JP2008230221A - 非接触光書き込み装置 - Google Patents

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Kazunori Murakami
和則 村上
Yoshimitsu Otaka
善光 大高
Toshiyuki Tamura
敏行 田村
Takayuki Hiyoshi
隆之 日吉
Hirohiko Mochida
裕彦 持田
Yuji Yasui
祐治 安井
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Abstract

【課題】レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体に対する感熱記録時のパワー不足を解消し、かつ記録スピードの高速化を実現すること。
【解決手段】シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLとを偏光ビームスプリッタ5によって合成し、この合成レーザビームLを偏向走査機構7によって主走査し、走査レンズ8によって合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を直接接触することなく、非接触で情報の記録、消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して情報の記録を行う非接触光書き込み装置に関する。
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録方式がある。特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等がある。感熱記録紙は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置により加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式には、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接感熱記録紙に接触させる方式がある。この方式は、記録ヘッドを直接感熱記録紙に接触させるために以下のことを引き起こす。例えば、記録ヘッドの磨耗、汚れ等が生じ易い。さらに、感熱記録紙の印字面が擦れて汚れる。付着物によるショートや過剰な電力供給等による記録ヘッドの寿命が縮まる。
一方、感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1、2がある。特許文献1は、可逆性の感熱材料を非接触で顕色、消色する方法に関し、基板上に、赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成る。この感熱記録層は、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融して除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融して除去させる記録方法を開示する。
特許文献2は、ヒートモード記録材料に画像記録を行うレーザビーム記録装置に関し、pn接合面に対して垂直方向に広がった断面楕円形状のレーザビームを射出する第1及び第2の半導体レーザと、これら半導体レーザから射出されたレーザビームを合成する偏向ビームスプリッタと、この偏向ビームスプリッタによって合成されたレーザビームを走査する走査光学系とを備える。この特許文献2は、第1の半導体レーザから射出されたレーザビームと第2の半導体レーザから射出されたレーザビームとを合成し、この合成したレーザビームの中心が何れか一方のレーザビームの断面形状における長軸方向の一端側にずれるように半導体レーザを配置する。そして、特許文献2は、何れか一方のレーザビームの断面形状における長軸方向に沿い、かつ合成したレーザビームの中心が進行方向に沿って後方側に位置する状態で、走査光学系によって主走査することを開示する。
特許第3266922号公報 特許第2561098号公報
しかしながら、特許文献1は、赤外線レーザを出力する光源として高出力のレーザが必要である。このため、特許文献1において小型で比較的安価な半導体レーザを適用としても、この半導体レーザでは、数Wクラスが限界で、ライン型のサーマルヘッドクラスの記録スピードを実現できないのが現実である。数十W以上の出力を有する例えばYAGレーザ等を用いる方法がある。しかしながら、YAGレーザ等を用いると、半導体レーザに比べて高価でかつ装置が大型化してしまう。
特許文献2は、ヒートモード記録材料の記録面において第1と第2の半導体レーザからそれぞれ射出される各レーザビームの形状が楕円形状でかつ互いに長軸方向で直交している。このため、レーザビームの主走査方向に長軸を有する一方の半導体レーザのパワーは、熱記録用に用いられる。ところが、副走査方向に長軸を有する他方の半導体レーザのパワーは、一方の半導体レーザと重なり合っている部分以外で熱記録用に有効利用されない。又、特許文献2は、偏向ビームスプリッタによって各レーザビームを合成するので、合成するレーザビーム数は2つが限界である。
本発明の目的は、レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体に対する感熱記録時のパワー不足を解消し、かつ記録スピードの高速化を実現できる非接触光書き込み装置を提供することにある。
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込み装置は、第1の半導体レーザビームを出力するシングルモード半導体レーザと、第2の半導体レーザビームを出力するマルチモード半導体レーザと、シングルモード半導体レーザから出力された第1の半導体レーザビームとマルチモード半導体レーザから出力された第2の半導体レーザビームとを合成して出力するレーザビーム合成素子と、レーザビーム合成素子から出力された合成半導体レーザビームを走査する偏向走査機構と、偏向走査機構により走査された合成の半導体レーザビームを、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体面上に対して集光する走査レンズとを具備し、シングルモード半導体レーザは、第1の半導体レーザビームを出力する活性層の接合面が形成され、接合面の方向は、偏向走査機構による合成半導体レーザビームの走査方向に対して垂直又は平行であり、マルチモード半導体レーザは、第2の半導体レーザビームを出力する活性層の接合面が形成され、接合面の方向は、偏向走査機構による合成半導体レーザビームの走査方向に対して垂直又は平行であり、第1の半導体レーザビームと第2のモード半導体レーザビームとは、それぞれ感熱記録媒体に照射することにより感熱記録媒体を消色温度以下の温度に加熱可能な出力パワーを有し、かつ感熱記録媒体に照射することにより感熱記録媒体を消色温度まで加熱可能な出力パワーを有し、第1の半導体レーザビームと第2のモード半導体レーザビームとを合成して感熱記録媒体に照射することにより感熱記録媒体を発色温度まで加熱可能な出力パワーを有する。
本発明によれば、レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体に対する感熱記録時のパワー不足を解消し、かつ記録スピードの高速化を実現できる非接触光書き込み装置を提供できる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は非接触光書き込み装置の構成図を示す。本装置は、感熱記録媒体1に照射されるレーザ光を出射する光源としてシングルモード半導体レーザ2と、マルチモード半導体レーザ3とを有する。各半導体レーザ2、3は、それぞれ近赤外領域、例えば750nm〜1000nmに発光波長を有し、かつ数W程度の高出力のレーザビームを出力する。各半導体レーザ2、3は、例えばレーザプリンタ、レーザポインタ、DVDプレーヤ等に既に多数使用されている低出力の半導体レーザ(レーザダイオード:LD)と同一特性、すなわち広がり角度、出力−電流特性、温度特性を有する。各半導体レーザ2、3は、レーザビームの出力が大きい。これにより、各半導体レーザ2、3は、供給電流量がアンペアクラスに大きく、かつ発熱量が大きくなるために冷却を必須とする。従って、各半導体レーザ2、3は、それぞれ放熱板に固定し、かつ放熱板を強制冷却する。
シングルモード半導体レーザ2と感熱記録媒体1との間には、シングルモード半導体レーザ2と感熱記録媒体1との間のレーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ4と、レーザビーム合成素子としての偏光ビームスプリッタ5と、偏向走査機構7と、走査レンズ8とが設けられている。マルチモード半導体レーザ3と感熱記録媒体1との間には、マルチモード半導体レーザ3と感熱記録媒体1との間のレーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ9と、偏光ビームスプリッタ5と、偏向走査機構7と、集光レンズとしての走査レンズ8とが設けられている。
偏光ビームスプリッタ5は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLを透過する。
偏向走査機構7は、偏向部材としてポリゴンミラー10と、回転駆動部12とを有する。回転駆動部12には、回転軸11を介してポリゴンミラー10が連結されている。回転駆動部12は、回転軸11を介してポリゴンミラー10を一方向、例えば矢印f方向に回転させる。
シングルモード半導体レーザ2は、図2に示すようにシングルモードレーザビームLを出力するレーザ発光部13を有する。レーザ発光部13には、pn接合面(活性層の接合面)14が形成されている。シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向を偏向走査機構7の偏光部材の回転軸、すなわちポリゴンミラー10の回転軸に対して平行に配置している。
シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面14の接合面方向と同一方向である。シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、偏光ビームスプリッタ5に対して垂直方向になるので、偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光になる。従って、偏光ビームスプリッタ5は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを反射する。
シングルモード半導体レーザ2のレーザ発光部13における発光領域は、図2に示すように例えばpn接合面14の接合面方向aと、この接合面方向aに対して垂直な方向bとにおいてそれぞれ数μm程度である。具体的にレーザ発光部13の発光領域は、接合面方向aが3μm程度であり、垂直方向bが1μm程度である。レーザ発光部13から照射されるシングルレーザビームLは、進行するに従って図1に示すようなプロファイルPfで広がる。ビームプロファイルPfは、ガウス分布を有する。
マルチモード半導体レーザ3は、図3に示すようにマルチモードレーザビームLを出力するレーザ発光部15を有する。レーザ発光部15には、pn接合面16が形成されている。マルチモード半導体レーザ3は、発光領域のpn接合面16の接合面方向を偏向走査機構7の偏光部材の回転軸、すなわちポリゴンミラー10の回転軸11に対して垂直になるように配置されている。換言すると、マルチモード半導体レーザ3は、シングルモード半導体レーザ2の発光領域のpn接合面14の接合面方向に対して垂直方向となるように配置される。
マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面16の接合面方向と同一方向である。マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、ポリゴンミラー10の回転軸11に対して垂直方向になる。マルチモード半導体レーザ3のレーザ発光部15から出力されるマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdは、偏光ビームスプリッタ5に対して水平方向になるので、偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光になる。従って、偏光ビームスプリッタ5は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLを透過する。
マルチモード半導体レーザ3のレーザ発光部15における発光領域は、図3に示すように例えばpn接合面(活性層の接合面)16の接合面方向aと、この接合面方向aに対して垂直な方向bとにおいてそれぞれ長さを異にする。具体的にレーザ発光部15の発光領域は、接合面方向aが50〜200μm程度であり、垂直方向bが1μm程度である。レーザ発光部15から放射されたマルチモードビームLは、進行するに従って図1に示すようにプロファイルPf2で広がる。ビームプロファイルPf2は、きれいなガウス分布を有しない。マルチモード半導体レーザ3は、マウント17に設けられている。
第1のコリメータレンズ4は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第1のコリメータレンズ4は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
第2のコリメータレンズ9は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第2のコリメータレンズ9は、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
偏光ビームスプリッタ5は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLとの各進行光路の交差位置上に設けられている。偏光ビームスプリッタ5には、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLとが入射する。しかるに、偏光ビームスプリッタ5は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLを透過し、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを合成した合成レーザビームLを出力する。
偏向走査機構7は、ポリゴンミラー10の矢印f方向への回転により偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上に主走査する。マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLのP偏光の偏光方向Sdをポリゴンミラー10の回転軸11の方向に対して垂直になるような方向に設定されている。これにより、偏向走査機構7は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向に合成レーザビームLを主走査する。すなわち、偏向走査機構7による合成レーザビームLの主走査方向Smと、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdとは、一致する。これにより、感熱記録媒体1上においてマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向は、主走査方向Smと一致する。
しかるに、マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15のpn接合面16の接合面方向を偏向走査機構7によって走査される合成レーザビームLの主走査方向に対して平行になるように配置される。又、シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をマルチモード半導体レーザ3のpn接合面16の接合面方向に対して垂直になるように配置される。
走査レンズ8は、偏向走査機構7による合成レーザビームLの主走査方向Smの走査範囲上に設けられている。走査レンズ8は、偏向走査機構7により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。すなわち、合成レーザビームLに含まれるレーザビームLとレーザビームLとは、それぞれ走査レンズ8によって感熱記録媒体1面上に集光される。
図4及び図5は走査レンズ8により感熱記録媒体1上に集光されたシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとのビームプロファイルを示す。シングルモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に円形のビームプロファイルPfとして形成される。マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に横長形状のビームプロファイルPfとして形成される。
シングルモード半導体レーザ2のレーザ発光部13の形状は、pn接合面14に平行、垂直のいずれの方向にも数μm程度の長さを有する。従って、走査レンズ8によってシングルモードレーザビームLを集光することにより当該シングルモードレーザビームLのビームプロファイルを小さな略円形状にすることは容易である。例えば、シングルモードレーザビームLは、略円形状に100μm(1/e2)程度に集光される。
一方、マルチモード半導体レーザ3のレーザ発光部15の形状は、Pn接合面に垂直な方向の長さよりもpn接合面16に対して平行な方向の長さが長く、しかもその長さは例えば50〜200μm程度もある。このため、走査レンズ8によってマルチモードレーザビームLを集光することにより当該マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfを小さな略円形状にすることは困難である。しかるに、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfは、pn接合面16の方向に横長形状となる。
従って、図4及び図5に示すように合成レーザビームLは、横長形状のビームプロファイルPfの中に、略円形のビームプロファイルPfを重ねた形状で感熱記録媒体1上に集光される。
なお、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとは、それぞれ略ガウス分布のプロファイルを有する。マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるシングルモードレーザビームLの合成位置は、記録条件や環境条件によって可変するのがよい。又、シングルモードレーザビームLは、例えば略円形状に100μm(1/e2)程度に集光した場合、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとは、重なり合って合成するのに限らず、互いに接近していてもよい。この場合、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとの中心は、副走査方向Ssに揃っていることが望ましい。
図5はマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内において、円形のビームプロファイルPfのシングルモードレーザビームLを感熱記録媒体1上における主走査方向(スキャン方向)Smの中心部の位置に合成した合成ビームプロファイルを示す。この合成ビームプロファイルでは、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとの中心(パワーのピーク)が一致する。このようなシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとの合成であれば、これらシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとの瞬間の各パワーピークを合わすことができる。これにより、レーザビームのエネルギーの利用効率が向上できる。
なお、感熱記録媒体1上にスキャンされるビームプロファイルPfは、図4に示すように例えば縦方向のビーム径cと横方向のビーム径cとが共に例えば100μm程度に形成されている。感熱記録媒体1上にスキャンされるビームプロファイルPfは、図5に示すように縦方向のビーム径cが例えば100μm程度に形成され、横方向のビーム径dが例えば1mm強に形成される。
感熱記録媒体1は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。感熱記録媒体1は、図6に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体1は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化する。これにより、感熱記録媒体1は、発色状態を保てず、消色状態になる。さらに、感熱記録媒体1は、染料と顕色剤との融点以下の温度である一定時間加熱すると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となるものもある。消色領域の温度は、例えば約130℃〜180℃程度である。
図7はシングルモードレーザビームL及び合成レーザビームLを感熱記録媒体1に照射したときの感熱記録媒体1上の温度と発色・消色等の関係を示す。感熱記録媒体1は、室温Tr(例えば25℃)から発色温度T(例えば180℃)を超えて加熱し、急冷すると発色する。この発色を消色するには、室温Trから一旦発色温度Tより低い温度である消色温度T(例えば130℃)に加熱し、冷却すれば消色する。
しかるに、シングルモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を消色温度T以下の温度まで加熱可能な出力パワーを有する。これにより、感熱記録媒体1は発色しない。
一方、マルチモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を発色温度T以下ではあるが消色温度Tまで加熱可能な出力パワーを有する。これにより、マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1に照射したときの温度上昇は、消色温度T以上でかつ発色温度T以下であり、感熱記録媒体1の発色を消色可能な消去領域に温度上昇する。
なお、シングルモードレーザビームLが消色温度T以下の温度に加熱可能な出力パワーを有する場合、マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1を消色温度Tまで加熱可能な出力パワーを有する。シングルモードレーザビームLを感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1を消色温度Tまで加熱可能な出力パワーを有する場合、マルチモードレーザビームLは、消色温度T以下の温度に加熱可能な出力パワーを有する。
合成レーザビームLを感熱記録媒体1上に主走査すると、最初にマルチモードレーザビームLが照射される。これにより、感熱記録媒体1の印字層は、消色温度Tまで急熱される。
次に、感熱記録媒体1上には、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとの重なり合った部分が照射される。これにより、感熱記録媒体1の印字層は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱される。
次に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとの重なり合った部分の照射が終わる。引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これによって、感熱記録媒体1の印字層は、急冷される。しかるに、感熱記録媒体1に元々記録されていた情報が消去されながら、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
搬送機構19は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。副走査方向Ssは、主走査方向Smに対して垂直方向である。
なお、感熱記録媒体1の搬送スピードが遅くなると、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームの単位面積当たりのエネルギーが大きくなる。すなわちマルチモードレーザビームL及びシングルモードレーザビームLのパワーと照射時間との積が大きくなる。一方、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLとの組み合わせによって出力パワーが増減する。従って、マルチモードレーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色温度Tに加熱し、続いてシングルモードレーザビームLを照射することによって感熱記録媒体1を発色温度Tになるように、シングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3との各出力パワーに応じて感熱記録媒体1の搬送スピードが設定される。
ビームスポット位置可変機構18は、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるビームプロファイルPfの合成位置を可変する。ビームスポット位置可変機構18は、偏光ビームスプリッタ5をマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの進行方向hに沿って移動する。又は、ビームスポット位置可変機構18は、偏光ビームスプリッタ5をシングルモードレーザビームLの進行方向に沿って移動する。ビームスポット位置可変機構18は、偏光ビームスプリッタ5をS偏光の偏光方向Sdに対して平行な回転軸を中心に回転することによりビームスポットPfの合成位置を可変する。
図8(a)〜(d)は、ビームスポット位置可変機構11により移動する感熱記録媒体10上に集光したマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとの合成の位置関係を示す。同図(a)はマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内の中心部位置にビームスポットPfが合成されている。この状態から同図(b)に示すように偏光ビームスプリッタ5をマルチモードレーザビームLの進行方向hに沿って移動すると、偏光ビームスプリッタ5へのシングルモードレーザビームLの入射位置が変化する。これに応じて偏光ビームスプリッタ5内でのシングルモードレーザビームLの反射位置が変化する。これにより、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるビームスポットPfの合成位置が可変する。
図8(c)は偏光ビームスプリッタ5を第1の半導体レーザビームの進行方向h’に沿って移動した場合のマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるビームスポットPfの合成位置を示す。図8(d)は偏光ビームスプリッタ5をシングルモードレーザビームLのS偏光の振動方向に平行な回転軸を中心に回転方向rに回転させた場合のマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるビームスポットPfの合成位置を示す。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13から偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、pn接合面14の接合面方向と同一方向のS偏光の偏向方向Sdを有する。シングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ4により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ9に入射する。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15から偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光のマルチモードレーザビームLを出力する。マルチモードレーザビームLは、pn接合面16の接合面方向と同一方向のP偏光の偏向方向Sdを有する。マルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ9により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に入射する。
偏光ビームスプリッタ5は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを透過し、合成のレーザビームLとして出力する。偏光ビームスプリッタ5から出力される合成レーザビームLは、偏向走査機構7に入射する。
偏向走査機構7は、回転駆動部12の駆動により回転軸11を介してポリゴンミラー10を矢印f方向に連続して回転させる。これにより、ポリゴンミラー10は、偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上において主走査方向Smに主走査する。マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLのP偏光の偏光方向Sdがポリゴンミラー10の回転軸11の方向に対して垂直な方向に設定されている。これにより、偏向走査機構7は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向に合成レーザビームLを主走査する。
走査レンズ8は、図4及び図5に示すように偏向走査機構7により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。すなわち、合成レーザビームLは、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内に、シングルモードレーザビームLの円形状ビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。
感熱記録媒体1面上に集光された合成のレーザビームLは、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向と同一方向に主走査される。合成レーザビームLが感熱記録媒体1面上に主走査されると、先ず、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、図7に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わり、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、元々記録され、発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてシングルモードレーザビームLの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
このように上記第1の実施の形態によれば、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLとを偏光ビームスプリッタ5によって合成し、この合成レーザビームLを偏向走査機構7によって主走査し、走査レンズ8によって合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。これにより、レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する情報の記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードに確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。又、感熱記録媒体1に対してシングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3とを用いて非接触で熱を与えることができる。
1個のマルチモード半導体レーザ3では、感熱記録媒体1の消色領域までしか温度を上昇することができない。他の1個のシングルモード半導体レーザ2では、パワーが小さくて単独で感熱記録媒体1に記録できない。このような条件であっても、シングルモード半導体レーザ2のシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3のマルチモードレーザビームLとを合成することにより感熱記録媒体1に対する情報の記録ができる。
シングルモード半導体レーザ2は、pn接合面14に平行、垂直のいずれの方向にも数μm程度のレーザ発光部13を有する。これにより、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを集光して円形状のビームプロファイルPfに集光することが容易であり、かつ画像等の情報を記録するのに好適である。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、pn接合面16に平行な方向の長さが100μm程度と長い。これにより、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを集光すると、横長形状のビームプロファイルPfに成る。従って、マルチモードレーザビームLを感熱記録媒体1上において主走査方向Smに主走査すれば、ビームプロファイルPfを消色用、予熱用として用いることができる。シングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3との各特長を有効に利用して感熱記録媒体1に対する情報の記録ができる。
シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとは、それぞれ副走査方向Ssのビーム径cの長さが略同一である。これにより、シングルモードレーザビームLは、図4に示すようにマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内における主走査方向Smの後方部の位置に合成することができる。又、シングルモードレーザビームLは、図5に示すようにマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内における主走査方向Smの中心部の位置に合成することができる。これにより、マルチモードレーザビームLのパワーを有効利用できる。
感熱記録媒体1面上に走査するとき、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次にマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。
これにより、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって照射された部分に画像等の情報が記録できる。又、感熱記録媒体1面上に単独でマルチモードレーザビームLを照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報が消去できる。マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1面上に照射し、次にマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ねて感熱記録媒体1面上に照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報を消去し、新たな情報が記録できる。すなわち、情報の書き換えができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図9は非接触光書き込み装置の構成図を示す。偏光ビームスプリッタ5は、シングルモードレーザビームLを反射し、これと共に、マルチモードレーザビームLを透過し、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを合成する。偏光ビームスプリッタ5から出力される合成レーザビームLは、偏向走査機構20に入射する。
偏向走査機構20は、ガルバノミラー21と、回転駆動部23とを有する。回転駆動部23には、ガルバノミラー21が回転軸22を介して連結されている。回転駆動部23は、回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に繰り返し往復して振る。ガルバノミラー21の回転軸22は、シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdに対して平行で、かつマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdに対して垂直な方向に設けられている。これにより、偏向走査機構20は、ガルバノミラー21の矢印g方向への繰り返し往復する振りにより偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上に往復して主走査する。この主走査は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向である。この主走査は、往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとから成る。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13から偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、コリメータレンズ4により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に入射する。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15から偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光のマルチモードレーザビームLを出力する。マルチモードレーザビームLは、コリメータレンズ9により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に入射する。
偏光ビームスプリッタ5は、シングルモードレーザビームLを反射し、これと共に、マルチモードレーザビームLを透過し、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを合成し、合成レーザビームLを出力する。
偏向走査機構20は、回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に繰り返し往復させて振る。これにより、偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLは、感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復して主走査される。往復走査された合成レーザビームLは、走査レンズ8によって感熱記録媒体1面上に集光される。
すなわち、合成レーザビームLは、例えば図10及び図11に示すようにマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内に、シングルモードレーザビームLの円形状ビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。合成レーザビームLの往復の走査方向は、感熱記録媒体1面上におけるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向と同一方向である。なお、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内におけるシングルモードレーザビームLのビームスポットの合成位置は、図10及び図11に示すように感熱記録媒体1上での主走査方向(スキャン方向)Smの中心部の位置である。
先ず、往路の主走査方向Smにおいて、図10に示すように合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける往路先頭領域kが単独で照射される。往路先頭領域kは、合成レーザビームLの往路の主走査方向Smに向かって先頭側の領域である。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、図7に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、既に発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてシングルモードレーザビームLの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
次に、復路の主走査方向Smにおいて、図11に示すように合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける復路先頭領域kが単独で照射される。復路先頭領域kは、合成レーザビームLの復路の主走査方向Smに向かって先頭側の領域である。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、図7に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、既に発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてシングルモードレーザビームLの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
このように上記第2の実施の形態によれば、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLとを偏光ビームスプリッタ5によって合成し、この合成レーザビームLを偏向走査機構20によって感熱記録媒体1面上に往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復して主走査する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
合成のレーザビームLを感熱記録媒体1面上にマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向と同一方向で、往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとに往復して主走査する。これにより、往路の主走査方向Smにおいて往路先頭領域kにより感熱記録媒体1を消色領域まで温度を上昇することができる。復路の主走査方向Smにおいても復路先頭領域kにより感熱記録媒体1を消色領域まで温度を上昇することができる。これによってマルチモードレーザビームLのパワーが有効利用できる。又、合成レーザビームLを往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとに往復して主走査するので、感熱記録媒体1の全面への情報の記録が上記第1の実施の形態よりも高速化できる。
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図12は非接触光書き込み装置の構成図を示す。複数のシングルモード半導体レーザ、例えば2つのシングルモード半導体レーザ2a、2bが設けられている。各シングルモード半導体レーザ2a、2bは、それぞれ上記シングルモード半導体レーザ2と同一である。各シングルモード半導体レーザ2a、2bは、それぞれ出力される偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光の各シングルモードレーザビームLa、Lbを出力する。各シングルモード半導体レーザ2a、2bは、それぞれ出力される偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光の各シングルモードレーザビームLa、Lbの各偏向方向Sdに沿って設けられている。
複数のマルチモード半導体レーザ、例えば2つのマルチモード半導体レーザ3a、3bが設けられている。各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ上記マルチモード半導体レーザ3と同一である。各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光の各マルチモードレーザビームLa、Lbを出力する。各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ出力する各マルチモードレーザビームLa、Lbの偏向方向Sdに対して垂直方向に沿って設けられている。なお、各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ各マウント17a、17bに設けられている。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
各シングルモード半導体レーザ2a、2bは、それぞれ各レーザ発光部13から偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光の各シングルモードレーザビームLa、Lbを出力する。各シングルモードレーザビームLa、Lbは、それぞれコリメータレンズ4により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に同時に入射する。
一方、各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ各レーザ発光部15から偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光の各マルチモードレーザビームLa、Lbを出力する。各マルチモードレーザビームLa、Lbは、それぞれコリメータレンズ9により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に同時に入射する。
偏光ビームスプリッタ5は、各シングルモードレーザビームLa、Lbを反射し、これと共に、各マルチモードレーザビームLa、Lbを透過し、各シングルモードレーザビームLa、Lbと各マルチモードレーザビームLa、Lbとを合成し、各合成レーザビームLa、Lbを出力する。各合成レーザビームLa、Lbは、偏向走査機構7に入射する。
偏向走査機構7は、ポリゴンミラー10を矢印f方向に連続して回転する。これにより、偏向走査機構7は、偏光ビームスプリッタ5から出力された各合成レーザビームLa、Lを感熱記録媒体1上に主走査方向Smにそれぞれ主走査する。この場合、ポリゴンミラー10の回転軸11は、各シングルモードレーザビームLa、Lbの各偏向方向Sdに対して平行で、かつ各マルチモードレーザビームLa、Lbの偏光方向Sd、Sdに対して垂直な方向に設けられている。
しかるに、各合成レーザビームLa、Lbは、それぞれ偏向走査機構7によって各マルチモードレーザビームLa、Lbの各偏光方向Sd、Sdと同一方向にそれぞれ主走査される。
各合成レーザビームLa、Lbは、走査レンズ8によって感熱記録媒体1面上にそれぞれ集光される。各合成レーザビームLa、Lbは、それぞれ感熱記録媒体1面上に、各横長形状ビームプロファイルPf、Pfに形成された各マルチモードレーザビームLa、Lbの各横長方向と同一方向にそれぞれ同期して主走査される。各合成レーザビームLa、Lbの各主走査方向Smは、互いに平行である。
各合成レーザビームLa、Lbは、例えば図4又は図5に示すように各マルチモードレーザビームLa、Lbの横長形状の各ビームプロファイルPf内に、それぞれ各シングルモードレーザビームLa、Lbの円形状の各ビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。各マルチモードレーザビームLa、Lbの各ビームプロファイルPf、Pf内における各シングルモードレーザビームLa、Lbの各ビームスポットの合成位置は、例えば上記図4に示すようにマルチモードレーザビームLa、LbのビームプロファイルPf内における主走査方向Smの後方部である。又は、各マルチモードレーザビームLa、Lbの各ビームプロファイルPf、Pf内における各シングルモードレーザビームLa、Lbの各ビームスポットの合成位置は、例えば上記図5に示すようにマルチモードレーザビームLa、Lbの各ビームプロファイルPf内における主走査方向Smの中心部である。
感熱記録媒体1面上に各マルチモードレーザビームLa、Lbを走査するとき、上記同様に、先ず、各マルチモードレーザビームLa、Lbが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームLa、Lbの照射が終わり、引き続いて各マルチモードレーザビームLa、Lbの照射が終わる。これにより、各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。この結果、感熱記録媒体1には、例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が2列同時に可能になる。
このように上記第3の実施の形態によれば、例えば2つのシングルモード半導体レーザ2a、2bを設け、かつ例えば2つのマルチモード半導体レーザ3a、3bを設け、ポリゴンミラー10により各合成レーザビームLa、Lbをそれぞれ感熱記録媒体1上において主走査する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLa、Lbを主走査方向Smに平行にかつ同時に主走査でき、例えば文字や記号、絵柄等の情報を2列同時に記録できる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図12と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図13は非接触光書き込み装置の構成図を示す。偏向走査機構20は、上記第2の実施の形態における偏向走査機構20と同一である。偏向走査機構20は、ガルバノミラー21と、回転駆動部23とを有する。偏向走査機構20は、ガルバノミラー21の矢印g方向への繰り返し往復する振りにより偏光ビームスプリッタ5から出力された各合成レーザビームLa、Lbを感熱記録媒体1上に往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとに往復して主走査する。
ガルバノミラー21の回転軸22は、偏光ビームスプリッタ5に対して各シングルモードレーザビームLa、Lbの各偏向方向Sd、Sdに対して平行で、かつ偏光ビームスプリッタ5に対して各マルチモードレーザビームLa、Lbの各偏光方向Sd、Sdに対して垂直な方向に設けられている。これにより、偏向走査機構20は、各マルチモードレーザビームLa、Lbの各偏光方向Sd、Sdと同一方向に各合成レーザビームLa、Lbを往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとにそれぞれ主走査する。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
各シングルモード半導体レーザ2a、2bは、それぞれ偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光の各シングルモードレーザビームLa、Lbを出力する。各シングルモードレーザビームLa、Lbは、それぞれコリメータレンズ4により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に同時に入射する。
一方、各マルチモード半導体レーザ3a、3bは、それぞれ偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光の各マルチモードレーザビームLa、Lbを出力する。各マルチモードレーザビームLa、Lbは、それぞれコリメータレンズ9により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ5に同時に入射する。
偏光ビームスプリッタ5は、例えば図4及び図5に示すように各シングルモードレーザビームLa、Lbを反射し、各マルチモードレーザビームLa、Lbを透過し、各シングルモードレーザビームLa、Lbと各マルチモードレーザビームLa、Lbとを合成し、各合成レーザビームLa、Lbを出力する。各合成レーザビームLa、Lbは、偏向走査機構20に入射する。
偏向走査機構20は、回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に繰り返し往復させて振る。これにより、偏光ビームスプリッタ5から出力された各合成レーザビームLa、Lbは、感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復して主走査される。偏向走査機構20により往復走査された合成レーザビームLa、Lbは、走査レンズ8によって感熱記録媒体1面上に集光される。
すなわち、合成レーザビームLa、Lbは、例えば図10及び図11に示すのと同様に、各マルチモードレーザビームLa、LbのビームプロファイルPf内に、各シングルモードレーザビームLa、LbのビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。各合成レーザビームLa、Lbの往復の走査方向は、感熱記録媒体1面上における各マルチモードレーザビームLa、Lbの各ビームプロファイルPfの横長方向と同一方向である。
なお、各マルチモードレーザビームLa、LbのビームプロファイルPf内における各シングルモードレーザビームLa、Lbのビームスポットの合成位置は、例えば図10及び図11に示すのと同様に、感熱記録媒体1上での主走査方向(スキャン方向)Smの中心部の位置である。
先ず、往路の主走査方向Smにおいて、各マルチモードレーザビームLa、Lbが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームLa、Lbの照射が終わり、引き続いて各マルチモードレーザビームLa、Lbの照射が終わる。これにより、上記同様に、各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
次に、復路の主走査方向Smにおいて、各マルチモードレーザビームLa、Lbが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームLa、Lbの照射が終わり、引き続いて各マルチモードレーザビームLa、Lbの照射が終わる。これにより、上記同様に、各マルチモードレーザビームLa、Lbと各シングルモードレーザビームLa、Lbとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
この結果、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が2列同時に可能になる。
このように上記第4の実施の形態によれば、複数のシングルモード半導体レーザ2、例えば2つのシングルモード半導体レーザ2a、2bを設け、かつ複数のマルチモード半導体レーザ3、例えば2つのマルチモード半導体レーザ3a、3bを設け、ガルバノミラー21により各合成レーザビームLa、Lbをそれぞれ感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとに往復し、同期して主走査する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLa、Lbを主走査方向Smに平行にかつ同時に主走査でき、例えば文字や記号、絵柄等の情報を2列同時に記録できる。
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図9と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図14は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同装置は、図9に示すシングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3との配置位置を交換し、シングルモードレーザビームLの偏向方向SdとマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdとを逆方向に設定している。シングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3との配置位置の交換に合わせてコリメータレンズ4とコリメータレンズ9も各配置位置を交換する。
シングルモード半導体レーザ2におけるpn接合面14の接合面方向は、ガルバノミラー21の回転軸22の方向に対して垂直方向に配置している。シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面14の接合面方向と同一方向である。これにより、シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、ガルバノミラー21の回転軸22に対して垂直方向になる。シングルモード半導体レーザ2のレーザ発光部13から出力されるシングルモードレーザビームLは、偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光になる。
マルチモード半導体レーザ3におけるpn接合面16の接合面方向は、ガルバノミラー21の回転軸22の方向に対して平行方向に配置している。マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面16の接合面方向と同一方向である。これにより、マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、ガルバノミラー21の回転軸22に対して平行方向になる。マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLは、偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光になる。
偏光ビームスプリッタ5は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLを反射すると共に、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを透過し、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLを合成した合成レーザビームLを出力する。
ビームスポット位置可変機構18は、偏光ビームスプリッタ5をシングルモードレーザビームLの進行方向hに沿って移動させる、或いは偏光ビームスプリッタ5をS偏向の振動方向に平行な回転軸を中心に回転させる。これにより、ビームスポット位置可変機構18は、感熱記録媒体1上におけるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルP内におけるシングルモードレーザビームLの合成位置を可変する。
図15及び図16は感熱記録媒体1上におけるマルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPf内のシングルモードレーザビームLの合成位置を示す。図15は、マルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPf内における主走査方向Smの中心部の位置に円形のビームプロファイルPfのシングルモードレーザビームLを合成したことを示す。図16はマルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPf内における副走査方向Ssに向かって後方側の位置に円形のビームプロファイルPfのシングルモードレーザビームLを合成したことを示す。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、シングルモードレーザビームLを出力する。これと共に、マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLを出力する。偏光ビームスプリッタ5は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLを反射すると共に、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを透過し、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLを合成した合成レーザビームLを出力する。
偏向走査機構20は、ガルバノミラー21を矢印g方向に繰り返し往復させて振ることにより、合成レーザビームLを感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復して主走査する。この場合、マルチモード半導体レーザ3は、pn接合面16に平行な方向にレーザ発光部15の長さが長く、マルチモードレーザビームLを絞り難い。これにより、感熱記録媒体1上においてマルチモードレーザビームLは、横長形状ビームプロファイルPfに形成される。マルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPfの横長方向は、熱記録媒体10上での副走査方向Ssと一致するものとなる。
しかるに、偏向走査機構20は、合成レーザビームLを、往路の主走査方向Sm1と、復路の主走査方向Sm2とに往復して主走査する。搬送機構19は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssに例えば一定の搬送速度で搬送する。これにより、感熱記録媒体1の全面に例えば文字や記号、絵柄等の情報が記録される。副走査方向Ssの走査方向は、合成レーザビームLに含むマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの縦長方向と同一方向である。なお、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfは、合成レーザビームLの主走査方向Sm1、Sm2に対して縦長又は横長と称する。
このように上記第5の実施の形態によれば、シングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3との配置位置を交換し、シングルモードレーザビームLの偏向方向SdとマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdとを逆方向に設定する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、合成レーザビームLを往路の主走査方向Smと復路の主走査方向Smとに往復して主走査するので、感熱記録媒体1の全面への情報の記録が上記第1の実施の形態よりも高速化できる。
次に、本発明の第6の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図17は非接触光書き込み装置の構成図を示す。偏向走査機構30は、ポリゴンミラー10と、回転駆動部12とを有する。回転駆動部12は、ポリゴンミラー10に対して回転軸11を介して連結され、ポリゴンミラー10を一方向、例えば矢印u方向に回転させる。ポリゴンミラー10の回転軸11は、上記第1の実施の形態における回転駆動部12の回転軸11の方向に対して偏光ビームスプリッタ5から出力される合成レーザビームLの進行方向を軸に例えば角度90°回転した位置に設けられている。これにより、シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をポリゴンミラー10の回転軸11に対して垂直方向に配置される。マルチモード半導体レーザ3は、発光領域のpn接合面16の接合面方向をポリゴンミラー10の回転軸11に対して平行になるように配置される。
偏向走査機構30は、ポリゴンミラー10の矢印u方向への回転により偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上に主走査する。偏向走査機構30の主走査方向Smは、上記第1の実施の形態における偏向走査機構20の主走査方向Smに対して例えば角度90°回転している。マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdをポリゴンミラー10の回転軸11の方向に対して平行方向に設定される。これにより、偏向走査機構30は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdに対して角度90°回転した方向に合成レーザビームLを主走査する。
走査レンズ8は、偏向走査機構7により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。すなわち、合成レーザビームLに含まれるシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとは、それぞれ走査レンズ8によって集光される。これにより、感熱記録媒体1上には、合成レーザビームLが集光される。合成レーザビームLに含まれるシングルモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に円形のビームプロファイルPfとして形成される。マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に縦長形状のビームプロファイルPfとして形成される。
搬送機構31は、感熱記録媒体1を合成レーザビームLの主走査方向Smに対して垂直な副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について上記第1の実施の形態と相違するところについて説明する。
偏向走査機構30は、ポリゴンミラー10の矢印u方向に連続して回転する。これにより、偏光ビームスプリッタ5から出力された合成レーザビームLは、感熱記録媒体1上において主走査方向Smにそれぞれ主走査される。なお、合成レーザビームLの主走査方向Smは、上記第1の実施の形態における偏向走査機構20の主走査方向Smに対して例えば角度90°回転している。
走査レンズ8は、偏向走査機構7により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。これにより、感熱記録媒体1上には、合成レーザビームLが集光される。合成レーザビームLに含まれるシングルモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に円形のビームプロファイルPfとして形成される。マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に縦長形状のビームプロファイルPfとして形成される。
このとき、感熱記録媒体1は、搬送機構31によって合成レーザビームLの主走査方向Smに対して垂直な副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送される。
感熱記録媒体1面上に合成レーザビームLを走査するとき、上記同様に、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。この結果、感熱記録媒体1には、例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。
このように上記第6の実施の形態によれば、ポリゴンミラー10の回転軸11を上記第1の実施の形態における回転駆動部12の回転軸11の方向に対して合成レーザビームLの進行方向を軸に例えば角度90°回転した位置に設けた。これによっても上記第6の実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第7の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図18は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同装置は、レーザビームを出射する光源として第1の半導体レーザであるシングルモード半導体レーザ2と、第2の半導体レーザであるマルチモード半導体レーザ3と、第3の半導体レーザであるシングルモード半導体レーザ40と、第4の半導体レーザであるシングルモード半導体レーザ41とを有する。
このうちシングルモード半導体レーザ2は、例えば波長λ(=808nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。マルチモード半導体レーザ3は、例えば波長λ(=808nm)のマルチモードレーザビームLを出力する。
各シングルモード半導体レーザ40、41は、それぞれ近赤外領域の各波長λ、λの各シングルモードレーザビームL、Lを出力する。具体的にシングルモード半導体レーザ40は、例えば波長λ(=980nm)の発光波長のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモード半導体レーザ41は、例えば波長λ(=900nm)の発光波長のシングルモードレーザビームLを出力する。
シングルモード半導体レーザ2と感熱記録媒体1との間には、レーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ42、偏光ビームスプリッタ43、偏向走査機構20、走査レンズ8が設けられている。
シングルモード半導体レーザ40と感熱記録媒体1との間には、レーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ44、色合成素子としてのダイクロイックプリズム45、色合成素子としての偏光ビームスプリッタ43、偏向走査機構20、走査レンズ8が設けられている。
シングルモード半導体レーザ41と感熱記録媒体1との間には、レーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ46、色合成素子としての2つのダイクロイックプリズム47、45、偏光ビームスプリッタ43、偏向走査機構20、走査レンズ8が設けられている。
マルチモード半導体レーザ3と感熱記録媒体1との間には、レーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ48、2つのダイクロイックプリズム47、45、偏光ビームスプリッタ43、偏向走査機構20、走査レンズ8が設けられている。
偏向走査機構20は、偏光部材としてガルバノミラー21と、回転駆動部23とを有する。回転駆動部23には、回転軸22を介してガルバノミラー21が連結されている。回転駆動部23は、回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に往復運動させる。
シングルモード半導体レーザ2は、上記図2に示すのと同様に、レーザ発光部13にpn接合面(活性層の接合面)4を有する。シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して平行になるように配置される。シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面14の接合面方向と同一方向である。これにより、シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、偏光ビームスプリッタ43に対して垂直方向になる。従って、シングルモード半導体レーザ2のレーザ発光部13から照射されたシングルモードレーザビームLは、S偏光である。レーザ発光部13における発光領域は、図2に示すのと同様なので、その説明は省略する。
マルチモード半導体レーザ3は、上記図3に示すのと同様に、レーザ発光部15にpn接合面16を有する。マルチモード半導体レーザ3は、発光領域のpn接合面16の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して垂直になるように配置されている。マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面16の接合面方向と同一方向である。これにより、マルチモード半導体レーザ3の発光領域から照射されるマルチモードレーザビームLは、P偏光となる。レーザ発光部15における発光領域は、上記図3に示すのと同様なので、その説明は省略する。
各シングルモード半導体レーザ40、41は、上記図2に示すシングルモード半導体レーザ2と同様に、それぞれpn接合面14を形成したレーザ発光部13を有する。各シングルモード半導体レーザ40、41は、それぞれレーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して垂直方向に配置される。
各シングルモードレーザビームL、Lの各偏向方向Sd及びSdは、それぞれpn接合面14の接合面方向と同一方向である。しかるに、各シングルモードレーザビームL、Lの各偏向方向Sd及びSdは、偏光ビームスプリッタ43に対して水平方向になる。これにより、各シングルモードレーザビームL、Lは、P偏光になる。なお、各シングルモード半導体レーザ40、41の各レーザ発光部13から照射される各シングルレーザビームL、Lは、進行するに伴って図18に示すように各プロファイルPf、Pfで広がる。各ビームプロファイルPf、Pfは、ガウス分布を有する。
各シングルモード半導体レーザ40、41の各レーザ発光部13における発光領域は、上記図2に示すシングルモード半導体レーザ2と同様に、例えばpn接合面14の接合面方向aと、この接合面方向aに対して垂直な方向bとにおいてそれぞれ数μm程度である。具体的にレーザ発光部13の発光領域は、例えば接合面方向aが3μm程度であり、垂直方向bが1μm程度である。
第1のコリメータレンズ42がシングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第1のコリメータレンズ42は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
第2のコリメータレンズ48がマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第2のコリメータレンズ48は、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
第3のコリメータレンズ44がシングルモード半導体レーザ40から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第3のコリメータレンズ44は、シングルモード半導体レーザ40から出力されたシングルモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
第4のコリメータレンズ46がシングルモード半導体レーザ41から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。第4のコリメータレンズ46は、シングルモード半導体レーザ41から出力されたシングルモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
重ね合せ光学系としての2つのダイクロイックプリズム47、45がマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの進行光路上に設けられている。図19は各ダイクロイックプリズム47、45の波長に対する反射率の特性を示す。ダイクロイックプリズム47は、波長λ(=900nm)を含む領域に対してのみ高い反射率の特性14aを持つ。ダイクロイックプリズム47は、マルチモードレーザビームLの進行光路とシングルモード半導体レーザ41から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路との交差位置上に設けられている。ダイクロイックプリズム47は、マルチモード半導体レーザ3から出力された波長λ(=808nm)のマルチモードレーザビームLを透過すると共に、シングルモード半導体レーザ41から出力された波長λ(=900nm)のシングルモードレーザビームLを90度方向を変えて反射し、これらマルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLaを出射する。
ダイクロイックプリズム45は、波長λ(=980nm)を含む領域に対してのみ高い反射率の特性15aを持つ。ダイクロイックプリズム45は、ダイクロイックプリズム47から出射される重ね合せレーザビームLaの進行光路とシングルモード半導体レーザ40から出力されるシングルモードレーザビームLの進行光路との交差位置上に設けられている。
ダイクロイックプリズム45は、ダイクロイックプリズム47から出射される波長λ、λの重ね合せレーザビームLaを透過する。これと共に、ダイクロイックプリズム45は、シングルモード半導体レーザ40から出力された波長λ(=980nm)のシングルモードレーザビームLを90度方向を変えて反射する。これにより、ダイクロイックプリズム45は、重ね合せレーザビームLaとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLbを出射する。
偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLとダイクロイックプリズム45から出射される重ね合せレーザビームLbの進行光路との交差位置上に設けられている。偏光ビームスプリッタ43には、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLとダイクロイックプリズム45から出射される重ね合せレーザビームLbとが入射する。偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるS偏光であるシングルモードレーザビームLを90度方向を変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ43は、ダイクロイックプリズム45から出射される重ね合せレーザビームLbを透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ43は、シングルモードレーザビームLと重ね合せレーザビームLbとを合成して出力する。なお、重ね合せレーザビームLbは、偏光ビームスプリッタ43に対してP偏光であるマルチモードビームLと、偏光ビームスプリッタ43に対してS偏光の各シングルレーザビームL、L、Lとを重ね合わせて成る。
偏向走査機構20は、ガルバノミラー21の矢印g方向への往復運動により偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1上において各主走査方向Sm、Smに往復走査する。マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLのP偏光の偏光方向Sdをガルバノミラー21の回転軸22に対して垂直方向に設定されている。これにより、偏向走査機構20は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向である各主走査方向Sm、Smに合成レーザビームLcを往復して主走査する。
マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15のpn接合面16の接合面方向を偏向走査機構20によって走査される合成レーザビームLcの主走査方向Sm、Smに対して平行に配置している。シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をマルチモード半導体レーザ3のpn接合面16の接合面方向に対して垂直に配置している。
これに対して各シングルモード半導体レーザ40、41は、それぞれレーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向を偏向走査機構20によって走査される合成レーザビームLcの主走査方向Sm、Smに対して水平に配置している。
走査レンズ8が偏向走査機構20による合成レーザビームLcの主走査方向Sm、Smに設けられている。走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1面上に集光する。
図20は感熱記録媒体1上に集光された合成レーザビームLcのビームプロファイルを示す。合成レーザビームLcは、円形のビームプロファイルPfを有するレーザビームLと、横長形状のビームプロファイルPfを有するレーザビームLと、円形のビームプロファイルPfを有するレーザビームLと、円形のビームプロファイルPfを有するレーザビームLとを含む。各レーザビームL、L、Lは、レーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内に重ね合わされている。各レーザビームL、L、Lの重ね合せの位置は、例えばレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内の略中央部である。
各シングルモード半導体レーザ2、40、41の各レーザ発光部13は、pn接合面14に対して平行、垂直のいずれの方向にも数μm程度の長さしか有しない。従って、各シングルモードレーザビームL、L,Lは、走査レンズ8によって集光することにより各ビームプロファイルPf、Pf、Pfをそれぞれ略円形状に形成することが容易である。
各シングルモードレーザビームL、L,Lは、例えば略円形状に100μm(1/e2)程度に集光することができる。一方、マルチモード半導体レーザ3のレーザ発光部15の形状は、pn接合面16に垂直な方向の長さよりもpn接合面16に平行な方向の長さが長く、しかも50〜200μm程度もある。これにより、走査レンズ8によってマルチモードレーザビームLを集光してビームプロファイルPfを略円形状にすることは困難である。マルチモードレーザビームLは、pn接合面16の方向に横長形状になる。
従って、マルチモードレーザビームL及び各シングルモードレーザビームL、L、Lは、図20に示すように横長形状のビームプロファイルPfの中に略円形の各ビームプロファイルPf、Pf,Pfを重ね合わせて感熱記録媒体1面上に集光される。
偏向走査機構20は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向に合成レーザビームLcを主走査する。これにより、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向は、感熱記録媒体1上における主走査方向Sm、Smと一致する。なお、各シングルモードレーザビームL、L、Lは、マルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPf内における中心部に合成される。なお、各シングルモードレーザビームL、L、Lは、合成位置を一致させているが、図面上では各シングルモードレーザビームL、L、Lの重なり合いが分かり易いようにずらして示している。
各シングルモードレーザビームL、L、Lの中心(パワーのピーク)とマルチモードレーザビームLの中心(パワーのピーク)とは一致する。このような各シングルモードレーザビームL、L、LとマルチモードレーザビームLとの合成であれば、各シングルモードレーザビームL、L、LとマルチモードレーザビームLとの瞬間のパワーピークを合わせることで、エネルギーの利用効率が向上する。なお、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPf内における各シングルモードレーザビームL、L、Lの合成位置は、ビームプロファイルPf内における中心部に限らず、記録条件や環境条件によって可変してもよい。
感熱記録媒体1上に走査される略円形の各ビームプロファイルPf、Pf、Pfは、図20に示すように例えば縦方向のビーム径cと横方向のビーム径cとが共に例えば100μm程度に形成される。横長形状ビームプロファイルPfは、例えば縦方向のビーム径cが例えば100μm程度に形成され、かつ横方向のビーム径dが例えば1mm強に形成されている。
図21はシングルモードレーザビームL、マルチモードレーザビームL、合成レーザビームLcを感熱記録媒体1に照射したときの感熱記録媒体1上の温度と発色・消色等の関係を示す。シングルモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を消色温度T以下の温度まで加熱可能な出力パワーしか有しない。これにより、感熱記録媒体1は発色しない。
一方、マルチモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を発色温度T以下ではあるが消色温度Tまで加熱可能な出力パワーを有する。これにより、マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1に照射したときの温度上昇は、消色温度T以上でかつ発色温度T以下であり、感熱記録媒体1の発色を消色可能な消去領域に温度上昇する。
そして、各シングルモードレーザビームL、L、LをマルチモードレーザビームLに合成した合成レーザビームLcを感熱記録媒体1に照射すると、感熱記録媒体1の印字層は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱される。これにより、合成レーザビームLcは、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の温度上昇を発色温度T以上とし、感熱記録媒体1に対する記録を可能とする。すなわち、各シングルモードレーザビームL、Lは、シングルモードレーザビームL及びマルチモードレーザビームLと合成することにより記録レベルのパワーを増大させる。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13から波長λ(=808nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、pn接合面14の接合面方向と同一方向の偏向方向Sdを有する。シングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ42により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ43に入射する。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15から波長λ(=808nm)のマルチモードレーザビームLを出力する。マルチモードレーザビームLは、pn接合面16の接合面方向と同一方向の偏向方向Sdを有する。マルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ48により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム45に入射する。
これと共に、シングルモード半導体レーザ40は、レーザ発光部13から波長λ(=980nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、pn接合面14の接合面方向と同一方向の偏向方向Sdを有する。シングルモードレーザビームLは、第3のコリメータレンズ44により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム45に入射する。
シングルモード半導体レーザ41は、レーザ発光部13から波長λ(=900nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、pn接合面14の接合面方向と同一方向の偏向方向Sdを有有する。シングルモードレーザビームLは、第4のコリメータレンズ46により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム47に入射する。
ダイクロイックプリズム47は、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを透過すると共に、シングルモード半導体レーザ41から出力されたシングルモードレーザビームLを反射し、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLaを出射する。
ダイクロイックプリズム45は、ダイクロイックプリズム47から出射された重ね合せレーザビームLaを透過すると共に、シングルモード半導体レーザ40から出力されたシングルモードレーザビームLを反射し、重ね合せレーザビームLaとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLbを出力する。これにより、偏光ビームスプリッタ43には、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLと、ダイクロイックプリズム45から出力されたレーザビームLbとが入射する。
偏光ビームスプリッタ43は、例えば図20に示すように各シングルモードレーザビームL、L、Lを反射すると共に、マルチモードレーザビームLを透過する。偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLcは、偏向走査機構20に入射する。
偏向走査機構20は、回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1上において主走査方向Sm、Smに主走査する。
走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1面上に集光される。これにより、感熱記録媒体1面上には、図20に示すようにマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、L、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pf,Pfが重ね合わされて集光される。
ガルバノミラー21の回転軸22は、各シングルモードレーザビームL、L、Lの各偏向方向Sd、Sd、Sdに対して平行で、かつマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdに対して垂直な方向に設けられている。これにより、合成レーザビームLcは、偏向走査機構20によってマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向、すなわち横長形状ビームプロファイルPfに形成されたマルチモードレーザビームLの横長方向と同一方向である主走査方向Sm、Smに主走査される。
先ず、往路の主走査方向Smにおいて、図20に示すように合成レーザビームLcに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける往路先頭領域Eが単独で照射される。往路先頭領域Eは、合成レーザビームLcの往路の主走査方向Smに向かって先頭側の領域である。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、図21に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLcに含まれるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度T以上まで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、既に発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各シングルモードレーザビームL、L、Lの出力を同時にオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
次に、復路の主走査方向Smにおいて、図20に示すように合成レーザビームLcに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける復路先頭領域Eが単独で照射される。この復路先頭領域Eは、合成レーザビームLcの復路の主走査方向Smに向かって先頭側の領域である。このマルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、図21に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度T以上まで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによってマルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の発色した黒色の部分が消色される。これと共に、感熱記録媒体1の印字層におけるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各シングルモードレーザビームL、L、Lの出力を同時にオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
このように上記第7の実施の形態によれば、同じ波長λのシングルモード半導体レーザ2とマルチモード半導体レーザ3とを設けると共に、波長λとは異なる各波長λ、λの各シングルモード半導体レーザ40、41を設け、これらシングルモードレーザビームL、LとマルチモードレーザビームLとを各ダイクロイックプリズム47、45を用いて重ね合せ、重ね合わせたレーザビームLbとシングルモードレーザビームLとを偏光ビームスプリッタ43により合成し、合成レーザビームLcを偏向走査機構20によって感熱記録媒体1面上に主走査する。
これにより、マルチモードレーザビームLに各シングルモードレーザビームL、L、Lを重ね合わせることで高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足を解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードに確保でき、記録スピードの高速化が実現できる。
すなわち、横長形状ビームプロファイルPfに形成されたマルチモードレーザビームLを感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1は、消去モードに加熱される。消去モードに加熱したところに略円形の各ビームプロファイルPf、Pf、Pfに形成された各シングルモードレーザビームL、L、Lを重ね合わせて感熱記録媒体1に照射する。これにより、確実に感熱記録媒体1を発色モードに加熱できる。感熱記録媒体1面上に高解像度の記録を行うことができる。
又、感熱記録媒体1に対して各シングルモードレーザビームL、L、L及びマルチモードレーザビームLを照射して非接触で熱を効率よく与える。これにより1個のシングルモード半導体レーザ2のパワーが小さく、単独で感熱記録媒体1に画像等の情報を記録することができない。単独である1個のマルチモード半導体レーザ3だけでは感熱記録媒体1の消色領域までしか温度を上昇することができない。このような条件であっても、例えば各シングルモード半導体レーザ40、41を設け、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを合成し、この合成レーザビームLcを感熱記録媒体1面上に主走査する。これにより、単独のシングルモード半導体レーザ2だけでは記録できなくても、例えばマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを重ね合わせたレーザパワーで感熱記録媒体1への記録ができる。
各シングルモードレーザビームL、L、LとマルチモードレーザビームLとの重ね合せは、各ダイクロイックプリズム47、45及び偏光ビームスプリッタ43を用いることにより容易に実現できる。
感熱記録媒体1に対して非接触により情報等の記録ができる。これにより、感熱記録媒体1の寿命が大幅に長くできる。しかるに、従来におけるサーマルヘッドを用いた場合のように記録時にサーマルヘッドが感熱記録媒体1に接触することにより記録の品質を低下させることがない。従来のレーザ書き込み型方式によるレーザビームのエネルギー不足が解消できる。さらにラインのサーマルヘッドを用いて記録を行う場合と同程度の記録スピードで感熱記録媒体1への記録ができる。
偏光や波長の違いを利用して例えば各ダイクロイックプリズム45、47や偏光ビームスプリッタ43を用いることによってマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを重ね合わせる。単独のシングルモード半導体レーザ2だけでは記録できなくても、例えばマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを重ね合わせた高いレーザパワーで感熱記録媒体1への記録ができる。単独でのレーザビームのエネルギー不足が解消できる。
各シングルモード半導体レーザ2、40、41は、それぞれpn接合面14に平行、垂直のいずれの方向にも数μm程度のレーザ発光部13を有する。これにより、各シングルモードレーザビームL、L、Lを絞るのが容易である。各シングルモード半導体レーザ2、40、41は、画像等の情報の記録に用いるに好適である。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、pn接合面16に平行な方向の長さが100μm程度と長く、pn接合面16に平行な方向に走査面上でマルチモードレーザビームLを絞り難い。しかしながら、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上において横長形状のビームプロファイルPfに形成される。これにより、マルチモードレーザビームLは、消去用、予熱用として用いることができる。従って、各シングルモード半導体レーザ2、40、41とマルチモード半導体レーザ3との各特長を有効に利用して感熱記録媒体1に対する画像等の情報の記録ができる。
各シングルモードレーザビームL、L、LとマルチモードレーザビームLとは、それぞれ副走査方向Ssの各縦長ビーム径cの長さが略同一である。マルチモードレーザビームLの横長形状ビームプロファイルPf内において、図20に示すように主走査方向Sm、Smの中央部の位置に各シングルモードレーザビームL、L、Lを合成する。これにより、マルチモードレーザビームLのパワーが有効利用できる。
感熱記録媒体1面上に走査するとき、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次にマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが重なって照射された部分に画像等の情報が記録できる。又、感熱記録媒体1面上に単独でマルチモードレーザビームLを照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報が消去できる。マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1面上に照射し、次にマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを重ねて感熱記録媒体1面上に照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報を消去し、新たな情報が記録できる。すなわち、情報の書き換えができる。
又、感熱記録媒体1面上にマルチモードレーザビームLのみを照射し、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを合わせた合成レーザビームLcを照射しなければ、感熱記録媒体1面上の情報を消去することができる。
従って、マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1面上に照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報を消去できる。マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1面上に照射し、次にマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとを重ねて感熱記録媒体1面上に照射すれば、感熱記録媒体1面上の情報を消去し、新たな情報を記録できる。すなわち、情報の書き換えができる。
次に、本発明の第8の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図22は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために図1における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19と、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、2波(λ、λ)を合成するもで、図18に示す装置からシングルモード半導体レーザ41と、第4のコリメータレンズ46と、ダイクロイックプリズム47とを省いた構成である。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13から波長λ(=808nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ42により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ43に入射する。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、レーザ発光部15から波長λ(=808nm)のマルチモードレーザビームLを出力する。マルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ48により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム45に入射する。
これと共に、シングルモード半導体レーザ40は、レーザ発光部13から波長λ(=980nm)のシングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、第3のコリメータレンズ44により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム45に入射する。
ダイクロイックプリズム45は、マルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを透過すると共に、シングルモード半導体レーザ40から出力されたシングルモードレーザビームLを反射し、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLdを出射する。
偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLと、ダイクロイックプリズム45から出射されたレーザビームLdとを入射する。偏光ビームスプリッタ43は、シングルモードレーザビームLを反射し、これと共に、レーザビームLdを透過し、その合成レーザビームLeを出力する。
偏向走査機構20は、回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印f方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLeを感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。
走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された合成レーザビームLeを感熱記録媒体1面上に集光される。これにより、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pfが重ね合わされて集光される。
先ず、往路の主走査方向Smにおいて、合成レーザビームLeに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける往路先頭領域が単独で照射される。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、上記図21に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLeに含まれるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度T以上まで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、各シングルモードレーザビームL、Lの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによってシングルモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の発色した黒色の部分が消色される。これと共に、感熱記録媒体1の印字層におけるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各シングルモードレーザビームL、Lの出力を同時にオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
次に、復路の主走査方向Smにおいては、感熱記録媒体1面上に最初に照射されるのが合成レーザビームLeに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける復路先頭領域であるところが往路の主走査方向Smと相違するだけで、感熱記録媒体1に対する例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録の動作は、往路の主走査方向Smと同様であり、その説明は省略する。
このように上記第8の実施の形態によれば、同じ波長λのシングルモード半導体レーザ40から出力されるシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLとをダイクロイックプリズム45により合成し、このレーザビームLdとシングルモードレーザビームLとを偏光ビームスプリッタ43により合成し、この合成レーザビームLeを偏向走査機構20によって感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。
これにより、上記第8の実施の形態は、上記第7の実施の形態と同様に、マルチモードレーザビームLに各シングルモードレーザビームL、Lを重ね合わせることで高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足を解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードに確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第9の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図23は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために図18における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19と、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、複数の波長(λ〜λn−1)を合成するもで、図1に示す装置に対して複数のシングルモード半導体レーザ50−1〜50−nを設けている。各シングルモード半導体レーザ50−1〜50−nは、それぞれ異なる波長λ〜λn−1の各シングルモードレーザビームL〜Lを出力する。
各シングルモード半導体レーザ50−1〜50−nからそれぞれ出力される各シングルモードレーザビームL〜Lの各進行光路上には、それぞれ各コリメータレンズ51−1〜51−nを介して各ダイクロイックプリズム52−1〜52−nが設けられている。
ダイクロイックプリズム52−1は、波長λ(=980nm)を含む領域に対してのみ高い反射率の特性を持つ。ダイクロイックプリズム52−2は、波長λ(=900nm)を含む領域に対してのみ高い反射率の特性を持つ。各ダイクロイックプリズム52−1〜52−nは、それぞれ各波長λ〜λn−1を含む領域に対してのみ高い反射率の特性を持つ。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
シングルモード半導体レーザ2は、シングルモードレーザビームLを出力する。シングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ42により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ43に入射する。
一方、マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLを出力する。マルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ48により略平行光速に集光されてダイクロイックプリズム45に入射する。
これと共に、シングルモード半導体レーザ50−1〜50−nは、それぞれ異なる波長λ〜λn−1の各シングルモードレーザビームL〜Lを出力する。
各ダイクロイックプリズム52−3〜52−nは、それぞれマルチモード半導体レーザ3から出力されたマルチモードレーザビームLを透過すると共に、各シングルモード半導体レーザ50−1〜50−nから出力された各シングルモードレーザビームL〜Lをそれぞれ重ね合わせ、その重ね合せレーザビームLgを出射する。
偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLと、ダイクロイックプリズム52−1から出射されたレーザビームLgとを入射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ43は、シングルモードレーザビームLを反射し、レーザビームLgのうち各シングルモードレーザビームL〜Lnを透過する。このとき、偏光ビームスプリッタ43は、マルチモードレーザビームLと、各シングルモードレーザビームL、L〜Lnとを合成し、その合成レーザビームLhを出力する。
偏向走査機構20は、偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLhを感熱記録媒体1上において主走査方向Sm、Smに主走査する。これにより、上記同様に、感熱記録媒体1には、例えば文字や記号、絵柄等の情報が記録される。
走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された合成レーザビームLhを感熱記録媒体1面上に集光される。これにより、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、L〜Lnの略円形の各ビームプロファイルPf、Pf〜Pfnが重ね合わされて集光される。
先ず、往路の主走査方向Smにおいて、合成レーザビームLhに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける往路先頭領域が単独で照射される。マルチモードレーザビームLが単独で照射されたときの感熱記録媒体1面上の温度は、上記図21に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
次に、感熱記録媒体1面上には、合成レーザビームLhに含まれるマルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L〜Lnとが合わさって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度T以上まで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、各シングルモードレーザビームL、L〜Lnの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わると、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、既に発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが合わさって照射された部分は、黒色に発色する。
従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各シングルモードレーザビームL、L〜Lnの出力を同時にオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
次に、復路の主走査方向Smにおいては、感熱記録媒体1面上に最初に照射されるのが合成レーザビームLhに含まれるマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfにおける復路先頭領域であるところが往路の主走査方向Smと相違するだけで、感熱記録媒体1に対する例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録の動作は、往路の主走査方向Smと同様であり、その説明は省略する。
このように上記第9の実施の形態によれば、複数のシングルモード半導体レーザ50−1〜50−nを設け、複数の波長(λ〜λn−1)を合成する。これにより、上記第7の実施の形態と同様に、マルチモードレーザビームLに各シングルモードレーザビームL、Lを重ね合わせることで高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードに確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第10の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図24は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために上記図18における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19と、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、2つの半導体レーザビーム出力系60、61を並設した構成である。一方の半導体レーザビーム出力系60は、上記図22に示す非接触光書き込み装置と同一構成である。すなわち、半導体レーザビーム出力系60は、シングルモード半導体レーザ2と、マルチモード半導体レーザ3と、シングルモード半導体レーザ40と、第1のコリメータレンズ42と、第2のコリメータレンズ48と、第3のコリメータレンズ44と、ダイクロイックプリズム45と、偏光ビームスプリッタ43とを有する。
他方の半導体レーザビーム出力系61も上記図22に示す非接触光書き込み装置と同一構成で、シングルモード半導体レーザ2aと、マルチモード半導体レーザ3aと、シングルモード半導体レーザ40aと、第1のコリメータレンズ42aと、第2のコリメータレンズ48aと、第3のコリメータレンズ44aと、ダイクロイックプリズム45aと、偏光ビームスプリッタ43aとを有する。
各半導体レーザビーム出力系60、61は、互いに各光軸を平行に設けている。すなわち、2つのマルチモード半導体レーザ3、3aは、各マルチモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並べられている。各マルチモード半導体レーザ3、3aは、当該マルチモード半導体レーザ3、2aから出力される波長λの各マルチモードレーザビームL、L’の各光軸が平行になるように並設されている。
一方の半導体レーザビーム出力系60の構成は、次の通りである。ダイクロイックプリズム45は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの光路とシングルモード半導体レーザ40から出力されるシングルモードレーザビームLの光路との交点上に設けられている。
偏光ビームスプリッタ43は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの光路とシングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの光路との交点上に設けられている。
他方の半導体レーザビーム出力系61の構成は、次の通りである。ダイクロイックプリズム45aは、マルチモード半導体レーザ3aから出力されるマルチモードレーザビームL’の光路とシングルモード半導体レーザ40aから出力されるシングルモードレーザビームL’の光路との交点上に設けられている。
偏光ビームスプリッタ43aは、マルチモード半導体レーザ3aから出力されるマルチモードレーザビームL’の光路とシングルモード半導体レーザ2aから出力されるシングルモードレーザビームL’の光路との交点上に設けられている。
しかるに、各シングルモード半導体レーザ40、40aは、各ダイクロイックプリズム45、45aを介して対向配置されている。各シングルモード半導体レーザ2、2aは、各ダイクロイックプリズム43、43aを介して対向配置されている。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
一方の半導体レーザビーム出力系60は、上記図22に示す非接触光書き込み装置と同様に、偏光ビームスプリッタ43から2つの波長λ、λの合成レーザビームLeを出射する。合成レーザビームLeは、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせたレーザビームLdに対してシングルモードレーザビームLを合成して成る。
他方の半導体レーザビーム出力系61は、一方の半導体レーザビーム出力系60と同様に、偏光ビームスプリッタ43aから2つの波長λ、λの合成レーザビームLe’を出射する。合成レーザビームLe’は、マルチモードレーザビームL’とシングルモードレーザビームL’とを重ね合わせたレーザビームLd’に対してシングルモードレーザビームL’を合成して成る。
各合成レーザビームLe、Le’は、互いに平行に進行する。
偏向走査機構20は、例えば回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印f方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、各偏光ビームスプリッタ43、43aからそれぞれ出力された各合成レーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された各合成レーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1面上に集光される。
しかるに、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pfが重ね合わされて集光される。
感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLe、Le’を主走査方向Sm、Smに主走査したときの画像等の情報の記録の作用は、上記同様に行われる。すなわち、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、Lの照射が終わる。引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが重なって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
このように上記第10の実施の形態によれば、2つの半導体レーザビーム出力系60、61を並設し、2波合成の2つのレーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1上においてそれぞれ主走査方向Sm、Smに主走査する。これにより、上記第8の実施の形態と同様に、高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードを確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第11の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図25は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために図18における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19と、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、2つの半導体レーザビーム出力系70、71を並設した構成である。一方の半導体レーザビーム出力系70は、図18に示す非接触光書き込み装置と同一構成である。すなわち、半導体レーザビーム出力系70は、シングルモード半導体レーザ2と、マルチモード半導体レーザ3と、各シングルモード半導体レーザ40、41と、第1のコリメータレンズ42と、第2のコリメータレンズ48と、第3のコリメータレンズ44と、第4のコリメータレンズ46と、各ダイクロイックプリズム47、45と、偏光ビームスプリッタ43とを有する。
他方の半導体レーザビーム出力系71も図18に示す非接触光書き込み装置と同一構成である。すなわち、他方の半導体レーザビーム出力系71は、シングルモード半導体レーザ2aと、マルチモード半導体レーザ3aと、各シングルモード半導体レーザ40a、41aと、第1のコリメータレンズ42aと、第2のコリメータレンズ48aと、第3のコリメータレンズ44aと、第4のコリメータレンズ46aと、各ダイクロイックプリズム47a、45aと、偏光ビームスプリッタ43aとを有する。
各半導体レーザビーム出力系70、71は、互いに各光軸を平行に設けている。すなわち、2つのマルチモード半導体レーザ3、3aは、各マルチモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並設されている。各マルチモード半導体レーザ3、3aは、当該各マルチモード半導体レーザ3、3aから出力される波長λの各マルチモードレーザビームL、L’の各光軸が平行になるように並設されている。
一方の半導体レーザビーム出力系70の構成は、次の通りである。ダイクロイックプリズム47は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの光路とシングルモード半導体レーザ41から出力されるシングルモードレーザビームLの光路との交点上に設けられている。
ダイクロイックプリズム45は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの光路とシングルモード半導体レーザ40から出力されるシングルモードレーザビームLの光路との交点上に設けられている。
偏光ビームスプリッタ43は、マルチモード半導体レーザ3から出力されるマルチモードレーザビームLの光路とシングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの光路との交点上に設けられている。
他方の半導体レーザビーム出力系71の構成は、次の通りである。ダイクロイックプリズム47aは、マルチモード半導体レーザ3aから出力されるマルチモードレーザビームL’の光路とシングルモード半導体レーザ41aから出力されるシングルモードレーザビームL’の光路との交点上に設けられている。
ダイクロイックプリズム45aは、マルチモード半導体レーザ3aから出力されるマルチモードレーザビームL’の光路とシングルモード半導体レーザ40aから出力されるシングルモードレーザビームL’の光路との交点上に設けられている。
偏光ビームスプリッタ43aは、マルチモード半導体レーザ3aから出力されるマルチモードレーザビームL’の光路とシングルモード半導体レーザ2aから出力されるシングルモードレーザビームL’の光路との交点上に設けられている。
しかるに、各シングルモード半導体レーザ41、41aは、各ダイクロイックプリズム47、47aを介して対向配置されている。各シングルモード半導体レーザ40、40aは、各ダイクロイックプリズム45、45aを介して対向配置されている。各シングルモード半導体レーザ2、2aは、各ダイクロイックプリズム43、43aを介して対向配置されている。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
一方の半導体レーザビーム出力系70は、上記図18に示す非接触光書き込み装置と同様に、偏光ビームスプリッタ43から3つの波長λ、λ、λの合成レーザビームLcを出力する。合成レーザビームLcは、マルチモードレーザビームLに対して各シングルモードレーザビームL、L、Lを重ね合わせて成る。
他方の半導体レーザビーム出力系71は、一方の半導体レーザビーム出力系70と同様に、偏光ビームスプリッタ43aから3つの波長λ、λ、λの合成レーザビームLc’を出力する。合成レーザビームLc’は、マルチモードレーザビームL’に対して各シングルモードレーザビームL’、L’、L’を重ね合わせて成る。
各合成レーザビームLc、Lc’は、互いに平行に進行する。
偏向走査機構20は、例えば回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印f方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、各偏光ビームスプリッタ43、43aから出力された各合成レーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された各合成レーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1面上に集光される。
しかるに、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、L、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pf、Pfが重ね合わされて集光される。
感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLc、Lc’を主走査方向Sm、Smに主走査したときの画像等の情報の記録の作用は、上記同様に行われる。すなわち、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが重なり合って感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わる。引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
このように上記第11の実施の形態によれば、2つの半導体レーザビーム出力系70、71を並設し、3波合成の2つのレーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1上においてそれぞれ主走査方向Sm、Smに主走査する。これにより、上記第11の実施の形態は、上記第7の実施の形態と同様に、高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードを確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第12の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図26は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために図1における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、2つの半導体レーザビーム出力系80、81を並設した構成である。一方の半導体レーザビーム出力系80は、シングルモード半導体レーザ2と、マルチモード半導体レーザ3と、シングルモード半導体レーザ40と、第1のコリメータレンズ42と、第2のコリメータレンズ48と、第3のコリメータレンズ44と、ダイクロイックプリズム82と、偏光ビームスプリッタ83とを有する。
他方の半導体レーザビーム出力系81は、シングルモード半導体レーザ2aと、マルチモード半導体レーザ3aと、シングルモード半導体レーザ40aと、第1のコリメータレンズ42aと、第2のコリメータレンズ48aと、第3のコリメータレンズ44aと、ダイクロイックプリズム82と、偏光ビームスプリッタ83とを有する。
各半導体レーザビーム出力系80、81は、互いに各光軸を平行に設けている。すなわち、2つのシングルモード半導体レーザ2、2aは、各シングルモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並設している。各シングルモード半導体レーザ2、2aは、当該各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力する波長λの各シングルモードレーザビームL、L’の各光軸を平行にするように並設されている。
各シングルモード半導体レーザ40、40aは、各シングルモード半導体レーザ2、2aと同様に、各シングルモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並設している。各シングルモード半導体レーザ40、40aは、当該各から出力される波長λの各シングルモードレーザビームL、L’の各光軸を平行にするように並設されている。
各マルチモード半導体レーザ3、3aは、各マルチモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並設している。各マルチモード半導体レーザ3、3aは、当該各マルチモード半導体レーザ3、3aから出力される波長λの各マルチモードレーザビームL、L’の各光軸を平行にするように並設されている。
ダイクロイックプリズム82は、2つの半導体レーザビーム出力系80、81において兼用して用いられる。すなわち、ダイクロイックプリズム82は、各マルチモード半導体レーザ3、3aから出力される各マルチモードレーザビームL、L’と、各シングルモード半導体レーザ40、40aから出力される各シングルモードレーザビームL、L’を入射する。ダイクロイックプリズム82は、各マルチモードレーザビームL、L’と、各シングルモードレーザビームL、L’を入射可能な大きさに形成されている。
ダイクロイックプリズム82は、波長λ(=980nm)を含む領域に対してのみ高い反射率の特性15aを持つ。ダイクロイックプリズム82は、各マルチモード半導体レーザ3、3aから出力された各マルチモードレーザビームL、L’をそれぞれ透過する。ダイクロイックプリズム82は、各シングルモード半導体レーザ40、40aからそれぞれ出力された各シングルモードレーザビームL、L’を角度90度方向を変えてそれぞれ反射する。これにより、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとをそれぞれ重ね合わせたレーザビームLdを出射する。これと共に、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームL’とシングルモードレーザビームL’とを重ね合わせたレーザビームLd’を出射する。
偏光ビームスプリッタ83は、各半導体レーザビーム出力系80、81において兼用して用いられる。すなわち、偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力された互いに平行な各シングルモードレーザビームL、L’と、ダイクロイックプリズム82から出射される互いに平行な各レーザビームLd、Ld’とを入射する。偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモードレーザビームL、L’と、各レーザビームLd、Ld’とを入射可能な大きさに形成されている。
偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力された各シングルモードレーザビームL、L’を入射し、各シングルモードレーザビームL、L’をそれぞれ角度90度変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ83は、ダイクロイックプリズム82から出射された各レーザビームLd、Ld’を入射し、各レーザビームLd、Ld’を透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモードレーザビームL、Lと重ね合せレーザビームLd、Ld’とをそれぞれ合成し、各レーザビームLe、Le’を出力する。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
各シングルモード半導体レーザ2、2aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各シングルモードレーザビームL、L’は、偏光ビームスプリッタ83に入射する。
一方、各マルチモード半導体レーザ3、3aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各マルチモードレーザビームL、L’は、ダイクロイックプリズム82に入射する。
これと共に、各シングルモード半導体レーザ40、40aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各シングルモードレーザビームL、L’は、ダイクロイックプリズム82に入射する。
ダイクロイックプリズム82は、各マルチモード半導体レーザ3、3aから出力された各マルチモードレーザビームL、L’をそれぞれ透過すると共に、各シングルモード半導体レーザ40、40aからそれぞれ出力された各シングルモードレーザビームL、L’を90度方向を変えて反射する。このとき、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとを重ね合わせてレーザビームLdとして出射する。これと共に、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームL’とシングルモードレーザビームL’とを重ね合わせてレーザビームLd’として出射する。
偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力された各シングルモードレーザビームL、L’と、ダイクロイックプリズム82から出射された各レーザビームLd、Ld’とを入射する。偏光ビームスプリッタ83は、シングルモード半導体レーザ2から出力されたシングルモードレーザビームLを90度方向を変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ83は、ダイクロイックプリズム82から出射されたレーザビームLdを透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ83は、シングルモードレーザビームLとレーザビームLdとを重ね合わせたレーザビームLeを出力する。
これと共に偏光ビームスプリッタ83は、シングルモード半導体レーザ2aから出力されたシングルモードレーザビームL’を90度方向を変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ83は、ダイクロイックプリズム82から出射されたレーザビームLd’を透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ83は、シングルモードレーザビームL’とレーザビームLd’とを重ね合わせたレーザビームLe’を出力する。
偏向走査機構20は、例えば回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印f方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、各偏光ビームスプリッタ83から出力された各合成レーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された各合成レーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1面上に集光される。
しかるに、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pfが重ね合わされて集光される。
感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLc、Lc’を主走査方向Sm、Smに主走査したときの画像等の情報の記録の作用は、上記同様に行われる。すなわち、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが重なり合って感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、Lの照射が終わる。引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、Lとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
このように上記第12の実施の形態によれば、2つの半導体レーザビーム出力系80、81を並設し、2波合成の2つのレーザビームLe、Le’を感熱記録媒体1上においてそれぞれ主走査方向Sm、Smに主走査する。これにより、上記第12の実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様に、高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードを確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第13の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図26と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図27は非接触光書き込み装置の構成図を示す。同図は、非接触光書き込み装置の構成を明確化するために図18における感熱記録媒体1と、走査レンズ8と、搬送機構19と、偏向走査機構20との図示を省略している。
本実施の形態は、図26に示す非接触光書き込み装置に対して2つのシングルモード半導体レーザ41、41aと、第4のコリメータレンズ46、46aと、ダイクロイックプリズム90とを設けている。又、本実施の形態は、2つの半導体レーザビーム出力系91、92を並設している。
一方の半導体レーザビーム出力系91は、シングルモード半導体レーザ2と、マルチモード半導体レーザ3と、2つのシングルモード半導体レーザ40、41と、第1のコリメータレンズ42と、第2のコリメータレンズ48と、第3のコリメータレンズ44と、第4のコリメータレンズ46と、各ダイクロイックプリズム82、90と、偏光ビームスプリッタ83とを有する。
他方の半導体レーザビーム出力系92は、シングルモード半導体レーザ2aと、マルチモード半導体レーザ3aと、2つのシングルモード半導体レーザ40a、41aと、第1のコリメータレンズ42aと、第2のコリメータレンズ48aと、第3のコリメータレンズ44aと、第4のコリメータレンズ46aと、各ダイクロイックプリズム82、90と、偏光ビームスプリッタ83とを有する。
各ダイクロイックプリズム82、90及び偏光ビームスプリッタ83は、各半導体レーザビーム出力系65、66において兼用である。
各シングルモード半導体レーザ41、41aは、各シングルモードレーザビームL、L’を出力する各出力端部を同一位置に並設している。各シングルモード半導体レーザ41、41aは、当該各シングルモード半導体レーザ41、41aから出力される波長λの各シングルモードレーザビームL、L’の各光軸が平行になるように並設されている。
ダイクロイックプリズム90は、マルチモード半導体レーザ3、3aからそれぞれ出力される各マルチモードレーザビームL、L’を透過する。これと共に、ダイクロイックプリズム90は、2つのシングルモード半導体レーザ41、41aからそれぞれ出力される各シングルモードレーザビームL、L’を90度方向を変えて反射する。これにより、ダイクロイックプリズム90は、各マルチモードレーザビームL、L’と各シングルモードレーザビームL、L’とをそれぞれ重ね合わせて各レーザビームLa、La’を出射する。
ダイクロイックプリズム82は、ダイクロイックプリズム90から出力された各マルチモードレーザビームLa、La’をそれぞれ透過する。ダイクロイックプリズム82は、2つのシングルモード半導体レーザ40、40aからそれぞれ出力された各シングルモードレーザビームL、L’を角度90度方向を変えてそれぞれ反射する。これにより、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームLaとシングルモードレーザビームLとをそれぞれ重ね合わせたレーザビームLbを出射する。これと共に、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームLa’とシングルモードレーザビームL’とを重ね合わせたレーザビームLb’を出射する。
偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力された各シングルモードレーザビームL、L’を入射し、各シングルモードレーザビームL、L’をそれぞれ角度90度変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ83は、ダイクロイックプリズム82から出射された各レーザビームLb、Lb’を入射し、各レーザビームLb、Lb’を透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモードレーザビームL、L’と各レーザビームLb、Lb’とをそれぞれ合成し、各レーザビームLc、Lc’を出力する。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
各マルチモード半導体レーザ3、3aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各マルチモードレーザビームL、L’は、ダイクロイックプリズム92に入射する。
各シングルモード半導体レーザ41、41aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各シングルモードレーザビームL、L’は、ダイクロイックプリズム90に入射する。
ダイクロイックプリズム90は、マルチモード半導体レーザ3、3aからそれぞれ出力される各マルチモードレーザビームL、L’を透過し、これと共に、各シングルモード半導体レーザ41、41aからそれぞれ出力される各シングルモードレーザビームL、L’を90度方向を変えて反射する。これにより、ダイクロイックプリズム90は、各マルチモードレーザビームL、L’と各シングルモードレーザビームL、L’とをそれぞれ重ね合わせて各レーザビームLa、La’を出射する。
又、各シングルモード半導体レーザ40、40aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各シングルモードレーザビームL、L’は、ダイクロイックプリズム82に入射する。
ダイクロイックプリズム82は、ダイクロイックプリズム90から出力された各マルチモードレーザビームLa、La’をそれぞれ透過し、これと共に、各シングルモード半導体レーザ40、40aからそれぞれ出力された各シングルモードレーザビームL、L’を角度90度方向を変えてそれぞれ反射する。これにより、ダイクロイックプリズム82は、マルチモードレーザビームLaとシングルモードレーザビームLとをそれぞれ重ね合わせたレーザビームLbを出射し、かつマルチモードレーザビームLa’とシングルモードレーザビームL’とを重ね合わせたレーザビームLb’を出射する。
又、各シングルモード半導体レーザ2、2aは、それぞれ互いに平行に波長λの各シングルモードレーザビームL、L’を出力する。各シングルモードレーザビームL、L’は、偏光ビームスプリッタ83に入射する。
偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモード半導体レーザ2、2aから出力された各シングルモードレーザビームL、L’を入射し、各シングルモードレーザビームL、L’をそれぞれ角度90度変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ83は、ダイクロイックプリズム82から出射された各レーザビームLb、Lb’を入射し、各レーザビームLb、Lb’を透過する。これにより、偏光ビームスプリッタ83は、各シングルモードレーザビームL、L’と各レーザビームLb、Lb’とをそれぞれ合成し、各レーザビームLc、Lc’を出力する。
偏向走査機構20は、例えば回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印f方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、各偏光ビームスプリッタ83から出力された各合成レーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1面上に主走査方向Sm、Smに主走査する。走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された各合成レーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1面上に集光される。
しかるに、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、L、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pf、Pfが重ね合わされて集光される。
感熱記録媒体1面上に各合成レーザビームLc、Lc’を主走査方向Sm、Smに主走査したときの画像等の情報の記録の作用は、上記同様に行われる。すなわち、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが重なり合って感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わる。引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。
このように上記第13の実施の形態によれば、各半導体レーザビーム出力系90、91を並設し、3波合成の各レーザビームLc、Lc’を感熱記録媒体1上においてそれぞれ主走査方向Sm、Smに主走査する。これにより、上記第13の実施の形態は、上記第7の実施の形態と同様に、高解像度の記録が可能になる。レーザビームのパワーを有効利用して感熱記録媒体1に対する感熱記録時のパワー不足が解消できる。記録スピードを例えばサーマルヘッドを用いた印刷装置と同程度の印刷スピードに確保することができる。記録スピードの高速化が実現できる。
次に、本発明の第14の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図28は非接触光書き込み装置の構成図を示す。偏向走査機構91は、ガルバノミラー21と、回転軸22と、回転駆動部23とを有する。ガルバノミラー21の回転軸22は、上記図18に示す第7の実施の形態における回転駆動部23の回転軸22を例えば角度90°回転した位置に設けられている。回転軸22の回転方向は、偏光ビームスプリッタ5から出力される合成レーザビームLcの進行方向を軸に例えば角度90°回転している。これにより、シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して垂直方向に配置される。マルチモード半導体レーザ3は、発光領域のpn接合面16の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して平行になるように配置される。
偏向走査機構91は、ガルバノミラー21を矢印v方向に繰り返し往復させて振ることにより、合成レーザビームLcを感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復して主走査する。マルチモード半導体レーザ3は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdをガルバノミラー21の回転軸22の方向に対して平行方向に設定される。これにより、偏向走査機構91は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向である主走査方向Sm、Smに合成レーザビームLcを往復走査する。
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について上記第7の実施の形態と相違するところについて説明する。
偏向走査機構91は、ガルバノミラー21を矢印v方向に繰り返し往復させて振る。これにより、合成レーザビームLcは、感熱記録媒体1上において往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとに往復走査される。走査レンズ8は、偏向走査機構91により主走査された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1面上に集光する。これにより、合成レーザビームLcに含まれる各シングルモードレーザビームL、L、Lは、感熱記録媒体1上に円形の各ビームプロファイルPf、Pf、Pfとして形成される。
マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に縦長形状のビームプロファイルPfとして形成される。
感熱記録媒体1面上に合成レーザビームLcを走査するとき、上記同様に、先ず、マルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。次に、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが重なって感熱記録媒体1面上に照射される。次に、各シングルモードレーザビームL、L、Lの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わる。これにより、マルチモードレーザビームLと各シングルモードレーザビームL、L、Lとが合わさって照射された部分に画像等の情報が記録できる。この結果、感熱記録媒体1には、例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。
このように上記第14の実施の形態によれば、ガルバノミラー21の回転軸22を角度90°回転した位置に設けた。これによっても上記第7の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第15の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図29は非接触光書き込み装置の構成図を示す。本実施の形態は、上記図18に示すマルチモード半導体レーザ3と、各シングルモード半導体レーザ40、41と、各コリメータレンズ44、46と、各ダイクロイックプリズム45、47と、コリメータレンズ48との全体を偏光ビームスプリッタ43を介してシングルモード半導体レーザ2に対して対向配置する。
シングルモード半導体レーザ2は、レーザ発光部13のpn接合面14の接合面方向をガルバノミラー21の回転軸22に対して平行に配置している。シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面14の接合面方向と同一方向である。シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、偏光ビームスプリッタ5に対して垂直方向になる。これにより、シングルモードレーザビームLは、偏光ビームスプリッタ43に対してS偏光になる。
マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面16の接合面方向と同一方向である。マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、ガルバノミラー21の回転軸22に対して平行方向になる。マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、偏光ビームスプリッタ5に対して垂直方向になる。これにより従って、マルチモードレーザビームLは、偏光ビームスプリッタ5に対してS偏光になる。
偏光ビームスプリッタ43には、λ/2反射板100と、反射板101とが設けられている。偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるS偏光であるシングルモードレーザビームLの進行方向を90度変えて反射する。これと共に、偏光ビームスプリッタ43は、ダイクロイックプリズム45から出射される重ね合せレーザビームLbの進行方向を90度変えてλ/2反射板100及び反射板101側に反射する。これにより、重ね合せレーザビームLbは、λ/2反射板100を透過し、反射板101で反射し、再びλ/2反射板100を透過する。これにより、重ね合せレーザビームLbは、位相が90度回転し、水平偏光になり、偏光ビームスプリッタ5に対してP偏光になる。しかるに、重ね合せレーザビームLbは、偏光ビームスプリッタ43を透過する。これによって、シングルモードレーザビームLと重ね合せレーザビームLbとが重なる。偏光ビームスプリッタ43は、シングルモードレーザビームLと重ね合せレーザビームLbとを合成して出力する。
偏向走査機構20は、回転駆動部23の駆動により回転軸22を介してガルバノミラー21を矢印g方向に連続して往復回転させる。これにより、偏向走査機構20は、偏光ビームスプリッタ43から出力された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1上において主走査方向Sm、Smに主走査する。
走査レンズ8は、偏向走査機構20により主走査された合成レーザビームLcを感熱記録媒体1面上に集光される。これにより、感熱記録媒体1面上には、図20に示すようにマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfの中に各シングルモードレーザビームL、L、Lの略円形の各ビームプロファイルPf、Pf,Pfが重ね合わされて集光される。マルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPfは、感熱記録媒体1上の主走査方向Sm、Smに対して横長である。
このように上記第15の実施の形態によれば、マルチモード半導体レーザ3と、各シングルモード半導体レーザ40、41と、各コリメータレンズ44、46と、各ダイクロイックプリズム45、47と、コリメータレンズ48との全体を偏光ビームスプリッタ43を介してシングルモード半導体レーザ2に対して対向配置する。これによっても上記第7の実施の形態と同様の効果を奏することができることは言うまでもない。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、下記の通り変形してもよい。
又、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記第1の実施の形態において、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを感熱記録媒体1に照射したときの媒体温度と発色・消色との関係は、次のように設定してもよい。図30はシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを感熱記録媒体1に照射したときの媒体温度と発色・消色との関係を示す。シングルモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度の加熱するパワー及びビーム径を有する。これにより、シングルモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1に照射したときの温度上昇は、消色温度T以上でかつ発色温度T以下である。
一方、マルチモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1を消色温度T以下の温度に加熱するパワー及びビーム径を有する。これにより、マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1に照射したときの温度上昇は、消色温度T以下である。
従って、シングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを合成した合成レーザビームLを感熱記録媒体1に照射すると、感熱記録媒体1は、発色温度T以上に加熱される。これにより、感熱記録媒体1に対して画像等の情報の記録が可能となる。
上記第3及び第4の実施の形態は、2つのシングルモード半導体レーザ2、1を設け、2つのマルチモード半導体レーザ3、2を設けている。これに限らず、シングルモード半導体レーザ2及びマルチモード半導体レーザ3は、それぞれ2つ以上、複数設けてもよいことは言うまでもない。
偏向走査機構7は、ポリゴンミラー10を用いている。偏向走査機構20は、ガルバノミラー21を用いている。これに限らず、各偏向走査機構7、20は、他の偏向機を用いても良い。
例えば、各シングルモード半導体レーザ40、40a、41、41a、50−1〜50−nは、シングルモードとしているが、これに限らず、マルチモード半導体レーザに代えてもよい。この場合、例えば、図18において偏光ビームスプリッタ43は、シングルモード半導体レーザ2から出力されるシングルモードレーザビームLを反射又は透過すると共に、ダイクロイックプリズム45から出射される重ね合せレーザビームLbを透過又は反射することによってシングルモードレーザビームLと重ね合せレーザビームLbとを重ねて合成する。走査レンズ8は、偏向走査機構20からの合成レーザビームLcを感熱記録媒体1上に集光することにより重ね合せレーザビームLbの各ビームプロファイルを横長形状又は縦長形状に形成し、かつ当該ビームプロファイル内にシングルモードレーザビームLのビームプロファイルを集光する。
又、ダイクロイックプリズム47、45、45a、52−1〜52−n、82、84は、ダイクロイックミラーに代えてもよい。
図24乃至図25は、2つの半導体レーザビーム出力系60、61と、70、71と、80、81と、91、92とを設けているが、2以上の半導体レーザビーム出力系を設けてもよい。
図26及び図27は、それぞれ2つの各シングルモード半導体レーザ2、2aと、40、40aと、41、41aと、各マルチモード半導体レーザ3、3aをそれぞれ設けているが、2以上のシングルモード半導体レーザとマルチモード半導体レーザとを設けてもよい。
上記各実施の形態において各コリメータレンズ4、9、42、42a、44、44a、48、48a、51−1〜51−nは、シングルモードレーザビームLやマルチモードレーザビームL等の各レーザビームを略平行状態に集光している。これに限らず、各コリメータレンズ4、9、42、42a、44、44a、48、48a、51−1〜51−nは、感熱記録紙媒体1上で結像するように集光させてもよい。この場合、走査レンズ8は、無くてもよい。
本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す構成図。 同装置におけるシングルモード半導体レーザの構成図。 同装置におけるマルチモード半導体レーザの構成図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 同装置における感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。 同装置におけるシングルモードレーザビーム及びマルチモードレーザビームを感熱記録媒体に照射したときの媒体温度と発色・消色等の関係を示す図。 同装置におけるビームスポット位置可変機構の作用を示す図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す構成図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第3の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第4の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第5の実施の形態を示す構成図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 同装置により合成したシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとの感熱記録媒体面上のビームプロファイルを示す図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第6の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第7の実施の形態を示す構成図。 同装置における各ダイクロイックプリズムの波長に対する反射率の特性を示す図。 同装置により感熱記録媒体上に集光された合成レーザビームのビームプロファイルを示す図。 同装置における各シングルモードレーザビーム及びマルチモードレーザビームを感熱記録媒体に照射したときの媒体温度と発色・消色等の関係を示す図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第8の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第9の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第10の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第11の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第12の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第13の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第14の実施の形態を示す構成図。 本発明に係る非接触光書き込み装置の第15の実施の形態を示す構成図。 本発明装置におけるシングルモードレーザビーム及びマルチモードレーザビームを感熱記録媒体に照射したときの媒体温度と発色・消色等の他の関係を示す図。
符号の説明
1:感熱記録媒体、2,2a,40a:シングルモード半導体レーザ、3,3a,3b:マルチモード半導体レーザ、4:コリメータレンズ、5:偏光ビームスプリッタ、7:偏向走査機構、8:走査レンズ、9:コリメータレンズ、10:ポリゴンミラー、11:回転軸、12:回転駆動部、13:レーザ発光部、14:pn接合面(活性層の接合面)、15:レーザ発光部、16:pn接合面(活性層の接合面)、17,17a,17b:マウント、18:ビームスポット位置可変機構、19:搬送機構、20:偏向走査機構、21:ガルバノミラー、22:回転軸、23:回転駆動部、30:偏向走査機構、40,41:シングルモード半導体レーザ、42:第1のコリメータレンズ、42a:第1のコリメータレンズ、43,43a:偏光ビームスプリッタ、44:第3のコリメータレンズ、44a:第3のコリメータレンズ、45,45a:ダイクロイックプリズム、46:第4のコリメータレンズ、47:ダイクロイックプリズム、48:第2のコリメータレンズ、48a:第2のコリメータレンズ、50−1〜50−n:シングルモード半導体レーザ、51−1〜51−n:コリメータレンズ、52−1〜52−n:ダイクロイックプリズム、60,61,70,71,80,81,90,91:半導体レーザビーム出力系、82:ダイクロイックプリズム、83:偏光ビームスプリッタ、90:ダイクロイックプリズム、91:偏向走査機構、100:λ/2反射板、101:反射板。

Claims (14)

  1. 第1の半導体レーザビームを出力する第1の半導体レーザと、
    前記第1の半導体レーザビームを集光する第1の集光レンズと、
    第2の半導体レーザビームを出力する第2の半導体レーザと、
    前記第2の半導体レーザビームを集光する第2の集光レンズと、
    前記第1の集光レンズにより集光された前記第1の半導体レーザビームと前記第2の集光レンズにより集光された前記第2の半導体レーザビームとを合成して出力するレーザビーム合成素子と、
    常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体面上に、前記レーザビーム合成素子から出力された前記合成半導体レーザビームを走査する偏向走査機構と、
    を具備し、
    前記第1の半導体レーザは、前記第1の半導体レーザビームを出力する活性層の接合面を有し、
    前記第2の半導体レーザは、前記第2の半導体レーザビームを出力する活性層の接合面を有し、
    前記第1の半導体レーザの前記接合面の方向及び前記第2の半導体レーザの前記接合面の方向は、前記偏向走査機構による前記合成半導体レーザビームの走査方向に対して垂直又は平行であり、
    前記第1の半導体レーザビームは、前記感熱記録媒体を前記消色温度以下の温度に加熱可能な出力パワー又は前記感熱記録媒体に照射することにより前記感熱記録媒体を前記消色温度まで加熱可能な出力パワーのいずれか一方を有し、
    前記第2の半導体レーザビームは、前記感熱記録媒体に照射することにより前記感熱記録媒体を前記消色温度まで加熱可能な出力パワー又は前記感熱記録媒体を前記消色温度以下の温度に加熱可能な出力パワーのいずれか一方を有し、
    前記第1の半導体レーザビームと前記第2のモード半導体レーザビームとを合成して前記感熱記録媒体に照射することにより前記感熱記録媒体を前記発色温度まで加熱可能な出力パワーを有する、
    ことを特徴とする非接触光書き込み装置。
  2. 前記レーザビーム合成素子は、前記第1の半導体レーザから出力された前記第1の半導体レーザビーム及び前記第2の半導体レーザから出力された前記第2の半導体レーザビームを透過又は反射し、前記第1の半導体レーザビームと前記第2の半導体レーザビームとを合成して出力する偏光ビームスプリッタを有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
  3. 前記第1の半導体レーザは、シングルモード半導体であり、
    前記第2の半導体レーザは、マルチモード半導体であり、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第1の半導体レーザから出力された前記第1の半導体レーザビーム及び前記第2の半導体レーザから出力された前記第2の半導体レーザビームを透過又は反射し、前記偏向走査機構の走査方向に対して前記第2の半導体レーザビームの横長形状ビームプロファイル又は縦長形状ビームプロファイル内に前記第1の半導体レーザビームのビームプロファイルを重ねて合成する
    ことを特徴とする請求項2記載の非接触光書き込み装置。
  4. 前記第1の半導体レーザは、シングルモード半導体であり、
    前記第2の半導体レーザは、マルチモード半導体であり、
    前記第1の半導体レーザは、前記接合面の方向を前記偏向走査機構によって走査される前記合成半導体レーザビームの走査方向に対して垂直に設けられ、
    前記第2の半導体レーザは、前記接合面の方向を前記偏向走査機構によって走査される前記合成半導体レーザビームの走査方向に対して平行に設けられ、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第1の半導体レーザビームを反射すると共に、前記第2の半導体レーザビームを透過することによって、前記偏向走査機構の走査方向に対して前記第2の半導体レーザビームの横長形状ビームプロファイル内に前記第1の半導体レーザビームのビームプロファイルを重ねて合成し、
    前記偏向走査機構は、前記偏光ビームスプリッタから出力された前記合成半導体レーザビームを前記第2の半導体レーザビームの偏光方向と同一方向に走査する、
    ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
  5. 前記走査レンズにより前記感熱記録媒体上に集光される前記横長形状のビームプロファイル内における前記第1の半導体レーザビームのビームプロファイルの合成位置を可変するビームスポット位置可変機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
  6. 前記偏光走査機構は、前記走査レンズを通して前記合成半導体レーザビームを前記感熱記録媒体1面上に走査することにより先ず、前記合成半導体レーザビームに含まれる前記第1の半導体レーザビームを単独で前記感熱記録媒体面上に照射し、次に、前記合成半導体レーザビームに含まれる前記第1と前記第2の半導体レーザビームとを重ねて照射し、次に、前記第1の半導体レーザビームの照射を終了し、次に、前記第2の半導体レーザビームの照射を終了する、
    ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
  7. 前記第1及び前記第2の半導体レーザビームの前記波長と異なる波長の第3の半導体レーザビームを出力する少なくとも1つの第3の半導体レーザを有し、
    前記第1の半導体レーザは、前記第2の半導体レーザから出力される前記第2の半導体レーザビームの波長と同一波長の第1の半導体レーザビームを出力し、
    前記第3の半導体レーザは、前記第3の半導体レーザビームを出力する活性層の接合面を有し、
    前記第1の半導体レーザにおける前記接合面の方向、前記第2の半導体レーザにおける前記接合面の方向及び前記第3の半導体レーザにおける前記接合面の方向は、前記偏向走査機構による前記合成半導体レーザビームの走査方向に対して平行又は垂直であり、
    前記レーザビーム合成素子は、色合成素子と、偏光ビームスプリッタとを有し、
    前記色合成素子は、前記第2の半導体レーザから出力された前記第2の半導体レーザビームと前記第3の半導体レーザから出力された前記第3の半導体レーザビームを重ねて出力し、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第2の半導体レーザビームの波長と同一波長の第1の半導体レーザビーム及び前記色合成素子から出力された半導体レーザビームを反射又は透過し、前記第1の半導体レーザから出力された前記第1の半導体レーザビームと前記色合成素子から出力された前記半導体レーザビームとを合成する、
    ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
  8. 前記色合成素子は、少なくとも1つのダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーを有することを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
  9. 前記ダイクロイックプリズム又は前記ダイクロイックミラーは、前記第3の半導体レーザから出力された前記第3の半導体レーザビームの前記波長に対して高い反射率を有し、前記第2の半導体レーザから出力された前記第2の半導体レーザビームを透過し、前記第3の半導体レーザから出力された前記第3の半導体レーザビームを反射することによって前記第2の半導体レーザビームと前記第3の半導体レーザビームを重ねて出力する、
    ことを特徴とする請求項8記載の非接触光書き込み装置。
  10. 前記第3の半導体レーザは、複数設けられ、それぞれ前記第1及び前記第2の半導体レーザビームの前記波長とそれぞれ異なる波長の前記第3の半導体レーザビームを出力し、
    複数の前記ダイクロイックプリズム又は前記ダイクロイックミラーは、前記複数の第3の半導体レーザビームの1つの波長に対して高い反射率を有する、
    ことを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み装置。
  11. 前記第2の半導体レーザは、マルチモード半導体レーザであり、
    前記第2の半導体レーザビームの波長と同一波長の前記第1の半導体レーザビームを出力する第1の半導体レーザは、シングルモード半導体レーザであり、
    前記第1及び前記第2の半導体レーザビームの前記波長とそれぞれ異なる波長の前記第3の半導体レーザビームを出力する前記第3の半導体レーザは、シングルモード半導体レーザであり、
    前記色合成素子は、前記第2の半導体レーザから出力された前記第2の半導体レーザビームを透過し、前記第3の半導体レーザから出力された前記第3の半導体レーザビームを反射し、前記偏向走査機構の走査方向に対して前記第2の半導体レーザビームの横長形状又は縦長形状のビームプロファイル内に前記第3の半導体レーザビームのビームプロファイルを重ねて出力し、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第1の半導体レーザビーム及び前記色合成素子から出力された前記半導体レーザビームを反射又は透過し、前記色合成素子から出力された前記半導体レーザビームにおける前記第2の半導体レーザビームの横長形状又は縦長形状のビームプロファイル内に前記第1の半導体レーザビームのビームプロファイルを重ねて合成する、
    ことを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
  12. 前記第1の半導体レーザと、前記第2の半導体レーザと、前記第3の半導体レーザと、前記色合成素子と、前記偏光ビームスプリッタとから成る半導体レーザビーム出力系を複数形成し、
    前記複数の半導体レーザビーム出力系は、それぞれ複数の前記合成半導体レーザビームを互いに平行に出力する、
    ことを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
  13. 前記複数の半導体レーザビーム出力系は、前記偏向走査機構による前記走査方向と同一方向に前記各合成半導体レーザビームを平行に並べて出力することを特徴とする請求項12記載の非接触光書き込み装置。
  14. 前記第1の半導体レーザと前記第2の半導体レーザと前記第3の半導体レーザとは、それぞれ少なくとも2つ互いに近接して並設され、
    前記色合成素子は、少なくとも1つダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーを有し、
    前記ダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーは、前記各第2の半導体レーザから出力された前記各第2の半導体レーザビーム及び前記各第3の半導体レーザから出力された前記各第3の半導体レーザビームをそれぞれ別の各光軸上で透過又は反射することによって前記各第2の半導体レーザビームと前記各第3の半導体レーザビームをそれぞれ重ね合わせ、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記各第1の半導体レーザから出力された前記各第1の半導体レーザビーム及び前記色合成素子から出力された前記半導体レーザビームをそれぞれ別の各光軸上で反射又は透過することによって前記第1乃至前記第3の半導体レーザビームを合成してそれぞれ別の前記各光軸上で出力する、
    ことを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
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WO2024090063A1 (ja) * 2022-10-26 2024-05-02 ソニーグループ株式会社 描画装置、および描画物の形成方法

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