JP2008232537A - 蓄熱式バーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱体からの応力にバーナタイルが耐えることが可能な蓄熱式バーナを提供する。
【解決手段】外縁が炉外13側から炉内12側に向かって小さくなるように構成されたテーパ面1aを有し、略中心に蓄熱部4側と炉内12側とが連通する燃料噴出口1bを有し、燃料供給管7を燃料噴出口1bに挿通して保持する、蓄熱部4の炉内12側に配設された内側タイル1と、その内面がテーパ面1aと嵌合して、内側タイル1の外側に環装された筒状で周方向に複数に分割された前部タイル2と、前部タイル2をその内周面で保持し、炉壁10に埋設された筒状で金属製の保持部材5とを有し、内側タイル1及び前部タイル2、胴部タイル3により構成される空間を蓄熱部4とし、内側タイル1外側タイル2との間に、蓄熱部4側と炉内12側とが連通する、蓄熱体9が通過不能な燃焼用空気噴出口1cを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は工業用燃焼炉に用いる蓄熱式バーナに関するものである。
近年、工業用燃焼炉には燃費を向上させるために、蓄熱式バーナが用いられている。この蓄熱式バーナは、特許文献1や特許文献2に示されるように、バーナの給排気経路に蓄熱体を備えたバーナであり、30秒程度の比較的短い周期で交互に燃焼と排気を繰り返し、燃焼ガスの保有熱を排気側のバーナの蓄熱体により回収し、燃焼側のバーナでは燃焼用空気を蓄熱体に通して予熱することにより、高い熱効率を達成することができるようにしたものである。
このような蓄熱式バーナは例えば図7に示すように、燃焼部と蓄熱部が一体化した構造をとる。バーナタイル51は、その中心に炉内55側に開口した燃料ガス噴出口52を設けるとともに、その周囲に複数の空気噴出口53を設けているため、非常に複雑な形状となる。このバーナタイル51は、耐火物の一体成形品で構成されている。バーナタイル51の内側には蓄熱体54が充填され、その部分を、炉内55から吸引された高温の排気ガスと、炉外56から供給される燃焼用空気とが交互に流れることになり、バーナタイル51内部にも急激な温度変化が繰り返し生じる。ところが、このような蓄熱式バーナのバーナタイル51は複雑な形状であるので、バーナタイル51内外の温度差により大きな熱応力が発生しやすいことから従来から損傷しやすく、耐久性に問題があった
そこで、特許文献3には、図8に示されるように、バーナタイル61をプラグ状内側タイル61aと筒状の外側タイル61bに分割することでタイル形状を単純にし、耐久性を向上させることが可能な蓄熱式バーナが提案されている。しかしながら、このような構造を採用したとしても、特にセラミックス焼成等1400℃以上の高温の燃焼炉に、この構造の蓄熱式バーナを使用した場合、あるいは頻繁に昇降温を繰り返すようなバッチ式の燃焼炉にこの構造の蓄熱式バーナを使用した場合には、ある期間使用すると、外側タイル61bに亀裂が入りはじめ、次第に外側タイル61bの破損部分が嵌合した内側タイル61aとともに炉内62側へ迫り出し、はなはだしい場合には炉内62へ落下するというトラブルが発生することがあった。
そこで、この問題を解決すべく検証を重ねた結果、バーナタイル61には単なるタイル自身の熱応力だけでなく、以下のような応力が働いて損傷に到ることがわかった。バーナタイル61の内側には球状又はリング状等の蓄熱体63が充填され、その部分を、高温の排気ガスが流れるため、バーナタイル61と蓄熱体63は高温の炉内温度に近い温度まで加熱される。その際、蓄熱体63とバーナタイル61との間に熱膨張差が生じるが、始めは蓄熱体63が温度変化に従い膨張収縮を繰り返しながら、流動することで応力が緩和される。しかしながらそのうち蓄熱体63はその再配列によって密に充填されていき、最終的には強固にスタックするようになる。その結果、バーナタイル61は内部のスタックした蓄熱体63から熱膨張差による大きな圧力を受け、バーナタイル61に蓄熱体63からの応力aが作用することになる。
このときのスタックした蓄熱体63がバーナタイル61を押す圧力は、実験等から見積もった結果、蓄熱体63の形状・材質、温度及びスタックの状況によって異なるが、およそ0.1〜1MPaのオーダであることがわかった。実際には、バーナタイル61が複雑な形状をしていたり、外力を微小な部分で受けていたりすると、バーナタイル61内部で応力集中を起こし、さらに数倍から数十倍の応力が掛かることになる。一方バーナタイル
61に使用される耐火物の強度は圧縮強度で10〜100MPa,引張強度で1〜10MPa程度であり、引張強度が非常に弱い。従って、例えば図8のようなバーナタイル61の場合では、蓄熱体63から押された内側タイル61aがテーパ面61cで嵌合した筒状の外側タイル61bを押すが、その結果外側タイル61bには、図8に示されるように前方向bと径方向cに応力が働き、外側タイル61bに引っ張り応力が作用する部分が発生する。上述の通り耐火物63は引張に対して強度が非常に弱いため、蓄熱式バーナを運転し続けると、外側タイル61bに胴切れや放射状クラックといった亀裂が入り、バーナタイル61が炉内62側に迫り出すこととなる。最悪の場合には、バーナタイル61が、炉内62内に落下し、蓄熱式バーナが損壊するだけでなく、被加熱物を破壊してしまい、被害が大変大きくなってしまうという問題があった。
そこで、蓄熱体63からの応力にも耐えることが可能な蓄熱式バーナの開発が要望されていた。
特公告昭51−47131号公報 実公開平03−46742号公報 特開平10−196935号公報
蓄熱体からの応力にバーナタイルが耐えることが可能な蓄熱式バーナを提供する。
上記課題を解決するためになされた本発明は、燃焼用空気及び排気ガスが流通する、内部に蓄熱体が配設された蓄熱部を備え、排気ガスで前記蓄熱体を加熱して蓄熱し、前記蓄熱部に燃焼用空気を流通させて、蓄熱された蓄熱体と熱交換して予熱し、この予熱された燃焼用空気を燃焼させる、蓄熱と燃焼を交互に繰り返して運転する蓄熱式バーナにおいて、
外縁が炉外側から炉内側に向かって小さくなるように構成されたテーパ面を有し、略中心に蓄熱部側と炉内側とが連通する燃料噴出口を有し、燃料供給管を前記燃料噴出口に挿通して保持する、蓄熱部の炉内側に配設された内側タイルと、
その内面が前記テーパ面と嵌合して、前記内側タイルの外側に環装された筒状で周方向に、複数に分割された前部タイルと、
この前部タイルの炉外側に、この前部タイルと同軸に設けられた筒状の胴部タイルと、
前記前部タイル及び前記胴部タイルをその内周面で保持し、炉壁に埋設された筒状で金属製の保持部材とを有し、
内側タイル及び前部タイル、胴部タイルにより構成される空間を蓄熱部とし、内側タイルと前部タイルとの間に、蓄熱部側と炉内側とが連通する、蓄熱体が通過不能な燃焼用空気噴出口を形成したことを特徴とする。
なお、保持部材の炉内側先端に、ズレ防止フックを内側に向かって突設することが好ましい。
また、保持部材に内側と外側が連通するスリットを形成することが好ましい。
また、内側タイルを耐火性材料で構成し、前部タイル及び胴部タイルを耐火断熱性材料で構成することが好ましい。
また、内側タイルのテーパ面と、内側タイルの軸線方向との交差する角度が10〜20°にすることが好ましい。
外縁が炉外側から炉内側に向かって小さくなるように構成されたテーパ面を有する内側タイルと、この内側タイルのテーパ面と嵌合する、前記内側タイルの外側に、周方向に複数に分割された前部タイルを環装し、前記前部タイルを、筒状で金属製の保持部材の内周面で保持ししたので、内側タイルが蓄熱体からの応力により押された場合であっても、前記テーパ面により、周方向に複数に分割された前部タイルが保持部材側に押し付けられて、前部タイルに抗力が発生し、この抗力により、前部タイルと保持部材との間に摩擦力が発生し、前部タイルが炉内側に迫り出されることを防止することが可能となる。また、内側タイルが蓄熱体からの応力により押された場合であっても、内側タイル及び前部タイルには圧縮応力のみが作用し、保持部材には引っ張り応力が発生するが、保持部材は金属製であるので、前記引っ張り応力に耐えることができ、蓄熱式バーナが損壊することがない。
なお、保持部材の炉内側先端に、ズレ防止フックを内側に向かって突設すると、蓄熱式バーナの運転開始時等、前部タイルと保持部材との間に隙間があり、前部タイルと保持部材に摩擦力が生じない場合に、前部タイルがずれることを防止することが可能となる。
また、保持部材に内側と外側が連通するスリットを設けると、このスリットにより、保持部材の熱膨張を逃がすことが可能となり、保持部材が熱膨張により広がり、抗力が減少することによる、前部タイルと保持部材との間に作用する摩擦力の低下を防止することが可能となる。
また、内側タイルを耐火性材料で構成すると、高温に曝されて、熱応力が発生したとしても、内側タイルが損壊することを防止することが可能となる。また、前部タイル及び胴部タイルを耐火断熱性材料で構成すると、前部タイル及び胴部タイルの断熱作用により、金属製の保持部材が高温に曝されることを防止して、保持部材の強度が低下することを防止することが可能となる。
また、内側タイルのテーパ面と、内側タイルの軸線方向との交差する角度が10〜20°にすると、前部タイルが炉内側に迫り出そうとする力よりも、前部タイルと保持部材間に生じる摩擦力の方が大きくなり、前部タイルが炉内側に迫り出されることを防止することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の実施の形態を示す蓄熱式バーナの側断面図であり、図2は図1のA−A断面である。本発明の蓄熱式バーナは、図1に示されるように、主に内側タイル1、前部タイル2、胴部タイル3、蓄熱部4、保持部材5、バーナ前面断熱材6、燃料供給管7から構成されている。
保持部材5は、筒状をしていて、燃焼炉の炉壁10に形成された取付穴11に挿入されて、炉壁10に埋設されている。この保持部材5は、本実施形態では、円筒形状をいる。保持部材5は、金属製であり、SUS310や、インコネル(登録商標、Ni−Cr、またはNi−Cr−Fe系合金)等の耐熱性金属であることが好ましい。保持部材5の炉内12側の先端には、ズレ防止用フック5aを内側に向かって突設している。
内側タイル1は、蓄熱部4の炉内側12に配設されている。内側タイル1は、高温に曝されるため、耐熱性がありかつ高強度の緻密な耐火煉瓦等の耐火性材料で構成されている。内側タイル1の外縁は、炉外13側から炉内12側に向かって小さくなるように構成さ
れたテーパ面1aを有している。本実施形態では、内側タイル1の断面は、円形状をしていて、内側タイル1は、略円錐台形状をしている。内側タイル1の略中心には、蓄熱部4側と炉内12側とが連通する燃料噴出口1bが形成されている。この燃料噴出口1bに、燃料供給管7が蓄熱部4側から挿通されて、燃料噴出口1bで、燃料供給管7を保持している。この燃料供給管7から燃料が供給される。本実施形態では、液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)等の気体燃料を使用するが、灯油等の液体燃料を燃焼用空気と混合して使用することとしても差し支えない。
前部タイル2は、略円筒形状をして、図2に示されるように、一定の角度をおいて、周方向に分割されている。本実施形態では、前部タイル2は周方向に3個に分割されている。この前部タイル2は、その内側が、前部タイル1のテーパ面1aと嵌合して、内側タイル1の外側に環装されている。前部タイル2の外周面と保持部材5の内周面が接して、前部タイル2が保持部材5の内周面で保持されている。前部タイル2は、高温である炉内12側と断熱して、保持部材5を高温から保護して800℃以下になるように、多孔質の耐火断熱煉瓦やキャスタブル耐火断熱材で構成されている。
胴部タイル3は、略円筒形状をしている。この、胴部タイル3は、前部タイル2の炉外13側に、前部タイル2と同軸に配設されている。胴部タイル3の外周面と保持部材5の内周面が接して、胴部タイル3は、保持部材5の内周面で保持されている。胴部タイル3は、断熱することにより保持部材5を高温から保護して、800℃以下になるように、多孔質のキャスタブル耐火断熱材で構成されている。
胴部タイル3の炉内12側先端には、全周にわたって、炉内12方向に向かって突出した形状の嵌合突起3aが突設されている。前部タイル2の炉外13側には、嵌合突起3aと対応する形状の嵌合凹部2aが形成されている。嵌合突起3aと嵌合凹部2aが合致して、胴部タイル3と前部タイル2が嵌合するようになっている。胴部タイル3と前部タイル2の嵌合面には、モルタル等の不定形耐火物8が充填されている。このように、胴部タイル3の炉内12側先端に、全周にわたって前方向かって突出した嵌合突起3aを突設し、胴部タイル3と前部タイル2とを嵌合突起3aで嵌合させ、胴部タイル3と前部タイル2の嵌合面をモルタル等の不定形耐火物8を充填したので、蓄熱部4から高温の排気ガスが、保持部材5に噴出することを抑制し、保持部材5が高温に曝されて、強度が低下することを防止している。
このように、本実施形態では、炉外13側の胴部タイル3と炉内12側の前部タイル2とからなる2体構造にしたので、1体構造にした場合と比較して、バーナタイルに作用する熱応力を低減することが可能となる。
内側タイル1及び前部タイル2、胴部タイル3により構成される空間が蓄熱部4となっている。この蓄熱部4には、耐火性材料で構成された蓄熱体9が配設されている。蓄熱体9は、例えば球形状や円筒形状をした充填材が使用される。蓄熱体9は、蓄熱部4の炉外13側に設けられた金網により保持されている。
図1や図2に示されるように、内側タイル1と前部タイル2との間に、蓄熱部4側と炉内12側とが連通する、燃焼用空気噴出口1cが形成されている。この燃焼用空気噴出口1cの幅寸法mは、蓄熱体9の寸法より小さくなっていて、蓄熱体9が通過できないようになっている。
蓄熱部4の炉外13側は、給排気口4aとなっている。この給排気口4aから燃焼用空気が給気され、排気ガスが排気される。炉外に設けられたブロア(図示せず)を稼働させて、切替バルブ20を所定時間(例えば30秒)切り替えることにより、燃焼用空気の給
気及び、排気ガスの排気が交互に行われるようになっている。
(本発明の作用)
次に本発明の作用について説明をする。燃焼時には、ブロアを稼働させて、燃焼用空気を、給排気口4aから蓄熱体4を通じて、燃焼用空気噴出口1cから炉内12に供給し、燃料噴出口1bから供給される燃料を燃焼させる。所定時間が経過すると、切替バルブ20を切り替えて、ブロアを稼働させて、給排気口4aから排気ガスを吸引して、排気ガスを炉内12から炉外13に排気する。この際、高温の排気ガスが蓄熱部4を流通し、蓄熱部4の内部に充填された蓄熱体9の表面と前記排気ガスが接触することにより熱交換が行われて、蓄熱体9が加熱されて蓄熱される。
所定時間が経過した後には、再び切替バルブ20を切り替えて、給排気口4aから燃焼用空気を給気する。この際に、蓄熱部4を燃焼用空気が流通して、蓄熱された蓄熱体9の表面と接触することにより、燃焼用空気が熱交換されて予熱され、燃焼用空気噴出口1cから炉内12に供給される。このように、蓄熱と燃焼を交互に繰り返して運転して、燃焼排ガスの保有熱を蓄熱体9により回収し、燃焼用空気を蓄熱体9に通して予熱することにより、高い熱効率を達成することができ燃費が向上する。
図3に要部の詳細図を示す。蓄熱体9は高温の炉内温度(1000℃〜1600℃、本実施形態では1400℃)に近い温度まで加熱される。その際、蓄熱体9と内側タイル1及び前部タイル2、胴部タイル3との間に熱膨張差が生じるが、始めは蓄熱体9が温度変化に従い膨張収縮を繰り返しながら、流動することで応力が緩和される。しかしながらそのうち蓄熱体9はその再配列によって密に充填されていき、最終的には強固にスタックするようになる。その結果、内側タイル1は内部のスタックした蓄熱体9から熱膨張差による大きな圧力を受け、内側タイル1に蓄熱体9からの応力dが炉内12側に作用する。
この応力dにより、前部タイル2にはテーパ面1aと垂直の方向に、応力eが作用する。テーパ面1aと内側タイル1の軸線方向(以下単に軸線方向とする)と交差角度をテーパ角度fとすると、応力eと、軸線方向に対して垂直方向との交差角度は、テーパ角度fと同一となる。応力eは、軸線方向に水平分力g(応力e×sinf)と、これと垂直方向に垂直分力h(応力e×cosf)に分解される。なお、応力dと水平分力gとは等しくなる。前部タイル2は周方向に分割されているので、外側に動くことができ、前部タイル2に作用する垂直分力hにより、保持部材5を押さえ、この反作用として、保持部材5から前部タイル2に抗力iが作用する。前部タイル2が炉内12方向に押された際に、保持部材5と前部タイル2との間に摩擦力jが生じる。この摩擦力jは、保持部材5と前部タイル2との静摩擦係数をkとすると、j=i×kとなる。水平分力gが摩擦力j以下の場合には、前部タイル2は、炉内12方向に迫り出すことがない。本発明では、テーパ角度fを、好ましい角度である10〜20°にしたので、水平分力gが摩擦力j以下となり、前部タイル2が、炉内12方向に迫り出すことがない。
内側タイル1と前部タイル2の強度は、圧縮強度で10〜100MPa,引張強度で1〜10MPaであり、引張強度が著しく弱い。本発明では、内側タイル1のテーパ面1aと嵌合ように、内側タイル1の外側に前部タイル2を環装したので、内側タイル1が蓄熱体9からの応力dにより押された場合であっても、内側タイル1と前部タイル2には圧縮応力のみが作用して、引張応力が作用することがないので、内側タイル1と前部タイル2が損壊することがない。また、保持部材5には、前部タイル2が外側向かってに押さえつけられ、拡がろうとして、保持部材5の周方向に引張応力が作用するが、保持部材5は、金属製であるので、引張応力に対して強度があり、保持部材5が破損することはない。なお、保持部材5をSUS310Sで構成した場合には、800℃での引張強度は約200MPaであるので、強度的に十分である。保持部材5をインコネル(登録商標)で構成し
た場合には、さらに強度がある。
図4に保持部材5の詳細図を示す。保持部材5が高温になった場合には熱膨張により外側に拡がる。保持部材5の直径が400mmである場合に、保持部材5が800℃になった場合には、保持部材5の外周は、約10〜20mm長くなる。保持部材5が熱膨張により外側に拡がった場合には、保持部材5と前部タイル2との間に隙間ができてしまい、前述したような、抗力iが発生しないか、もしくは抗力iが小さくなってしまい、保持部材5と前部タイル2との摩擦力jが、水平分力gより小さくなった場合には、前部部材5が炉内12方向に迫り出してしまう。このため、図4に示されるように、一定の角度をおいて、保持部材5に、内側と外側が連通し、炉内12側先端から炉外13側に向かって延びるスリット5bを、複数形成した。このように、保持部材5にスリット5bを形成したので、熱膨張により保持部材5が外側に拡がり、摩擦力jが低下して、前部タイル2が炉内12側に迫り出すことを防止している。
一方で、保持部材5にスリット5bを形成すると、保持部材5が撓んで、抗力iが低下するので、保持部材5の外表面に、一定の角度をおいて、リブ5cを設け、保持部材5が撓むことを防止している。
図1や図3、図4に示されるように、保持部材5の炉内12側先端には、ズレ防止用フック5aが、内側に向かって突設されている。蓄熱式バーナの運転開始時等、前部タイル2が内側タイル1によって外側に押されずに、前部タイル2と保持部材5との間に隙間があり、前部タイル2と保持部材5に摩擦力jが生じない場合に、前部タイル2の炉内12側先端と、ズレ防止用フック10aが当接することにより、前部タイル2が炉内12側にずれることを防止している。一方で蓄熱式バーナを運転して所定時間が経過した場合には、前述したように、前部タイル2と保持部材5との間に生じる摩擦力jにより、前部タイル2が、炉内12側に迫り出すことを防止している。
図1や図3に示されるように、保持部材5の炉内12側先端及びズレ防止フック5aを、バーナ前面断熱材6で覆着している。このバーナ前面断熱材6は、低熱伝導性の耐火断熱材、例えばセラミックスファイバー断熱材で構成されている。このように、保持部材5の炉内12側先端及びズレ防止フック5aを、バーナ前面断熱材6で覆着して、保持部材5の炉内12側先端及びズレ防止フック5aが高温の炉内ガスと直接接触することを防止し、保持部材5の炉内12側先端及びズレ防止フック5aが高温になることにより、強度が低下することを防止している。
なお、組立時に、内側タイル1と前部タイル2の間、前部タイル2の分割面、前部タイル2や胴部タイル3と保持部材5の間に隙間が生じる場合には、これらの隙間にモルタル等の不定形耐火物を充填することが、保持部材5を高温から保護するために好ましい。
(実施形態2)
次に第2の実施形態の説明をする。第2の実施形態を、図5に示す。この第2の実施形態は、内側タイル1の燃焼用空気噴出口1dの、炉内12側に開口している部分を、燃料噴出口1bと平行にしたものである。このように構成すると、燃焼用空気噴流が、燃料噴流と平行に噴射されるため、燃料と燃焼用空気との混合が悪く緩慢燃焼となり、結果NOx(窒素酸化物)排出量が低減するという効果がある。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態の説明をする。第3の実施形態を、図6に示す。この第3の実施形態は、燃焼用空気噴出口1eが、縦長形状のスリット状となっていて、対向して形成している。このような、燃焼用空気噴出口1eを形成するために、内側タイル1の断面形状を
四角形状とし、前部タイル2を内側タイル1に対応する形状として、4分割することとした。このように構成すると、燃焼用空気噴流が燃料噴流を両側から挟み込む形になるため、火炎形状が扁平になり、狭い空間で燃焼できるという利点がある。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う蓄熱式バーナもまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の実施の形態を示す蓄熱式バーナの側断面図である。 図1のA−A断面図である。 要部の詳細図である。 保持部材の詳細図である。 第2の実施形態を示す側断面図である。 第3の実施形態を示す正断面図である。(図1のA−A断面図) 従来の実施の形態を示す蓄熱式バーナの側断面図である。 従来の実施の形態を示す蓄熱式バーナの側断面図である。
符号の説明
1 内側タイル
1a テーパ面
1b 燃料噴出口
1c 燃焼用空気噴出口(第1の実施形態)
1d 燃焼用空気噴出口(第2の実施形態)
1e 燃焼用空気噴出口(第3の実施形態)
2 前部タイル
2a 嵌合凹部
3 胴部タイル
3a 嵌合突起
4 蓄熱部
4a 給排気口
5 保持部材
5a ズレ防止用フック
5b スリット
5c リブ
6 バーナ前面断熱材
7 燃料供給管
8 不定形耐火物
9 蓄熱体
10 炉壁
11 取付穴
12 炉内
13 炉外
20 切替バルブ
51 バーナタイル
52 燃料ガス噴出口
53 空気噴出口
54 蓄熱体
55 炉内
56 炉外
61 バーナタイル
61a プラグ状内側タイル
61b 外側タイル
61c テーパ面
62 炉内
63 蓄熱体
a 蓄熱体からの応力
b 前方向の応力
c 軸方向の応力
d 内側タイルに作用する応力
e 前部タイルに作用する応力
f テーパ角度
g 応力eの水平分力
h 応力eの垂直分力
i 抗力
j 摩擦力
k 静摩擦係数
m 燃焼用空気噴出口の幅寸法

Claims (5)

  1. 燃焼用空気及び排気ガスが流通する、内部に蓄熱体が配設された蓄熱部を備え、排気ガスで前記蓄熱体を加熱して蓄熱し、前記蓄熱部に燃焼用空気を流通させて、蓄熱された蓄熱体と熱交換して予熱し、この予熱された燃焼用空気を燃焼させる、蓄熱と燃焼を交互に繰り返して運転する蓄熱式バーナにおいて、
    外縁が炉外側から炉内側に向かって小さくなるように構成されたテーパ面を有し、略中心に蓄熱部側と炉内側とが連通する燃料噴出口を有し、燃料供給管を前記燃料噴出口に挿通して保持する、蓄熱部の炉内側に配設された内側タイルと、
    その内面が前記テーパ面と嵌合して、前記内側タイルの外側に環装された筒状で周方向に、複数に分割された前部タイルと、
    この前部タイルの炉外側に、この前部タイルと同軸に設けられた筒状の胴部タイルと、
    前記前部タイル及び前記胴部タイルをその内周面で保持し、炉壁に埋設された筒状で金属製の保持部材とを有し、
    内側タイル及び前部タイル、胴部タイルにより構成される空間を蓄熱部とし、内側タイルと前部タイルとの間に、蓄熱部側と炉内側とが連通する、蓄熱体が通過不能な燃焼用空気噴出口を形成したことを特徴とする蓄熱式バーナ。
  2. 保持部材の炉内側先端に、ズレ防止フックを内側に向かって突設したことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式バーナ。
  3. 保持部材に内側と外側が連通するスリットを形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の蓄熱式バーナ。
  4. 内側タイルを耐火性材料で構成し、前部タイル及び胴部タイルを耐火断熱性材料で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蓄熱式バーナ。
  5. 内側タイルのテーパ面と、内側タイルの軸線方向との交差する角度が10〜20°であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の蓄熱式バーナ。
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