JP2008235457A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 レチクルとウエハとの物像間隔と屈折率から露光光が到達するまでの遅延時間を算出する。レチクルとウエハの各ステージが同期して走査する走査速度と、遅延時間との積をとることで、走査速度に比例して発生する位置ずれ量を補正する補正値を算出し、各ステージの駆動目標値に反映させることで、重ね合わせの精度を向上させる。
【選択図】 図1
Description
半導体素子の製造工程は、以下の前工程と後工程との繰り返しを経て、トランジスタを形成するものである。前工程はシリコンの基板上に製膜された各種の薄膜上に、レジストを塗布する工程である。後工程は、回路パターンをレジスト上に露光転写するリソグラフィ工程(以下、リソ工程という)と、レジスト現像、エッチングなどの工程からなる。トランジスタを微細化して集積度を上げるためには、特にリソ工程の露光装置によるところが大きい。半導体素子の微細化はこれまでとどまるところを知らず、2年で2倍の集積度で進化するといういわゆるムーアの法則に沿って進んできた。今後も不可避な技術課題に直面するまでは、このまま微細化が進むことになるであろう。
また露光結果に基づき補正値を設定しているため、計測できる露光範囲内つまりショットサイズの領域でしか正確な補正量を求めることができない。露光範囲の外側に敷設されたアライメントマークを用いて、TTL方式でレチクルステージとウエハステージを走査アライメントする場合には、補正領域外であるために補正ができないという問題点がある。特許文献1には、露光領域範囲外の補正値も近似関数で外挿し補う手段も提案されているが、露光領域での補正値追従性を上げることが目的であって、露光領域範囲外の位置補正を積極的に正確に行うための手段にはなり得ていない。
現在の走査型露光装置は、原版のレチクルと、被露光基板のウエハまでの物像間隔Lは約1mである。その中間に存在する縮小投影光学レンズのガラス充填率γは、光軸中心で約9割程度になる。光速度c=2.99×108m/s、空気の屈折率na=1.00、ガラス硝材の屈折率ng=1.47であるから、物像間の光の通過時間tlは、
tl=L・(na(1−γ)+γng)/c ・・・・ 式1
によってtl=4.7×10−9secと求められる。
δ(v)=v・tl ・・・・ 式2
により、δ=4.7nmと求められる。
隣合うショットでは、走査方向が反転するため、式2で示される位置ずれ量が隣接ショット間では2倍の9.4nmになって出現する。
露光装置の位置決め精度が10nm以下を要求されている昨今では、この光遅延による位置ずれ量は、無視できるものではない。今後のスループット向上のために走査速度をますます上げる必要もあり更に大きなずれ量に及ぶことになる。
本発明は、上述の従来例における問題点を解消することを課題とする。すなわち本発明は、上記光の遅延に起因した転写露光時の位置ずれを補正し、パターンの重ね合わせ精度を向上させることを課題とする。
[第1の実施例]
<露光装置の構成>
図3は本発明の一実施例に係る走査型露光装置の概略構成を示す。同図において、101は光源で、例えばエキシマレーザやi線ランプなどが用いられる。122は光源の光を減衰させる複数の減光率を持った光学部材で、透過率の違うNDフィルタに代表される光学部材である。102はレーザ光などのコヒーレントな光の角度を振動させることで、照度むらを無くすための光学ユニット、103は光源101からの光のビーム形状を整形し、かつ、インコヒーレント化するビーム整形光学系である。さらに、105はオプティカルインテグレータ、106は2次光源であるオプティカルインテグレータ105からの光束でマスキングブレード109の面を照明するためのコンデンサレンズである。
走査露光において、位置ずれやディストーション(ショット形状のひずみ)を補正するための処理を以下、具体的に説明する。走査露光における位置ずれやディストーション補正は、図1のフローチャートに示すように、ステップS204でアクチュエータ等を駆動するためのデータを生成するための前段階の処理を行うものである。即ち、前段階として(図1のS201〜S203)位置ずれを定量化して補正値を作成し、所望の駆動プロファイルデータを、補正値を加味した制御データに修正するものである。
続いてステップS204からステージを駆動しての露光動作に移行する。最終ショットを判断した後、露光の処理は終了する。
第1の実施例では、走査露光の前段での補正値計算をしていたが、この例によらず、ウエハステージの位置指令信号に直接走査速度に光遅延時間を掛けた量だけ減算したリアルタイム演算を組み込んでもよい。
第1の実施例では、走査露光の前段での補正値計算をしていたが、この例によらず、各ショット直前にそのショット毎に走査方向と走査速度から補正値算出を行うようにしても同様の効果が得られる。
前記の補正計算を、露光開始時に演算処理するのではなく、走査速度をパラメータとする補正テーブルS312を予め設定して、露光条件(走査速度条件)毎に呼び出して補正をするのでもよい(図2)。また他の誤差要因を補正するための補正テーブル値に予め反映させておいてもよい。
第5の実施例では、露光装置のインターフェースである入力デバイス上で、露光光遅延に関わる装置情報を入力するエリアを持っている。入力デバイスで各種設定される装置のコンフィギュレーション情報に、物像間隔、レンズのパス長が入力できるようになっている。
この情報によって露光光の遅延時間は機種ごとに計算される。
こうすることで、異なるレンズ設計の装置であっても同一のソフトシステムを使うことができ汎用性を持たせることが可能になる。
第6の実施例は、露光光のみならず、レンズ光学系を通して行う走査アライメントの場合にも同様の位置補正を適用するものである。レチクルステージ上にあるアライメント光学系は、レチクルステージの移動中にレンズを通してウエハ上のアライメントマークあるいはウエハステージ上の基準マークを動的に観察し、位置ずれ量を計測している。本実施例では、その計測値に対してステージ移動速度に依存した光遅延分の位置ずれ量を補正値として加えるものである。この場合、レチクル側から出光した光はウエハ上のマークに反射し、再びレチクル側の顕微鏡まで戻る。往路の遅延については、前述の実施例に準ずるものの、復路の反射光に関しても同様に光遅延の補正を行い計測値に反映するものである。
第1〜6の実施例は、屈折型投影系いわゆるレンズを用いた露光装置の例であった。第7の実施例は、真空中で反射光学系いわゆるミラーのみを用いて露光するEUV露光装置に関するものである。
EUV露光装置の場合も、同様にレチクルマスク物体面からウエハ上の像面までの光学距離によって遅延が発生する。同期するステージの制御目標値に同様の補正を加えることで効果が得られる。反射光学系は、屈折系よりも光路長が長くなるので特に前述の位置ずれ補正が重要になる。
次に、図5および図6を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図5は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップS5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップS6(検査)ではステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップS7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
図6は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップS11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップS12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップS13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップS15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップS16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップS17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップS18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことにより、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムにより保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
105 : オプティカルインテグレータ
108 : 露光スリット
113 : 投影レンズ
115 : レチクルステージ
116 : レチクル(原版)
117 : ウエハステージ
118 : ウエハ(基板)
Claims (10)
- 原版のパターンを投影光学系を介して基板に投影し、該投影光学系の光軸に対し前記原版と基板を同期して移動することにより前記原版のパターンを前記基板に露光する走査型の露光装置であって、
前記原版と基板とを同期して移動する際、その移動の速度に応じた量、前記原版と基板との相対位置を補正する手段を有することを特徴とする露光装置。 - 前記相対位置の補正量は、前記原版のパターン面と前記基板上の被露光面との間の光の伝達遅延時間に比例する量であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記相対位置の補正量は、前記光の伝達遅延時間と前記基板の移動速度との積によって確定する量であることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記相対位置の補正は、前記原版または前記基板の目標位置に対して成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の露光装置。
- 前記相対位置の補正は、予め決定された走査露光の第1の移動プロファイルに対して行われ、補正の結果として実露光のための第2の移動プロファイルが生成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の露光装置。
- 前記相対位置の補正は、走査露光中の各瞬時の移動速度に応じてリアルタイムに成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の露光装置。
- 原版のパターンを投影光学系を介して基板に投影し、該投影光学系の光軸に対し前記原版と基板を同期して移動することにより前記原版のパターンを前記基板に露光する露光装置であって、
前記原版と前記基板とのアライメント計測を行うためのアライメント光学系と、前記原版と基板とを同期して移動させながら、前記アライメント光学系により、前記投影光学系を介して前記原版と基板とのアライメント計測を行う際、前記原版または基板の移動の速度に応じた量、前記アライメント計測による計測値を補正する手段とを有することを特徴とする露光装置。 - 原版のパターンを投影光学系を介して基板に投影し、該投影光学系の光軸に対し前記原版と基板を同期して移動することにより前記原版のパターンを前記基板に露光する露光方法であって、
前記原版と基板とを同期して移動する際、その移動の速度に応じた量、前記原版と基板との相対位置を補正することを特徴とする露光方法。 - 原版のパターンを投影光学系を介して基板に投影し、該投影光学系の光軸に対し前記原版と基板を同期して移動することにより前記原版のパターンを前記基板に露光する露光方法であって、
前記原版と基板とを同期して移動させながら、前記原版と前記基板とのアライメント計測を行うためのアライメント光学系により、前記投影光学系を介して前記原版と基板とのアライメント計測を行う際、前記移動の速度に応じた量、前記アライメント計測による計測値を補正することを特徴とする露光方法。 - 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の露光装置または請求項8もしくは9に記載の露光方法を用いて基板を露光するステップを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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