JP2008237463A - 環状チューブ及びスペーサーヤーン巻回し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の目的は、上述したカバリング時の中空糸膜損傷を低減することが可能な中空糸膜通糸部に挿入する環状チューブの形状とその環状チューブを用いた製造装置及び中空糸膜の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
両端部間に延びる中空部を有し、前記中空部には凹部が形成されたことを特徴とする中空糸膜通糸用の環状チューブを用いる。
【選択図】 図2
本発明の目的は、上述したカバリング時の中空糸膜損傷を低減することが可能な中空糸膜通糸部に挿入する環状チューブの形状とその環状チューブを用いた製造装置及び中空糸膜の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
両端部間に延びる中空部を有し、前記中空部には凹部が形成されたことを特徴とする中空糸膜通糸用の環状チューブを用いる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、中空糸膜にスペーサーヤーンを螺旋状に巻回すための環状チューブ、スペーサーヤーン巻回し装置及び中空糸膜の製造方法に関するものである。
中空糸膜の束がプラスチック等のケースに内蔵されてなる装置は血液等の液体を処理するため等に広く用いられており、具体的な用途としては、透析器としての人工腎臓や、透析時に使用する透析液中のエンドトキシン除去フィルター、及び血漿分離膜、体外循環吸着用担体等の医療用途や、浄水器等の水処理用途などがある。
人工腎臓を例にとると、国内における慢性腎不全患者は、年々増加しており、患者の延命や生活の質の向上のために、生体腎機能を代替する人工腎臓の役割はますます重要視されている。
人工腎臓の有する性能としては、体内に必要とされるアルブミン漏洩量は最小限に抑制しつつ、不要な低分子タンパク質を効率的に除去する物質除去性能があげられる。この目的を達成するために、これまでは天然素材であるセルロースやその誘導体、また合成高分子(ポリスルホン、ポリメチルメタアクリレートなど)などの膜素材が用いられ、膜形成に関する様々な検討が行われてきた。
しかし、人工腎臓は中空糸膜を束状にしたうえで、成形されたケース内にこれらの中空糸膜束が充填された構造をしているため、本来の物質除去性能を保持するためには、中空糸膜における血液と透析液が接触する部分である有効膜面積を保持する必要がある。そこで、充填された各中空糸膜がその隣接する他の中空糸膜と接触、密着して中空糸膜間の透析液の流れを阻害し、性能の低下を招くことを防ぐために中空糸膜の外部に汎用素材であるポリエステルなどの汎用繊維をスペーサーヤーンとして螺旋状に巻回す方式(カバリング)(特許文献1)や中空糸膜自体を収縮させる方法(特許文献2)、また中空糸膜に「フィン」を付与することにより隣接する中空糸膜との密着を防ぐ手法(特許文献3)が開示されている。
このうちカバリングとは通常、図1に示したように中空スピンドル4(中央部に通糸のための中空部が設けられた紡錘用の筒)の中央に位置する通糸部のまわりに汎用繊維1を巻いたチーズ3をセットし、中空スピンドル4とともに回転させ、さらに中空スピンドル4の通糸部に中空糸膜2と汎用繊維1を供給することにより汎用繊維1が中空糸膜2によりチーズ3から解舒され、その結果中空糸膜2に汎用繊維1がスペーサーヤーンとして螺旋状に巻き付けられることをいう。このとき、中空糸膜が左右に振れ、中空スピンドル内面と接触して汚染、品質劣化することを防止するため、中空部を有する環状のチューブ5を中空スピンドル4の中空部内に配置し、チューブ内に中空糸膜2及び汎用繊維1を通糸する方法が用いられている。しかしながら、通糸する際、左右に振れた中空糸膜2が環状チューブ5と接触し、しかも中空糸膜2はその性能維持のためにグリセリンなどの湿潤液を付与した状態であることから、中空スピンドルの通糸部のチューブ内面に接触した際に、その接触抵抗により損傷が与えられることがあった。この中空糸膜損傷部は、中空糸膜リークや変形につながる問題があった。特に中空糸膜2の外側がスポンジ構造で、内表面に緻密層を有する非対称膜構造を有する場合は、膜外側の強度が弱く、損傷しやすかった。
特公昭59−18084号公報
特開昭57−194007号公報
特開平5−023556号公報
本発明の目的は、上述したカバリング時の中空糸膜損傷を低減することが可能な中空糸膜通糸部に挿入する環状チューブの形状とその環状チューブを用いた製造装置及びそれを用いた中空糸膜の製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を解決するために、下記の構成を採用する。すなわち、
1.両端部間に延びる中空部を有し、前記中空部には凹部が形成されたことを特徴とする中空糸膜通糸用の環状チューブ。
2.前記凹部が長手方向に複数形成されたことを特徴とする前記1に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
3.前記凹部が長手方向に一定間隔に形成されたことを特徴とする前記1または2に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
4.前記凹部が前記中空部の全周囲に環状に形成されたことを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
5.前記凹部が螺旋状に形成されたことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
6.中空スピンドル及びスペーサーヤーン供給装置を有し、前記中空スピンドルの中空部内に前記1〜5のいずれかに記載の環状チューブが配置されたことを特徴とするスペーサーヤーン巻回し装置。
7.前記6に記載のスペーサーヤーン巻回し装置における環状チューブの中空部に中空糸膜を線状に供給し、スペーサーヤーンを螺旋状に供給することにより前記中空糸膜に前記スペーサーヤーンを巻回すことを特徴とする中空糸膜の製造方法。
8.前記螺旋状に形成された環状チューブ中空部の凹部の螺旋方向と前記螺旋状に供給されるスペーサーヤーンの螺旋方向とが逆向きであることを特徴とする前記7に記載の中空糸膜の製造方法。
9.中空糸膜構造が中空糸膜内表面に緻密層を有し、外側がスポンジ構造である非対称膜構造であることを特徴とする前記7または8に記載の中空糸膜の製造方法。
10.中空糸膜素材がポリスルホン及びポリビニルピロリドンであることを特徴とする前記7〜9のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
1.両端部間に延びる中空部を有し、前記中空部には凹部が形成されたことを特徴とする中空糸膜通糸用の環状チューブ。
2.前記凹部が長手方向に複数形成されたことを特徴とする前記1に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
3.前記凹部が長手方向に一定間隔に形成されたことを特徴とする前記1または2に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
4.前記凹部が前記中空部の全周囲に環状に形成されたことを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
5.前記凹部が螺旋状に形成されたことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
6.中空スピンドル及びスペーサーヤーン供給装置を有し、前記中空スピンドルの中空部内に前記1〜5のいずれかに記載の環状チューブが配置されたことを特徴とするスペーサーヤーン巻回し装置。
7.前記6に記載のスペーサーヤーン巻回し装置における環状チューブの中空部に中空糸膜を線状に供給し、スペーサーヤーンを螺旋状に供給することにより前記中空糸膜に前記スペーサーヤーンを巻回すことを特徴とする中空糸膜の製造方法。
8.前記螺旋状に形成された環状チューブ中空部の凹部の螺旋方向と前記螺旋状に供給されるスペーサーヤーンの螺旋方向とが逆向きであることを特徴とする前記7に記載の中空糸膜の製造方法。
9.中空糸膜構造が中空糸膜内表面に緻密層を有し、外側がスポンジ構造である非対称膜構造であることを特徴とする前記7または8に記載の中空糸膜の製造方法。
10.中空糸膜素材がポリスルホン及びポリビニルピロリドンであることを特徴とする前記7〜9のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
本発明により、中空糸膜に汎用繊維をカバリングして中空糸膜を環状チューブに通糸させるとき、中空糸膜と環状チューブとの接触面積が従来比低減することにより、接触抵抗の低減、すなわち中空糸膜損傷を低減させることができる。
本発明に係る環状チューブは、透析器としての人工腎臓等の医療用途や、浄水器等の水処理用途に用いる装置に内蔵される中空糸膜を汎用繊維とともに通糸するために用いられるものであり、通常、中空スピンドルの中空部内に配置され、中空スピンドル及び汎用繊維等を巻いたチーズ等のスペーサーヤーン供給装置とともにスペーサーヤーン巻回し装置を形成する。
環状チューブの長手方向には両端部に延びる中空部が設けられており、紡糸された中空糸膜はかかる中空部内を線状に通過する。一方、カバリングのための汎用繊維はチーズ等から供給されてチューブ内を螺旋状に通過し、スペーサーヤーンとして中空糸膜に巻回される。環状チューブを構成する材質としては、中空スピンドルの中空部の接触抵抗低減の目的からフッ素系樹脂、特にポリテトラフルオロエチレンや4フッ化エチレン誘導体が望ましい。
また、中空糸膜を構成する素材として、天然素材であるセルロースやその誘導体、合成高分子としては、ポリスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミドなどを用いることができ、特に制限はないが、中空糸膜構造が中空糸膜内表面に緻密層を有し、外側がスポンジ構造である非対称膜構造である場合、膜外側の強度が弱く、損傷しやすいため、本発明を好適に用いることが可能である。かかる構造を有する合成高分子として、ポリスルホン及び親水性高分子からなるものが挙げられる。親水性高分子としては、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドン等が用いられる。
また、カバリングのための汎用繊維としては、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等が挙げられる。カバリングは中空糸膜1本ずつまたは2本ずつに対して行われることが好ましい。3本以上の中空糸膜をまとめてカバリングした場合には、中空糸膜同士が密着しやすくなるため、好ましくない。
本発明における環状チューブは、その中空部、すなわち内表面に凹部が形成されていることを特徴とする。凹部が形成されることで、その中空部を通糸される中空糸膜と環状チューブ中空部との接触面積が従来比低減することにより、接触抵抗の低減、すなわち中空糸膜損傷を低減させることができる。この通糸時の抵抗低減効果は、中空スピンドル通過後の中空糸膜張力を測定することにより確認できる。本発明に係る中空部に凹部が形成された環状チューブの一例を図2に、内表面における凹部の拡大図を図3に示す。9は環状チューブ外径、10は環状チューブ内径であり、11は凸部の長手方向における間隔であり、12は凹部の深さ(最大深度)である。
かかる凹部の深さ(最大深度)12は特に限定されるものではないが、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。また、凹部の深さ12の上限はチューブ外径9及び内径10にもよるが、チューブ内径10が5mm以上あれば、凹部の深さの上限は特にない。また、凸部の長手方向における間隔11も特に限定されるものではないが、凹部が形成されていない部分、すなわち凸部の部分の走糸方向(長手方向)の間隔11が短すぎると、その部分を走行する中空糸膜を損傷させることがあるため、好ましくない。また、凸部の長手方向における間隔11が長すぎると、凹部のないストレートチューブと効果の違いがみられないため好ましくない。従って、凸部の長手方向における間隔11が0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上がより好ましく、一方で10mm以下が好ましく、より好ましくは5mm以下である。また、凹部が長手方向に複数形成されていると、環状チューブ長手方向全体に亘って上記の効果が得られるため、好ましい。
かかる環状チューブにおける凹部は長手方向に一定間隔に形成されていることが好ましい。凹部が一定間隔に形成されていない場合は、環状チューブ長手方向全体に亘って上記効果が持続的に得られない場合がある。
また、かかる凹部は、環状チューブの中空部の全周囲に亘って環状に形成されていると、中空糸膜が左右に振れた場合であっても、上記の効果が得られるため、好ましい。または、凹部が螺旋状に形成されていることがより好ましい。螺旋形状に形成する方法は、成形が容易である上、後述のように、スペーサーヤーンの供給時の螺旋の向きを凹部の螺旋の向きと逆向きにして、スペーサーヤーンと環状チューブとの接触面積も最小限にすることができる。
本発明におけるスペーサーヤーン巻回し装置は、スペーサーヤーン供給装置、上記の環状チューブ及び環状チューブが内部(中空スピンドルの中空部)に配置された中空スピンドルを構成品とするものである。スペーサーヤーン巻回し装置とは、スペーサーヤーンとなるための汎用繊維を巻いたチーズをセットし、中空スピンドルとともに回転させる装置であって、中空スピンドル通糸部に中空糸膜と汎用繊維を供給することにより汎用繊維が解舒され、中空糸膜に巻き付けられる。
中空糸膜に巻き付けるスペーサーヤーンの巻き数は、糸長手方向10mmあたり0.1〜20の範囲が望ましい。0.1以上であれば、中空糸膜の外側を流れる流体の分配を均等化して偏流を抑制し、分離効率を向上させることができる。巻き数が20を超えると中空糸膜束が嵩高くなり、ケースへの挿入がしづらくなり、ケースに挿入できたとしても、中空糸膜の有効内表面積を減少させることになる。
本発明について、中空糸膜の製造方法の一例を挙げつつ説明する。たとえば、ポリスルホンとポリビニルピロリドン等を溶媒に加熱溶解して得られる製膜原液を芯液と同時に2重スリット管構造の口金から同時に吐出させ、得られた吐出液を水浴等に浸漬させて凝固させることで、中空糸膜を製造できる。その後、所定の水洗、湿潤化工程を経た後、上記スペーサーヤーン巻回し装置を用いて中空糸膜外周に螺旋状に汎用繊維をスペーサーヤーンとして巻き付け(カバリング)、束状に糸を束ねた後、適当な長さにカットする。スペーサーヤーンの供給速度、中空糸膜との供給割合、中空糸膜長手方向における間隔等は、目的とする中空糸膜モジュールの性能等を考慮して定めることができるものであり、本発明において特に限定されるものではない。
また、スペーサーヤーンの供給時の螺旋の向きについては、特に限定されるものではないが、環状チューブに螺旋状に形成された凹部の螺旋の向きと逆向きにすることで、中空糸膜と環状チューブとの接触面積のみでなく、スペーサーヤーンと環状チューブとの接触面積も最小限にすることができる。
・カバリング時の中空糸膜張力測定
中空糸膜張力測定の評価方法は以下の方法にて実施した。図1にスペーサーヤーン巻回し装置の概要を示す。環状チューブ5を通糸方向と平行方向に挿入した中空スピンドル4の中空部に2本の中空糸膜2を通糸する。カバリングされた2本の中空糸膜が中空スピンドル4を通過した地点Aにて張力計(エイコー測器製、TENSTER−DX)にて張力測定を行い、最大張力と最小張力の中央値をチューブ接触抵抗の指標とした。なお、中空スピンドル間のばらつきを評価するため、中空スピンドル36個に対して測定、評価を実施した。すなわち、2本の中空糸膜を各中空スピンドル単位として36単位の測定値(中央値)を求め、その平均値及び標準偏差を求めた。
[実施例1]
ポリスルホン(ソルベイ社 ユーデルP−3500)18重量部、ポリビニルピロリドン(BASF社 K90)3重量部、ポリビニルピロリドン(BASF社 K30)6重量部をジメチルアセトアミド72重量部、水1重量部に加え、加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外管の内径0.3mm、内管の外径0.2mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド65重量%、水35重量%からなる溶液を内管から吐出させ中空糸膜(外径280μm、内径200μm、膜厚40μm)を紡速40m/分で製膜した。水洗後、湿潤状態を保つためグリセリン68容量%水溶液中を通過させた後、中空糸膜通糸部を有する中空スピンドル36個のそれぞれに中空糸膜を2本ずつ通糸し、同時に1本の汎用繊維1を螺旋状に通糸して、巻き数が糸長手方向10mmあたり0.5となるようにカバリングを行った。汎用繊維1としては56dtex、5フィラメント(約88μm)のポリエステル仮撚り加工糸を用いた。その際、それぞれの中空スピンドルの中空部には断面外径が8mm、内径が6mm環状棒状体のフッ素樹脂(グンゼ製SWP、フッ素樹脂PFA)製で、環状チューブ内表面には3.5mmの間隔11で長手方向に螺旋状の凹部が形成されており、凹部のチューブ断面方向の最大溝深さ12が1.0mmの環状チューブを配置した。螺旋溝のチューブ長手方向に垂直な方向に対する角度は14°であり、チューブ長手方向の長さは540mm、長手方向における溝数は157個であった。なお、スペーサーヤーンの供給時の螺旋の向きを凹部の螺旋の向きと逆向きになるように実施した。かかる方法にてカバリングを行った中空糸膜について、上記方法にて中空糸膜張力を測定した結果、その平均値及び標準偏差は19.7g±0.9gであった。
[比較例1]
中空スピンドル内に挿入する環状チューブとして
凹部のない同材質のストレートチューブを用いた以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を製造、カバリングし、中空糸膜張力を測定した。その結果、平均値及び標準偏差は22.5g±4.0gであった。
中空糸膜張力測定の評価方法は以下の方法にて実施した。図1にスペーサーヤーン巻回し装置の概要を示す。環状チューブ5を通糸方向と平行方向に挿入した中空スピンドル4の中空部に2本の中空糸膜2を通糸する。カバリングされた2本の中空糸膜が中空スピンドル4を通過した地点Aにて張力計(エイコー測器製、TENSTER−DX)にて張力測定を行い、最大張力と最小張力の中央値をチューブ接触抵抗の指標とした。なお、中空スピンドル間のばらつきを評価するため、中空スピンドル36個に対して測定、評価を実施した。すなわち、2本の中空糸膜を各中空スピンドル単位として36単位の測定値(中央値)を求め、その平均値及び標準偏差を求めた。
[実施例1]
ポリスルホン(ソルベイ社 ユーデルP−3500)18重量部、ポリビニルピロリドン(BASF社 K90)3重量部、ポリビニルピロリドン(BASF社 K30)6重量部をジメチルアセトアミド72重量部、水1重量部に加え、加熱溶解し、製膜原液とした。この原液を外管の内径0.3mm、内管の外径0.2mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド65重量%、水35重量%からなる溶液を内管から吐出させ中空糸膜(外径280μm、内径200μm、膜厚40μm)を紡速40m/分で製膜した。水洗後、湿潤状態を保つためグリセリン68容量%水溶液中を通過させた後、中空糸膜通糸部を有する中空スピンドル36個のそれぞれに中空糸膜を2本ずつ通糸し、同時に1本の汎用繊維1を螺旋状に通糸して、巻き数が糸長手方向10mmあたり0.5となるようにカバリングを行った。汎用繊維1としては56dtex、5フィラメント(約88μm)のポリエステル仮撚り加工糸を用いた。その際、それぞれの中空スピンドルの中空部には断面外径が8mm、内径が6mm環状棒状体のフッ素樹脂(グンゼ製SWP、フッ素樹脂PFA)製で、環状チューブ内表面には3.5mmの間隔11で長手方向に螺旋状の凹部が形成されており、凹部のチューブ断面方向の最大溝深さ12が1.0mmの環状チューブを配置した。螺旋溝のチューブ長手方向に垂直な方向に対する角度は14°であり、チューブ長手方向の長さは540mm、長手方向における溝数は157個であった。なお、スペーサーヤーンの供給時の螺旋の向きを凹部の螺旋の向きと逆向きになるように実施した。かかる方法にてカバリングを行った中空糸膜について、上記方法にて中空糸膜張力を測定した結果、その平均値及び標準偏差は19.7g±0.9gであった。
[比較例1]
中空スピンドル内に挿入する環状チューブとして
凹部のない同材質のストレートチューブを用いた以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を製造、カバリングし、中空糸膜張力を測定した。その結果、平均値及び標準偏差は22.5g±4.0gであった。
1 汎用繊維(スペーサーヤーン)
2 中空糸膜(図では2本)
3 スペーサーヤーンのチーズ
4 中空スピンドル
5 環状チューブ
6 張力計
7 ボビン
8 フリーローラー
9 環状チューブ外径
10 環状チューブ内径
11 凸部の長手方向における間隔
12 凹部の深さ(最大深度)
2 中空糸膜(図では2本)
3 スペーサーヤーンのチーズ
4 中空スピンドル
5 環状チューブ
6 張力計
7 ボビン
8 フリーローラー
9 環状チューブ外径
10 環状チューブ内径
11 凸部の長手方向における間隔
12 凹部の深さ(最大深度)
Claims (10)
- 両端部間に延びる中空部を有し、前記中空部には凹部が形成されたことを特徴とする中空糸膜通糸用の環状チューブ。
- 前記凹部が長手方向に複数形成されたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
- 前記凹部が長手方向に一定間隔に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
- 前記凹部が前記中空部の全周囲に環状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
- 前記凹部が螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜通糸用の環状チューブ。
- 中空スピンドル及びスペーサーヤーン供給装置を有し、前記中空スピンドルの中空部内に請求項1〜5のいずれかに記載の環状チューブが配置されたことを特徴とするスペーサーヤーン巻回し装置。
- 請求項6に記載のスペーサーヤーン巻回し装置における環状チューブの中空部に中空糸膜を線状に供給し、スペーサーヤーンを螺旋状に供給することにより前記中空糸膜に前記スペーサーヤーンを巻回すことを特徴とする中空糸膜の製造方法。
- 前記螺旋状に形成された環状チューブ中空部の凹部の螺旋方向と前記螺旋状に供給されるスペーサーヤーンの螺旋方向とが逆向きであることを特徴とする請求項7に記載の中空糸膜の製造方法。
- 中空糸膜構造が中空糸膜内表面に緻密層を有し、外側がスポンジ構造である非対称膜構造であることを特徴とする請求項7または8に記載の中空糸膜の製造方法。
- 中空糸膜素材がポリスルホン及びポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
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