JP2008234694A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置に対して生産性を向上させる。
【解決手段】選択された各光ディスクDの径方向に移動自在に設けられた光ピックアップベース21と、光ピックアップベース21上で第1,第2記録再生位置間をスライドシャフト33に沿いながら各光ディスクDの径方向と直交した接線方向に移動する光ピックアップ移動体31と、光ピックアップベース21に取り付けられて光ピックアップ移動体31を移動させる駆動源36,37と、第1対物レンズ62Aを内蔵した第1対物レンズ組立体60Aと、第2対物レンズ62Bを内蔵した第2対物レンズ組立体60Bと、を備え、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に各光ディスクDの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したことを特徴とする光ピックアップ装置20を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】選択された各光ディスクDの径方向に移動自在に設けられた光ピックアップベース21と、光ピックアップベース21上で第1,第2記録再生位置間をスライドシャフト33に沿いながら各光ディスクDの径方向と直交した接線方向に移動する光ピックアップ移動体31と、光ピックアップベース21に取り付けられて光ピックアップ移動体31を移動させる駆動源36,37と、第1対物レンズ62Aを内蔵した第1対物レンズ組立体60Aと、第2対物レンズ62Bを内蔵した第2対物レンズ組立体60Bと、を備え、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に各光ディスクDの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したことを特徴とする光ピックアップ装置20を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置に関するものである。
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この種の光記録媒体となる光ディスクとして、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販され、最近では、より一層高密度化を図った2種類の高密度光ディスクが流通している。
即ち、2種類の高密度光ディスクは、Blu−ray Disc及びHD DVD(High Definition DVD)である。
まず、上記したCDは、波長が780nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.45〜0.5程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から1.2mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。
また、上記したDVDは、波長が650nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.6から0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、DVDの記録容量はCDよりも6〜8倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で4.7GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したBlu−ray Discは、波長が405nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.85程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から0.1mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、Blu−ray Discの記録容量はDVDよりも5倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したHD DVDは、波長が405nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、HD DVDの記録容量はDVDよりも3倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で15GB(ギガバイト)程度である。
そして、上記のような複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生をする光ディスク装置として、開口数(NA)の異なる2つの対物レンズを備え、各対物レンズを複数種の光ディスクに対応して選択的に切り換えるように構成した光ディスク装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、Blu−ray Disc,HD DVD,DVD,CDなどの複数種の光ディスクに対して記録又は再生する場合の光学系を備えた光ピックアップ装置及び光学的情報処理装置がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−318973号公報
特開2007−26540号公報
図19は従来の光ディスク装置を示した斜視図である。
図19に示した従来の光ディスク装置100は、上記した特許文献1(特開2004−318973号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
図19に示した如く、従来の光ディスク装置100では、不図示の筺体内に複数種の光ディスクDを選択的に搭載して回転駆動するスピンドルモータ101が取り付けられている。
また、スピンドルモータ101の右方には、複数種の光ディスクDに対して選択的に記録又は再生をするための光ピックアップ装置110が所定の間隔を離して互いに平行に設けられたスクリューシャフト102とガイドシャフト103とに沿って光ディスクDの径方向となる矢印X1,X2方向に直線移動自在に設けられている。
上記した光ピックアップ装置110は、スクリューシャフト102とガイドシャフト103とに案内される箱状の光ピックアップベース111内に複数種の光ディスクDに対応して複数の半導体レーザや複数の光学部品が搭載されていると共に、この光ピックアップベース111の上面111a上に直線移動機構120を採用した光ピックアップ移動体121が2本のスライドシャフト112(図19では1本のみ図示)に沿って光ディスクDの径方向と直交した接線方向となる矢印Y1,Y2方向に直線移動自在に設けられている。
また、上記した光ピックアップ移動体121の上面121aには、光ピックアップ装置110を構成する構成部材として、開口数(NA)が0.65の第1対物レンズ122を内蔵した第1レンズホルダ123が複数本の第1ワイヤ124により揺動自在に取り付けられ、且つ、開口数(NA)が0.85の第2対物レンズ125を内蔵した第2レンズホルダ126が複数本の第2ワイヤ127により揺動自在に取り付けられており、この際に第1,第2レンズホルダ123,126同士が矢印Y1,Y2方向に沿って互いに対向している。
ここで、複数種の光ディスクDに対して選択的に記録又は再生をするには、光ディスクDの種類に対応して第1対物レンズ122又は第2対物レンズ125を光ディスクDの中心を通り且つスクリューシャフト102及びガイドシャフト103と平行な仮想中心線Kに沿って移動できるように第1対物レンズ122又は第2対物レンズ125の各位置を切り換える必要がある。
これに伴って、光ピックアップ移動体121には、スクリューシャフト102側の側面121bにラック部121cが形成されている。
また、スクリューシャフト102の右端近傍にはレンズ切換駆動部130が設けられており、このレンズ切換駆動部130は、モータ131の軸に取り付けたギア132と、ギア132に噛合する大径ギア133aと光ピックアップ移動体121に形成したラック部121cに噛合する小径ギア133bとを一体的に形成した二段ギア133とから構成されている。
そして、光ピックアップ装置110を矢印X1方向に移動させた時に、光ピックアップベース111上の光ピックアップ移動体121に形成したラック部121cが二段ギア133の小径ギア133bに噛合することで、光ピックアップ移動体121を矢印Y1,Y2方向に直線的に移動させることができるので、第1対物レンズ122を内蔵した第1レンズホルダ123を第1記録再生位置となる第1停止位置に位置決め固定するか、又は、第2対物レンズ125を内蔵した第2レンズホルダ126を第2記録再生位置となる第2停止位置に位置決め固定するかを切り換えることができるようになっている。
ところで、従来の光ディスク装置100によれば、前述したように、光ディスクDの種類に対応して光ピックアップ装置110の光ピックアップベース111上に取り付けた光ピックアップ移動体121を光ディスクDの径方向に対して直交する接線方向(矢印Y1,Y2方向)に直線的に移動させて、光ピックアップ移動体121上に取り付けた第1レンズホルダ123内の第1対物レンズ122を第1停止位置に位置決め固定するか、又は、光ピックアップ移動体121上に取り付けた第2レンズホルダ126内の第2対物レンズ125を第2停止位置に位置決め固定するかを切り換えているので、複数種の光ディスクDに対して選択的に記録又は再生をすることができるものの、第1対物レンズ122を内蔵した第1レンズホルダ123と第2対物レンズ125を内蔵した第2レンズホルダ126とが光ピックアップ移動体121上に直接取り付けられているために、第1,第2対物レンズ122,125を複数本の第1,第2ワイヤ124,127を介して電磁的に揺動させるための複数のマグネット(図示せず)をピックアップ移動体121上に固着させる際に、複数のマグネット(図示せず)のピックアップ移動体121上への取り付け位置調整などを行わなければならないために、光ピックアップ装置110の生産性が低下してしまう。
また、第1対物レンズ122を内蔵した第1レンズホルダ123と第2対物レンズ125を内蔵した第2レンズホルダ126とが光ピックアップ移動体121上に直接取り付けられているために、第1対物レンズ122と第2対物レンズ125とを複数種の光ディスクDの各信号面(図示せず)に対して略垂直な姿勢を取るように個別にチルト調整を行うことができない。
一方、先に示した特開2007−26540号公報に開示された光ピックアップ装置及び光学的情報処理装置によれば、HD DVDとBlu−ray Discのように、同じ波長のレーザ光を用いる基板厚の異なる二つの光ディスクを、一つの光学的情報処理装置で取り扱えるようにし、また、CDやDVDのように更に他の光ディスクとの互換性を実現して、記録又は再生処理が可能な技術的思想が開示されているものの、同号公報では光学系のみについて開示されているにすぎない。
そこで、複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置において、光ピックアップベース上に取り付けた光ピックアップ移動体を光ディスクの径方向に対して直交する接線方向に移動させ、且つ、この光ピックアップ移動体上に第1対物レンズを内蔵した第1レンズホルダを複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第1対物レンズ組立体と、第2対物レンズを内蔵した第2レンズホルダを複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第2対物レンズ組立体とを生産性良く取り付けることができると共に、第1,第2対物レンズを複数種の光ディスクの各信号面に対して略垂直な姿勢を取るようにそれぞれ個別にチルト調整した状態で取り付けることができ、且つ、第1,第2対物レンズ組立体の小型化ができ、更に、複数の半導体レーザから出射させた各レーザ光を第1,第2対物レンズ組立体に良好に入射させることができる光ピックアップ装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置において、
選択された各光ディスクの径方向に移動自在に設けられ、且つ、前記各光ディスクに対応した半導体レーザを複数個搭載した光ピックアップベースと、
前記光ピックアップベース上に間隔を離して形成した第1,第2ストッパにそれぞれ当接する第1,第2記録再生位置間をガイド部材に沿いながら前記各光ディスクの径方向と直交した接線方向に移動する光ピックアップ移動体と、
前記光ピックアップベースに取り付けられて前記光ピックアップ移動体を移動させる駆動源と、
第1開口数の第1対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第1対物レンズ組立体と、
前記第1開口数とは異なる第2開口数の第2対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第2対物レンズ組立体と、を備え、
前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記第1,第2記録再生位置と対応して前記各光ディスクの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
選択された各光ディスクの径方向に移動自在に設けられ、且つ、前記各光ディスクに対応した半導体レーザを複数個搭載した光ピックアップベースと、
前記光ピックアップベース上に間隔を離して形成した第1,第2ストッパにそれぞれ当接する第1,第2記録再生位置間をガイド部材に沿いながら前記各光ディスクの径方向と直交した接線方向に移動する光ピックアップ移動体と、
前記光ピックアップベースに取り付けられて前記光ピックアップ移動体を移動させる駆動源と、
第1開口数の第1対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第1対物レンズ組立体と、
前記第1開口数とは異なる第2開口数の第2対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第2対物レンズ組立体と、を備え、
前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記第1,第2記録再生位置と対応して前記各光ディスクの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、請求項2記載の発明は、前記第1,第2対物レンズ組立体内の前記第1,第2対物レンズが前記各光ディスクの信号面に対して略垂直な姿勢を取るように前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記接着剤を用いて固着させたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置である。
また、請求項3記載の発明は、前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記接着剤を用いて固着させる際に、前記第1,第2対物レンズ組立体用の一対の前記サスペンションホルダを第1,第2対物レンズを挟んで互いに対向配置させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ装置である。
更に、請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか1項記載の光ピックアップ装置において、
前記光ピックアップ移動体は、前記半導体レーザから出力されたレーザ光を入射させるために第1対物レンズ用のレーザ光通過孔と第2対物レンズ用のレーザ光通過孔とを2個有し、且つ、前記レーザ光が入射する下面側で各レーザ光通過孔の入口稜部周囲に所定の角度傾斜させたレーザ光反射用テーパ孔部を有しており、該レーザ光反射用テーパ孔部で前記レーザ光通過孔の孔径よりも外側から入射される前記レーザ光をこの光束の内側に向かって反射させることを特徴とする光ピックアップ装置である。
前記光ピックアップ移動体は、前記半導体レーザから出力されたレーザ光を入射させるために第1対物レンズ用のレーザ光通過孔と第2対物レンズ用のレーザ光通過孔とを2個有し、且つ、前記レーザ光が入射する下面側で各レーザ光通過孔の入口稜部周囲に所定の角度傾斜させたレーザ光反射用テーパ孔部を有しており、該レーザ光反射用テーパ孔部で前記レーザ光通過孔の孔径よりも外側から入射される前記レーザ光をこの光束の内側に向かって反射させることを特徴とする光ピックアップ装置である。
請求項1記載の光ピックアップ装置によると、複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置において、とくに、第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上で第1,第2記録再生位置と対応して各光ディスクの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したために、第1,第2対物レンズ組立体をそれぞれ個別に組み立てた後に、第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に容易に固着できるので、光ピックアップ装置に対して生産性を向上させることができる。
また、請求項2記載の光ピックアップ装置によると、とくに、第1,第2対物レンズ組立体内の第1,第2対物レンズが各光ディスクの信号面に対して略垂直な姿勢を取るように第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に接着剤を用いて固着させたために、従来例と異なって、第1,第2対物レンズを各光ディスクの信号面に対して略垂直な姿勢を取るようにそれぞれ個別にチルト調整できるので、光ピックアップ装置の性能向上を図ることができる。
また、請求項3記載の光ピックアップ装置によると、とくに、第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に接着剤を用いて固着させる際に、第1,第2対物レンズ組立体用の一対のサスペンションホルダを第1,第2対物レンズを挟んで互いに対向配置させたために、光ピックアップ移動体は光ディスクの接線方向の幅を小さく設定できるので、光ピックアップ装置の小型化を図ることができる。
更に、請求項4記載の光ピックアップ装置によると、とくに、光ピックアップ移動体は、半導体レーザから出力されたレーザ光を入射させるために第1対物レンズ用のレーザ光通過孔と第2対物レンズ用のレーザ光通過孔とを2個有し、且つ、各レーザ光が入射する下面側でレーザ光通過孔の入口稜部周囲に所定の角度傾斜させたレーザ光反射用テーパ孔部を有しているために、複数の半導体レーザから出射させた各レーザ光の光束が光ピックアップ移動体に形成した各レーザ光通過孔の孔径よりも太径であった際に、レーザ光通過孔の孔径よりも外側から入射される各レーザ光はレーザ光反射用テーパ孔部によって光束の方向とは異なって光束の内側に向かって反射されるために、レーザ光反射用テーパ孔部で反射された反射光が複数の半導体レーザ側に戻ることがないので、複数の半導体レーザに対して反射光の影響が生じないために、複数の半導体レーザでレーザ出力の安定的発光を行うことができる。
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例について図1〜図18を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光ピックアップ装置を適用した光ディスク装置を示した斜視図、
図2は本発明に係る光ピックアップ装置を適用した光ディスク装置を示した平面図であり、(a)は第1対物レンズが第1停止位置に至った状態を示し、(b)は第2対物レンズが第2停止位置に至った状態を示した図である。
図2は本発明に係る光ピックアップ装置を適用した光ディスク装置を示した平面図であり、(a)は第1対物レンズが第1停止位置に至った状態を示し、(b)は第2対物レンズが第2停止位置に至った状態を示した図である。
図1に示した如く、本発明に係る光ピックアップ装置20では、高密度光ディスクとして2つの規格によるBlu−ray Disc,HD DVDが流通し始めていることと、既に多くが出回っているDVD又はCDの資産も活用できるようにするために、Blu−ray Disc,DVD,CDを含む3種類、又は、Blu−ray Disc,HD DVD,DVDを含む3種類、もしくは、Blu−ray Disc,HD DVD,DVD,CDを含む4種類の光ディスクDに対して記録又は再生をすることができるように構成されている。
以下、実施例について具体的に説明に説明すると、図1に示した如く、本発明に係る光ピックアップ装置20を適用した光ディスク装置10では、不図示の筺体内にBlu−ray Disc,HD DVD,DVD,CDなどの複数種の光ディスクDを選択的に搭載して回転駆動するスピンドルモータ11が取り付けられている。
また、スピンドルモータ11の右方には、複数種の光ディスクDに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置20が不図示の筺体内で所定の間隔を離して互いに平行に設置した2本のガイドシャフト12,13に沿って光ディスクDの径方向となる矢印X1,X2方向に直線移動自在に設けられている。
上記した光ピックアップ装置20は、基台となる光ピックアップベース21がアルミダイキャスト材を用いて箱状に形成されており、この光ピックアップベース21のうちでガイドシャフト12側に不図示のナット部材が取り付けられて、このナット部材が不図示のモータに固着したリードスクリューに螺合しているので、光ピックアップベース21が矢印X1,X2方向に直線移動可能となっている。
また、光ピックアップベース21内には、Blu−ray Disc,HD DVD,DVD,CDなどの複数種の光ディスクDに対応して複数の半導体レーザや複数の光学部品が搭載されており、Blu−ray Disc用及びHD DVD用として波長λが405nm前後のレーザ光を出射する第1半導体レーザ(図示せず)と、DVD用として波長λが650nm前後のレーザ光を出射する第2半導体レーザ(図示せず)と、CD用として波長λが780nm前後のレーザ光を出射する第3半導体レーザ(図示せず)とが取り付けられている。
尚、Blu−ray Disc,HD DVD,DVD,CDなどの複数種の光ディスクDに対して記録又は再生をする場合の光学系については、先に示した特許文献2(特開2007−26540号公報)により公知であるので、ここでの詳述を省略する。
また、光ピックアップベース21の上面21a上には、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30の基台となる光ピックアップ移動体31の一端側と、この光ピックアップ移動体31に対して分離して取り付けたナット部材34とが光ピックアップベース21上に2本のネジ32を介して取り付けたスライドシャフト33によって光ディスクDの径方向と直交した接線方向となる矢印Y1,Y2方向に案内され、且つ、光ピックアップ移動体31の他端側が光ピックアップベース21の上面21aに形成したガイドレール21bに案内されていると共に、ナット部材34が光ピックアップベース21上にモータブラケット35を介して取り付けられたステッピングモータ36の軸に固着したリードスクリュー37に螺合していているので、ステッピングモータ36を駆動することで、後述するように、リードスクリュー37の回転に伴って光ピックアップ移動体31とナット部材34とが一体となって矢印Y1,Y2方向に移動する第1態様と、光ピックアップ移動体31Bが光ピックアップベース21上に設けた第1,第2ストッパ21c,21dに当接した後にナット部材34Bのみが更に矢印Y1,Y2方向に移動する第2態様とを取りえるよう構成されている。
更に、光ピックアップ移動体31上には、光ピックアップ装置20の一部を構成する構成部材として、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bが接着剤を用いて光ディスクDの接線方向(矢印Y1,Y2方向)に沿って互いに対向して対称に固着されている。この際、第1対物レンズ組立体60Aは、Blu−ray Discに対応して開口数(NA)が0.85程度の第1対物レンズ62Aが内蔵されている。一方、第2対物レンズ組立体60Bは、HD DVD,DVD及びCDに対応して開口数(NA)が0.65程度の第2対物レンズ62Bが内蔵されている。尚、第1対物レンズ組立体60Aと第2対物レンズ組立体60Bとの取り付け位置を入れ替えて良いものである。
この実施例において、複数種の光ディスクDに対して選択的に記録又は再生をするには、選択された各光ディスクDの種類に対応して第1対物レンズ組立体60A内の第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ組立体60B内の第2対物レンズ62Bを光ディスクDの中心を通り且つ2本のガイドシャフト12,13と平行な仮想中心線Kに沿って移動できるように第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bの各記録再生位置を切り換える必要があるので、光ピックアップベース21の上面21a上の左右には、光ピックアップ移動体31上に取り付けた第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを第1,第2記録再生位置となる第1,第2停止位置にそれぞれ位置決めするための第1,第2ストッパ21c,21dが一軸方向となる矢印Y1,Y2方向に所定の間隔を離して設けられている。
尚、選択された各光ディスクDの種類を判別する方法は、例えば特開2006−134367号公報などの公知の方法を採用すれば良いものである。
従って、図2(a)に示した如く、光ピックアップ移動体31をスライドシャフト33及び光ピックアップベース21のガイドレール21bに沿って矢印Y1方向に移動させて、光ピックアップ移動体31の右側を第1ストッパ21cに当接させると、第1対物レンズ組立体60A内の第1対物レンズ62Aが前記した仮想中心線K上に位置するので、第1対物レンズ62Aが第1停止位置(第1記録再生位置)に至る。
一方、図2(b)に示した如く、光ピックアップ移動体31をスライドシャフト33及び光ピックアップベース21のガイドレール21bに沿って上記とは逆に矢印Y2方向に移動させて、光ピックアップ移動体31の左側を第2ストッパ21dに当接させると、第1対物レンズ組立体60B内の第2対物レンズ62Bが前記した仮想中心線K上に位置するので、第2対物レンズ62Bが第2停止位置(第2記録再生位置)に至る。
ここで、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ディスクDの径方向と直交した接線方向(矢印Y1,Y2方向)に移動させる第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30の各構成部材について、図3〜6を用いて説明する。
図3は本発明に係る光ピックアップ装置及び第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構を分解して示した分解斜視図、
図4は本発明に係る光ピックアップ装置及び第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構を一部分解して示した一部分解斜視図、
図5(a),(b)は図3に示したカムプレートを拡大して示した側面図,上面図、
図6(a)は図3に示した光ピックアップ移動体,リンクアーム,ナット部材を拡大して示した斜視図であり、(b)はナット部材を拡大して示した上面図である。
図4は本発明に係る光ピックアップ装置及び第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構を一部分解して示した一部分解斜視図、
図5(a),(b)は図3に示したカムプレートを拡大して示した側面図,上面図、
図6(a)は図3に示した光ピックアップ移動体,リンクアーム,ナット部材を拡大して示した斜視図であり、(b)はナット部材を拡大して示した上面図である。
まず、図3に示した如く、箱状に形成された光ピックアップベース21の上面21aで図示後方の中央部位には、第1〜第3半導体レーザ(図示せず)から出射した各レーザ光を透過させると共に、複数種の光ディスクDで反射された各レーザ光を透過させるレーザ光通過孔21a1が貫通して穿設されている。また、光ピックアップベース21の上面21aの略中央部位には、モータブラケット35を介してステッピングモータ36の軸に固着したリードスクリュー37が取り付けられている。
また、光ピックアップベース21の上面21a上でリードスクリュー37の近傍に軸部21eが上方に向かって突出形成されており、且つ、第1ストッパ21cと第2ストッパ21dとの中間に位置した軸部21eにアーム42の中心に穿設した中心孔42aが嵌合して、アーム42が軸部21eを中心に時計方向又は反時計方向に回動自在に設けられている。
上記したアーム42は、中心孔42aを中心に左右対称に長尺に形成されており、且つ、中心孔42aを中心にした右側及び左側に後述する光ピックアップ移動体31に形成した第1,第2被押圧部31i,31jを押圧する第1,第2押圧部42b,42cが所定の間隔を隔てて逆L字状に曲げ形成されていると共に、右端部42d及び左端部42eに後述するナット部材34に形成した第1,第2カム状バネ摺接部34d,34eに摺接するように第1,第2捩じりバネ43,44が取り付けられている。この際、第1捩じりバネ43は、第1ストッパ21cに当接した光ピックアップ移動体31を第1ストッパ21c側に押圧する機能を備えており、一方、第2捩じりバネ44は、第2ストッパ21dに当接した光ピックアップ移動体31を第2ストッパ21d側に押圧する機能を備えている。
また、光ピックアップベース21の上面21a上に形成したネジ部21fにカムプレート51の取り付け部51aが取り付けられている。
上記したカムプレート51は、図5(a),(b)に拡大して示した如く、樹脂材を用いて取り付け部51aとカムプレート部51bとが高さを僅かに違えて一体成形されている。この際、カムプレート51のカムプレート部51bに形成した略階段状カム溝部51cは、第1傾斜カム溝51c1と水平カム溝51c2と第2傾斜カム溝51c3とが略階段状に連接されている。
そして、第1,第2捩じりバネ43,44を取り付けたアーム42の中心孔42aを光ピックアップベース21の上面21a上の軸部21eに回動可能に支持した上で、アーム42の中心部位上方にカムプレート51の略階段状カム溝部51cが重なるようにカムプレート51を光ピックアップベース21の上面21a上に取り付けた状態は、図4に示した如くとなる。
図3に戻り、光ピックアップ移動体31とナット部材34とは分離されており、且つ、ナット部材34を光ピックアップ移動体31に跨がせて両者31,34間にリンクアーム52を介装させた状態で両者31,34をスライドシャフト33に嵌合させている。
ここで、上記した光ピックアップ移動体31は、アルミダイキャスト材を用いて一体成形されており、平坦な上面31a上にレーザ光を通過させる2個のレーザ光通過孔31bと第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの取り付け位置を調整するために合計8個の取り付け位置調整孔(一部は半円状切り欠き)31cとが穿設され、且つ、この上面31a上に第1対物レンズ62Aを内蔵した第1対物レンズ組立体60Aと第2対物レンズ62Bを内蔵した第1対物レンズ組立体60Bとが矢印Y1,Y2方向に沿って取り付けられている。
また、光ピックアップ移動体31は、上面31aよりも図示手前側にスライドシャフト33が嵌合するシャフト孔31dを有するシャフト孔用凸部31eが矢印Y1,Y2方向に沿って分かれて上方に向かって突出形成され、且つ、シャフト孔用凸部31eに連接してナット部材34を後述するリンクアーム52を介して連結させるためのナット支持部31fがシャフト孔用凸部31eよりも低い位置に平坦に形成されてここに孔31kが穿設されていると共に、ナット支持部31fの裏面側にアーム42の第1,第2押圧部42b,42cが当接しながら案内されるガイド壁部31hが光ピックアップ移動体31の移動方向(矢印Y1,Y2方向)と平行にアーム42の第1,第2押圧部42b,42c間の間隔よりも長尺に形成され、更に、光ピックアップベース21の第1,第2ストッパ21c,21dと対向するガイド壁部31hの右側面側及び左側面側にアーム42の第1,第2押圧部42b,42cが当接して押圧される第1,第2被押圧部31i,31jが形成されている。
また、図6(a),(b)に拡大して示した如く、上記したナット部材34は樹脂材を用いて一体成形されており、平坦な被支持部34aの両側にスライドシャフト33が嵌合するシャフト孔34fを有するシャフト孔用凸部34gが矢印Y1,Y2方向に沿って分かれて上方に向かって突出形成され、且つ、平坦な被支持部34a上で光ピックアップ移動体31のナット支持部31fに重なる部位にZ字状カム溝部34hが貫通して穿設されている。
この際、ナット部材34の被支持部34a上に形成したZ字状カム溝部34hは、第1水平溝34h1と垂直溝34h2と第2水平溝34hとがZ字状に連接されている。
一方、ナット部材34の被支持部34aに連接して前記したリードスクリュー37(図3)に螺合するナット部34cが図示前方に向かって突出形成されていると共に、光ピックアップベース21上の第1,第2ストッパ21c,21dと対向する右側面及び左側面にアーム42に取り付けた第1,第2捩じりバネ43,44が摺接する第1,第2カム状バネ摺接部34d,34eが円弧状カムとして形成されている。この際、ナット部材34のナット部34c内には不図示の圧縮バネが装着されており、この圧縮バネの付勢力でナット部34cを前記したリードスクリュー37(図3)に押し当て螺合させることで、リードスクリュー37に対して側圧を付与している。
次に、光ピックアップ移動体31とナット部材34との間に介装されるリンクアーム52は、図6(a),(b)に拡大して示した如く、一端側から上方に向かって突出させた第1ピン部52aと、一端と反対の他端側から下方に向かって突出させた第2ピン部52bとを備えている。
そして、リンクアーム52の第1ピン部52aを、光ピックアップ移動体31のナット支持部31fの裏面側からここに形成した孔31k内に回動可能に支持させると共に、リンクアーム52の第2ピン部52bを、ナット部材34の被支持部34aの上方からここに形成したZ字状カム溝部34hを通過させた後に、光ピックアップベース21の上面21a上に取り付けたカムプレート51の略階段状カム溝部51c(図3,図4)に嵌合させている。
従って、光ピックアップ移動体31の上面31a上に第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを取り付け、且つ、光ピックアップ移動体31のナット支持部31fの裏面にリンクアーム52を介してナット部材34を取り付けると、ナット部材34は光ピックアップ移動体31のナット支持部31fの裏面を跨ぐので、光ピックアップ移動体31とナット部材34とがスライドシャフト33に沿って移動可能になり、図4に示した如くとなる。
そして、リンクアーム52の第2ピン部52bがカムプレート51の略階段状カム溝部51c中の第1傾斜カム溝51c1,水平カム溝部51c2,第2傾斜カム溝51c2のいずれかに嵌合する位置に対応してリンクアーム52を第1ピン部52aを中心にして回動させて、下記の図7〜図11に示したように、リンクアーム52の第2ピン部52bをナット部材34のZ字状カム溝部34h中の第1水平溝34h1,垂直溝34h2,第2水平溝34h2のいずれかに嵌合するように切り換えている。
図7(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第1動作図、
図8(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第2動作図、
図9(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第3動作図、
図10(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第4動作図、
図11(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第5動作図である。
図8(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第2動作図、
図9(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第3動作図、
図10(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第4動作図、
図11(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構の動作を説明するための第5動作図である。
まず、図7(a)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30における第1動作図では、光ピックアップ移動体31と、この光ピックアップ移動体31の裏面にリンクアーム52を介して連結されたナット部材34とが一体となって、光ピックアップベース21上に設けた第1ストッパ21cと第2ストッパ21dとの間をスライドシャフト33に沿って矢印Y1,Y2方向に移動自在になっていると共に、後述するように、光ピックアップベース21上に回動可能に設けたアーム42は、光ピックアップ移動体31の移動方向と平行な姿勢を取っている。
この際、図7(b)に拡大して示した如く、リンクアーム52の第2ピン部52bは、光ピックアップベース21上のカムプレート51に形成した略階段状カム溝部51c中の水平カム溝51c2内を矢印Y1,Y2方向に移動自在に嵌合するように第1ピン部52aを回動支点として回動するので、リンクアーム52の第2ピン部52bはナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2の略中央部位に嵌合する。従って、リンクアーム52の第2ピン部52bがナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2内に嵌合している時には、リンクアーム52の第2ピン部52bがZ字状カム溝部34hの垂直溝34h2内を左右移動できないために、光ピックアップ移動体31とナット部材34とが一体となって矢印Y1,Y2方向に移動自在になる第1態様を取ることになる。
次に、図8(a)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構における第2動作図では、光ピックアップ移動体31と、この光ピックアップ移動体31の裏面にリンクアーム52を介して連結されたナット部材34とが一体となって矢印Y1方向に移動し、光ピックアップ移動体31の右側面が光ピックアップベース21上に設けた第1ストッパ21cに当接して第1停止位置(第1記録再生位置)に至り、光ピックアップ移動体31の矢印Y1方向への移動が停止する。この場合も、光ピックアップベース21上に回動可能に設けたアーム42は、光ピックアップ移動体31の移動方向と平行な姿勢を取っている。
この際、図8(b)に拡大して示した如く、リンクアーム52の第2ピン部52bは、光ピックアップベース21上のカムプレート51に形成した略階段状カム溝部51c中の第2傾斜カム溝51c3内に移動するように第1ピン部52aを回動支点として回動するので、リンクアーム52の第2ピン部52bはナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2の略上方部位に嵌合する。従って、リンクアーム52の第2ピン部52bがナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2内に嵌合している時には、リンクアーム52の第2ピン部52bがZ字状カム溝部34hの垂直溝34h2内を左右移動できないために、この段階まで光ピックアップ移動体31とナット部材34とが一体となって移動可能な第1態様を取ることになる。
次に、図9(a)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30における第3動作図では、光ピックアップ移動体31が第1停止位置(第1記録再生位置)で停止しているものの、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34のみが更に矢印Y1方向に移動可能になっている。この場合には、後述するように、ナット部材34の矢印Y1方向の移動に伴って、光ピックアップベース21上に回動可能に設けたアーム42は、時計方向に回動する。
この際、図9(b)に拡大して示した如く、リンクアーム52の第2ピン部52bは、光ピックアップベース21上のカムプレート51に形成した略階段状カム溝部51c中の第2傾斜カム溝51c3の上端部位に移動するように第1ピン部52aを回動支点として回動するので、リンクアーム52の第2ピン部52bはナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の第1水平溝34h1に嵌合する。従って、リンクアーム52の第2ピン部52bがナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の第1水平溝34h1内に嵌合している時には、リンクアーム52の第2ピン部52bがZ字状カム溝部34hの第1水平溝34h1内を移動できるので、ナット部材34のみが更に矢印Y1方向に移動自在になる第2態様を取ることになる。
次に、図10(a)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30における第4動作図では、光ピックアップ移動体31と、この光ピックアップ移動体31の裏面にリンクアーム52を介して連結されたナット部材34とが一体となって矢印Y2方向に移動し、光ピックアップ移動体31の左側面が光ピックアップベース21上に設けた第2ストッパ21dに当接して第2停止位置(第2記録再生位置)に至り、光ピックアップ移動体31の矢印Y2方向への移動が停止する。この場合も、光ピックアップベース21上に回動可能に設けたアーム42は、光ピックアップ移動体31の移動方向と平行な姿勢を取っている。
この際、図10(b)に拡大して示した如く、リンクアーム52の第2ピン部52bは、光ピックアップベース21上のカムプレート51に形成した略階段状カム溝部51c中の第1傾斜カム溝51c1内に移動するように第1ピン部52aを回動支点として回動するので、リンクアーム52の第2ピン部52bはナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2の略下方部位に嵌合する。従って、リンクアーム52の第2ピン部52bがナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の垂直溝34h2内に嵌合している時には、リンクアーム52の第2ピン部52bがZ字状カム溝部34hの垂直溝34h2内を左右移動できないために、この段階でも光ピックアップ移動体31とナット部材34とが一体となって移動可能な第1態様を取ることになる。
次に、図11(a)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30における第5動作図では、光ピックアップ移動体31が第2停止位置(第2記録再生位置)で停止しているものの、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34のみが更に矢印Y2方向に移動可能になっている。この場合には、後述するように、ナット部材34の矢印Y2方向の移動に伴って、光ピックアップベース21上に回動可能に設けたアーム42は、反時計方向に回動する。
この際、図11(b)に拡大して示した如く、リンクアーム52の第2ピン部52bは、光ピックアップベース21上のカムプレート51に形成した略階段状カム溝部51c中の第1傾斜カム溝51c1の下端部位に移動するように第1ピン部52aを回動支点として回動するので、リンクアーム52の第2ピン部52bはナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の第2水平溝34h3に嵌合する。従って、リンクアーム52の第2ピン部52bがナット部材34に形成したZ字状カム溝部34h中の第2水平溝34h3内に嵌合している時には、リンクアーム52の第2ピン部52bがZ字状カム溝部34hの第2水平溝34h3内を移動できるので、ナット部材34のみが更に矢印Y2方向に移動自在になる第2態様を取ることになる。
次に、上記のように構成した第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構30において、光ピックアップ移動体31を第1停止位置(第1記録再生位置)又は第2停止位置(第2記録再生位置)に押圧する動作について、図12(a),(b)及び図13(a),(b)を用いて説明する。
図12(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、光ピックアップ移動体が第1停止位置に至った際に光ピックアップ移動体を第1ストッパ側に押圧する動作を説明するために裏面から見た平面図、
図13(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、光ピックアップ移動体が第2停止位置に至った際に光ピックアップ移動体を第2ストッパ側に押圧する動作を説明するために裏面から見た平面図である。
図13(a),(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、光ピックアップ移動体が第2停止位置に至った際に光ピックアップ移動体を第2ストッパ側に押圧する動作を説明するために裏面から見た平面図である。
この際、図12(a),(b)及び図13(a),(b)において、光ピックアップベース21上では、アーム42がこの中心孔42aを軸部21eに嵌合して回動可能になっていると共に、光ピックアップ移動体31と、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34とが光ピックアップベース21上に設けた第1ストッパ21cと第2ストッパ21dとの間をスライドシャフト33に案内されながらパルスモータ36(図1,図3)によりパルス駆動されているので、光ピックアップ移動体31の停止動作はパルス数の計数に基づいて行われている。
まず、図12(a)に示した如く、光ピックアップ移動体31と、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34とが一体となってスライドシャフト33に案内されながら矢印Y1方向に向かって移動している最中では、光ピックアップ移動体31のガイド壁部31hに沿ってアーム42の第1,第2押圧部42b,42cが当接しているので、アーム42は回動することなく光ピックアップ移動体31の移動方向と平行な姿勢を取っている。従って、アーム42の右端部42d及び左端部42eに取り付けた第1,第2捩じりバネ43,44の各端部43a,44aはナット部材34の第1,第2カム状バネ摺接部34d,34eに摺接しないので、第1,第2捩じりバネ43,44の付勢力が光ピックアップ移動体31に加わらないために、光ピックアップ移動体31を軽負荷で矢印Y1方向に移動できる。
更に、図12(b)に示した如く、光ピックアップ移動体31と、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34とが一体となって更に矢印Y1方向に移動すると、先に図9を用いて説明したと同様に、光ピックアップ移動体31の右側面が光ピックアップベース21上の第1ストッパ21cに当接して光ピックアップ移動体31が第1停止位置(第1記録再生位置)に停止するものの、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34のみが更に第1ストッパ21cの方向(矢印Y1方向)に移動するので、アーム42の右端部42dに取り付けた第1捩じりバネ43中で起立した端部43aがナット部材34の第1カム状バネ摺接部34dに当接してこの第1カム状バネ摺接部34dに沿って摺接しながら下方に移動させられて第1カム状バネ摺接部34dの下端部位に掛止されるために、これに伴って、アーム42が光ピックアップベース21上の軸部21eを中心にして時計方向に回動する。
そして、アーム42が時計方向に回動すると、第1捩じりバネ43の付勢力がアーム42の第2押圧部42cに伝達されて、このアーム42の第2押圧部42cが光ピックアップ移動体31の第2被押圧部31jに当接して第2被押圧部31jに第1捩じりバネ43の付勢力が加わるために、光ピックアップ移動体31が光ピックアップベース21上の第1ストッパ21c側に押圧されて第1停止位置(第1記録再生位置)に確実に位置決めされる。
次に、図13(a)に示した如く、光ピックアップ移動体31と、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34とが一体となってスライドシャフト33に案内されながら矢印Y2方向に向かって移動している最中では、光ピックアップ移動体31のガイド壁部31hに沿ってアーム42の第1,第2押圧部42b,42cが当接しているので、アーム42は回動することなく光ピックアップ移動体31の移動方向と平行な姿勢を取っている。従って、アーム42の右端部42d及び左端部42eに取り付けた第1,第2捩じりバネ43,44の各端部43a,44aはナット部材34の第1,第2カム状バネ摺接部34d,34eに摺接しないので、第1,第2捩じりバネ43,44の付勢力が光ピックアップ移動体31に加わらないために、光ピックアップ移動体31を軽負荷で矢印Y2方向に移動できる。
更に、図13(b)に示した如く、光ピックアップ移動体31と、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34とが一体となって更に矢印Y2方向に移動すると、先に図11を用いて説明したと同様に、光ピックアップ移動体31の左側面が光ピックアップベース21上の第2ストッパ21dに当接して光ピックアップ移動体31が第2停止位置(第2記録再生位置)に停止するものの、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34のみが更に第2ストッパ21dの方向(矢印Y2方向)に移動するので、アーム42の左端部42eに取り付けた第2捩じりバネ44中で起立した端部44aがナット部材34の第2カム状バネ摺接部34eに当接してこの第2カム状バネ摺接部34eに沿って摺接しながら下方に移動させられて第2カム状バネ摺接部34eの下端部位に掛止されるために、これに伴って、アーム42が光ピックアップベース21上の軸部21eを中心にして反時計方向に回動する。
そして、アーム42が反時計方向に回動すると、第2捩じりバネ43の付勢力がアーム42の第1押圧部42bに伝達されて、このアーム42の第1押圧部42bが光ピックアップ移動体31の第1被押圧部31iに当接して第1被押圧部31iに第1捩じりバネ43の付勢力が加わるために、光ピックアップ移動体31が光ピックアップベース21上の第2ストッパ21d側に押圧されて第2停止位置(第2記録再生位置)に確実に位置決めされる。
上記したように、この実施例では、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを取り付けた光ピックアップ移動体31が光ピックアップベース21上の第1ストッパ21c又は第2ストッパ21dに当接したときのみ、光ピックアップ移動体31に対して分離したナット部材34のみが更に光ピックアップベース21上の第1ストッパ21c側又は第2ストッパ21d側に移動することで、光ピックアップ移動体31にアーム42に取り付けた第1捩じりバネ43の付勢力又は第2捩じりバネ44の付勢力が加わるので、光ピックアップ移動体31の移動中の負荷を軽減することができると共に、光ピックアップ移動体31が光ピックアップベース21上の第1ストッパ21c又は第2ストッパ21dに当接した第1停止位置(第1記録再生位置)又は第2停止位置(第2記録再生位置)で停止した時に、第1捩じりバネ43の付勢力又は第2捩じりバネ44の付勢力により第1ストッパ21c側又は第2ストッパ21d側に押圧されるので、予期しない振動や衝撃力が加わっても光ピックアップ移動体31を第1対物レンズ組立体60Aの記録再生位置となる第1停止位置又は第2対物レンズ組立体60Bの記録再生位置となる第2停止位置に確実に位置決めすることができる。
ここで、本発明に係る光ピックアップ20において、要部となる第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの構成及び第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを複数種の光ディスクDの径方向と直交した接線方向に移動自在な光ピックアップ移動体31上に固着させる場合の具体例について図14〜図18を用いて説明する。
図14は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体の構成を説明するための斜視図、
図15は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に固着させた状態を示した斜視図、
図16(a),(b)は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体の各ヨークベースの下面と光ピックアップ移動体の上面との間に接着剤を充填させた状態を示した正面図,側面図、
図17(a),(b)は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に接着剤を用いて固着させる際に、取り付け位置調整とチルト調整を説明するために断面して示した正面図,側面図、
図18は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に固着させた状態で第1,第2対物レンズに入射するレーザ光の反射状態を説明するための縦断面図であり、(a)は本発明の場合を示し、(b)は比較例の場合を示した図である。
図15は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に固着させた状態を示した斜視図、
図16(a),(b)は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体の各ヨークベースの下面と光ピックアップ移動体の上面との間に接着剤を充填させた状態を示した正面図,側面図、
図17(a),(b)は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に接着剤を用いて固着させる際に、取り付け位置調整とチルト調整を説明するために断面して示した正面図,側面図、
図18は本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体を光ピックアップ移動体上に固着させた状態で第1,第2対物レンズに入射するレーザ光の反射状態を説明するための縦断面図であり、(a)は本発明の場合を示し、(b)は比較例の場合を示した図である。
図14に拡大して示した如く、本発明の要部となる第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bは、開口数がそれぞれ異なる第1,第2対物レンズ62A,62Bを除いて同一の部材を用いて構成されている
即ち、上記した第1対物レンズ組立体60A又は第1対物レンズ組立体60Bでは、基台となるヨークベース61が軟磁性鋼板などを用いてL字状に曲げ形成されている。このヨークベース61は、下面61a及び上面61bが共に平坦に形成されており、且つ、下面61a及び上面61bの一端部側にL字状に曲げ形成されたL字状曲げ片61cが上方に向かって垂直に起立している。更に、ヨークベース61の下面61a及び上面61bの中間部位を貫通してレーザ光通過孔61d(図18のみ図示)が穿設され、且つ、周辺部位に複数の位置決め孔61eが穿設されており、これら複数の位置決め孔61eは後述するように第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に接着する際に位置調整用として用いられるものである。
即ち、上記した第1対物レンズ組立体60A又は第1対物レンズ組立体60Bでは、基台となるヨークベース61が軟磁性鋼板などを用いてL字状に曲げ形成されている。このヨークベース61は、下面61a及び上面61bが共に平坦に形成されており、且つ、下面61a及び上面61bの一端部側にL字状に曲げ形成されたL字状曲げ片61cが上方に向かって垂直に起立している。更に、ヨークベース61の下面61a及び上面61bの中間部位を貫通してレーザ光通過孔61d(図18のみ図示)が穿設され、且つ、周辺部位に複数の位置決め孔61eが穿設されており、これら複数の位置決め孔61eは後述するように第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に接着する際に位置調整用として用いられるものである。
また、ヨークベース61の上面61bの上方には、第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bを内蔵したレンズホルダ63が、この周囲にトラッキングコイルとフォーカスコイルとを巻回させたフレキシブルコイル基板64を両側に固着した状態でヨークベース61の両側にそれぞれ配置された複数本のサスペンションワイヤ65によって揺動自在に支持されている。
また、ヨークベース61の上面61b上でL字状曲げ片61cとは反対側の他端部側に樹脂成形されたサスペンションホルダ66が固着されており、このサスペンションホルダ66の外面にプリント配線基板67が取り付けられている。
そして、複数本のサスペンションワイヤ65の各一端部側は自由端となっており、且つ、各中間部位がレンズホルダ63の両側に固着したフレキシブルコイル基板64に半田付けされ、更に、各他端部側はサスペンションホルダ66の両側に形成された角孔内に充填されたダンパ剤68を通り抜けてプリント配線基板67に半田付けされている。
また、ヨークベース61の上面61b上でL字状曲げ片61cとレンズホルダ63との間に第1マグネット69が取り付けられ、且つ、レンズホルダ63とサスペンションホルダ66との間に第2マグネット70が取り付けられており、これら一対の第1,第2マグネット69,70はレンズホルダ63を挟んで互いに対向している。
この際、ヨークベース61のL字状曲げ片61cの外面と第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bの中心との間の寸法をN1と設定し、且つ、第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bの中心とサスペンションホルダ66に固着したプリント配線基板67の外面との間の寸法をN2と設定した時に、寸法N1<寸法N2に設定されている。
更に、図15に示した如く、上記構成による第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上で光ディスクD(図1,図2)の径方向と直交した接線方向となる矢印Y1,Y2方向に沿って固着させているが、この際、光ピックアップ移動体31上で第1,第2対物レンズ組立体用の一対のサスペンションホルダ66,66を第1,第2対物レンズ62A,62Bを挟んで互いに対向配置させて、第1,第2対物レンズ62A,62B同士を互いに近づけ、且つ、サスペンションホルダ66,66同士を互いに遠ざけることで、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bが僅かな隙間Sを隔てて互いに対称に固着されている。これにより、光ピックアップ移動体31は光ディスクD(図1,図2)の接線方向(矢印Y1,Y2方向)の幅を小さく設定できるので、光ピックアップ装置20(図1〜図4)の小型化を図ることができる。
尚、第1,第2対物レンズ62A,62Bの上方には、これらの第1,第2対物レンズ62A,62Bを臨ませる孔71a,71bを貫通して穿設したカバー71が取り付けられている。
そして、上記構成による第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを動作させた時に、一対の第1,第2マグネット69,70と、レンズホルダ63に固着したフレキシブルコイル基板64中のトラッキングコイルとフォーカスコイルとによる電磁作用により、複数本のサスペンションワイヤ64を介してレンズホルダ63と一体に第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bが光ディスクD(図1,図2)の径方向となる矢印X1,X2方向にトラッキング制御されると共に、第1対物レンズ62A又は第2対物レンズ62Bが光ディスクD(図1,図2)の方向にフォーカス制御されるようになっている。
次に、図16(a),(b)に示した如く、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ディスクD(図1,図2)の接線方向に移動自在な光ピックアップ移動体31上に固着させる場合に、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの各ヨークベース61の下面61aと光ピックアップ移動体31の上面31aとの間に熱硬化性接着剤72を充填させている。
この際、熱硬化性接着剤72は光ピックアップ移動体31の上面31aの周囲に低い高さで複数形成した接着剤固着片31mの内側に沿って充填させることで、熱硬化性接着剤72が複数の接着剤固着片31mの外側にはみ出さないようになっている。この熱硬化性接着剤72により、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bをそれぞれ個別に組み立てた後に、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に容易に固着できるので、光ピックアップ装置20(図1〜図4)に対して生産性を向上させることができる。
そして、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの各ヨークベース61の下面61aと光ピックアップ移動体31の上面31aとの間に熱硬化性接着剤72を充填させた後に、図17(a),(b)に示した如く、治具80を用いて光ピックアップ移動体31に対して第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの取り付け位置を調整する共に、更に、治具80を用いて第1,第2対物レンズ組立体60A,60B内の第1,第2対物レンズ62A,62Bが複数種の光ディスクDの各信号面Dsに対して略垂直な姿勢を取るようにそれぞれ個別にチルト調整している。
ここで、上記した治具80は、マグネット81上の周囲に沿って合計で4本の鉄棒82が植設されており、且つ、4本の鉄棒82は各上端部を細径に形成した状態でマグネット81により着磁されている。
そして、4本の鉄棒82をアルミダイキャスト材を用いて形成した光ピックアップ移動体31中で第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bと対応してそれぞれ穿設した4個の取り付け位置調整孔31c内を通過させた後に、4本の鉄棒82のうちで細径に形成した各上端部を軟磁性鋼板などを用いて形成したヨークベース61の各位置決め孔61e内に嵌合させて、4本の鉄棒82の着磁力によりヨークベース61と4本の鉄棒82とを一体化させている。
この後、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bが光ピックアップ移動体31に対して最良の取り付け位置となるように治具80を手動又はロボット(図示せず)を介して前後左右に移動させてそれぞれ個別に取り付け位置調整していると共に、第1,第2対物レンズ組立体60A,60B内の第1,第2対物レンズ62A,62Bが複数種の光ディスクDの各信号面Dsに対して略垂直な姿勢を取るように治具80を手動又はロボット(図示せず)を介して傾けてそれぞれ個別にチルト調整している。
そして、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bの取り付け位置調整及び第1,第2対物レンズ組立体60A,60B内の第1,第2対物レンズ62A,62Bのチルト調整が終了した段階で熱硬化性樹脂72に紫外線を照射して熱硬化性樹脂72を硬化させている。
これにより、とくに、従来例と異なって、第1,第2対物レンズ組立体60A,60B内の第1,第2対物レンズ62A,62Bが複数種の光ディスクDの各信号面Dsに対して略垂直な姿勢を取るようにそれぞれ個別にチルト調整できるので、光ピックアップ装置20(図1〜図4)の性能向上を図ることができる。
次に、図18(a)に示した本発明の場合では、第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bを光ピックアップ移動体31上に固着させた際に、光ピックアップ移動体31は、複数の半導体レーザ(図示せず)から出射させた各レーザ光を第1,第2対物レンズ62A,62B側に入射させるためのレーザ光通過孔31bを2個有しており、且つ、各レーザ光が入射する下面31n側でレーザ光通過孔31bの入口稜部周囲に所定の角度α°傾斜させてテーパ状に形成したレーザ光反射用テーパ孔部31b1を有している。
この際、レーザ光反射用テーパ孔部31b1の所定の角度α°は、光ピックアップ移動体31の下面31nに対して2°〜3°程度に設定されている。
ここで、複数の半導体レーザ(図示せず)から出射させた各レーザ光は、光ピックアップ移動体31に形成した各レーザ光通過孔31bの孔径よりも太径の光束Lfであり、この光束Lfが光ピックアップ移動体31の下面31n側から各レーザ光通過孔31bを通り、更に、第1,第2対物レンズ組立体60A,60B内の各ヨークベース61に形成した各レーザ光通過孔61dを通って第1,第2対物レンズ62A,62B側に入射され、この後、光ディスクDの信号面Dsで反射されて元の経路に戻されるが、この際に、レーザ光通過孔31bの孔径よりも外側から入射される各入射光L1はレーザ光反射用テーパ孔部31b1によって光束Lfの方向とは異なる角度で光束Lfの内側に向かって反射されるために、レーザ光反射用テーパ孔部31b1で反射された反射光L2が複数の半導体レーザ(図示せず)側に戻ることがない。これにより、複数の半導体レーザ(図示せず)に対して反射光L2の影響が生じないために、複数の半導体レーザ(図示せず)でレーザ出力の安定的発光を行うことができる。
これに対して、図18(b)に示した比較例の場合では、光ピックアップ移動体31に形成した2個のレーザ光通過孔31bは孔径寸法のままであるので、レーザ光通過孔31bの孔径よりも外側から入射される各入射光L1は光ピックアップ移動体31の下面31nで反射されるので、下面31nで反射された反射光L3がそのまま元の経路を経て複数の半導体レーザ(図示せず)側に戻ってしまうために、この反射光L3の影響により複数の半導体レーザ(図示せず)でレーザ出力の安定的発光を行うことができないなどの問題が生じてしまう。
従って、図18(a)に示した本発明の場合の方が、図18(b)に示した比較例の場合よりも光ピックアップ装置20(図1〜図4)に対して信頼性を向上させることができる。
尚、図18(a)に示した本発明の場合には、2個の第1,第2対物レンズ組立体60A,60Bに対応して光ピックアップ移動体31中の2個のレーザ光通過孔31bに対してレーザ光の入口稜部周囲にレーザ光反射用テーパ孔部31b1をそれぞれ形成した例を説明したが、この技術的思想を対物レンズ組立体が1個の場合に適用する場合には、対物レンズを保持したレンズホルダのうちでレーザ光の入口稜部周囲にレーザ光反射用テーパ孔部を形成すれば良いものである。
10…光ディスク装置、
11…スピンドルモータ、11,12…ガイドシャフト、
20…光ピックアップ装置、
21…光ピックアップベース、21a…上面、21a1…レーザ光通過孔、
21b…ガイドレール、21c…第1ストッパ、21d…第2ストッパ、21e…軸部、
30…第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構、
31…光ピックアップ移動体、
31a…上面、31b…レーザ光通過孔、31b1…レーザ光反射用テーパ孔部、
31c…取り付け位置調整孔(又は半円状切り欠き)、31d…シャフト孔、
31e…シャフト孔用凸部、31f…ナット支持部、31g…ネジ孔、
31h…ガイド壁部、31i…第1被押圧部、31j…第2被押圧部、31k…孔、
31m…接着剤固着片、31n…下面、
32…ネジ、33…スライドシャフト、
34…ナット部材、34a…被支持部、34b…取り付け孔、33c…ナット部、
34d…第1カム状バネ摺接部、34e…第2カム状バネ摺接部、
34f…シャフト孔、34g…シャフト孔用凸部、34h…Z字状カム溝部、
34h1…第1水平溝、34h2…垂直溝、34h3…第2水平溝、
35…モータブラケット、36…ステッピングモータ、37…リードスクリュー、
42…アーム、42a…中心孔、42b…第1押圧部、42c…第2押圧部、
42d…右端部、42e…左端部、43…第1捩じりバネ、44…第2捩じりバネ、
44…皿ネジ、
51…カムプレート、51a…取り付け部、51b…カムプレート部、
51c…略階段状カム溝部、51c1…第1傾斜カム溝、51c2…水平カム溝、
51c3…第2傾斜カム溝、52…リンクアーム、
60A…第1対物レンズ組立体、60B…第2対物レンズ組立体、
61…ヨークベース、61a…下面、61b…上面、61c…L字状曲げ片、
61d…レーザ光通過孔、61e…位置決め孔、
62A…第1対物レンズ、62B…第2対物レンズ、
63…レンズホルダ、64…フレキシブルコイル基板、
65…サスペンションワイヤ、66…サスペンションホルダ、
67…プリント配線基板、68…ダンパ剤、
69…第1マグネット、70…第2マグネット、71…カバー、72…熱硬化性接着剤、
D…光ディスク、Ds…信号面、K…仮想中心線。
11…スピンドルモータ、11,12…ガイドシャフト、
20…光ピックアップ装置、
21…光ピックアップベース、21a…上面、21a1…レーザ光通過孔、
21b…ガイドレール、21c…第1ストッパ、21d…第2ストッパ、21e…軸部、
30…第1,第2対物レンズ組立体直線移動機構、
31…光ピックアップ移動体、
31a…上面、31b…レーザ光通過孔、31b1…レーザ光反射用テーパ孔部、
31c…取り付け位置調整孔(又は半円状切り欠き)、31d…シャフト孔、
31e…シャフト孔用凸部、31f…ナット支持部、31g…ネジ孔、
31h…ガイド壁部、31i…第1被押圧部、31j…第2被押圧部、31k…孔、
31m…接着剤固着片、31n…下面、
32…ネジ、33…スライドシャフト、
34…ナット部材、34a…被支持部、34b…取り付け孔、33c…ナット部、
34d…第1カム状バネ摺接部、34e…第2カム状バネ摺接部、
34f…シャフト孔、34g…シャフト孔用凸部、34h…Z字状カム溝部、
34h1…第1水平溝、34h2…垂直溝、34h3…第2水平溝、
35…モータブラケット、36…ステッピングモータ、37…リードスクリュー、
42…アーム、42a…中心孔、42b…第1押圧部、42c…第2押圧部、
42d…右端部、42e…左端部、43…第1捩じりバネ、44…第2捩じりバネ、
44…皿ネジ、
51…カムプレート、51a…取り付け部、51b…カムプレート部、
51c…略階段状カム溝部、51c1…第1傾斜カム溝、51c2…水平カム溝、
51c3…第2傾斜カム溝、52…リンクアーム、
60A…第1対物レンズ組立体、60B…第2対物レンズ組立体、
61…ヨークベース、61a…下面、61b…上面、61c…L字状曲げ片、
61d…レーザ光通過孔、61e…位置決め孔、
62A…第1対物レンズ、62B…第2対物レンズ、
63…レンズホルダ、64…フレキシブルコイル基板、
65…サスペンションワイヤ、66…サスペンションホルダ、
67…プリント配線基板、68…ダンパ剤、
69…第1マグネット、70…第2マグネット、71…カバー、72…熱硬化性接着剤、
D…光ディスク、Ds…信号面、K…仮想中心線。
Claims (4)
- 複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生が可能な光ピックアップ装置において、
選択された各光ディスクの径方向に移動自在に設けられ、且つ、前記各光ディスクに対応した半導体レーザを複数個搭載した光ピックアップベースと、
前記光ピックアップベース上に間隔を離して形成した第1,第2ストッパにそれぞれ当接する第1,第2記録再生位置間をガイド部材に沿いながら前記各光ディスクの径方向と直交した接線方向に移動する光ピックアップ移動体と、
前記光ピックアップベースに取り付けられて前記光ピックアップ移動体を移動させる駆動源と、
第1開口数の第1対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第1対物レンズ組立体と、
前記第1開口数とは異なる第2開口数の第2対物レンズを内蔵したレンズホルダを、このレンズホルダとヨークベース上のサスペンションホルダ側との間に取り付けた複数本のサスペンションワイヤを介して揺動自在に支持した第2対物レンズ組立体と、を備え、
前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記第1,第2記録再生位置と対応して前記各光ディスクの接線方向に沿って接着剤を用いて固着したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記第1,第2対物レンズ組立体内の前記第1,第2対物レンズが前記各光ディスクの信号面に対して略垂直な姿勢を取るように前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記接着剤を用いて固着させたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1,第2対物レンズ組立体を前記光ピックアップ移動体上に前記接着剤を用いて固着させる際に、前記第1,第2対物レンズ組立体用の一対の前記サスペンションホルダを第1,第2対物レンズを挟んで互いに対向配置させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ピックアップ移動体は、前記半導体レーザから出力されたレーザ光を入射させるために第1対物レンズ用のレーザ光通過孔と第2対物レンズ用のレーザ光通過孔とを2個有し、且つ、前記レーザ光が入射する下面側で各レーザ光通過孔の入口稜部周囲に所定の角度傾斜させたレーザ光反射用テーパ孔部を有しており、該レーザ光反射用テーパ孔部で前記レーザ光通過孔の孔径よりも外側から入射される前記レーザ光をこの光束の内側に向かって反射させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項記載の光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007068472A JP2008234694A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 光ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007068472A JP2008234694A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 光ピックアップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008234694A true JP2008234694A (ja) | 2008-10-02 |
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ID=39907315
Family Applications (1)
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JP2007068472A Pending JP2008234694A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 光ピックアップ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008234694A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015215939A (ja) * | 2011-08-31 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 記録再生装置 |
-
2007
- 2007-03-16 JP JP2007068472A patent/JP2008234694A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015215939A (ja) * | 2011-08-31 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 記録再生装置 |
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