JP2008230309A - ステアリング装置 - Google Patents

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Tsutomu Ishii
力 石井
Atsushi Nagata
篤 永田
Yoshinori Masaji
美徳 政次
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Abstract

【課題】操舵時の操舵角の影響を受けることなく、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように強制的に回転でき、かつ、回転時のリング部の下方への移動量を抑えることができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置M1は、軸方向SCを後上がりに傾斜させるステアリングシャフト2と操舵時に回動しないコラムベース5とを有するステアリングコラム1と、シャフト2の上端2aに連結されるステアリングホイール10とを備える。回転駆動機構45が、操舵時のステアリングホイール10の回動を許容して、ステアリングホイール10とコラムベース5とを連結するように、配設されている。回転駆動機構45は、ボス部17におけるステアリングシャフト2との連結部位48付近を回転中心RCとして、リング部11の上面側のリング面14を鉛直面VPに接近させる方向に回転させ、かつ、その状態を維持可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の操舵を行うステアリング装置に関し、特に、ステアリングホイールの操舵時に把持するリング部の上面側で構成されるリング面を、車両の左右方向に沿った略鉛直面に沿わせるように、強制的に移動可能なステアリング装置に関する。
従来のステアリング装置では、ステアリングホイールが、操舵時に把持する略円環状のリング部と、リング部の中央付近に配置されてステアリングシャフトに締結されるとともに上部側にエアバッグ装置を配設させたボス部と、リング部とボス部とを連結するスポーク部と、を備えて構成されていた。そして、ステアリングシャフトは、車両の前後方向に沿い、かつ、前部側を下方に位置させ、後部側を上方に配置させるように軸方向を後上がりに傾斜させて配設されていることから、操舵時に把持するステアリングホイールのリング部は、ステアリングシャフトの軸直交方向に沿って配置されて、その上面側のリング面が、後下がりに傾斜して配設されていた(例えば、特許文献1参照)。そして、このステアリングホイールでは、車両の衝突に伴う運転者の前進移動時に、運転者側に突出するように配置されているリング部の後部(下部)が、運転者と干渉(当接)する際に、運転者を部分的に押圧しないように、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に沿わせて、リング面を運転者の上半身に対して平行とするように、運転者自身の運動エネルギーを利用して、ステアリングホイールの芯金を塑性変形させる構造としていた。
また、ステアリングホイール装置としては、膨張を完了させたエアバッグが運転者と当接しても運転者からずれ難いように、膨張を完了させたエアバッグをリング部で安定して支持できるように構成したものがあった(例えば、特許文献2参照)。このステアリングホイール装置では、エアバッグ装置の作動時、リング部の上面側のリング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように強制的に移動させて、膨張したエアバッグの前部側の背面を、引き起こしたリング部の前部側で安定して支持できるようにして、運転者がエアバッグと当接しても、エアバッグの運転者側の運転者拘束面が、上縁側だけを前方移動させるような前倒し状態となることを回避して、クッション性良く、運転者を受け止めることとしていた。
特開2001−277983号公報 特開2003−306122号公報
しかし、従来のリング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように回転させる構造として、運転者自身の運動エネルギーを利用して、ステアリングホイールの芯金を塑性変形させる構造では、塑性変形時に変形荷重の反力が運転者にかかってしまう。また、この構造では、リング部を操舵して、車両の直進状態から、リング部を例えば90度程度回動させていれば、塑性変形する方向がずれるため、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させ難い。
一方、リング面を強制的に移動させるステアリングホイール装置では、上記のような反力を運転者に与えない。しかしながら、従来の強制的にリング面を移動させる上記のステアリング装置では、ステアリングホイールより下方のステアリングシャフトの部位であるチルト機構の部位で、リング面を回転移動させていた。そのため、リング部の操舵角の影響を受けることなく、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させることができるものの、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる際の回転半径(チルト機構からリング面までの半径)が大きくなり、リング面を略鉛直方向に接近させるまでのリング部自体の下方への変位量が大きくなることが避けられず、移動後のリング部が運転者の膝や大腿部付近のスペースを狭めてしまう課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、操舵時の操舵角の影響を受けることなく、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように強制的に回転させることができるとともに、その回転時のリング部の下方への移動量を抑えることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステアリング装置は、車両の前後方向に沿い、かつ、前部側を下方に位置させ、後部側を上方に配置させるように軸方向を後上がりに傾斜させて配設され、操舵時に軸周り方向に回動するステアリングシャフト、及び、ステアリングシャフトの周囲に配置されて、操舵時に回動しない非回動のコラムベース、を有するステアリングコラムと、
ステアリングシャフトの上端に連結されるステアリングホイールと、
を備えて構成され、
ステアリングホイールが、ステアリングシャフトを略中心位置に配置させ、かつ、ステアリングシャフトの軸直交方向の平面に沿って配置され、操舵時に把持する略円環状のリング部と、リング部の略中央に配置されて、ステアリングシャフトの上端と連結されるボス部と、リング部とボス部とを連結するスポーク部と、を備えて構成されるステアリング装置であって、
ボス部におけるステアリングシャフトとの連結部位付近を回転中心として、リング部の上面側におけるステアリングシャフトの軸直交方向のリング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させるとともに、回転後のリング面のステアリングシャフトに対する交差角度を維持可能とする回転駆動機構が、配設され、
回転駆動機構が、操舵時のステアリングホイールの回動を許容して、ステアリングホイールとコラムベースとを連結するように、配設されていることを特徴とする。
本発明に係るステアリング装置では、作動時、ステアリングホイールとコラムベースとを連結している回転駆動機構が、リング部の上面側におけるステアリングシャフトの軸直交方向のリング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させるとともに、回転後のリング面のステアリングシャフトに対する交差角度を維持する。そのため、車両の衝突により、運転者が前進移動してきても、運転者の上半身に略平行に配置させた広いリング面により、部分的に押圧力を作用させることなく、前進移動する運転者を好適に受け止めることができる。
そして、回転駆動機構は、作動時、リング面の回転中心をステアリングホイールのボス部から下方に離れたステアリングシャフトの部位でなく、ボス部におけるステアリングシャフトとの連結部位付近を回転中心として、リング面を回転させるため、ボス部におけるステアリングシャフトとの連結部位付近の回転中心からリング部の後部(下部)までの回転半径として、リング部が回転するだけであり、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させても、回転前のリング部の後部(下部)の下降移動量を、極力小さくすることができて、リング部の下部の運転者の大腿部等との干渉を防止できる。
また、回転駆動機構は、操舵時のステアリングホイールの回動を許容して、ステアリングホイールとコラムベースとを連結している構成であるため、リング部を任意の操舵角で操舵していても、ステアリングホイールのリング面を、コラムベースに対して移動させて、車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させることが可能となる。
したがって、本発明に係るステアリング装置では、操舵時の操舵角の影響を受けることなく、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように強制的に回転させることができるとともに、その回転時のリング部の下方への移動量を抑えることができる。
そして、回転駆動機構は、
ボス部とステアリングシャフトの上端との連結部位付近に配置され、ステアリングホイールの操舵時の回動をステアリングシャフトに伝達可能で、かつ、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向への回転を許容する回動伝達機構と、
ステアリングシャフトの周囲に配置されて、作動時に、リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させ、回転後のリング面のステアリングシャフトに対する交差角度を維持可能なアクチュエータと、
を設けて構成し、
アクチュエータは、コラムベース若しくはボス部の一方に取り付けられる本体と、進退可能に本体から突出して、ボス部若しくはコラムベースに連結される作動片と、を設けて構成することが望ましい。
このような構成では、アクチュエータが作動して、作動片を移動させれば、作動片の配設部位におけるステアリングシャフトの周囲のコラムベースとボス部との距離を変動させることができるため、回動伝達機構におけるボス部とステアリングシャフトの上端との連結部位付近を回転中心として、リング面を、車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように、強制的に回転させることができる。そして、回動伝達機構は、ステアリングホイールの操舵時の回動をステアリングシャフトに伝達可能に構成されているため、通常の操舵時には支障がない。
この場合、アクチュエータは、ステアリングシャフトの周囲に、一つ配設させる構成でもよいし、放射状に複数配設させる構成としてもよい。
そして、例えば、アクチュエータを一つだけ配設させる構成とする場合には、コラムベースの前面側若しくは後面側に、本体を固定させ、ステアリングシャフトの軸方向に沿った上方側のボス部の部位に、作動片を連結させればよい。すなわち、コラムベースの前面側に本体を配置させる場合には、作動片を押し出して、ステアリングシャフトの前方側のボス部の部位を押し上げれば、リング面を車両の左右方向に沿う鉛直面に接近させることができる。また、コラムベースの後面側に本体を配置させる場合には、作動片を引き込んで、ステアリングシャフトの後方側のボス部の部位を引き下げれば、リング面を車両の左右方向に沿う鉛直面に接近させるように回転させることができる。
そして、アクチュエータをステアリングシャフトの周囲に放射状に複数配設する場合には、本体は、通常の操舵ができる範囲で、コラムベース若しくはボス部のどちら側に配置させてもよく、その場合、ステアリングシャフトの前方側に配置されるアクチュエータの作動片は、押し出し操作し、ステアリングシャフトの後方側に配置されるアクチュエータの作動片は、引き込み操作すれば、リング面を車両の左右方向に沿う鉛直面に接近させるように回転させることができる。
また、回動伝達機構としては、ステアリングシャフトの上端側に配設されるシャフト側継手部と、ボス部側に配設させて前記シャフト側継手部と連結されるホイール側継手部と、を備えてなる自在継手から構成することができ、自在継手から構成される回動伝達機構では、操舵時のリング部の回動を、スポーク部とボス部とを経て、さらに、自在継手を経て、ステアリングシャフトに伝達することができる。勿論、自在継手から構成される回動伝達機構では、リング面を鉛直面に接近させるように、ステアリングホイール側を回転させることができる。
さらに、回動伝達機構としては、ステアリングシャフトの上端を挿入させてステアリングシャフトに固定される筒状のスリーブ部と、スリーブ部からステアリングシャフトの軸直交方向に延びて、ステアリングシャフトの上端の周囲に配置されたボス部に対して連結される連結片と、を設けて構成し、
連結片は、スリーブ部側の内側端部とボス部側の外側端部との間の部位を、外側端部側のステアリングシャフトの軸周り方向の回動を内側端部側に伝達可能として、リング面における車両の左右方向に沿った鉛直面に接近する方向への回転時における内側端部と外側端部との相対的な移動に伴う変形を許容する変形部位として、形成することができる。
このような構成では、回動伝達機構の連結片が、外側端部側のステアリングシャフトの軸周り方向の回動を内側端部側に伝達可能としており、操舵時のリング部の回動を、スポーク部とボス部とを経て、さらに、回動伝達機構の連結片を経て、ステアリングシャフトに伝達することができる。また、この連結片では、リング面における車両の左右方向に沿った鉛直面に接近する方向への回転時における内側端部と外側端部との相対的な移動に伴う変形を許容しており、リング面を鉛直面に接近させるように、ステアリングホイール側を回転させることができる。
この場合、連結片は、スリーブ部の全周から鍔状に延びるような皿ばね形状として、一枚から形成してもよいし、スリーブ部から放射状に延ばして、板厚方向をステアリングシャフトの軸方向に沿わせた複数の板ばねから構成してもよい。これらの場合、板厚方向には、曲げ変形や捩れ変形が可能となって、リング面の車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる回転を許容し、そして、その板厚方向と直交方向には、変形し難いことから、外側端部側のステアリングシャフトの軸周り方向の回動を内側端部側に伝達可能としており、操舵時のリング部の回動を、スポーク部とボス部とを経て、さらに、回動伝達機構の連結片を経て、ステアリングシャフトに伝達することができる。
また、回転駆動機構は、作動後にリング面を作動前の初期位置に復帰させるように、構成することが望ましい。このような構成では、車両の衝突を予測した際に作動させて、リング面を、予め、略鉛直面に沿うように配置させておくことができ、そして、その後に、実際の車両の衝突がなければ、リング面を初期位置に復帰させることができて、通常の操舵が可能となる。なお、車両の衝突を予測した際に作動させる構成とする場合には、回転駆動機構が迅速に作動できない構成であっても、実際の衝突時までの時間差分により、リング面を鉛直面に接近させるように、配置させることが可能となる。
さらに、ステアリングホイールには、膨張完了時にリング部の内側から外側に拡開してリング部上でリング部の外径寸法より大きく膨らむように配設されるエアバッグを有したエアバッグ装置を配設させることが望ましい。
このような構成では、回転駆動機構を作動させるとともにエアバッグ装置を作動させれば、リング部の回転半径を小さくして、回転前のリング部の後部側が、前方移動する。そのため、運転者がリング部に接近していても、その運転者の腹部とリング部の下部(回転移動前のリング部の後部)との間に、膨張するエアバッグの配置スペースを容易に確保できて、接近している運転者の腹部の前方側に、円滑に、膨張したエアバッグにおけるリング部の下部の後方側を覆う部位を、配置させることができる。そして、膨張を完了させたエアバッグが、背面側をリング部の全周に安定支持された状態で、クッション性よく、運転者を受け止めることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のステアリング装置M1は、図2に示すように、ステアリングコラム1、エアバッグ装置30を設けたステアリングホイール10、ステアリングホイール10を回転移動させる回転駆動機構45、及び、エアバッグ装置30のインフレーター38と回転駆動機構45のアクチュエータ55の作動を制御する制御装置70と、を備えて構成されている。
ステアリングコラム1は、操舵時に軸回り方向に回動するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2の周囲に配置されて、操舵時に回動しない非回動のコラムベース5と、を備えて構成されている。ステアリングシャフト2は、車両の前後方向に沿い、かつ、前部側を下方に位置させ、後部側を上方に配置させるように軸方向SCを後上がりに傾斜させて配設され、図示しない下端側は、インタミディエイトシャフトを介して、ステアリングギヤに連結されている。ステアリングシャフト2は、その軸周り方向の回動により、車両の車輪を所定方向に向けるように操舵することとなる。コラムベース5は、コラムチューブ等から構成されている。
なお、本明細書では、上下・前後・左右の方向は、特に断らない限り、直進操舵時の車両の上下・前後・左右の方向に対応するものである。
ステアリングホイール10は、図1,2に示すように、ステアリングシャフト2の上端2aに連結されている。ステアリングホイール10は、平面視となる図1に示すように、操舵時に把持する略円環状のリング部11と、リング部11の略中央に配置されて、ステアリングシャフト2の上端2aと連結されるボス部17と、リング部11とボス部17とを連結するスポーク部19と、を備えて構成されている。スポーク部19は、実施形態の場合、4本配設されている。リング部11は、平面視の状態で、ステアリングシャフト2を略中心位置に配置させ、かつ、ステアリングシャフト2の軸直交方向の平面に沿って配置されている(図2参照)。そして、リング部11の上面側のリング面14も、ステアリングシャフト2の軸直交方向の平面に沿って配置されている。また、ステアリングホイール10は、リング部11、ボス部17、及び、スポーク部19の各部を連結する剛性を有した芯金21を配設させて構成されている。また、芯金21は、リング部11とリング部11側のスポーク部19の一部との周囲に、軟質の合成樹脂等からなる被覆層22を配設させている。ステアリングホイール10の下面側には、合成樹脂製のロアカバー24が取り付けられ(図2参照)、また、ボス部17の上面側には、合成樹脂製のパッド26が配設されている。
エアバッグ装置30は、図2に示すように、折り畳まれて収納されるエアバッグ31、エアバッグ31に膨張用ガスを供給するインフレーター38、及び、エアバッグ31とインフレーター38とを収納保持するとともにパッド26を保持するケース40、を備えて構成されている。パッド26は、折り畳んだエアバッグ31の上方を覆って、膨張するエアバッグ31に押されて前後に開く二枚の扉部26aを配設させている(図1参照)。ケース40には、図5に示すように、左右両側の下面側に、取付片41,41が配設され、各取付片41が、芯金21に連結されている。そして、インフレーター38は、衝突検知センサ71(図2参照)からの信号を入力して、車両の衝突を検知した制御装置70により、作動を制御される。
エアバッグ31は、インフレーター38からの膨張用ガスにより膨らみ、パッド26の前後の扉部26a,26aを押し開いて突出し(図7参照)、リング部11の内側から外側に拡開してリング部11上でリング部11の外径寸法より大きく膨らむように配設されて、運転者D側からリング部11を隠す。エアバッグ31は、二枚の可撓性を有した布材からなる略円形のホイール側壁部32と運転者側壁部35との外周縁相互を縫合等により結合させて形成され、さらに、内部にホイール側壁部32と運転者側壁部35との離隔距離を規制する図示しないテザーを配設させて構成されていることから、膨張完了時には、中央を厚くした円盤状に膨張し、そして、運転者側壁部35の中央の平坦な部分を運転者を受け止める運転者拘束面36としている。また、エアバッグ31は、図2に示すように、ホイール側壁部32の中央に膨張用ガスを流入させるためのインフレーター38を挿入させる流入用開口34を備え、流入用開口34の周縁をリテーナ37を利用して、平面視において、ボス部17の中央付近に配置されるケース40に取り付けられている。
回転駆動機構45は、図2,4若しくは図5,6に示すように、ボス部17におけるステアリングシャフト2との連結部位付近を回転中心RCとして、リング部11の上面側におけるステアリングシャフト2の軸直交方向のリング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向に回転させるとともに、回転後のリング面14のステアリングシャフト2に対する交差角度θを維持可能とするように、配設されている。この回転駆動機構45は、操舵時のステアリングホイール10の回動を許容して、ステアリングホイール10とコラムベース5とを連結するように、配設されており、実施形態の場合、回動伝達機構47とアクチュエータ55とを備えて構成されている。
回動伝達機構47は、ボス部17とステアリングシャフト2の上端2aとの連結部位付近に配置され、ステアリングホイール10の操舵時の回動をステアリングシャフト2に伝達可能で、かつ、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向への回転を許容するものである。第1実施形態の場合、回動伝達機構47は、自在継手48から構成されている。自在継手48は、図2,5に示すように、ステアリングシャフト2の上端2a側に固着されて配設されるシャフト側継手部49と、ボス部17側に配設させて、回動自在な回動軸50a,50bを十文字状に交差させてなる中間軸50を介在させて、シャフト側継手部49と連結されるホイール側継手部51と、を備えて構成されている。シャフト側継手部49とホイール側継手部51とは、各回動軸50a,50bの両端を回動可能に軸支しており、ホイール側継手部51には、ボス部17の連結孔17aに対して回動不能にナット53止めされる連結軸部52が、配設されている。
アクチュエータ55は、図2,3に示すように、ステアリングシャフト2の周囲に配置されて、作動時に、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向に回転させ、回転後のリング面14のステアリングシャフト2に対する交差角度θを維持可能としている。実施形態の場合、アクチュエータ55は、作動後に作動前の状態に戻る復帰動作を可能とする油圧・水圧等の流体圧を利用するピストンや電磁ソレノイド等から構成され、コラムベース5の外周面側に取り付けられる本体56と、進退可能に本体56から突出して、ボス部17に連結される作動片57と、を備えて構成されている。さらに、第1実施形態の場合、アクチュエータ55は、ステアリングシャフト2の周囲において、放射状に、実施形態の場合、前後左右の十文字状に、4つ配設されている。
各アクチュエータ55の作動片57は、ステアリングシャフト2の軸方向SCに沿って本体56から押し出されたり引き込まれる軸部58と、軸部58の上端に軸支されるリンク片59と、を備えて構成されている。リンク片59は、上端に球状に膨らんだ連結部60を備えている。各連結部60は、ボス部17に設けられた連結部62に対して、操舵時のステアリングホイール10の回動を許容して、連結されている。実施形態の場合、ボス部17の連結部62は、ボス部17の下面側に、ステアリングシャフト2を中心とした円環状の環状溝63から構成され、環状溝63は、作動片57側の球状の連結部60を摺動可能に収納できるように、内部空間を広げ、また、作動片57の本体56内への引き込み時にボス部17を引き下げ可能に、下面側の円環状の開口64の開口幅OB(図3参照)を、連結部60の直径寸法ODより小さくして、構成されている。
これらのアクチュエータ55は、作動時、ステアリングシャフト2の前方側に配置されるアクチュエータ55(55F)の作動片57を、押し出し操作して、先端の連結部60によって環状溝63の天井面63aを押し上げ、ステアリングシャフト2の後方側に配置されるアクチュエータ55(55B)の作動片57を、引き込み操作して、先端の連結部60によって環状溝63内の開口64の内周縁63bを引き下げれば、リング面14を車両の左右方向に沿う鉛直面VPに接近させるように回転させることができる(図2,4参照)。なお、左右のアクチュエータ55(55L,55R)は、リング面14の回転中心RCが、自在継手48の中間軸50の配置エリアとなる関係上、後方側のアクチュエータ55Bの作動片の移動ストロークよりは短いものの、それぞれ、作動片57を引き込み操作することとなる。ちなみに、リング面14の回転中心RCは、ステアリングホイール10の直進状態では、回動軸50bの軸心部位となり(図2,4参照)、90度操舵した状態では、回動軸50aの軸心部位となり(図5,6参照)、その中間の角度の操舵角でのリング面14の鉛直面VPへ接近する回転時には、自在継手48が回動軸50aと回動軸50bとの軸周りでともに回転するため、回動軸50a,50b間の部位となる。
そして、アクチュエータ55の作動前の通常時には、各アクチュエータ55は、作動片57の球状の連結部60を、環状溝63の天井面63aに当接させたり、あるいは、内周縁63bに係止させたりして、リング面14をステアリングシャフト2の軸直交方向に配置させる状態を維持する。さらに、この状態では、環状溝63内を各連結部60が摺動可能であり、リング部11を回動操舵することができる。勿論、リング面14を回転移動させた後でも、リング部11を回動操舵する場合には、ステアリングシャフト2の軸周り方向の回動ではないもの、環状溝63内を各連結部60が摺動可能であり、環状溝63の円環状の円周方向に沿って、リング部11を回動操舵することができる。さらに、リング面14を回転移動させた後でも、各アクチュエータ55は、作動片57の球状の連結部60を、環状溝63の天井面63aに当接させたり、あるいは、内周縁63bに係止させたりして、回転移動後のリング面14のステアリングシャフト2の軸方向SCに対する交差角度θを維持することができる(図4,6参照)。
また、各アクチュエータ55は、エアバッグ装置30のインフレーター38と同様に、制御装置70(図2参照)により、作動を制御される。但し、制御装置70が、車両の衝突を検知可能な加速度センサ等からなる衝突検知センサ71の他に、車両の衝突を予測できるフロントバンパ等に設けたレーダ等からなる衝突予知センサ72からの信号も入力させるように構成されており、制御装置70が、衝突予知センサ72からの信号に基いて、車両の衝突が回避できないと予測した際、各アクチュエータ55を作動させ、そして、所定時間経過しても、衝突検知センサ71の車両の衝突を検知した信号が入力されない場合に、車両の衝突が回避されたと判断し、制御装置70が、作動前の状態となるように、各アクチュエータ55を復帰させるように作動させる。
そして、この第1実施形態のステアリング装置M1では、制御装置70が回転駆動機構45の各アクチュエータ55を作動させて、アクチュエータ55Fの作動片57を押し出し操作し、アクチュエータ55B、55L、55Rの作動片57を引き込み操作すれば、既述したように、リング面14を車両の左右方向に沿う鉛直面VPに接近させるように回転させることができて、回転後のリング面14のステアリングシャフト2に対する交差角度θを維持する。そのため、車両の衝突により、運転者Dが前進移動してきても、運転者Dの上半身DUに略平行に配置させた広いリング面14により、部分的に押圧力を作用させることなく、前進移動する運転者Dを好適に受け止めることができる(図2,4、若しくは、図3,6参照)。
そして、回転駆動機構45は、作動時、リング面14の回転中心RCをステアリングホイール10のボス部17から下方に離れたステアリングシャフト2の部位に配置させるのではなく、ボス部17におけるステアリングシャフト2との連結部位付近(自在継手48の部位)に回転中心RCを配置させ、その位置の回転中心RCを基準にリング面14を回転させるため、ボス部17におけるステアリングシャフト2との連結部位付近の回転中心RCからリング部11の後部(下部)12までの回転半径として、リング部11が回転するだけであり、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向に回転させても、回転前のリング部11の後部(下部)12の下降移動量を、極力小さくすることができて、リング部11の下部12の運転者Dの大腿部DL等との干渉を防止できる(図7,8参照)。
また、回転駆動機構45は、操舵時のステアリングホイール10の回動を許容して、ステアリングホイール10とコラムベース5とを連結している構成であるため、リング部11を任意の操舵角で操舵していても、図4,6に示すように、ステアリングホイール10のリング面14を、コラムベース5に対して移動させて、車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させることが可能となる。
したがって、第1実施形態のステアリング装置M1では、操舵時の操舵角の影響を受けることなく、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させるように強制的に回転させることができるとともに、その回転時のリング部11の下方への移動量を抑えることができる。
そして、実施形態の場合には、回転駆動機構45が、ボス部17とステアリングシャフト2の上端2aとの連結部位付近に配置される回動伝達機構47と、アクチュエータ55とから構成されている。さらに、実施形態の場合、回動伝達機構47が、ステアリングホイール10の操舵時の回動をステアリングシャフト2に伝達可能で、かつ、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向への回転を許容するように、自在継手48から構成されている。すなわち、自在継手48では、操舵時のリング部11の回動を、スポーク部19とボス部17とを経て、さらに、自在継手48のホイール側継手部51、中間軸50、及び、シャフト側継手部49を経て、ステアリングシャフト2に伝達することができる。勿論、自在継手48では、リング面14を鉛直面VPに接近させるように、ステアリングホイール10側を回転させることもできる(図4,6参照)。
また、アクチュエータ55が、作動時に、リング面14を車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる方向に回転させ、回転後のリング面14のステアリングシャフト2に対する交差角度θを維持可能に、ステアリングシャフト2の周囲のコラムベース5に取り付けられる本体56と、進退可能に本体56から突出して、ボス部17に連結される作動片57と、を設けて構成されている。
このような構成では、アクチュエータ55が作動して、作動片57を移動させれば、作動片57の配設部位におけるステアリングシャフト2の周囲のコラムベース5とボス部17との距離を変動させることができるため、回動伝達機構47におけるボス部17とステアリングシャフト2の上端2aとの連結部位付近(自在継手48の部位)を回転中心RCとして、リング面14を、車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させるように、強制的に回転させることができる(図2,4、若しくは、図5,6参照)。そして、回動伝達機構47は、ステアリングホイール10の操舵時の回動をステアリングシャフト2に伝達可能に構成されているため、通常の操舵時には支障がない。
なお、第1実施形態では、アクチュエータ55をステアリングシャフト2の周囲に放射状に複数(4つ)配設させているが、アクチュエータ55は、ステアリングシャフト2の周囲に、一つ配設させる構成でもよい。すなわち、アクチュエータ55を一つだけ配設させる構成とする場合には、コラムベース5の前面側若しくは後面側に、本体56を固定させ、ステアリングシャフト2の軸方向に沿った上方側のボス部17の部位に、作動片57を連結させればよい。換言すれば、コラムベース5の前面側のアクチュエータ55F、あるいは、後面側のアクチュエータ55Bだけを使用すればよい。コラムベース5の前面側に本体56を配置させるアクチュエータ55Fの場合には、作動片57を押し出して、ステアリングシャフト2の前方側のボス部17の部位を押し上げれば、リング面14を車両の左右方向に沿う鉛直面VPに接近させることができる。また、コラムベース5の後面側に本体56を配置させるアクチュエータ55Bの場合には、作動片57を引き込んで、ステアリングシャフト2の後方側のボス部17の部位を引き下げれば、リング面14を車両の左右方向に沿う鉛直面に接近させるように回転させることができる。なお、リング面14の左右両縁付近が前後方向に振れ易い場合には、アクチュエータ55F,55Bの作動片57における球状の連結部60を、リング面14の回転移動に支障が生じない範囲で、左右方向に長く延びるような円柱状にして、その連結部60が天井面63aや内周縁63bを左右方向で長く当接支持したり係止できるようにして、リング面14の左右両縁付近における前後方向への振れを規制できるように構成してもよい。
また、第1実施形態では、アクチュエータ55の本体56をステアリングシャフト2の周囲のコラムベース5に放射状に4つ配設したが、放射状に、前後2つ、あるいは、3つ、さらに、5つ以上、配設してもよい。さらに、本体56をボス部17側に固定させ、コラムベース5側に、本体56から延びる作動片57の連結部60に対応する円環状の環状溝63を設けてもよい。この場合には、ステアリングシャフト2に操舵角を検知可能する舵角センサを設けて、操舵角に応じて、ステアリングシャフト2の前方側に配置されたアクチュエータ55の作動片57を押し出し操作し、ステアリングシャフト2の後方側に配置されたアクチュエータ55の作動片57を引き込み操作すればよい。
また、第1実施形態では、回転駆動機構45のアクチュエータ55が、作動後にリング面14を作動前の初期位置に復帰させるように、構成されている。このような構成では、制御装置70が、衝突予知センサ72の信号に基いて、車両の衝突を予測した際に、各アクチュエータ55を作動させて、リング面14を、予め、鉛直面VPに沿うように配置させておくことができ、そして、その後に、所定時間経過しても、衝突検知センサ71からの実際の車両の衝突信号がなければ、制御装置70が、各アクチュエータ55を復帰させるように作動させて、リング面14を初期位置に復帰させることができて、通常の操舵が可能となる(図9のA,B参照)。ちなみに、車両の衝突を予測した際に作動させる構成とする場合には、回転駆動機構45のアクチュエータ55が迅速に作動できない構成であっても、実際の衝突時までの時間差分により、リング面14を鉛直面VPに接近させるように、配置させることが可能となる。
さらに、第1実施形態の場合、ステアリングホイール10には、膨張完了時にリング部11の内側から外側に拡開してリング部11上でリング部11の外径寸法より大きく膨らむように配設されるエアバッグ31を有したエアバッグ装置30が配設されている。そのため、第1実施形態では、制御装置70が、衝突検知センサ71からの信号に基いて、車両の衝突を検知すれば、インフレーター38を作動させて、エアバッグ31が、インフレーター38からの膨張用ガスによって膨らみ、パッド26の前後の扉部26a,26aを押し開いて、リング部11上で大きく展開膨張することとなる。
この時、既に、回転駆動機構45のアクチュエータ55が作動されて、リング部11は、回転半径を小さくして、回転前のリング部11の後部(下部)12側が、前方移動している。そのため、図7,8に示すように、運転者Dがリング部11に接近していても、その運転者Dの腹部DBとリング部11の下部(回転移動前のリング部の後部)12との間に、膨張するエアバッグ31の配置スペースを容易に確保できて、接近している運転者Dの腹部DBの前方側に、円滑に、膨張したエアバッグ31におけるリング部11の下部12の後方側を覆う部位を、配置させることができる。そして、膨張を完了させたエアバッグ31が、背面側の円環状の支持面33をリング部11の全周に安定支持された状態で、クッション性よく、運転者Dを受け止めることができる。
なお、実施形態では、回転駆動機構45のアクチュエータ55の作動時、リング面14を、鉛直面VPに沿わせるように、回転させた。しかし、各アクチュエータ55の作動片57の押出ストロークや引込ストロークの長さを調整して、回転移動後のリング面14におけるステアリングシャフト2の軸方向に対する交差角度θを調整して、鉛直面VPに沿わせなくともよい(図9のC参照)。例えば、前進移動してくる運転者が、その上半身を前のめりで移動してくる際、その前のめりの上半身と平行に、リング面14の回転角度を、鉛直面VPに沿わせる角度より手前の浅い角度として、その状態のステアリングシャフト2との交差角度θを維持するように、構成してもよい。すなわち、例えば、小柄な運転者は、ステアリングホイール10に接近して着座しており、その小柄な運転者がシートベルトを非装着状態としていれば、車両の前面衝突時、若干、前のめりの状態で前方移動して、ステアリングホイール10と干渉するため、その小柄な運転者における少し前のめりとしている上半身と平行に、リング面14を、鉛直面VPに沿わせる角度より手前の浅い角度として回転させ、その状態のステアリングシャフト2との交差角度θを維持すればよい。逆に、大柄な運転者は、ステアリングホイール10から離れて着座しており、その大柄な運転者がシートベルトを非装着状態としていれば、車両の前面衝突時、大きく前のめりの状態で前方移動して、ステアリングホイール10と干渉するため、その大柄な運転者における大きく前のめりとしている上半身と平行に、リング面14を、ステアリングシャフト2の軸直交方向から、僅かに、鉛直面VPに接近させる角度として回転させ(小柄運転者の場合より、リング面14の回転角度を浅くし、すなわち、各アクチュエータ55の作動片57の押出ストロークや引込ストロークの長さを小さく調整して)、その状態のステアリングシャフト2との交差角度θを維持すればよい。
ちなみに、上記のような構成とする場合には、アクチュエータ55の作動を制御する制御装置70に対して、運転席前方の図示しないインストルメントパネルやルーフヘッドライニング等に搭載させたCCDカメラ等からなる運転者Dの体格を検知可能、あるいは、運転席のシートに設けて運転者の体重を検知可能な運転者検知センサ、インストルメントパネルやルーフヘッドライニング等に搭載してステアリングホイール10からの着座した運転者Dの距離を検知可能な光学式等の距離センサ、及び、運転者Dがシートベルトを装着していることを検知可能なシートベルトのバックル部等に設けたシートベルト確認センサを、制御装置70と電気的に接続させて、運転者の小柄、大柄、シートベルトの装着・非装着を判別すればよい。
そして、上記の構成の場合、リング面14とともに、膨張完了時のエアバッグ31の運転者拘束面36の角度も考慮して、制御装置70は、リング面14の回転角度を調整してもよい。
また、第1実施形態の自在継手48からなる回動伝達機構47の代わりに、図10〜17に示す第2実施形態のステアリング装置M2の回動伝達機構77としてもよい。この第2実施形態の回転駆動機構75は、回動伝達機構77が第1実施形態と相違するだけで、アクチュエータ55等は同一のものが使用されており、第1実施形態と同一の部位、部材には、同一の符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態の回転駆動機構75の回動伝達機構77は、図10,11に示すように、筒状のスリーブ部78と連結片80とを備えて構成されている。スリーブ部78は、ステアリングシャフト2Aの上端2aに、回動不能にナット3止めされている。
連結片80は、スリーブ部78からステアリングシャフト2Aの軸直交方向に延びて、ステアリングシャフト2Aの上端2aの周囲に配置されたボス部17Aの連結孔17aの内周面17bに対して連結されている。連結片80は、図11に示すように、スリーブ部78から放射状に延ばして、板厚方向をステアリングシャフト2Aの軸方向SCに沿わせた複数(実施形態では8つ)の板ばねから構成されている。これらの連結片80では、スリーブ部78側に固着させた内側端部81とボス部17A側に固着させた外側端部82との間の中間部位83を、断面V字状、断面U字状、あるいは、断面波型状に形成して(図10参照)、外側端部82側のステアリングシャフト2Aの軸周り方向の回動を内側端部81側に伝達可能として、リング面14における車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近する方向への回転時における内側端部81と外側端部82との相対的な移動に伴う変形を許容する変形部位として、形成している。
このような連結片80では、板厚方向(ステアリングシャフト2Aの軸方向SCに沿う方向)には、曲げ変形や捩れ変形が可能となって、図10,12、若しくは、図13,14に示すように、制御装置70が、各アクチュエータ55を作動させて、アクチュエータ55Fの作動片57を押し出し操作し、アクチュエータ55B、55L、55Rの作動片57を引き込み操作すれば、リング面14の車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近させる回転を許容する。ちなみに、第2実施形態では、リング面14の回転中心RCは、スリーブ部78付近となる。そして、これらの連結片80は、その板厚方向と直交方向には、変形し難いことから、外側端部82側のステアリングシャフト2Aの軸周り方向の回動を内側端部81側に伝達可能としており、操舵時のリング部11の回動を、スポーク部19とボス部17Aとを経て、さらに、回動伝達機構77の連結片80を経て、ステアリングシャフト2Aに伝達することができる。
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ステアリングホイール10Aにエアバッグ装置30を搭載し、衝突検知センサ71と衝突予知センサ72とを接続させた制御装置70によって、インフレーター38とアクチュエータ55との作動が制御されるように構成され(図10参照)、さらに、アクチュエータ55の作動により、リング面14を回転移動させた後、初期位置に復帰可能としており(図17のA,B参照)、さらに、アクチュエータ55の作動ストロークの調整により、図17のCに示すように、適宜、リング面14を鉛直面Vに沿う手前の角度となる交差角度θで、リング面14を回転させることもでき、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
なお、回動伝達機構77のスリーブ部78とボス部17Aとを連結する連結片80は、外側端部82側のステアリングシャフト2Aの軸周り方向の回動を内側端部81側に伝達可能としており、操舵時のリング部11の回動を、スポーク部19とボス部17Aとを経て、さらに、回動伝達機構77の連結片80を経て、ステアリングシャフト2Aに伝達することができ、かつ、リング面14における車両の左右方向に沿った鉛直面VPに接近する方向への回転時における内側端部81と外側端部82との相対的な移動に伴う変形を許容していれば、弾性変形することなく、塑性変形する金属材から形成してもよい。
ただし、ばね材から形成すれば、リング面14を回転移動させた後、容易に、初期位置に復帰させることができる。そして、ばね材から形成する場合、連結片80は、スリーブ部78の全周から鍔状に延びるような皿ばね形状として、一枚から形成してもよい。
また、第1,2実施形態のステアリング装置M1,M2では、エアバッグ装置30を設けた場合を示したが、エアバッグ装置を設けないように、構成してもよい。この場合には、アクチュエータ55の作動時、リング面14を強制的に鉛直面VPに接近させるように回転させることができて、その状態を維持できるため、エアバッグが無い状態で、運転者がリング部11に当接しても、リング面14が、運転者の上半身の前面に沿うように鉛直方向に沿っており、リング部11の後部(下部)12を部分的に運転者に当てることなく、広い面のリング面14としているリング部11により運転者を的確に受け止めることができる。
さらに、第1,2実施形態において、エアバッグ31の膨張完了時の形状が変わる場合等において、膨張完了時のエアバッグ31の運転者拘束面36の角度によっては、アクチュエータ55の作動ストロークの調整により、リング面14を、鉛直面VPを超えたオーバーハング状態とするまで、回転させてもよい。
本発明に係る第1実施形態のステアリング装置を示す部分省略平面図である。 第1実施形態のステアリング装置の車両搭載状態の概略縦断面図である。 第1実施形態のステアリングホイールの概略底面図である。 図2に示す状態からリング面を鉛直面に沿うように回転させた状態を示す概略縦断面図である。 第1実施形態のステアリングホイールを、図2に示す状態から90度回動操舵した状態を示す概略縦断面図である。 図5に示す状態からリング面を鉛直面に沿うように回転させた状態を示す概略縦断面図である。 図4に示す状態で、エアバッグ装置が作動した状態を示す概略縦断面図である。 図6に示す状態で、エアバッグ装置が作動した状態を示す概略縦断面図である。 第1実施形態のステアリングホイールが、リング面を回転移動させた後に復帰させる状態を順に示す概略縦断面図である。 第2実施形態のステアリング装置の車両搭載状態の概略縦断面図である。 第2実施形態のステアリングホイールの概略底面図である。 図10に示す状態からリング面を鉛直面に沿うように回転させた状態を示す概略縦断面図である。 第2実施形態のステアリングホイールを、図10に示す状態から90度回動操舵した状態を示す概略縦断面図である。 図13に示す状態からリング面を鉛直面に沿うように回転させた状態を示す概略縦断面図である。 図12に示す状態で、エアバッグ装置が作動した状態を示す概略縦断面図である。 図14に示す状態で、エアバッグ装置が作動した状態を示す概略縦断面図である。 第2実施形態のステアリングホイールが、リング面を回転移動させた後に復帰させる状態を順に示す概略縦断面図である。
符号の説明
1…ステアリングコラム、
2,2A…ステアリングシャフト、
2a…(ステアリングシャフトの)上端、
5…コラムベース、
10,10A…ステアリングホイール、
11…リング部、
14…リング面、
17,17A…ボス部、
19…スポーク部、
30…エアバッグ装置、
31…エアバッグ、
45,75…回転駆動機構、
47,77…回動伝達機構、
48…自在継手、
49…シャフト側継手部、
51…ホイール側継手部、
55(55F、55B,55L,55R)…アクチュエータ、
56…本体、
57…作動片、
78…スリーブ部、
80…連結片、
81…内側端部、
82…外側端部、
83…中間部位、
RC…(リング面の)回転中心、
VP…鉛直面、
SC…(ステアリングシャフトの)軸方向、
θ…交差角度、
M1,M2…ステアリング装置。

Claims (8)

  1. 車両の前後方向に沿い、かつ、前部側を下方に位置させ、後部側を上方に配置させるように軸方向を後上がりに傾斜させて配設され、操舵時に軸周り方向に回動するステアリングシャフト、及び、該ステアリングシャフトの周囲に配置されて、操舵時に回動しない非回動のコラムベース、を有するステアリングコラムと、
    前記ステアリングシャフトの上端に連結されるステアリングホイールと、
    を備えて構成され、
    前記ステアリングホイールが、前記ステアリングシャフトを略中心位置に配置させ、かつ、前記ステアリングシャフトの軸直交方向の平面に沿って配置され、操舵時に把持する略円環状のリング部と、該リング部の略中央に配置されて、前記ステアリングシャフトの上端と連結されるボス部と、前記リング部と前記ボス部とを連結するスポーク部と、を備えて構成されるステアリング装置であって、
    前記ボス部における前記ステアリングシャフトとの連結部位付近を回転中心として、前記リング部の上面側における前記ステアリングシャフトの軸直交方向のリング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させるとともに、回転後の前記リング面の前記ステアリングシャフトに対する交差角度を維持可能とする回転駆動機構が、配設され、
    該回転駆動機構が、操舵時の前記ステアリングホイールの回動を許容して、前記ステアリングホイールと前記コラムベースとを連結するように、配設されていることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記回転駆動機構が、
    前記ボス部と前記ステアリングシャフトの上端との連結部位付近に配置され、前記ステアリングホイールの操舵時の回動を前記ステアリングシャフトに伝達可能で、かつ、前記リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向への回転を許容する回動伝達機構と、
    前記ステアリングシャフトの周囲に配置されて、作動時に、前記リング面を車両の左右方向に沿った鉛直面に接近させる方向に回転させ、回転後の前記リング面の前記ステアリングシャフトに対する交差角度を維持可能なアクチュエータと、
    を備えて構成され、
    前記アクチュエータが、前記コラムベース若しくは前記ボス部の一方に取り付けられる本体と、進退可能に前記本体から突出して、前記ボス部若しくは前記コラムベースに連結される作動片と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記アクチュエータが、前記ステアリングシャフトの周囲に、放射状に複数配設されていることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記回動伝達機構が、前記ステアリングシャフトの上端側に配設されるシャフト側継手部と、前記ボス部側に配設させて前記シャフト側継手部と連結されるホイール側継手部と、を備えてなる自在継手から構成されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記回動伝達機構が、前記ステアリングシャフトの上端を挿入させて前記ステアリングシャフトに固定される筒状のスリーブ部と、前記スリーブ部から前記ステアリングシャフトの軸直交方向に延びて、前記ステアリングシャフトの上端の周囲に配置された前記ボス部に対して連結される連結片と、を備えて構成され、
    前記連結片が、前記スリーブ部側の内側端部と前記ボス部側の外側端部との間の部位を、前記外側端部側の前記ステアリングシャフトの軸周り方向の回動を前記内側端部側に伝達可能として、前記リング面における車両の左右方向に沿った鉛直面に接近する方向への回転時における前記内側端部と前記外側端部との相対的な移動に伴う変形を許容する変形部位として、形成されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のステアリング装置。
  6. 前記連結片が、前記スリーブ部から放射状に延びて、板厚方向を前記ステアリングシャフトの軸方向に沿わせた複数の板ばねから構成されていることを特徴とする請求項5に記載のステアリング装置。
  7. 前記回転駆動機構が、作動後に前記リング面を作動前の初期位置に復帰させるように、構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  8. 前記ステアリングホイールに、膨張完了時に前記リング部の内側から外側に拡開して前記リング部上で前記リング部の外径寸法より大きく膨らむように配設されるエアバッグを有したエアバッグ装置が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のステアリング装置。
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CN108945081A (zh) * 2018-07-09 2018-12-07 北京车和家信息技术有限公司 方向盘调节方法、装置、车辆及计算机可读存储介质

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