JP2000188439A - パルスレーザの発光タイミング信号制御装置 - Google Patents

パルスレーザの発光タイミング信号制御装置

Info

Publication number
JP2000188439A
JP2000188439A JP10364746A JP36474698A JP2000188439A JP 2000188439 A JP2000188439 A JP 2000188439A JP 10364746 A JP10364746 A JP 10364746A JP 36474698 A JP36474698 A JP 36474698A JP 2000188439 A JP2000188439 A JP 2000188439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delay time
pulse
time
laser
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10364746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4148379B2 (ja
Inventor
Masao Hagiwara
政雄 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP36474698A priority Critical patent/JP4148379B2/ja
Publication of JP2000188439A publication Critical patent/JP2000188439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4148379B2 publication Critical patent/JP4148379B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザの発光タイミングと半導体露光装置側で
の制御タイミングとの同期精度を向上させる。 【解決手段】充電電源HVと複数の磁気スイッチAL0
〜AL2と複数のコンデンサC0〜C2、Cpとによって構
成される複数段の電荷転送回路を有する磁気パルス圧縮
回路と、この磁気パルス圧縮回路に充電電源HVを断続
するスイッチング手段SWと、前記磁気パルス圧縮回路
の出力端に接続されたレーザ放電電極6とを有し、半導
体露光装置側より受信した所定の繰り返し周波数を有す
るレーザ発振同期信号をトリガとして前記スイッチング
手段をオンして、所定の繰り返し周波数のパルスレーザ
発振を行うパルスレーザにおいて、前記磁気パルス圧縮
回路における予め設定された所定の段の電荷転送回路を
流れる電流パルスの立上がり時点を検出する電流パルス
検出センサ20と、この電流パルス検出センサ20の検
出信号を実発光前の所定時間前に各パルスレーザ発振の
発光タイミング信号Htとして前記半導体露光装置側へ
出力する補償を行う電圧補償部40,温度補償部50を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気パルス圧縮
回路を用いて所定の繰り返し周波数でパルス放電を行う
ことでレーザ媒質を励起してパルスレーザ発振を行うパ
ルスレーザにおいて、パルスレーザの発光タイミングと
半導体露光装置側での制御タイミングとの同期精度を向
上させるようにしたパルスレーザの発光タイミング信号
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体装置製造用の縮小投影
露光装置(以下、ステッパ装置という)の光源としてエ
キシマレ―ザの利用が注目されている。これはエキシマ
レ―ザの波長が短い(KrFの波長は約248.4n
m)ことから光露光の限界を0.5μm以下に延ばせる
可能性があること、同じ解像度なら従来用いていた水銀
ランプのg線やi線に比較して焦点深度が深いこと、レ
ンズの開口数(NA)が小さくて済み、露光領域を大き
くできること、大きなパワ―が得られること等の多くの
優れた利点が期待できるからである。
【0003】図39に、エキシマレーザ1とステッパ装
置10の制御系の一般的な構成を示す。
【0004】エキシマレーザ1は、放電電極等が内蔵さ
れるレーザチャンバ2、放電電極間にパルス放電の繰り
返し周波数に同期した高周波電圧を印加するパルス電源
装置3、レーザチャンバ2から出射されたレーザ光のエ
ネルギーをモニタするエネルギーモニタ4、ステッパ装
置10側からのエネルギー指令およびエネルギーモニタ
4のモニタ値等に基づいてパルス電源装置3の電源電圧
制御,レーザ発振波長制御、レーザガスの供給制御など
を実行するレーザコントローラ5などを有している。、
ステッパ装置10は、繰り返しパルス発振のトリガ信号
となるパルス発振同期信号TR、レーザ発振の目標エネ
ルギー指令等をエキシマレーザ側に送信するステッパコ
ントローラ11と、ウェハを載置した移動可能なウェハ
テーブル12などを有しており、エキシマレーザ1から
入射されたレーザ光を用いてウェハテーブル12上のウ
ェハを縮小投影露光する。
【0005】図39のパルス電源装置3としては、 近
年、サイラトロン、GTOなどの主スイッチの耐久性の
向上のために磁気パルス圧縮回路を使用したものが用い
られることが多く、図40に一般的な容量移行型の磁気
パルス圧縮放電装置の等価回路を示す。また、図41に
図40の回路各部における電圧および電流の波形を示
す。
【0006】この図40の放電回路は、可飽和リアクト
ルから成る3個の磁気スイッチAL0〜AL2の飽和現象
を利用した2段の磁気パルス圧縮回路である。
【0007】まず、1発目のレーザ発振トリガ信号が受
信される前にステッパ装置10側からエネルギー指令値
が入力されるので、レーザコントローラ5はこのエネル
ギーを出すのに必要な電源電圧値を計算し、この計算値
に基づき高電圧電源HVの電圧V0を調整する。そし
て、この時点でコンデンサC0に、磁気スイッチAL0、
コイルL1を介して高電圧電源HVからの電荷をプリチ
ャージしておく。
【0008】その後、ステッパ装置10側からの1発目
のレーザ発振同期信号(トリガ信号)TRが受信される
と、この受信時点で主スイッチSWがオンにされる(図
41、時刻t0)。主スイッチSWがオンになった後、
コンデンサC0の電圧VC0の時間積(電圧VC0の時間積
分値)が磁気スイッチAL0の設定特性で決まる限界値
に達すると、この時点t1において磁気スイッチAL0は
飽和し、コンデンサC0、磁気スイッチAL0、主スイッ
チSW、コンデンサC1のループに電流パルスi0が流れ
る。この電流パルスi0が流れ始めてから0になる(時
刻t2)までの時間τ0、即ちコンデンサC0からコンデ
ンサC1に電荷が完全に移行されるまでの電荷転送時間
τ0は、主スイッチSWなどによる損失を無視すれば、
コンデンサC0、磁気スイッチAL0、コンデンサC1の
各容量、インダクタンスによって決まる。
【0009】この後、コンデンサC1の電圧VC1の時間
積が磁気スイッチAL1の設定特性で決まる限界値に達
すると、この時点t3において磁気スイッチAL1は飽和
し、低インピーダンスとなる。これにより、コンデンサ
C1、コンデンサC2、磁気スイッチAL1のループに電
流パルスi1が流れる。この電流パルスi1は、コンデン
サC1、C2および磁気スイッチAL1の容量、インダク
タンスによって決定される所定の転送時間τ1を経由し
た後、時刻t4で0になる。
【0010】さらにこの後、コンデンサC2の電圧VC2
の時間積が磁気スイッチAL2の設定特性で決まる限界
値に達すると、この時点t5において磁気スイッチAL2
は飽和し、これにより、コンデンサC2、ピーキングコ
ンデンサCP、磁気スイッチAL2のループに電流パルス
i2が流れる。
【0011】その後、ピーキングコンデンサCpの電圧
VCpは充電の進展とともに上昇し、この電圧VCpが所定
の主放電開始電圧に達すると、この時点t6において主
電極6間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始さ
れる。この主放電によってレーザ媒質が励起され、数n
sec後にレーザ光が発生される。
【0012】この後、主放電によってピーキングコンデ
ンサCpの電圧は急速に低下し、所定時間経過後に充電
開始前の状態に戻る。
【0013】このような放電動作が、トリガ信号TRに
同期した主スイッチ5のスイッチング動作によって繰り
返し行われることにより、所定の繰り返し周波数(パル
ス発振周波数)でのパルスレーザ発振が行われる。
【0014】図40の磁気圧縮回路によれば、磁気スイ
ッチおよびコンデンサで構成される各段の電荷転送回路
のインダクタンスが後段にいくにつれ小さくなるように
設定されているので、電流パルスi0〜i2のピーク値が
順次高くなりかつその通電幅も順次狭くなるようなパル
ス圧縮動作が行われ、この結果主電極6間に短時間での
強い放電が得られることになる。
【0015】ところで、ステッパ装置10側での露光方
式は、近年、ステージを停止させて露光を行う一括露光
方式からステージを移動させながら露光を行うステップ
&スキャン方式に移行しつつある。このステップ&スキ
ャン方式の利点は、大面積を露光できる点にあり、今
後、集積度が増すに従ってチップサイズは大きくなる傾
向にあり、ステップ&スキャン方式が主流となっていく
であろう。
【0016】このステップ&スキャン方式では、図42
に示すように、ウェハ上のICチップ7に対しシートビ
ームと呼ばれるレーザ光を照射した状態でレーザ光また
はウェハを所定のピッチΔPで移動させながら露光処理
を行うようにしており、この際、ICチップ7上の全て
の点の移動積算露光量(例えば図42ではA点の移動積
算露光量はP1+P2+P3+P4)が等しくなるように走査
ピッチΔPやシートビームの照射面積を設定すること
で、ICチップ7上の各点で均一な露光が行われるよう
にする。
【0017】このように、ステップ&スキャン方式で
は、ステージ(またはレーザ光)を移動させながら露光
を行う。このため、エキシマレーザ側での各パルスレー
ザの実際の発光タイミングとステッパ側でのウェハ(ま
たはレーザ光)の移動制御のタイミングが完全に同期し
ていないと、すなわちパルスレーザ光が発光していない
期間中にステージの移動が行われないと、レーザ照射中
にステージの移動が行われることになり、各位置での露
光量に大きなばらつきが発生することになる。
【0018】このように、ステップ&スキャン方式の露
光を行う場合は、実際にレーザの発光が起こるタイミン
グを正確に把握する必要があり、このため従来において
は、ステッパ装置側はレーザ発振同期信号TRを出力し
てから実際にレーザ発振が行われるまでの時間を経験や
実測データ等を用いて予測し、この予測に基づきステッ
パ装置内の各種制御の同期をとるようにしていた。
【0019】また、ウェハを載せたステージを停止させ
てひとつのチップ全体を一括レーザ照射する一括露光方
式のステッパにおいても、従来は、レーザ照射位置を露
光の終了したICチップ位置から次のICチップへと移
動させるタイミングや作業開始のタイミングを前述のレ
ーザ発振同期信号TRを用いて前記と同様にして推定す
るようにしていた。
【0020】しかしながら、先の図40に示した磁気圧
縮回路において、トリガ信号TRが入力されて主スイッ
チSWが点呼される時点t0から実際にレーザ光が発生
する時点t6までの時間td(以下これを発光遅延時間と
いう)は、電流パルスi0、i1、i2の通電幅τ0、τ
1、τ2と各磁気スイッチAL0〜AL2の飽和時間σ0、
(τ0+σ1)、(τ1+σ2)によって左右される。
【0021】通電幅(電荷転送時間)τ0、τ1、τ2
は、前述したように、各段の電荷転送回路に含まれるコ
ンデンサや磁気スイッチの容量およびインダクタンスに
よって決定されるので、これは磁気圧縮回路内の雰囲気
温度によって大きく影響を受ける。
【0022】また、飽和時間のばらつきσ0、σ1、σ2
は、各磁気スイッチAL0〜AL2に加わる電圧の時間積
によって決定されるので、これらは高電圧電源HVの電
圧V0によって大きく影響をうける。
【0023】ここで、エキシマレーザにおいては、前述
したように、電源電圧V0は一定に制御されるのではな
く、レーザ出力を一定に制御するための制御パラメータ
の1つとなっており、レーザ運転中は可変制御されてい
る。すなわち、ハロゲンガスの減少によるレーザ出力の
低下を考慮して電源電圧を制御するパワーロック制御、
連続パルス発振の最初の数パルスが含まれるスパイク領
域が他の領域に比べレーザ出力が大きくなるスパイキン
グ現象を解消するために電源電圧を制御するスパイクキ
ラー制御などの各種の要因を考慮して電源電圧V0は可
変制御されている。
【0024】このように、エキシマレーザにおいては、
電源電圧V0は制御パラメータの1つであるので、これ
を一定にしておくことは不可能であり、このため、上記
磁気スイッチの飽和時間のばらつきσ0、σ1、σ2は、
上記電源電圧の可変制御によって大きく変化することに
なる。
【0025】ところで、上記飽和時間のばらつきσ0、
σ1、σ2および電荷転送時間τ0、τ1、τ2のばらつき
を実験によって調べたところ次のように結果を得た。
【0026】電源電圧V0が最大電圧のとき、 σ0≒0 σ1≒0 σ2≒0 電源電圧V0が最小電圧のとき σ0≒800nsec σ1≒500nsec σ2≒200nsec 始動時(低温時) τ0≒1.65μsec τ1≒550nsec τ2≒150nsec 連続運転時(高温時) τ0≒1.5μsec τ1≒500nsec τ2≒130nsec したがって、上記実験によれば、発光遅延時間tdは、
電源電圧V0によって最大1.5μsec変化し、また温度
ドリフトによって最大220nsec変化することになる。
【0027】なお、電源電圧V0が最大電圧のとき、飽
和時間σ0、σ1、σ2がほぼ0になっているのは、コン
デンサ間の電荷転送時間と磁気スイッチの飽和時間が一
致するように、すなわちσ0〜σ2が0になるように、電
源電圧V0の最大値を設定し、この最大電圧値を超えな
い範囲で電源電圧制御を行っているからである。このた
め、この場合には、コンデンサ間の電荷転送の途中に磁
気スイッチが飽和する、すなわちσ1、σ2が負の値をと
る事態は発生せず、これにより電流パルスのピーク値が
低下し、通電幅が増大することは確実に防止される
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
技術においては、実際の発光タイミングをレーザ発振同
期信号TRに基づきステッパ装置側で予測するようにし
ていたが、実際の発光タイミングは電源電圧や温度によ
ってばらつくため、予測した発光タイミングが実際の発
光タイミングからずれ、レーザの発光タイミングとステ
ッパ側での制御タイミングとの間にうまく同期がとれな
いという問題があった。
【0029】一方、ステッパ装置10側から送られてき
たパルス発振同期信号TRに対応して常に一定間隔の連
続パルス発振をさせたい場合があり、このような要求を
満足させる場合にも、依然として、レーザの発光タイミ
ングとステッパ側での制御タイミングとの間にうまく同
期がとれないという問題があった。
【0030】この発明はこのような実情に鑑みてなされ
たもので、実際のレーザ発光タイミングより前であって
かつ半導体露光装置から送られてくるレーザ発振同期信
号よりも実際のレーザ発光タイミングに近い物理量のタ
イミングをレーザ側で捉え、これに基づく発光タイミン
グ信号を半導体露光装置側へ送出することにより、レー
ザの発光タイミングと半導体露光装置側での制御タイミ
ングとの同期精度を向上させるパルスレーザの発光タイ
ミング信号制御装置を提供することを目的とする。
【0031】また、この発明では、電源電圧および環境
温度の変化を補償することにより電源電圧および環境温
度の変化が発生しても常に各パルスレーザの実発光時点
より予め設定された所定時間だけ前の時点で発生される
発光タイミング信号を半導体露光装置側へ送信するよう
にして、レーザの発光タイミングと半導体露光装置側で
の制御タイミングとの同期精度をさらに向上させるパル
スレーザの発光タイミング信号制御装置を提供すること
を目的とする。
【0032】さらに、この発明では、パルス発振同期信
号が受信されてから実際にレーザが発光されるまでの時
間を各パルスに亘って常に一定になるようにして、レー
ザの発光タイミングと半導体露光装置側での制御タイミ
ングとの同期精度を向上させるパルスレーザの発光タイ
ミング信号制御装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段および効果】請求項1の発
明に係るパルスレーザの発光タイミング信号制御装置
は、充電電源に対し直列に接続された複数の磁気スイッ
チとそれぞれが前記充電電源に対し並列に接続された複
数のコンデンサとによって複数段の電荷転送回路を構成
し、この複数段の電荷転送回路によって電流パルスを複
数段に圧縮する磁気パルス圧縮回路と、この磁気パルス
圧縮回路に前記充電電源を断続するスイッチング動作を
行うスイッチング手段と、前記磁気パルス圧縮回路の出
力端に接続されたレーザ放電電極と、を有し、半導体露
光装置側より受信した所定の繰り返し周波数を有するレ
ーザ発振同期信号をトリガとして前記スイッチング手段
をオンすることにより、所定の繰り返し周波数のパルス
レーザ発振を実行するパルスレーザにおいて、前記磁気
パルス圧縮回路における予め設定された所定の段の電荷
転送回路を流れる電流パルスの立上がり時点を検出する
電流検出手段と、前記充電電源に対する電圧指令値と前
記電流検出手段が検出した時点からパルスレーザの実発
光時点までの遅延時間との双曲線近似関係式を用いて、
前記電圧指令値に応じた前記遅延時間から予め設定され
た所定時間を減算した待ち遅延時間を算出し、前記電流
検出手段から出力される検出信号を該待ち遅延時間遅延
した遅延信号を各パルスレーザ発振の発光タイミング信
号として前記半導体露光装置側に出力する出力制御手段
と、を具備したことを特徴とする。
【0034】請求項1の発明では、予め設定された所定
の段の電荷転送回路を流れる電流パルスの立上がり時点
を検出し、この検出信号を常にパルスレーザの実発光か
ら所定時間前に発光タイミング信号として前記半導体露
光装置側へ出力するようにしているので、半導体露光装
置側では入力された発光タイミング信号に基づき実際の
レーザ発光タイミングを予測し、この予測タイミングに
基づいてウェハ移動などの各種制御の同期をとることが
できるという作用効果を奏する。
【0035】また、請求項1の発明では、前記電流検出
手段によって検出した電流パルスの立上がり時点からレ
ーザの実際の発光時点までの時間間隔の電源電圧の変動
によるばらつきを吸収し、当該パルスレーザの実発光時
点より予め設定された所定時間だけ前の時点で前記発光
タイミング信号が常に発せられるようにタイミング調整
を行うようにしたので、レーザの実発光タイミングと半
導体露光装置側での制御タイミングとの同期精度をさら
に向上させることができるという作用効果を奏する。
【0036】しかも、請求項1の発明では、双曲線近似
式を用いて待ち遅延時間を算出するようにしているの
で、簡易な構成によって遅延時間を迅速に出力すること
ができるという作用効果を奏する。
【0037】請求項2の発明に係るパルスレーザの発光
タイミング信号制御装置は、充電電源に対し直列に接続
された複数の磁気スイッチとそれぞれが前記充電電源に
対し並列に接続された複数のコンデンサとによって複数
段の電荷転送回路を構成し、この複数段の電荷転送回路
によって電流パルスを複数段に圧縮する磁気パルス圧縮
回路と、この磁気パルス圧縮回路に前記充電電源を断続
するスイッチング動作を行うスイッチング手段と、前記
磁気パルス圧縮回路の出力端に接続されたレーザ放電電
極と、前記充電電源に対する電圧指令値を出力する制御
手段と、を有し、半導体露光装置側より受信した所定の
繰り返し周波数を有するパルス発振同期信号をトリガと
して前記スイッチング手段をオンすることにより、所定
の繰り返し周波数のパルスレーザ発振を実行するパルス
レーザにおいて、前記スイッチグ手段がオンされてから
レーザ発振が開始されるまでの実発光遅延時間の変動範
囲の最大値以上である所定の基準遅延時間が予め設定さ
れる基準遅延時間設定手段と、前記設定された基準遅延
時間と前記制御手段から出力される電圧指令値に対応す
る当該パルス発振の前記実発光遅延時間との差を各パル
ス発振毎に求める遅延時間演算手段と、前記半導体露光
装置から受信されるパルス発振同期信号を前記遅延時間
演算手段で演算された差時間分だけ遅延して前記スイッ
チング手段に出力する遅延手段と、前記磁気パルス圧縮
回路における予め設定された所定の段の電荷転送回路を
流れる電流パルスの立上がり時点を検出する電流検出手
段と、前記充電電源に対する電圧指令値と前記電流検出
手段が検出した時点からパルスレーザの実発光時点まで
の遅延時間との双曲線近似関係式を用いて、前記電圧指
令値に応じた前記遅延時間から予め設定された所定時間
を減算した待ち遅延時間を算出し、前記電流検出手段か
ら出力される検出信号を該待ち遅延時間遅延した遅延信
号を各パルスレーザ発振の発光タイミング信号として前
記半導体露光装置側に出力する出力制御手段と、を具備
したことを特徴とする。
【0038】請求項2の発明では、スイッチグ手段がオ
ンされてからレーザ発振が開始されるまでの実発光遅延
時間の変動範囲の最大値以上である所定の基準遅延時間
を予め設定する。この基準遅延時間としては、例えば、
電圧指令値の下限値以下の所定の電圧値をもってレーザ
発振を行わせたときの前記スイッチグ手段がオンされて
からレーザ発振が開始されるまでの時間とする。そし
て、この基準遅延時間と前記当該パルス発振の実発光遅
延時間との差を各パルス発振毎に求め、この差だけ半導
体露光装置から受信されるパルス発振同期信号を遅延さ
せてスイッチング手段に出力することで、レーザ発振パ
ルス同期信号が受信された時点からレーザが実際に発光
するまでの時間を前記設定された基準遅延時間に各パル
スに亘って常に一致させるようにしているので、レーザ
発振パルス同期信号が受信された時点からレーザが実際
に発光するまでの時間が各パルスに亘って常に一定にな
るので、半導体装置側では、特に難しい予測制御などを
行うことなく、レーザの発光タイミングと半導体露光装
置側での制御タイミングとを完全に同期させることがで
きる作用効果を奏する。
【0039】また、請求項2の発明では、予め設定され
た所定の段の電荷転送回路を流れる電流パルスの立上が
り時点を検出し、この検出信号を常にパルスレーザの実
発光から所定時間前に発光タイミング信号として前記半
導体露光装置側へ出力するようにしているので、半導体
露光装置側では入力された発光タイミング信号に基づき
実際のレーザ発光タイミングを予測し、この予測タイミ
ングに基づいてウェハ移動などの各種制御の同期をとる
ことができるという作用効果を奏する。
【0040】また、請求項2の発明では、前記電流検出
手段によって検出した電流パルスの立上がり時点からレ
ーザの実際の発光時点までの時間間隔の電源電圧の変動
によるばらつきを吸収し、当該パルスレーザの実発光時
点より予め設定された所定時間だけ前の時点で前記発光
タイミング信号が常に発せられるようにタイミング調整
を行うようにしたので、レーザの実発光タイミングと半
導体露光装置側での制御タイミングとの同期精度をさら
に向上させることができるという作用効果を奏する。
【0041】しかも、請求項1の発明では、双曲線近似
式を用いて待ち遅延時間を算出するようにしているの
で、簡易な構成によって遅延時間を迅速に出力すること
ができるという作用効果を奏する。
【0042】請求項3の発明に係るパルスレーザの発光
タイミング信号制御装置は、請求項2の発明において、
前記出力制御手段は、前記遅延時間演算手段が求めた差
を前記待ち遅延時間の最大値に正規化し、この差とこの
正規化した待ち遅延時間との双曲線近似関係を用いて前
記待ち遅延時間を計測するカウンタを具備したことを特
徴とする。
【0043】請求項3の発明では、既に遅延時間演算手
段が求めた差を用いて待ち遅延時間を計測するようにし
ているので、簡易な構成によって請求項2の発明と同様
な作用効果を奏するまた、請求項3の発明では、カウン
タによってまち遅延時間を計測するようにしているの
で、迅速に待ち遅延時間を計測出力することができ、こ
れによって検出信号を得てから実発光までの非常に短い
時間であっても確実に計測できるという作用効果を奏す
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1にこの発明の第1の実
施形態を示す。この第1の実施形態においては、先の図
40に示したものと同様の2段の磁気パルス圧縮回路を
用いており、各部での電圧VC0,VC1,VC2,VCpおよ
び電流パルス波形i0,i1,i2も図41に示したもの
と同様である。
【0045】すなわち、この実施例回路では、高電圧電
源1、主スイッチSW、3個の磁気スイッチAL0〜A
L2、コイルL1、4個のコンデンサC0,C1,C2,C
p、および放電電極6を有しており、コンデンサC0から
磁気スイッチAL0、主スイッチSWを介してコンデン
サC1に至る電流ループi0を形成する第1段の電荷転送
回路、コンデンサC1から磁気スイッチAL1を介してコ
ンデンサC2に至る電流ループi1を形成する第2段の電
荷転送回路、コンデンサC2から磁気スイッチAL2を介
してピーキングコンデンサCpに至る電流ループi2を形
成する第3段の電荷転送回路が形成されている。
【0046】磁気スイッチAL0〜AL2の飽和時および
非飽和時のインダクタンスは順に小さくなるように設定
され、また各段のコンデンサ容量は等しくなるように設
定されているため、先の図41に示したように、各段の
電荷転送回路を流れる電流パルスの波高値が順次増幅さ
れ、そのパルス幅が順次圧縮されることになる。
【0047】なお、この図1の放電回路においても、コ
ンデンサ間の電荷転送時間と磁気スイッチの飽和時間が
一致する、即ちσ1〜σ2が0になる電源電圧を最大電源
電圧V0とし、この最大電圧値V0を超えない範囲で電源
電圧制御を行っている。
【0048】ここで、この図1の実施形態においては、
最終段の1つ前の段の電荷転送回路、即ち第2段の電荷
転送回路を流れる電流パルスi1の立上がり時点t3(図
41参照)を検出する電流パルス検出センサ20を設
け、この電流パルス検出センサ20の検出信号Saを信
号出力部21を介して発光タイミング信号Htとしてス
テッパ装置10に送信するようにしている。
【0049】図2は、エキシマレーザ1とステッパ装置
10の制御系の構成を示すものであり、先の図39に示
した構成に対し、パルス電源装置3からステッパ装置1
0に出力される発光タイミング信号Htが追加されてい
る。
【0050】この発光タイミング信号は図41に示すよ
うにt3時点で発生される。したがって、発光タイミン
グ信号が発生されてからレーザが発光するまでの遅延時
間のばらつきは、従来技術の箇所で述べた実験結果によ
れば、 電源電圧V0が最大電圧のとき、 σ2≒0 電源電圧V0が最小電圧のとき σ2≒200nsec 始動時(低温時) τ1≒550nsec τ2≒150nsec 連続運転時(高温時) τ1≒500nsec τ2≒130nsec となる。
【0051】発光タイミング信号が発生される時点t3
からレーザが発光する時点t6までの期間を発光遅延時
間td´とすると、このtd´は電源電圧によって最大2
00nsec変化し、また温度ドリフトによって最大70ns
ec変化することになる。
【0052】したがって、電流パルス検出センサ20に
よって電流パルスi1の立上がりを検出し、この検出信
号Saを発光タイミング信号Htとしてステッパ装置10
側に出力するようにすれば、この発光タイミング信号H
tが出力されてから実際にレーザが発光するまでの発光
遅延時間td´のばらつき(電圧で200nsec、温度で70ns
ec)は、従来方式における発光遅延時間tdのばらつき
(電圧で1.5μsec、温度で220nsec)に比べ、大幅に小
さくなる。
【0053】したがって、半導体露光装置側では実際の
レーザ発光タイミングを知るのに、このレーザ側から送
られてきた発光タイミング信号Htを基準にするように
すれば、従来に比べ、より正確に発光タイミングを知る
ことができ、レーザの発光タイミングとステッパ装置側
での制御タイミングとの同期精度を向上させることがで
きる。
【0054】つぎに、図3〜図7に電流パルス検出セン
サ20の具体例を示す。
【0055】図3においては、磁気スイッチAL1に直
列にインダクタンス手段としての磁心(またはコイル)
22を接続するようにしている。図3(b)に示すよう
に、電流パルスi1の電流変化による自己誘導により磁
心22には誘導電圧vsが発生するので、この誘導電圧
vsを検出することで、電流パルスi1の立上がり時点t
3を検出することができる。
【0056】図4においては、磁気スイッチAL1の2
次巻線23に誘導される誘導起電圧vs(図4(b)参照)
を検出し、この電圧検出に基づいて電流パルスi1の立
上がり時点t3を検出するようにしている。
【0057】図5においては、磁気スイッチAL1に直
列に1次コイル24を接続し、この1次コイル24を流
れる電流パルスi0の電流変化によって発生する2次コ
イル25の誘導電圧vs(図5(b)参照)を検出し、この
電圧検出に基づいて電流パルスi1の立上がり時点t3を
検出するようにしている。
【0058】図6においては、磁気スイッチAL1のリ
セット回路26(磁気スイッチのB−H特性を所定の初
期状態にする回路)中に空心コイル27を接続し、この
空心コイル27の誘導電圧vsを検出し、この電圧検出
に基づいて電流パルスi1の立上がり時点t3を検出する
ようにしている。
【0059】図7においては、コンデンサC1と並列に
抵抗r1、r2を接続し、その分圧vs(図7(b)参照)を
検出することに基づいて電流パルスi1の立上がり時点
t3を検出するようにしている。
【0060】図8にこの発明の第2の実施形態を示す。
この第2の実施形態においては、前記と同様の2段の磁
気パルス圧縮回路を用いており、各部での電圧VC0,V
C1,VC2,VCpおよび電流パルス波形i0,i1,i2も
図15に示したものと同様である。
【0061】先の第1の実施形態においては、電流パル
スi0の立上がり時点t3を検出し、この検出信号を発光
タイミング信号とするようにしたので、この発光タイミ
ング信号には、時点t3から発光時点t6までの期間td
´における電源電圧および温度によるばらつきによる誤
差分が含まれている。
【0062】そこで、この実施形態では、この発光遅延
時間td´中の電源電圧および温度によるばらつき分を
吸収し、発光タイミング信号が常に実発光時点から一定
の時間だけ前の時点に発せられるように、電流パルス検
出センサ20の検出信号Saをタイミング調整した後、
ステッパ装置10側に出力するようにしている。
【0063】例えば、ステッパ装置側に対する発光タイ
ミング信号Htの送出時点は、発光遅延時間td´が最も
短くなる状態のときの、電流パルス検出センサ20の検
出時点t3とする。発光遅延時間td´の最小値が例えば
500nsecであるとすると、常に実際にレーザ発光が行
われる時点t6から常に500nsec前に発光タイミング
信号Htが送出されるように、電流パルス検出センサ2
0の検出信号をタイミング調整するのである。
【0064】したがって、電流パルス検出センサ20の
検出信号が出力された時点が発光前の550nsecである
と判断された場合は、この検出信号を50nsecだけ遅延
させてから発光タイミング信号としてステッパ装置10
側に送信する。
【0065】図8の実施形態では、このような制御を行
うようにしており、以下その構成及び作用について説明
する。
【0066】電流パルス検出センサ20は、先の第1の
実施形態と同様、電流パルスi1の立上がり時点t3を検
出する。この電流パルス検出センサ20の検出信号Sa
は電圧補償部40および温度補償部50に入力されてい
る。
【0067】電流パルス検出センサ30は、第1段目の
電荷転送回路を流れる電流パルスi0の立上がり時点t1
を検出する。その具体的な構成は図3〜図7に示した電
流パルスセンサと同様である。電流パルス検出センサ3
0の検出信号Sbは温度補償部50に入力されている。
【0068】なお、上記電流パルス検出センサ20、3
0の出力Sa,Sbをそのまま通常の電気ケーブルを介し
て電圧補償部40および温度補償部50に入力するよう
にした場合、磁気パルス圧縮回路から発生される高速、
高電圧パルスと電磁結合して前記検出出力Sa,Sbに多
大なノイズが混入し、その後の信号処理が非常に困難に
なる。そこで、この場合は、上記電流パルス検出センサ
20、30の出力Sa,Sbを発光ダイオードなどを用い
て光信号に変換し、該変換した光信号を光ファイバを介
して電圧補償部40及び温度補償部50に入力するよう
にしている。
【0069】電圧補償部40は、電源電圧の変動による
発光遅延時間td´のばらつきを補償するものであり、
この場合は電源電圧変動による磁気スイッチAL2の飽
和時間(τ1+σ2)のばらつきσ2を補償する。
【0070】図9は、電圧補償部40の一例を示すもの
で、遅延時間変換部41および遅延部42で構成されて
いる。遅延時間変換部41は、電源電圧指令値を電圧補
償用の遅延時間Tdyに変換するもので、例えば、最小電
圧から最大電圧までの範囲内での各種電源電圧値と、電
圧補償用の遅延時間Tdyとの関係が設定記憶されたメモ
リテーブルで構成されている。
【0071】前述したように、ステッパ装置側に対する
発光タイミング信号Htの送出時点を発光遅延時間td´
が最も短くなる状態のときの、電流パルス検出センサ2
0の検出時点t3とするようにした場合は、各種電源電
圧に応じた磁気スイッチAL2の飽和時間ばらつきσ2を
計測または計算によって求め、このσ2と電源電圧との
対応関係をそのままメモリテーブルに記憶するようにす
ればよい。
【0072】遅延部42では、図10にその入出力のタ
イムチャートを示すように、遅延時間変換部41から出
力される遅延時間Tdy分だけ電流パルス検出センサ20
の検出信号Saを遅延することにより、発光タイミング
信号Htの電源電圧補償を実行する。
【0073】ここで、さらに遅延時間変換部41の詳細
構成について説明する。
【0074】まず、図11は、遅延時間変換部41の詳
細構成の具体例を示し、メモリテーブル41aに複数の
異なる電源電圧値V0に応じた遅延時間Tdyを予め記憶
している。これらの遅延時間Tdyは、各電源電圧V0を
各種変化させて実発光遅延時間tdを実測することで、
各電源電圧V0に対応する適当な値を予め演算し、これ
をメモリテーブル40に記憶する。
【0075】したがって、実際にレーザ発振を行う際に
は、各パルス発振の毎に、読出し部41bで、当該電源
電圧V0に対応する遅延時間Tdyを読み出し、これを遅
延部42に出力することで、パルス発振同期信号TRを
遅延時間Tdyだけ遅延させる。なお、読出し部41b
は、メモリテーブル41aにない電源電圧値V0が入力
された場合は、この電源電圧V0に近い2つの電源電圧
V01、V02(V01<V0<V02)に対応する遅延時間Td
y1、Tdy2をメモリテーブル41aから読み出し、これ
ら用いて直線補間を行うことで、V0に対応する遅延時
間Tdyを求めるようにする。
【0076】このようなメモリテーブル41aを用いて
電圧指令値V0に対応する遅延時間Tdyを変換出力する
ようにしてもよい。
【0077】図12は、遅延時間変換部41の詳細構成
の他の具体例を示し、この場合は、電源電圧V0に対応
する遅延時間Tdyを実際に双曲線近似演算を行うことで
求めるようにしている。すなわち、遅延時間変換部41
は、Tdy演算部41cを有し、このTdy演算部41c
が、入力された電圧指令値V0に対応する遅延時間Tdy
を双曲線近似演算を行って出力するようにしている。
【0078】図13は、Tdy演算部41cによる演算内
容を説明する図である。まず、外部トリガ信号TRから
実発光開始の時点t6までの実発光遅延時間td(図4
1参照)は、 td=(a/V0)+b …(1) なる双曲線近似を行うことができる(図13参照)。
【0079】一方、外部トリガ信号TRから時点t3
(電流パルス検出センサ20の出力Sa)までの期間は
(td−td’)も、次式(2)に示す双曲線近似を行う
ことができる。すなわち、 td−td’=(c/V0)+d …(2) である。ここで、a〜dは、定数である。従って、遅延
時間td’は、 td’=td−(td−td’) =(a−c)/V0+(b−d) …(3) となり、遅延時間td’も双曲線近似することができ
る。但し、この遅延時間td’は、雰囲気温度等の環境
が同じであるとした前提のもとに得られるもので、電圧
補償部40によって電圧補償される部分のみの遅延時間
Tdyに相当する。従って、遅延時間Tdyは、電圧指令値
V0に対応して、直ちに双曲線近似演算によって出力す
ることができることになる。
【0080】なお、上記式におけるパラメータa〜d
は、2つの異なる電源電圧V01、V02を用いてレーザ発
振を行わせた際の、実発光遅延時間をtd1、td2、およ
び(td1−td1’)、(td2−td2’)を計測し、これ
らの計測値と電源電圧V01、V02を用いて、予め計算し
ておく。
【0081】図14は、上記双曲線近似式(1)〜
(3)のパラメータa〜dを自動生成するための構成を
示すものである。
【0082】発光タイミング検出部62は、出射された
レーザ光の一部を適宜サンプリングすることで、実際の
レーザ光の発光時点を示す発光タイミング信号(t6)
を出力する。計測部63は、パルス発振同期信号TR
と、発光タイミング信号とに基づいて、パルス発振同期
信号TRが主スイッチSWに印加された時点からレーザ
が実際に発光するまでの実発光遅延時間tdを計測し、
さらに、パルス発振同期信号TRと、出力信号Saとに
基づいて、パルス発振同期信号TRが主スイッチSWに
印加された時点から出力Saが得られる時点までの遅延
時間(td−td’)を計測し、記憶部64に出力する。
【0083】記憶部64は、計測部63で計測された各
種計測値td1、td2、td3、…,(td1−td1’)、
(td2−td2’)、(td3−td3’)、…をそのとき
の電源電圧指令値V0(V01、V02、V03、…)に対応
付けて記憶する。計算部65は、記憶部64に記憶され
た複数組のtd値,(td−td’)値およびV0値を用い
てパラメータa〜dを複数回計算し、それらの平均値を
求めることで最終的なパラメータ値a〜dを求める。そ
して、このようにして求めたパラメータ値a〜dをTdy
演算部41cに設定させ、上記双曲線近似式のパラメー
タa〜dを定期的に更新するようにする。
【0084】このようにして、双曲線近似式を用いて直
接に演算出力することによっても、遅延時間Tdyを出力
することができる。
【0085】ここで、温度補償を行わない場合で、発光
前の一定時間前に発光タイミング信号Htを送出する場
合には、図15に示すように、さらに、一定時間tcons
tを減算した遅延時間twaitを出力するようにすればよ
い。
【0086】すなわち、 twait=td’−tconst =(a−c)/V0+(b−d−tconst) …(5) であり、この遅延時間twaitも、双曲線近似式となり、
上述したように、双曲線近似演算を行うことによって、
一定時間tconst前に発光タイミング信号Htをステッ
パ装置10側に送出することができる。
【0087】このようにして、図8の電圧補償部40か
らは電源電圧に起因する発光タイミングの変動が補償さ
れたタイミング信号Sa´が出力される。
【0088】次に、図8の温度補償部50は、磁気パル
ス回路内の温度の変動による発光遅延時間td´のばら
つきを補償する。すなわち、この場合は、電流パルスi
1が流れる第2段の電荷転送回路の電荷転送時間τ1およ
び電流パルスi2が流れる第3段の電荷転送回路の電荷
転送時間τ2の温度ばらつきを補償する。
【0089】図16は、温度補償部50の内部構成の一
例を示すもので、この場合は、温度を実際に検出するこ
となく温度補償を行うようにしている。
【0090】時間差カウンタ51では、電流パルス検出
センサ20の検出信号Saと電流パルス検出センサ30
の検出信号Sbの時間差をカウントすることで、電流パ
ルスi0の立上がり時点t1から電流パルスi1の立上が
り時点t3までの経過時間(τ0+σ1)を求め、この時
間差データをτ0算出部52に出力する(図17(a)〜
(c)参照)。
【0091】τ0算出部52では、電圧指令値によって
電流パルスi0の立下がり時点t2から電流パルスi1の
立上がり時点t3までの経過時間σ1を推定し、時間差カ
ウンタ51から入力され時間差データ(τ0+σ1)から
前記推定した時間データσ1を減算することにより、電
流パルスi0のパルス幅τ0を求める。したがって、τ0
算出部52内には、例えば電源電圧とσ1との対応関係
が記憶されたメモリテーブルを有している。
【0092】遅延時間算出部53は、τ0に関して磁気
パルス圧縮回路の雰囲気温度の変化に対応してとり得る
各種値と、発光タイミング信号Htを実発光時点から一
定の時間だけ前の時点に常に発生させるための温度補償
用の遅延時間Tdy´との対応関係が記憶されたメモリテ
ーブルを有している。上記遅延時間Tdy´には、温度の
変動に応じたτ1、τ2の変動分が考慮されており、該遅
延時間Tdy´をτ0値と対応付けられるように設定して
いる。すなわち、τ0が決まれば、τ1、τ2との各値は
予測できるので、これらτ1およびτ2を用いれば、実際
の発光時点t6が電流パルスi1の立上がり時点t3から
何nsec後であるか(この場合は、温度補償だけであるの
でσ2=0とする)を予測することができる。そして、
この予測した実発光時点までの時間τ1+τ2に基づき、
発光タイミング信号Htを常に実発光時点から一定の時
間だけ前の時点に発生させるためには、電流パルス検出
センサ20の検出信号Saをどのくらい遅延させればよ
いかを計算することで、上記遅延時間Tdy´を求めるこ
とができる。
【0093】遅延時間算出部53では、メモリテーブル
からτ0 算出部52から出力されるτ0値に対応する遅
延時間Tdy´値を選択し、該選択した遅延時間Tdy´値
を遅延部54に出力する。
【0094】遅延部54では、図17(d)にそのタイム
チャートを示すように、遅延時間算出部53から出力さ
れる遅延時間Tdy´分だけ電流パルス検出センサ20の
検出信号Sa(この場合は電圧補償部40の出力信号Sa
´)を遅延することにより、発光タイミング信号Htの
温度補償を実行する。
【0095】このようにして、図8の温度補償部50か
らは雰囲気温度の変動分が補償された発光タイミング信
号Htが出力される。
【0096】もちろん、図18に示すように、電流パル
ス検出センサ20および30とから等価的に求められる
環境パラメータの一つとしての温度データを温度センサ
70から取得するようにしてもよい。この温度センサ7
0は、例えば、可飽和リアクトルAL0〜AL2等で用い
る絶縁油の温度を検出する。その他、パルスレーザ側に
おける環境を検出するようにして補償するようにしても
よいのは、言うまでもない。
【0097】このようにこの第2の実施形態では、電源
電圧および環境温度の変化を補償することにより電源電
圧および環境温度の変化が発生しても常に各パルスレー
ザの実発光時点より予め設定された所定時間だけ前の時
点で発生される発光タイミング信号Htを半導体露光装
置側へ送信するようにしているので、レーザの発光タイ
ミングと半導体露光装置側での制御タイミングとの同期
精度をさらに向上させることができる。
【0098】なお、上記実施形態においては、2段の磁
気パルス圧縮回路に本発明を適用するようにしたが、3
段以上磁気パルス圧縮回路に本発明を適用するようにし
てもよい。また、本発明では、前記磁気パルス圧縮回路
の最終段の1つ前の段の電荷転送回路を流れる電流パル
スの立上がり時点を検出するようにしたが、レーザ同期
トリガ信号TRより後の磁気パルス圧縮途中のタイミン
グを検出できるものであれば、電流パルスの立上がり時
点を検出する電荷転送回路の段数は任意に設定するよう
にすればよい。
【0099】また、上記実施形態では、コンデンサ間の
電荷転送時間と磁気スイッチの飽和時間が一致するよう
に、すなわちσ0〜σ2が0になるように、電源電圧V0
の最大値を設定し、この最大電圧値を超えない範囲で電
源電圧制御を行うようにしているが、このような電源電
圧制御を行わない装置に対しても本発明を適用すること
ができる。
【0100】また、上記実施形態では、温度補償および
電圧補償はレーザ側で行うようにしたが、これら補償の
ために必要なデータを発光タイミング信号とともにレー
ザ側からステッパ側に送信し、温度補償および電圧補償
をステッパ側で行わせるようにしてもよい。また、上記
実施例では、発光タイミング信号が常に実発光時点から
所定時間前に発せられるようにレーザ側で温度補償およ
び電圧補償を行うようにしたが、電流パルス検出センサ
20の検出信号を発光タイミング信号としてステッパ側
に送出するとともに、この発光タイミング信号から何ns
ec後に実発光が発生することを示す数値データをステッ
パ側に送出するようにしてもよい。
【0101】さらに、上記実施形態では、レーザ装置を
ステップスキャン方式の露光制御を行う半導体露光装置
に接続し、レーザ装置から発生された発光タイミング信
号をステップスキャン方式の半導体露光装置に入力する
ようにしたが、レーザ装置が一括露光方式の半導体露光
装置に接続されるような場合であっても上記発光タイミ
ング信号を一括照射方式の半導体露光装置に入力するよ
うにしてもよい。一括露光方式においては、ウェハが載
置されたステージを停止させてひとつのICチップ全体
を一括レーザ照射して露光を行うが、レーザ照射位置を
露光の終了したICチップ位置から次のICチップへと
移動させる際にはステージの移動制御を行わなくてはな
らない。そこで、一括照射方式の半導体露光装置におい
ても、レーザ装置側から送られてくる上記発光タイミン
グ信号を利用して、ステージ移動開始のタイミングや作
業開始のタイミングを決定するようにすれば、レーザの
発光タイミングと半導体露光装置側での制御タイミング
との同期精度を向上させることが可能になる。
【0102】また、上記実施形態では、電圧指令値の値
および雰囲気温度による電圧補償および温度補償を行う
ようにしているが、これに限らず、遅延時間に影響を及
ぼす他の要因がある場合には、その要因による影響を考
慮した補償を行うようにすればよい。例えば、温度は磁
気パルス圧縮回路における可飽和リアクトルの絶縁油の
温度変化や磁気パルス圧縮回路の近傍の雰囲気温度の双
方を取得してその影響を補償するようにしてもよい。ま
たレーザ発振機構自体から生ずる影響を加味して補償す
るようにしてもよい。
【0103】次に、第3の実施形態について説明する。
【0104】図20は、この発明の第3の実施形態に関
し、エキシマレーザ1とステッパ装置10の制御系の構
成を示すものであり、先の図2に示した構成との違い
は、レーザコントローラ5が、ステッパ装置10側から
受信したパルス発振同期信号TRを電源電圧指令V0に
応じて遅延し(詳細は後述する)、その遅延信号TRL
をパルス電源回路3に入力するようにしている点であ
る。
【0105】図19にパルス電源回路3およびレーザコ
ントローラ5の内部構成例を示す。
【0106】パルス電源回路3は、先の図40に示した
ものと同様の2段の磁気パルス圧縮回路を用いている。
【0107】レーザコントローラ5の電圧指令演算部8
0は、エネルギーモニタ4から入力されたエネルギーモ
ニタ値Eaをフィードバック信号として、ステッパ装置
10側から入力されたエネルギー指令値Eどおりのエネ
ルギーを出すのに必要な電圧指令値V0を計算し、この
計算値V0を高電圧電源HVおよび遅延時間演算部82
に出力する。
【0108】この場合、電圧指令値V0の調整範囲は、
Vmin≦V0≦Vmaxであるとする。
【0109】なお、この場合、コンデンサC0〜C2、C
p間の電荷転送時間と磁気スイッチAL0〜AL2の飽和
時間が一致するように、すなわち図41のσ0〜σ2が0
になるように電源電圧V0の最大値Vmaxを設定し、この
最大電圧値Vmaxを超えない範囲で電源電圧制御を行う
ようにしている。このため、コンデンサ間の電荷転送の
途中に磁気スイッチが飽和する、すなわちσ1、σ2が負
の値をとるような事態は発生せず、これにより電流パル
スのピーク値が低下し、通電幅が増大することは確実に
防止される。
【0110】基準遅延時間設定部81、遅延時間演算部
82および遅延部83による構成は、レーザ発振パルス
同期信号TRがエキシマレーザ1側で受信された時点か
らレーザが実際に発光するまでの時間を各パルスに亘っ
て常に一致させるためのものである。
【0111】基準遅延時間設定部81には、主スイッチ
SWがオンされてからレーザ発振が実際に開始されるま
での発光遅延時間の変動範囲の最大値以上である所定の
基準遅延時間Tdsが予め設定される。例えば、電圧指令
値V0の調整範囲Vmin≦V0≦Vmaxにおける最低電圧V
minに等しいかあるいはそれより小さな所定の電圧値Vs
(≦Vmin)を決定し、この電圧Vsでレーザ発振を行わ
せた際の主スイッチSWがオンされてからレーザ発振が
実際に開始されるまでの発振遅延時間を基準遅延時間T
dsとして設定する。基準遅延時間設定部21の設定基準
時間Tdsは遅延時間演算部82に入力される。
【0112】遅延時間演算部82は、入力された電圧指
令値V0に基づいて、当該電圧指令値V0でレーザ発振を
行ったときの実発光遅延時間tdを予測演算するととも
に、前記基準遅延時間Tdsと実発光遅延時間tdとの差
を求め、この求めた差を遅延時間τ(=Tds−td)と
して遅延部83に出力する。すなわち、電圧指令値演算
部80から出力される電圧指令V0は、基準遅延時間Td
sを求めるために使われた電源電圧Vsよりも常に大きい
値であるので(V0≧Vs)、遅延時間演算部82で予測
演算される実発光遅延時間tdは常に基準遅延時間Tds
よりも小さな値となり、その差が遅延時間τとして演算
されるのである。すなわち、電源電圧V0が大きいほ
ど、各磁気スイッチAL0〜AL2の飽和時間が短縮され
るので、これに伴って実発光遅延時間tdも短くなる。
【0113】遅延部83は、受信したパルス発振同期信
号TRを遅延時間演算部82から入力された遅延時間τ
だけ遅延し、この遅延した信号TRLを主スイッチSW
に出力する。
【0114】この結果、各パルス発振の際、パルス発振
同期信号TRが遅延部83で受信された時点から実際に
レーザ発光が発生するまでの時間は、実発光遅延時間t
d+遅延時間τ(=基準遅延時間Tds)となり、一定値
である基準遅延時間Tdsに常に一致することになる。
【0115】図21(a)は電源電圧V0を前記基準遅延時
間Tds設定用の電圧Vsとしてレーザ発振させた際の図
19の磁気パルス圧縮回路の各部での電圧波形を示すも
ので、また図21(d)は電源電圧V0を前記電圧Vsより
大きな所定の電圧Vaでレーザ発振させた際の磁気パル
ス圧縮回路の各部での電圧波形を示すものであり、これ
らの時間軸は共通としている。
【0116】これらの電圧波形の比較から明らかなよう
に、初期充電電圧(指令電圧)V0が大きくなると、電
圧時間積の部分(S0、S1、S2)が時間軸方向に縮ま
り、各磁気スイッチAL0〜AL1の各飽和時間が短くな
る。
【0117】したがって、図21(a)に示すように、初
期充電電圧V0が小さいVsの場合は、パルス発振同期信
号TRが主スイッチSWに印加されてから実際にレーザ
が発光するまでに基準遅延時間Tdsを要しているが、図
21(b)に示すように、初期充電電圧V0が大きいVaの
場合は、パルス発振同期信号TRが主スイッチSWに印
加されてから実際にレーザが発光するまでに時間td
(<Tds)しか要してはいない。
【0118】図19の遅延時間演算部82では、この実
発光遅延時間tdを予測演算し、基準遅延時間Tdsから
この演算した実発光遅延時間tdを差し引き、その差
(Tds−td)を遅延時間τとして遅延部83に出力す
る。遅延部83では、受信したパルス発振同期信号TR
をこの遅延時間τ分だけ遅延した信号TRLを形成し、
この遅延信号TRLを主スイッチSWに出力すること
で、図21に示すように、パルス発振同期信号TRがレ
ーザコントローラ5で(遅延部83に)受信された時点
から実際にレーザ発光が発生するまでの時間を、基準遅
延時間Tdsに常に一致させる。
【0119】図22は、遅延時間演算部82の具体例を
示すもので、メモリテーブル90に複数の異なる電源電
圧値V0に応じた遅延時間τを予め記憶している。これ
らの遅延時間τは、各電源電圧V0を各種変化させて実
発光遅延時間tdを実測することで、各電源電圧V0に対
応する適当な値を予め演算し、これをメモリテーブル9
0に記憶する。
【0120】したがって、実際にレーザ発振を行う際に
は、各パルス発振の毎に、読出し部91で、当該電源電
圧V0に対応する遅延時間τを読み出し、これを遅延部
83に出力することで、パルス発振同期信号TRを遅延
時間τだけ遅延させる。なお、読出し部91は、メモリ
テーブル90にない電源電圧値V0が入力された場合
は、この電源電圧V0に近い2つの電源電圧V01、V02
(V01<V0<V02)に対応する遅延時間τ1、τ2をメ
モリテーブル90から読み出し、これら用いて直線補間
を行うことで、V0に対応する遅延時間τを求めるよう
にする。
【0121】図23は、遅延時間演算部82の他の具体
例を示すもので、この場合は、電源電圧V0に対応する
遅延時間τを実際に双曲線近似演算を行うことで求める
ようにしている。
【0122】td演算部100は当該電源電圧指令に対
応する実発光遅延時間tdを予測演算するもので、上述
した双曲線近似式(1)に対応するプログラムまたは回
路が設定されている。すなわち、 td=(a/V0)+b …(1) である。
【0123】なお、上記式におけるパラメータa,b
は、2つの異なる電源電圧V01、V02を用いてレーザ発
振を行わせた際の、実発光遅延時間をtd1、td2を計測
し、これらの計測値と電源電圧V01、V02を用いて、予
め計算しておく。
【0124】td演算部100は、上記(1)式に基づ
いて、入力された電源電圧指令V0に対応する実発光遅
延時間tdを各パルス発振毎に計算し、この計算値tdを
τ演算部101に出力する。τ演算部101では、設定
されている基準遅延時間Tdsから入力された実発光遅延
時間tdを減算し、この減算結果τ(=Tds−td)を遅
延部83に出力する。
【0125】図24は、上記双曲線近似式(1)のパラ
メータa,bを自動生成するための構成を示すものであ
る。
【0126】発光タイミング検出部102は、出射され
たレーザ光の一部を適宜サンプリングすることで、実際
のレーザ光の発光時点を示す発光タイミング信号を出力
する。td計測部103は、図25に示すように、パル
ス発振同期同期信号TRと、発光タイミング信号とに基
づいて、パルス発振同期信号TRが主スイッチSWに印
加された時点からレーザが実際に発光するまでの実発光
遅延時間tdを計測し、それらの計測値をV0−td記憶
部104に出力する。
【0127】V0−td記憶部104は、td計測部10
3で計測された各種計測値td1、td2、td3、…をその
ときの電源電圧指令値V0(V01、V02、V03、…)に
対応付けて記憶する。ab計算部105は、V0−td記
憶部104に記憶された複数組のtd値およびV0値を用
いてパラメータa、bを複数回計算し、それらの平均値
を求めることで最終的なパラメータ値a,bを求める。
そして、このようにして求めたパラメータ値a,bを図
23に示したtd演算部100に入力することで、上記
双曲線近似式(1)のパラメータa,bを定期的に更新
するようにする。
【0128】図26は、この発明の第4の実施形態を示
すもので、この場合は電源電圧V0の他に、磁気圧縮回
路の雰囲気温度による実発光遅延時間tdのばらつきを
考慮して前述した遅延時間τ´を決定し、この決定した
遅延時間τ´だけパルス発振同期信号TRを遅延させる
ようにしている。
【0129】すなわち、発光遅延時間は、磁気スイッチ
AL0〜AL2の飽和時間のみならず電流パルスi0、i
1、i2の通電幅δ0、δ1、δ2(図41参照)によって
も左右されるが、通電幅(電荷転送時間)δ0、δ1、δ
2は、各段の電荷転送回路に含まれるコンデンサや磁気
スイッチの容量およびインダクタンスによって決定され
るので、これは磁気圧縮回路内の雰囲気温度によって影
響を受ける。
【0130】図26の基準遅延時間設定部81に設定記
憶される基準遅延時間Tdsは、この場合、温度が所定の
基準温度u0であってかつ前述したように電源電圧V0が
最低電圧Vmin以下の所定の電圧値Vsであるときの値が
設定されている。遅延時間演算部81は、前述したよう
に、入力された電圧指令値V0に基づいて当該電圧指令
値V0でレーザ発振を行ったときの実発光遅延時間tdを
演算し、この演算値tdと前記基準遅延時間Tdsとの差
を求め、この求めた差を遅延時間τ(=Tds−td)と
して温度補償部111に出力する。
【0131】温度センサ110は、磁気圧縮回路の雰囲
気温度uを検出するもので、その検出温度uを温度補償
部111に出力する。
【0132】温度補償部111は、複数の雰囲気温度u
と、これら雰囲気温度uに対応する遅延時間ε(この遅
延時間εは温度変化のみを考慮したもの)との対応関係
を記憶するメモリテーブルを有している。すなわち、電
源電圧V0を前記基準遅延時間Tds設定用の電圧Vsとし
た状態で、温度uを各種変化させて実発光遅延時間td
を実測し、これらの実測値tdと、電源電圧V0を前記電
圧Vsとした状態でかつ温度が所定の基準温度u0である
ときの基準遅延時間Tdsとの差ε(=Tds−td)をそ
れぞれ求め、これらの差εを雰囲気温度uに対応付けて
記憶するようにしている。
【0133】そして、温度制御部111は、温度センサ
の検出値uに対応する遅延時間εを前記メモリテーブル
から読み出し、遅延時間演算部21から入力された電源
電圧のみを考慮した遅延時間τに対し、温度を考慮した
遅延時間εを加え、この加算結果 τ´(=τ+ε)を
最終的な遅延時間τ´として遅延部83に出力する。
【0134】遅延部83では、パルス発振同期信号TR
を遅延時間τ´分だけ遅延して主スイッチSWに印加す
るようにしている。したがって、この実施形態では、電
源電圧および雰囲気温度の変化が補償されることにな
り、パルス発振同期信号TRがエキシマレーザ側で受信
された時点(またはパルス発振同期信号がステッパ装置
10で送信された時点)から実際にレーザ発光が起こる
までの時間間隔を各パルスに亘って常に一定にすること
ができる。
【0135】次に第5の実施形態について説明する。
【0136】第5の実施形態では、第3および第4の実
施形態で示したように、レーザコントローラ5がステッ
パ装置10側からパルス発振同期信号TRを受信した後
に基準遅延時間Tds後にレーザ発光するように制御する
とともに、第1および第2の実施形態で示したように一
定時間tconst前にレーザ発光することをステッパ装置
10側に通知する発光タイミング信号Htをステッパ装
置10側に送出するようにしたものである。
【0137】図27は、この発明の第5の実施形態であ
るパルス電源回路3およびレーザコントローラ5の内部
構成を示す。図27において、このパルス電源回路3お
よびレーザコントローラ5では、第1の実施形態に示し
た電流パルス検出センサ20と同一の電流パルス検出セ
ンサ85を設け、電流パルス検出センサ85は磁気スイ
ッチAL1がオンになる電流パルスi1の立ち上がり時点
t3を検出し、検出信号Saを出力する。
【0138】また、遅延部83には、さらに信号遅延部
84が設けられ、信号遅延部84は、遅延時間演算部8
2が演算した遅延時間τをもとに、実発光の一定時間t
const前に発光タイミング信号Htがステッパ装置10
側に送出するように、検出信号Saを遅延させた発光タ
イミング信号Htをステッパ装置10側に出力する。
【0139】図28は、信号遅延部84の詳細構成を示
す。図28において、twait算出部86は後述するτ/
Nカウンタ87を有し、遅延時間演算部82から入力さ
れる遅延時間τをもとに時間twaitを算出し、Ht出力
遅延部88に出力する。Ht出力遅延部88は、電流パ
ルス検出センサ85から入力される検出信号Saを時間
twaitだけ遅延した発光タイミング信号Htをステッパ
装置10側に送出する。
【0140】図29は、図15と同様な電圧指令値V0
と時間tとの関係を示す図である。この図29に示すよ
うに、パルス発振同期信号TRから基準遅延時間Tds経
過後に実発光をさせるために、パルス発振同期信号TR
の受信から遅延時間τだけ遅らせた信号TRLを主スイ
ッチSWに出力するが、さらに発光タイミング信号Ht
を生成してステッパ装置10側に一定時間tconst前に
出力するため、時点t3からの時間twaitを算出しなけ
ればならない。この時間twaitを算出するのが、twait
算出部86であるが、twait算出部86は次のようにし
て遅延時間τからこの時間twaitを算出する。
【0141】すなわち、図30に示すように、遅延時間
τは、最小の電圧指令値Vminから最大の電圧指令値Vm
axまでの間で双曲線近似で増大し、時間twaitは、逆に
双曲線近似で減少する。
【0142】そこで、遅延時間τの最大値τmaxを時間
twaitの最大値twait(max)に正規化すると、図31に
示すように、時間twaitと正規化された遅延時間τ/N
とは、それぞれの値を加算した値が常に時間twaitとな
る関係になる。この場合、正規化された遅延時間τ/N
も双曲線近似した特性を有することは言うまでもない。
ここで、 N=twait(max)/τmax である。この結果、 twait=twait(max)−τ/N となり、最小の電圧指令値Vminのときの時間twait(ma
x)と、最大の電圧指令値Vmaxのときの遅延時間τmaxと
を予め求めておけば、時間wait(max)と正規化値Nとが
定まり、これにより、任意の遅延時間τから、この遅延
時間τに対応する時間twaitが求まることになる。
【0143】例えば、図31において、電圧指令値Vx
に対応する遅延時間τxが遅延時間演算部82から入力
されると、時間twait(max)から正規化遅延時間τx/N
が減算され、この電圧指令値Vxのときの時間twait(x)
が求まる。この場合、twait算出部86は、電圧指令値
Vxの値を知る必要はなく、入力された遅延時間τxのみ
から、これに対応する時間twait(x)を直ちに算出する
ことができる。
【0144】なお、ここでは遅延時間τを時間twaitに
正規化するようにしたが、逆に時間twaitを遅延時間τ
に正規化するようにしてもよい。さらには、遅延時間τ
maxと時間twaitとの中間の所定時間にお互いを正規化
するようにしてもよい。
【0145】このようにして、第5の実施形態では、遅
延時間演算部82が演算した遅延時間τを有効活用して
発光タイミング信号Htを効率的に出力するようにして
いる。
【0146】次に、このtwait算出部86のτ/Nカウ
ンタ87の具体的な構成について説明する。
【0147】まず、図32および図33を参照してtwa
it算出部86のτ/Nカウンタ87の第1の具体的構成
について説明する。図32において、遅延時間τがイネ
ーブル信号としてタイマ121に入力される(図33
(a)参照)と、タイマ121は、イネーブルされた期
間におけるクロック信号をカウントし、遅延時間τのデ
ィスエーブルによって、このカウントされた値をホール
ドする(図33(c)参照)。このカウントされた値は
除算器122に出力され、除算器122は、このカウン
トされた値(τ相当量)を正規化値Nで除算し、その値
が確定した段階でτ/Nが出力される。その後、twait
算出部86は、twait(max)からτ/Nを減算し、この
減算した結果をtwaitとしてHt出力遅延部88に出力
することになる。
【0148】次に、図34および図35を参照してtwa
it算出部86のτ/Nカウンタ87の第2の具体的構成
について説明する。図34において、遅延時間τはm進
カウンタ131に入力され、m進カウンタ131は、入
力されるクロック信号をもとに1/m倍に相当するイネ
ーブル信号を生成し(図35(c)参照)、n倍カウン
タ132に出力する。n倍カウンタ132は、クロック
信号をn倍したn倍クロック信号を生成しており、入力
されるイネーブル信号によってn倍クロックをカウント
し(図35(e)参照)、n倍カウンタ132からは結
果的にτ/Nが出力される。その後、twait算出部86
は、twait(max)からτ/Nを減算し、この減算した結
果をtwaitとしてHt出力遅延部88に出力することに
なる。
【0149】この第2の具体的構成では、除算する演算
時間がないため、迅速にτ/Nを出力することができ
る。
【0150】次に、図36および図37を参照してtwa
it算出部86のτ/Nカウンタ87の第3の具体的構成
について説明する。図36において、遅延時間τはアン
ド回路141の一端に入力される(図37(a)参
照)。一方、シフトレジスタ142は、均等に正論理を
1/Nで巡回して生成する論理信号を生成し、アンド回
路141の他端に入力する(図37(b)参照)。例え
ば10段のシフトレジスタで1/5の正論理を生成する
場合には、「0010000100」を繰り返し出力す
ることになる。アンド回路141は、遅延時間τとシフ
トレジスタ142からの信号との論理積をとり(図37
(c)参照)、この論理積をイネーブル信号としてタイ
マ143に出力する。タイマ143は、イネーブル信号
によってイネーブルされた期間をクロック信号をもとに
計時し、この計時された時間データを出力する。この結
果、タイマから出力される時間データは、τ/Nに相当
し、その後、twait算出部86は、twait(max)からτ
/Nを減算し、この減算した結果をtwaitとしてHt出
力遅延部88に出力することになる。
【0151】この第3の具体的構成では、シフトレジス
タ142から出力される1/Nによってクロック信号を
間引くことによってτ/Nを得ることができ、シフトレ
ジスタ142の値を変更するのみで、迅速にτ/Nを出
力することができる。
【0152】次に、図38を参照してtwait算出部86
のτ/Nカウンタ87の第4の具体的構成について説明
する。図38において、この第4の具体的構成は、第3
の具体的構成と同様に、遅延時間τはアンド回路151
の一端に入力される。一方、シフトレジスタ152は、
均等に正論理を1/Nで巡回して生成する論理信号を生
成し、アンド回路151の他端に入力する。アンド回路
151は、遅延時間τとシフトレジスタ152からの信
号との論理積をとり、この論理積をイネーブル信号とし
てタイマ153に出力する。タイマ153は、イネーブ
ル信号によってイネーブルされた期間をクロック信号を
もとに計時し、この計時された時間データを出力する。
【0153】この第4の具体的構成ではさらに、シフト
レジスタ152に設定される複数の論理パターンPT1
〜PTnがメモリ154に格納されている。制御部15
7は、セレクタ156によって所望の論理パターンPT
1〜PTnを選択させ、シフトレジスタ152にロード
させる。このロードが終了すると、制御部157は、シ
フトレジスタ152に対してシフト動作を実行させて、
第3の具体的構成と同様に論理パターンをアンド回路1
51に出力する。
【0154】従って、タイマから出力される時間データ
は、シフトレジスタ152にロードされた所望の1/N
の論理パターンに対応したτ/Nに相当し、その後、t
wait算出部86は、twait(max)からτ/Nを減算し、
この減算した結果をtwaitとしてHt出力遅延部88に
出力することになる。
【0155】この結果、第3の具体的構成では、例えば
1/Nが1/100である場合、100段のシフトレジ
スタを必要とするが、第4の具体的構成では、「000
0000000」の論理パターンの9回繰り返しと「1
000000000」の論理パターンの1回繰り返しと
を切換選択させて用いればよいので、10段のシフトレ
ジスタで実現することができ、小型軽量化と柔軟な拡張
性を持たせることができる。
【0156】なお、上述した第5の実施形態には、τ/
Nの演算時間の少ない第2〜第4の具体的構成が好まし
く、さらに、Nの変更設定が容易である第3および第4
の具体的構成が好ましい。
【0157】なお、上記実施形態において、遅延部83
はパルス発振同期信号TRが入力された時点でタイムカ
ウントを開始し、前記遅延時間τが経過した時点でパル
ス発振同期信号TRを出力するためのトリガ信号を発生
する適宜のタイマー手段で構成することができる。ま
た、この遅延部83を、パルス発振同期信号TRが入力
された時点で積分動作を開始する積分器と、この積分器
の出力と遅延時間に対応する出力τを比較し、その比較
結果が一致したときにパルス発振同期信号TRを出力す
るためのトリガ信号を発生するコンパレータとから構成
するようにしてもよい。
【0158】なお、上記実施形態においては、2段の磁
気パルス圧縮回路に本発明を適用するようにしたが、3
段以上磁気パルス圧縮回路に本発明を適用するようにし
てもよい。
【0159】また、上記実施形態では、コンデンサ間の
電荷転送時間と磁気スイッチの飽和時間が一致するよう
に、すなわちσ0〜σ2が0になるように、電源電圧V0
の最大値を設定し、この最大電圧値を超えない範囲で電
源電圧制御を行うようにしているが、このような電源電
圧制御を行わない装置に対しても本発明を適用すること
ができる。
【0160】また、この発明は、ステップスキャン方式
および一括露光方式の何れの露光制御を行う半導体露光
装置に対して適用可能である。
【0161】また、上記実施形態では、電圧指令値の値
および雰囲気温度による電圧補償および温度補償を行う
ようにしているが、これに限らず、遅延時間に影響を及
ぼす他の要因がある場合には、その要因による影響を考
慮した補償を行うようにすればよい。例えば、温度は磁
気パルス圧縮回路における可飽和リアクトルの絶縁油の
温度変化や磁気パルス圧縮回路の近傍の雰囲気温度の双
方を取得してその影響を補償するようにしてもよい。ま
たレーザ発振機構自体から生ずる影響を加味して補償す
るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す回路ブロック図
である。
【図2】本発明を適用したエキシマレーザ及びステッパ
の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】電流パルス検出センサの具体的構成およびその
場合の電流および電圧波形を示す図である。
【図4】電流パルス検出センサの他の具体的構成および
その場合の電流および電圧波形を示す図である。
【図5】電流パルス検出センサの他の具体的構成および
その場合の電流および電圧波形を示す図である。
【図6】電流パルス検出センサの他の具体的構成を示す
図である。
【図7】電流パルス検出センサの他の具体的構成および
その場合の電流および電圧波形を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す回路ブロック図
である。
【図9】電圧補償部の内部構成例を示す図である。
【図10】図9の遅延部の入出力信号のタイムチャート
である。
【図11】電圧補償部の具体的詳細構成を示す図であ
る。
【図12】電圧補償部の他の具体的詳細構成を示す図で
ある。
【図13】電圧指令値と遅延時間との関係が双曲線近似
曲線となることを説明する説明図である。
【図14】双曲線近似曲線のパラメータ取得のための構
成を示す図である。
【図15】発光前、一定時間前に発光タイミング信号を
送出する場合における双曲線近似曲線と一定時間との関
係を示す図である。
【図16】温度補償部の内部構成例を示す図である。
【図17】図16の各部の信号のタイムチャートであ
る。
【図18】温度センサを用いて温度補償を行う場合で本
発明の第2の実施形態における変形例を示す回路ブロッ
ク図である。
【図19】本発明の第3の実施形態を示す回路ブロック
図である。
【図20】本発明を適用したエキシマレーザ及びステッ
パの制御系の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の作用を示すための磁気圧縮回路の各
部の電圧波形、パルス発振同期信号等の信号を示すタイ
ムチャートである。
【図22】遅延時間演算部の内部構成例を示す図であ
る。
【図23】遅延時間演算部の他の内部構成例を示す図で
ある。
【図24】双曲線近似曲線のパラメータを自動生成する
ための構成を示す図である。
【図25】図24の作用を説明するタイムチャートであ
る。
【図26】本発明の第4の実施形態を示す回路ブロック
図である。
【図27】本発明の第5の実施形態を示す回路ブロック
図である。
【図28】出力信号遅延部84の詳細構成を示す図であ
る。
【図29】基準遅延時間Tdsを設定した場合における電
圧指令値V0に対する各時間の関係を示す図である。
【図30】電圧指令値V0に対する時間τと時間twait
との関係を示す図である。
【図31】図30において時間τを時間twaitに対して
正規化した場合の図である。
【図32】twait算出部86のτ/Nカウンタ87の第
1の具体的構成を示す図である。
【図33】図32の各部の信号を示すタイミングチャー
トである。
【図34】twait算出部86のτ/Nカウンタ87の第
2の具体的構成を示す図である。
【図35】図34の各部の信号を示すタイミングチャー
トである。
【図36】twait算出部86のτ/Nカウンタ87の第
3の具体的構成を示す図である。
【図37】図36の各部の信号を示すタイミングチャー
トである。
【図38】twait算出部86のτ/Nカウンタ87の第
4の具体的構成を示す図である。
【図39】従来のエキシマレーザ及びステッパの制御系
の構成を示す図である。
【図40】一般的な磁気圧縮回路を示す図である。
【図41】磁気圧縮回路の各部の電圧および電流波形を
示す図である。
【図42】ステップスキャン方式の縮小投影露光を説明
する説明図である。
【符号の説明】
1…エキシマレーザ 2…レーザチャンバ 3…パルス
電源装置 4…エネルギーモニタ 5…レーザコントローラ 6…
主放電電極 7…IC 10…ステッパ装置 11…ステッパコント
ローラ 12…ウェハテーブル 20,30…電流パルス検出セ
ンサ 22…コア 40…電圧補償部 41…遅延時間変換部 41a,9
0…メモリテーブル 41b,91…読出し部 41c…Tdy演算部 42,
54,83…遅延部 50,111…温度補償部 51…時間差カウンタ 5
2…τ0算出部 53…遅延時間算出部 80…電圧指令値演算部 81…基準遅延時間設定部 82…遅延時間演算部 8
4…出力信号遅延部 86…twait算出部 87…τ/Nカウンタ 100…
td演算部 101…τ演算部 110…温度センサ AL0〜AL2
…磁気スイッチ HV…高電圧電源 SW…主スイッチ C0〜C2a…コ
ンデンサ Cp…ピーキングコンデンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電電源に対し直列に接続された複数の
    磁気スイッチとそれぞれが前記充電電源に対し並列に接
    続された複数のコンデンサとによって複数段の電荷転送
    回路を構成し、この複数段の電荷転送回路によって電流
    パルスを複数段に圧縮する磁気パルス圧縮回路と、 この磁気パルス圧縮回路に前記充電電源を断続するスイ
    ッチング動作を行うスイッチング手段と、 前記磁気パルス圧縮回路の出力端に接続されたレーザ放
    電電極と、 を有し、 半導体露光装置側より受信した所定の繰り返し周波数を
    有するレーザ発振同期信号をトリガとして前記スイッチ
    ング手段をオンすることにより、所定の繰り返し周波数
    のパルスレーザ発振を実行するパルスレーザにおいて、 前記磁気パルス圧縮回路における予め設定された所定の
    段の電荷転送回路を流れる電流パルスの立上がり時点を
    検出する電流検出手段と、 前記充電電源に対する電圧指令値と前記電流検出手段が
    検出した時点からパルスレーザの実発光時点までの遅延
    時間との双曲線近似関係式を用いて、前記電圧指令値に
    応じた前記遅延時間から予め設定された所定時間を減算
    した待ち遅延時間を算出し、前記電流検出手段から出力
    される検出信号を該待ち遅延時間遅延した遅延信号を各
    パルスレーザ発振の発光タイミング信号として前記半導
    体露光装置側に出力する出力制御手段と、 を具備したことを特徴とするパルスレーザの発光タイミ
    ング信号制御装置。
  2. 【請求項2】 充電電源に対し直列に接続された複数の
    磁気スイッチとそれぞれが前記充電電源に対し並列に接
    続された複数のコンデンサとによって複数段の電荷転送
    回路を構成し、この複数段の電荷転送回路によって電流
    パルスを複数段に圧縮する磁気パルス圧縮回路と、 この磁気パルス圧縮回路に前記充電電源を断続するスイ
    ッチング動作を行うスイッチング手段と、 前記磁気パルス圧縮回路の出力端に接続されたレーザ放
    電電極と、 前記充電電源に対する電圧指令値を出力する制御手段
    と、 を有し、 半導体露光装置側より受信した所定の繰り返し周波数を
    有するパルス発振同期信号をトリガとして前記スイッチ
    ング手段をオンすることにより、所定の繰り返し周波数
    のパルスレーザ発振を実行するパルスレーザにおいて、 前記スイッチグ手段がオンされてからレーザ発振が開始
    されるまでの実発光遅延時間の変動範囲の最大値以上で
    ある所定の基準遅延時間が予め設定される基準遅延時間
    設定手段と、 前記設定された基準遅延時間と前記制御手段から出力さ
    れる電圧指令値に対応する当該パルス発振の前記実発光
    遅延時間との差を各パルス発振毎に求める遅延時間演算
    手段と、 前記半導体露光装置から受信されるパルス発振同期信号
    を前記遅延時間演算手段で演算された差時間分だけ遅延
    して前記スイッチング手段に出力する遅延手段と、 前記磁気パルス圧縮回路における予め設定された所定の
    段の電荷転送回路を流れる電流パルスの立上がり時点を
    検出する電流検出手段と、 前記充電電源に対する電圧指令値と前記電流検出手段が
    検出した時点からパルスレーザの実発光時点までの遅延
    時間との双曲線近似関係式を用いて、前記電圧指令値に
    応じた前記遅延時間から予め設定された所定時間を減算
    した待ち遅延時間を算出し、前記電流検出手段から出力
    される検出信号を該待ち遅延時間遅延した遅延信号を各
    パルスレーザ発振の発光タイミング信号として前記半導
    体露光装置側に出力する出力制御手段と、 を具備したことを特徴とするパルスレーザの発光タイミ
    ング信号制御装置。
  3. 【請求項3】 前記出力制御手段は、 前記遅延時間演算手段が求めた差を前記待ち遅延時間の
    最大値に正規化し、この差とこの正規化した待ち遅延時
    間との双曲線近似関係を用いて前記待ち遅延時間を計測
    するカウンタを具備したことを特徴とする請求項2に記
    載のパルスレーザの発光タイミング信号制御装置。
JP36474698A 1998-12-22 1998-12-22 パルスレーザの発光タイミング信号制御装置 Expired - Lifetime JP4148379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36474698A JP4148379B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 パルスレーザの発光タイミング信号制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36474698A JP4148379B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 パルスレーザの発光タイミング信号制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000188439A true JP2000188439A (ja) 2000-07-04
JP4148379B2 JP4148379B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=18482571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36474698A Expired - Lifetime JP4148379B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 パルスレーザの発光タイミング信号制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4148379B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002353545A (ja) * 2001-03-21 2002-12-06 Komatsu Ltd 注入同期式又はmopa方式のレーザ装置
JP2005148550A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Gigaphoton Inc 光学的パルス伸長器および露光用放電励起ガスレーザ装置
KR100692208B1 (ko) 2006-02-01 2007-03-12 한국원자력연구소 고에너지 레이저 시스템에서 고출력을 얻기 위한 트리거제어 장치 및 방법
JP2008235457A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Canon Inc 露光装置
JP2009194063A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Gigaphoton Inc 放電励起式ガスレーザ装置およびその故障箇所判別方法
JP2012019250A (ja) * 2001-03-21 2012-01-26 Komatsu Ltd 注入同期式又はmopa方式のレーザ装置
JP2012204820A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Gigaphoton Inc レーザシステムおよびレーザ生成方法
WO2022264367A1 (ja) * 2021-06-17 2022-12-22 ギガフォトン株式会社 レーザ装置、レーザ制御方法及び電子デバイスの製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002353545A (ja) * 2001-03-21 2002-12-06 Komatsu Ltd 注入同期式又はmopa方式のレーザ装置
JP2012019250A (ja) * 2001-03-21 2012-01-26 Komatsu Ltd 注入同期式又はmopa方式のレーザ装置
JP2005148550A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Gigaphoton Inc 光学的パルス伸長器および露光用放電励起ガスレーザ装置
KR100692208B1 (ko) 2006-02-01 2007-03-12 한국원자력연구소 고에너지 레이저 시스템에서 고출력을 얻기 위한 트리거제어 장치 및 방법
JP2008235457A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Canon Inc 露光装置
JP2009194063A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Gigaphoton Inc 放電励起式ガスレーザ装置およびその故障箇所判別方法
JP2012204820A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Gigaphoton Inc レーザシステムおよびレーザ生成方法
US9184555B2 (en) 2011-03-28 2015-11-10 Gigaphoton Inc. Laser system and laser light generation method
WO2022264367A1 (ja) * 2021-06-17 2022-12-22 ギガフォトン株式会社 レーザ装置、レーザ制御方法及び電子デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4148379B2 (ja) 2008-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3734204B2 (ja) パルスレーザの発光タイミング制御装置
US7230966B2 (en) Injection locking type or MOPA type of laser device
US8569722B2 (en) Extreme ultraviolet light generation apparatus
CN104057203B (zh) 激光加工装置以及激光加工方法
KR19990044284A (ko) 레이저 가공장치 및 레이저 장치
US7308013B2 (en) Excimer or molecular fluorine laser system with precision timing
JP2005064184A (ja) 2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置及び2ステージレーザシステム
JP4148379B2 (ja) パルスレーザの発光タイミング信号制御装置
JPH09248682A (ja) レーザ装置
JP3830591B2 (ja) レーザ装置
US9806490B2 (en) Laser system
JP2000156535A (ja) インジェクションロック型狭帯域化パルスレーザ装置
CN109478757B (zh) 气体激光装置
US6993052B2 (en) System and method for delay compensation for a pulsed laser
JP3806025B2 (ja) ガスレーザ装置
JP2006216867A (ja) レーザ発振器の出力補正方法およびレーザ発振器
JP3734201B2 (ja) パルスレーザの発光タイミング信号送出装置
KR20190122553A (ko) 레이저가공기 및 그 전원장치
JP3747607B2 (ja) エキシマレーザ装置のエネルギー制御装置
JP2005150526A (ja) 電源装置および高電圧パルス発生装置並びに放電励起式ガスレーザ装置
JP2779569B2 (ja) レーザ装置の出力制御装置
JP2007037204A (ja) コンデンサの充電装置
JPH0316287A (ja) パルス光源
JPH0268978A (ja) 多段増幅パルスレーザの同期制御装置
JP2001320118A (ja) レーザ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080619

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term