JP2005246192A - 中空糸膜、中空糸膜モジュールおよびそれらの製造方法 - Google Patents

中空糸膜、中空糸膜モジュールおよびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中空糸膜同士が密着し、膜近傍の濃度境界膜が発生し、総合的な物質移動速度低下を発生し性能が低下してしまうのを防止することが可能な中空糸膜および中空糸膜モジュールを提供し、さらには、より改良された捲縮付与方法を用いた中空糸膜の製造方法ならびに該中空糸膜を内蔵した中空糸膜モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】捲縮が付与された中空糸膜であって、前記中空糸膜の捲縮の振幅が変化しており、該振幅が最大振幅点から最小振幅点に向かって縮小し、最小振幅点を経て再び増大して最大振幅点に至る変化の繰り返しを有することを特徴とする中空糸膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、捲縮が付与された中空糸膜、該中空糸膜を内蔵したモジュールおよびそれらの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、オンラインで連続的に捲縮が付与された中空糸膜、該中空糸膜を用いたモジュールおよびそれらの製造方法に関するものである。
近年、高分子からなる中空糸は、様々な目的や用途に開発され使用されている。特に、中空糸状の高分子膜(中空糸膜)は精密濾過膜、限界濾過膜、逆浸透膜、気体分離膜、窒素富化膜、酸素富化膜、血液浄化膜、人工腎臓、人工肺などの様々な用途で実用化されている。
従来、中空糸膜同士が密着して膜近傍の濃度境界膜が発生し、総合的な物質移動速度低下が発生して性能が低下してしまうのを防ぐために、合成繊維によるカバーリングを施した中空糸膜や捲縮が付与された中空糸膜を内蔵したモジュールが提案されており、また、捲縮を付与する方法および装置についても多くの提案がなされている。
例えば、捲縮が付与された中空糸膜を内蔵したモジュールとして、中空糸の径、捲縮の波長および振幅を規定したもの(例えば、特許文献1、2参照)捲縮の波長および捲縮率を規定したもの(例えば、特許文献3参照)一部に捲縮中空糸を用いたもの(例えば、特許文献4参照)などが提案されているが、いずれも一定の波長および振幅を有する中空糸を用いたモジュールであり、モジュール性能向上のためにはさらに改善の余地があった。
さらには、三次元的捲縮を有するものも提案されているが(例えば、特許文献5参照)、三次元的捲縮を付与するための方法および装置に関しては何ら記載されていない。また、平均捲縮振幅および最大捲縮振幅/最大捲縮振幅時捲縮半周期比を規定したものが提案されている(例えば、特許文献6参照)が、ボビンに巻き取った後、長時間熱処理して捲縮を固定するものであるため連続的に捲縮を付与することができず非効率であり、また、捲縮形状の制御が困難であるという問題を有する。
また、糸条に捲縮を与える方法としては、ギヤ方式とよばれ、噛み合い歯を持ち、連続的に回転する2つのギア間に糸を押込み、同時にまたは引続き熱処理して捲縮を固定する方法が知られているが(例えば、特許文献7参照)、この方法は糸条に挫屈を与えて捲縮を発現させるものであり、特に、膜厚が薄く糸強力の低い中空糸膜の場合、糸条が屈曲あるいは押圧されることにより、糸潰れや扁平が発生し、物自体の機能を失ってしまうという問題があった。このような欠点を解消するものとして、常温にて適度な延伸を与えることにより、扁平、異形糸の少ない捲縮糸を得る方法が提案されているが(例えば、特許文献8参照)、大きな振幅を得るためにはより強い延伸を必要とするため、扁平、異形がおきやすくなり、十分な捲縮形状が得られないという問題があった。
一方、加熱して捲縮を付与する方法として、ボビンその他に巻き取った後に、50℃以上の温度で熱処理を施して捲縮を固定化するもの等が提案されているが(例えば、特許文献9,10参照)、中空糸を走行させながら捲縮を固定化することはできない。
さらにまた、連続糸条を一定間隔をおいて走行する多数の糸ガイドの間を蛇行させながら搬送し、熱処理して熱固定する方法として、捲縮付与装置および捲縮線状体の製造方法が提案されているが(例えば、特許文献11、12参照)、いずれも一定の波長と振幅を持った捲縮を有する糸条を製造するものである。
以上述べたように、従来の方法では、糸条、特に中空糸膜に連続的に捲縮を付与する方法として、一定波長、一定振幅の繰り返しを有する捲縮形態を与えるものしか提案されていなかった。
特開昭57−194007号公報 特公平5−12013号公報 特開昭62−266106号公報 特開昭64−22308号公報 特公平7−78293号公報 特開平1−115364号公報 特開平09−021024号公報 特開2002−66274号公報 特公平4−42022号公報 特開平8−10322号公報 特開平6−212520号公報 特公平7−78293号公報
本発明の目的は、中空糸膜同士が密着して膜近傍の濃度境界膜が発生し、総合的な物質移動速度低下が発生して性能が低下してしまうのを防止することが可能な中空糸膜および中空糸膜モジュールを提供し、さらには、より改良された捲縮付与方法を用いた中空糸膜の製造方法ならびに該中空糸膜を内蔵した中空糸膜モジュールの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)捲縮が付与された中空糸膜であって、前記中空糸膜の捲縮の振幅が変化しており、該振幅が最大振幅点から最小振幅点に向かって縮小し、最小振幅点を経て再び増大して最大振幅点に至る変化の繰り返しを有することを特徴とする中空糸膜。
(2)捲縮が付与された中空糸膜であって、前記中空糸膜の捲縮の振幅が変化しており、振幅が最大振幅点から最小振幅点に向かって縮小し、最小振幅点を経て再び増大して最大振幅点に至る変化の繰り返し周期がほぼ一定であることを特徴とする中空糸膜。
(3)前記振幅が中空糸膜外径の1/5から15倍の範囲内で変化することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の中空糸膜。
(4)前記中空糸膜がポリスルホンとポリビニルピロリドンからなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の中空糸膜。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵することを特徴とする中空糸膜モジュール。
(6)前記中空糸膜モジュールが人工腎臓用であることを特徴とする前記(5)に記載の中空糸膜モジュール。
(7)連続的に供給される中空糸膜を、一対の多羽根型ロールの間に挟み込み、中空糸膜を蛇行させて捲縮を与える中空糸膜の製造方法において、前記多羽根型ロールの噛み込み深さを変化させて捲縮を付与することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
(8)前記一対の多羽根型ロールを偏心回転させて噛み込み深さを変化させることを特徴とする前記(7)に記載の中空糸膜の製造方法。
(9)前記一対の多羽根型ロールの回転軸を揺動させて噛み込み深さを変化させることを特徴とする前記(7)に記載の中空糸膜の製造方法。
(10)前記(7)〜(9)のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵させることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明でいう捲縮とは直線に対する波形形状を言い、振幅、波長および周期は次のようにして決める。すなわち、捲縮の波長は、図1に示す山の頂点から次の山の頂点までの長さWを表し、振幅は山の頂点の凸側から谷の底部の凹側までの長さAを表す。振幅が最大となる山の頂点を最大振幅点Tl、振幅が最小となる山の頂点をTsとする。さらに、周期は振幅が最大である山の頂点Tlから次の振幅が最大となる山の頂点Tlまでの長さCを表す。
振幅A、波長W、および周期Cの測定方法は、中空糸膜の組み込まれたモジュールのモジュールケースを超音波カッターなどで、切断し、内部の中空糸膜を張力を加えない無緊張状態でとりだす。そのなかから、8本の中空糸をランダムに選び出して、各糸の任意の箇所における振幅、波長および周期を測定し、8本の糸の平均値をそのモジュールに内蔵された中空糸の振幅、波長および周期とする。
本発明は、上記の構成とすることにより、振幅の変化した捲縮中空糸膜を内蔵することによって、中空糸膜同士が密着し、膜近傍の濃度境界膜が発生し、総合的な物質移動速度低下を発生し性能が低下してしまうのを防ぐ、より改良された中空糸膜および中空糸膜モジュールを提供することができる。また、連続的に供給される多数本の人工腎臓用中空糸膜に同時に振幅の変化した捲縮を付与する場合、中空糸膜の損傷や糸切れ、変形中空糸膜を発生させない、工程安定性に優れた中空糸膜の製造方法および中空糸膜モジュールの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態の例を図面を参照しながら説明する。図1は本発明における中空糸膜モジュールに内蔵された捲縮中空糸膜の一例を示す模式図であり、波長、振幅、周期を示す図である。図1(イ)は振幅が変化し、変化の繰り返し周期Cがほぼ一定である捲縮中空糸膜を示す図であり、図1(ロ)は振幅が変化し、変化の繰り返し周期が異なる周期C1、C2を有する捲縮中空糸膜を示す図である。
図1(イ)において、捲縮中空糸膜の振幅は、最大振幅点Tlから最小振幅点Tsに向かって縮小し、最小振幅点Tsを経て再び増大して次の最大振幅点Tlに至る。最大振幅点Tlから次の最大振幅点Tlまでの長さを1周期とした場合、振幅の変化の繰り返し周期Cがほぼ一定である。一方、図1(ロ)において、捲縮中空糸膜の振幅は、最大振幅点Tlから最小振幅点Tsに向かって縮小し、最小振幅点Tsを経て再び増大して次の最大振幅点Tlに至るが、最大振幅点Tlから次の最大振幅点Tlまでの長さを1周期とした場合、振幅の変化の繰り返しが異なる周期C1、C2となっている。
本発明の中空糸膜は、中空糸膜外径の1/5から15倍の範囲内で振幅が変化することが、モジュール化後の十分なモジュール内液流れを確保するという点および膜性能の保持、中空糸膜充填率確保の点から好ましく、波長は、3mm以上であることが膜性能保持、中空糸充填率確保の点で好ましく、一方、十分なモジュール内液流れを確保するという点で、波長は、50mm以下であることが好ましい、さらに、波長は一定であっても、あるいは振幅同様変化してもかまわない。一般に、捲縮付与された中空糸膜は巻取機で巻取枠に巻き取られるが、巻き取り張力によって捲縮が伸ばされ、振幅の大きい部分程伸び量が大きくなる。したがって、振幅の大きい部分程波長が大きくなる傾向がある。波長の大きい部分と小さい部分の差は、付与された捲縮の堅牢度と巻き取り張力とのバランスによって決まる。さらに、巻取枠の内側に巻き取られた中空糸膜と巻取枠の外側に巻き取られた中空糸膜とでも波長が変化する。そのため、振幅の変化の繰り返し周期が一定となるように捲縮を付与しても、厳密に一定とはならない。周期がほぼ一定とは、周期内に含まれる振幅の数が一定であり、周期Cの長さの変動が±10%以内であることを意味する。また、周期は特に限定されないが、1周期中に5波長から30波長、長さで15mmから300mmの範囲が好ましい。
本発明の中空糸膜の製造方法としては、例えば、通常二重環式口金を用いて紡糸された中空糸状のポリマー流体が、流下過程で多孔質を形成し、凝固浴中で固化し、洗浄浴にて芯側流体を洗浄し、乾燥し、捲縮を付与した後巻き取る方法が採用できる。
本発明において捲縮を付与する方法は、一対の多羽根型ロールの間に中空糸膜を挟み込み、蛇行させることにより、中空糸膜に捲縮を与える。さらに、中空糸膜に捲縮を与える際、捲縮を与える直前に糸条を加熱した後、多羽根型ロール間を通過させ、捲縮形状を付与し、その後室温に冷却して捲縮を固定化するものである。
図2は、本発明の多羽根型ロールを用いた捲縮付与方法の一実施態様例を示す図であり、図3(イ)、(ロ)は多羽根型ロールが偏心回転した場合の噛み込み深さの変化状態を示す図である。図2において、1は捲縮付与装置であり、2、2’は多羽根型ロール、3はヒータである。連続的に供給された中空糸膜18は、ヒータ3で加熱され、一対の多羽根型ロール2、2’の間に挟み込まれ、蛇行しながら捲縮が付与される。
多羽根型ロールの中心aと、回転中心bは偏心量εだけ偏心した状態で回転しているため、図3に示すように、一対の多羽根型ロールの軸間距離Lが一定の場合、回転角の変化によって噛み込み深さHが、最大噛み込み深さHlから最小噛み込み深さHsの間で変化する。噛み込み深さの変化によって中空糸膜に付与される捲縮の振幅も変化する。この方法で得られる捲縮形態は、振幅の変化の繰り返し周期がほぼ一定の捲縮を持つ捲縮中空糸膜である。図3のように、上下両方の多羽根型ロールが偏心している構成の他にどちらか片側のみが偏心している構成であってもかまわないが、一対の多羽根型ロール間の再接近時の最短距離を確保するためには、両方の多羽根型ロールが偏心している構成が望ましい。
図4は、本発明で用いる多羽根型ロールの他の実施態様例を示す図である。多羽根型ロールの中心と、回転中心は同じであるが、一対の多羽根型ロールの回転軸が揺動距離λだけ揺動しており、お互いの軸間距離が最小軸間距離Lsから最大軸間距離Llの間で離れたり、近づいたりしながら回転している。そのため、多羽根型ロール先端の噛み込み深さHが図4(イ)、(ロ)に示すように、最大噛み込み深さHlから最小噛み込み深さHsの間で変化する。多羽根型ロールの回転速度が一定で、揺動速さが一定の場合、得られる捲縮形態は、振幅の変化の繰り返し周期がほぼ一定の捲縮を持つ捲縮中空糸膜であるが、多羽根型ロールの回転速度が一定で、揺動速さを変化させた場合、得られる捲縮形態は、振幅の変化の繰り返し周期が異なる周期を持った捲縮中空糸膜となる。図4においては、上側の多羽根型ロール軸のみ揺動する構成となっているが、上下両方の多羽根型ロール軸が揺動する構成であってもかまわない。
また、図2および図4において、一対の多羽根型ロールは上下方向に配置されているが、横方向、さらには斜め方向に配置されていてもかまわない。
糸条の加熱は、中空糸膜を熱により変形しやすくする目的で、多羽根型ロールを通過させる直前および通過中に行うことが好ましい。図1においては、板状のヒータを示しているが、加熱空気などによる加熱方式であってもかまわない。加熱するときの温度は中空糸膜素材により異なるが、低すぎると十分な捲縮形状を付与することができず、膜のガラス転移点以上に加熱すると、膜素材自体の変質が起こり、膜性能が低下するので好ましくない。したがって、通常60℃以上、ガラス転移点以下の範囲にするのが好ましい。例えばポリスルホンとポリビニルピロリドン2成分からなる中空糸膜の場合は60℃〜120℃、さらに好ましくは70℃〜110℃である。
また、温度によって捲縮の振幅が変化するため、一定の温度にコントロールすることが好ましい。加熱時間は糸条の温度が十分昇温できる程度の時間とすることが重要であるが、長すぎると熱分解が起こることが懸念される。
多羽根型ロールとは、凸部または円柱体5を図2に示すように、放射状に伸びた支持体4の先端に、一定の間隔をおいて円状に配置させたものである。ここで、多羽根型ロール先端の凸部または円柱体5の半径は、中空糸膜が凸部または円柱に沿って押しつけられた時にその接触する側とは反対側が降伏伸度を超える変形を与えるのに十分なほど小さいことが望ましいが、必要以上に小さい場合は、押しつけ部分において、扁平や異形、潰れが発生しやすくなる。
多羽根ロール間の最接近時の最短距離は基本的には中空糸膜の外径以上であればよいが、複数本を束にして捲縮付与する場合は、糸同士が重なりあうため、最短距離はそれに応じて適宜広げることが好ましい。
本発明の中空糸膜は、中空糸状の多孔質膜で、スポンジのようなものである。液体透過用、血液透析、血液濾過等に好適に使用されるものであり、内径は100〜1000ミクロン、膜厚は10〜60ミクロン、直径は0.1〜0.5mmであるものが好ましい。
図5に乾湿式紡糸法による人工腎臓用中空糸膜製造工程の一例を示す。二重環式構造からなる紡糸口金10から中空形状のポリマー流体を空中に吐出させ、凝固浴11,洗浄浴12,乾燥装置13を通過後引き取りロール14で引き取り、捲縮装置1で捲縮を付与した後引き取りロール15で引き取り、巻取機16で巻き取る。17は湿潤状態の中空糸膜であり、18は乾燥中空糸膜、19は捲縮が付与された乾燥中空糸膜である。
また、本発明の中空糸膜の膜素材としては、疎水性高分子からなる膜素材、あるいは疎水性高分子と親水性高分子のブレンド膜が挙げられる。疎水性高分子としては、セルロース、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどがあるが、なかでもポリスルホンが好適に用いられる。親水性高分子としてはポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、デキストランあるいはその誘導体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸があるが、なかでもポリビニルピロリドンが好適に用いられる。膜素材はこれら疎水性高分子を単独で用いても複数の疎水性高分子をブレンドして用いても良い。また、疎水性高分子と親水性高分子をブレンドして用いても良いが、ポリスルホンとポリビニルピロリドンのブレンド膜が製膜性、および膜性能の面から好適に用いられる。
本発明の中空糸膜を内臓したモジュールは、人工腎臓、精密濾過、限界濾過、逆浸透、気体分離、窒素富化、酸素富化、血液浄化等として好適に用いられる。
以下に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ポリスルホン(テイジンアモコ社製”ユーデル”P−3500)16部、ポリビニルピロリドン(BASF社製K30)4部、ポリビニルピロリドン(BASF社製K90)2部をジメチルアセトアミド77部、水1部に加え、90℃で14時間加熱溶解した。この製膜原液を外径0.3mm、内径0.2mmのオリフィス型二重円筒型口金より吐出し、芯液としてジメチルアセトアミド64部、水36部からなる溶液を吐出させ、乾式長350mmを通過した後、ジメチルアセトアミド20重量%水80重量%からなる溶液を充填した凝固浴、水を充填した水洗浴、乾燥処理装置を通過させた。次いで、図2に示す多羽根型ロールを用いて捲縮を付与した。図2において、ピッチ円直径84mmの円周上に直径8mmの円柱体が環状に8本等間隔に取り付けられた多羽根ロールを一対用い、多羽根型ロールの噛み込み深さ、すなわち糸条の上下蛇行の巾が最大14.9mm、最小5mmになるように偏心回転するように設定された捲縮付与装置を、雰囲気温度80℃で通過させて捲縮付与し、巻き取り機で巻取ることにより、9900本の中空糸膜糸束を得た。運転中、糸切れなどのトラブルは全く起こらなかった。得られた中空糸膜糸束を所定の長さにカットした後、モジュールケースに入れ、ポリウレタン樹脂で中空糸膜糸束の両端を固定し、該ポリウレタン樹脂端部を切断し、中空糸膜モジュールを得た。中空糸膜の内径は192μm、外径は275μmであった。また、中空糸膜モジュールから取り出した中空糸膜の無緊張状態でのクリンプ形状を測定したところ、最大振幅が2.3mm、最小振幅0.5mm、波長が32mmであり、周期は250mmであった。このモジュール断面における変形中空糸の数を測定した。顕微鏡で200倍に拡大して9900本のすべてについて中空糸膜断面を観察したが、変形中空糸は0であった。
(比較例1)
多羽根型ロールの偏心回転をやめ、噛み込み深さ、すなわち糸条の上下蛇行の巾を14.9mm一定とする以外は実施例1と同様にして捲縮の振幅に変化がない中空糸膜糸束を得た。巻き取った中空糸膜糸束から取り出した中空糸膜の無緊張状態での捲縮形状を測定したところ、振幅が2.3mm、波長が32mmであった。得られた中空糸膜糸束を所定の長さにカットした後モジュールケースに入れ、ポリウレタン樹脂で中空糸膜糸束の両端を固定し、該ポリウレタン樹脂端部を切断し、中空糸膜モジュールを得た。これを実施例の中空糸膜モジュールと性能を比較評価した結果、下表1に示す結果を得、実施例の中空糸膜モジュールの方が優れた性能を発揮していることを確認した。
Figure 2005246192
なお、上記溶質のクリアランス測定の方法は、昭和57年9月発行日本人工臓器学会編ダイアライザー性能評価基準に基づいて行った。この中で測定方法が2種類あるが、本実験はTMP0mmHgを基準とした。クリアランスは以下の式を用いて計算した。
Figure 2005246192
ここで、CBi:モジュール入り口側濃度、
CBo:モジュール出口側濃度、
QB:モジュール供給液量(ml/min)
本発明の中空糸膜モジュールは、上述したように血液の透析用として用いるほか、下排水の浄化や、飲料水の製造、燃料電池の加湿装置等の広い用途に用いることができる。
本発明における中空糸膜モジュールに内蔵された捲縮中空糸膜の一例を示す波長、振幅、周期の図であり、(イ)は振幅が変化し、変化の繰り返し周期がほぼ一定である捲縮中空糸膜を示す図であり、(ロ)は振幅が変化し、変化の繰り返し周期が異なる周期を有する捲縮中空糸膜を示す図である。 本発明の多羽根型ロールを用いた捲縮方法の一態様例を示す図である。 (イ)〜(ロ)は多羽根型ロールが偏心回転した場合の噛み込み深さの変化状態を示す図である。 本発明の多羽根型ロールの他の実施態様例を示す図である。 人工腎臓用捲縮付与された乾燥中空糸膜製造工程例を示す工程図である。

Claims (10)

  1. 捲縮が付与された中空糸膜であって、前記中空糸膜の捲縮の振幅が変化しており、該振幅が最大振幅点から最小振幅点に向かって縮小し、最小振幅点を経て再び増大して最大振幅点に至る変化の繰り返しを有することを特徴とする中空糸膜。
  2. 捲縮が付与された中空糸膜であって、前記中空糸膜の捲縮の振幅が変化しており、振幅が最大振幅点から最小振幅点に向かって縮小し、最小振幅点を経て再び増大して最大振幅点に至る変化の繰り返し周期がほぼ一定であることを特徴とする中空糸膜。
  3. 前記振幅が中空糸膜外径の1/5から15倍の範囲内で変化することを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜。
  4. 前記中空糸膜がポリスルホンとポリビニルピロリドンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵することを特徴とする中空糸膜モジュール。
  6. 前記中空糸膜モジュールが人工腎臓用であることを特徴とする請求項5に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 連続的に供給される中空糸膜を、一対の多羽根型ロールの間に挟み込み、中空糸膜を蛇行させて捲縮を与える中空糸膜の製造方法において、前記多羽根型ロールの噛み込み深さを変化させて捲縮を付与することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
  8. 前記一対の多羽根型ロールを偏心回転させて噛み込み深さを変化させることを特徴とする請求項7に記載の中空糸膜の製造方法。
  9. 前記一対の多羽根型ロールの回転軸を揺動させて噛み込み深さを変化させることを特徴とする請求項7に記載の中空糸膜の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵させることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
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