JP2008238264A - 急冷凝固用遠心鋳造機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非晶質(アモルファス)バルク金属ガラスや極微細結晶鋳造部品には溶湯を注入と同時に急冷する必要があるが従来の遠心鋳造機の回転鋳型には急冷の機能はなく解決することが課題であった。さらに、遠心鋳造法での溶解からパイプや中空ネジ部品などの最終製品寸法形状に高速で仕上げられるニアネットシェイプの利点に注目した急冷凝固用鋳型方案は提案されていなかった。
【解決手段】 銅のような熱伝導率の高い材質で、形状として円柱状の鋳型本体1の中央に噴射室1cを設け、鋳型本体内部に多段階層のそれぞれに複数の製品鋳型1aを配置し、これを鋳型回転及び上下機構に接続し、溶湯噴出用のノズル4を高周波誘導コイルCの中を通して上下可能に取り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】 銅のような熱伝導率の高い材質で、形状として円柱状の鋳型本体1の中央に噴射室1cを設け、鋳型本体内部に多段階層のそれぞれに複数の製品鋳型1aを配置し、これを鋳型回転及び上下機構に接続し、溶湯噴出用のノズル4を高周波誘導コイルCの中を通して上下可能に取り付ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、急冷用回転鋳型を用いた遠心鋳造機に関する。
この発明は、非晶質(アモルファス)からなるバルク金属ガラスや超微細結晶組織からなる材質とそれに由来する材料機能特性を有する複雑形状の精密鋳造部品を製造する技術に関するものである。
従来の急冷用遠心鋳造機には、銅などの熱伝導度の高い金属で作られた有底肉厚円筒状の回転鋳型を二つ割り又は複数割りにして、製品型とこれに通じる個別湯口を配置し、回転鋳型中央の湯口から、高周波誘導炉で作られた溶湯を滴下させ遠心力により製品鋳型に流し込むものがある。(例えば、特許文献1参照)
遠心鋳造法は高速回転している鋳型容器に金属等の溶湯を流し込み,遠心力を利用して鋳込む鋳造法であり、溶湯送り込み方向と部材製品の相対的位置から、模型(水平型、パイプなどの製品用)と縦型(垂直型、精密部品などの製品用)があり、パイプや精密部材の量産化が可能な材料製造技術である。
遠心鋳造法は高速回転している鋳型容器に金属等の溶湯を流し込み,遠心力を利用して鋳込む鋳造法であり、溶湯送り込み方向と部材製品の相対的位置から、模型(水平型、パイプなどの製品用)と縦型(垂直型、精密部品などの製品用)があり、パイプや精密部材の量産化が可能な材料製造技術である。
以下、図5(特許文献1の図3)により従来の急冷用遠心鋳造機について説明する。この回転鋳型には湯口の最下部に複数の製品鋳型が円周上に配置されており、溶湯はいったん湯口底部に滴下して飛散し、その一部が導湯路を通って製品鋳型に入り急冷、成形されるものである。
以上述べた従来の急冷凝固型鋳造機(図3)は、非晶質組織(例えばアモルファス)からなる金属ガラスや非平衡相の超微細結晶組織構造を有する成形鋳造のために溶湯を注入と同時に急冷して溶湯における非結晶および非平衡結晶組織を常温で保持し、非結晶および非平衡結晶組織の特性(高強度、超弾性、低剛性、ガラス化温度域での大きな成形性、大きな耐食性など)を持った製品を得ることにおいて問題はないが市場が要求する量産による低価格を実現するためには生産能率が低く、さらに効率的製造方法が求められている。
本発明においては、鋳型本体の中に円周状に設けられた製品鋳型を多段階に配置し、また湯口上部に設置された加熱用の高周波コイルの中に石英ガラス又はセラミックス等の耐熱性のノズルを摺動可能に挿入し、その先端に噴出口を設ける。ノズルはDCステップモータ等を用いたノズル上下機構により噴出口が鋳型本体の内側に開口する多段階の湯口に対向して段階的に保持されるようにする。ノズル上端から溶融素材を投入し、溶湯はノズル上部から噴出されるアルゴンガス等の不活性ガスにより噴出口から湯口に向けて射出するようにしたものである。
また、ノズルの噴出口と製品湯口とを対向させる手段としてノズルを固定し、回転鋳型を上下させるようにDCステップモータ等を用いた鋳型回転及び上下機構を用いたものもある。
さらに、大きな口径の管状の製品の鋳造のために、装置全体を横向きとしたものもある。
本発明の鋳造機は、注入された溶湯は遠心力により製品鋳型に送り込まれ、その熱は瞬時に鋳型本体に吸収されて急冷されるので良質の非晶金属(アモルファス)製品や非平衡相の超微細結晶組織構造を有する良質な最終製品形状に近い(ニアネットシェイプ)成形鋳造品の量産可能となり、生産コストの低減が図られる。
▲1▼ 管およびリング状の鋳造において,中子が不要である。
▲2▼ パイプや管の鋳造において,小径から大径まで,短尺から長尺まで,均一な肉厚が得られる。
▲3▼ 比重の差により軽い物質は内側に集まるので残澤(ざんし:残りかす)や不純物を内側で分離できるので,品質の向上が図れる。
▲4▼ 機械化および自動化により,生産性が高い。
▲1▼ 管およびリング状の鋳造において,中子が不要である。
▲2▼ パイプや管の鋳造において,小径から大径まで,短尺から長尺まで,均一な肉厚が得られる。
▲3▼ 比重の差により軽い物質は内側に集まるので残澤(ざんし:残りかす)や不純物を内側で分離できるので,品質の向上が図れる。
▲4▼ 機械化および自動化により,生産性が高い。
以下に実施事例を示す。Zr基とFeCo基の2種類のバルク金属ガラス用素材(Zr55Al10Ni5Cu30と{(Fe7Co3)Si5B20}Nb4、添え字は原子比率)を用いて縦型回転型遠心鋳造実験を行った。
溶解したそれぞれの金属湯を銅鋳型中心部に滴下し、回転数を3000rpmで実験したところ、金属溶湯には遠心力が働きその周りを高速で回っている冷却用銅鋳型に瞬時に付着し凝固した。こうして作製した部材の金属ガラスの形成組織をエックス線結晶回折で調べた結果の一例を図6に示す。
Zr55Al10Ni5Cu30合金の場合、X解回折パターンは非結晶(アモルファス)質特有のピークのほとんどないブロードなハローパターンを示しており、ほぼアモルファスが達成されていた。この試料の板厚は0.9mmであり、バルク金属ガラスが作製できたことになる。
{(Fe7Co3)Si5B20}Nb4 合金では、Zrよりも溶湯金属に粘性が高く、おなじ3000rpmでも板厚が1.2mmと増加傾向を示した。また、銅鋳型に接触する部分ではアモルファスとなったが、それよりも遠く離れた部分では冷却速度が遅くなるのでX線パターンの上に弱いピークが現れ始め、少しではあるが結晶化の進行が認められた。このことから、完全はアモルファス状態のバルク金属ガラスを形成させるためには、さらなる高速回転や急冷用の銅鋳型の性能向上が必要になることを示唆している。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図2に基づいて説明する。
実施例として図1および図2、図3に示すように、銅のような熱伝導率の高い材質で、形状として円柱状の鋳型本体1の中央に同心の円筒管状の噴射室2を設け、鋳型本体の軸線を含む平面で鋳型本体を中心線に沿って縦に二つ割り又は複数割りとし、この割れ目を中心として製品鋳型を加工し、縦方向に複数段階層に配置する。
鋳型本体は有底円筒状の鋳型ホルダに挿入固定し、鋳型ホルダは鋳型回転及び上下機構のフランジに固定される。
鋳型本体は有底円筒状の鋳型ホルダに挿入固定し、鋳型ホルダは鋳型回転及び上下機構のフランジに固定される。
ノズルは石英ガラス又はセラミックスで作られた円筒管で、高周波誘導コイルを貫通して摺動可能に取り付けられ、その下端に横向きの噴射口を設け、上端はノズル上下機構のノズル支持アームに保持される。
次にこの実施例の作用について説明すると、第1の実施例は、ノズルはノズル上下機構を用いて噴射口が所定の段階層の湯口に対向する高さに調整固定するか又は鋳型回転及び上下機構を用いて噴射口と湯口の高さを調整固定して鋳型本体を所定の回転速度に保持し、つづいて高周波コイルに通電し溶解温度に達したらノズル上端から素材を投入し続いてノズル上端からアルゴンガスを噴射し、その圧力で溶湯はノズル下端の噴射口から湯口に向かって噴射する。
さらに、第2の実施例として第1の実施例の装置全体を横向きに設置する例もある。
元来、アモルファス及びこの種の合金は切削熱を伴う機械加工をはじめ溶接などの加工が殆どできないものであり、本発明により、遠心力を利用して溶湯に加圧しながら急速に凝固を起こさせることができるので、その材質はアモルファスから微細結晶の緻密な均質組織が得られ、高機能バルク材料が作製できる。特に、本提案の急冷凝固遠心鋳造法では、バルク金属ガラスや微細結晶合金の比較的小型の精密鋳造部品が一度の溶解とそれに続く急速凝固過程で高速で作製可能となり、機械化、自動化に適しているので、大量に生産性できて、製品コストの低減がはかれる。
以上より、工業製品用部材としては、エンジンのピストンリング、小型パイプやピン、小型精密歯車、高強度ネジ、小型センサ、固体アクチュエータ材料、超弾性材料、それを利用し複合化させた固体アクチュエータ変位拡大用機能部材、磁気シールド容器、小型円筒反応管、油圧・空圧シリンダ、燃料電池および各種化学反応管材等の各種部品、生体医療分野で人工歯根や成形外科における骨接続器具等応用範囲は広い。
本鋳造法による代表的な製品は大口径の水道用鋳鉄管や各種パイプのほかに,プッシュ,エンジンのシリンダライナー,ベアリングレースなどがある。
本鋳造法による代表的な製品は大口径の水道用鋳鉄管や各種パイプのほかに,プッシュ,エンジンのシリンダライナー,ベアリングレースなどがある。
1 鋳型本体 1a 製品鋳型 1b 湯口
1c 噴射室 2 鋳型ホルダ 3 フランジ
4 ノズル 5 ノズル支持アーム A 鋳型回転及び上下機構
B ノズル上下機構 C 高周波誘導コイル
1c 噴射室 2 鋳型ホルダ 3 フランジ
4 ノズル 5 ノズル支持アーム A 鋳型回転及び上下機構
B ノズル上下機構 C 高周波誘導コイル
Claims (3)
- 銅のような熱伝導率の高い材質で、形状として円柱状の鋳型本体1の中央に同心の円筒管状の噴射室2を設け、鋳型本体の軸線を含む平面で鋳型本体を中心線に沿って縦に二つ割り又は複数割りとし、この割れ目を中心として製品鋳型と湯口を加工し、縦方向に複数段階層に配置した鋳型本体。(図2参照)
- 請求項1記載の鋳型本体を載せて回転及び上下させる機能を持った鋳型回転及び上下機構と、管状の一端に噴出口を持ったノズル及びこれを高周波誘導コイルの中を通って噴射室内に上下させるノズル上下機構から構成される急冷凝固用遠心鋳造機。(図1参照)
- 請求項2記載の急冷凝固用遠心鋳造機を横向きに設置した急冷凝固用遠心鋳造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007114846A JP2008238264A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 急冷凝固用遠心鋳造機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007114846A JP2008238264A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 急冷凝固用遠心鋳造機 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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2007
- 2007-03-28 JP JP2007114846A patent/JP2008238264A/ja active Pending
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