JP2008296654A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操作部の良好な操作性、操作部近傍のエアバッグによる良好な乗員拘束および噴射供給ガスの車室外への良好な排出性を確保した車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ステアリングコラム10は、中空状のアウターチューブ11とインナーチューブ12とで構成される。チューブ11は、車体に対して回転不能であり、衝突時に車体に対して回転および変位不能に組み付けたチューブ12方向に摺動可能とされている。チューブ11には、その外周面に電動モータ23に接続された操舵ハンドル21が回動操作可能に設けられ、その上端部にエアバック装置30が貫通孔31aおよび凹部32dを介して中空部分と連通可能に組み付けられる。また、チューブ12には車室外に連通してエアバッグ33からのガスを車室外に排出する貫通孔12cが形成されており、チューブ11の変位に伴って開口面積が変更される。
【選択図】 図4
【解決手段】 ステアリングコラム10は、中空状のアウターチューブ11とインナーチューブ12とで構成される。チューブ11は、車体に対して回転不能であり、衝突時に車体に対して回転および変位不能に組み付けたチューブ12方向に摺動可能とされている。チューブ11には、その外周面に電動モータ23に接続された操舵ハンドル21が回動操作可能に設けられ、その上端部にエアバック装置30が貫通孔31aおよび凹部32dを介して中空部分と連通可能に組み付けられる。また、チューブ12には車室外に連通してエアバッグ33からのガスを車室外に排出する貫通孔12cが形成されており、チューブ11の変位に伴って開口面積が変更される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、車両衝突時における衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置を備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示された自動車用エアバック装置は知られている。この従来の自動車用エアバッグ装置は、ステアリングシャフトに伝動構成して車体側の固定軸回りに回転自在なステアリングホイールを設け、この固定軸に支持されるエアバッグモジュールをステアリングホイールの内側に配置するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献2に示されたエアバッグ袋体のベントホール構造も知られている。この従来のエアバッグ袋体のベントホール構造は、エアバッグ袋体のステアリングホイール側の略中央部に穿設された貫通孔と、エアバッグ袋体の一部を構成するとともに外周部が貫通孔回りのエアバッグ袋体内側面に重複して連結される連結部を形成し内周部がステアリングホイールに固定されたエアバッグ袋体固定手段と、連結部の一部にステアリング軸心に向けて設けられてエアバッグ袋体展開時にガスを貫通孔を介してステアリング軸心方向へ排気するための排気路を有するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献3に示されたエアバッグ装置も知られている。この従来のエアバッグ装置は、乗員脚部の前方に配設されるニーボルスタを中空体としておき、このニーボルスタの内部とエアバッグとを連通させ、高圧ガスを車室外に排出するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献4に示された乗員保護用エアバック装置も知られている。この従来の乗員保護用エアバック装置は、エアバッグのリテーナに設けられている排気口に接続されて、膨張展開したエアバッグの内部のガスを車室外に排出する排気管を備えている。
さらに、従来から、例えば、下記特許文献5に示されたエアバッグ装置を備えたステアリング装置も知られている。このステアリング装置は、ステアリングホイールが取り付けられているステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの上端開口が挿通されているエアバッグおよびガスを発生するインフレータとを有するエアバッグ装置を備えており、筒型のインフレータを、車体に支持するアッパーチューブに対してステアリングシャフトを相対回転可能に支持する2個のベアリングとステアリングシャフトの外周面とで形成される空間内に固定するようになっている。
実開平1−83650号公報
実開平3−126741号公報
実公平6−40043号公報
実公平8−5075号公報
特開平9−99796号公報
ところで、上記特許文献1および特許文献5に示された各装置においては、エアバッグ装置や重量物であるインフレータがステアリングシャフトに固定されているため、ステアリングホイールの慣性重量を小さくすることができ、その結果、運転者によるステアリングホールの良好な操作性を確保することができる。しかし、エアバッグ内に噴射供給された後のガスの排出に関する明確な記載がなされておらず、噴射供給されたガスに運転者が触れる可能性がある。
これに対して、上記特許文献2〜4に示された機構や装置においては、運転者から離れた方向、特に、特許文献3,4に示された各装置では車室外にガスを排気することができる。これにより、運転者が排気されたガスに触れる可能性を大幅に低減することができるとともに、車室内の空気を汚染することも大幅に低減することができる。
しかしながら、上記特許文献2〜4に示された機構や装置によって、エアバッグ内に噴射供給されたガスを車室外に排気する場合には、このガスを車室外に排気するための配管が別途必要となる。また、膨張展開したエアバッグによって運転者を良好に拘束する場合には、車両衝突の程度に応じてエアバッグの膨張展開状態を維持する必要もある。このため、単にガスを車室外に排気するだけでは、エアバッグの膨張展開状態を適切に維持できない可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操作部の良好な操作性を確保するとともに、操作部近傍に設けたエアバッグによる乗員の拘束を確保しつつエアバッグ内に噴射供給されたガスを良好に車室外に排出する車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって操作される操作部と、同操作部の近傍に配置され、車両の衝突に伴ってガスを発生するガス発生手段と、同ガス発生手段が発生するガスによって膨張展開するエアバッグとを有して運転者を車両衝突による衝撃から保護するエアバッグ装置とを備えた車両の操舵装置において、車体に固定されていて、一端側が車室内に配置されるとともに他端側が車室外に配置され、内部に中空部分を形成した固定軸を備え、同固定軸の一端側の外周に対して変位操作可能に前記操作部を設けるとともに、前記固定軸の一端側の端部に前記エアバッグ装置を設け、前記固定軸と前記エアバッグ装置との間にて、車両衝突に伴って前記エアバッグ装置のエアバッグを膨張展開させるために噴射供給したガスを前記固定軸の中空部分に導通するための第1連通路を形成するとともに、前記固定軸の他端側にて、車室外と前記中空部分とを連通するための第2連通路を形成したことにある。
この場合、前記固定軸を、車体に一体的に固定されて車室外に配置される中空状のインナーチューブと、同インナーチューブに対して摺動可能に嵌合連結されて車両衝突時に前記操作部および前記エアバッグ装置とともに前記インナーチューブの軸方向に変位する中空状のアウターチューブとで構成し、前記アウターチューブに前記第1連通路を形成するとともに、前記インナーチューブに前記第2連通路を形成するとよい。
また、前記操作部は、車両の転舵輪を転舵するための転舵装置との機械的な連結が解除されているとよい。そして、この場合、前記操作部と前記転舵装置とを機械的に連結する連結装置を備えるとよい。さらに、前記操作部は、運転者による操作に対して所定の反力を付与する反力付与装置を備えるとよい。
これらによれば、操作部とエアバッグ装置とを固定軸に対してそれぞれ別個に組み付けることができる。この場合、固定軸がインナーチューブとアウターチューブとで構成されていれば、アウターチューブに対して操作部とエアバッグ装置とをそれぞれ別個に組み付けることができる。これにより、エアバッグ装置を固定軸(アウターチューブ)に直接的に組み付けることができるため、操作部に対してエアバッグ装置を一体的に組み付けた場合に比して、操作部を軽量とすることができて、運転者は、良好な操作性によって操作部を操作することができる。
また、固定軸に直接的に組み付けたエアバッグ装置を膨張展開させるために噴射供給されたガスを、固定軸の内部に形成した中空部分に導通するための第1連通路を形成するとともに、中空部分を導通したガスを車室外に排出するための第2連通路を形成することができる。この場合、特に、固定軸がインナーチューブとアウターチューブとで構成されていれば、アウターチューブ側に第1連通路を形成し、インナーチューブ側に第2連通路を形成することができる。これにより、別途、ガスを排出するための管を設けなくても、固定軸の内部に形成した中空部分を介してエアバッグ内に噴射供給されたガスを車室外に確実に排出することができ、運転者がガスに触れることを確実に防止できるとともに、車室内の空気を汚すことを確実に防止できる。また、ガスを車室外に排出できることにより、ガスの排出に伴う排出音を大幅に低減することもできる。
また、本発明の他の特徴は、前記第2連通路の開口度合いを変更する開度変更手段を設けたことにもある。また、前記アウターチューブの前記インナーチューブに対する相対的な摺動によって前記第2連通路の開口度合いを変更することにもある。そして、この場合には、例えば、前記第2連通路を、前記インナーチューブに対する前記アウターチューブの摺動範囲内に形成することができる。
これらによれば、第2連通路の開口度合いを変更することによって、エアバッグ内に噴射供給されて第1連通路を介して固定軸(インナーチューブおよびアウターチューブ)の中空部分を導通したガスを第2連通路から車室外に排出する際に排出されるガスの流量を適切に確保することができる。したがって、第1連通路を介して連通したエアバッグ内の圧力を適切に維持することができてエアバッグによる運転者の拘束を適切に行うことができる。
そして、特に、固定軸がインナーチューブとアウターチューブとで構成されている場合には、車両衝突に伴う運転者の二次衝撃エネルギーによってアウターチューブがインナーチューブに対して摺動することができ、この摺動に伴って、インナーチューブに形成した第2連通路の開口度合いを変化させることができる。これにより、運転者の二次衝撃エネルギーの大きさ、言い換えれば、車両衝突の程度に応じてエアバッグ内の圧力を適切に維持することができ、その結果、運転者を良好に拘束することができる。また、この場合には、アウターチューブの摺動を利用して第2連通路の開口度合いを変化させることができるため、第2連通路の開口度合いを変化させるために別途部材を設ける必要がなく、操舵装置の構成を簡略化することができるとともに、同装置の製造に伴うコストを低減することもできる。
また、本発明の他の特徴は、前記固定軸に対して、同固定軸の中空部分と車室外とを連通する第3連通路を設け、同第3連通路上に、前記固定軸の中空部分と車室外との間の気体の流通状態を制御する気体流通状態制御手段を設けたことにもある。この場合、前記気体流通状態制御手段は、例えば、気体の流量を制御するオリフィス、あるいは、気体の流通方向を制御する一方向制御弁であるであるとよい。
これらによれば、固定軸に対して第3連通路を設けておき、この第3連通路上に形成された気体流通状態制御手段が固定軸の中空部分と車室外との間の気体の流通状態を制御するによって、固定軸の中空部分内の圧力を適切に維持することができる。したがって、第1連通路を介して連通したエアバッグ内の圧力を適切に維持することができてエアバッグによる運転者の拘束を適切に行うことができる。この場合、固定軸がインナーチューブおよびアウターチューブで構成される場合には、例えば、インナーチューブ側に第3連通路を設けることにより、中空部分と車室外との間の気体の流通状態を制御して圧力を適切に維持することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張展開時に噴射供給されたガスの前記第1連通路からの流出を制御するコントロールチューブを前記固定軸の中空部分内に設けたことにもある。
この場合、前記コントロールチューブは、前記第1連通路を介して前記固定軸の中空部分に流入したガスが導通する導通路を有しており、例えば、この導通路内にて前記導通するガスの流量を制御するための絞り部、あるいは、堰部を備えるとよい。また、この場合、前記コントロールチューブは、前記固定軸の中空部分を形成する内壁面に対して摩擦嵌合によって固定されるとよい。
これらによれば、エアバッグ内に噴射供給されたガスが第1連通路を介して固定軸(インナーチューブおよびアウターチューブ)の中空部分に流出するときにおける、例えば、ガス流量を適切に制御することができる。これにより、第1連通路を介して流出するガスを適切に抑制することができ、特に、車両衝突時において、エアバッグを噴射供給されるガスによって速やかに膨張展開させることができる。したがって、運転者を膨張展開したエアバッグによって適切に拘束することができる。
さらに、本発明の他の特徴は、前記インナーチューブと前記アウターチューブとによって形成される中空部分内に収容されて、前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張展開時に噴射供給されたガスの前記第1連通路からの流出を制御するコントロールチューブが設けられており、前記コントロールチューブには前記アウターチューブの中空部分を形成する内壁面に対して摩擦嵌合して前記コントロールチューブを前記アウターチューブの内壁面に固定する大径段部が形成されていて、同大径段部と前記インナーチューブの前記アウターチューブ側端部との間に弾性部材を組み付けたことにもある。
これによれば、特に、固定軸がインナーチューブとアウターチューブとで構成されている場合には、コントロールチューブに大径段部を形成しておき、この大径段部によってアウターチューブに摩擦嵌合し、さらに、この大径段部とインナーチューブのアウターチューブ側端部との間に弾性部材(例えば、バネなど)を組み付けることにより、車両衝突時におけるアウターチューブの適切な摺動を確保することができる。これにより、例えば、アウターチューブが摺動してインナーチューブに形成された第2連通路の開口度合いを変更する場合には、開口度合いを緩やかに変更することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。この車両の操舵装置は、運転者による操舵操作に応じて、機械的な連結の解除された転舵装置が転舵輪(共に図示省略)を転舵するステアバイワイヤ方式を採用している。
操舵装置は、車体に対して回転不能に固定される固定軸としてのステアリングコラム10を備えている。このステアリングコラム10は、図1に示すように、アウターチューブ11とインナーチューブ12とから構成されていて、インナーチューブ12側が図示省略のコンパートメントパネルを介して車室外側と連通している。アウターチューブ11は、中空形状とされており、下端部にてインナーチューブ12の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されている。そして、アウターチューブ11は、図示を省略するブレークアウェイブラケットを介して車体側(例えば、ステアリングサポートブラケットなど)に回転不能に組み付けられている。インナーチューブ12は、中空形状とされており、下端部に固着されたブラケット12aによって車体に傾動可能に組み付けられている。
このように、アウターチューブ11とインナーチューブ12とから構成されたステアリングコラム10においては、車両衝突時の乗員(運転者)の二次衝撃エネルギーを低減するために、アウターチューブ11がブレークアウェイブラケットとともに車両前方へ移動する。なお、周知事項であるため詳細な説明は省略するが、ブレークアウェイブラケットには衝撃エネルギーを吸収する吸収部材が組み付けられており、アウターチューブ11がブレークアウェイブラケットとともに移動することにより、乗員(運転者)に対する衝撃を効果的に低減するようになっている。
また、アウターチューブ11の車室内側すなわち上端側外周には、図1に示すように、操作部20が組み付けられている。操作部20は、運転者によって回動操作される操舵ハンドル21を備えている。操舵ハンドル21は、運転者によって把持される左右分離されたハンドルグリップ21a,21bと、ハンドルグリップ21a,21bをそれぞれ回動可能に支持するシャフト21c,21dとから構成されている。そして、シャフト21c,21dの基端部分は、ベアリングを介してアウターチューブ11に対して相対回転可能に組み付けられたスリーブ22に接続されている。
また、操作部20は、運転者による操舵ハンドル21すなわちハンドルグリップ21a,21bの回動操作に対して所定の反力を付与する電動モータ23を備えている。電動モータ23は、車両衝突時におけるアウターチューブ11の前方移動に伴って一体的に移動するように、アウターチューブ11の外周面に対して固定されている。そして、電動モータ23は、スリーブ22に形成されたギア22aに歯合するギア23aを介して、スリーブ22すなわち操舵ハンドル21の回動動作に対して反力を付与する。
さらに、操作部20は、例えば、転舵輪を転舵させる転舵装置(アクチュエータ)の作動に異常が発生したときに、運転者による操舵ハンドル21の回動操作によって転舵輪を直接的に(機械的に)転舵させるための連結装置としてのバックアップ機構24を備えている。バックアップ機構24は、スリーブ22に形成されたギア22aと歯合するギア24aと、このギア24aの回転を伝達する伝達軸24bと、転舵装置の転舵機構(例えば、ラックバーなど)に対して伝達軸24bの回転を伝達するフレキシブルケーブル24cとから構成されている。
ここで、伝達軸24bは、車両衝突時におけるアウターチューブ11の前方移動に伴って一体的に移動するように、アウターチューブ11の外周面に対して固着されたベアリングによって回転可能に支持されている。また、フレキシブルケーブル24cは、転舵装置との間に設けられた図示省略の電磁クラッチを介して接続されるようになっている。そして、転舵装置の作動が正常であれば電磁クラッチが非連結状態とされて、フレキシブルケーブル24c(伝達軸24b)の回転の伝達が遮断される。一方、転舵装置の作動に異常が発生すると電磁クラッチが連結状態とされて、フレキシブルケーブル24c(伝達軸24b)の回転が転舵装置の転舵機構に伝達される。
また、アウターチューブ11の上端部にはエアバッグ装置30が組み付けられている。エアバッグ装置30は、図2に示すように、アウターチューブ11の上端部に一体的に固着されたベースプレート31を介して組み付けられていて、インフレータ32とエアバッグ33とカバー34を備えている。ここで、ベースプレート31には、アウターチューブ11の中空部分と連通する貫通孔31aが形成されている。
インフレータ32は、略円筒形状に形成されていて、その外周にてベースプレート31に固着されている。また、インフレータ32の側壁には、ガス噴出孔31aが所定の間隔で複数形成されている。また、インフレータ32には、その軸心部に起動装置32bが内蔵され、この起動装置32bの周囲にはガス発生物質32cが封入されている。このインフレータ32においては、車両衝突時に起動装置32bが起動することにより、ガス発生物質32cが燃焼してガスを発生し、エアバッグ33を完全に膨張展開させるまでガスを噴出する。
さらに、インフレータ32の側壁面には、凹部32dが周方向にて所定の間隔を有して成形されている。そして、凹部32dは、ベースプレート31の貫通孔31aと連通して、エアバッグ33内に噴出されたガスをアウターチューブ11の中空部分に排出するようになっている。なお、ベースプレート31に形成された貫通孔31aとインフレータ32に形成された凹部32dとは、本発明の第1連通路を構成するものである。
エアバッグ33は、インフレータ32の上部(ガス噴出部)を覆うように設けられていて、円形の開口を有しており、この開口にてリングプレートと複数のボルトおよびナットなどからなる固定具を用いてベースプレート31の運転者側の面に気密的に組み付けられている。そして、エアバッグ33は、インフレータ32のガス噴出孔32aから噴出されるガスを内部に導入することにより、図2に示したように折り畳まれた状態から図4に示したように膨張展開するように構成されている。
カバー34は、ベースプレート31の周縁部に固定されていて、図2に示したようにインフレータ32と折り畳まれた状態のエアバッグ33を内部に収容している。また、カバー34には、エアバッグ33の膨張展開時に破断変形する薄肉の複数の破断部が設けられている。
また、ベースプレート31には、図3に概略的に示すように、運転者に対して各種情報を表示する機器類A(例えば、スピードメータなど)や、運転者によって操作される各種スイッチ類B(例えば、ライトスイッチなど)が組み付けられている。そして、これら機器類Aおよびスイッチ類Bや、インフレータ32の起動装置32bに接続される各種ケーブルは、例えば、図1にて一点鎖線で示すように、アウターチューブ11およびインナーチューブ12の中空部分を通って、図示省略の制御装置に接続されるようになっている。
一方、インナーチューブ12の下端部には、図1に示すように、エアバッグ装置30の作動に伴ってインフレータ32からエアバッグ33内にガスが噴射供給されたときに、ステアリングコラム10内の圧力を保つようにガスの流通状態を制御する気体流通状態制御手段としてのオリフィス12bが形成されている。オリフィス12bは、インナーチューブ12の下端側の開口端部に組み付けられた、例えば、弾性部材(ゴムやエラストマーなど)から形成されており、車室外とステアリングコラム10内すなわちアウターチューブ11とインナーチューブ12の中空部分で形成される空間(以下、この空間をコラム空間という)およびエアバッグ33内とを連通するようになっている。なお、本実施形態において、インナーチューブ12の下端側の開口端部は、本発明の第3連通路を構成する。このように、オリフィス12bが車室外とコラム空間内およびエアバッグ33内とを連通することにより、例えば、エアバッグ33の膨張展開時における過大膨張に対して車室外からコラム空間内に空気を導入でき、また、展開したエアバッグ33による運転者の拘束時における圧力を良好に維持できる。
さらに、インナーチューブ12には、アウターチューブ11の摺動可能範囲内にて、第2流路としての貫通孔12cが形成されている。貫通孔12cは、二次衝突時におけるアウターチューブ11のインナーチューブ12に対する移動方向に向けて開口部分が広くなる略くさび形状に形成されている。
また、コラム空間内には、エアバッグ装置30のエアバッグ33の速やかな膨張展開を確保するためのコントロールチューブ13が収容されている。コントロールチューブ13は、アウターチューブ11の内径寸法に比して僅かに大きな外径寸法を有する大径部13aが形成されており、大径部13aがアウターチューブ11の内周面に対して摩擦嵌合されて組み付けられている。また、コントロールチューブ13における大径部13aの内周面側には、エアバッグ装置30のエアバッグ33内から凹部32dおよび貫通孔31a(すなわち第1連通路)を介して、コラム空間内に流入したガスの導通方向に向けてすり鉢状(テーパー形状)とされた絞り部13bが形成されている。
ところで、上記のように構成した操舵装置においては、操作部20が固定軸としてのステアリングコラム10、より詳しくは、アウターチューブ11の外周面に対して回転(変位)操作可能に組み付けられる。また、エアバッグ装置30がアウターチューブ11の上端部に直接組み付けられる。したがって、操作部20とエアバッグ装置30とを互いに分離して車体に組み付けることができるため、操作部20とエアバッグ装置30とを一体的に組み付けた場合に比して、操作部20における操舵ハンドル21の重量を軽くすることができて、運転者は、容易に操舵ハンドル21を回動操作することができる。
また、上記のように構成した操舵装置においては、車両に衝突が発生するとエアバッグ装置30が作動する。すなわち、エアバッグ装置30においては、車両衝突の発生直後にインフレータ32内に設けられた起動装置32bが起動することにより、インフレータ32内に封入されたガス発生物質32cを燃焼させ、ガス噴出孔32aからガスがエアバッグ33内に噴射されることによって、図4に示すように、エアバッグ33が完全に膨張展開する。このエアバッグ33の膨張展開行程においては、インフレータ32からエアバッグ33内に噴射供給されたガスは、凹部32dおよび貫通孔31aからなる第1連通路を介してアウターチューブ11方向にも流通する。このとき、アウターチューブ11内に摩擦嵌合されたコントロールチューブ13が第1連通路から流入するガスに対する流通抵抗となるため、エアバッグ33は速やかに膨張して完全に展開する。
そして、膨張展開したエアバッグ33による運転者の拘束に伴い、アウターチューブ11を支持するブレークアウェイブラケットが車両前方に所定荷重以上で移動離脱すると、アウターチューブ11は、インナーチューブ12に対して相対的に摺動する。ここで、この状態においては、エアバッグ33は未だ展開状態を維持しているものの、エアバッグ33内のガスは、運転者の拘束に伴って第1連通路を介してアウターチューブ11方向に流出する。
このとき、アウターチューブ11がインナーチューブ12に対して相対的に摺動することによって、インナーチューブ12に形成した第2連通路としての貫通孔12cの開口面積すなわち開口度合い(開度)が変化する、より具体的には、貫通孔12cの開口面積(開度)を減少させることができる。すなわち、図5に示すように、アウターチューブ11がインナーチューブ12に対して相対的に変位して二次衝撃エネルギーを吸収する動作(以下、この動作をEA動作という)においては、EA動作に進行に伴ってアウターチューブ11が貫通孔12cを覆うことにより、貫通孔12cの開口面積は順次小さくなる。
具体的には、アウターチューブ11のEA動作が小さい、言い換えれば、運転者の二次衝撃エネルギーが小さい状態においては、図5(a)に示すように、アウターチューブ11がくさび状の貫通孔12cを覆わない。したがって、EA動作が小さい場合においては、貫通孔12cの開口面積(開度)が大きい状態で維持される。これにより、二次衝撃エネルギーが小さい場合には、発生ガスが速やかに貫通孔12cから排出されるため、エアバッグ33による運転者の拘束時間を短くして良好に保護することができる。
また、アウターチューブ11のEA動作が比較的大きい、言い換えれば、運転者の二次衝撃エネルギーが比較的大きい状態においては、図5(b)に示すように、アウターチューブ11がくさび状の貫通孔12cの一部を覆う。したがって、EA動作が比較的大きい場合においては、貫通孔12cの開口面積(開度)が比較的小さくなる。これにより、二次衝撃エネルギーが比較的大きい場合には、オリフィス12bおよび貫通孔12cから車室外に排出されるガス流量を比較的小さくしてコラム空間内の圧力低下を緩やかにし、言い換えれば、エアバッグ33内のガス圧力を比較的長く保圧し、エアバッグ33による運転者の拘束時間を比較的長くして良好に保護することができる。
さらに、アウターチューブ11のEA動作が大きい、言い換えれば、運転者の二次衝撃エネルギーが大きい状態においては、図5(c)に示すように、アウターチューブ11がくさび状の貫通孔12cの大部分を覆う。したがって、EA動作が大きい場合においては、貫通孔12cの開口面積(開度)が小さくなる。これにより、二次衝撃エネルギーが大きい場合には、オリフィス12bおよび貫通孔12cから車室外に排出されるガス流量をより小さくしてコラム空間内の圧力低下を極めて緩やかにし、言い換えれば、エアバッグ33内のガス圧力をより長く保圧し、エアバッグ33による運転者の拘束時間をより長くしてを良好に保護することができる。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態においては、ステアリングコラム10を中空形状のアウターチューブ11とインナーチューブ12とで形成し、エアバッグ装置30を膨張展開させるために発生させたガスをアウターチューブ11およびインナーチューブ12を介して車室外に排出することができる。これにより、発生に伴って高温となるガスが車室内に導入されることがなく、また、発生したガスによって車室内の空気が汚れることを確実に防止することができる。また、発生したガスがインナーチューブ12側から車室外に排出されるため、この排出に伴う音を低減することもできる。
また、アウターチューブ11およびインナーチューブ12を用いてエアバッグ33内に噴射供給されたガスを車室外に排出することができるため、別途、ガスを車室外に排出するための管を設ける必要がない。これにより、製造コストを低減できるとともに、車両の軽量化を達成することもできる。さらに、別途管を設ける必要がないため、同管を設けるためのスペースを確保する必要がなく、操舵装置を小型化することもできる。
また、操舵ハンドル21をステアリングコラム10より詳しくはアウターチューブ11の外周面に対して回転操作可能に設けることによって、ステアリングコラム10を車体に対して回転させることなく固定することができる。そして、回転不能とされたステアリングコラム10より詳しくはアウターチューブ11に対して、エアバッグ装置30を直接組み付けることができる。したがって、操舵ハンドル21とエアバッグ装置30とを分離して組み付けることができるため、操舵ハンドル21の慣性重量を小さくすることができる。これにより、運転者は、良好な操作性によって操舵ハンドル21を回動操作することができる。
さらに、エアバッグ装置30は、操舵ハンドル21の回動操作に伴って回転することがない。このため、エアバッグ33が膨張展開したときの運転者との位置関係、すなわち、膨張展開したエアバッグ33と運転者との接触態様を特定することができるため、例えば、エアバッグ33の展開形状を最適化して運転者の二次衝撃エネルギーを効果的に低減することができる。また、エアバッグ装置30を回転不能に設けられたアウターチューブ11に対して直接組み付けることができる。したがって、エアバッグ装置30の車体に対する相対的な回転を防止するための機構を設ける必要がなく、製造コストを低減することができるとともに、操舵装置自体を簡略化することができる。
また、ステアリングコラム10をアウターチューブ11とインナーチューブ12とから構成し、アウターチューブ11は車両衝突時に運転者の二次衝撃エネルギーを吸収するためにインナーチューブ12に対して摺動(変位)することができる。そして、このアウターチューブ11の摺動(変位)に応じて、インナーチューブ12に形成した第2連通路としての貫通孔12cの開口面積(開度)を変化させることができる。これにより、オリフィス12bとともに、コラム空間内の圧力を適切に維持して、エアバッグ33内に噴射供給されたガスの車室外への流出を運転者の二次衝撃エネルギーに応じて適切に変更することができ、運転者を良好に保護することができる。
上記実施形態においては、コントロールチューブ13が絞り部13bを有しており、エアバッグ33内に噴射供給されて第1連通路すなわち凹部32dおよび貫通孔31aから流入したガスの通過特性、言い換えれば、流通するガスの流量を適切に確保するように実施した。これにより、膨張展開しているエアバッグ33を速やかに完全に展開させることができる。この場合、例えば、図6に示すように、コントロールチューブ13における大径段部13aの内周面にラビリンス形状とした堰部13cを形成することによっても、エアバッグ33内から流出したガスの流量を適切に確保することができる。この場合も、上記実施形態と同様に、エアバッグ装置30のエアバッグ33を速やかに膨張展開させることができる。
また、上記実施形態においては、コントロールチューブ13の大径段部13aをアウターチューブ11の内周面に対して摩擦嵌合させてコントロールチューブ13を組み付けて実施した。この場合、図7に示すように、インナーチューブ12の上端側端部とコントロールチューブ13の大径段部13aとの間にバネ13dを設けて組み付けるように実施してもよい。これにより、第1連通路から流入するガス流量を適切に制御できるとともに、アウターチューブ11の緩やかなEA動作を確保することができる。したがって、コラム空間内の圧力を適切に維持して、エアバッグ33内に噴射供給されたガスの車室外への流出を運転者の二次衝撃エネルギーに応じて緩やかに変更することができ、運転者を良好に保護することができる。
また、上記実施形態においては、エアバッグ装置30のエアバッグ33が膨張展開したときの形状として、例えば、運転者の頭部および胸部を保護する円形状を採用した。しかし、エアバッグ装置30は、上述したように、回転不能に車体に組み付けられたアウターチューブ11に直接的に組み付けられるため、膨張展開した形態を特定することができる。このため、エアバッグ33の膨張展開時の形状として、運転者の頭部および胸部を保護することに加えて、例えば、運転者の脚部までも保護する形状として実施することも可能である。
これにより、従来から車両衝突時における運転者の脚部を保護するために設けられる、例えば、ニーエアバッグ装置などを別途搭載する必要がない。したがって、エアバッグ装置30に機能を集約化することができて、大幅なコスト低減を実現することができる。
また、上記実施形態においては、インナーチューブ12の下端側開口端にオリフィス12bを組み付けて、エアバッグ33の過大膨張時におけるステアリングコラム10内の圧力を適正に維持するとともに、エアバッグ33の膨張展開時におけるガスの流出を減少させる、言い換えれば、コラム空間内の圧力を維持するように実施した。これに対して、例えば、図8に示すように、インナーチューブ12の下側開口端にインフレータ33によるガス発生時(高圧時)にインナーチューブ12から車室外方向へのガスの流出を防止し、エアバッグ31の過大膨張時(負圧時)に車室外からインナーチューブ12内への空気の流入を許容する逆止弁12dを設けてもよい。この逆止弁12dは、例えば、可撓性を有しかつ弾性変形可能な材料(例えば、ゴム材料や樹脂材料、薄板金属など)から板状に形成されるとよい。そして、逆止弁12dの略中央部分には、小径の貫通孔12d1が形成されるとよい。
このように、逆止弁12dを設けた場合であっても、インフレータ32がガスを発生したときには、上記実施形態と同様に、インナーチューブ12の下側開口端から車室外方向へのガスの流出を抑制する、言い換えれば、コラム空間内の圧力を維持ことができて、エアバッグ33を速やかに膨張展開させることができる。また、エアバッグ33が過大膨張するときには、逆止弁12dが車室外からコラム空間内への空気の流入を許可するため、エアバッグ33内の圧力を適切に保つことができる。
また、上記実施形態においては、インナーチューブ12の下端側端部が開口しており、この下端側の開口端部に気体流通状態制御手段としてのオリフィス12bを組み付けて実施した。しかし、インナーチューブ12の下端側端部が閉口している場合には、インナーチューブ12の側壁面に、第3連通路として、コラム空間内およびエアバッグ33内と車室外とを連通する連通路(例えば、貫通孔)を形成しておき、この連通路上に気体流通状態制御手段(例えば、オリフィスや逆止弁など)を組み付けて実施することも可能である。この場合においても、上記実施形態と同様に、例えば、エアバッグ33の膨張展開時における過大膨張に対して車室外からコラム空間内に空気を導入することができ、また、展開したエアバッグ33による運転者の拘束時における圧力を良好に維持することができる。
また、上記実施形態においては、ステアリングコラム10をアウターチューブ11とインナーチューブ12とから構成して実施した。しかし、内部に中空部分を有する固定軸であれば、ステアリングコラム10を、例えば、一体的に形成された固定軸などいかなる固定軸を用いて構成してもよい。この場合、固定軸には、エアバッグ装置30と固定軸の内部に形成された中空部分とを連通するため第1連通路(例えば、貫通孔など)が設けられるとともに、車室外と形成された中空部分とを連通するための第2連通路(例えば、貫通孔など)が設けられるとよい。これにより、上記実施形態と同様に、エアバッグ装置30を膨張展開させるために発生させたガスを第1連通路、固定軸の内部に形成した中空部分および第2連通路を介して車室外に排出することができる。
また、この場合、第2連通路上に、同連通路の開口度合いを変更する開度変更手段(例えば、可変絞り弁など)を設けることにより、エアバッグ装置30の膨張展開に伴って発生させたガスの排出量を適宜変更することができて、運転者を良好に保護することができる。さらに、この場合、固定軸の車室外側に第3連通路を形成し、この第3連通路上に気体流通状態制御手段(例えば、オリフィスや逆止弁など)を組み付けることにより、固定軸の中空部分およびエアバッグ装置30内の圧力を適切に維持することができる。したがって、運転者を良好に保護することができる。
また、上記実施形態においては、操舵ハンドル21の回動操作に対して1つの電動モータ23が所定の反力を付与するように実施した。しかし、例えば、各操舵ハンドル21のシャフト21c,21dに対してそれぞれ小型の電動モータを接続しておき、ハンドルグリップ21a,21bの回動操作に対して所定の反力を付与するように実施することも可能である。この場合であっても、操作部20をアウターチューブ11に対して組み付けることができるため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態においては、第2連通路としての貫通孔12cの形状をくさび形状として実施した。しかし、アウターチューブ11のEA動作によって開口面積(開度)が小さくなるように変更できる形状であれば、略楕円状の貫通孔を形成して実施可能であることはいうまでもない。
さらに、上記実施形態においては、運転者によって把持される左右のハンドルグリップ21a,21bを有する操舵ハンドル21を採用して実施した。この場合、ハンドルグリップ21a,21bが互いに連結された略円形の操舵ハンドルを採用可能であることはいうまでもない。また、運転者によって操作可能であれば、例えば、回転不能に組み付けられたアウターチューブ11に組み付けられるレバータイプやジョイスティックタイプなどいかなる操舵ハンドルを用いてもよい。
10…ステアリングコラム、11…アウターチューブ、12…インナーチューブ、12b…オリフィス、12c…貫通孔、12d…逆止弁、13…コントロールチューブ、13a…大径段部、13b…絞り部、13c…堰部、13d…バネ、20…操作部、21…操舵ハンドル、23…電動モータ、24…バックアップ機構、30…エアバッグ装置、31…ベースプレート、31a…貫通孔、32…インフレータ、32d…凹部、33…エアバッグ
Claims (16)
- 運転者によって操作される操作部と、
同操作部の近傍に配置され、車両の衝突に伴ってガスを発生するガス発生手段と、同ガス発生手段が発生するガスによって膨張展開するエアバッグとを有して運転者を車両衝突による衝撃から保護するエアバッグ装置とを備えた車両の操舵装置において、
車体に固定されていて、一端側が車室内に配置されるとともに他端側が車室外に配置され、内部に中空部分を形成した固定軸を備え、
同固定軸の一端側の外周に対して変位操作可能に前記操作部を設けるとともに、前記固定軸の一端側の端部に前記エアバッグ装置を設け、
前記固定軸と前記エアバッグ装置との間にて、車両衝突に伴って前記エアバッグ装置のエアバッグを膨張展開させるために噴射供給したガスを前記固定軸の中空部分に導通するための第1連通路を形成するとともに、前記固定軸の他端側にて、車室外と前記中空部分とを連通するための第2連通路を形成したことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記固定軸を、車体に一体的に固定されて車室外に配置される中空状のインナーチューブと、同インナーチューブに対して摺動可能に嵌合連結されて車両衝突時に前記操作部および前記エアバッグ装置とともに前記インナーチューブの軸方向に変位する中空状のアウターチューブとで構成し、
前記アウターチューブに前記第1連通路を形成するとともに、前記インナーチューブに前記第2連通路を形成したことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記第2連通路の開口度合いを変更する開度変更手段を設けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項2に記載した車両の操舵装置において、
前記アウターチューブの前記インナーチューブに対する相対的な摺動によって前記第2連通路の開口度合いを変更することを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項4に記載した車両の操舵装置において、
前記第2連通路を、前記インナーチューブに対する前記アウターチューブの摺動範囲内に形成したことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記固定軸に対して、同固定軸の中空部分と車室外とを連通する第3連通路を設け、同第3連通路上に、前記固定軸の中空部分と車室外との間の気体の流通状態を制御する気体流通状態制御手段を設けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項6に記載した車両の操舵装置において、
前記気体流通状態制御手段は、気体の流量を制御するオリフィスであることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項6に記載した車両の操舵装置において、
前記気体流通状態制御手段は、気体の流通方向を制御する一方向制御弁であることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張展開時に噴射供給されたガスの前記第1連通路からの流出を制御するコントロールチューブを前記固定軸の中空部分内に設けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項9に記載した車両の操舵装置において、
前記コントロールチューブは、
前記第1連通路を介して前記固定軸の中空部分に流入したガスが導通する導通路を有しており、この導通路内にて前記導通するガスの流量を制御するための絞り部を備えることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項9に記載した車両の操舵装置において、
前記コントロールチューブは、
前記第1連通路を介して前記固定軸の中空部分に流入したガスが導通する導通路を有しており、この導通路内にて前記導通するガスの流量を制御するための堰部を備えることを特徴とする車両の操舵装置。 - 前記コントロールチューブは、前記固定軸の中空部分を形成する内壁面に対して摩擦嵌合によって固定される請求項9に記載した車両の操舵装置。
- 請求項2に記載した車両の操舵装置において、
前記インナーチューブと前記アウターチューブとによって形成される中空部分内に収容されて、前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張展開時に噴射供給されたガスの前記第1連通路からの流出を制御するコントロールチューブが設けられており、
前記コントロールチューブには前記アウターチューブの中空部分を形成する内壁面に対して摩擦嵌合して前記コントロールチューブを前記アウターチューブの内壁面に固定する大径段部が形成されていて、同大径段部と前記インナーチューブの前記アウターチューブ側端部との間に弾性部材を組み付けたことを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記操作部は、
車両の転舵輪を転舵するための転舵装置との機械的な連結が解除されていることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項14に記載した車両の操舵装置において、
前記操作部と前記転舵装置とを機械的に連結する連結装置を備えていることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
前記操作部は、
運転者による操作に対して所定の反力を付与する反力付与装置を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
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-
2007
- 2007-05-30 JP JP2007142801A patent/JP2008296654A/ja active Pending
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