JP2008235659A - ヨーク型磁気記憶装置の製造方法、ヨーク型磁気記憶装置 - Google Patents

ヨーク型磁気記憶装置の製造方法、ヨーク型磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記憶装置において、書込み電流を低減すると共に、生産効率を高める。
【解決手段】ヨーク型磁気記憶装置の製造方法であって、下部配線を形成する下部配線形成ステップと、下部配線の上方に磁気抵抗効果素子を配置する素子形成ステップと、前記磁気抵抗効果素子の上方に書込み配線を形成する書込み配線形成ステップと、前記書込み配線の長手方向の一部領域に対して、前記一部領域の側面を覆うサイドヨーク及び前記一部領域の上面を覆うトップヨークを連続的且つ同時に形成する上側ヨーク形成ステップと、を備えるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、書き込み配線の周囲にヨークを配置したヨーク型磁気記憶装置およびこの製造方法に関する。
近年、コンピュータや通信機器等の情報処理装置に用いられる記憶デバイスとして、MRAM(Magnetic Random Access Memory)が注目されている。MRAMは、磁気によってデータを記憶することから、電気的な手段を用いなくてもその磁化方向が維持することができるので、揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static RAM)のように電源断によって情報が失われるといった不都合を回避できる。また、従来のフラッシュEEPROMやハードディスク装置のような不揮発性記憶手段と比較して、MRAMはアクセス速度、信頼性、消費電力等において優れている。従って、MRAMは、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリとしての機能と、フラッシュEEPROMやハードディスク装置などの不揮発性記憶手段の機能のすべてを代替できると言われている(特許文献1)。
例えば、どこにいても情報処理を可能とするいわゆるユビキタスコンピューティングを目指した情報機器を開発する場合、高速処理に対応可能としながらも消費電力を小さくし、そして、電源断が生じても情報消失を回避できるような記憶装置が求められるが、MRAMはこのような要求を同時に満足できる可能性があり、今後、多くの情報機器に採用されることが期待されている。
MRAMを利用した一般的な磁気記憶装置は、各記憶領域(メモリセル)毎に、ビット線と、ビット線と直行するように配置されたワード線と、このビット線とワード線の間であって、且つ交差する位置に配置されたトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto−Resistive)素子等を備える。ビット線又はワード線に書込み電流を流す事でTMR素子近傍に磁界を生じさせ、TMR素子内の磁化状態を反転させる。この結果、TMR素子の抵抗値が変動するので、二値データを記憶できることになる。なお、TMR素子は、外部磁界によって磁化方向が変化するフリー磁性層(感磁層)と、磁化方向が固定された磁化固定層と、フリー磁性層と磁化固定層との間に挟まれた非磁性絶縁層とを備え、フリー磁性層の磁化方向が、磁化固定層の磁化方向に対して平行または反平行に切替制御されることにより二値データを記憶するようになっている。
ところで、このMRAMにおいても、メモリセルの集積度が高まるにつれて、書込み線から発生する磁界が他の隣接セルに漏洩し、誤動作等が発生するという問題が生じる。また、メモリ素子の動作速度を高める観点から、メモリ素子への情報の書き込みをできるだけ効率的に行うことが望まれている。そこで最近では、上述のように、ビット線とワード線の双方の磁界を利用して書き込むのでは無く、書き込み専用配線をTMR素子の近傍に設けて、その長手方向の一部領域の周囲に、磁性体から構成されるヨークを配置してその磁界を強めるようにした構造が提案されている。このヨーク型の磁気記憶装置によれば、書込み専用配線から生じる書込み用磁界をこのヨーク内に閉じ込めて、TMR素子に集中して印加させることができるので、一本の書き込み専用配線のみでTMR素子の磁化状態を反転させることができる。ヨークは、書込み配線の側面を覆う側部ヨーク、書込み配線の上方(TMR素子と反対側)を覆う上側ヨークを備えたコ字形状に構成されるのが一般的である。このヨークは、外部への漏洩磁界を低減する効果もあるので、他のメモリセルへの誤書き込みも低減できる。
特開2000−90658号公報 特開2004−128430号公報
しかしながら、このヨークの形成する場合、書込み配線の両側面に柱状に側部ヨークをそれぞれ形成した後、この2つの側部ヨークの上端をつなぎ合わせるように上側ヨークを配置する。従って、柱状に構成する側部ヨークは、それ自身にある程度の剛性を要するので、側部ヨークを細く且つ薄く構成することが困難となる。書込み専用配線から生じる磁界Hは、書込み専用配線の電流I及び中心からの距離rによるAmpereの法則H=I/(2πr)に従うので、書込み専用配線から近い場所で磁界を集中させるべきである。しかし、この側ヨークのようにヨークが太くなると、電流の中心から離れてしまうので磁界が小さくなってしまい、ヨークの効果が低下してしまうという問題があった。また、この手法では製造プロセスが複雑化するので、製造コストが増大するという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ヨーク型の磁気記憶装置に関して、性能及び生産性の向上の両立を可能にする製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らの鋭意研究によって、上記目的は下記の手段によって達成される。
(1)下部配線を形成する下部配線形成ステップ、前記下部配線の上方に磁気抵抗効果素子を配置する素子形成ステップ、及び前記磁気抵抗効果素子の上方に書込み配線を形成する書込み配線形成ステップを備えるヨーク型磁気記憶装置の製造方法であって、前記書込み配線の長手方向の一部領域に対して、前記一部領域の側面を覆うサイドヨーク及び前記一部領域の上面を覆うトップヨークを連続的且つ同時に形成する上側ヨーク形成ステップと、を備えることを特徴とするヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
(2)前記下部配線形成ステップの後、且つ、前記上側ヨーク形成ステップの前に、前記サイドヨークの下端に予め配置されるボトムヨークを形成する下側ヨーク形成ステップを備え、前記ボトムヨーク、前記サイドヨーク及び前記トップヨークによって構成される磁性ヨークが、前記下側ヨーク形成ステップと前記上側ヨーク形成ステップの2つのステップで形成されることを特徴とする上記(1)記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
(3)前記下側ヨーク形成ステップにおいて、前記ボトムヨークの途中に隙間が形成されるようにし、前記隙間に前記磁気抵抗効果素子が配置されることを特徴とする上記(2)記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
(4)前記書込み配線の最大幅IWxに対する最大高さIHの比率が、IH<1×IWx となるように前記書込み配線を形成することを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするヨーク型磁気記憶装置。
本発明によれば、ヨーク型磁気記憶装置の生産性を高めることが可能になるとともに、装置の小型化によって消費電流を低減させるという優れた効果を奏し得る。
以下、実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記憶装置1の全体構成を示す概念図である。磁気記憶装置1は、記憶部2、ビット選択回路11、ワード選択回路12、ビット配線13、14、並びにワード配線15、16を備える。記憶部2には、複数の記憶領域3がm行n列(m、nは2以上の整数)の二次元状(アレイ状)に配列されている。図2に拡大して示されるように、各記憶領域3は、TMR素子4、書込み配線5、読み出しトランジスタ6A、書込みトランジスタ6B、読み出し配線7a、7b、強磁性ヨーク20等を有する。
TMR(磁気抵抗効果)素子4は、磁化方向を変化させると、それに基づいて自身の抵抗値が変化する機能を有する。この抵抗値の変化状態によって、TMR素子4に二値データが書き込まれる。このTMR素子4の磁化方向を変化させる外部磁界は、書込み配線5によって発生させる。
書込み配線5は、ビット配線13から引き込まれるように配設されて、他方のビット配線14に電気的に接続される。この結果、書込み配線5や強磁性ヨーク20は、記憶領域3毎に独立して配設されるようになっている。書込みトランジスタ6Bは、書込み配線5における書込み電流の導通を制御するためのスイッチ手段であり、ドレイン及びソースが書込み配線5の途中に介在するようになっている。ゲートはワード配線16に接続される。これにより、ワード配線16の電位を上げることで書込みトランジスタ6Bを導通状態にできる。
読み出し配線7a、7bは、ビット配線13とワード配線15を接続するように配置されており、一方の読み出し配線7aと他方の読み出し配線7bの間にTMR素子4が介在するようになっている。
詳細に、読み出し配線7aの一端はTMR素子4に接続されると共に、他端は書込みビット配線13に接続される。また、読み出し配線7bの一端は、TMR素子4に接続されると共に、他端はワード配線15接続される。読み出しトランジスタ6Aは、読み出し配線7a、7bにおける読み出し電流の導通を制御するためのスイッチ手段であり、ドレイン及びソースは読み書き配線7bの途中に介在する。ゲートはワード配線16に接続される。これにより、ワード配線16の電位を上げることで、読み出しトランジスタ6Aを導通状態にできる。
ビット配線13、14は、アレイ状に配置される複数の記憶領域3の列毎に配設されている。ビット配線13は、対応列に属する全ての記憶領域3の書込み配線5に接続される。また、ビット配線14も同様に、対応列に属する全ての記憶領域3の書込み配線5に接続される。従って、対をなす特定のビット配線13、14間に電位差を付与しつつ、書込みトランジスタ6Bによって導通を許可すれば、書込み配線5に書込み電流が流れるようになる。
ワード配線15、16は、記憶領域3の各行に配設される。ワード配線16は、対応行に属する全ての記憶領域3において、読み出しトランジスタ6A及び書込みトランジスタ6Bの各ゲートに接続されている。つまり、ワード配線16は、双方のトランジスタ6A、6Bの導通を許可するための配線となる。また、ワード配線15は、対応行に属する全ての記憶領域3において、読み出し配線7bに接続される。従って、対をなす特定のビット配線13とワード配線15間に電位差を付与しつつ、書込みトランジスタ6Aによって導通を許可すれば、読み出し配線7a、7bに読み出し電流が流れる。
図1に戻って、ビット選択回路11は、各記憶領域3の書込み配線5に正または負の書込み電流を提供する機能を備える。具体的にビット選択回路11は、内部または外部から指示されたアドレスに応じて、アレイ状に配置される記憶領域3から所定列を選択するアドレスデコーダ回路と、この選択した所定列に対応する一対のビット配線13、14間に正または負の電位差を付与して、この所定列のビット配線13、14間に設置される書込み配線5に書込み電流を供給するカレントドライブ回路を含んでいる。
ワード選択回路12は、内部または外部から指示されたアドレスに応じて、アレイ状に配置される記憶領域3から所定行を選択するアドレスデコーダ回路を含んでいる。従って、ワード選択回路12を用いて、所定行に相当するワード配線16が所定電位となるように制御すれば、読み出しトランジスタ6A、書込みトランジスタ6Bを導通状態にできる。
書込み作業時には、ビット選択回路11によって選択されたアドレスのビット配線13、14間に正または負の電位差を印加し、ワード選択回路12によって選択されたアドレスの書込みトランジスタ6BをONにする。この結果、ビット側アドレスとワード側アドレスの交差する記憶領域3に限定して書込み電流を流すことができる。なお、書込み作業時では、ビット配線13とワード配線15間の電位差を零にすることで、読み出し配線7側に電流が流れないようにしておく。
読み出し作業時には、ビット選択回路11において、内部または外部から指示されたアドレスに対応する列をアドレスデコーダ回路によって選択し、そのビット配線13に所定電圧を印加する。これと同時に、ワード選択回路12では、アドレスデコーダ回路によってアドレスに対応する行を選択して、その行に対応するワード配線15に所定電圧を印加する事で、ビット配線13とワード配線15との間に読み出し電流を供給し、更に、ワード配線16の電位を上げることで、読み出しトランジスタ6AをONにする。この結果、ビット側アドレスとワード側アドレスの交差する記憶領域3に限定して読み出し電流を流すことができる。なお、読み出し作業時には、ビット配線13、14の電位差を零にすることで、書込み電流が流れないようにしておく。
次に、この磁気記憶装置1における記憶領域3の具体的構造について詳細に説明する。記憶領域3は、大きくは下側から半導体層、配線層、磁性材料層を備えている。半導体層は半導体基板を含み、記憶領域3全体の機械的強度を維持しながら、読み出しトランジスタ6A、書込みトランジスタ6B等の半導体デバイスが形成される層である。最上位の磁性材料層には、TMR素子4、TMR素子4に磁界を効率的に与えるための強磁性ヨーク20といった磁性素材による構成物が主として形成され、その他に、TMR素子4に近接する書込み配線5、読み出し配線7a、7bが形成される。中間に位置する配線層は、基本回路となるビット配線13及び14並びにワード配線15及び16や、これらの配線に接続される書込み配線5の一部、読み出し配線7bの一部等が形成される。
半導体層における読み出しトランジスタ6A及び書込みトランジスタ6Bは、それぞれが絶縁領域に取り囲まれるように形成されている。絶縁領域には、例えばSiO2といった絶縁性材料が用いられる。又トランジスタの半導体基板としては、例えばSi基板から用いられており、そこにp型またはn型の不純物がドープされた状態となっている。例えば読み出しトランジスタ6Aは、図3に拡大して示されるように、半導体基板30の反対導電型となるドレイン領域6Aa、ソース領域6Ab、ゲート電極6Ac等によって構成されている。従って、ドレイン領域6Aaとソース領域6Abの間には半導体基板30が介在しており、その半導体基板30上に所定の間隔を空けてゲート電極6Acが配置されている。このゲート電極6Acは、ワード配線16によって構成されており、この構成により、ワード配線16に電圧が印加されると、読み出しトランジスタ6Aのドレイン領域6Aa及びソース領域6Abが互いに導通して、ビット配線13から供給される読み出し電流が、読み出し電流7a、TMR素子4、読み出し電流7bを流れる。なお、書込みトランジスタ6Bも略同様構成となるので、ここでの説明は省略する。
なお、配線層におけるビット配線13及び14、ワード配線15及び16、書込み配線5、読み出し配線7a、7b等の配線を除いた領域は、すべて絶縁領域によって占められる。この絶縁領域の材料としては、半導体層の絶縁領域と同様に、SiO2といった絶縁性材料を用いる。また、配線の材料としては例えばWやAlを用いることができる。
なお、図2に戻って、TMR素子4に隣接する書込み配線5の一端は、記憶領域3のアレイ面(平面)方向に延在しながらも、垂直方向に屈曲して垂直配線となり、その下端において下層側にあるビット配線13に接続される。垂直配線5の他端も同様に、水平配線を経由して垂直方向に屈曲し、その下端において書込みトランジスタ6Bのドレイン領域とオーミック接合される。また、ビット配線14には引き込み線が分岐形成されており、この引き込み線が書込みトランジスタ6Bのソース領域にオーミック接合される。この結果、書込み配線5は、書込みトランジスタ6Bを介在させた状態で、一対のビット配線13、14間を橋渡しするように配置される。
また、読み出し配線7aは平面方向に延在し、一端側がTMR素子4に電気的に接続されると共に他端は同様に垂直方向に屈曲して書込み配線5に接続される。読み出し配線7bは、一端側がTMR素子4に電気的に接続されると共に、他端側は垂直方向に屈曲して、読み出しトランジスタ6Aのソース領域とオーミック接合される。また、ワード配線15には、引き込み線が分岐形成されており、この引込み線が読み出しトランジスタ6Aのドレイン領域にオーミック接合される。この結果、ビット配線13とワード配線16間は、読み出し配線7a、TMR素子4、読み出し配線7b、読み出しトランジスタ6Aがこの順に配置されることで電気的に接続される。
次に、図4及び図5等を用いて、本実施形態の製造方法が適用される磁性材料層について説明する。磁性材料層は、TMR素子4と、強磁性ヨーク20と、書込み配線5の一部と、読み出し配線7a等を有する。なお、磁性材料層においては、以下に説明する構成や他の配線以外の領域は、絶縁領域24によって占められている。
図5に拡大して示されるように、TMR素子4は、外部磁界によって磁化方向が変化する第1磁性層(フリー層/感磁層)4Aと、磁化方向が固定された第2磁性層(ピンド層)4Bと、第1磁性層4A及び第2磁性層4Bに挟まれた非磁性絶縁層(絶縁体層)4Cと、第2磁性層の磁化方向を固定(ピン止め)する反強磁性層4Dとを備える。このTMR素子4は、外部磁界を受けて第1磁性層4Aの磁化方向が変化すると、第1磁性層4Aと第2磁性層4Bとの間の抵抗値が変化するようになっている。この抵抗値の差によって、二値データを記録することができる。なお、第1磁性層4Aの材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCoなどの強磁性材料を用いることができる。
第2磁性層4Bは、反強磁性層4Dによって磁化方向が固定されている。すなわち、反強磁性層4Dと第2磁性層4Bとの接合面における交換結合によって、第2磁性層4Bの磁化方向が一方向に配向された状態で安定化されている。第2磁性層4Bの磁化容易軸方向は、第1磁性層4Aの磁化容易軸方向に沿うように設定される。第2磁性層4Bの材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCoなどの強磁性材料を用いることができる。また、反強磁性層4Dの材料としては、IrMn、PtMn、FeMn、PtPdMn、NiO、またはこれらを任意の組み合わせた材料を用いることができる。
非磁性絶縁層4Cは、非磁性且つ絶縁性の材料からなる層であり、第1磁性層4Aと第2磁性層4Bとの間に介在して、トンネル磁気抵抗効果(TMR)が生じるようにしている。詳細には、第1磁性層4Aと第2磁性層4Bの磁化方向との相対関係(即ち、平行または反平行)によって、電気抵抗値が異なる特性を有している。非磁性絶縁層4Cの材料としては、例えばAl、Zn、Mgといった金属の酸化物または窒化物が好適である。
第1磁性層4Aは読み出し配線7aと電気的に接続される。また、反強磁性層4Dは、読み出し配線7bと電気的に接続される。この構成により、読み出し電流を、読み出し配線7aからTMR素子4を介して読み出し配線7bへ流すことが可能となり、TMR素子4の抵抗値の変化を検出する事が出来る。なお、強磁性ヨーク20は、書込み配線5におけるTMR素子4との隣接領域を覆うように配置されている。なお、TMR素子4の第1磁性層4Aの磁化容易軸は、書込み配線5の長手方向と交差する方向(すなわち、書込み電流の方向と交差する方向)に沿うように設定される。
なお、特に図示しないが、TMR素子4を、第1磁性層(フリー層/感磁層)、非磁性絶縁層(絶縁体層)、第2磁性層、非磁性金属層、第3磁性層、反強磁性層をこの順に備えているようにしてもよい。反強磁性層が第3磁性層の磁化方向を固定(ピン止め)すると共に、非磁性金属層の膜厚を調整することにより、第2磁性層の磁化方向が、第3磁性層の磁化方向と反平行となる。これは第2磁性層と第3磁性層の間に生じる交換相互作用を利用する。
図4に戻って、強磁性ヨーク20は、延在する書込み配線5においてTMR素子4と近接する一部領域を覆うように配置される。具体的に強磁性ヨーク20は、この一部領域における底面(TMR素子4に対応する面)側に配置される下側ヨーク20Aと、書込み配線5の一部領域の上面(TMR素子4の反対側の面)及び側面を同時に覆うように配置される上側ヨーク20Bを備える。又、下側ヨーク20Aの両端と上側ヨーク20Bの両端には、両者を連結して略環状とする一対のヨーク接合部20C、20Cが構成されている。上側ヨーク20Bは、書込み配線5の上方に位置するトップヨーク20Tと、このトップヨーク20Tの両端側、即ちヨーク接合部20C、20Cの近傍に位置するするサイドヨーク20S、20Sとを備えて構成される。下側ヨーク20Aは、2つのボトムヨーク20R、20Rを備えている(ここでは下側ヨーク20Aとボトムヨーク20Rが一致しているので、図示を省略している)。なお、トップヨーク20T、サイドヨーク20S、20S、ボトムヨーク20R、20Rを備えて構成される強磁性ヨーク20は、TMR素子4に悪影響を与える外部磁界を遮断する機能も有している。
下側ヨーク20Aにおけるボトムヨーク20R、20Rには、この環状方向の中間に空隙20Eが形成されており、その空隙20EにTMR素子4が介在配置されている。従って、強磁性ヨーク20は、軸視した場合、周方向の一部に開放端20Ea、20Ebを備えた略C字形状となっている。この開放端20Ea、20Ebは、下側ヨーク20A(各ボトムヨーク20R、20R)の突端としてTMR素子4の側面近傍に配置される。
サイドヨーク20S、20S及びヨーク接合部20C、20Cは、トップヨーク20Tに生じる磁界をボトムヨーク20R側(即ちTMR素子4側)に誘導する。従って、トップヨーク20Tに生じた内部磁界は、サイドヨーク20S、20S及びヨーク接合部20C、20Cを介して反転し、ボトムヨーク20Rでは反対方向の内部磁界となる。又、上側ヨーク20Bにおけるサイドヨーク20S、20Sは、この上端側が書込み配線5側(内側)に傾倒するようになっている。詳細には、トップヨーク20Tとサイドヨーク20S、20Sの角度P(図6参照)が鈍角となる。一方、ヨーク接合部20C、20Cにおけるボトムヨーク20Rとサイドヨーク20S、20Sの連結角度が鋭角に設定される。また、サイドヨーク20Sの厚みは、下側ヨーク20Aと比較して大きく設定されている。なお、この角度Pについては、製造方法にて説明するように、厳密なものではなく、サイドヨーク20Sとトップヨーク20Tを一つの成膜工程で行うことで、湾曲状態で自然形成されるようにする。
上側ヨーク20Bのトップヨーク20Tの厚みTYzは、下側ヨーク20Aの厚みBYzと比較して大きく設定されている。これは、外部磁界からのシールド効果を高めることにつながる。例えば厚さTYzは、50nm以上に設定される。厚さTYzの上限は、磁気抵抗の関係からは特に制限ない。また、上側ヨーク20Bよりも薄い下側ヨーク20Aの厚さBYzは10nm以上に設定されている。この厚さBYzの上限は、磁気抵抗の関係からは特に制限はない。また、サイドヨーク20Sの厚さTSzは、上側ヨーク20Bと下側ヨーク20Aを磁気抵抗的になるべく不連続とならないように設定される。TMR素子4を基準とした上側ヨーク20Bの最大高さHは、例えば300nm以下に設定される。
この書込み配線5の幅IWxは、高さIHとすると、IH<1×IWxとなるように設定されている。このように、書込み配線5を薄肉化することで、上部ヨーク20Bを1プロセスで形成する際に、微細化してもその湾曲状態を滑らかにできる。
なお、強磁性ヨーク20を構成する強磁性材料としては、例えばNi、Fe、Coのうち少なくとも一つの元素を含む金属が好適である。ここでは具体的にパーマロイ(FeNi)を用いている。
次に、本第1実施形態の磁気記憶装置1におけるTMR素子4への情報書込み動作について説明する。
図6の状態において、書込み配線5に電流が流れていない場合、この書込み配線5による磁界が生じない。強磁性ヨーク20の磁化状態Xは、書込み配線5の延在方向と略一致した状態で単磁区化されていることが好ましい。また、磁化状態Xが、各種方向の磁区が複数形成された状態となっている場合は、上層に反強磁性層を形成して強制的に単磁区化することが望ましい。なお、TMR素子4における第2磁性層4Bの磁化方向Bと第1磁性層4Aの磁化方向Aが、ここでは互いに一致している。本実施例では、磁化方向A、Bが一致している場合、二値データの0が書き込まれていると定義する。
図7に示されるように、書込み配線5に書込み電流I1が流れると、書込み配線5の周囲に、周方向磁界F1が発生する。磁界F1によって、その周囲に設けられた強磁性ヨーク20が磁化状態Xの方向に磁化され、下側ヨーク20Aの端面20Ea、20Ebから磁界が発生する。この磁界は、磁界F1に重畳することで強い合成磁界となり、TMR素子4側誘導される。
この結果、書込み配線5から生じる磁界F1と、強磁性ヨーク20に生じる磁化状態Xによって誘起された磁界とが合成された強い磁界が、下側ヨーク20Aで集中化され、TMR素子4における第1磁性層4Aに作用してその磁化方向Aを反転させる。この状態で書込み配線5の電流I1を止めると、TMR素子4の磁化方向Aは、図7のように反転したまま維持される。磁化方向A、Bが反対となったまま維持されることから、ここでは二値データの1が書き込まれた事になる。
図8に示されるように、書込み配線5において、I1と反対方向となる書込み電流I2が流れると、書込み配線5の周囲に、周方向磁界F2が発生する。磁界F2に誘導されるようにして、周囲に設けられた強磁性ヨーク20の磁化状態Xが、その方向を90度回転させて磁界F2と同方向となる。
この結果、書込み配線5から生じる磁界F2と、強磁性ヨーク20に生じる磁化状態Xによって誘起された磁界とが合成された強い磁界が、下側ヨーク20Aで集中化され、TMR素子4における第1磁性層4Aに作用してその磁化方向Aを反転させる。第1磁性層4Aの磁化方向Aは、第2磁性層4Bの磁化方向Bと再び一致する。TMR素子4は、磁化方向A、Bが一致しているので、ここでは二値データの0が再び書き込まれた事になる。
なお、TMR素子4に書き込まれた二値データを読み出す際には、読み出し配線7a、7bの間に読み出し電流を流し、その配線間の電位差の変化を検出する。これによりTMR素子4の抵抗値が明らかとなり、二値データのいずれかを記録しているか(すなわち、第1磁性層4Aの磁化方向Aが第2磁性層4Bの磁化方向Bと平行か反平行か)を判別する。例えば、第1磁性層4Aの磁化方向Aが第2磁性層4Bの磁化方向Bと同方向である場合、非磁性絶縁層4Cにおけるトンネル磁気抵抗効果(TMR)によって、第1磁性層4Aと第2磁性層4Bとの間の抵抗値が比較的小さくなる。反対に、磁化方向Aと磁化方向Bが対向方向となる場合、トンネル磁気抵抗効果によって、第1磁性層4Aと第2磁性層4Bとの間の抵抗値が比較的大きくなる。
次に、この磁気記憶装置1における磁性層の製造方法の概要について説明する。この製造方法は、図9に示されるように、下部配線形成ステップ(A)、素子形成ステップ(B)、下側ヨーク形成ステップ(C)、書込み配線形成ステップ(D)、上側ヨーク形成ステップ(E)の5つのステップを備えて構成される。
下部配線形成ステップ(A)では、磁気記憶素子1における読み出し配線7b(下部配線)を形成する。素子形成ステップ(B)では、読み出し配線7bの上方にTMR素子4を形成する。下側ヨーク形成ステップ(C)ではボトムヨーク20Rを形成する。このボトムヨーク20Rは、後述するサイドヨーク20S、20Sの下端に予め配置されており、サイドヨーク20S、20Sと一体化するようになっている。特にここでは、ボトムヨーク20S、20Sの途中に隙間が形成されるようになっており、この隙間にTMR素子4が配置される。この結果、ボトムヨーク20Rの端部をTMR素子4の側面に接近させることが可能となり、磁界を効率的に印加することが可能になる。
書き込み配線形成ステップ(D)では、TMR素子4の上方に、上部の読み出し配線7aを形成した後に、その上方に更に書込み配線5を形成する。
上側ヨーク形成ステップ(E)では、書込み配線5の長手方向の一部領域に対して、この一部領域の側面を覆うサイドヨーク20S、20S及びこの一部領域の上面を覆うトップヨーク20Tを連続的且つ同時に形成する。既に述べたように、サイドヨーク20Sの下端側には予めボトムヨーク20Rが配置されており、このステップによって、サイドヨーク20Sとボトムヨーク20Rが一体化される。
この結果、強磁性ヨーク20全体が、下側ヨーク形成ステップ(C)と上側ヨーク形成ステップ(E)の2つのステップで形成される。
次に、この磁気記憶装置1における磁性層の製造方法に関して、更に(1)から(15)までの詳細ステップに分けて具体的に説明する。なお、各詳細ステップを説明する図面において、左側には強磁性ヨーク20近傍を拡大して示す断面図、右側には製造工程において単位記憶領域3を上方から見た平面図が示されている。
(下部読み出し配線形成ステップ)
まず、図10(1)に示されるように、特に図示しない基板の上に読み出し配線7bを形成する。具体的にはCu等の皮膜を形成した上に、レジストを行って、不要な領域をミリングした後、このレジストを除去する。これにより、所定の面積を有する読み出し配線7b(下部配線)が形成される。
(素子形成ステップ)
次にTMR素子4を形成する。具体的にまず、図10(2)に示されるように、読み出し配線7bの上にボトムタイプのTMRフィルムFを積層し、図11(3)に示されるように、TMR素子4の平面Y方向サイズ(MTJ_y)を定義するためにレジストRを配置する。その後、図11(4)に示されるように、レジストRを除いた外部領域におけるTMRフィルムFをミリングし、その後、SiO2皮膜Sを形成した後、その上にAlB3Tを皮膜してから、レジストRを除去する。これにより、TMRフィルムFの平面Y方向のサイズが設定される。
更に、図12(5)に示されるように、TMR素子4の平面X方向サイズ(MTJ_x)を定義するためにレジストRを配置し、図12(6)のように、TMRフィルムFをミリングすることでX方向サイズ及びY方向サイズが設定されたTMR素子4を得る。更にAl2O3、SiN4、SiO2などの絶縁皮膜を成膜することで、読み出し配線7b上に絶縁皮膜Zを形成する。
(下側ヨーク形成ステップ)
次に下側ヨーク20Aを形成する。まず図12(6)のように、レジストRが配置された状態のまま更にボトムヨーク用の素材Qを形成し、その後、レジストRを除去する。従って、ボトムヨーク用素材Qは、レジストRの領域を除いた全領域に形成されることになる。このレジストRに相当する領域が、将来のボトムヨーク20Rの隙間20Eとなる。次いで、図13(7)に示されるように、ボトムヨーク用素材Qの上に、ボトムヨークの平面Y方向サイズ(By_y)を定義するためのレジストRを形成し、図13(8)に示されるように、ボトムヨーク用素材Qをミリングする。その後、絶縁体膜Sを形成した後にレジストRを除去する。更に、図14(9)に示されるように、ボトムヨーク用素材Qの上に、ボトムヨークの平面X方向サイズを定義するためのレジストRを形成し、図14(10)に示されるように、ボトムヨーク用素材Qをミリングすることで、平面X方向及びY方向サイズが設定されたボトムヨーク20R、20Rが完成する。周囲には絶縁体皮膜を形成しておく。
その後、上部の読み出し配線7aを形成する。図15(11)に示されるように、読み出し配線が必要な領域以外にレジストを行い、その後、読み出し配線7bとなる導電体皮膜を形成した後、絶縁層となるAl2O3皮膜を形成し、レジストを除去する。これにより上部の読み出し配線7aが形成される。
(書込み配線形成ステップ)
次に、書込み配線5を形成する。まず、図15(12)に示されるように、書込み配線が必要な領域以外にレジストを行い、その後、Ta皮膜、書込み配線5となるCu皮膜、Ta皮膜を形成した後、レジストを除去する。これにより書込み配線5が完成する。その後、書込み配線5を周囲から絶縁するために、図16(13)に示されるように、絶縁が必要な領域を除いてレジストRを配置して、図16(14)に示されるように絶縁材料であるAl2O3皮膜を形成する。その後、リフトオフ工程によってレジストRを除去することで、残留部分として絶縁領域22が形成されることになる。
(上側ヨーク形成ステップ)
最後に、上側ヨーク20Bを形成する。この際、図17(15)に示されるように、上側ヨーク20Bを形成予定の領域以外にレジストを行い、その後、ヨーク素材となる軟磁性体膜(例えばNiFe皮膜)を形成する。更に、リフトオフ工程によってレジストを除去すれば、上側ヨーク20Bが形成される。結果、上側ヨーク20Bは、サイドヨーク20S、20S及びトップヨーク20Tが一度の工程で同時にできることになる。
本実施形態の磁気記憶装置1及び製造方法によれば、強磁性ヨーク20の形成工程が大幅に簡略化されている。具体的には、上側ヨーク20Bにおいて、サイドヨーク20Sとトップヨーク20Tを同時に成膜している。結果、サイドヨーク20S、20Sやボトムヨーク20Rを薄肉化できるので、トップヨーク20T等内で生じた磁界が内部で集中し、TMR素子4に効率的に印加することができる。これにより、書込み配線5で必要な書込み電流を小さくすることが可能になり、消費電力を低減できる。また、この製造方法によれば、強磁性ヨーク20をコンパクトにすることができるので、磁気記憶装置1のサイズを小さくすることができる。
更に、本実施形態では、書込み配線5の最大幅IWxに対して、最大高さIHが、IH<1×IWxとなるようにしているので、書込み配線5が薄肉化されている。この結果、サイドヨーク20S、20Sとトップヨーク20Tのなす角Pが、極めて鈍角になるので、成膜時のトラブルを低減することが可能になる。また、磁気記憶装置1全体が薄型且つ小型になるので、消費電力を低減させることが可能になる。
(実施例)
上記実施形態の製造方法に基づいて、強磁性ヨーク20を2回の成膜プロセスで形成し、磁気記憶装置1を製造した。具体的に、書込み配線5の幅は0.2μm、TMR素子4の平面サイズは0.3×0.2μm、トップヨーク20Tの厚さは50nmとした。なお、TMR素子4における磁化方向をピン止めする反強磁性層には、厚さ10nmとなるIrMn−AF層を採用した。また、強磁性ヨーク20の平面Y方向サイズは0.9μmとした。この磁気記憶装置1の書込み電流を計測した結果を図18に示す。35回の書込み試験によって得た計測値を平均すると、書込み電流が0.62mAという結果になり、この製造方法で製造した磁気記憶装置1は書込み電流が極めて小さくなることがわかった。
(比較例)
比較例として、従来の手法によって強磁性ヨークを形成し、磁気記憶装置を製造した。具体的には、下部の読み出し配線7bを形成した後、TMR素子4を形成し、更に下側ヨーク20Rを形成した。その後、4000A程度の厚さのレジスト(メッキシード)層を形成して、このレジスト層の内部に柱状の空間を形成した。この柱状空間内にメッキ処理を施した後、レジスト層を除去することで柱状のサイドヨーク20S、20Sを形成した。次に、2つのサイドヨーク20S、20Sの間に書込み配線5を形成し、その上部に蓋をするようにトップヨーク20Tを形成した。このようにして得られた磁気記憶装置の書込み電流の分布を図19に示す。合計48回の書込み試験によって得た計測値では、書込み電流が約4mAから11mA等の範囲内で分散し、特に11mA側に集中していることがわかった。この比較例の磁気記憶装置では、書込み電流が大きくなることがわかる。
以上、本実施形態では、ボトムヨークの間に空隙が形成されている場合に限って示したが、本発明はそれに限定されない。ボトムヨークが連続しており、完全に環状となるような強磁性ヨークにすることも好ましい。
また、本実施形態で示した製造方法では、例えばボトムヨーク等について、レジスト→ミリング→リフトオフ等の工程を繰り返して、平面X方向サイズと平面Y方向サイズ等を設定していく場合に限って示したが、本発明はそれに限定されない。成膜によるヨーク形成工程には各種手法が存在し得るので、量産等に適したプロセスを適宜選定すればよい。例えば、レジスト→RIE(Reactive Ion Etching)→CMP(chemical Mechanical Polishing)という手順を活用すれば、X方向サイズとY方向サイズの設定を1つのレジスト作業で完了させることができるので、生産性を更にあげることができる。
更に、上記実施形態では、書込み電流及び読み出し電流を制御するためのスイッチ手段としてトランジスタ(読み書き兼用トランジスタ)を用いているが、このスイッチ手段としては、必要に応じて電流を遮断/導通させる機能を有する様々な手段を適用することができる。
また、本発明の磁気記憶装置及びその製造方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明は、MRAMを利用する各種記憶手段、計算機等に適用することが可能である。
本発明の実施形態に係る磁気記憶装置の全体構成を示す概念図 同磁気記憶装置の記憶領域を拡大して示す概念図 同記憶領域におけるトランジスタの構造を拡大して示す断面図 同記憶領域における強磁性ヨークの構造を拡大して示す断面図 同記憶領域に配置されるTMR素子の積層構造を拡大して示す側面図 同記憶領域における強磁性ヨークの磁化状態を模式的に示す部分断面斜視図 同記憶領域における強磁性ヨークの磁化状態を模式的に示す部分断面斜視図 同記憶領域における強磁性ヨークの磁化状態を模式的に示す部分断面斜視図 同磁気記憶装置の製造方法の概要を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 同磁気記憶装置の製造方法を説明する工程図 実施例にかかる磁気記憶装置の書込み電流の分析結果を示す表図。 比較例にかかる磁気記憶装置の書込み電流の分析結果を示す表図。
符号の説明
1 ・・・磁気記憶装置
4 ・・・磁気抵抗効果素子
4A ・・・第1磁性層
4B ・・・第2磁性層
4C ・・・非磁性絶縁層
4D ・・・反強磁性層
5 ・・・書込み配線
7a、7b ・・・読み出し配線
13、14 ・・・ビット配線
15、16 ・・・ワード配線
20 ・・・強磁性ヨーク
20A ・・・下側ヨーク
20B ・・・上側ヨーク
20C ・・・ヨーク接合部
20E ・・・隙間
20S ・・・サイドヨーク
20T ・・・トップヨーク
20R ・・・ボトムヨーク

Claims (5)

  1. 下部配線を形成する下部配線形成ステップ、前記下部配線の上方に磁気抵抗効果素子を配置する素子形成ステップ、及び前記磁気抵抗効果素子の上方に書込み配線を形成する書込み配線形成ステップを備えるヨーク型磁気記憶装置の製造方法であって、
    前記書込み配線の長手方向の一部領域に対して、前記一部領域の側面を覆うサイドヨーク及び前記一部領域の上面を覆うトップヨークを連続的且つ同時に形成する上側ヨーク形成ステップを備えることを特徴とするヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
  2. 前記上側ヨーク形成ステップ以前に、前記サイドヨークの下端に予め配置されるボトムヨークを形成する下側ヨーク形成ステップを備え、
    前記ボトムヨーク、前記サイドヨーク及び前記トップヨークによって構成される磁性ヨークが、前記下側ヨーク形成ステップと前記上側ヨーク形成ステップの2つのステップで形成されることを特徴とする請求項1記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
  3. 前記下側ヨーク形成ステップにおいて、前記ボトムヨークの途中に隙間が形成されるようにし、前記隙間に前記磁気抵抗効果素子が配置されることを特徴とする請求項2記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
  4. 前記書込み配線の最大幅IWxに対する最大高さIHの比率が、IH<1×IWx となるように前記書込み配線を形成することを特徴とする請求項1、2または3記載のヨーク型磁気記憶装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするヨーク型磁気記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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