JP2008233655A - 光学フィルム、位相差板、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、色味視野角依存性が小さく、色再現性に優れた液晶表示装置、およびこれに用いることが出来る光学フィルムを提供することである。
【解決手段】本発明の光学フィルムは下記式(1)〜(6)を満たす。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
【選択図】なし
【解決手段】本発明の光学フィルムは下記式(1)〜(6)を満たす。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
【選択図】なし
Description
本発明は、光学フィルム、位相差板、偏光板に関し、それを用いた液晶表示装置、特にVAモード液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。従来、画像の視野角依存性が大きいことが液晶表示装置の大きな欠点であった。しかし、近年ではVAモードによる高視野角液晶モードが実用化されており、これによってテレビ等の高品位の画像が要求される市場でも液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。
VAモード液晶表示装置は他の液晶表示モードに比べて一般にコントラストが高いというメリットがあるが、視角によってコントラストおよび色味の変化が大きいという問題を有していた。これに対し、例えば、光学特性の異なる2種類の位相差層を用いることにより斜め方向から見ても黒の表示が鮮明で無彩色のVAモード液晶表示装置を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2003/032060号パンフレット
VAモード液晶表示装置は他の液晶表示モードに比べて一般にコントラストが高いというメリットがあるが、視角によってコントラストおよび色味の変化が大きいという問題を有していた。これに対し、例えば、光学特性の異なる2種類の位相差層を用いることにより斜め方向から見ても黒の表示が鮮明で無彩色のVAモード液晶表示装置を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし近年、液晶表示装置においてさらなる表示品位の向上が求められている。
フィルムに波長分散性を付与する手段として、ポリマー自身に波長分散性を持たせる(例えば、特許文献1)ことも有効な手法であるが、広範囲の光学性能を実現する上で、重合比を変える必要があり、さらには、延伸処理条件を最適化するなどフィルム汎用性および製造コストの観点で問題があった。一方、発現剤を添加する手法では、ポリマー自身を変えることなく発現剤の添加量を調整するだけで任意の光学性能を実現でき、汎用性および製造コストの両面において前述の手法と比べて優位である。
本発明の目的は、色味視野角依存性が小さく、色再現性に優れた液晶表示装置、およびこれに用いることが出来る光学フィルムを提供することである。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
〔1〕
下記式(1)〜(6)を満たす光学フィルム。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
(式(1)〜(6)中、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ波長λnmの光における面内レターデーション値(単位nm)と膜厚方向のレターデーション値(単位nm)を表す。式(6)中のb*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、L*a*b*表色系におけるクロマティクネス指数である。)
〔2〕
レターデーション発現剤を少なくとも1種以上含有する〔1〕に記載の光学フィルム。
〔3〕
下記一般式(1)で表される化合物をレターデーション発現剤として含有する〔2〕に記載の光学フィルム。
一般式(1)
[一般式(I)中、R1、R2はA1〜A4のいずれかで表される置換基を表す。R1、R2はそれぞれ異なっていても同じでもよい。
R3、R4、R5、R6、R7、L2、L3、L4は置換基を表す。L1は単結合又は二価の連結基を表す。]
〔4〕
セルロースアシレートを含む〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光学フィルム。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕に記載の光学フィルムを含む位相差板。
〔6〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光学フィルムまたは〔5〕に記載の位相差板を含む偏光板。
〔7〕
液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が〔6〕に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)及び(8)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は波長550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)である。)
〔8〕
液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が〔6〕に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)〜(9)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
ΔRe>0 ・・・式(9)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)であり、また式(9)中、ΔReは波長630nmおよび波長450nmの光における膜厚方向のレターデーション値の差(Re(630)−Re(450))である。)
〔9〕
前記液晶表示装置がVAモードである〔7〕または〔8〕に記載の液晶表示装置。
〔1〕
下記式(1)〜(6)を満たす光学フィルム。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
(式(1)〜(6)中、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ波長λnmの光における面内レターデーション値(単位nm)と膜厚方向のレターデーション値(単位nm)を表す。式(6)中のb*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、L*a*b*表色系におけるクロマティクネス指数である。)
〔2〕
レターデーション発現剤を少なくとも1種以上含有する〔1〕に記載の光学フィルム。
〔3〕
下記一般式(1)で表される化合物をレターデーション発現剤として含有する〔2〕に記載の光学フィルム。
一般式(1)
〔4〕
セルロースアシレートを含む〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光学フィルム。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕に記載の光学フィルムを含む位相差板。
〔6〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光学フィルムまたは〔5〕に記載の位相差板を含む偏光板。
〔7〕
液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が〔6〕に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)及び(8)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は波長550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)である。)
〔8〕
液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が〔6〕に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)〜(9)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
ΔRe>0 ・・・式(9)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)であり、また式(9)中、ΔReは波長630nmおよび波長450nmの光における膜厚方向のレターデーション値の差(Re(630)−Re(450))である。)
〔9〕
前記液晶表示装置がVAモードである〔7〕または〔8〕に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、本発明の目的は、色味視野角依存性が小さく、色再現性に優れた液晶表示装置、およびこれに用いることが出来る光学フィルムを提供することである。
[フィルムのレターデーション]
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフイルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフイルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフイルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がセ゛ロとなる方向をもつフイルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
式(1):
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフイルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフイルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフイルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がセ゛ロとなる方向をもつフイルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
式(1):
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
Rth=((nx+ny)/2-nz)xd --- 式(2)
測定されるフイルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフイルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフイルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フイルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フイルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフイルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フイルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フイルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
次に本発明の光学フィルム(以下、偏光板保護フィルムCと称する場合がある。)について詳しく説明する。
本発明の偏光板保護フィルムCのレターデーションは以下の式(1)〜(6)の関係を満たすことを特徴とする。
下記式(1)〜(6)を満たす光学フィルム。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
(式(1)〜(6)中、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ波長λnmの光における面内レターデーション値(単位nm)と膜厚方向のレターデーション値(単位nm)を表す。式(6)中のb*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、L*a*b*表色系におけるクロマティクネス指数である。)
下記式(1)〜(6)を満たす光学フィルム。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
(式(1)〜(6)中、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ波長λnmの光における面内レターデーション値(単位nm)と膜厚方向のレターデーション値(単位nm)を表す。式(6)中のb*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、L*a*b*表色系におけるクロマティクネス指数である。)
前記式(1)は、0nm<Re(550)<5nmであることがさらに好ましく、0nm<Re(550)<3nmであることが最も好ましい。
前記式(2)は、50nm<Rth(550)<250nmであることがさらに好ましく、80nm<Rth(550)<170nmであることが最も好ましい。
前記式(3)は15<Rth(550)/Re(550)であることがさらに好ましく、20<Rth(550)/Re(550)であることが最も好ましい。
前記式(4)は、1.1<Rth(450)/Rth(550)であることがさらに好ましく、1.2<Rth(450)/Rth(550)であることが最も好ましい。
前記式(5)は、Rth(630)/Rth(550)<0.98であることがさらに好ましく、Rth(630)/Rth(550)<0.96であることが最も好ましい。
本発明の発明者は特に液晶表示装置に上記フィルムを用いることで、色味視野角依存性が改善されることを見出した。
また前記式(6)は、0<b*<0.8であることがさらに好ましく、0<b*<0.5であることが最も好ましい。本発明の発明者はb*の範囲を上記のものとすることで、特にフィルムの黄色味を低減することが出来、これを用いた液晶表示装置においては色再現性が改良出来ることを見出した。
前記式(2)は、50nm<Rth(550)<250nmであることがさらに好ましく、80nm<Rth(550)<170nmであることが最も好ましい。
前記式(3)は15<Rth(550)/Re(550)であることがさらに好ましく、20<Rth(550)/Re(550)であることが最も好ましい。
前記式(4)は、1.1<Rth(450)/Rth(550)であることがさらに好ましく、1.2<Rth(450)/Rth(550)であることが最も好ましい。
前記式(5)は、Rth(630)/Rth(550)<0.98であることがさらに好ましく、Rth(630)/Rth(550)<0.96であることが最も好ましい。
本発明の発明者は特に液晶表示装置に上記フィルムを用いることで、色味視野角依存性が改善されることを見出した。
また前記式(6)は、0<b*<0.8であることがさらに好ましく、0<b*<0.5であることが最も好ましい。本発明の発明者はb*の範囲を上記のものとすることで、特にフィルムの黄色味を低減することが出来、これを用いた液晶表示装置においては色再現性が改良出来ることを見出した。
ここで、上記b*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、CIE均等知覚空間として推奨されている。b*の定義は、例えば、東京電機大学出版局刊、色彩光学等に記載されている。
各光学性能値を上記範囲に設定することにより、視角による色味変化に対する低減効果の大きい偏光板保護フィルムが得られる。
前記偏光板保護フィルムCとしては様々なポリマーフィルムが使用できる。前記ポリマーフィルムとしては、ポリカーボネート、シクロオレフィン系ポリマー、セルロースアシレート等のポリマーフィルムが好ましい。このうち、セルロースアシレートが偏光板加工適性の点から特に好ましい。
本発明における偏光板保護フィルムCに用いるセルロースアシレートフィルム(以下、「セルロースアシレートフィルムC」と称することがある。)のレターデーションは様々な方法により調節可能である。このうち、後述するレターデーション発現剤による調節、およびフィルムの延伸による調節を好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムCに用いられるレターデーション発現剤はRth発現剤であることが好ましい。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
本発明における偏光板保護フィルムCに用いるセルロースアシレートフィルム(以下、「セルロースアシレートフィルムC」と称することがある。)のレターデーションは様々な方法により調節可能である。このうち、後述するレターデーション発現剤による調節、およびフィルムの延伸による調節を好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムCに用いられるレターデーション発現剤はRth発現剤であることが好ましい。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
〔Rth発現剤〕
本発明の光学フィルムはRth発現剤を含有することが好ましく、Rth発現剤としては下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。これらの化合物は構造が単純であるため製造工程が簡略化でき、製造コスト低減の点でメリットがある。
本発明の光学フィルムはRth発現剤を含有することが好ましく、Rth発現剤としては下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。これらの化合物は構造が単純であるため製造工程が簡略化でき、製造コスト低減の点でメリットがある。
[式中、R1、R2はA1〜A4のいずれかで表される置換基である。R1、R2はそれぞれ異なっていても同じでもよい。
R3、R4、R5、R6、R7、L2、L3、L4は置換基を表す。L1は単結合又は二価の連結基を表す。]
L2、L3、L4が表す置換基として好ましくは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、末端に重合性基を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜30のもの)、末端にカルバミン酸ベンジル基を有するアルキル基(好ましくは炭素数9〜30のもの)、末端にカルバミン酸t−ブチル基を有するアルキル基(好ましくは炭素数6〜30のもの)、末端にベンゼン環を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のもの)、エーテル連結を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜30のエーテル連結を有するアルキル基、例えば2−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、ベンジル基、4−メトキシベンジル基を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜21のアルキル基、炭素数1〜21のエーテル連結を有するアルキル基、ベンジル基、フェニル基である。L2、L3、L4はそれぞれ異なっていても同じでもよい。R1、R2はそれぞれ異なっていても同じでもよい。
R3、R4、R5、R6、R7が表す置換基として好ましくは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、末端に重合性基を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜30のもの)、末端にカルバミン酸ベンジル基を有するアルキル基(好ましくは炭素数9〜30のもの)、末端にカルバミン酸t−ブチル基を有するアルキル基(好ましくは炭素数6〜30のもの)、エーテル連結を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜30のエーテル連結を有するアルキル基、例えば2−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)を挙げることができる。R3、R4、R6、R7としてより好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、水素原子である。R7としてより好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、水素原子、4−メトキシブトキシ基である。R3、R4、R5、R6、R7はそれぞれ異なっていても同じでもよい。
L1が表す二価の連結基の例としては、−O−、−NR’−(R’は水素原子または置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を表す。)、−CO−、−SO2−、−S−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、またはこれらの二価の基を2つ以上組み合わせて得られる基を挙げることができる。
L1は、好ましくは単結合、−O−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−NRCO−、−COO−、−OCO−又はアルキニレン基を挙げることができ、最も好ましくは単結合、−COO−又は−OCO−である。
L1は、好ましくは単結合、−O−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−NRCO−、−COO−、−OCO−又はアルキニレン基を挙げることができ、最も好ましくは単結合、−COO−又は−OCO−である。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されるものではない。
波線で表される結合はE体でもZ対でもよいことを表す。
一般式(1)で表される化合物は、既知の合成法(例えばJ.Org.Chem, Vol.64, No.9,1999, 3060-3065記載の方法)を参考にして製造することができる。
一般式(1)で表される化合物は、既知の合成法(例えばJ.Org.Chem, Vol.64, No.9,1999, 3060-3065記載の方法)を参考にして製造することができる。
本発明の光学フィルムにおいては、一般式(1)で表される化合物(以下ベンジリデン化合物と称する場合がある。)の少なくとも1種をセルロースアシレート等のポリマーに対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜16質量%、さらに好ましくは1〜12質量%、特に好ましくは1〜9質量%添加する。
<セルロースアシレート>
本発明の光学フィルムはセルロースアシレートを含むことが好ましい。本発明に用いることのできるセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、「ASTM D817−91」に準じて実施する。
本発明の光学フィルムはセルロースアシレートを含むことが好ましい。本発明に用いることのできるセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、「ASTM D817−91」に準じて実施する。
本発明におけるセルロースアシレートは、アシル化度が2.00〜3.00であるセルロースアセテートが好ましい。前記アシル化度は2.70〜2.95がさらに好ましい。
本発明において、もう一つの好ましいセルロースアシレートとしては、アシル化度が2〜2.9であり、アセチル基の炭素数が3〜4のアシル基を有する混合脂肪酸エステルである。前記混合脂肪酸エステルのアシル化度は2.2〜2.85がさらに好ましく、2.4〜2.8が最も好ましい。また、アセチル化度は2.5未満が好ましく、1.9未満がさらに好ましい。
次に、本発明におけるセルロースアシレートの一例であるセルロース混合酸エステル中の脂肪酸エステル残基について説明する。前記セルロース混合酸エステル中の脂肪酸エステル残基において、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20であることが好ましい。具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられ、好ましくはアセチル、プロピオニルおよびブチリルであり、特に好ましいのはアセチルである。
本発明における偏光板保護フィルムCに使用するセルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。前記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
この方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフイルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
重合度の高い(分子量の大きい)セルロースエステルを得るためには、エステル化反応工程における最高温度を50℃以下に調節することが重要である。最高温度は、好ましくは35〜50℃、さらに好ましくは37〜47℃に調節する。反応温度が35℃以上であれば、エステル化反応が円滑に進行するので好ましい。また、反応温度が50℃以下であれば、セルロースエステルの重合度が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。
エステル化反応の後、温度上昇を抑制しながら反応を停止すると、さらに重合度の低下を抑制でき、高い重合度のセルロースエステルを合成できる。すなわち、反応終了後に反応停止剤(例えば、水、酢酸)を添加すると、エステル化反応に関与しなかった過剰の酸無水物は、加水分解して対応する有機酸を副成する。この加水分解反応は激しい発熱を伴い、反応装置内の温度が上昇する。反応停止剤の添加速度が大きすぎることがなければ、反応装置の冷却能力を超えて急激に発熱して、セルロース主鎖の加水分解反応が著しく進行し、得られるセルロースエステルの重合度が低下するなどの問題が生じることはない。また、エステル化の反応中に触媒の一部はセルロースと結合しており、その大部分は反応停止剤の添加中にセルロースから解離する。このとき反応停止剤の添加速度が大きすぎなければ、触媒が解離するために充分な反応時間が確保され、触媒の一部がセルロースに結合した状態で残るなどの問題は生じにくい。強酸の触媒が一部結合しているセルロースエステルは安定性が非常に悪く、製品の乾燥時の熱などで容易に分解して重合度が低下する。これらの理由により、エステル化反応の後、好ましくは4分以上、さらに好ましくは4〜30分の時間をかけて反応停止剤を添加して、反応を停止することが望ましい。なお、反応停止剤の添加時間が30分以下であれば、工業的な生産性の低下などの問題が生じないので好ましい。
反応停止剤としては、一般に酸無水物を分解する水やアルコールが用いられている。ただし、本発明では、各種有機溶媒への溶解性が低いトリエステルを析出させないために、水と有機酸との混合物が、反応停止剤として好ましく用いられる。以上のような条件でエステル化反応を実施すると、質量平均重合度が500以上である高分子量セルロースエステルを容易に合成することができる。
〔光学フィルムの製造〕
本発明の光学フィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレート等のポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
本発明の光学フィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレート等のポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
前記有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−およびCOO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−およびCOO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
セルロースアシレート等のポリマー溶液(ドープ)は、0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で調製することができる。セルロースアシレート等のポリマー溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレート等のポリマー溶液中におけるセルロースアシレート等のポリマーの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレート等のポリマーの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
セルロースアシレート等のポリマー溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレート等のポリマーと有機溶媒とを撹拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体的には、セルロースアシレート等のポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、且つ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら撹拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
撹拌は、容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて行うことが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、セルロースアシレート等のポリマー溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法ではセルロースアシレート等のポリマーを溶解させることが困難な有機溶媒中にも、セルロースアシレート等のポリマーを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレート等のポリマーを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では、最初に室温で有機溶媒中にセルロースアシレート等のポリマーを撹拌しながら徐々に添加する。セルロースアシレート等のポリマーの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレート等のポリマーの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。冷却によりセルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、冷却した混合物を0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアシレート等のポリマーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよく、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一なセルロースアシレート等のポリマー溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量計(DSC)による測定によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保することが好ましい。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアシレート等のポリマー溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレート等のポリマーフィルムを製造する。ドープにはレターデーション発現剤を添加することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号および同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
また、得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して、残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアシレート等のポリマー溶液(ドープ)を用いて2層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレート等のポリマーフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
2層以上の複数のセルロースアシレート等のポリマー液を流延する場合、複数のセルロースアシレート等のポリマー溶液を流延することが可能であり、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。これらは、例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアシレート等のポリマー溶液を流延することによっても、フィルム化することもできる。これは、例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および、特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。さらに特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート等のポリマー溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート等のポリマー溶液で包み込み、その高・低粘度のセルロースアシレート等のポリマー溶液を同時に押し出すセルロースアシレート等のポリマーフィルムの流延方法を用いることもできる。
また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースアシレート等のポリマー溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアシレート等のポリマー溶液を2種以上用いてもよい。複数のセルロースアシレート等のポリマー層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアシレート等のポリマー溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明におけるセルロースアシレート等のポリマー溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフィルムの厚さにするためには高濃度で高粘度のセルロースアシレート溶液を押し出すことが必要である。その場合セルロースアシレート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となったりして問題となることが多かった。この問題の解決方法として、複数のセルロースアシレート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押し出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアシレート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フィルムの生産スピードを高めることができる。
セルロースアシレート等のポリマーフィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン等)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。また、前記劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%以上であれば、劣化防止剤の効果が十分に発揮されるので好ましく、添加量が1質量%以下であれば、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)などが生じにくいので好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。本発明におけるセルロースアシレート等のポリマーフィルムの製造に用いる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
(延伸)
本発明における偏光板保護フィルムCは未延伸が好ましいが、延伸処理をおこなってもよい。延伸をおこなう場合は幅方向および搬送方向の二軸延伸が好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
本発明における偏光板保護フィルムCは未延伸が好ましいが、延伸処理をおこなってもよい。延伸をおこなう場合は幅方向および搬送方向の二軸延伸が好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。
二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法があるが、連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましく、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフィルムを剥ぎ取り、幅方向(長手方法)に延伸した後、長手方向(幅方向)に延伸される。
2軸延伸の場合、搬送方向と幅方向との延伸倍率が下記式(D)の関係を満たすことが好ましい。
式(D):0.01<(垂直方向の延伸倍率)−(平行方向の延伸倍率)<0.1
式(D)としてさらに好ましくは、0.02<(垂直方向の延伸倍率)−(平行方向の延伸倍率)<0.08である。
これらの範囲に調節することにより、搬送時に発生するセルロースアシレート分子鎖の配向が打ち消されフィルムのReを好ましい範囲に調節することができ、かつ面状を大幅に改良することができる。
式(D):0.01<(垂直方向の延伸倍率)−(平行方向の延伸倍率)<0.1
式(D)としてさらに好ましくは、0.02<(垂直方向の延伸倍率)−(平行方向の延伸倍率)<0.08である。
これらの範囲に調節することにより、搬送時に発生するセルロースアシレート分子鎖の配向が打ち消されフィルムのReを好ましい範囲に調節することができ、かつ面状を大幅に改良することができる。
[光学フィルムの厚み]
本発明における延伸後の光学フィルムの厚みは10μm〜200μmが好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましく、30μm〜100μmが最も好ましい。
本発明における延伸後の光学フィルムの厚みは10μm〜200μmが好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましく、30μm〜100μmが最も好ましい。
〔鹸化処理〕
本発明の光学フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルムのアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
〔位相差板〕
本発明の位相差板は本発明の光学フィルムを含む。
液晶ディスプレイの光源から出た光が複屈折性の部材を通過すると、入射光の位相がずれてしまい楕円偏光に変換されてしまう。この位相のずれを補償する働きを有する部材が位相差板である。また、近年では、複屈折率に波長分散を持たせて視野角拡大および色味変化低減など高機能化が要求されている。本発明の位相差板においては上記目的を達成するため本発明の光学フィルム上にさらに光学異方性層を設けることが出来る。
本発明の位相差板は本発明の光学フィルムを含む。
液晶ディスプレイの光源から出た光が複屈折性の部材を通過すると、入射光の位相がずれてしまい楕円偏光に変換されてしまう。この位相のずれを補償する働きを有する部材が位相差板である。また、近年では、複屈折率に波長分散を持たせて視野角拡大および色味変化低減など高機能化が要求されている。本発明の位相差板においては上記目的を達成するため本発明の光学フィルム上にさらに光学異方性層を設けることが出来る。
〔偏光板〕
本発明の偏光板は本発明の光学フィルムまたは本発明の位相差板を含む。
<偏光板の作製>
(偏光子)
次に本発明における偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明における偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
本発明の偏光板は本発明の光学フィルムまたは本発明の位相差板を含む。
<偏光板の作製>
(偏光子)
次に本発明における偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明における偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
前記PVAとしては、ポリ酢酸ビニルをケン化したポリマー素材が好ましいが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分とを含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーは、特許2978219号明細書に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号公報に記載されているように45〜52.5%であることも好ましく用いることができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーは、特許2978219号明細書に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号公報に記載されているように45〜52.5%であることも好ましく用いることができる。
PVAをフィルム化した後、二色性分子を導入して偏光子を構成することが好ましい。PVAフィルムの製造方法は、PVA系樹脂を水または有機溶媒に溶解した原液を流延して成膜する方法が一般に好ましく用いられる。原液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、通常5〜20質量%であり、この原液を流延法により製膜することによって、膜厚10〜200μmのPVAフィルムを製造できる。PVAフィルムの製造は、特許第3342516号明細書、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、特開2002−144401号公報等を参考にして行うことができる。
PVAフィルムの結晶化度は、特に限定されないが、特許第3251073号、に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%や、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号公報に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いることができる。
PVAフィルムの結晶化度は、特に限定されないが、特許第3251073号、に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%や、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号公報に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いることができる。
PVAフィルムの複屈折(△n)は小さいことが好ましく、特許第3342516号明細書に記載されている複屈折が1.0×10-3以下のPVAフィルムを好ましく用いることができる。但し、特開2002−228835号公報に記載されているように、PVAフィルムの延伸時の切断を回避しながら高偏光度を得るため、PVAフィルムの複屈折を0.002〜0.01としてもよいし、特開2002−060505号公報に記載されているように(nx+ny)/2−nzの値を0.0003〜0.01としてもよい。PVAフィルムのRe(1090)は0nm〜100nmが好ましく、0nm〜50nmがさらに好ましい。また、PVAフィルムのRth(1090)は0nm〜500nmが好ましく、0nm〜300nmがさらに好ましい。
この他、本発明における偏光板には、特許3021494号に記載されている1、2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPVAフィルム、特開2001−316492号公報に記載されている5μm以上の光学的異物が100cm2当たり500個以下であるPVAフィルム、特開2002−030163号に記載されているフィルムのTD方向の熱水切断温度斑が1.5℃以下であるPVAフィルム、さらにグリセリンなどの3〜6価の多価アルコ−ルを1〜100質量部混合したり、特開平06−289225号公報に記載されている可塑剤を15質量%以上混合した溶液から製膜したPVAフィルムを好ましく用いることができる。
PVAフィルムの延伸前のフィルム膜厚は特に限定されないが、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、20〜200μmが特に好ましい。特開2002−236212号公報に記載されているように水中において4倍から6倍の延伸を行った時に発生する応力が10N以下となるような薄いPVAフィルムを使用してもよい。
二色性分子はI3 -やI5 -などの高次のヨウ素イオンもしくは二色性染料を好ましく使用することができる。本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編、CMC出版や工業材料、第28巻、第7号、p.39〜p.45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液および/またはホウ酸水溶液にPVAを浸漬し、PVAに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性分子として二色性染料を用いる場合は、アゾ系色素が好ましく、特にビスアゾ系とトリスアゾ系色素が好ましい。二色性染料は水溶性のものが好ましく、このため二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入され、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として好ましく用いられる。
このような二色性染料の具体例としては、例えば、C.I.Direct Red 37、 Congo Red(C.I. Direct Red 28)、C.I.Direct Violet 12、 C.I.Direct Blue 90、 C.I.Direct Blue 22、 C.I.Direct Blue 1、 C.I.Direct Blue 151、 C.I.Direct Green 1等のベンジジン系、C.I.Direct Yellow 44、 C.I.Direct Red 23、 C.I.Direct Red 79等のジフェニル尿素系、C.I.Direct Yellow 12等のスチルベン系、C.I.Direct Red 31等のジナフチルアミン系、C.I.Direct Red 81、 C.I.Direct Violet 9、 C.I.Direct Blue 78等のJ酸系を挙げることができる。
これ以外にも、C.I.Direct Yellow 8、C.I.Direct Yellow 28、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct
Yellow 87、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Orange 26、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 106、C.I.Direct Orange 107、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Direct Red 240、C.I.Direct Red 242、C.I.Direct Red 247、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 51、C.I.Direct Violet 98、C.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct Blue 98、C.I.Direct Blue 168、C.I.Direct Blue 202、C.I.Direct Blue 236、C.I.Direct Blue 249、C.I.Direct Blue 270、C.I.Direct Green 59、C.I.Direct Green 85、C.I.Direct Brown 44、C.I.Direct Brown 106、C.I.Direct Brown 195、C.I.Direct Brown 210、C.I.Direct Brown 223、C.I.Direct Brown 224、C.I.Direct Black 1、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 54等が、さらに特開昭62−70802号、特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開平1−248105号、特開平1−265205号、特開平7−261024号、の各公報記載の二色性染料等も好ましく使用することができる。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号公報に記載されているように吸着厚みが4μm以上であってもよい。
Yellow 87、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Orange 26、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 106、C.I.Direct Orange 107、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Direct Red 240、C.I.Direct Red 242、C.I.Direct Red 247、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 51、C.I.Direct Violet 98、C.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct Blue 98、C.I.Direct Blue 168、C.I.Direct Blue 202、C.I.Direct Blue 236、C.I.Direct Blue 249、C.I.Direct Blue 270、C.I.Direct Green 59、C.I.Direct Green 85、C.I.Direct Brown 44、C.I.Direct Brown 106、C.I.Direct Brown 195、C.I.Direct Brown 210、C.I.Direct Brown 223、C.I.Direct Brown 224、C.I.Direct Black 1、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 54等が、さらに特開昭62−70802号、特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開平1−248105号、特開平1−265205号、特開平7−261024号、の各公報記載の二色性染料等も好ましく使用することができる。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号公報に記載されているように吸着厚みが4μm以上であってもよい。
フィルム中の該二色性分子の含有量は、少なすぎると偏光度が低く、また、多すぎても単板透過率が低下することから通常、フィルムのマトリックスを構成するポリビニルアルコール系重合体に対して、0.01〜5質量%の範囲に調整される。
前記偏光子の好ましい膜厚としては、5μm〜40μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜30μmである。また、偏光子の厚さと上述する保護フィルムの厚さの比を、特開2002−174727号公報に記載されている0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護フィルム膜厚)≦0.16範囲とすることも好ましい。
さらに、保護フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸との交差角は、任意の値でよいが、平行もしくは45±20゜の方位角であることが好ましい。
前記偏光子の好ましい膜厚としては、5μm〜40μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜30μmである。また、偏光子の厚さと上述する保護フィルムの厚さの比を、特開2002−174727号公報に記載されている0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護フィルム膜厚)≦0.16範囲とすることも好ましい。
さらに、保護フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸との交差角は、任意の値でよいが、平行もしくは45±20゜の方位角であることが好ましい。
<偏光板の製造工程>
次に、本発明における偏光板の製造工程について説明する。
本発明における偏光板の製造工程は、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程から構成されることが好ましい。染色工程、硬膜工程、延伸工程の順序を任意に変えること、また、いくつかの工程を組み合わせて同時に行っても構わない。また、特許第3331615号明細書に記載されているように、硬膜工程の後に水洗することも好ましく行うことができる。
次に、本発明における偏光板の製造工程について説明する。
本発明における偏光板の製造工程は、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程から構成されることが好ましい。染色工程、硬膜工程、延伸工程の順序を任意に変えること、また、いくつかの工程を組み合わせて同時に行っても構わない。また、特許第3331615号明細書に記載されているように、硬膜工程の後に水洗することも好ましく行うことができる。
本発明では、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程を記載の順序で遂次行うことが特に好ましい。また、前述の工程中あるいは後にオンライン面状検査工程を設けても構わない。
前記膨潤工程は、水のみで行うことが好ましいが、特開平10−153709号公報に記載されているように、光学性能の安定化および、製造ラインでの偏光板基材のシワ発生回避のために、偏光板基材をホウ酸水溶液により膨潤させて、偏光板基材の膨潤度を管理することもできる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃〜60℃、5秒〜2000秒が好ましい。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃〜60℃、5秒〜2000秒が好ましい。
前記染色工程は、特開2002−86554号公報に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号公報に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を攪拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
二色性分子として高次のヨウ素イオンを用いる場合、高コントラストの偏光板を得るためには、染色工程はヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液を用いることが好ましい。この場合のヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液のヨウ素は0.05〜20g/l、ヨウ化カリウムは3〜200g/l、ヨウ素とヨウ化カリウムの質量比は1〜2000が好ましい範囲である。染色時間は10〜1200秒が好ましく、液温度は10〜60℃が好ましい。さらに好ましくは、ヨウ素は0.5〜2g/l、ヨウ化カリウムは30〜120g/l、ヨウ素とヨウ化カリウムの質量比は30〜120がよく、染色時間は30〜600秒、液温度は20〜50℃がよい。
また、特許第3145747号明細書に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加してもよい。
また、特許第3145747号明細書に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加してもよい。
前記硬膜工程は、架橋剤溶液に浸漬、または溶液を塗布して架橋剤を含ませるのが好ましい。また、特開平11−52130号公報に記載されているように、硬膜工程を数回に分けて行うこともできる。
前記架橋剤としては米国再発行特許第232897号明細書に記載のものが使用でき、特許第3357109号明細書に記載されているように、寸法安定性を向上させるため、架橋剤として多価アルデヒドを使用することもできるが、ホウ酸類が最も好ましく用いられる。硬膜工程に用いる架橋剤としてホウ酸を用いる場合には、ホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液に金属イオンを添加しても良い。金属イオンとしては塩化亜鉛が好ましいが、特開2000−35512号公報に記載されているように、塩化亜鉛の変わりに、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩を用いることもできる。
本発明では、塩化亜鉛を添加したホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液を作製し、PVAフィルムを浸漬させて硬膜を行うことが好ましく行われる。ホウ酸は1〜100g/l、ヨウ化カリウムは1〜120g/l、塩化亜鉛は0.01〜10g/l、硬膜時間は10〜1200秒が好ましく、液温度は10〜60℃が好ましい。さらに好ましくは、ホウ酸は10〜80g/l、ヨウ化カリウムは5〜100g/l、塩化亜鉛は0.02〜8g/l、硬膜時間は30〜600秒がよく、液温度は20〜50℃がよい。
前記延伸工程は、米国特許2,454,515号明細書などに記載されているような、縦一軸延伸方式、もしくは特開2002−86554号公報に記載されているようなテンター方式を好ましく用いることができる。好ましい延伸倍率は2倍〜12倍であり、さらに好ましくは3倍〜10倍である。また、延伸倍率と原反厚さと偏光子厚さの関係は特開2002−040256号公報に記載されている(保護フィルム貼合後の偏光子膜厚/原反膜厚)×(全延伸倍率)>0.17としたり、最終浴を出た時の偏光子の幅と保護フィルム貼合時の偏光子幅の関係は特開2002−040247号公報に記載されている0.80≦(保護フィルム貼合時の偏光子幅/最終浴を出た時の偏光子の幅)≦0.95とすることも好ましく行うことができる。
前記乾燥工程は、特開2002−86554号公報で公知の方法を使用できるが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特許第3148513号明細書に記載されているように、水中退色温度を50℃以上とするような熱処理を行ったり、特開平07−325215号公報や特開平07−325218号公報に記載されているように温湿度管理した雰囲気でエージングすることも好ましく行うことができる。
保護フィルム貼り合わせ工程は、乾燥工程を出た前述の偏光子の両面を2枚の保護フィルムで貼合する工程である。貼合直前に接着液を供給し、偏光子と保護フィルムとを重ね合わせるように、一対のロールで貼り合わせる方法が好ましく使用される。また、特開2001−296426号公報および特開2002−86554号公報に記載されているように、偏光子の延伸に起因するレコードの溝状の凹凸を抑制するため、貼り合わせ時の偏光子の水分率を調整することが好ましい。本発明では0.1%〜30%の水分率が好ましく用いられる。
偏光子と保護フィルムとの接着剤は特に限定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げられ、中でもPVA系樹脂が好ましい。接着剤層厚みは乾燥後に0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmが特に好ましい。
また、偏光子と保護フィルムとの接着力を向上させるために、保護フィルムを表面処理して親水化してから接着することが好ましく行われる。表面処理の方法は特に制限は無いが、上述のようにアルカリ溶液を用いてケン化する方法、コロナ処理法など公知の方法を用いることができる。また、表面処理後にゼラチン下塗り層等の易接着層を設けてもよい。特開2002−267839号公報に記載されているように保護フィルム表面の水との接触角は50°以下が好ましい。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554号公報に記載の方法に従うが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特開平07−325220号公報に記載されているように温湿度管理をした雰囲気でエージングすることも好ましい。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554号公報に記載の方法に従うが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特開平07−325220号公報に記載されているように温湿度管理をした雰囲気でエージングすることも好ましい。
偏光子中の元素含有量は、ヨウ素0.1〜3.0g/m2、ホウ素0.1〜5.0g/m2、カリウム0.1〜2.00g/m2、亜鉛0〜2.00g/m2であることが好ましい。また、カリウム含有量は特開2001−166143号公報に記載されているように0.2質量%以下であってもよいし、偏光子中の亜鉛含有量を特開2000−035512号公報に記載されている0.04質量%〜0.5質量%としてもよい。
特許第3323255号明細書に記載されているように、偏光板の寸法安定性を上げるために、染色工程、延伸工程および硬膜工程のいずれかの工程において有機チタン化合物および/または有機ジルコニウム化合物を添加使用し、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有することもできる。また、偏光板の色相を調整するために二色性染料を添加してもよい。
<偏光板の特性>
(1)透過率および偏光度
本発明における偏光板の好ましい単板透過率は42.5%〜49.5%であるが、さらに好ましくは42.8%〜49.0%である。下記式4で定義される偏光度の好ましい範囲は99.900%〜99.999%であり、さらに好ましくは99.940%〜99.995%である。平行透過率の好ましい範囲は36%〜42%であり、直交透過率の好ましい範囲は、0.001%〜0.05%である。
(1)透過率および偏光度
本発明における偏光板の好ましい単板透過率は42.5%〜49.5%であるが、さらに好ましくは42.8%〜49.0%である。下記式4で定義される偏光度の好ましい範囲は99.900%〜99.999%であり、さらに好ましくは99.940%〜99.995%である。平行透過率の好ましい範囲は36%〜42%であり、直交透過率の好ましい範囲は、0.001%〜0.05%である。
上述の透過率はJISZ8701に基づいて、下記式により定義される。
また、下記式5で定義される二色性比の好ましい範囲は48〜1215であるが、さらに好ましくは53〜525である。
ヨウ素濃度と単板透過率とは特開2002−258051号公報の[0017]に記載されている範囲であってもよい。
平行透過率は、特開2001−083328号公報や特開2002−022950号公報に記載されているように波長依存性が小さくてもよい。偏光板をクロスニコルに配置した場合の光学特性は、特開2001−091736号公報の[0007]に記載されている範囲であってもよく、平行透過率と直交透過率との関係は、特開2002−174728号公報の[0006]に記載されている範囲内であってもよい。
平行透過率は、特開2001−083328号公報や特開2002−022950号公報に記載されているように波長依存性が小さくてもよい。偏光板をクロスニコルに配置した場合の光学特性は、特開2001−091736号公報の[0007]に記載されている範囲であってもよく、平行透過率と直交透過率との関係は、特開2002−174728号公報の[0006]に記載されている範囲内であってもよい。
また、特開2002−221618号公報に記載されているように、光の波長が420〜700nmの間での10nm毎の平行透過率の標準偏差が3以下で、且つ、光の波長が420〜700nmの間での10nm毎の(平行透過率/直交透過率)の最小値が300以上であってもよい。
偏光板の波長440nmにおける平行透過率と直交透過率、平行透過率、波長550nmにおける平行透過率と直交透過率、波長610nmにおける平行透過率と直交透過率が、特開2002−258042号公報の[0012]や特開2002−258043号公報の[0012]に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
偏光板の波長440nmにおける平行透過率と直交透過率、平行透過率、波長550nmにおける平行透過率と直交透過率、波長610nmにおける平行透過率と直交透過率が、特開2002−258042号公報の[0012]や特開2002−258043号公報の[0012]に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
(2)色相
本発明における偏光板の色相は、CIE均等知覚空間として推奨されているL*a*b*表色系における明度指数L*およびクロマティクネス指数a*とb*を用いて好ましく評価される。
L*、a*、b*の定義は、例えば、東京電機大学出版局刊、色彩光学等に記載されている。
次に、b*の求め方について述べる。
明度指数:L*=116(Y/Yn)1/3-16
a*=500{(X/Xn)1/3-(Y/Yn)1/3}
b*=200{(Y/Yn)1/3 -(Z/Zn)1/3}
ただし
Y/Yn>0.008856
X/Xn>0.008856
Z/Zn>0.008856
ここで、X、Y、Zは試料のXYZ表色系における三刺激値である。
Xn、Yn、Znは完全拡散反射面の三刺激値であり、X/Xn、Y/Yn、Z/Znに0.008856以下のものがある場合は、上式で対応する立方根の項をそれぞれ以下の式に置き換えて計算できる。
(X/Xn)1/3→7.787(X/Xn)+16/116
(Y/Yn)1/3→7.787(Y/Yn)+16/116
(Z/Zn)1/3→7.787(Z/Zn)+16/116
本発明における偏光板の色相は、CIE均等知覚空間として推奨されているL*a*b*表色系における明度指数L*およびクロマティクネス指数a*とb*を用いて好ましく評価される。
L*、a*、b*の定義は、例えば、東京電機大学出版局刊、色彩光学等に記載されている。
次に、b*の求め方について述べる。
明度指数:L*=116(Y/Yn)1/3-16
a*=500{(X/Xn)1/3-(Y/Yn)1/3}
b*=200{(Y/Yn)1/3 -(Z/Zn)1/3}
ただし
Y/Yn>0.008856
X/Xn>0.008856
Z/Zn>0.008856
ここで、X、Y、Zは試料のXYZ表色系における三刺激値である。
Xn、Yn、Znは完全拡散反射面の三刺激値であり、X/Xn、Y/Yn、Z/Znに0.008856以下のものがある場合は、上式で対応する立方根の項をそれぞれ以下の式に置き換えて計算できる。
(X/Xn)1/3→7.787(X/Xn)+16/116
(Y/Yn)1/3→7.787(Y/Yn)+16/116
(Z/Zn)1/3→7.787(Z/Zn)+16/116
偏光板単枚の好ましいa*の範囲は−2.5〜0.2であり、さらに好ましくは−2.0〜0である。偏光板単枚の好ましいb*の範囲は1.5〜5であり、さらに好ましくは2〜4.5以下である。2枚の偏光板の平行透過光のa*の好ましい範囲は−4.0〜0であり、さらに好ましくは−3.5〜−0.5である。2枚の偏光板の平行透過光のb*の好ましい範囲は2.0〜8であり、さらに好ましくは2.5〜7である。2枚の偏光板の直交透過光のa*の好ましい範囲は−0.5〜1.0であり、さらに好ましくは0〜2である。2枚の偏光板の直交透過光のb*の好ましい範囲は−2.0〜2であり、さらに好ましくは−1.5〜0.5である。
色相は、前述のX、Y、Zから算出される色度座標(x,y)で評価しても良く、例えば、2枚の偏光板の平行透過光の色度(xp、yp)と直交透過光の色度(xc、yc)は、特開2002−214436号の[0017]、特開2001−166136号の[0007]や特開2002−169024号の各公報の[0005]〜[0008]に記載されている範囲にしたり、色相と吸光度との関係を特開2001−311827号公報の[0005]〜[0006]に記載されている範囲内にすることも好ましく行うことができる。
(3)視野角特性
偏光板をクロスニコルに配置して波長550nmの光を入射させる場合の、垂直光を入射させた場合と、偏光軸に対して45度の方位から法線に対し40°の角度で入射させた場合の、透過率比やxy色度差を特開2001−166135号や特開2001−166137号公報に記載された範囲とすることも好ましい。また、特開平10−068817号公報に記載されているように、クロスニコル配置した偏光板積層体の垂直方向の光透過率(T0)と、積層体の法線から60°傾斜方向の光透過率(T60)との比(T60/T0)を10000以下としたり、特開2002−139625号公報に記載されているように、偏光板に法線から仰角80°までの任意な角度で自然光を入射させた場合に、その透過スペクトルの520〜640nmの波長範囲において波長域20nm以内における透過光の透過率差を6%以下としたり、特開平08−248201号公報に記載されている、フィルム上の任意の1cm離れた場所における透過光の輝度差が30%以内とすることも好ましい。
偏光板をクロスニコルに配置して波長550nmの光を入射させる場合の、垂直光を入射させた場合と、偏光軸に対して45度の方位から法線に対し40°の角度で入射させた場合の、透過率比やxy色度差を特開2001−166135号や特開2001−166137号公報に記載された範囲とすることも好ましい。また、特開平10−068817号公報に記載されているように、クロスニコル配置した偏光板積層体の垂直方向の光透過率(T0)と、積層体の法線から60°傾斜方向の光透過率(T60)との比(T60/T0)を10000以下としたり、特開2002−139625号公報に記載されているように、偏光板に法線から仰角80°までの任意な角度で自然光を入射させた場合に、その透過スペクトルの520〜640nmの波長範囲において波長域20nm以内における透過光の透過率差を6%以下としたり、特開平08−248201号公報に記載されている、フィルム上の任意の1cm離れた場所における透過光の輝度差が30%以内とすることも好ましい。
(4)耐久性
(4−1)湿熱耐久性
60℃、相対湿度95%の雰囲気に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下であることが好ましい。また、特開平07−077608号公報に記載されているように80℃、相対湿度90%、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透過率が38%以上であることも好ましい。
(4−1)湿熱耐久性
60℃、相対湿度95%の雰囲気に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下であることが好ましい。また、特開平07−077608号公報に記載されているように80℃、相対湿度90%、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透過率が38%以上であることも好ましい。
(4−2)ドライ耐久性
80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率も絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に、光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率も絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に、光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
(4−3)その他の耐久性
さらに、特開平06−167611号公報に記載されているように80℃で2時間放置した後の収縮率を0.5%以下としたり、ガラス板の両面にクロスニコル配置した偏光板積層体を69℃の雰囲気中で750時間放置した後のx値およびy値を特開平10−068818号公報に記載されている範囲内としたり、80℃、相対湿度90%の雰囲気中で200時間放置処理後のラマン分光法による105cm-1および157cm-1のスペクトル強度比の変化を、特開平08−094834号公報や特開平09−197127号公報に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
さらに、特開平06−167611号公報に記載されているように80℃で2時間放置した後の収縮率を0.5%以下としたり、ガラス板の両面にクロスニコル配置した偏光板積層体を69℃の雰囲気中で750時間放置した後のx値およびy値を特開平10−068818号公報に記載されている範囲内としたり、80℃、相対湿度90%の雰囲気中で200時間放置処理後のラマン分光法による105cm-1および157cm-1のスペクトル強度比の変化を、特開平08−094834号公報や特開平09−197127号公報に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
(5)配向度
PVAの配向度は高い程良好な偏光性能が得られるが、偏光ラマン散乱や偏光FT−IR等の手段によって算出されるオーダーパラメーター値として0.2〜1.0が好ましい範囲である。また、特開昭59−133509号公報に記載されているように、偏光子の全非晶領域の高分子セグメントの配向係数と占領分子の配向係数(0.75以上)との差を少なくとも0.15としたり、特開平04−204907号公報に記載されているように偏光子の非晶領域の配向係数を0.65〜0.85としたり、I3 -やI5―の高次ヨウ素イオンの配向度を、オーダーパラメーター値として0.8〜1.0とすることも好ましく行うことができる。
PVAの配向度は高い程良好な偏光性能が得られるが、偏光ラマン散乱や偏光FT−IR等の手段によって算出されるオーダーパラメーター値として0.2〜1.0が好ましい範囲である。また、特開昭59−133509号公報に記載されているように、偏光子の全非晶領域の高分子セグメントの配向係数と占領分子の配向係数(0.75以上)との差を少なくとも0.15としたり、特開平04−204907号公報に記載されているように偏光子の非晶領域の配向係数を0.65〜0.85としたり、I3 -やI5―の高次ヨウ素イオンの配向度を、オーダーパラメーター値として0.8〜1.0とすることも好ましく行うことができる。
(6)その他の特性
特開2002−006133号公報に記載されているように、80℃で30分加熱したときの単位幅あたりの吸収軸方向の収縮力を4.0N/cm以下としたり、特開2002−236213号公報に記載されているように、偏光板を70℃の加熱条件下に120時間置いた場合に、偏光板の吸収軸方向の寸法変化率および偏光軸方向の寸法変化率を、共に±0.6%以内としたり、偏光板の水分率を特開2002−090546号公報に記載されているように3質量%以下とすることも好ましく行うことができる。さらに、特開2000−249832号公報に記載されているように延伸軸に垂直な方向の表面粗さを中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下としたり、特開平10−268294号に記載されているように透過軸方向の屈折率n0を1.6より大きくしたり、偏光板の厚みと保護フィルムの厚みの関係を特開平10−111411号公報の[0004]に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
特開2002−006133号公報に記載されているように、80℃で30分加熱したときの単位幅あたりの吸収軸方向の収縮力を4.0N/cm以下としたり、特開2002−236213号公報に記載されているように、偏光板を70℃の加熱条件下に120時間置いた場合に、偏光板の吸収軸方向の寸法変化率および偏光軸方向の寸法変化率を、共に±0.6%以内としたり、偏光板の水分率を特開2002−090546号公報に記載されているように3質量%以下とすることも好ましく行うことができる。さらに、特開2000−249832号公報に記載されているように延伸軸に垂直な方向の表面粗さを中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下としたり、特開平10−268294号に記載されているように透過軸方向の屈折率n0を1.6より大きくしたり、偏光板の厚みと保護フィルムの厚みの関係を特開平10−111411号公報の[0004]に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
<偏光板の機能化>
本発明における偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、低透湿層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
本発明における偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、低透湿層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
(反射防止フィルム)
本発明における偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、もしくは薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
本発明における偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、もしくは薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55であることが好ましく、さらに好ましくは1.30〜1.50である。低屈折率層は、耐擦傷性、防汚性を有する最外層として使用することが好ましい。耐擦傷性向上のため、シリコーン基を含有する含シリコーン化合物や、フッ素を含有する含フッ素化合物等の素材を用い表面への滑り性付与することも好ましく行われる。
前記含フッ素化合物としては、例えば、特開平9−222503号公報明細書段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報明細書段落番号[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報明細書段落番号[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物を好ましく使用することができる。
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
前記低屈折率層は、気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されても良いが、安価に製造できる点で、塗布法で形成することが好ましい。塗布法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法を好ましく使用することができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
中屈折率層および高屈折率層は、平均粒径100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子をマトリックス用材料に分散した構成とすることが好ましい。高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物、例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等を好ましく使用できる。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104等)、特定の分散剤併用する(例、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104等)、特定の分散剤併用する(例、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
前記マトリックス用材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等を使用できるが、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の多官能性材料や、特開2001−293818号公報等に記載の金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜を使用することもできる。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
前記反射防止フィルムのヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。また、膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
(輝度向上フィルム)
本発明における偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
本発明における偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
異方性反射方式では、一軸延伸フィルムと未延伸フィルムとを多重に積層して、延伸方向の屈折率差を大きくすることにより反射率ならびに透過率の異方性を有する輝度向上フィルムが知られており、誘電体ミラーの原理を用いた多層膜方式(国際公開第95/17691号パンフレット、国際公開第95/17692号パンフレット、国際公開第95/17699号パンフレットの各明細書記載)やコレステリック液晶方式(欧州特許606940A2号明細書、特開平8−271731号公報記載)が知られている。誘電体ミラーの原理を用いた多層方式の輝度向上フィルムとしてはDBEF―E、DBEF−D、DBEF−M(いずれも3M社製)、コレステリック液晶方式の輝度向上フィルムとしてはNIPOCS(日東電工(株)製)が本発明で好ましく使用される。NIPOCSについては、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,19頁〜21頁などを参考にすることができる。
また、本発明では国際公開第97/32223号パンフレット、国際公開第97/32224号パンフレット、国際公開第97/32225号パンフレット、国際公開第97/32226号パンフレットの各明細書および特開平9−274108号、同11−174231号の各公報に記載された正の固有複屈折性ポリマーと負の固有複屈折性ポリマーとをブレンドして一軸延伸した異方性散乱方式の輝度向上フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。異方性散乱方式輝度向上フィルムとしては、DRPF−H(3M社製)が好ましい。
(他の機能性光学フィルム)
本発明における偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、もしくは両面に設けて使用できる。
本発明における偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、もしくは両面に設けて使用できる。
〔ハードコート層〕
本発明における偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
本発明における偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層を形成する材料は、エチレン性不飽和基を含む化合物、開環重合性基を含む化合物を用いることができ、これらの化合物は単独あるいは組み合わせて用いることができる。エチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールのポリアクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類;ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を好ましい化合物として挙げることができる。また、市販化合物としては、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220、TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、開環重合性基を含む化合物の好ましい例としては、グリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。その他にグリシジル(メタ)アクリレートの重合体、或いはグリシジル(メタ)アクリレートと共重合できるモノマーとの共重合体をハードコート層に使用することもできる。
ハードコート層には、ハードコート層の硬化収縮の低減、基材との密着性の向上、本発明においてハードコート処理物品のカールを低減するため、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等の酸化物微粒子やポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等の架橋粒子、SBR、NBRなどの架橋ゴム微粒子等の有機微粒子等の架橋微粒子を添加することも好ましく行われる。これらの架橋微粒子の平均粒径は、1nm〜20000nmであることが好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒状、針状、板状など特に制限無く使用できる。微粒子の添加量は硬化後のハードコート層の60体積%以下であることが好ましく、40体積%以下がより好ましい。
上記で記載した無機微粒子を添加する場合、一般にバインダーポリマーとの親和性が悪いため、ケイ素、アルミニウム、チタニウム等の金属を含有し、かつアルコキシド基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の官能基を有する表面処理剤を用いて表面処理を行うことも好ましく行われる。
ハードコート層は、熱または活性エネルギー線を用いて硬化することが好ましく、その中でも放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を用いることがより好ましく、安全性、生産性を考えると電子線、紫外線を用いることが特に好ましい。熱で硬化させる場合は、プラスチック自身の耐熱性を考えて、加熱温度は140℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。
〔前方散乱層〕
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
〔アンチグレア層〕
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
《液晶表示装置》
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が本発明の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルム(以下偏光板保護フィルムAと称する場合がある。)が下記式(7)及び(8)を満たす液晶表示装置である。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は波長550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)である。)
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が本発明の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルム(以下偏光板保護フィルムAと称する場合がある。)が下記式(7)及び(8)を満たす液晶表示装置である。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は波長550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)である。)
以下に偏光板保護フィルムAについて詳しく説明する。
<偏光板保護フィルムA>
偏光板保護フィルムAとしては様々なポリマーフィルムが使用できる。前記ポリマーフィルムとしては、正の固有複屈折成分と負の固有複屈折成分とを併せ持つものが好ましい。具体的には、(株)帝人製「ピュアエース」等の変性ポリカーボーネートフィルム、特開2003−292639号公報および特開321535号公報に開示されるノルボルネン系フィルムや、セルロースアシレートフィルム等が好ましい。このうち、前記ポリマーフィルムとしては、原材料が安価であることおよび偏光板加工適性の点からセルロースアシレートフィルムが特に好ましい。
偏光板保護フィルムAとしては様々なポリマーフィルムが使用できる。前記ポリマーフィルムとしては、正の固有複屈折成分と負の固有複屈折成分とを併せ持つものが好ましい。具体的には、(株)帝人製「ピュアエース」等の変性ポリカーボーネートフィルム、特開2003−292639号公報および特開321535号公報に開示されるノルボルネン系フィルムや、セルロースアシレートフィルム等が好ましい。このうち、前記ポリマーフィルムとしては、原材料が安価であることおよび偏光板加工適性の点からセルロースアシレートフィルムが特に好ましい。
前記式(7)は100nm<Re(550)<120nmであることが好ましく、110nm<Re(550)<120nmであることがより好ましい。
前記式(8)は100nm<Rth(550)<140nmであることが好ましく、100nm<Rth(550)<130nmであることがより好ましい。
前記式(8)は100nm<Rth(550)<140nmであることが好ましく、100nm<Rth(550)<130nmであることがより好ましい。
偏光板保護フィルムAは更に下記式(9)を満たすことが好ましい。
ΔRe>0 ・・・式(9)
ここで、ΔReは波長630nmおよび波長450nmの光における膜厚方向のレターデーション値の差(Re(630)−Re(450))として定義される。
Re(λ)およびRth(λ)を上記(7)〜(9)の範囲に設定することにより、視角による色味変化に対する低減効果の大きい偏光板保護フィルムが得られる。
ΔRe>0 ・・・式(9)
ここで、ΔReは波長630nmおよび波長450nmの光における膜厚方向のレターデーション値の差(Re(630)−Re(450))として定義される。
Re(λ)およびRth(λ)を上記(7)〜(9)の範囲に設定することにより、視角による色味変化に対する低減効果の大きい偏光板保護フィルムが得られる。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムAに使用するセルロースアセテートは本発明における偏光板保護フィルムCに使用するセルロースアシレートと同様の原材料、合成法により製造することができる。
また、本発明におけるセルロースアシレートフィルムAの製造における、ドープ調製、流延、乾燥、剥ぎ取りの工程は、本発明における偏光板保護フィルムCの製造と同様にして行うことができる。
また、本発明におけるセルロースアシレートフィルムAの製造における、ドープ調製、流延、乾燥、剥ぎ取りの工程は、本発明における偏光板保護フィルムCの製造と同様にして行うことができる。
本発明における偏光板保護フィルムAに用いるセルロースアシレートフィルム(以下セルロースアシレートフィルムAと称する場合がある。)のレターデーションは様々な方法により調節可能である。このうち、後述するRe発現剤による調節、およびフィルムの延伸による調節を好ましく用いることができる。
ここで、「Re発現剤」とはフィルムの面内方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
ここで、「Re発現剤」とはフィルムの面内方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
〔Re発現剤〕
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムAはRe発現剤を含有することが好ましく、特に上記式(7)〜(9)の特性を満たす偏光板保護フィルムにRe発現剤を含有することが好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムAはRe発現剤を含有することが好ましく、特に上記式(7)〜(9)の特性を満たす偏光板保護フィルムにRe発現剤を含有することが好ましい。
本発明におけるRe発現剤は350nm〜800nmの波長範囲のモル吸光係数が1000以下であることがフィルムに不要の着色を引き起こさない点から好ましく、330nm〜800nmの波長範囲のモル吸光係数が1000以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるRe発現剤としては、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物を好ましく用いることができる。
本発明におけるRe発現剤としては、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物を好ましく用いることができる。
(式中、L1およびL2は各々独立に単結合または二価の連結基を表す。A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基を表す。)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、およびR3は各々独立に置換基を表す。
Xは第14〜16族の非金属原子を表す(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。)。nは0から2までの整数を表す。)
Xは第14〜16族の非金属原子を表す(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。)。nは0から2までの整数を表す。)
一般式(2)において、L1およびL2が表す二価の連結基としては、好ましくは下記の例が挙げられる。
さらに好ましくは−O−、−COO−、−OCO−である。
一般式(2)において、R1は置換基であり、複数存在する場合は同じでも
異なっていてもよく、環を形成しても良い。置換基の例としては下記のものが適用できる。
異なっていてもよく、環を形成しても良い。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、
シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、
スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、
アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R1は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基である。
R2、R3は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のシクロヘキサン環である。好ましくは置換基を有するベンゼン環、置換基を有するシクロヘキサン環であり、より好ましくは4位に置換基を有するベンゼン環、4位に置換基を有するシクロヘキサン環である。さらに好ましくは4位に置換基を有するベンゾイルオキシ基を4位に有するベンゼン環、4位に置換基を有するシクロヘキシル基を4位に有するベンゼン環、4位に置換基を有するベンゼン環を4位に有するシクロヘキサン環、4位に置換基を有するシクロヘキシル基を4位に有するシクロへキサン環である。
また、4位に置換基を有するシクロヘキサン環にはシス体およびトランス体の立体異性体が存在するが、本発明においては限定されず、両者の混合物でも良い。好ましくはトランス−シクロヘキサン環である。
R4、R5は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは、ハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子吸引性の置換基であることが好ましく、σp値が0〜1.5の電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。このような置換基としてはトリフルオロメチル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。また、R4とR5とが結合して環を形成してもよい。 なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー,91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。好ましくは−O−、−NR−(Rは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる。)または−S−である。
Xは第14〜16族の非金属原子を表す。ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。Xは=O、=S、=NR、=C(R)Rが好ましい(ここでRは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる。)。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0又は1である。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0又は1である。
以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
一般式(2)で表される化合物の合成は、既知の方法を参照して行うことができる。例えば、例示化合物(1)は、下記スキームに従って合成することができる。
前記スキーム中、化合物(1−A)から化合物(1−D)までの合成は、“Journal of Chemical Crystallography”(1997);27(9);p.515-526.に記載の方法を参照して行うことができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
本発明における、一般式(2)で表される化合物の含有量は、セルロース化合物に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜12質量部であることがさらに好ましく、1〜8質量部であることが最も好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、100℃〜300℃の温度範囲で液晶相を発現することが好ましい。より好ましくは120℃〜200℃である。液晶相は、カラムナー相、ネマチィク相またはスメクティック相が好ましく、ネマチィク相またはスメクティック相がより好ましい。
また、本発明におけるRe発現剤は、単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。本発明におけるRe発現剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜8質量%がさらに好ましい。
本発明におけるRe発現剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒にRe発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加してもよいし、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
〔延伸処理〕
本発明における偏光板保護フィルムAとしては、延伸処理されたセルロースアシレートフィルム(延伸セルロースアシレートフィルム)を用いることが特に好ましい。延伸処理によりセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
本発明における偏光板保護フィルムAとしては、延伸処理されたセルロースアシレートフィルム(延伸セルロースアシレートフィルム)を用いることが特に好ましい。延伸処理によりセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
フィルムの延伸倍率(延伸前のフィルムに対する伸び率)は、1%〜200%が好ましく、5%〜150%がさらに好ましい。とくに、幅方向に1%〜200%で延伸するのが好ましく、さらに好ましくは5%〜150%である。延伸速度は1%/分〜100%/分が好ましく、5%/分〜80%/分がさらに好ましく、10%/分〜60%/分が最も好ましい。
また、本発明における延伸セルロースアシレートフィルムは、最大延伸倍率まで延伸したのちに、最大延伸倍率より低い延伸倍率で一定時間保持する工程(以下、「緩和工程」と称することがある。)を経て製造されることが好ましい。緩和工程における延伸倍率は最大延伸倍率の50%〜99%が好ましく、70%〜97%がさらに好ましく、90%〜95%が最も好ましい。また、緩和工程の時間は1秒〜120秒が好ましく、5秒〜100秒がさらに好ましい。
緩和工程における延伸温度はフィルムのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+40℃)の範囲が好ましい。
[延伸セルロースアシレートフィルムの厚み]
本発明における延伸セルロースアシレートフィルムの厚みは10μm〜200μmが好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましく、30μm〜100μmが最も好ましい。
本発明における延伸セルロースアシレートフィルムの厚みは10μm〜200μmが好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましく、30μm〜100μmが最も好ましい。
<液晶表示装置>
次に本発明の液晶表示装置について図を用いて説明する。
次に本発明の液晶表示装置について図を用いて説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。図1において、液晶表示装置10は、液晶層7とこの上下に配置された液晶セル上電極基板5および液晶セル下電極基板8とを有する液晶セル、液晶セルの両側に配置された上側偏光板1および下側偏光板12からなる。液晶セルと各偏光板との間にカラーフィルターを配置してもよい。前記液晶表示装置10を透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。
上側偏光板1および下側偏光板12は、それぞれ2枚の保護フィルムで偏光子を挟むように積層した構成を有しており、本発明の液晶表示装置10は、一方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが上記の式(1)〜(6)の特性を満たし、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが上記の式(7)〜(9)の特性を満たす。本発明の液晶表示装置10は、装置の外側(液晶セルから遠い側)から、透明保護フィルム、偏光子、本発明におけるセルロースアシレートフィルムの順序で積層することが好ましい。液晶表示装置10には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が本発明は有効である。もちろん時分割駆動と呼ばれるSTNモードに代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置でも有効である。
(VAモード)
本発明の液晶表示装置の液晶セルはVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作製する。図1における液晶層7の厚さdは3.5μmに設定してある。ここで厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るためには液晶層の厚みを0.2μm〜0.5μmの範囲になるように設定する。
本発明の液晶表示装置の液晶セルはVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作製する。図1における液晶層7の厚さdは3.5μmに設定してある。ここで厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るためには液晶層の厚みを0.2μm〜0.5μmの範囲になるように設定する。
液晶セルの上側偏光板1の吸収軸2と下側偏光板12の吸収軸13は略直交に積層する。液晶セル上電極基板5および液晶セル下電極基板8のそれぞれの配向膜の内側には透明電極(図示せず)が形成されるが、電極に駆動電圧を印加しない非駆動状態では、液晶層7中の液晶分子は、基板面に対して概略垂直に配向し、その結果液晶パネルを通過する光の偏光状態はほとんど変化しない。すなわち、液晶表示装置では、非駆動状態において理想的な黒表示を実現する。これに対し、駆動状態では、液晶分子は基板面に平行な方向に傾斜し、液晶パネルを通過する光はかかる傾斜した液晶分子により偏光状態を変化させる。換言すると、液晶表示装置では、駆動状態において白表示が得られる。なお図1において、符号6および9は、配向制御方向である。
ここでは上下基板間に電界が印加されるため、電界方向に垂直に液晶分子が応答するような、誘電率異方性が負の液晶材料を使用した。また電極を一方の基板に配置し、電界が基板面に平行の横方向に印加される場合は、液晶材料は正の誘電率異方性を有するものを使用する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
VAモードの特徴は、高速応答であることと、コントラストが高いことである。しかし、コントラストは正面では高いが、斜め方向では劣化する課題がある。黒表示時に液晶分子は基板面に垂直に配向している。正面から観察すると、液晶分子の複屈折はほとんどないため透過率は低く、高コントラストが得られる。しかし、斜めから観察した場合は液晶分子に複屈折が生じる。さらに上下の偏光板吸収軸の交差角が、正面では90°の直交であるが、斜めから見た場合は90°より大きくなる。この2つの要因のために斜め方向では漏れ光が生じ、コントラストが低下する。これを解決するために光学補償シートを配置する。
また白表示時には液晶分子が傾斜しているが、傾斜方向とその逆方向では、斜めから観察した時の液晶分子の複屈折の大きさが異なり、輝度や色調に差が生じる。これを解決するためには、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にする。
[マルチドメイン]
例えば、VA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
例えば、VA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
また配向分割の領域境界では、液晶分子が応答しずらい。そのためノーマリーブラック表示では黒表示が維持されるため、輝度低下が問題となる。そこで液晶材料にカイラル剤を添加して境界領域を小さくすることが可能である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(偏光板保護フィルムC−1の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液01を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液01を調整した。
(セルロースアシレート溶液01の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−1) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−1) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液01を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−2の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液02を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液02を調整した。
(セルロースアシレート溶液02の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−9) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−9) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液02を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−3の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液03を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液03を調整した。
(セルロースアシレート溶液03の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−15) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−15) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液03を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−4の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液04を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液04を調整した。
(セルロースアシレート溶液04の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−16) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−16) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液04を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−5の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液05を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液05を調整した。
(セルロースアシレート溶液05の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−17) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−17) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液05を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−6の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液06を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液06を調整した。
(セルロースアシレート溶液06の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−19) 2.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−19) 2.0質量部
上記セルロースアシレート溶液06を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(偏光板保護フィルムC−7の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液07を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液07を調整した。
(セルロースアシレート溶液07の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−21) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(I−21) 6.0質量部
上記セルロースアシレート溶液07を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−8の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液08を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液08を調整した。
(セルロースアシレート溶液08の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C1) 6.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C1) 6.0質量部
Rth発現剤(C1):
上記セルロースアシレート溶液08を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−9の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液9を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液9を調整した。
(セルロースアシレート溶液9の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C2) 4.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C2) 4.0質量部
Rth発現剤(C2):
上記セルロースアシレート溶液9を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−10の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液10を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液10を調整した。
(セルロースアシレート溶液10の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C3) 4.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C3) 4.0質量部
Rth発現剤(C3):
上記セルロースアシレート溶液10を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−11の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液11を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液11を調整した。
(セルロースアシレート溶液11の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C4) 4.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C4) 4.0質量部
Rth発現剤(C4):
上記セルロースアシレート溶液11を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−12の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液12を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液12を調整した。
(セルロースアシレート溶液12の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C5) 2.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C5) 2.0質量部
Rth発現剤(C5):
上記セルロースアシレート溶液12を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−13の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液13を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液13を調整した。
(セルロースアシレート溶液13の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C6) 4.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C6) 4.0質量部
Rth発現剤(C6):
上記セルロースアシレート溶液13を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−14の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液14を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液14を調整した。
(セルロースアシレート溶液14の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C7) 2.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.93)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・Rth発現剤(C7) 2.0質量部
Rth発現剤(C7):
上記セルロースアシレート溶液14を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
(比較例用の偏光板保護フィルムC−15の作成)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液15を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液15を調整した。
(セルロースアシレート溶液15の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.86)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.86)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
上記セルロースアシレート溶液15を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。
以上のようにして作製した偏光板保護フィルムC−1〜C−15について、前述の方法によって、25℃・相対湿度60%における波長450nm、550nm、630nmのReおよびRthを測定した。結果をb*測定値と共に下記表1に示す。
表1の結果から、レターデーション発現剤として一般式(1)で表される化合物を含有する本発明の光学フィルムは式(1)〜式(5)を満たす特定の波長分散性を有することが分かる。またこれらはb*の値がいずれも式(6)を満たし、肉眼で観測したところその他のフィルムに比べて、黄色味が低減されていることが確認された。
次に、色味視野角依存性の実施例について述べる。
(偏光板保護フィルムA−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液16を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液16を調整した。
(セルロースアシレート溶液16の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.81)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
・レターデーション発現剤X 7.5質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.81)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
・レターデーション発現剤X 7.5質量部
レターデーション発現剤X
上記セルロースアシレート溶液16を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。得られたフィルムを160℃の環境下でTD方向に1.20倍に延伸し偏光板保護フィルムA−1を作製した。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。下記表2に該フィルムの光学特性をまとめた。
(偏光板保護フィルムA−2の作製)
偏光板保護フィルムA−2には帝人(株)社製ポリカーボネートフィルム(ピュアエースWV)を使用した。偏光板保護フィルムA−2の光学特性を下記表3にまとめた。
偏光板保護フィルムA−2には帝人(株)社製ポリカーボネートフィルム(ピュアエースWV)を使用した。偏光板保護フィルムA−2の光学特性を下記表3にまとめた。
(偏光板保護フィルムA−3の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液17を調整した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液17を調整した。
(セルロースアシレート溶液17の組成)
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.86)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
・レターデーション発現剤X 2.0質量部
・Re発現剤(124) 7.0質量部
・セルロースアセテート 100.0質量部
(アセチル化度2.86)
・メチレンクロライド(第1溶媒) 250.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 45.0質量部
・トリフェニルホスフェート 6.6質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート 4.7質量部
・レターデーション発現剤X 2.0質量部
・Re発現剤(124) 7.0質量部
上記セルロースアシレート溶液17を濾過した後にバンド流延機を用いて流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥させた後に、さらに140℃で20分間乾燥させた。得られたフィルムを160℃の環境下でTD方向に1.20倍に延伸し偏光板保護フィルムA−3を作製した。出来上がったセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μmであった。下記表4に該フィルムの光学特性をまとめた。
(偏光板の作成)
上記で作製した偏光板保護フィルムC−2、C−15、A−1、A−2、A−3の表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した偏光板保護フィルムC−2、C−15、A−1、A−2、A−3と、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士写真フィルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、それぞれ所望の偏光板1〜5を得た。この際、偏光板保護フィルムのMD方向およびTD80ULの遅相軸が偏光膜の吸収軸と平行になるように貼り付けた。
上記で作製した偏光板保護フィルムC−2、C−15、A−1、A−2、A−3の表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した偏光板保護フィルムC−2、C−15、A−1、A−2、A−3と、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士写真フィルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、それぞれ所望の偏光板1〜5を得た。この際、偏光板保護フィルムのMD方向およびTD80ULの遅相軸が偏光膜の吸収軸と平行になるように貼り付けた。
(液晶表示装置の作製)
VAモードの液晶TV(LC37−GE2、シャープ(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥して実装用の液晶セルとして用いた。偏光板保護フィルムとしてC−2、C−15を含む偏光板1〜2を視認側偏光板として、それぞれC−2、C−15が液晶セル側に来るように、また偏光板保護フィルムとしてA−1、A−2、A−3を含む偏光板3〜5をバックライト側偏光板として、それぞれA−1、A−2、A−3が液晶セル側に来るように貼り合わせて液晶表示装置1〜6を作製した。下記表5に作製した液晶表示装置1〜6を構成をまとめた。
VAモードの液晶TV(LC37−GE2、シャープ(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥して実装用の液晶セルとして用いた。偏光板保護フィルムとしてC−2、C−15を含む偏光板1〜2を視認側偏光板として、それぞれC−2、C−15が液晶セル側に来るように、また偏光板保護フィルムとしてA−1、A−2、A−3を含む偏光板3〜5をバックライト側偏光板として、それぞれA−1、A−2、A−3が液晶セル側に来るように貼り合わせて液晶表示装置1〜6を作製した。下記表5に作製した液晶表示装置1〜6を構成をまとめた。
(色味視野角依存性)
(パネルの色味視野角評価)
上記作製したVAモードの液晶表示装置1〜6について、図1中の下側偏光板12側にバックライトを設置し、各々について暗室内で黒表示におけるカラーシフトの程度を目視で確認した。
(パネルの色味視野角評価)
上記作製したVAモードの液晶表示装置1〜6について、図1中の下側偏光板12側にバックライトを設置し、各々について暗室内で黒表示におけるカラーシフトの程度を目視で確認した。
(極角方向の黒カラーシフト)
黒表示において、液晶セルの法線方向から一対の偏光板の透過軸の中心線方向(方位角45度)に視角を倒した場合の色度の変化
黒表示において、液晶セルの法線方向から一対の偏光板の透過軸の中心線方向(方位角45度)に視角を倒した場合の色度の変化
(方位角方向の黒カラーシフト)
液晶セルの法線方向から視認側偏光板の吸収軸方向に60度まで視角を倒し、さらに前記方向を基点とし該法線を中心として360度回転させて視認した場合における色度変化
液晶セルの法線方向から視認側偏光板の吸収軸方向に60度まで視角を倒し、さらに前記方向を基点とし該法線を中心として360度回転させて視認した場合における色度変化
上記二通りのカラーシフト評価方法により、次のように評価基準を設けた。
◎:カラーシフトが非常に少なく、目視で感知できない
○:カラーシフトが少ないが、目視で感知できる
△:カラーシフトが多く、目視で感知できる
×:カラーシフトが顕著で、目視で感知できる
◎:カラーシフトが非常に少なく、目視で感知できない
○:カラーシフトが少ないが、目視で感知できる
△:カラーシフトが多く、目視で感知できる
×:カラーシフトが顕著で、目視で感知できる
以上の結果から、式(1)〜(6)を満たす光学性能を有し、一般式(1)で表される化合物を含有する光学フィルムから成る偏光板と、式(7)〜(9)を満たす光学性能を有する光学フィルムを用いた偏光板の組合せは色味視野角依存性に優れていることが判る。
1 上側偏光板
2 上側偏光板吸収軸の方向
5 液晶セル上電極基板
6 上基板の配向制御方向
7 液晶層
8 液晶セル下電極基板
9 下基板の配向制御方向
10 液晶表示装置
12 下側偏光板
13 下側偏光板吸収軸の方向
2 上側偏光板吸収軸の方向
5 液晶セル上電極基板
6 上基板の配向制御方向
7 液晶層
8 液晶セル下電極基板
9 下基板の配向制御方向
10 液晶表示装置
12 下側偏光板
13 下側偏光板吸収軸の方向
Claims (9)
- 下記式(1)〜(6)を満たす光学フィルム。
0nm<Re(550)<10nm ・・・式(1)
60nm<Rth(550)<300nm ・・・式(2)
Rth(550)/Re(550)>10 ・・・式(3)
1<Rth(450)/Rth(550) ・・・式(4)
Rth(630)/Rth(550)<1 ・・・式(5)
b*<1.0 ・・・式(6)
(式(1)〜(6)中、Re(λ)及びRth(λ)はそれぞれ波長λnmの光における面内レターデーション値(単位nm)と膜厚方向のレターデーション値(単位nm)を表す。式(6)中のb*は厚さ80μmのフィルムの色度を表し、L*a*b*表色系におけるクロマティクネス指数である。) - レターデーション発現剤を少なくとも1種以上含有する請求項1に記載の光学フィルム。
- セルロースアシレートを含む請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1〜4に記載の光学フィルムを含む位相差板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムまたは請求項5に記載の位相差板を含む偏光板。
- 液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が請求項6に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)及び(8)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は波長550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)である。) - 液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、一方の偏光板が請求項6に記載の偏光板からなり、他方の偏光板の液晶セル側の保護フィルムが下記式(7)〜(9)を満たす液晶表示装置。
90nm<Re(550)<120nm ・・・式(7)
100nm<Rth(550)<150nm ・・・式(8)
ΔRe>0 ・・・式(9)
(式(7)および式(8)中、Re(550)は550nmの光における面内方向のレターデーション値(単位nm)であり、Rth(550)は550nmの光における膜厚方向のレターデーション値(単位nm)であり、また式(9)中、ΔReは波長630nmおよび波長450nmの光における膜厚方向のレターデーション値の差(Re(630)−Re(450))である。) - 前記液晶表示装置がVAモードである請求項7または8に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007075042A JP2008233655A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 光学フィルム、位相差板、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007075042A JP2008233655A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 光学フィルム、位相差板、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008233655A true JP2008233655A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39906487
Family Applications (1)
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JP2007075042A Pending JP2008233655A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 光学フィルム、位相差板、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008233655A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010035911A1 (ja) | 2008-09-29 | 2010-04-01 | 帝人株式会社 | ボリ乳酸フィルム |
JP2012247789A (ja) * | 2012-07-11 | 2012-12-13 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学フィルム、その製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007075042A patent/JP2008233655A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010035911A1 (ja) | 2008-09-29 | 2010-04-01 | 帝人株式会社 | ボリ乳酸フィルム |
US8748543B2 (en) | 2008-09-29 | 2014-06-10 | Teijin Limited | Polylactic acid film |
JP2012247789A (ja) * | 2012-07-11 | 2012-12-13 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学フィルム、その製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 |
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