JP2008233020A - 表面温度測定システム、加熱炉、表面温度測定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加熱帯13の上方から、加熱帯13内を搬送されるスラブ21の表面を望む位置に、略3.9[μm]の波長を有する光のみを検出する放射温度計100を設置し、複数の熱電対200を、加熱帯13の天井面13aに概ね格子状に点在させ、放射温度計100で求められた発光輝度から、熱電対200で測定された温度を用いて算出した迷光雑音輝度を引いて、スラブ21自体から発光される自発光輝度を求める。このとき、放射温度計100はスラブと正対し、点在する熱電対は温度測定中心点21aから放射温度計100の方向に広がる天頂角θが45[°]の仮想の円錐41があると見なした場合にその円錐41の内部に入るようにするのが望ましい。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、所定の間隔を有して鋼材表面と正対する位置に固定された第1の放射温度計の他に、加熱炉内に設けられ、炉内全方向に受光方向を走査できる第2の放射温度計を用いる技術が開示されている。かかる技術では、加熱炉内において第2の放射温度計を走査させて加熱炉内に存在する迷光雑音の輝度を測定し、第1の放射温度計で測定した発光輝度から、第2の放射温度計で測定した迷光雑音の輝度を除去して、鋼材表面の温度を測定するようにしている。
また、本発明の加熱炉は、前記表面温度測定システムを有することを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の表面温度測定システムの適用対象の一例である多帯式ウォーキングビーム式連続加熱炉の概略構成の一例を示す図である。
図1において、多帯式ウォーキングビーム式連続加熱炉10は、非燃焼帯11と、予熱帯12と、加熱帯13と、均熱帯14とを、被測定物体の一例であるスラブ21が順番に通過するようにして、スラブ21を加熱するためのものである。尚、以下の説明では、多帯式ウォーキングビーム式連続加熱炉10を、加熱炉10と略称する。また、図1では、15個のスラブ21が、加熱炉10内にある場合を例に挙げて示している。
尚、本実施形態では、軸流バーナー15、ルーフバーナー16、及びサイドバーナー17からバーナー火炎を発生させるための燃料として、例えばLNGを用い、支燃剤として空気又は酸素富化空気を用いている。尚、各バーナー15〜17に送られる支燃剤は、400[℃]〜600[℃]程度に予熱されている。
以上のように本実施形態では、例えば、放射温度計100を用いて、発光輝度測定手段が実現される。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、9個の熱電対200a〜200iを、加熱帯13の天井面13aに取り付けている。具体的に本実施形態では、9個の熱電対200a〜200iを、概ね、1[m]間隔の格子状に点在させている。
図4に示すように、本実施形態では、スラブ21表面上の点であって、放射温度計100の入光面100aの中心100bと正対する位置にある点21aから、放射温度計100の方向に広がる天頂角θが45[°](広がり角が90[°])の仮想の円錐41があると見なした場合に、その仮想の円錐41の内部に入るように、9個の熱電対200a〜200iが、加熱帯13の天井面13aに取り付けられるようにしている。
本願発明者らは、加熱炉10による加熱によって表面が酸化されたスラブ21の放射率εsは、温度によらず概ね0.85で一定となるという知見を得た。したがって、加熱帯13の天井面13aから発せられる「波長が3.9[μm]の光」の二方向性反射率ρ´´(θ)の天井面13a全体における積分値は、温度によらず概ね0.15(1−0.85)になる。ここで、二方向性反射率ρ´´(θ)とは、例えば、加熱帯13の天井面13aの点(例えば点13c)から、スラブ21の被測定領域に入射した光のうち、放射温度計100の入光面100aの方向(法線方向)に反射する光がどの位あるのかを示すものである。尚、スラブ21の被測定領域とは、温度測定中心点21aを中心とする領域であって、放射温度計100の入光面100aと正対する領域である。
更に、本願発明者らは、図5に示すグラフ51を表す関数を積分した結果(図5に示したグラフ51の面積)が0.15となるように、グラフ51の縦軸の値を相対値から実際の値に変更する計算をコンピュータに行わせた。その結果、本願発明者らは、波長が3.9[μm]の光の入射角(天頂角)θと、二方向性反射率ρ´´(θ)の実際の値との関係を示す二方向性反射率ρ´´(θ)の関数を得た。
そして、本願発明者らは、コンピュータを用いて、次の(1)式の演算を行った。
以上のことから、本願発明者らは、加熱炉10の天井面13a全体から発せられる光の全てではなく、仮想の円錐41の内部の領域から発せられる光に基づいて、加熱炉10の天井面13aから発せられる外乱光に基づく迷光雑音輝度を求めたとしても、その迷光雑音輝度の誤差は、以下の(2)式に示すように、1[%]未満となるという知見を得た。
0.3×0.15×0.2×100=0.9[%] ・・・(2)
以上のように本実施形態では、例えば、9個の熱電対200a〜200iを用いて複数の温度測定手段が実現される。
熱電対温度取得部302は、9個の熱電対200a〜200iで測定された温度の信号を入力してRAMに記憶させるためのものである。このとき熱電対温度取得部302は、どの熱電対200a〜200iが測定した温度であるのかを識別できるようにして、その温度をRAMに記憶させる。
図7は、熱電対200a〜200iで測定された温度の一例を示す図である。図7において、グラフ71〜79は、夫々、熱電対200e、200d、200f、200c、200a、200h、200b、200i、200gで測定された温度に基づくグラフである。
そして、天井面温度分布導出部307は、以上のようにして求めた「加熱帯13の天井面13aの温度」から、加熱帯13の天井面13aの温度分布を算出し、算出した温度分布をRAM等に記憶させる。
以上のように本実施形態では、例えば、天井面温度分布導出部307を用いて、温度分布計算手段が実現される。
前述したように、加熱帯13の天井面13aの任意の点の温度は、その点の周囲にある4つの熱電対200により測定された温度を用いて求められる。したがって、加熱帯13の天井面13aの任意の点Pの温度Tpは、以下の(3)式で表される。
x,y:4つの熱電対200d、200f、200g、200iの位置を頂点とする正方形の中心点を原点としたxy平面(天井面13a)上の座標
T1〜T4:点Pの周囲にある4つの熱電対200の温度(絶対温度)
(3)式は、以下の(4)〜(7)式を用いることにより、以下の(8)式のように変換される。
φ:方位角
atan:アークタンジェント
h:スラブ21の表面と、加熱帯13の天井面13aとの間の距離
Tp=f(θ,φ,T1,T2,T3,T4) ・・・(8)
εsIb(Ts):スラブ21自体より発せられる自発光の輝度(放射強度)
尚、以下の説明では、スラブ21自体より発せられる自発光の輝度を、必要に応じてスラブ21自体より発せられる自発光輝度、又は単に自発光輝度と称する。
以上のように、(9)式の左辺は、放射温度計100で求められる発光輝度Ib(Tm)であり、(9)式の右辺の第2項は、放射温度計100で求められる発光輝度Ib(Tm)に含まれる迷光雑音輝度である。よって、(9)式の右辺の第1項εsIb(Ts)が、スラブ21自体より発せられる自発光輝度となる。
)式は、表面温度Tと黒体放射輝度Ib(T)との関係式である。表面温度演算部308は、(8)式を代入した(10)式と、二方向性反射率記憶部306に記憶されている「二方向性反射率ρ´´(θ)」とを(9)式の右辺の第2項に代入して、コンピュータによる数値積分を行うことにより、(9)式の右辺の第2項を求める。このように、本実施形態では、例えば、表面温度演算部308を用いて、迷光雑音計算手段が実現される。
C1、C2:物理定数
T:絶対温度
また、表面温度演算部308は、(9)式の左辺に、発光輝度取得部301により取得された「発光輝度Ib(Tm)」を代入し、更に(9)式の右辺の第1項のεsに、放射率記憶部304に記憶されている「スラブ21の放射率εs」を代入する。
そして、表面温度演算部308は、(9)式の右辺の第1項の自発光輝度εsIb(Ts)を求め、求めた自発光輝度εsIb(Ts)に含まれる黒体放射輝度Ib(Ts)を、前述した(10)式に代入することにより、スラブ21の被測定領域の表面温度Ts[K]を算出する。このように、本実施形態では、例えば、表面温度演算部308を用いて、自発光輝度計算手段と表面温度計算手段とが実現される。
表面温度表示部309は、表面温度演算部308で求められた「スラブ21の被測定領域の表面温度Ts」を、表示装置400に表示して、ユーザに報知する。
まず、ステップS1において、熱電対温度取得部302は、9個の熱電対200a〜200iで測定された温度の信号を入力するまで待機する。9個の熱電対200a〜200iで測定された温度の信号を入力すると、ステップS2に進む。ステップS2に進むと、熱電対温度取得部302は、入力した「9個の熱電対200a〜200iで測定された温度」をRAMに記憶させる。前述したように、熱電対温度取得部302は、どの熱電対200a〜200iが測定した温度であるのかを識別できるようにして、その温度をRAMに記憶させる。
次に、ステップS4において、発光輝度取得部301は、放射温度計100で求められた発光輝度Ib(Tm)の信号が入力されるまで待機する。放射温度計100で求められた発光輝度Ib(Tm)の信号が入力されると、ステップS5に進む。ステップS5に進むと、発光輝度取得部301は、入力した「発光輝度Ib(Tm)」をRAMに記憶させる。
次に、ステップS7において、表面温度演算部308は、放射率記憶部304に予め記憶されている「スラブ21の放射率εs」を読み出す。
次に、ステップS8において、表面温度演算部308は、ステップS3で求められた「加熱帯13の天井面13aの温度分布」により表される「加熱帯13の天井面13aの任意の点Pの温度Tp」と、ステップS5で記憶された「発光輝度Ib(Tm)」と、ステップS6で読み出された「二方向性反射率ρ´´(θ)」と、ステップS7で読み出された「スラブ21の放射率εs」とを(9)式に代入して、自発光輝度εsIb(Ts)を算出する。
次に、ステップS10において、表面温度表示部309は、ステップS9で算出された「スラブ21の被測定領域の表面温度Ts」を表示するための画像データを生成し、その画像データに基づく画像を表示装置400に表示して、スラブ21の被測定領域の表面温度Tsをユーザに報知する。
図10において、本実施形態の表面温度測定システムにより算出された「スラブ21の被測定領域の表面温度Ts」(◆)と、スラブ21の表面に取り付けられた熱電対で測定された「スラブ21の被測定領域の表面温度」を表すグラフ1001との差は、絶対値で10[℃]以下であった。このことから、本実施形態の表面温度測定システムにより算出された「スラブ21の被測定領域の表面温度Ts」は、実用上十分な精度を有していることが分かる。
また、本実施形態では、放射温度計100を用いて、自発光輝度を求める場合を例に挙げて説明したが、発光輝度を求めることができれば、必ずしも放射温度計を用いなくてもよい。例えば、分光輝度計を用いることができる。
また、本実施形態では、放射温度計100で発光輝度を求めるようにしたが、必ずしもこのようにする必要はなく、情報処理装置301が、放射温度計100で求められた温度から、プランクの法則に基づいて、発光輝度を算出するようにしてもよい。このようにした場合には、発光輝度測定手段が情報処理装置301内に設けられることになる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、放射温度計100と、複数の熱電対200との組みを、加熱帯13に1組み設け、1つの被測定領域における表面温度Tsを求める場合について説明した。これに対し、本実施形態では、放射温度計と、9個の熱電対との組みを、加熱帯13に3組み設け、情報処理装置において、3つの被測定領域における表面温度Tsを求めるようにしている。このように前述した第1の実施形態と、本実施形態とは、放射温度計と、9個の熱電対との組み数と、情報処理装置300の機能の一部とが主として異なる。従って、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、例えば図1〜図10に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
放射温度計101〜103は、夫々、第1の実施形態で説明した放射温度計100と同じ構成を有している。放射温度計101〜103は、その入光面101a〜103aの中心101b〜103bが、ウォーキングビームにおけるスラブ21の1回当たりの搬送距離よりも短い所定の間隔となるように、スラブ21の搬送方向(図11の矢印の方向)に並べられている。そして、放射温度計101〜103は、夫々、加熱帯13の上方から、加熱帯13の天井面13aの一部に形成された孔13b1〜13b3を通して、加熱帯13内を搬送されるスラブ21の表面を望む位置に設置されている。
次に、情報処理装置301は、取得した発光輝度と温度とを用いて、前述した第1の実施形態と同様にして(3)式〜(10)式の計算を行い、スラブ21の略同一の被測定領域における表面温度Ts[K]を3回算出する。そして、情報処理装置301は、算出した被測定領域の表面温度Tsを用いて、加熱帯13にあるスラブ21の温度履歴を算出し、算出した温度履歴を表示装置401に表示させる。
尚、放射温度計101〜103の数と、熱電対201〜203との組数は、3つに限定されない。また、前述した第1の実施形態で説明した種々の変形例を採ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第2の実施形態では、加熱帯13において、放射温度計と、9個の熱電対との組みを、スラブ21の幅方向(搬送方向)に3組み設け、情報処理装置において、3つの被測定領域における表面温度Tsを求める場合について説明した。これに対し本実施形態では、放射温度計と、9個の熱電対との組みを、スラブ21の長手方向に3組み設けるようにする。このように前述した第2の実施形態と、本実施形態とは、放射温度計と、9個の熱電対との組みの設置位置と、情報処理装置301の機能の一部とが主として異なる。従って、本実施形態の説明において、前述した第1及び第2の実施形態と同一の部分については、例えば図1〜図11に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
放射温度計104〜106は、夫々、第1の実施形態で説明した放射温度計100と同じ構成を有している。放射温度計104〜106は、スラブ21の長手方向(搬送方向に対して垂直方向)に並べられている。そして、放射温度計104〜106は、夫々、加熱帯13の上方から、加熱帯13の天井面13aの一部に形成された孔13b4〜13b6を通して、加熱帯13内を搬送されるスラブ21の表面を望む位置に設置されている。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、放射温度計100と、複数の熱電対200との組みを、加熱帯13に1組み設け、1つの被測定領域における表面温度Tsを求める場合について説明した。これに対し、本実施形態では、放射温度計と、9個の熱電対との組みを、加熱帯13と予熱帯12とに夫々1組みずつ設け、情報処理装置において、2つの被測定領域における表面温度Tsを求めるようにする。このように前述した第1〜第3の実施形態と、本実施形態とは、放射温度計と、9個の熱電対との組み数及び設置箇所と、情報処理装置300〜302の機能の一部とが主として異なる。従って、本実施形態の説明において、前述した第1〜第3の実施形態と同一の部分については、例えば図1〜図12に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第1の実施形態で説明したように、放射温度計100は、加熱帯13の上方から、加熱帯13の天井面13aの一部に形成された孔13bを通して、加熱帯13内を搬送されるスラブ21の表面を望む位置に設置されている。
放射温度計107は、第1の実施形態で説明した放射温度計100と同じ構成を有している。放射温度計107は、予熱帯12の上方から、予熱帯12の天井面12aの一部に形成された孔12bを通して、予熱帯12内を搬送されるスラブ21の表面を望む位置に設置されている。
一方、予熱帯12の天井面12aには、放射温度計107の入光面107aの中心107bと正対する位置にある点21a7から、放射温度計100の方向に広がる天頂角θが45[°]の円錐があると見なした場合に、その円錐の内部に入るように、9個の熱電対207が取り付けられるようにしている。尚、図13では、熱電対207a〜207cのみを示しているが、図2及び図3に示したように、孔12bを中心として、9個の熱電対207が格子状に点在している。
次に、情報処理装置303は、取得した発光輝度と温度とを用いて、前述した第1の実施形態と同様にして(3)式〜(10)式の計算を行い、スラブ21の略同一の被測定領域における表面温度Ts[K]を2回算出する。そして、情報処理装置303は、算出した被測定領域の表面温度Tsを用いて、予熱帯12及び加熱帯13におけるスラブ21の温度履歴を算出し、算出した温度履歴を表示装置403に表示させる。
更に、第2〜第4の実施形態のうち、少なくとも何れか2つの実施形態を組み合わせて、表面温度測定システムを構成することもできる。
また、第2の実施形態では、放射温度計101〜103と、熱電対201〜203との組みを、スラブ21の幅方向に複数設け、第3の実施形態では、放射温度計計104〜106と、熱電対204〜206との組みを、スラブ21の長手方向に複数設けた場合を例に挙げて説明したが、放射温度計と、9個の熱電対との組みを、スラブ21の任意の方向に複数設けることもできる。
尚、前述した第1〜第4の実施形態では、サイドバーナー17を、スラブ21よりも下側に設けた場合を例に挙げて説明したが、サイドバーナー17を、スラブ21よりも上側に設けてもよい。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 非燃焼帯
12 予熱帯
12a 天井面
12b 天井面に形成された孔
13 加熱帯
13a 天井面
13b 天井面に形成された孔
13c 天井面の任意の点
14 均熱帯
15 軸流バーナー
16 ルーフバーナー
17 サイドバーナー
21 スラブ
21a 温度測定中心点
41 仮想の円錐
51 二方向性反射率の相対値と波長が3.9[μm]の光の入射角との関係を表すグラフ
71〜79 熱電対で測定された温度に基づくグラフ
91 実際の放射率が0.87であったときの、スラブの表面温度の算出値と真値との誤差を示すグラフ
92 実際の放射率が0.83であったときの、スラブの表面温度の算出値と真値との誤差を示すグラフ
100〜107 放射温度計
100a〜107a 放射温度計の入光面
100b〜107b 放射温度計の入光面の中心
200〜207 熱電対
300〜303 情報処理装置
301 発光輝度取得部
302 熱電対温度取得部
303 熱電対位置記憶部
304 放射率記憶部
305 二方向性反射率導出部
306 二方向性反射率記憶部
307 天井面温度分布導出部
308 表面温度演算部
309 表面温度表示部
400〜403 表示装置
θ 仮想の円錐の天頂角
Claims (19)
- ガス焚き加熱炉内で加熱されている被測定物体の表面温度を測定する表面温度測定システムであって、
前記被測定物体から発光される波長の光のうち、ガスの放射と吸収とが他の波長帯域よりも小さい特定波長の光の発光輝度を測定する発光輝度測定手段と、
前記被測定物体の表面に入射する外乱光を発生する領域に設けられた複数の温度測定手段と、
前記複数の温度測定手段により測定された温度に基づいて、前記被測定物体に入射する外乱光を発生する領域の温度分布を計算する温度分布計算手段と、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体の表面で反射した迷光雑音輝度を、前記温度分布計算手段により計算された温度分布を用いて計算する迷光雑音計算手段と、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体自体から発生している自発光輝度を、前記迷光雑音計算手段により計算された迷光雑音輝度と、前記発光輝度測定手段により測定された発光輝度とを用いて計算する自発光輝度計算手段と、
前記自発光輝度計算手段により計算された自発光輝度を用いて、前記被測定物体の表面温度を計算する表面温度計算手段とを有することを特徴とする表面温度測定システム。 - 前記発光輝度測定手段は、その光の検出面が、前記被測定物体の被測定領域と正対する位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の表面温度測定システム。
- 前記被測定物体の被測定領域内の点から、前記発光輝度測定手段の方向に広がる天頂角が45[°]の円錐があると見なした場合に、その円錐の内部の領域に、前記複数の温度測定手段が点在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面温度測定システム。
- 前記迷光雑音計算手段は、前記特定波長の光における前記被測定物体の二方向性反射率を、予め記憶する二方向性反射率記憶手段を有し、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体の表面で反射した迷光雑音輝度を、前記温度分布計算手段により計算された温度分布と、前記二方向性反射率記憶手段により記憶された二方向性反射率とを用いて計算することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面温度測定システム。 - 前記自発光輝度計算手段は、前記特定波長の光における前記被測定物体の放射率として一定値を、予め記憶する放射率記憶手段を有し、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体自体から発生している自発光輝度を、前記迷光雑音計算手段により計算された迷光雑音輝度と、前記発光輝度測定手段により測定された発光輝度と、前記放射率記憶手段により記憶された放射率とを用いて計算することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面温度測定システム。 - 前記発光輝度測定手段は、その光の検出面が、前記加熱炉の上方から、加熱炉の天井に開けられた孔を通して、前記加熱炉内にある被測定物体を望む位置に設けられ、
前記複数の温度測定手段は、前記加熱炉の天井の炉壁に設けられ、
前記被測定物体は、鋼材であり、
前記特定波長は、略3.9[μm]であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表面温度測定システム。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の表面温度測定システムを複数セット有することを特徴とする表面温度測定システム。
- 請求項7に記載の表面温度測定システムであって、請求項1〜6の何れか1項に記載の表面温度測定システムにおける発光輝度測定手段と複数の温度測定手段とを、前記加熱炉の長手方向及び幅方向の何れか又は両方に並べ、所定のタイミングに、被測定物体の表面温度の測定を実行する機能を有することを特徴とする表面温度測定システム。
- ガス焚き加熱炉内で加熱されている被測定物体の表面温度を測定する表面温度測定方法であって、
前記被測定物体から発光される波長の光のうち、ガスの放射と吸収とが他の波長帯域よりも小さい特定波長の光の発光輝度を、発光輝度測定手段により測定する発光輝度測定ステップと、
前記被測定物体の表面に入射する外乱光を発生する領域に設けられた複数の温度測定手段により温度を測定する温度測定ステップと、
前記温度測定ステップにより測定された温度に基づいて、前記被測定物体に入射する外乱光を発生する領域の温度分布を計算する温度分布計算ステップと、
前記発光輝度測定ステップにより測定される発光輝度のうち、前記被測定物体の表面で反射した迷光雑音輝度を、前記温度分布計算ステップにより計算された温度分布を用いて計算する迷光雑音計算ステップと、
前記発光輝度測定ステップにより測定される発光輝度のうち、前記被測定物体自体から発生している自発光輝度を、前記迷光雑音計算ステップにより計算された迷光雑音輝度と、前記発光輝度測定ステップにより測定された発光輝度とを用いて計算する自発光輝度計算ステップと、
前記自発光輝度計算ステップにより計算された自発光輝度を用いて、前記被測定物体の表面温度を計算する表面温度計算ステップとを有することを特徴とする表面温度測定方法。 - 前記発光輝度測定手段は、その光の検出面が、前記被測定物体の被測定領域と正対する位置に設けられることを特徴とする請求項9に記載の表面温度測定方法。
- 前記被測定物体の被測定領域内の点から、前記発光輝度測定手段の方向に広がる天頂角が45[°]の円錐があると見なした場合に、その円錐の内部の領域に、前記複数の温度測定手段を点在させることを特徴とする請求項9又は10に記載の表面温度測定方法。
- 前記発光輝度測定ステップは、700[℃]以上に加熱されている被測定物体から入射する光を検出することを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の表面温度測定方法。
- 前記特定波長の光の二方向性反射率を、予め記憶する二方向性反射率記憶ステップを有し、
前記迷光雑音計算ステップは、前記発光輝度測定ステップにより測定される発光輝度のうち、前記被測定物体の表面で反射した迷光雑音輝度を、前記温度分布計算ステップにより計算された温度分布と、前記二方向性反射率記憶ステップにより記憶された二方向性反射率とを用いて計算することを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載の表面温度測定方法。 - 前記特定波長の光における前記被測定物体の放射率として一定値を、予め記憶する放射率記憶ステップを有し、
前記自発光輝度計算ステップは、前記発光輝度測定ステップにより測定される発光輝度のうち、前記被測定物体自体から発生している自発光輝度を、前記迷光雑音計算ステップにより計算された迷光雑音輝度と、前記発光輝度測定ステップにより測定された発光輝度と、前記放射率記憶ステップにより記憶された放射率とを用いて計算することを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の表面温度測定方法。 - 前記発光輝度測定手段は、その光の検出面が、前記加熱炉の上方から、加熱炉の天井に開けられた孔を通して、前記加熱炉内にある被測定物体を望む位置に設けられ、
前記複数の温度測定手段は、前記加熱炉の天井の炉壁に設けられ、
前記被測定物体は、鋼材であり、
前記特定波長は、略3.9[μm]であることを特徴とする請求項9〜14の何れか1項に記載の表面温度測定方法。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の表面温度測定システムにおける発光輝度測定手段と複数の温度測定手段とを、前記加熱炉の被測定物体の搬送方向に複数セット並べて設置し、被測定物体の略同一箇所を所定のタイミングで測温することにより、被測定物体の温度履歴を測定することを特徴とする表面温度測定方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載された表面温度測定システムにおける発光輝度測定手段と複数の温度測定手段とを、任意の方向に複数セットを並べて設置し、被測定物体の異なる領域を同時に測温することにより、被測定物体の任意の方向における温度分布を測定することを特徴とする表面温度測定方法。
- ガス焚き加熱炉内で加熱されている被測定物体から発光される波長の光のうち、ガスの放射と吸収とが他の波長帯域よりも小さい特定波長の光の発光輝度を測定する発光輝度測定手段と、
前記被測定物体の表面に入射する外乱光を発生する領域に設けられた複数の温度測定手段と、における測定値を用いて、前記被測定物体の表面温度を測定することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記複数の温度測定手段により測定された温度に基づいて、前記被測定物体に入射する外乱光を発生する領域の温度分布を計算する温度分布計算ステップと、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体の表面で反射した迷光雑音輝度を、前記温度分布計算ステップにより計算された温度分布を用いて計算する迷光雑音計算ステップと、
前記発光輝度測定手段により測定される発光輝度のうち、前記被測定物体自体から発生している自発光輝度を、前記迷光雑音計算ステップにより計算された迷光雑音輝度と、前記発光輝度測定ステップにより測定された発光輝度とを用いて計算する自発光輝度計算ステップと、
前記自発光輝度計算ステップにより計算された自発光輝度を用いて、前記被測定物体の表面温度を計算する表面温度計算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項1〜8の何れか1項に記載の表面温度測定システムを有することを特徴とする加熱炉。
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