JP2008231027A - アミノアルコール誘導体及びそれらを有効成分とする免疫抑制剤 - Google Patents

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Yasushi Kono
河野靖志
Kiyoshi Fujii
清 藤井
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract

【課題】 優れた免疫抑制剤として有用なアミノアルコール誘導体を提供する。
【解決手段】 一般式(1)
【化1】
Figure 2008231027

[式中、Rは1又は2個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rはフッ素原子又は塩素原子を、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、nは2又は3を示す]で表されるアミノアルコール誘導体が優れた免疫抑制作用を有することを見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、免疫抑制剤として有用なアミノアルコール誘導体、その塩又はその水和物に関する。
免疫抑制剤は関節リウマチ、腎炎、変形性膝関節炎、全身性エリテマトーデス等の自己免疫疾患や炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患、喘息、皮膚炎などのアレルギー疾患の治療薬として多方面に利用されている。特に、医療技術の進歩に伴い、組織や臓器等の移植手術が数多く実施されるようになってきた近年の医療現場においては、移植後の拒絶反応をいかにうまくコントロールすることができるかが移植の成否を握っており、この領域においても免疫抑制剤は大変重要な役割を果たしている。
臓器移植においては、アザチオプリンやミコフェノール酸モフェチルに代表される代謝拮抗剤、シクロスポリンAやタクロリムスに代表されるカルシニューリン阻害剤、プレドニゾロンに代表される副腎皮質ホルモン剤が用いられている。しかしながら、これらの薬剤は効果が不十分であったり、また腎障害などの重篤な副作用を回避するために薬物の血中濃度モニタリングが必須とされているものもあり、その効果や副作用の点で必ずしも満足のできるものではない。
さらに、免疫抑制剤の副作用を軽減し十分な免疫抑制作用を得るために、作用機序の異なる複数の薬剤を使用する多剤併用療法が一般的であり、前述した免疫抑制剤とは異なる作用機序を持つ新しいタイプの薬剤の開発も望まれている。
近年、2−アミノ−1,3−プロパンジオール誘導体や2−アミノエタノール誘導体といった様々なアミノアルコール誘導体が新規な免疫抑制剤として報告され注目を集めているが、これらアミノアルコール誘導体自体が免疫抑制作用を保持しているわけではない。これらの薬物が投与された後に生体内で代謝されて生成するリン酸エステル体こそが真の生理活性物質であり、生成したリン酸エステルは各種のスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体に対するアゴニスト作用やアンタゴニスト作用を示す。中でもS1P1受容体に対するアゴニスト作用は白血球の遊走を調節し免疫抑制作用を発揮することが2002年に初めて報告された(非特許文献1、非特許文献2)。また、これらの非特許文献に紹介された一連の誘導体が各種臓器移植、GVHDに対する有効性以外に関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、I及びII型糖尿病、クローン病などの自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性腸疾患或いは潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患に有効であることが(特許文献1、特許文献2)に開示されている。これらの報告以来、アミノアルコール誘導体だけでなく、アミノリン酸エステル誘導体やアミノカルボン酸誘導体など様々な化合物が免疫抑制剤あるいはS1P1受容体を中心としたS1P〜S1P5受容体調節剤として開示されている(特許文献3〜66)。
さらにS1P4受容体については白血球などの免疫担当細胞や免疫系に大きく関与する臓器に極度に分布することから、免疫系への深い関与が示唆されており、実際にSLE、リウマチなどの自己免疫疾患や喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や炎症性疾患治療薬を目的にS1P4アゴニスト活性を有する化合物が(特許文献34、39、50)に開示されている。
このように多岐にわたる医学的用途の可能性を秘めたS1P受容体作動薬については多くの関心が集められているが、すべてのS1P受容体作動薬が必ずしも生体にとって望ましい作用を提供してくれるわけではない。
たとえば、臨床試験において臓器移植拒絶反応を抑制する有用性が示されているS1P受容体作動薬に、投与後に副作用として徐脈が認められ、この作用に関してはS1P3受容体に対するアゴニスト作用が起因しているのではないかといった報告もある(非特許文献3、非特許文献4)。また、S1P3受容体に対するアゴニストは動物実験モデルにおいて心筋の血流阻害(非特許文献5)、大脳動脈の攣縮(非特許文献6)、肺水腫(非特許文献7)といった作用を引き起こすことも報告されている。
WO0218395号パンフレット WO02076995号パンフレット WO9408943号パンフレット 特開平9−2579602号公報 WO0206268号パンフレット 特開2002−53572号公報 特開2002−167382号公報 WO02076995号パンフレット 特開2003−137894号公報 WO03040097号パンフレット WO02064616号パンフレット WO02062389号パンフレット 特開2002−316985号公報 特開2003−267936号公報 WO03051876号パンフレット WO03061567号パンフレット WO03062248号パンフレット WO03062252号パンフレット WO03073986号パンフレット WO03074008号パンフレット WO03105771号パンフレット WO04010949号パンフレット WO04024673号パンフレット WO04058149号パンフレット WO04071442号パンフレット WO04096752号パンフレット WO04096757号パンフレット WO04103279号パンフレット WO04103306号パンフレット WO04103309号パンフレット WO04110979号パンフレット WO04113330号パンフレット WO04074297号パンフレット WO05014603号パンフレット WO05020882号パンフレット WO04002531号パンフレット WO05032465号パンフレット WO05041899号パンフレット WO05058848号パンフレット WO05070886号パンフレット WO05082089号パンフレット WO05082841号パンフレット WO05021503号パンフレット WO05040091号パンフレット WO05085179号パンフレット WO05118523号パンフレット WO05014525号パンフレット WO06020951号パンフレット WO06001463号パンフレット WO03029184号パンフレット WO03029205号パンフレット WO04026817号パンフレット WO04074297号パンフレット WO05021503号パンフレット 特開2004−307439号公報 特開2004−307440号公報 特開2004−307441号公報 特開2004−307442号公報 WO06041015号パンフレット 特開2004−137208号公報 特開2005−41867号公報 特開2005−47899号公報 WO05040091号パンフレット WO05063671号パンフレット WO05079788号パンフレット S. Mandala et al., Science, 296, 346(2002). V. Brinkmann et al., J. Biol. Chem., 277, 21453(2002). M. G. Sanna et al., J. Biol. Chem., 279, 13839(2004). M. Forrest et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 309, 758(2004). B. Levkau et al., Circulation, 110, 3358(2004). S. Salomone et al., Eur. J. Pharmacol. 469, 125(2003). Y. Gon et al., PNAS 102, 9270(2005).
本発明が解決しようとする課題は、優れた免疫抑制作用を有し、かつ副作用の少ないアミノアルコール誘導体を提供することにある。
本発明者らは、代謝拮抗剤やカルシニューリン阻害剤とは作用機序を異にする免疫抑制剤について鋭意研究を重ねた結果、新規なアミノアルコール誘導体が高い安全性を有しかつ優れた免疫抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は
1) 一般式(1)
Figure 2008231027
[式中、Rは1又は2個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rはフッ素原子又は塩素原子を、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、nは2又は3を示す]
で表されるアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
2) 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
Figure 2008231027
[式中、R、X及びnは前記定義に同じ]
で表される化合物である1)記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
3) 前記一般式(1a)においてRがメチル基である1)又は2)に記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
4) 一般式(2)
Figure 2008231027
[式中、Rは1又は2個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状アルキルを、Rはフッ素原子又は塩素原子を、Aはハロゲン原子を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、nは2又は3を示す]
で表される化合物と一般式(10)
Figure 2008231027
[式中、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す]
で表される化合物を塩基の存在下に作用させる工程、及び、前記工程における生成物を酸分解した後、さらにt−ブトキシカルボニル基にて窒素原子を保護し、還元し、窒素原子を脱保護する工程により製造される1)記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
5) 1)〜4)の何れかに記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬、
6) 免疫抑制剤である5)記載の医薬、
7) 臓器移植又は骨髄移植における拒絶反応の予防又は治療薬である5)記載の医薬、
に関するものである。
本発明により免疫抑制作用及び安全性に優れたアミノアルコール誘導体の提供が可能となった。本発明化合物は、臓器移植および骨髄移植における拒絶反応の予防又は治療薬、炎症性腸疾患、全身性エリトマトーデス、クローン病、ネフローゼ症候群、糸球体硬化症、糸球体腎炎、多発性硬化症、重症筋無力症などの自己免疫疾患の予防又は治療薬、関節リウマチの予防または治療薬、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎の予防又は治療薬、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患の予防又は治療薬、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の予防又は治療薬、肺線維症、特発性間質性肺炎及び気管支喘息の予防又は治療薬として有用である。
本発明においてR及びRの炭素数1〜3の直鎖状アルキル基とは、メチル基、エチル基又はn−プロピル基である。
高い安全性を得る目的からRはメチル基が好ましく、nは3であることが好ましい。
また、高い免疫抑制作用を得る目的からXは、硫黄原子であることが好ましく、Rの立体配置は、後述する合成経路B(化合物(10)を使用する)により主生成物として製造される立体配置であることが好ましい。
本発明における薬理学的に許容される塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩又は酒石酸塩のような酸付加塩が挙げられる。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、例えば以下に示すような合成経路Aにより製造することができる。
<合成経路A>
Figure 2008231027
合成経路Aで一般式(3)
Figure 2008231027
[式中、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(2)
Figure 2008231027
[式中、R、R、A、X及びnは前述の通り]
で表される化合物と一般式(7)
Figure 2008231027
[式中、R及びRは前述の通り]
で表される化合物を塩基存在下に作用させることによって製造することができる(工程A−1)。
反応は、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)などを反応溶媒として用い、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下、反応温度としては0℃〜加熱還流下、好ましくは80℃〜100℃にて行うことができる。
合成経路Aで一般式(4)
Figure 2008231027
[式中、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(3)で表される化合物を加水分解することによって製造することができる(工程A−2)。
反応は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などの塩基の存在下、反応溶媒としてはメタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、DMF、DMSO、THFなどを用い、反応温度は0℃〜加熱還流下に行うことができる。好ましくは水酸化カリウムを塩基として用いエタノール溶媒中、50℃にて作用させる方法が良い。
本発明に係る化合物は特定の光学活性体であることが好ましいが、光学分割を行う時期については特に制限はなく、この段階でキラルカラムを用いたHPLCにて光学分割を行い、望みとする不斉中心を有する化合物を得ることもできる。
合成経路Aで一般式(5)
Figure 2008231027
[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(4)で表される化合物をCurtius転位させることによって製造することができる(工程A−3)。
反応は、カルボキシル基をカルバマートに変換する一般的手法を用いることができる。例えばクロル炭酸エチルとNaN3、オキザリルクロリドとNaN3の組み合わせからなる手法やジフェニルリン酸アジド(DPPA)のみを用いて行う手法を利用できる。好ましくはジフェニルリン酸アジドをトリエチルアミンなどの有機塩基存在下、ベンゼンやトルエン溶媒中加熱還流した後に、一般式(8)
OH (8)
[式中、Rは前述の通り]
で表されるアルコールを加えて加熱撹拌を継続して反応させるか、もしくは上記反応で使用したベンゼンやトルエンなどの溶媒を留去した後に、一般式(8)で表されるアルコールを反応溶媒として兼用し加熱還流下に反応させることができる。
この段階においてキラルカラムを用いたHPLCにて光学分割を行い、望みとする不斉中心を有する化合物を得ることもできる。
合成経路Aで一般式(6)
Figure 2008231027
[式中、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(5)で表される化合物を還元することによって製造することができる(工程A−4)。
反応は、ボランや9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)のようなアルキルボラン誘導体、ジイソブチルアルミニウムヒドリド((iBu)2AlH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)などの金属水素錯化合物、好ましくはLiBH4を用い、反応夜溶媒としてはTHF、1,4−ジオキサンやエタノール、メタノールなどを用い、0℃〜加熱還流下、好ましくは常温下にて行うことができる。
またこの段階においてもキラルカラムを用いたHPLCにて光学分割を行い、望みとする不斉中心を有する化合物を得ることもできる。
合成経路Aで一般式(1)で表される化合物は、一般式(6)で表される化合物を酸分解するか、又は加水分解することによって製造することができる(工程A−5)。
反応は、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの無機酸や有機酸中で常温下〜加熱還流下に行うか、あるいは塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの無機酸や有機酸にメタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサンなどの有機溶媒を加えて常温下〜加熱還流下に行うことができる。また、メタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、DMSO、DMFなどを反応溶媒として用い、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などの塩基の存在下、0℃〜加熱還流下、好ましくは80℃〜100℃にて行うことができる。
合成経路Aで一般式(5)で表される化合物のうち、Rがt−ブチル基である化合物、即ち一般式(5a)
Figure 2008231027
[式中、Bocはt−ブトキシカルボニル基を示し、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物、
及び合成経路Aで一般式(6)で表される化合物のうち、Rがt−ブチル基である化合物、即ち一般式(6a)
Figure 2008231027
[式中、R、R、R、X、Boc及びnは前述の通り]
で表される化合物は合成経路Bによって製造することもできる。
<合成経路B>
Figure 2008231027
合成経路Bで一般式(9)
Figure 2008231027
[式中、R、R、R、R、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物と一般式(10)
Figure 2008231027
[式中、R及びRは前述の通り]
で表される化合物を塩基の存在下に作用させることによって製造することができる(工程B−1)。
反応は、1,4−ジオキサン、THF、エーテルなどを反応溶媒として用い、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどの塩基、好ましくはn−ブチルリチウムを用い、−78℃にて一般式(10)で表される化合物を処理した後、一般式(2)で表される化合物を−78℃にて作用させ徐々に常温までゆるやかに昇温させながら反応させることができる。
合成経路Bで前述一般式(5a)で表される化合物は、一般式(9)で表される化合物を酸分解した後に、t−ブトキシカルボニル基(Boc基)にて窒素原子を保護することによって製造することができる(工程B−2)。
反応は、塩酸を溶解させたメタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、好ましくは塩酸含有1,4−ジオキサンを用いて加熱還流下に反応させた後、塩基で中和しアミノエステル体が得られる。さらにアミノエステル体を酢酸エチル、THF、DMF、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、エタノール、アセトニトリルなどを溶媒として用い、Boc2Oと0℃〜常温下に作用させることが好ましい。
合成経路Bで一般式(6a)で表される化合物は、一般式(5a)で表される化合物を還元することによって製造することができる(工程B−3)。
反応は、ボランや9−BBNのようなアルキルボラン誘導体、(iBu)2AlH、NaBH4、LiBH4、LiAlH4などの金属水素錯化合物、好ましくはLiBH4を用い、反応夜溶媒としてはTHF、1,4−ジオキサンやエタノール、メタノールなどを用い、0℃〜加熱還流下、好ましくは常温下にて行うことができる。
なお一般式(2)で表される化合物の合成法については、WO03029184号、WO03029205号、WO04026817号、WO04074297号、WO050444780号の各パンフレットに記載された方法によって製造することができる。
本発明の化合物は、生体内で代謝されて生成するリン酸エステル体となることにより、優れた臓器移植および骨髄移植における拒絶反応の予防又は治療薬、炎症性腸疾患、全身性エリトマトーデス、クローン病、ネフローゼ症候群、糸球体硬化症、糸球体腎炎、多発性硬化症、重症筋無力症などの自己免疫疾患の予防又は治療薬、関節リウマチの予防または治療薬、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎の予防又は治療薬、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患の予防又は治療薬、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の予防又は治療薬、肺線維症、特発性間質性肺炎及び気管支喘息の予防又は治療薬として有用である。
上記使用の場合、必要とされる用量は、勿論投与方式、処置される特定の病状および所望の効果により変化する。一般に、体重1kgにつき約0.03〜2.5mgの一日用量が好ましい。哺乳類、例えばヒトにおける指示一日用量は、約0.5mg〜約100mgの範囲であり、好的には一日4回以下の分割用量または遅延形態で投与される。経口投与に適切な単位用量形態は、約1〜50mgの有効成分を含む。
本発明化合物は、任意の慣用的経路により、特に経腸的、例えば経口的に、例えば錠剤またはカプセル形態で、または非経口的に、例えば注射可能溶液または懸濁液形態で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリーム形態で、または経鼻または坐剤形態で投与され得る。本発明化合物の遊離形態または医薬上許容される塩形態を少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、医薬上許容される担体または希釈剤と混合することによる慣用的方法で製造され得る。
また、本発明の化合物は、メカニズムの異なる免疫抑制剤及び/又は抗炎症作用を持つ薬剤との併用することも有用である。併用できる薬剤としては、同種および異種移植の急性あるいは慢性拒絶、炎症性疾患、自己免疫疾患の治療や予防に用いる免疫抑制剤、免疫調節作用を有する免疫抑制剤及び/又は抗炎症、悪性細胞増殖抑制を有する抗炎症剤である。具体的にはカルシニューリン阻害剤であるシクロスポリンAやFK506、mTOR阻害薬であるラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシメチル)−ラパマイシン、CCI779、ABT578、免疫抑制作用を持つアスコマイシン類であるABT281、ASM981及びミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、ミゾリビン、シクロフォスファミドなどがある。また葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサート、広く抗炎症作用を示す副腎皮質ステロイド、免疫調節作用のあるオーラノフィン、アクタリット、メサラジン又はスルファサラジンなどや抗TNFα抗体であるインフリキシマブ、抗IL−6受容体抗体であるMRA、抗インテグリン抗体であるナタリズマブなどがある。
(実施例)
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
また一般式(2)で表される中間体等はWO03029184号、WO03029205号、WO04026817号、WO04074297号、WO050444780号のパンフレット中の化合物を利用することができる。また(5S)−3,6−ジエトキシ−5−イソプロピル−2−メチル−2,5−ジヒドロピラジン、(5S)−3,6−ジメトキシ−5−イソプロピル−2−メチル−2,5−ジヒドロピラジン及び(5S)−2−アリル−3,6−ジエトキシ−5−イソプロピル−2,5−ジヒドロピラジンはUlrich Shollkopf et.al Synthesis 969 (1981)及びChunrong Ma et.al., J. Org. Chem., 66, 4525 (2001)に従って合成した。なお、これらの参考文献に記載された実験操作に基づいて新規に合成した中間体などは以下に参考例として記載する。
<実施例1>
O−(3−ジフルオロメチル)フェニルジメチルチオカルバモチオエート
Figure 2008231027
常温にて3−(ジフルオロメチル)フェノール(6.44 g) のDMF (149 mL) 溶液に1, 4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン (9.03 g) 、ジメチルチオカルバモイルクロリド(9.95 g)を加え、4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 1)にて精製し、 目的物(7.04 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 3.36 (3H, s), 3.46 (3H, s),6.66 (1H, t, J = 57 Hz), 7.19 (1H, dt, J = 7.9, 1.2 Hz),7.23 (1H, br s), 7.39 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.48 (1H, t, J = 7.9 Hz).
EIMS (+) : 231 [M] +.
<実施例2>
S−(3−ジフルオロメチル)フェニルジメチルチオカルバモチオエート
Figure 2008231027
実施例1の化合物(2.34 g)のジフェニルエーテル(12 g)溶液を250℃にて2.5時間攪拌した。反応液を常温に戻し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 2)にて精製し、目的物 (1.92 g) を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 3.04 (3H, s), 3.10 (3H, s), 6.65 (1H, t, J = 57 Hz), 7.48 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.64 (1H, s).
EIMS (+) : 231 [M] +.
<実施例3>
2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)ベンズアルデヒド
Figure 2008231027
水素化アルミニウムリチウム(959 mg)のジエチルエーテル(48 mL)溶液に、氷冷下にて実施例2の化合物(4.17 g)のジエチルエーテル(12 mL)溶液を滴下し、氷冷下にて20分間攪拌した。反応液に0.5 mol/L 塩酸水溶液(30 mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(36 mL)溶液に溶解し、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(2.73 g)および炭酸カリウム(2.99 g)を加え、常温にて16時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 9 : 1)にて精製し、目的物 (4.34 g)を無色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 6.67 (1H, t, J = 56 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.53-7.64 (3H, m), 7.68 (1H, s), 7.79 (1H, d, J = 7.9 Hz), 10.37 (1H, s)
EIMS (+) : 298 [M] +.
<実施例4>
3−[2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]アクリル酸エチル
Figure 2008231027
氷冷下、ジエチルホスホノ酢酸エチル(4.53 g)のTHF(100 mL)溶液に、60%水素化ナトリウム(376 mg)を加え30分攪拌した。ついで実施例3の化合物(2.34 g)のTHF(4 mL)溶液を加え氷冷下にて3時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 9 : 1)にて精製し、目的物 (2.88 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.34 (3H, t, J = 7.3 Hz), 4.27 (2H, q, J = 7.3 Hz), 6.40 (1H, d, J = 16 Hz), 6.63 (1H, t, J = 56 Hz), 7.12 (1H, dd, J= 7.9, 1.8 Hz),7.28 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.44-7.56 (4H, m), 7.58 (1H, s), 8.02 (1H, d, J = 16 Hz).
EIMS (+) : 368 [M] +.
<実施例5>
3−[2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロパン−1−オール
Figure 2008231027
氷冷下にて実施例4の化合物(2.88 g)をエタノール (60 mL)に溶解し、塩化ビスマス (1.23 g)、水素ホウ素化ナトリウム(1.18 g)を加え1時間攪拌した。反応液に水を加えてセライトを用いて不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣のテトラヒドロフラン(26 mL)溶液に、氷冷下にて水素化リチウムアルミニウム(356 mg)を加え、氷冷下にて30分攪拌した。反応液に1 mol / L水酸化カリウム水溶液を滴下し、セライトを用いて不溶物を濾去した。濾液の溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1)にて精製し、目的物 (2.43 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.32 (1H, t, J = 4.9 Hz), 1.85-1.93 (2H, m), 2.81-2.85 (2H, m), 3.70 (2H, q, J = 6.7 Hz), 6.59 (1H, t, J = 56 Hz), 7.17-7.23 (2H, m), 7.36-7.41 (4H, m), 7.45 (1H, s).
EIMS (+) : 328 [M] +.
<実施例6>
2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)−1−(3−ヨウドプロピル)ベンゼン
Figure 2008231027
アルゴン雰囲気下、実施例5の化合物(2.43 g)のTHF(30 mL)溶液にイミダゾール(1.01 g)とトリフェニルホスフィン(3.88 g)およびヨウ素(3.75 g)を氷冷下にて加え、1時間攪拌した。反応液を水で希釈し、さらにチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、抽出層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、残渣にヘキサンを加え不溶物を濾去した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 20 : 1)にて精製し、目的物 (3.11 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.10-2.17 (2H, m), 2.84 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.20 (2H, t, J= 6.7 Hz), 6.60 (1H, t, J = 56 Hz), 7.18 (1H, dd, J = 7.9, 1.2 Hz), 7.22 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.36 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.41 (3H, d, J = 1.2 Hz), 7.47 (1H, s).
EIMS (+) : 438 [M] +.
<実施例7>
(2R,5S)−2−[2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]プロピル−3,6−ジエトキシ−2−メチル−5−イソプロピル−2,5−ジヒドロピラジン
Figure 2008231027
アルゴン雰囲気下、−78℃にて(5S)−3,6−ジエトキシ−2−メチル−5−イソプロピル−2,5−ジヒドロピラジン (679 mg) の THF (12 mL) 溶液にn-ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.59 mol / L, 1.98 mL)を加え、−78℃にて30分間攪拌した。 ついで実施例6の化合物(1.45 g)のTHF (3 mL) 溶液を加えて−78℃にて30分間、0℃にて1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 1)にて精製し、目的物 (630 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.70 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.06 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.20-1.32 (7H, m), 1.33 (3H, s), 1.35-1.48 (1H, m),1.58-1.60 (1H, m), 1.85-1.95 (1H, m), 2.24-2.32 (1H, m), 2.66 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.90 (1H, d, J= 3.7 Hz), 3.99-4.22 (4H, m), 6.61 (1H, t, J = 56 Hz), 7.14 (1H, d, J= 7.9 Hz), 7.19 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.36 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.39 (3H, s), 7.46 (1H, s).
ESIMS (+) : 538 [M+H] +.
<実施例8>
(R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−[2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]−2−メチルペンタン−1−オール
Figure 2008231027
実施例7の化合物(630 mg)の1,4−ジオキサン(20 mL)溶液に0.5 mol/L 塩酸水溶液(10 mL)を加え、常温で1時間攪拌後、常温で一晩放置した。濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。抽出液を濃縮後、残渣をアセトニトリル(10 mL)に溶解し、ジ−tert−ブトキシジカルボネート(639 mg)を加えた。常温で1時間攪拌し、常温で一晩放置した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をテトラヒドロフラン(9.4 mL)溶液に溶かし、氷冷下にて水素化ホウ素リチウム(496 mg)を加え、次いでエタノール(0.94 mL)を滴下し、氷冷下にて2時間攪拌した。反応液に10 % クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 1)にて精製し、目的物 (431 mg) を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.14 (3H, s), 1.42 (9H, s), 1.51-1.73 (3H, m), 1.79-1.92 (1H, m), 2.73 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.57-3.67 (2H, m), 4.05 (1H, br s), 4.57 (1H, br s), 6.60 (1H, t, J = 56 Hz), 7.19 (2H, d, J = 1.2 Hz), 7.36 (1H, s), 7.39 (3H, br s), 7.44 (1H, s).
ESIMS (+): 537[M+H] +.
<実施例9>
(R)−2−アミノ−5−[2−クロロ−4−(3−ジフルオロメチルフェニルチオ)フェニル]−2−メチルペンタン−1−オール
Figure 2008231027
実施例8の化合物(130 mg)を10%塩酸メタノール溶液(13 mL)に溶解し、常温で1時間攪拌後、常温で一晩放置した。反応液を減圧留去し、目的物 (105 mg)を無色油状物として得た。
旋光度:[α]D 22 - 3.60 (c 0.50, CH2Cl2)
IR (KBr):3412, 2933, 1590, 1029 cm-1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.06 (3H, s), 1.51-1.64 (4H, m), 2.67 (2H, br s), 3.33 (1H, dd, J= 11, 4.9 Hz), 3.38 (1H, J = 11, 4.9 Hz), 4.53 (1H, t, J = 4.9 Hz), 7.03 (1H, t, J = 56 Hz), 7.28 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.39 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.40 (2H, d, J = 1.8 Hz), 7.45 - 7.57 (4H, m), 7.82 (3H, br s).
HRFABMS (+) 385.1101 (C19H22ClF2NOSとして計算値 385.1079).
次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を実験例によって示す。
<実験例> マウス宿主対移植片拒絶反応に対する被験化合物の抑制作用
トランスプランテーション(Transplantation)、第55巻、第3号、第578-591頁,1993年.に記載の方法を参考にして行った。BALB/c系雄性マウス6〜23週齢(日本エス・エル・シー)から脾臓を採取した。脾臓は、RPMI-1640培地(シグマ)中に取り出し、スライドグラス2枚ですり潰しセルストレーナー(70ミクロン、ファルコン)を通過させることにより脾細胞浮遊液にした。この脾細胞浮遊液を遠心して上清を除去した後、塩化アンモニウム-トリス等張緩衝液を加えて赤血球を溶血させた。RPMI-1640培地で3回遠心洗浄した後、RPMI-1640培地に浮遊した。これに最終濃度が25μg/mLとなるようにマイトマイシンC(協和醗酵)を加え、37℃、5%CO2下で30分間培養した。RPMI-1640培地で3回遠心洗浄した後、RPMI-1640培地に2.5×108個/mLとなるように浮遊し、これを刺激細胞浮遊液とした。刺激細胞浮遊液20μL(5×106個/匹)を、27G針及びマイクロシリンジ(ハミルトン)を用いてC3H/HeN系雄性マウス6〜11週齢(日本クレア)の右後肢足蹠部皮下に注射した。正常対照群には、RPMI-1640培地のみを注射した。4日後に、右膝下リンパ節を摘出し、メトラーAT201型電子天秤(メトラー・トレド)を用いて重量を測定した。被験化合物は、刺激細胞注射日から3日後まで、1日1回、計4回、連日腹腔内投与した。対照群には、被験化合物の調製に用いたものと同じ組成の溶媒を投与した。
なお、抑制率は下記の計算式を用いて算出した。
Figure 2008231027
実施例9の化合物は3mg/kgの投与において50%以上の有意な抑制作用を示した。
本発明により免疫抑制作用に優れ、安全性の高いアミノアルコール誘導体の提供が可能となり、臓器移植および骨髄移植における拒絶反応の予防又は治療薬、炎症性腸疾患、全身性エリトマトーデス、クローン病、ネフローゼ症候群、糸球体硬化症、糸球体腎炎、多発性硬化症、重症筋無力症などの自己免疫疾患の予防又は治療薬、関節リウマチの予防または治療薬、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎の予防又は治療薬、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患の予防又は治療薬、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の予防又は治療薬、肺線維症、特発性間質性肺炎及び気管支喘息の予防又は治療に有用である。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 2008231027
    [式中、Rは1又は2個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rはフッ素原子又は塩素原子を、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、nは2又は3を示す]
    で表されるアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
    Figure 2008231027
    [式中、R、X及びnは前記定義に同じ]
    で表される請求項1記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
  3. 前記一般式(1)又は(1a)においてRがメチル基である請求項1又は2に記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
  4. 一般式(2)
    Figure 2008231027
    [式中、Rは1又は2個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rはフッ素原子又は塩素原子を、Aはハロゲン原子を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、nは2又は3を示す]
    で表される化合物と一般式(10)
    Figure 2008231027
    [式中、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す]
    で表される化合物を塩基の存在下に作用させる工程、及び前記工程における生成物を酸分解した後、さらにt−ブトキシカルボニル基にて窒素原子を保護し、還元し、窒素原子を脱保護する工程により製造される請求項1記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のアミノアルコール誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬。
  6. 免疫抑制剤である請求項5記載の医薬。
  7. 臓器移植若しくは骨髄移植における拒絶反応の予防又は治療薬である請求項5記載の医薬。
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