重合可能な混合物に関して相対的な動作にて、熱、光(例えばUV光)、または他の放射源などの重合誘導装置を用いて空気中で実行されるフリーラジカル重合である。この方法によれば、従来技術で利用可能である静的な回分式手順よりもむしろ、動作(移動)中の行方向の(line-wise)重合手順を達成することができる。重合可能な混合物は好ましくは、重合手順に適した支持部材上にシート状または層状に敷設される。
ガスが導入された(発泡させた)前記重合可能な混合物を敷設する手順は好ましくは、前記ガスが導入された混合物を相対的に薄いシート状(例えば、厚さ約8mm以下に)に形成する工程を含む。
本発明の第6の態様によれば、使用時に皮膚に接着するように適応させた生体接着性物品であって、皮膚に接触するための接着剤と、前記接着剤を支持する基体とを含み、前記接着剤は、内部多孔性構造を有する生体接着性の多孔質可塑化親水性ポリマーを含む、生体接着性物品が提供される。前記ポリマーは好ましくは、本発明の第1または第3の態様のハイドロゲル組成物であってもよく、または本発明の第2、第4または第5の態様にしたがって調製されたハイドロゲル組成物であってもよく、かつ、好ましくはシート状または層状である。前記親水性ポリマーが本発明の第1の態様にかかるハイドロゲル組成物である場合、前記ハイドロゲル組成物の前記連続的な部分は好ましくは、前記接着部材の皮膚接触面を形成することができる。前記ハイドロゲル組成物の皮膚接触部分は好ましくは、前記物品を使用する前に、保護用の柔軟性解放層で覆われている。使用時には、この解放層は剥がされ、廃棄可能である。
より一般的には、解放層は、重合手順より前にハイドロゲル/接着性ポリマー層に適切に取付けられ、例えば、解放層は、重合可能な混合物のための支持部材の上面を提供し、この上に重合可能な混合物が敷設される。
本発明において使用される多孔質親水性ポリマーまたはハイドロゲル組成物は導電性であり、生体医療用電極の皮膚に接触する接着部分を構成する。このようなポリマーは典型的には、皮膚と電極との界面において良好な電流分散を提供するだろう。
生体接着性の創傷または熱傷の包帯は典型的には、創傷箇所または熱傷箇所にて着用者の皮膚と接触するのに適応させた吸収性部材と、前記吸収性部材を支持するシート支持部材と、を含み、前記シート支持部材は、前記吸収性部材の後ろに延びる部分を含み、この部分は、前記着用者の皮膚への装着を確保するための感圧性接着剤が配置される皮膚方向の表面を規定する。
本発明の第7の態様によれば、創傷箇所または熱傷箇所にて着用者の皮膚と接触するのに適応させた吸収性部材と、前記吸収性部材を支持するシート支持部材と、を含み、前記シート支持部材は、前記吸収性部材の後ろに延びる部分を含み、この部分は、前記着用者の皮膚への装着を確保するための感圧性接着剤を含む皮膚方向の表面を規定し、前記吸収性部材は、内部多孔性構造を有する多孔質親水性ポリマーを含む、創傷用または熱傷用の包帯が提供される。前記多孔質親水性ポリマーは好ましくは、本発明の第1または第3の態様のハイドロゲル組成物であってもよく、または本発明の第2、第4または第5の態様にしたがって調製されたハイドロゲル組成物であってもよく、かつ、好ましくはシート状または層状である。前記親水性ポリマーが本発明の第1の態様にかかるハイドロゲル組成物である場合、前記ハイドロゲル組成物の前記連続的な部分は好ましくは、前記接着部材の皮膚接触面を形成することができる。
前記シート支持部材は例えば、ポリウレタンなどのポリマー(発泡されているもの、または発泡されていないもの、あるいはこれらの組み合わせであってもよい)、または繊維(天然繊維、合成繊維、またはこれらの組み合わせであってもよく、かつ、織布または不織布であってもよい)などのいずれかの適切な材料から形成される。前記シート支持部材は、例えば織物、フィルム、シート、ネット、またはこれらの組み合わせなどのいずれかの適切な構造を有していてもよい。
感圧性接着剤は、いずれかの皮膚適合性接着剤(例えば、アクリル系ポリマーの感圧性接着剤、上述の国際特許出願に記述されたような生体接着性ハイドロゲルまたはゲル)、または、本発明の第1または第3の態様にかかるハイドロゲル組成物のような、内部多孔性構造を有する生体接着性多孔質可塑化親水性ポリマーである。
包帯において皮膚に接触する接着部分は好ましくは、前記包帯の使用より前に、保護用の柔軟性解放層で覆われている。使用時には、この解放層は剥がされ、廃棄可能である。
本発明にかかる多孔性ハイドロゲル材料はさらに、相対的に速い液体の吸収率に由来する実用性を有する。この実用性は、材料が所望の最終生成物の補助的な構成要素を吸収する能力に関連し、製造プロセス中においてハイドロゲル材料に液体の形態にて接触することができる。吸収速度の達成により、このような補助的な成分の吸収は重合後に即座かつ短時間で生じ、重合が起きたときにハイドロゲルがそのままで依然として同じ支持部材上にあることが好ましい。
このような補助的なハイドロゲルの構成要素は例えば、ハイドロゲルのための従来の添加剤(例えば、電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性物質(例えば、抗菌剤、抗生物質、防腐剤、止血剤(カルシウム塩など)、創傷治療剤、薬物および薬剤、熱傷治療剤、皮膚冷却剤、皮膚保湿剤、皮膚保温剤)、芳香剤、パヒューム、フレグランス、およびセントの分散液または溶液を含んでいてもよい。
前記補助的なハイドロゲル成分はまた、例えば、キュアシステムと関連するモノマーまたはモノマー混合物の分散液または溶液のような液体の形態にてポリマーのプレカーサを含むことができ、または、溶融または分散または溶解された液体の形態のポリマーまたはアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)のような他のゲル材料(例えば、天然ゲル材料、合成ゲル材料、または半合成ゲル材料)を含むことができる。このような副次的なハイドロゲル成分は、例えば重合後即座にまたは短時間に、形成された本発明の多孔質ハイドロゲルに添加されると、液体は多孔性構造に素早く吸収されて、乾燥、キュアまたは乾燥により、多孔性構造の孔の内部に補助的なゲルが形成される。ハイドロゲルの連通構造の場合、多孔性構造の連結性に応じて、副次的なゲルが構造中に相対的に連続した領域を有することができる。この副次的な構造はこのような方法により、ハイドロゲル材料の機械的強度を増加するのに用いることができる。
本発明の第8の態様によれば、ハイドロゲル組成物の調製方法であって、多孔質のシートまたは層の上面を用いて、適切な支持部材上でゲル前駆体混合物を重合することにより、多孔質ハイドロゲル組成物をシート状または層状に調製する工程と、前記シートまたは前記層が、前記ゲル前駆体がその上で重合される前記支持部材上にある状態で、前記シートまたは層の多孔質の上面に、前記ハイドロゲル組成物の補助的な成分またはそのプレカーサを含む液体組成物を塗布する工程と、その後、必要に応じて、前記多孔質構造内の前記補助的な成分を硬化、キュア、または乾燥する工程と、を含む方法を提供する。前記ハイドロゲル組成物の補助的な成分またはそのプレカーサを含む液体組成物の塗布は、前記多孔質ハイドロゲル材料を形成するための前記重合と同じ日に行なわれるのが好ましく、重合後約3時間以内(例えば、重合後約90分以内)に行なわれるのが最も好ましい。そして、必要に応じて引き続き行なわれる硬化、キュア、または乾燥は、前記ハイドロゲル組成物の前記補助的な成分またはそのプレカーサを含む前記液状の組成物の塗布と同じ日に行なわれるのが好ましく、重合後約3時間以内(例えば、重合後約90分以内)に行なわれるのが最も好ましい。
このようにして形成されるハイドロゲル材料は次いで、従来の方法にて梱包され、そしてシールされることができ、あるいはさらなる加工(例えば、梱包またはシールの前に、従来の方法またはここに記載されたような方法にて、前記ハイドロゲル材料は、前記ハイドロゲルを含む製造された物品へと加工される)を行なうことができる。インシチュ(in situ)で即座にまたは多孔質ハイドロゲルの重合後すぐに、後吸収手順を行なうことにより、製造プロセスを大幅に単純化することができ、増加されたオートメーション化の可能性と、ヒトの関与およびヒトによる製品の操作を減らす可能性との観点から、バクテリア感染またはハイドロゲル材料の汚染の機会を大きく減らすことができる。
本発明の第9の態様によれば、内部多孔性構造を有し、かつ、少なくとも1つまたはそれ以上の補助的なハイドロゲル成分を含む多孔質ハイドロゲル組成物であって、前記補助的なハイドロゲル成分は、電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性化合物(例えば、抗菌剤、抗生物質、防腐剤、止血剤(例えばカルシウム塩)、創傷治療剤、薬物および薬剤、熱傷治療剤、皮膚冷却剤、皮膚保湿剤、皮膚保温剤)、芳香剤、パヒューム、フレグランス、セント、ポリマー、およびアルギン酸塩(例えば、アルギン酸カルシウム)のような他のゲル材料(例えば、天然ゲル材料、合成ゲル材料、および半合成ゲル材料)から選択される、多孔性ハイドロゲル組成物を提供する。
本明細書で記述されているハイドロゲル組成物の構成要素、製造方法、および用途の好適な例は、本発明の第8の態様の方法によって形成されたハイドロゲル材料および本発明の第9の態様のハイドロゲル材料に同様に適用される。
本発明に関連して、我々はまた、本明細書に記載された、連通発泡体を主に含む内部構造を有する多孔質ハイドロゲル材料の多孔質部分(層)を、製造工程の適切な制御によって、非常に薄く(例えば厚さ0.7[mm]未満、具体的には0.5[mm]未満)製造することができるという知見を得ている。
驚くべきことに、我々は、イオン性のシート状ハイドロゲルの多孔質層が薄く製造されるとき、特に、薄い連通ハイドロゲル材料の下に本質的に非多孔質の層が敷設されている場合、外部の液体を吸収する際の全体構造の膨張挙動が修正され、特に、シートの平面と実質的に垂直な(通常の)方向(いわゆる「z方向」、この表現は3次元数学的モデルにおいて慣用的な次元の命名に由来する)に膨張する傾向は著しく減少する。このことは、大容積の外部液体を吸収する際に次元的に一定の多孔質構造を形成する。このような「z方向に制限された」膨張挙動は、多くの用途(例えば、創傷や熱傷の治療用途)において有利である。しかしながら、ハイドロゲルの連通層の厚さが増加すると、平面へと膨張する度合いは通常大きくなる。z方向への膨張の度合いは、前記構造の全膜厚の約10%未満であることが好ましい。下に配置された非多孔質層の厚さは0.05[mm]より大きいことが好ましい。
このようなハイドロゲルの多孔質表面部分の1点に塗布された、0.1[ml]の通常の生理食塩水は、1分後に45[mm2](より好ましくは70[mm2]、さらに好ましくは100[mm2])より大きい領域に拡散することができるのが好ましい。
薄い多孔質層の下に配置された本質的な非多孔質層は適切には、多孔質層と同じハイドロゲル材料からなってもよいが、かわりに、異なるハイドロゲル材料、非多孔質材料、またはこれらの材料のいずれかの組み合わせからなってもよい。前記非多孔質層は単層構造、二層構造、または多層構造のいずれかであってもよく、そして、前記非多孔質層が1層より多い場合、これらの層は互いに同じ材料または異なる材料からなってもよく、かつ多孔質層と同じ材料または異なる材料からなってもよい。前記非多孔質層およびその構成要素の部分は典型的には、連続的、非連通、主に連通している、またはこれらの組み合わせであってもよく、または外部液体の空隙率は、薄い多孔質層の空隙率よりも実質的に小さい。
理論に拘泥されるわけではないが、多孔質部分の空隙率と非多孔質部分の空隙率との差は、シート状のハイドロゲルの多孔質部分へと配置させた液体を、シートの平面(いわゆる「x,y拡散」)において、前記表面においてより深い連通構造を有する多孔質ハイドロゲルよりもより広い範囲で水平に広げさせる要因となると推測される。実際には、多孔質層は、塗布された液体を塗布された箇所から相対的に速く「逃す(wick)」と考えることができ、十分に理解されていないがある理由により、この効果はハイドロゲルが膨張する傾向を引き継ぐと考えられている。非常に薄い連通ヒドロゲル層であっても、イオン性ハイドロゲルが添加された外部の水を吸収しかつ保持する能力は甚大であることから、通常は多孔質部分が飽和するおそれはない。
本発明の第10の態様によれば、連通内部多孔性構造を主に有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲル部分と、前記多孔質ハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の他の部分とを含み、前記多孔質ハイドロゲル部分は、膜厚が約0.7mm未満のシートまたは層を含む。
前記多孔質のハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の前記他の部分は、前記多孔質ハイドロゲル部分と同じハイドロゲル材料を含んでいてもよいが、あるいは、異なるハイドロゲル材料、非ハイドロゲル材料、またはこれらの材料のいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。前記下に配置される部分は層として存在してもよい。前記下に配置される部分は単層構造、二層構造、または多層構造のいずれかであってもよく、そして、前記下に配置される部分が1層より多い場合、これらの層は互いに同じ材料または異なる材料からなってもよく、かつ前記多孔質ハイドロゲル部分と同じ材料または異なる材料からなってもよい。前記下に配置される部分およびその構成要素の部分は典型的には、連続的、非連通、主に連通している、またはこれらの組み合わせであってもよく、または外部液体に対する空隙率が、薄い多孔質ハイドロゲル部分の外部液体に対する空隙率よりも実質的に小さいようなその他の構造であってもよい。
z方向に膨張が制限された特性を有する吸水構造は多数の方法により調整可能である。多孔質部分および非多孔質部分を有するハイドロゲルからなる構造においては、本発明の第2の態様の方法と類似する方法を用いてもよいが、後述するように、重合可能な混合物の構成成分またはこれらのいくつかの混合を付加的に制御しながら本発明の第2の態様の方法と類似する方法を用いることができる。異なるハイドロゲル材料または非ハイドロゲル材料から構成される部分の下に配置されるハイドロゲル多孔質層からなる構造においては、多孔質部分および非多孔質部分は別々に調製することができ、例えば、ハイドロゲル多孔質層は本発明の第4または第5の態様の方法を用いることができ、重合後に前記構造が会合(assemble)する。再び、ハイドロゲル多孔質層の形成は後述するように、重合可能な混合物の構成成分またはこれらのいくつかの混合の制御の支配下にあってもよい。
適切な非多孔質非ハイドロゲル材料を、本発明の第10の態様の吸水性構造の潜在的な非多孔質部分として使用する例は、本技術の当業者に周知であるだろう。ハイドロゲルに結合可能である適切な非多孔質シート材料は、非多孔質合成ポリマーフィルムまたはシートを含み、そのうちの多くの適切な例が市販されている。
本発明の第11の態様によれば、連通内部多孔性構造を主に有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲル部分と、前記多孔質ハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の他の部分と、を含むハイドロゲル構造の調製方法であって、前記多孔質ハイドロゲル部分は、膜厚が約0.7mm未満のシート状または層状であり、前記方法は、1またはそれ以上のモノマー、前記モノマーのためのキュアシステム、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの可塑剤を含みかつ導入された気泡を含む重合可能な混合物を、前記構成成分との混合によって形成する工程と、前記重合可能な混合物を重合する工程と、を含み、前記重合可能な混合物の形成中、少なくとも前記構成成分のいくつか(好ましくは、前記構成成分の大部分または前記構成成分のすべて)は、約500[rpm]より速い速度(好ましくは約550[rpm]より速い速度、例えば、約600[rpm]より速い速度、具体的には約650[rpm]より速い速度、約700[rpm]より速い速度、約750[rpm]より速い速度、約800[rpm]より速い速度、約850[rpm]より速い速度、約900[rpm]より速い速度、約950[rpm]より速い速度、または約1000[rpm]より速い速度)で動作する回転ミキサ(例えば、プロペラミキサまたはパドルミキサ)を用いて一緒に攪拌される。
一般的に言えば、攪拌速度が速いほど、連通ハイドロゲルに対する非連通ハイドロゲルの割合が大きくなり、よって最終的な構造中の表面連通層が薄くなる。必要とされる混合速度の絶対値は、使用される界面活性剤の性質および量に部分的に依存するだろうし、予備的な試験を介して確立される必要があるかもしれない。このような試験は、いわゆる当業者の能力の範囲内で理解されるだろう。
本明細書に記述されたハイドロゲル材料の構成要素、製造方法、および用途についての好適な例は、本発明の第10の態様の構造中に存在するハイドロゲル材料と同等に適用され、かつ、本発明の第11の態様の方法によって得ることができる。
[ハイドロゲル組成物−内部構造]
多孔質部分および連続的な部分が存在する場合、多孔質ハイドロゲル組成物の内部多孔性構造、またはハイドロゲル組成物の多孔質部分は、全体的に非連通または全体的に連通であってもよく、あるいは連通構造領域および非連通構造領域を有していてもよい。一般的に言えば、内部気孔の内部結合により、連通構造は非連通構造より速い初期速度で流動体を吸収することができる。
多孔質部分および連続的な部分が存在する場合、多孔質ハイドロゲル組成物の内部多孔性構造、またはハイドロゲル組成物の多孔質部分は、全体的に非連通または全体的に連通であってもよく、あるいは連通構造領域および非連通構造領域を有していてもよい。一般的に言えば、内部気孔の内部結合により、連通構造は非連通構造より速い初期速度で流動体を吸収することができる。
ハイドロゲル組成物の多孔質部分および連続的な部分が存在する箇所では、これらの多孔質部分および連続的な部分は適切には層を含んでいてもよく、この層は同じ材料または異なる材料からなっていてもよい。これらの層は、一体化して形成されていてもよく、あるいは任意に中間結合媒体を介して積層されていてもよい。
このようなハイドロゲル組成物の前記多孔質部分および連続的な部分は、同じ材料からなり、かつ単一の重合工程にて一体化して形成されるのが好ましい。
重合ステップにおいては、下記により詳細に記述されているように、流動体のゲル前駆体材料は好ましくは、ゲル前駆体を敷設する前にガス気泡が吹き込まれる。このガスは好ましくは空気である。多孔質で連続する部分を含むハイドロゲル組成物を調製するために、敷設されたゲル前駆体は次いで、部分的に「脱水(drain)」にすることが許容されるかまたは補助されるのが好ましい。このことは、ゲル前駆体材料のある量が本質的に連続的で、非発泡体の流動状態に変換されて、重合可能な混合物の第2の部分が形成されるのを許容する。脱水の程度を制御することにより、最終的に得られるキュアされたハイドロゲル組成物における多孔質部分および連続的な部分の相対的な厚さが制御可能である。連続的な部分なしの多孔質ハイドロゲル組成物を調製するためには、脱水は避けるべきである。
ハイドロゲル組成物の多孔質部分および連続的な部分が存在しかつ異なる材料からなる場合、これらの部分はまた、適切には単一の重合工程にて一体化して形成してもよい。我々は、敷設された重合可能な混合物の第1の(発泡体)部分は通常、相対的に強度が大きく、重合前に、液体分散剤、溶液または混合物として付加的な構成成分(例えばコポリマー)を前記混合物上に添加しても弱化しないだろうことを見出している。実際には、添加された構成成分は前記混合物の第1の部分を通過して浸透し、下にある流動状の第2の部分に主に侵入する。このプロセスに関して許容される時間を制御することにより、重合後における個々の構成成分層の積層および操作を必要とせずに、または異なる重合可能な混合物を敷設する積層を必要とせずに、単一の重合工程を用いて本質的な最終ハイドロゲルを生産するために、多層多孔質ハイドロゲルの分離した組成の範囲は、簡便に調製可能である。
[ハイドロゲル組成物−外部発泡体]
ハイドロゲル組成物は適切には、第1および第2の主要な面を有するシート状形態で存在してもよく、この第1および第2の主要な面はそれぞれ保護用の解放層(例えば、シリコン処理されたプラスチックまたは紙)と接触してもよい。あるいは、ハイドロゲル組成物は第1および第2の主要な面を有するシート状形態で存在してもよく、この第1および第2の主要な面の一方が保護用の解放層(例えば、シリコン処理されたプラスチックまたは紙)と接触し、他方がより大きな物品(例えば、創傷または熱傷の包帯、生体医療用電極、または他の物品の一部を形成する裏当て部材)と接触してもよい。使用時には、生体接着性ハイドロゲル層が前記物品と患者の皮膚との間に提供されるのが特に好ましい。このような物品は以下に例示される(「用途」の欄を参照)。さらに、ハイドロゲル組成物は、織布または織布の繊維、またはネット、その中に埋め込まれるものを有するシート状形態で存在してもよい。
ハイドロゲル組成物は適切には、第1および第2の主要な面を有するシート状形態で存在してもよく、この第1および第2の主要な面はそれぞれ保護用の解放層(例えば、シリコン処理されたプラスチックまたは紙)と接触してもよい。あるいは、ハイドロゲル組成物は第1および第2の主要な面を有するシート状形態で存在してもよく、この第1および第2の主要な面の一方が保護用の解放層(例えば、シリコン処理されたプラスチックまたは紙)と接触し、他方がより大きな物品(例えば、創傷または熱傷の包帯、生体医療用電極、または他の物品の一部を形成する裏当て部材)と接触してもよい。使用時には、生体接着性ハイドロゲル層が前記物品と患者の皮膚との間に提供されるのが特に好ましい。このような物品は以下に例示される(「用途」の欄を参照)。さらに、ハイドロゲル組成物は、織布または織布の繊維、またはネット、その中に埋め込まれるものを有するシート状形態で存在してもよい。
ハイドロゲル組成物は典型的には、約0.1〜約10[mm](例えば、約0.5〜約10[mm])の範囲の厚さを有していてもよい。発泡体またはフィルム−発泡体の厚さは適切には、約0.1〜約3[mm]であることができる。このようなシートが解放シート(例えばプラスチックまたはコーティングされたプラスチック(例えば、シリコン処理されたプラスチック)のシートまたは紙、またはコーティングされた紙(例えば、シリコン処理された紙))と接触する場合、ハイドロゲル組成物は適切には、約0.5〜約2.5[kg/m2]の範囲でハイドロゲルの表面重量にてコーティングされてもよい。
ハイドロゲル組成物をシート状形態に調製するためには、本発明にかかる方法は、ゲル前駆体のシートをはじめに形成する工程と、後に詳述するように、次いで重合反応によってシート状ハイドロゲルがインシチュで形成されるように重合ステップを実行する工程とを含んでいてもよい。1つの実施形態においては、場合によっては、以降に条件検討および/または修正がある程度必要になるかもしれないし、加えて、本発明の第8の態様の後処理工程が好ましくは適用されるかもしれないけれども、最終的なハイドロゲルは製造した通りに実質的に使用可能である。すなわち、材料は実質的に添加されず、または最終的なハイドロゲルから材料が除去されない。
ハイドロゲル組成物が水を含む場合、水は適切な量存在していてもよい。典型的な含水量の範囲は、ハイドロゲルの重量の約0〜95%である。ハイドロゲル組成物は「高含水量(high water content)」または「低含水量(low water content)」に好適に分類することができる。「高含水量」という表現は特に、約40重量%を超える含量の水を含むハイドロゲル組成物に言及し、より好ましくは約50重量%を超える含水量であり、最も好ましくは約60〜約95重量%である。「低含水量」という表現は特に、約40重量%以下の含量の水を含むハイドロゲル組成物に言及する。
[ハイドロゲル組成物−物理的パラメータ]
使用される材料および製造条件に応じて、本発明のハイドロゲル組成物の密度は幅広い範囲内で選択可能である。一般的に言えば、現在のハイドロゲル組成物全体の体積密度は約0.05〜約1.5[g/cm3]の範囲内であってもよく、より典型的には約0.3〜約0.8[g/cm3]の範囲内である。
使用される材料および製造条件に応じて、本発明のハイドロゲル組成物の密度は幅広い範囲内で選択可能である。一般的に言えば、現在のハイドロゲル組成物全体の体積密度は約0.05〜約1.5[g/cm3]の範囲内であってもよく、より典型的には約0.3〜約0.8[g/cm3]の範囲内である。
本発明のハイドロゲル組成物の水の活量(水分活性)は典型的には、アクアラブシリーズ 3TE(AquaLab Series 3TE)にて測定された場合、0〜約0.96の範囲内にあることができる。
本発明のハイドロゲル組成物(または、このハイドロゲル組成物が他の部分よりも孔が多い部分を含む箇所では)の水の吸収速度は典型的には、少なくとも約2[μl/s]の範囲内にあることができ、より好ましくは約2〜約100[μl/s]の間である。ここでは、5[μl]の水滴をシリンジからシート状のハイドロゲルの面に滴下し、水滴とハイドロゲルとが接触してから0.1秒後の水滴の体積の減少を測定し、速度を[体積/秒]で外挿する技法によって、水の吸収速度を測定する。前記測定は、サイエンティフィック アンド メディカル プロダクツ(Scientific and Medical Products)社製のDAT1100ダイナミック接触角分析器を用いて行なわれる。すなわち、25[μl/s]の吸水速度は、滴下された水が0.2秒後に完全に吸収されたことを示唆する。
本発明の第1の態様のハイドロゲル組成物の吸水速度は典型的には、同じ技法によって測定された場合、多孔質部分側からの吸収速度よりも連続的な部分側からの吸収速度のほうが小さくなる。
ハイドロゲル組成物の吸収能力は通常、約30〜約20000%の間であるだろう。より典型的には、ハイドロゲル組成物の吸収能力は約300〜約10000%の間であるだろう。
[調製方法−一般的方法]
本発明によれば、多孔質ハイドロゲルの調製方法は通常、少なくとも1つの親水性ポリマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、前記重合可能な混合物は導入された気泡(好ましくは限定されるわけではないが空気泡)を含む。
本発明によれば、多孔質ハイドロゲルの調製方法は通常、少なくとも1つの親水性ポリマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、前記重合可能な混合物は導入された気泡(好ましくは限定されるわけではないが空気泡)を含む。
少なくとも1つの親水性ポリマーに加えて、キュアシステムが重合可能な混合物に存在することができる。キュアシステムは典型的には、少なくとも1つの架橋剤および少なくとも1つの適切な重合開始剤を含む。
1つの実施形態においては、重合可能な混合物は、相対的に高い濃度の導入された気泡を含む第1の部分と、相対的に低い濃度の気泡を含む第2の部分とを含むことができる。
重合は好ましくは、流動状の重合可能な混合物のフリーラジカル重合であり、前記混合物は、以下の(1)および(2)を含み、
(1)任意に少なくとも1つのフリーラジカルにより重合可能なコポリマーとともに、フリーラジカルにより重合可能な親水性モノマー;および
(2)多官能性不飽和フリーラジカルにより重合可能な化合物を含む1またはそれ以上の架橋剤;
前記重合は、可塑剤の存在下でまたは可塑剤の不存在下で行なわれ、前記重合が可塑剤の不存在下で行なわれる場合、可塑剤は重合のポリマー生成物に添加される。
(1)任意に少なくとも1つのフリーラジカルにより重合可能なコポリマーとともに、フリーラジカルにより重合可能な親水性モノマー;および
(2)多官能性不飽和フリーラジカルにより重合可能な化合物を含む1またはそれ以上の架橋剤;
前記重合は、可塑剤の存在下でまたは可塑剤の不存在下で行なわれ、前記重合が可塑剤の不存在下で行なわれる場合、可塑剤は重合のポリマー生成物に添加される。
重合可能な混合物(ゲル前駆体)は好ましくは、全モノマーの割合が全混合物の約5〜約70重量%のモノマーを含み、より好ましくは約10〜約60重量%であり、特に好ましくは約15〜約50重量%である。
前記重合が可塑化剤の存在下で行なわれる場合、1の可塑剤の存在下で、1またはそれ以上の異なる可塑剤および/またはさらに同じ可塑剤を必要に応じて重合ポリマー生成物に添加してもよい。
可塑化剤は、水性システムおよび非水性システムから選択してもよい。水、または水と水に混和可能な有機可塑剤との混合物を、水性可塑剤として好適に使用することができる。非水性可塑剤を用いる場合、有機可塑剤を好適に使用することができる。より詳細な可塑剤システムについては、後述する([可塑化剤])を参照されたい。
[重合可能な混合物の調製および敷設]
本発明にかかるハイドロゲル組成物を調製するにあたり、構成成分がはじめに混合されて、ガスが吹き込まれていない重合可能な反応混合物が初期流動状ゲル前駆体の形態で提供される。
本発明にかかるハイドロゲル組成物を調製するにあたり、構成成分がはじめに混合されて、ガスが吹き込まれていない重合可能な反応混合物が初期流動状ゲル前駆体の形態で提供される。
初期流動状ゲル前駆体は次いで、重合前に前記混合物にガスが導入されることにより発泡させられる。このガスは機械的手段または発泡剤の導入により導入される。機械的手段には、ガス雰囲気下での高速ブレンダーまたはプロペラの使用、またはキャピラリ、ノズル、または微細孔表面を介した液体へのガスの導入が含まれる。発泡剤には、前記混合物への導入および必要な初期工程の実施の際にガスを生成することができる物質または物質の組み合わせである。発泡剤の例としては、酸性条件下で反応して水素または二酸化炭素を発生することができる炭酸塩(例えば炭酸水素ナトリウム)および金属粉、ならびに熱の影響下でガスを放散する化学物質(例えばジポタシウムジアゾメチオネート、N−ニトロソ−β−アミノケトンまたはホウ化水素ナトリウム)が含まれる。発泡の開始は、使用する化学物質に応じていずれかの適切な方法によって達成可能である。このような開始剤は当業者の能力の範囲内にあるだろう。
本発明で使用される好ましいガスは空気であり、機械的手段によって初期ゲル前駆体へと導入されるのが好ましい。ハイドロゲルの多孔質部分に均一な孔を生成させるために、導入される空気泡を均一に分散させなければならず、かつ、その分散は重合時にゲル化点に達するまで実質的に維持されなければならない。
初期ゲル前駆体の構成成分は好ましくは機械的に混合されて、多くの小さな空気泡の機械的導入によって混合物が発泡する。典型的な混合手順は、最大800[rpm]のパドル速度でパドル攪拌を用いて最大5分間行なう。
初期ゲル前駆体の粘度は制御する必要があるかもしれない。一方で、後述するように、粘度はガスの効果的な導入を達成するのに十分に低くすべきである。一方で、粘度は、重合が起こりポリマーマトリクスを形成する前に、すべての導入されたガスが表面へと上昇して、雰囲気中へと分散するまで低くしすぎるべきではない。しかしながら、上述したように、1つの重合工程で多孔質部分と連続的な部分とを一体化して含むハイドロゲル組成物を得るためには、ある程度の「脱水」は好ましい。粘度は最大約1000[mPas]であり、より典型的には約100[mPas]であり、最も好ましくは約50[mPas](20[rpm]の速度で閉鎖体積系においてS18スピンドルを用いたブロックフィールド粘度計によって測定された場合)であるのが、ガスの導入前の初期ゲル前駆体にとって好適であり、例えば、約10〜約50[mPas]であることを我々は見出している。
この発泡手順の結果として、ゲル前駆体混合物の粘度は、約200〜約1000[mPas](2[rpm]の速度で閉鎖体積系においてS18スピンドルを用いたブロックフィールド粘度計によって測定された場合)の典型的な範囲へと上昇するだろう。
ガスが導入されたゲル前駆体は次いで、重合熱源または重合放射源に曝す前に、好適な支持部材上に敷設される(流し込む)のが好ましい。支持部材の上面は、保護用の解放層を構成するであろうシートによって提供され、該解放層は、該解放層が含まれるいずれかの物品の使用前にハイドロゲル組成物を用いて提供されるのが好ましい。この解放層の好ましい実施形態のさらなる詳細を下記に示す([装置(Apparatus)])。
支持部材上への流し込みと照射との間の時間遅延においては、発泡させたゲル前駆体混合物は「脱水」が許容されてもよく、これにより、本発明のいくつかの態様に関連して上述したように、相対的に泡を含まない流動体層が発泡層の下に形成される。
発泡層は重合を待ち受ける支持部材に依存するため、発泡層は通常、さらなるモノマーまたは他の所望の構成要素またはハイドロゲル組成物の構成要素がゲル前駆体混合物に添加可能であるほど機械的に十分安定である。このような付加的な構成要素は典型的には、流動状の分散体、溶液、または混合物の形態で(例えば水中で)発泡層の上部に塗布され、次いで前記発泡層を通過して浸透して流れ落ち、前記発泡体の下にあるいずれかの相対的に泡がない流動体層と混合する。この方法によれば、以降に1つの重合工程のみ必要であり、かつ、必要とされる生成物の後重合操作、製造、および処理を必要としないかまたは少なくとも限定することができる簡便な方法にて、最終的なハイドロゲル組成物の連続的な部分の組成物を、最終的なハイドロゲル組成物の多孔質層の組成物とは異なるように製造可能である。
好適な付加的構成要素例の一覧表は、「他の添加剤(Other Additives)」という見出しの下に記載する。
重合可能な混合物は次いで、これから説明する重合工程に引き継がれる。
[重合反応]
ゲル前駆体に存在するモノマーに応じて、いずれかの好適なフリーラジカル重合反応が使用可能である。反応の範囲、該反応に適切な開始、および他の条件は、当業者に周知であるだろう。
ゲル前駆体に存在するモノマーに応じて、いずれかの好適なフリーラジカル重合反応が使用可能である。反応の範囲、該反応に適切な開始、および他の条件は、当業者に周知であるだろう。
例えば、フリーラジカル重合は、光(光開始)(特に紫外光(UV光開始))、熱(熱開始)、電子ビーム(e−ビーム開始)、イオン化照射(特にγ線照射(γ開始))、非イオン化照射(特に電磁波照射(電磁波開始))、またはこれらの組み合わせによる一般的に知られている方法により開始させてもよい。ゲル前駆体混合物は適切な物質(開始剤)を適切な量(例えば最大約5重量%、より好ましくは約0.002〜約2重量%)含んでいてもよく、前記物質は一般的に知られている方法により重合およびその開始を補助する機能を有する。
1つの実施形態においては、本発明の方法は、フリーラジカル重合および光開始剤の使用または光開始剤と他の開始剤との組み合わせの使用を含む。前記反応混合物は、好ましくは全重合反応混合物重量の約0.003〜約0.5重量%(より好ましくは約0.003〜約0.4重量%、特に好ましくは約0.009〜約0.2重量%)の光開始剤を含む。必要に応じて、国際特許出願番号第01/96422号に記述された低濃度の光開始剤を用いてもよい。
1つの好ましい実施形態としては、重合可能な混合物および重合開始源(例えば照射源)は、重合工程のために互いに移動する。この方法によれば、静的なシステムによって操作させるだけでなく、相対的に大量の重合可能な材料を1つの手順によって重合させることができる。この移動システムは本明細書においては連続的な生産として言及され、かつ好ましいものである。
好ましい光開始剤は、以下のもののいずれかを単独でまたは組み合わせて含む。
タイプI−α−ヒドロキシケトンおよびベンジリジメチルケタール(例えばイルガキュア651(商標名))。これらは照射により、重合を開始するベンゾイルラジカルを形成すると考えられている。このタイプの光開始剤のうち好ましいものは、芳香環のパラ位に置換基を有していないものである。チバケミカルズ(Ciba Chemicals)社から市販されているイルガキュア184(商標名)、ダラキュア1173(商標名)、およびその組み合わせが例示に含まれる。
特に好ましい光開始剤は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。例えば、チバ スペシャリティ ケミカルズ(Ciba Speciality Chemicals)社から市販されているイルガキュア184(商標名)が挙げられる。また、ダラキュア1173(商標名;2−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルケトン)、ならびにイルガキュア184(商標名)およびダラキュア1173(商標名)の混合物が好ましい。
光重合が特に好適であり、かつ、光重合は光および任意の他の開始剤(例えば、熱および/またはイオン化照射)を用いて達成可能である。光開始剤は通常、紫外(UV)光に適した光開始剤を含むゲル前駆体反応混合物を反応させることにより実行してもよい。240〜420[nm]の範囲内の波長でのUV強度は典型的には約10[mW/cm2]より大きい。処理は一般的に、混合および熱処理または熱履歴の予め決定された正確な順序を含む制御された方法により実行可能である。
UV照射のタイムスケールは理想的には60秒未満であり、モノマー転化率が95%より良好なゲルを形成するためには好ましくは10秒未満である。照射の程度は、UV強度、使用されるUV源の種類、光開始剤の定量収率、存在するモノマーの量、存在するモノマーの性質、溶存酸素の存在、重合開始剤の存在、基体上にコーティングされた反応混合物の厚さ、および反応混合物がコーティングされる基体の性質などを含む要素の数に依存するであろうことを当業者は理解するだろう。
重合反応の終了後および所望の後処理後(上述した本発明の第8の態様によって提供されるように)に、ハイドロゲル組成物は典型的には、例えば物品中の皮膚接着層を提供するために、製造手順中において即座に使用可能であり、あるいは上部の解放層は、多孔質のハイドロゲルシートの保存および運搬のために、重合されたシート材料の多孔質上面に取り付けられていてもよい。
[装置]
使用される装置は一般に慣用されかつ市販されている。
使用される装置は一般に慣用されかつ市販されている。
上述したように、しかしながら、本発明の1つの態様によれば、ガスが導入された重合可能な混合物が敷設される支持部材は好ましくは解放層を支持し、これによりその上面として解放層を提供する。
1つの好ましい態様によれば、解放層は、ポリオレフィン(例えばポリエチレン)などのプラスチックのシート材料から形成される。このプラスチックのシート材料は任意には、シリコンなどの非粘着性材料によってコーティングされていてもよい。
[ハイドロゲル組成物の構成成分]
本発明の好ましいハイドロゲル組成物は、架橋ポリマー分子からなる可塑化された3次元マトリクスを含み、内部含水率が非常に高いレベルにおいても、ヒトの皮膚の表面の輪郭に適応するのに十分な柔軟性ととともに、自立するのに十分な構造的強度を有する。ハイドロゲルの意図された用途は、生体医療用電極、創傷の包帯、および皮膚への接着が要求される他の用途であり、ハイドロゲル組成物は好ましくは、あらゆる皮膚および使用時に遭遇しそうなあらゆる湿度条件下で皮膚に接着するのに十分な生体接着性を有する。本出願人による国際特許出願番号WO−00/45864号は本明細書において参考文献として開示され、この出願にはハイドロゲルの皮膚接着性を予測可能な方法が開示され、これにより特定の出願に仕立てられた。
本発明の好ましいハイドロゲル組成物は、架橋ポリマー分子からなる可塑化された3次元マトリクスを含み、内部含水率が非常に高いレベルにおいても、ヒトの皮膚の表面の輪郭に適応するのに十分な柔軟性ととともに、自立するのに十分な構造的強度を有する。ハイドロゲルの意図された用途は、生体医療用電極、創傷の包帯、および皮膚への接着が要求される他の用途であり、ハイドロゲル組成物は好ましくは、あらゆる皮膚および使用時に遭遇しそうなあらゆる湿度条件下で皮膚に接着するのに十分な生体接着性を有する。本出願人による国際特許出願番号WO−00/45864号は本明細書において参考文献として開示され、この出願にはハイドロゲルの皮膚接着性を予測可能な方法が開示され、これにより特定の出願に仕立てられた。
架橋ポリマーネットワークに加えて、本発明に一般に関連するハイドロゲルは、水性可塑化媒体、および導電性が要求される場合は少なくとも1つの電解質を含み、一方、使用される材料および処理方法は通常、所望の用途に相応しい接着バランスおよび電気的特性を提供するように選択される。
(イオン性モノマー)
1つまたはそれ以上のイオン性モノマーが場合によって(If present)水溶性であることができ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその類縁体またはその塩の1つ(例えば、アンモニウム塩、またはナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩);アクリル酸またはその類縁体またはその塩の1つ(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩);および/または重合可能なスルホネートまたはその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩)から選択することができ、より好ましくはアクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその類縁体またはその塩である。この文脈において「類縁体(analogue)」は特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の置換誘導体、アクリル酸の置換誘導体、またはアクリル酸(3−スルホプロピル)エステルの置換誘導体に言及する。
1つまたはそれ以上のイオン性モノマーが場合によって(If present)水溶性であることができ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその類縁体またはその塩の1つ(例えば、アンモニウム塩、またはナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩);アクリル酸またはその類縁体またはその塩の1つ(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩);および/または重合可能なスルホネートまたはその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはリチウム塩などのアルカリ金属塩)から選択することができ、より好ましくはアクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその類縁体またはその塩である。この文脈において「類縁体(analogue)」は特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の置換誘導体、アクリル酸の置換誘導体、またはアクリル酸(3−スルホプロピル)エステルの置換誘導体に言及する。
言及可能なイオン性モノマーのさらなるカテゴリーは、モノマー/コモノマー対であり、このモノマー/コモノマー対は、1つまたはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1つまたはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとを含み、モノマー/コモノマー対中の相対的なモノマーの量は、アニオン性基およびカチオン性基が本質的に等モル当量存在するような量である。アニオン性基およびカチオン性基は、酸性基の塩および塩基性基の塩である基から選択されてもよい。第1のモノマー中のペンダント状基は好ましくは、(単独でまたは1つまたはそれ以上を組み合わせて)カルボン酸、リン酸、および/またはスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、および/またはアンモニウム塩である。スルホン酸基が最も好ましい。第2のモノマー中のペンダント状基は好ましくは、ハロゲン化(例えば塩化)第四級アンモニウム塩、スルフェートおよび/または水酸化物である。塩化物およびスルフェートが特に好ましい。
特に好ましいイオン性モノマーは、50%水溶液(照会コードLZ2405)または58%水溶液(照会コードLZ2405A)としてルブリゾール(Lubrizol)社から現在商業的に入手可能であり、NaAMPSとして一般に広く知られている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩、および/またはSPAまたはSPAKとして一般に広く知られているアクリル酸(3−スルホプロピル)エステルカリウム塩である。SPAまたはSPAKは、ラスチグ(Raschig)社から純固体の形態で商業的に入手可能である。1つまたはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1つまたはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとからなるモノマー/コポリマー対から形成可能なポリマーの場合、モノマー/コポリマー対中の相対的なモノマーの量は、アニオン性基およびカチオン性基が本質的に等モル当量存在するような量である。これらのイオン性モノマーは1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む適切なモノマーを提供することができる。この場合、1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む適切なモノマーは例えば、アクリル酸のアルキルエステル誘導体であってもよく、この誘導体において、アルキル基は第四級アンモニウムイオンの置換基であり、カウンターアニオンは好ましくはハロゲン化物(例えば塩化物)、スルフェートおよび/または水酸化物である。アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)が特に好ましい。
(ノニオン性モノマー)
場合によっては、1またはそれ以上のノニオン性モノマーは好ましくは水溶性であってもよく、アクリルアミド、またはモノ−(またはジ−)N−アルキルアクリルアミドまたはその類縁体から選択してもよい。この文脈において「類縁体」という用語は、アミド結合またはアルキルアミド(−CO.NH−または−CO.NR−)結合を介して炭素−炭素二重結合に結合されるアルキル基または置換アルキル基を含むノニオン性水溶性モノマーに言及する。このような類縁体の例には、ダイアセトンアクリルアミド(N−1,1−ジメチル−3−オキソブチル−アクリルアミド)、ビニルラクタム、N−アルキル化アクリルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、およびこれらのいずれかの混合物が含まれる。N−アクリロイルモルフォリンが特に好ましい。
場合によっては、1またはそれ以上のノニオン性モノマーは好ましくは水溶性であってもよく、アクリルアミド、またはモノ−(またはジ−)N−アルキルアクリルアミドまたはその類縁体から選択してもよい。この文脈において「類縁体」という用語は、アミド結合またはアルキルアミド(−CO.NH−または−CO.NR−)結合を介して炭素−炭素二重結合に結合されるアルキル基または置換アルキル基を含むノニオン性水溶性モノマーに言及する。このような類縁体の例には、ダイアセトンアクリルアミド(N−1,1−ジメチル−3−オキソブチル−アクリルアミド)、ビニルラクタム、N−アルキル化アクリルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、およびこれらのいずれかの混合物が含まれる。N−アクリロイルモルフォリンが特に好ましい。
(架橋剤)
従来の架橋剤は、必要とされる機械的安定性を提供し、そしてハイドロゲルの接着性を制御するために適切に用いられる。必要とされる架橋剤の量は当業者に明確であるように、約0.01〜約0.5%、好ましくは約0.05〜約0.4%、特に好ましくは約0.08〜0.3%である。典型的な架橋剤には、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量が約100〜約4000のポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG400またはPEG600)、およびメチレンビスアクリルアミドが含まれる。
従来の架橋剤は、必要とされる機械的安定性を提供し、そしてハイドロゲルの接着性を制御するために適切に用いられる。必要とされる架橋剤の量は当業者に明確であるように、約0.01〜約0.5%、好ましくは約0.05〜約0.4%、特に好ましくは約0.08〜0.3%である。典型的な架橋剤には、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量が約100〜約4000のポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG400またはPEG600)、およびメチレンビスアクリルアミドが含まれる。
(有機可塑剤)
1つまたはそれ以上の有機可塑剤を使用する場合、該有機可塑剤には以下のものが単独でまたは組み合わせて適切に含まれていてもよい:少なくとも1つのポリ水素化アルコール(グリセロール,ポリエチレングリコール、またはソルビトール)、これらから誘導される少なくとも1つのエステル、少なくとも1つのポリマー性アルコール(ポリエチレンオキシドなど)、および/またはポリ水素化アルコールまたはポリマー性アルコールの少なくとも1つのモノ−(またはポリ−)アルキル化誘導体(アルキル化ポリエチレンなど)。グリセロールが好ましい可塑剤である。別の好ましい可塑剤は、ボロン酸およびグリセロールから誘導されたエステルである。場合によっては、有機可塑剤は、ハイドロゲル組成物の重量の約45%以下含まれていてもよい。
1つまたはそれ以上の有機可塑剤を使用する場合、該有機可塑剤には以下のものが単独でまたは組み合わせて適切に含まれていてもよい:少なくとも1つのポリ水素化アルコール(グリセロール,ポリエチレングリコール、またはソルビトール)、これらから誘導される少なくとも1つのエステル、少なくとも1つのポリマー性アルコール(ポリエチレンオキシドなど)、および/またはポリ水素化アルコールまたはポリマー性アルコールの少なくとも1つのモノ−(またはポリ−)アルキル化誘導体(アルキル化ポリエチレンなど)。グリセロールが好ましい可塑剤である。別の好ましい可塑剤は、ボロン酸およびグリセロールから誘導されたエステルである。場合によっては、有機可塑剤は、ハイドロゲル組成物の重量の約45%以下含まれていてもよい。
(界面活性剤)
ハイドロゲル組成物の付加的な構成成分として、いずれかの共存可能な界面活性剤を任意に使用することができる。重合および補助工程の前に、界面活性剤は混合物の表面張力を低くすることができる。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤が好ましい。理想的には、界面活性剤は、下記に列挙されたいずれかの界面活性剤を単独でまたは互いに組み合わせて、および/または他の界面活性剤と組み合わせて含む。界面活性剤の総量は、ハイドロゲル組成物の重量の約10%以下が適切であり、約0.05〜約4重量%であるのが好ましい。
ハイドロゲル組成物の付加的な構成成分として、いずれかの共存可能な界面活性剤を任意に使用することができる。重合および補助工程の前に、界面活性剤は混合物の表面張力を低くすることができる。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤が好ましい。理想的には、界面活性剤は、下記に列挙されたいずれかの界面活性剤を単独でまたは互いに組み合わせて、および/または他の界面活性剤と組み合わせて含む。界面活性剤の総量は、ハイドロゲル組成物の重量の約10%以下が適切であり、約0.05〜約4重量%であるのが好ましい。
1.ノニオン性界面活性剤
適切なノニオン性界面活性剤は限定されないが、約8〜約20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸アルコールなどのより高級の脂肪族アルコールと、約3〜約100モル(好ましくは約5〜約40、最も好ましくは約5〜約20)のエチレンオキシドとの縮合物からなる基から選択されるものを含む。このようなノニオン性エトキシ化脂肪酸アルコールの界面活性剤の例としては、ユニオンカーバイド(Union Carbide)社から提供されるテルギトール(Tergitol;登録商標)15−Sシリーズや、ICI社から提供されるブリジ(Brij;登録商標)が挙げられる。テルギトール(登録商標)15−S界面活性剤は、炭素数11〜15の第二級アルコールのポリエチレングリコールエーテルを含む。ブリジ58界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルであり、ブリジ(登録商標)76界面活性剤は、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテルである。
適切なノニオン性界面活性剤は限定されないが、約8〜約20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸アルコールなどのより高級の脂肪族アルコールと、約3〜約100モル(好ましくは約5〜約40、最も好ましくは約5〜約20)のエチレンオキシドとの縮合物からなる基から選択されるものを含む。このようなノニオン性エトキシ化脂肪酸アルコールの界面活性剤の例としては、ユニオンカーバイド(Union Carbide)社から提供されるテルギトール(Tergitol;登録商標)15−Sシリーズや、ICI社から提供されるブリジ(Brij;登録商標)が挙げられる。テルギトール(登録商標)15−S界面活性剤は、炭素数11〜15の第二級アルコールのポリエチレングリコールエーテルを含む。ブリジ58界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルであり、ブリジ(登録商標)76界面活性剤は、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテルである。
他の適切なノニオン性界面活性剤は限定されないが、約6〜約12個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の1モルのアルキルフェノールと、約3〜約100モルのエチレンオキシドとのポリオキシエチレンオキシド縮合物からなる基から選択されるものを含む。ノニオン性界面活性剤の例としては、ローヌ−プーラン(Rhone-Poulenc)社から提供されるイゲパル(Igepal;登録商標)COおよびCAシリーズである。イゲパル(登録商標)CO界面活性剤は、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールを含む。イゲパル(登録商標)CA界面活性剤は、オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールを含む。
有用なノニオン性界面活性剤の別のグループは限定されないが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドまたはブチレンオキシドとのブロック共重合体からなる基から選択されるものを含む。このようなノニオン性ブロック共重合体界面活性剤の例としては、BASF社から提供されるプルロニック(Pluronic;登録商標)およびテトロニック(Tetronic;登録商標)シリーズである。プルロニック(登録商標)界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体を含む。テトロニック(登録商標)界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体を含む。分子量とともに、界面活性剤中の疎水性構成要素と親水性構成要素とのバランスが重要であることが明らかになっている。適切な例は、プルロニックL68およびテトロニック1907である。特に適切な例はプルロニックL64およびテトロニック1107である。
他の適切なノニオン性界面活性剤は限定されないが、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンステアリン酸エステルから選択されるものを含む。このような脂肪酸エステルのノニオン性界面活性剤の例としては、ICI社から提供されるスパン(Span;登録商標)界面活性剤、ツイーン(Tween;登録商標)界面活性剤、およびミルジ(Myrj;登録商標)界面活性剤である。スパン(登録商標)界面活性剤は、炭素数12〜18のソルビタンモノエステルを含む。ツイーン(登録商標)界面活性剤は、ポリ(エチレンオキシド)の炭素数12〜18のソルビタンモノエステルを含む。ミルジ(登録商標)界面活性剤は、ステアリン酸ポリ(エチレンオキシド)を含む。
2.アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は通常、(炭素数約6〜約20の)アルキル基、アルキルアリール基およびアルケニル基から選択される基、アニオン性基(スルフェート、スルホネート、フォスフェート、ポリオキシエチレンスルフェート、ポリオキシエチレンスルホネート、ポリオキシエチレンフォスフェートからなる基から選択される)、およびこのようなアニオン性基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、および第四級アミノ塩から選択される疎水性部分を含む。
アニオン性界面活性剤は通常、(炭素数約6〜約20の)アルキル基、アルキルアリール基およびアルケニル基から選択される基、アニオン性基(スルフェート、スルホネート、フォスフェート、ポリオキシエチレンスルフェート、ポリオキシエチレンスルホネート、ポリオキシエチレンフォスフェートからなる基から選択される)、およびこのようなアニオン性基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、および第四級アミノ塩から選択される疎水性部分を含む。
本発明で使用可能なアニオン性界面活性剤は限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム(ポリステップ(登録商標)B−3としてスレパン コーポレーション(Srepan Co)から商業的に入手可能である)およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(シポネート(登録商標)DS−10としてローヌプーラン社から商業的に入手可能である)などの、(炭素数約6〜約20の)アルキルまたはアルキルアリールスルフェートまたはスルホネート;ポリステップ(登録商標)B−1(スレパン社から商業的に入手可能である)およびアリパル(登録商標)EP110および115(ローヌプーランから商業的に入手可能である)などの、界面活性剤中におけるエチレンオキシドとの繰り返し単位が約30単位未満(好ましくは約20単位未満、特に好ましくは約15単位未満)であるポリオキシエチレン(炭素数約6〜約20の)アルキルまたはアルキルフェノールエーテルスルフェート;ガファック(登録商標)RE−510およびガファック(登録商標)RE−610(GAF社から提供される)などの、界面活性剤中におけるエチレンオキシドとの繰り返し単位が約30単位未満(好ましくは約20単位未満、特に好ましくは約15単位未満)である(炭素数約6〜約20の)リン酸アルキルまたはアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチルモノエステル(およびジエステル)およびその塩、からなる基から選択されるものを含む。
3.カチオン性界面活性剤
本発明において有用なカチオン性界面活性剤は限定されないが、第四級アンモニウム塩からなる基から選択されたものを含む。このような第四級アンモニウム塩においては、少なくとも1つのより高分子量の基と、2つまたは3つのより低分子量の基とが共通の窒素原子に結合されてカチオンを生じ、電子的な均衡をとるアニオンは、ハロイド(臭素、塩素など)、酢酸塩、硝酸塩、および低級アルコスルフェート(メトスルフェートなど)からなる基から選択される。窒素原子上のより高分子量の置換基としては、約10〜20個の炭素原子を含む高級アルキル基であってもよく、より低分子量の置換基としては、メチル基またはエチル基などの約1〜4個の炭素原子を含む低級アルキル基であってもよく、この低級アルキル基は場合によってはヒドロキシル基を有していもよい。前記置換基の1つまたはそれ以上がアリール部位を含んでいてもよく、あるいはベンジル基またはフェニル基などのアリール基によって置換されていてもよい。
本発明において有用なカチオン性界面活性剤は限定されないが、第四級アンモニウム塩からなる基から選択されたものを含む。このような第四級アンモニウム塩においては、少なくとも1つのより高分子量の基と、2つまたは3つのより低分子量の基とが共通の窒素原子に結合されてカチオンを生じ、電子的な均衡をとるアニオンは、ハロイド(臭素、塩素など)、酢酸塩、硝酸塩、および低級アルコスルフェート(メトスルフェートなど)からなる基から選択される。窒素原子上のより高分子量の置換基としては、約10〜20個の炭素原子を含む高級アルキル基であってもよく、より低分子量の置換基としては、メチル基またはエチル基などの約1〜4個の炭素原子を含む低級アルキル基であってもよく、この低級アルキル基は場合によってはヒドロキシル基を有していもよい。前記置換基の1つまたはそれ以上がアリール部位を含んでいてもよく、あるいはベンジル基またはフェニル基などのアリール基によって置換されていてもよい。
本発明のより好ましい実施形態においては、界面活性剤は、例えばプルロニックP65またはL64またはF68という商標名でBASF社により供給されているもののような、少なくとも1つのプロピレンオキシド/エチレンオキシドのブロック共重合体を含む。
[他の添加剤]
本発明のハイドロゲル組成物は1つまたはそれ以上の付加的な構成成分を含むことができ、これらの構成要素は、熟練した技術者の選択により、重合前の混合物または重合された生成物に添加してもよい。このような付加的な構成要素は、当業者に知られている添加剤から選択され、例えば、水、有機可塑剤、界面活性剤、ポリマー、電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性化合物、パーソナルケア剤およびボディケア剤、およびこれらの混合物を含む。ポリマーは天然ポリマー(例えば、キサンチンガム)、合成ポリマー(例えば、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体またはポリ−(メチルビニルエーテルとマレイン酸無水物との交互ポリマー)、またはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書において、「生物活性化合物」とは、ハイドロゲルとは対照的に、生態系に及ぼす何らかの効果のためにハイドロゲル中に含まれる化合物または混合物を意味し、前記生態系はバクテリアまたは他の微生物、あるいは、ハイドロゲルを含む物品の使用者のようなより高等な動物であってもよい。特に言及すべき生物活性化合物はクエン酸である。
本発明のハイドロゲル組成物は1つまたはそれ以上の付加的な構成成分を含むことができ、これらの構成要素は、熟練した技術者の選択により、重合前の混合物または重合された生成物に添加してもよい。このような付加的な構成要素は、当業者に知られている添加剤から選択され、例えば、水、有機可塑剤、界面活性剤、ポリマー、電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性化合物、パーソナルケア剤およびボディケア剤、およびこれらの混合物を含む。ポリマーは天然ポリマー(例えば、キサンチンガム)、合成ポリマー(例えば、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体またはポリ−(メチルビニルエーテルとマレイン酸無水物との交互ポリマー)、またはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書において、「生物活性化合物」とは、ハイドロゲルとは対照的に、生態系に及ぼす何らかの効果のためにハイドロゲル中に含まれる化合物または混合物を意味し、前記生態系はバクテリアまたは他の微生物、あるいは、ハイドロゲルを含む物品の使用者のようなより高等な動物であってもよい。特に言及すべき生物活性化合物はクエン酸である。
付加的なポリマー(典型的には、レオロジー修正ポリマー)は、重合反応混合物の総量の約10重量%以下(例えば、約0.2〜約10重量%の範囲)のレベルで重合反応混合物に含まれていてもよい。このようなポリマーには、ポリアクリルアミド、ポリNaAMPS、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはカルボキシメチルセルロールが含まれていてもよい。
特に好ましい用途は生体医療用皮膚電極の分野である。ハイドロゲル組成物をAg/AgCl医療用電極と組み合わせて使用することを意図する場合、電極が機能するためには塩化物イオンが必要とされる。塩化カリウムおよび塩化ナトリウムが一般に使用されている。しかしながら、塩化物イオンを供給する能力があるいずれかの化合物(例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、または塩化アンモニウム)を使用してもよい。添加すべき量は必要とされる電気的特性に依存し、典型的には約0.5−8重量%である。
一般に、電極中で使用されるハイドロゲル組成物を製造するためにこの方法が使用される場合、電解質(例えば、上述の塩化物などの塩、または硝酸塩(例えば硝酸ナトリウムまたは硝酸カルシウム)などの他の塩)が重合反応混合物中に適量含まれることが必要となるだろう。
本発明において調製される組成物は、当業者に容易に理解されるであろう一般的に慣用されている方法にて、生体医療用電極中で使用される。そのような生体医療用電極は、診断用、刺激用、治療用、および電気外科用の電極(適切には、パッチ形態にて)を含むことができる。本発明のハイドロゲル組成物は典型的には、皮膚と電極との界面上にて良好な電流分散を提供して、電気的なホットスポット(hot-spot)を減少させることにより、潜在的な効果を達成するだろう。
付加的な機能的構成要素が、本発明で使用される反応混合物中にさらに含まれていてもよく、このような機能的構成要素には、抗菌剤(例えば、クエン酸、塩化スズ)、酵素、患者の体に温感または冷感を提供する化合物、皮膚学的に活性な化合物、およびドラッグデリバリの用途としては、薬理活性を有する薬剤のような生物活性を有する化合物を含むことができる。ここで、薬理活性を有する薬剤は、皮膚を介して受動的に(例えば経皮的に)または能動的に(例えばイオン導入的に)輸送されるように設計される。
哺乳類の皮膚へとまたは哺乳類の皮膚を介して薬剤または他の活性物質を輸送するための薬学的な輸送デバイスに使用する場合、前記組成物は、局所薬剤、皮膚用薬剤またはイオン導入剤および賦形剤を任意に含んでいてもよい。前記組成物はまた、水または活性物質の皮膚へと輸送されるのを補助するための浸透増強剤を含んでいてもよい。このような用途に使用するための浸透増強剤の例としては限定されないが、メチルオレイン酸、イソプロピルミリスチン酸、アゾン(Azone,登録商標)、トランスキュトール(Transcutol,登録商標)、およびN−メチルピロリドンが挙げられる。
付加的な構成成分は、光および放射線に対して安定な抗菌剤を含むことができ、このような抗菌剤には、有効量の抗菌性金属(例えば銀)イオンおよび安定化ハロイド(例えば塩化物)イオンを含み、ここで、ハロイドは金属イオンの量に対して過剰量(好ましくは、約500モル倍過剰のような、著しく過剰なモル量)存在する。
本発明のハイドロゲル組成物は好ましくは、本質的には、水および/または1またはそれ以上の有機可塑剤、ならびに界面活性剤、ポリマー、pH調整剤、電解質、塩化物源、生物活性化合物、およびこれらの混合物から選択される任意の1またはそれ以上の添加剤(他の添加物の約10重量%未満)とともに、疎水性モノマーと任意の1またはそれ以上のコモノマーとからなる架橋化疎水性ポリマーからなる。
[用途]
本明細書で記述されているハイドロゲル組成物は適切には、皮膚の接触または被覆の用途の範囲で使用されてもよく、ここで、この組成物は皮膚に接触させるか、あるいはこの組成物と皮膚との間に接合する媒体部材と接触させる。この組成物は支持されていなくてもよいし、あるいは、ある特定用途のためのより大きな物品(例えば支持部材)の一部の上で支持されていてもよい。この組成物は適切には、シート、コーティング、膜、組立品または積層体(ラミネート)の形態であってもよい。用途には、パッチ、テープ、絆創膏、一般的用途または特定用途の装置および包帯が含まれ、限定されないが、例えば、診断用(例えばECG)、刺激用(例えばTENS)、治療用(例えば細動除去)、または電気外科用(例えば焼灼(electrocauterisation))の皮膚電極などの生体医療用途、スキンケア用途、介護用途、苦痛緩和用途、および獣医用途を含む。例えば、創傷および熱傷の治療、損傷および熱傷の管理、皮膚の冷却、皮膚の保湿、皮膚の保温、芳香剤の放出または伝達、鼻詰まりの除去または伝達、薬剤または薬物の放出または伝達、パフュームの放出または伝達、フレグランスの放出または伝達、およびセントの放出または伝達を補助する包帯および貯蔵部材(reservoir)、または体液を吸収する吸収パッドまたはパッチ(例えば、授乳期間中の母親のための授乳パッド)、ヘアピース接着剤、および衣服用接着剤などの他の皮膚接触デバイス、糞便集積容器のための接着性フランジおよびタブ、オストミー装置、および他の大便失禁用デバイスが挙げられる。
本明細書で記述されているハイドロゲル組成物は適切には、皮膚の接触または被覆の用途の範囲で使用されてもよく、ここで、この組成物は皮膚に接触させるか、あるいはこの組成物と皮膚との間に接合する媒体部材と接触させる。この組成物は支持されていなくてもよいし、あるいは、ある特定用途のためのより大きな物品(例えば支持部材)の一部の上で支持されていてもよい。この組成物は適切には、シート、コーティング、膜、組立品または積層体(ラミネート)の形態であってもよい。用途には、パッチ、テープ、絆創膏、一般的用途または特定用途の装置および包帯が含まれ、限定されないが、例えば、診断用(例えばECG)、刺激用(例えばTENS)、治療用(例えば細動除去)、または電気外科用(例えば焼灼(electrocauterisation))の皮膚電極などの生体医療用途、スキンケア用途、介護用途、苦痛緩和用途、および獣医用途を含む。例えば、創傷および熱傷の治療、損傷および熱傷の管理、皮膚の冷却、皮膚の保湿、皮膚の保温、芳香剤の放出または伝達、鼻詰まりの除去または伝達、薬剤または薬物の放出または伝達、パフュームの放出または伝達、フレグランスの放出または伝達、およびセントの放出または伝達を補助する包帯および貯蔵部材(reservoir)、または体液を吸収する吸収パッドまたはパッチ(例えば、授乳期間中の母親のための授乳パッド)、ヘアピース接着剤、および衣服用接着剤などの他の皮膚接触デバイス、糞便集積容器のための接着性フランジおよびタブ、オストミー装置、および他の大便失禁用デバイスが挙げられる。
本発明をさらに以下の実験例を参照して説明するが、本発明の範囲は以下の実験例に限定されるべきではない。
[試験方法]
発泡前駆体の粘度は、20[rpm]の速度にて閉鎖体積系(closed volume)にてS18スピンドルを用いたブルックフィールド粘度計を用いて測定された。また、キュア前の発泡体の粘度は、2[rpm]の速度にて閉鎖体積系(closed volume)にてS18スピンドルを用いたブルックフィールド粘度計を用いて測定された。
発泡前駆体の粘度は、20[rpm]の速度にて閉鎖体積系(closed volume)にてS18スピンドルを用いたブルックフィールド粘度計を用いて測定された。また、キュア前の発泡体の粘度は、2[rpm]の速度にて閉鎖体積系(closed volume)にてS18スピンドルを用いたブルックフィールド粘度計を用いて測定された。
連続的な層上の水の吸収率および多孔質層上の水の吸収率は、シリンジから5[μl]の水滴を滴下して、0.1秒後の材料表面の水滴の体積をモニタすることにより決定された。この操作はサイエンティフィック アンド メディカル プロダクツ(Scientific and Medical Products)社のDAT1100ダイナミック接触角分析装置を用いて行なわれた。
ハイドロゲル発泡体組成物のレオロジーは、0.1〜100[rad/s]の範囲でレオメトリクス SR5 レオメータを用いて決定された。
発泡させたハイドロゲルの水の活量は、アクアラブ(AquaLab) シリーズ 3TE水活量計を用いて決定された。
[調製方法および組成物]
(実験例1−実験例15) 調製方法および装置
200[g]のハイドロゲル発泡体の製造方法を以下に説明する。この方法により、半連続的なハイドロゲル発泡体または連続的なハイドロゲル発泡体が製造可能であることは、当業者に理解されるだろう。
(実験例1−実験例15) 調製方法および装置
200[g]のハイドロゲル発泡体の製造方法を以下に説明する。この方法により、半連続的なハイドロゲル発泡体または連続的なハイドロゲル発泡体が製造可能であることは、当業者に理解されるだろう。
200[g]のハイドロゲル発泡前駆体の処方混合物を500[ml]の容器に添加した。パドル攪拌装置を発泡前駆体の処方混合物中に配置した。パドルをIKA RW16ベーシッククミキサに接続した。この混合物が泡状になりかつ粘度が増加するまで、500〜600[rpm]の速度で3分間攪拌した。必要とされる泡の程度に応じて異なる混合時間および混合速度が適用されるのは言うまでもない。発泡工程が終了した時点でパドルを容器から除去した。次に、泡を適切な基体表面(例えば、フィルム、エンボスフィルム、不織布の基板、またはネットの基体であり、これらは天然材料または合成材料、あるいはこれらの組み合わせから製造される)に流し込み(キャストし)、(例えば、中圧水銀アークランプから)紫外線光を照射して、発泡体をキュアした。最終的な材料は本発明にしたがって、基体に接触するハイドロゲル層(上記に定義された)と、ハイドロゲル層に隣り合う多孔質層とを含む。発泡させた混合物を動作中の基体上に流し込むことにより、組成物材料からなる連続的なロールを0.5〜30[m/分]の速度で生産することができた。発泡の程度、および発泡体の流し込みとそれに続くキュアとの間の時間を変化させることにより、ハイドロゲルシートの連続的な層の部分と多孔質層の部分との比率を変化させかつ制御することができる。
(実験例1−実験例15 組成物)
調製されたハイドロゲルの組成を以下に示す。
調製されたハイドロゲルの組成を以下に示す。
(実験例16−実験例49 調製方法および装置)
適量のN−アクロイルモルフォリン(ACMO)を、適量の水(実験例16−37,39,40,45,46−49)に添加するか、または水和塩(以下の詳細な説明を参照)を約60℃まで穏和にキュアすることにより形成された水性飽和液または水性過飽和液(実験例38,41,44,47,48)に添加した。ここで得られた各水性組成物に界面活性剤であるプルロニック65(P65)を添加した。
適量のN−アクロイルモルフォリン(ACMO)を、適量の水(実験例16−37,39,40,45,46−49)に添加するか、または水和塩(以下の詳細な説明を参照)を約60℃まで穏和にキュアすることにより形成された水性飽和液または水性過飽和液(実験例38,41,44,47,48)に添加した。ここで得られた各水性組成物に界面活性剤であるプルロニック65(P65)を添加した。
実験例33,34,41,43においては、アクリル酸(AA)コモノマーがまた、ACMOとともに添加された。実験例24においては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(NaAMPS)もACMOに添加された(以下の検討を参照)。実験例39,40,45,47−49においては、必要に応じて穏和にキュアしながら、塩(以下の詳細な説明を参照)がまた添加された。実験例38−49においては、塩は、塩化カルシウム六水和物(実験例38−43)、硝酸カルシウム十水和物(実験例44,45)、塩化カルシウム六水和物と硝酸カルシウム十水和物の重量比50:50の混合物(実験例46)、塩化ナトリウム(実験例47)、および塩化マグネシウム六水和物(実験例48,49)から選択された。AAおよび塩の量は以下の表に示した。適量のグリセロールが添加され(実験例20−30、33−37、42、43のみ)、この混合物は約30分間攪拌された。実験例16−37において、これらのはじめの構成成分の量はそれぞれ、重量(通常100の中から、実験例24の場合は104の中から)にて示されている。実験例38−49においては、質量はグラムにて示されている。
架橋剤(XL)および光開始剤(PI)の混合物は、適量のIRR280(PEG400ジアクリレート,UCBケミカルズ社)(280)を、適量の光開始剤であるダラキュア1173(1173)(チバ スペシャリティ ケミカルズ社)に添加することにより製造された。この液体混合物を適量、前記混合物に添加して、遮光するために周囲を覆って1時間攪拌した。下記の表中の実験例16−24,27,31−35の数値は、PI/XLの混合物(PIは6重量部:XLは20重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量に対する割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例25,36,37の数値は、PI/XLの混合物(PIは10重量部:XLは20重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例26の値は、PI/XLの混合物(PIは100.7重量部:XLは108重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例28の値は、PI/XLの混合物(PIは1重量部:XLは3重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例29の値は、PI/XLの混合物(PIは9重量部:XLは10重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例30の値は、PI/XLの混合物(PIは35重量部:XLは54重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。下記の表中の実験例38−49の値は、PI/XLの混合物(PIは1重量部:XLは10重量部)が添加された時点における当初の混合物の重量による割合(パーセンテージ)を示している。
混合物が高速攪拌装置を用いて機械的に激しく攪拌される場合、空気の泡がゲル前駆体に取り込まれる。次に、50[g]の混合物は、1.5[kg/m2]のコート重量にてシリコン処理された紙によって縁取りされたトレーに流し込まれ、中圧水銀蒸気ランプから80[W/cm]の速度で紫外光(UV)の下を7[m/分]の速度で3回通過させることにより、試験室内でキュアされた。最終的なキュアされたハイドロゲルの塊は内部多孔性構造を有しており、これは空気の泡の存在によって生じたものであった。
(実験例50 調製方法および組成物)
48.84[g]の58[%]NaAMPS(ルブリゾール)水溶液を、25[g]の79[%]アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(DMAEA−Q(コージン(Kohjin)社))、34.16[g]のグリセノール、および3[g]のプルロリックP65(チバガイギー社)と30分間混合させた。この混合物に0.19[g]のダラキュア1173(4重量部)およびポリエチレングリコールジアクリレート(IRR280,UCB)(20重量部)の溶液を添加して、30分間攪拌させた。この混合物を機械的に攪拌して泡立てた液体を生成させた後、シリコン処理されたポリエステルの下地をコーティングし、UVランプ下を通過させた。この混合物は急速にキュアされて、良好な粘着性および接着性を有するゲルが生成した。
48.84[g]の58[%]NaAMPS(ルブリゾール)水溶液を、25[g]の79[%]アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(DMAEA−Q(コージン(Kohjin)社))、34.16[g]のグリセノール、および3[g]のプルロリックP65(チバガイギー社)と30分間混合させた。この混合物に0.19[g]のダラキュア1173(4重量部)およびポリエチレングリコールジアクリレート(IRR280,UCB)(20重量部)の溶液を添加して、30分間攪拌させた。この混合物を機械的に攪拌して泡立てた液体を生成させた後、シリコン処理されたポリエステルの下地をコーティングし、UVランプ下を通過させた。この混合物は急速にキュアされて、良好な粘着性および接着性を有するゲルが生成した。
(実験例51−実験例57 調製方法)
<非z膨張の発泡体構造>
z膨張が制限された多孔質ハイドロゲルを製造する本発明に係る方法の一例には、発泡体を製造する方法および使用される界面活性剤または界面活性剤の混合物の特性の制御が含まれる。このような界面活性剤としては、例えばBASF社から入手可能であるF68またはP65のようなポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体を挙げることができ、混合の速度が大きくなるにつれて、開いた気泡と比較して閉じた気泡の多孔質ハイドロゲルの割合が大きくなる。混合速度が十分でない場合、開いた気泡のみが製造される。
<非z膨張の発泡体構造>
z膨張が制限された多孔質ハイドロゲルを製造する本発明に係る方法の一例には、発泡体を製造する方法および使用される界面活性剤または界面活性剤の混合物の特性の制御が含まれる。このような界面活性剤としては、例えばBASF社から入手可能であるF68またはP65のようなポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体を挙げることができ、混合の速度が大きくなるにつれて、開いた気泡と比較して閉じた気泡の多孔質ハイドロゲルの割合が大きくなる。混合速度が十分でない場合、開いた気泡のみが製造される。
<ブレンディング>
1.界面活性剤としてF68を含む発泡体
20[g]のイルガキュア280を1[g]のダラキュア1173に添加することにより、架橋剤および光開始剤の混合物前駆体を製造した。これを暗所で少なくとも1時間攪拌した。一旦製造したら、この混合物は数週間暗所で保存可能である。
1.界面活性剤としてF68を含む発泡体
20[g]のイルガキュア280を1[g]のダラキュア1173に添加することにより、架橋剤および光開始剤の混合物前駆体を製造した。これを暗所で少なくとも1時間攪拌した。一旦製造したら、この混合物は数週間暗所で保存可能である。
必要とされるF68およびP65(溶融した)を発泡に適した大きさの乾燥したビーカーに秤量した。次いで、必要量のダラキュア1173およびイルガキュア280の混合物前駆体を添加した後、モノマー、続いてグリセロールまたは他の保湿剤を添加した。次いで、この混合物をF68界面活性剤が溶解するまで暗所で攪拌した。この界面活性剤が溶解した後、マグネチックスターラのバーを除去し、後述する方法の1つを用いてこの混合物を発泡させた(下記の表参照)。
2.界面活性剤としてP65を含む発泡体
1[g]のダラキュア1173に20[g]のイルガキュア280を添加することにより、ダラキュア1173およびイルガキュア280の混合前駆体を製造した。これを暗所で少なくとも1時間攪拌した。一旦製造したら、この混合物は数週間暗所で保存可能である。
1[g]のダラキュア1173に20[g]のイルガキュア280を添加することにより、ダラキュア1173およびイルガキュア280の混合前駆体を製造した。これを暗所で少なくとも1時間攪拌した。一旦製造したら、この混合物は数週間暗所で保存可能である。
必要とするダラキュア1173およびイルガキュア280を発泡に適した大きさの乾燥したビーカーに秤量した。次いで、必要量の溶融させたP65界面活性剤を添加し、続いてモノマーおよびグリセロール(または他の保湿剤)を添加した。次いで、この混合物をF68界面活性剤が溶解するまで暗所で攪拌させた。この界面活性剤が溶解した後、マグネチックスターラのバーを除去し、後述する方法の1つを用いて混合物を発泡させた(下記の表参照)。
<発泡>
{プロペラ法}
約50[g]の重合可能な混合物を100[ml]の広口瓶に秤量した。次に、プロペラミキサを用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック(IKA Labortechnik)社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「10」に設定;これは約1200[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
{プロペラ法}
約50[g]の重合可能な混合物を100[ml]の広口瓶に秤量した。次に、プロペラミキサを用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック(IKA Labortechnik)社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「10」に設定;これは約1200[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
{高速でのパドル攪拌機}
約100[g]の重合可能な混合物を600[ml]の広口瓶に秤量した。次に、混合物がダブルクリームの質感を伴う白色になるまでパドル攪拌機を用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「7」に設定;これは約800[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
約100[g]の重合可能な混合物を600[ml]の広口瓶に秤量した。次に、混合物がダブルクリームの質感を伴う白色になるまでパドル攪拌機を用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「7」に設定;これは約800[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
{異なる界面活性剤の系を用いた中速でのパドル攪拌機}
F68を界面活性剤として含む重合可能な混合物(実験例51,52)約100[g]を600[ml]のビーカーに秤量した。次に、混合物がダブルクリームの質感を伴う白色になるまでパドル攪拌機を用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「5」に設定;これは約550[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
F68を界面活性剤として含む重合可能な混合物(実験例51,52)約100[g]を600[ml]のビーカーに秤量した。次に、混合物がダブルクリームの質感を伴う白色になるまでパドル攪拌機を用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「5」に設定;これは約550[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は滑らかな外観を有し、混合物の表面には大きな気泡はなかった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
P65を界面活性剤として含む重合可能な混合物(実験例57)約100[g]を600[ml]のビーカーに秤量した。次に、混合物がダブルクリームの質感を伴う白色になるまでパドル攪拌機を用いてこの混合物を高速で(IKAラボテクニック社から入手したRW16ベーシックミキサにおいて「5」に設定;これは約550[rpm]の回転数に相当する)3分間攪拌した。この混合物は白色で泡立った外観を有していることがあり、混合物の表面には大きな気泡が存在している場合があった。この発泡させた混合物を吐出して、UV光を用いてキュアした。
[結果と検討]
(実験例1−実験例6 試験結果および検討)
実験例1−実験例6で調製された組成物の所定の物理的なパラメータが、下記の試験方法を用いて測定された。その結果を以下に示す(AW=水の活量)。
(実験例1−実験例6 試験結果および検討)
実験例1−実験例6で調製された組成物の所定の物理的なパラメータが、下記の試験方法を用いて測定された。その結果を以下に示す(AW=水の活量)。
実験例1−実験例15のすべてにおいて、製造された発泡ハイドロゲルは多孔質側で良好〜極めて良好な水分吸収率を有する使用可能なゲルであった。試験の対象となった実験例(実験例1−実験例6)においては、発泡ハイドロゲルは、後述する用途における使用に許容可能な水の活量、弾性、および粘度モジュールを有していた。
(実験例16−実験例49 結果および検討)
実験例16によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ柔軟性を有する長細いゲルが得られた。実験例17によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ良好な柔軟性を有するゲルが得られた。実験例18によれば、透明でかつ無色の堅いゲルが得られた。実験例19によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて脆いゲルが得られた。実験例20によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて少し粘着性を有するゲルが得られた。実験例21,22によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて粘着性を有するゲルが得られた。上記すべてのゲルが許容可能であった。
実験例16によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ柔軟性を有する長細いゲルが得られた。実験例17によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ良好な柔軟性を有するゲルが得られた。実験例18によれば、透明でかつ無色の堅いゲルが得られた。実験例19によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて脆いゲルが得られた。実験例20によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて少し粘着性を有するゲルが得られた。実験例21,22によれば、透明でかつ無色で、そのうえ堅くて粘着性を有するゲルが得られた。上記すべてのゲルが許容可能であった。
実験例23によれば、白色でかつ硬くて脆く、そのうえグリセロールの合成を示すゲルが得られた。このゲルは生体接着剤としての使用に不適であった。この不適さは、有機可塑剤の量が非常に多い場合により頻繁に観察されるかもしれないと予測される。しかしながら、実験例24に示されるように、この問題は、ゲル前駆体に少量のイオン性コモノマー(NaAMPS)を存在させることにより、飛躍的にかつ効果的に克服される。実験例24によれば、許容可能であり、透明で無色の堅いゲルが得られた。
実験例25によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ柔軟性および粘着性を有する長細いゲルが得られた。実験例26,27によれば、細長いゲルが得られた。実験例28によれば、透明でかつ無色であり、そのうえ堅くて粘着性を有する脆いゲルが得られた。実験例29,30によれば、透明な細長いゲルが得られた。実験例31によれば、柔軟性があり、かつ透明で細長いゲルが得られた。実験例32によれば、透明であるが脆いゲルが得られた。実験例33によれば、透明でかつ強度に優れたゲルが得られた。実験例34によれば、透明であるが柔軟性を有するゲルが得られた。実験例35−実験例37によれば、透明でかつ少し粘着性を有するゲルが得られた。実験例38−実験例49によれば、その多くが極限温度および極限雰囲気乾燥下で非常に高い強度を示す許容可能なゲルが得られた。以上により、実験例25−実験例49のすべてにおいて、許容可能なゲルが製造された。
(実験例50 結果および検討)
重合可能な混合物は急速にキュアされて、良好な粘着性および接着性を有するゲルが生産された。このゲルは、DMAEA−QをNaAMPSに代えた以外は同様の方法を用いて製造されたゲルと比較して、生理食塩水の吸収率が低かった。
重合可能な混合物は急速にキュアされて、良好な粘着性および接着性を有するゲルが生産された。このゲルは、DMAEA−QをNaAMPSに代えた以外は同様の方法を用いて製造されたゲルと比較して、生理食塩水の吸収率が低かった。
(実験例51−実験例57 結果および検討)
実験例51−実験例56のすべてにおいて、発泡多孔質ハイドロゲルは外部の水に曝した場合に大きなz膨張をしなかった。実験例57はある程度のz膨張を示した。
実験例51−実験例56のすべてにおいて、発泡多孔質ハイドロゲルは外部の水に曝した場合に大きなz膨張をしなかった。実験例57はある程度のz膨張を示した。
本発明を限定することなく広範囲に説明してきた。当業者に当然に明らかであるように、変形および変更は、本発明および最終的に得られる特許によって網羅されるべきであることを意図している。
本発明は、多くの用途において許容可能な速度にて大量の液体を吸収する有用な能力を潜在的に有する有用な多孔質ハイドロゲルを製造する。そのうえ、このハイドロゲルは簡便にかつ効率的に製造可能である。その製造方法は、ハイドロゲルの後処理を必要とすることなく、あるいは非常に簡単な後処理のみを必要としつつ、重合可能な(ゲル前駆体)混合物の重合を、実質的にハイドロゲルの製造の最終処理工程とすることができる。あるいは、ハイドロゲルの空隙率は、(好ましくは、重合前に重合可能な混合物が敷設される同じ支持部材上で、)最初の重合後において、付加的な成分を多孔質構造へと導入しやすくすることができ、これにより、製造の複雑さおよび操作時の汚染のリスクを低減することができる。
Claims (39)
- 内部多孔性構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む第1の部分と、
相対的に連続的な内部構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む第2の部分と、
を含む、ハイドロゲル組成物。 - 請求項1において、
前記第1の部分は、マトリクスに対する気泡孔の体積比率が約1:3より大きくなるような内部多孔性構造を有する多孔質発泡体を含む、ハイドロゲル組成物。 - 請求項1または2において、
前記第2の部分は、マトリクスに対する気泡孔の体積比率が約1:10より小さい、ハイドロゲル組成物。 - 多孔質ハイドロゲルの調製方法であって、
親水性モノマーおよび任意の1またはそれ以上のコモノマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、
前記重合可能な混合物は、相対的に高い濃度の導入された気泡を含む第1の部分と、相対的に低い濃度の気泡を含む第2の部分と、を含む、方法。 - 請求項4において、
請求項1ないし3のいずれかに記載のハイドロゲル組成物を調製するために用いられる、方法。 - 請求項4または5において、
前記重合可能な混合物は、前記重合の手順に適した支持部材上にシート状または層状に敷設され、これにより、前記重合可能な混合物の前記第1の部分は前記第2の部分上に配置される、方法。 - 内部多孔性構造を有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲル組成物であって、前記親水性ポリマーは、下記のモノマーのいずれかのポリマーから選択される、多孔質ハイドロゲル組成物:
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその置換誘導体またはその塩;
アクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその置換誘導体またはその塩;
アミド結合またはアルキルアミド結合を介して炭素−炭素二重結合に結合するアルキル基またはアルキレン基または置換アルキル基または置換アルキレン基を含むノニオン性モノマー;
上記のいずれかのモノマーを互いに含むか、または上記のいずれかのモノマーと1またはそれ以上のコポリマーとの混合物;
1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1またはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとからなるモノマー/コモノマー対;および
前記モノマー/コモノマー対と、上記のいずれかのモノマーとの混合物。 - 請求項7において、
アミド結合またはアルキルアミド結合を介して炭素−炭素二重結合に結合するアルキル基またはアルキレン基または置換アルキル基または置換アルキレン基を含む前記ノニオン性モノマーは、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルラクタム、N−アルキル化アクリルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、およびそのいずれかの混合物から選択される、多孔質ハイドロゲル組成物。 - 請求項7において、
1またはそれ以上のペンダント状アニオン性基を含む第1のモノマーと、1またはそれ以上のペンダント状カチオン性基を含む第2のモノマーとからなる前記モノマー/コモノマー対において、前記対中の前記モノマーの相対的な量は、前記アニオン性基と前記カチオン性基とが本質的に等モル当量存在するような量である、多孔質ハイドロゲル組成物。 - 請求項7において、
前記モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩、アクリル酸(3−スルホプロピル)エステルまたはその塩、およびそのいずれかの混合物から選択される、多孔質ハイドロゲル組成物。 - 請求項8において、
前記モノマーがN−アクリロイルモルフォリンである、多孔質ハイドロゲル組成物。 - 請求項7ないし11のいずれかに記載の多孔質ハイドロゲル組成物を調製する方法であって、
前記モノマーおよびモノマー混合物から選択される親水性モノマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、
前記重合可能な混合物は、導入された気泡を含む、方法。 - 多孔質ハイドロゲル組成物の調製方法であって、
親水性モノマーおよび任意の1またはそれ以上のコモノマーを含む重合可能な混合物を重合する工程を含み、
前記重合可能な混合物は、主に空気からなる泡を含み、
前記泡は、主に空気からなる雰囲気下で前記混合物に導入され、
前記重合可能な混合物は、前記泡を前記重合可能な混合物へと導入した後、重合する前に、前記重合のために敷設される、方法。 - 請求項13において、
請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物の調製に用いられる、方法。 - 請求項13または14において、
前記重合可能な混合物は、マトリクスに対する体積比率が約1:3より大きな泡を有する、方法。 - 請求項4ないし6および請求項12ないし14のいずれかに記載の方法であって、
ガスが導入された(発泡された)前記重合可能な混合物は、前記ガスが導入された混合物をシート状に成形する工程を含むように、重合前に敷設される、方法。 - 使用時に皮膚に接着するように適応された生体接着性物品であって、
皮膚に接触するための接着剤と、前記接着剤を支持する基体とを含み、
前記接着剤は、内部多孔性構造を有する生体接着性の多孔質可塑化親水性ポリマーを含む、生体接着性物品。 - 請求項17において、
前記生体接着性ポリマーは、請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項4ないし6および請求項12ないし16のいずれかに記載の方法によって調製されたハイドロゲル組成物を含む、生体接着性物品。 - 請求項17または18において、
前記生体接着性ポリマーは、シート状または層状である、生体接着性物品。 - 請求項17ないし19のいずれかにおいて、
前記生体接着性ポリマーは解放層により保護され、
前記解放層は、前記重合手順より前に前記生体接着性ポリマーに取付けられる、生体接着性物品。 - 請求項20において、
前記重合の前に、前記解放層は前記重合可能な混合物のための支持部材の上面を規定し、
前記重合可能な混合物は、前記解放層上に敷設される、生体接着性物品。 - 創傷箇所または熱傷箇所にて着用者の皮膚と接触するのに適応させた吸収性部材と、
前記吸収性部材を支持するシート支持部材と、
を含む、創傷用または熱傷用の包帯であって、
前記シート支持部材は、前記吸収性部材の後ろに延びる部分を含み、この部分は、前記着用者の皮膚への装着を確保するための感圧性接着剤を配置する皮膚方向の表面を規定し、
前記吸収性部材は、内部多孔性構造を有する多孔質親水性ポリマーを含む、創傷用または熱傷用の包帯。 - 請求項22において、
前記多孔質親水性ポリマーは、請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項4ないし6および請求項12ないし16のいずれかに記載の方法によって調製されたハイドロゲル組成物を含む、創傷用または熱傷用の包帯。 - 請求項22または23において、
前記シート支持部材は、発泡ポリマー、非発泡ポリマー、天然繊維織布、天然繊維不織布、合成繊維織布、合成繊維不織布、またはそのいずれかの組み合わせを含む、創傷用または熱傷用の包帯。 - 請求項22ないし24のいずれかにおいて、
前記感圧性接着剤は、アクリル系ポリマーの感圧性接着剤、生体接着性非多孔質ハイドロゲルまたはゲル、あるいは内部多孔性構造を有する生体接着性多孔質可塑化親水性ポリマーを含む、創傷用または熱傷用の包帯。 - 請求項25において、
前記内部多孔性構造を有する前記生体接着性多孔質可塑化親水性ポリマーは、請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項4ないし6および請求項12ないし16のいずれかに記載の方法によって調製されたハイドロゲル組成物を含む、創傷用または熱傷用の包帯。 - ハイドロゲル組成物の調製方法であって、
適切な支持部材上で重合可能な混合物を重合することにより、多孔質ハイドロゲル組成物をシート状または層状に調製して、少なくとも前記シートまたは前記層の上面が多孔質である前記多孔質ハイドロゲル組成物を得る工程と、
前記シートまたは前記層を重合する際に該シートまたは該層が前記支持部材の上にある状態で、該シートまたは該層の前記多孔質の前記上面に、前記ハイドロゲル組成物の補助的な成分またはそのプレカーサを含む液状の組成物を塗布する工程と、
その後、必要に応じて、前記多孔質構造内の前記補助的な成分を硬化、キュア、または乾燥する工程と、
を含む、方法。 - 請求項27において、
前記ハイドロゲル組成物の前記補助的な成分またはそのプレカーサを含む前記液状の組成物の塗布は、前記多孔質ハイドロゲル材料を形成するための前記重合と同じ日に行なわれる、方法。 - 請求項27または28において、
必要に応じて引き続き行なわれる前記硬化、キュア、または乾燥は、前記ハイドロゲル組成物の前記補助的な成分またはそのプレカーサを含む前記液状の組成物の塗布と同じ日に行なわれる、方法。 - 請求項27ないし29のいずれかにおいて、
請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物の調製に用いる際、少なくともいくつかの前記気泡は、電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性物質(抗菌剤、抗生物質、防腐剤、止血剤、創傷治療剤、薬物および薬剤、熱傷治療剤、皮膚冷却剤、皮膚保湿剤、および皮膚保温剤など)、芳香剤、パヒューム、フレグランス、セント、ポリマー、天然ゲル材料、合成ゲル材料、および半合成ゲル材料から選択される1またはそれ以上の補助的なハイドロゲル組成物を含む、方法。 - 内部多孔性構造を有し、
電解質、pH調整剤、着色剤、塩化物源、生物活性化合物(抗菌剤、抗生物質、防腐剤、止血剤、創傷治療剤、薬物および薬剤、熱傷治療剤、皮膚冷却剤、皮膚保湿剤、および皮膚保温剤など)、芳香剤、パヒューム、フレグランス、セント、ポリマー、天然ゲル材料、合成ゲル材料、および半合成ゲル材料から選択される1またはそれ以上の補助的なハイドロゲル組成物を、少なくともいくつかの前記気泡内に含む、多孔質ハイドロゲル材料。 - 請求項31において、
前記内部多孔性構造は、請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項4ないし6、請求項12ないし16、および請求項27ないし30のいずれかに記載の方法によって調製されたハイドロゲル組成物から形成された気泡壁を含む、多孔質ハイドロゲル材料。 - 連通内部多孔性構造を主に有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲル部分と、
前記多孔質ハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の他の部分と、
を含み、
前記多孔質ハイドロゲル部分は、膜厚が約0.7mm未満のシートまたは層を含む、吸水性構造。 - 請求項33において、
前記多孔質のハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の前記他の部分は、前記多孔質ハイドロゲル部分と同じハイドロゲル材料を含む、吸水性構造。 - 請求項33において、
前記多孔質のハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の前記他の部分は、異なるハイドロゲル材料、非ハイドロゲル材料、またはこれらの材料のいずれかの組み合わせを含む、吸水性構造。 - 請求項33または34において、
連通内部多孔性構造を主に有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスは、請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項4ないし6、請求項12ないし16、および請求項27ないし30のいずれかに記載の方法によって調製されたハイドロゲル組成物を含む、吸水性構造。 - 連通内部多孔性構造を主に有する柔軟性可塑化親水性ポリマーマトリクスを含む多孔質ハイドロゲル部分と、
前記多孔質ハイドロゲル部分の下に配置される、相対的に非多孔質の他の部分と、
を含むハイドロゲル構造の調製方法であって、
前記多孔質ハイドロゲル部分は、膜厚が約0.7mm未満のシート状または層状であり、
前記方法は、
1またはそれ以上のモノマー、前記モノマーのためのキュアシステム、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの可塑剤を含みかつ導入された気泡を含む重合可能な混合物を構成成分の混合によって形成する工程と、
前記重合可能な混合物を重合する工程と、
を含み、
前記重合可能な混合物の形成中、少なくとも前記構成成分のいくつかは、約500[rpm]より速い速度で動作する回転ミキサを用いて一緒に攪拌される、方法。 - 請求項37において、
請求項1ないし3および請求項7ないし11のいずれかに記載のハイドロゲル組成物、または、請求項33ないし36のいずれかに記載の吸水性構造を調製するために用いられる、方法。 - 請求項4ないし6、請求項12ないし16、請求項27ないし30、請求項37および請求項38において、
前記重合可能な混合物が適切な支持部材上に敷設された後重合の前に、少なくとも1つの他のモノマー、または他の所望の構成要素、またはハイドロゲル組成物の構成要素、または吸水性構造、またはそのプレカーサが液体として、前記重合可能な混合物に添加され、
前記添加は、前記少なくとも1つの他のモノマー、または前記他の所望の構成要素、または前記ハイドロゲル組成物の構成要素、または前記吸水性構造、または前記そのプレカーサが、前記重合可能な混合物の上部の発泡層を通過して浸透し、かつ、前記発泡層の下に配置される前記重合可能な混合物のうち相対的に泡がない層へと混合されるような条件で行なわれる、方法。
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