JP2008230076A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光沢度に優れるとともに、染料インク及び顔料インクのいずれを用いても印字適性に優れたインクジェット用記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を1層設けたインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記合成非晶質シリカはその細孔径分布において20〜40nmの間にピークを有し、さらに前記合成非晶質シリカは前記顔料中に45〜70質量%の割合で含有される。結着剤はポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を1層設けたインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記合成非晶質シリカはその細孔径分布において20〜40nmの間にピークを有し、さらに前記合成非晶質シリカは前記顔料中に45〜70質量%の割合で含有される。結着剤はポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明はインクジェット記録方式にて印字を行う記録媒体に関し、特に染料インク、顔料インクのいずれを用いても良好な記録画像を得ることができる、インクジェット用記録媒体に関する。
インクジェット用記録媒体は、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料と結着剤を含有するインク受理層を設けた構成になっていて、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。そして、近年のインクジェットプリンターの目覚しい進歩や、デジタルカメラの著しい普及により、インクジェット用記録媒体に要求される品質も年々高くなってきている。
ところで、インクジェット記録方式に用いる記録媒体は、いわゆる上質紙・PPC用紙に似た風合いの普通紙タイプのものと、インク受理層を有することが明らかにわかる塗工紙タイプのものに大別される。さらに塗工紙タイプの記録媒体は、インク受理層に光沢を有するグロスタイプと、光沢を有さないマットタイプとに大別される。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においては、品質要求が厳しく、技術開発が活発に行われている。
そして、このような光沢インクジェット用記録媒体に要求される品質特性としては、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと等が挙げられる。これら特性を向上するためには、インク受理層の改善が必要となってくる。例えば、インク受理層を1層以上の層構成とし、少なくとも1層のインク受理層が300nm以下の平均粒径を有するコロイド粒子とカチオン性樹脂とを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。又、キャスト塗工層中に、(1)1次粒子の平均粒子径が3〜40nmで、2次粒子の平均粒子径が10〜400nmであるシリカ微細粒子と、(2)平均粒子径が200nm以下のコロイダルシリカとを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、近年、顔料の分散技術が発達したことで、顔料を色材とした顔料インクが普及しつつある。顔料インクで画像を記録すると保存性は良好であるが、染料インク用に設計された従来のインクジェット記録用紙に印字を行った場合、画像の発色性が劣ったり、色材(顔料)が記録紙表面から欠落するという問題がある。この問題を解決するために、染料インクと顔料インクのいずれを用いても、良好な記録画像を得られる記録媒体が報告されている(特許文献3参照)。この技術においては、例えば、平均粒子径5〜20μmの非晶質シリカと、鹸化度90.0〜97.0mol%且つ重合度1000〜3500のポリビニルアルコールとを含有し、該非晶質シリカとポリビニルアルコールの構成質量比が100/100〜100/20であるインク受理層を設ける点が開示されている。
また、インク受理層表面の20度鏡面光沢度が2〜18%で、像鮮明度光沢が20以下である顔料インク用インクジェット用記録媒体が開示されている(特許文献4参照)。
また、インク受理層表面の20度鏡面光沢度が2〜18%で、像鮮明度光沢が20以下である顔料インク用インクジェット用記録媒体が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、上記した各技術においては、染料インク、顔料インクのいずれを用いても充分に高い画像濃度でムラの無いインクジェット記録用紙はいまだ得られていない。例えば、特許文献1、2記載の技術の場合、高光沢な記録媒体は得られるものの、顔料インクで印字した際の発色性が低いという問題がある。また、特許文献3に記載されているインクジェット記録シートにおいては、染料インクと顔料インクのいずれを用いて印字した場合も、発色性は満足できるものではない。特許文献4記載の技術の場合、顔料インクの発色や定着性が良好な記録媒体を得るため、平均粒子直径を1μm以下の顔料を用い、インク受理層の光沢度や表面粗さを調整しているが、染料インクで印字した際の発色性(印字濃度)や吸収性に問題がある。また、顔料適性にすぐれているインクジェット用記録の何れの文献もアンダー層を含み二層構造が主であり(特許文献5参照)、原紙に直接インク受理層の1層構造にすると吸収容量が著しく低下し、インク吸収性が悪くなる傾向が有り、顔料インクでは顕著に画像にムラ状で現れる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、光沢度に優れるとともに、染料インク及び顔料インクのいずれを用いても印字適性(印字濃度、インク吸収性等)に優れたインクジェット用記録媒体の提供を目的とする。
本発明者等は種々検討を行った結果、インク受理層中の顔料として以下のコロイダルシリカと湿式法で製造された合成非晶質シリカを用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を一層設けたインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと湿式法で製造され、かつその細孔径分布において、20〜40nmの間にピークを持つ合成非晶質シリカとを含有し、その細孔径が20〜40nmにピークを持ち、さらに前記合成非晶質シリカを前記顔料中に45〜70質量%の割合で含有するインクジェット記録媒体である。
すなわち、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を一層設けたインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと湿式法で製造され、かつその細孔径分布において、20〜40nmの間にピークを持つ合成非晶質シリカとを含有し、その細孔径が20〜40nmにピークを持ち、さらに前記合成非晶質シリカを前記顔料中に45〜70質量%の割合で含有するインクジェット記録媒体である。
本発明によれば、光沢度に優れるとともに、染料インク及び顔料インクのいずれを用いても印字適性に優れたインクジェット用記録媒体が得られる。また、インク受理層を一層とすることで、乾燥付加が軽減し、塗工スピードが上がるため、生産性が向上する。また、断裁作業時の紙紛が軽減する、製品の軽量化が可能となり、ラベル用途など加工品に適する。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を一層設けたものである。
(支持体)
本発明に使用される支持体は、シート状のものであればいずれのものを用いることが可能であるが、透気性を有するものが好ましい。例えば塗工紙、未塗工紙等の紙を、支持体に好適に用いることができる。前記紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、不透明度を向上させるため、前記紙中に填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂微粒子等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。操業性の点から、前記紙の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から紙のステキヒトサイズ度は5秒以上であることが望ましい。
本発明に使用される支持体は、シート状のものであればいずれのものを用いることが可能であるが、透気性を有するものが好ましい。例えば塗工紙、未塗工紙等の紙を、支持体に好適に用いることができる。前記紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、不透明度を向上させるため、前記紙中に填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂微粒子等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。操業性の点から、前記紙の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から紙のステキヒトサイズ度は5秒以上であることが望ましい。
(インク受理層の顔料)
本発明においてインク受理層の顔料は、後述するコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有する。
1.コロイダルシリカ
本発明において、コロイダルシリカの一次粒子径を5〜55nm、好ましくは10〜40nmとする。一次粒子径が5nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にインク発色性の低下が大きくなる。一次粒子径が55nmを超えると、粒子間の空隙が増えてインク受理層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大するため、染料インクでインクジェット記録した際の発色性が低下する。
本発明においてインク受理層の顔料は、後述するコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有する。
1.コロイダルシリカ
本発明において、コロイダルシリカの一次粒子径を5〜55nm、好ましくは10〜40nmとする。一次粒子径が5nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にインク発色性の低下が大きくなる。一次粒子径が55nmを超えると、粒子間の空隙が増えてインク受理層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大するため、染料インクでインクジェット記録した際の発色性が低下する。
前記コロイダルシリカは、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって一次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールすることが好ましい。
2.合成非晶質シリカ
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「湿式法シリカ」という)と乾式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「気相法シリカ」という)に大別できる。湿式法シリカは顔料の透明性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べ、湿式法シリカは液への分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層の顔料として、湿式法シリカを用いると、インク受理層中の顔料比率を高くしてインク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できると考えられる。
又、湿式法シリカとしては、ゲル法で製造した「ゲル法シリカ」と、沈降法で製造した「沈降法シリカ」とがある。インク受理層の顔料としては、ゲル法シリカと沈降法シリカのいずれを単独で用いてもよく、これらを併用してもよいが、沈降法シリカを用いるとインク吸収性がより向上するので好ましい。
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「湿式法シリカ」という)と乾式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「気相法シリカ」という)に大別できる。湿式法シリカは顔料の透明性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べ、湿式法シリカは液への分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層の顔料として、湿式法シリカを用いると、インク受理層中の顔料比率を高くしてインク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できると考えられる。
又、湿式法シリカとしては、ゲル法で製造した「ゲル法シリカ」と、沈降法で製造した「沈降法シリカ」とがある。インク受理層の顔料としては、ゲル法シリカと沈降法シリカのいずれを単独で用いてもよく、これらを併用してもよいが、沈降法シリカを用いるとインク吸収性がより向上するので好ましい。
高い光沢感を得るという点から、合成非晶質シリカの好ましい2次粒子径は1〜5μmである。また、BET比表面積は150〜500m2/gであることが好ましい。比表面積が大きくなると発色性が低下する傾向にある。
本発明の合成非晶質シリカは、細孔径分布において20〜40nmにピークを持つ。なお、細孔径分布は窒素吸着法で測定することができる。細孔径分布のピークが20nm未満である合成非晶質シリカを用いた場合は、染料インクの吸収性が不十分となる傾向があり、また、合成非晶質シリカの細孔径分布のピークが70nmを超えると、光沢度や発色性が不十分となる傾向があり、さらに、インク受理層を塗工する際の操業性が低下する場合がある。
本発明の合成非晶質シリカは、細孔径分布において20〜40nmにピークを持つ。なお、細孔径分布は窒素吸着法で測定することができる。細孔径分布のピークが20nm未満である合成非晶質シリカを用いた場合は、染料インクの吸収性が不十分となる傾向があり、また、合成非晶質シリカの細孔径分布のピークが70nmを超えると、光沢度や発色性が不十分となる傾向があり、さらに、インク受理層を塗工する際の操業性が低下する場合がある。
また、本発明の合成非晶質シリカはインク受理層の全顔料中に45〜70質量%の割合で配合される。前記配合割合は40〜60部であることがより好ましい。45部未満では顔料インクでの画像部のムラが見られ、70部を超えると、光沢性、染料インクの発色性が低下する傾向があり、さらに、インク受理層を塗工する際の操業性が低下する場合がある。
本発明においては、インク受理層中に湿式法シリカと気相法シリカの両者を含有することが好ましい。理由は明らかではないが、気相法シリカを含有させるとインク受理層のインクの濡れが良好となるため、ベタ印字した際のムラが改善される傾向にある。なお、上記合成非晶質シリカとして気相法シリカのみを用いた場合は、インク受理層を塗工する際の操業性が低下する場合がある。
4.その他の顔料
さらに、インクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で例えば水酸化アルミニウム、アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等のアルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)、アルミナ水和物、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等の他の顔料をインク受理層に含有させてもよい。これらの顔料の配合割合は、インク受理層の全顔料に対して10質量%以下とすることが好ましい。
さらに、インクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で例えば水酸化アルミニウム、アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等のアルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)、アルミナ水和物、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等の他の顔料をインク受理層に含有させてもよい。これらの顔料の配合割合は、インク受理層の全顔料に対して10質量%以下とすることが好ましい。
(インク受理層の結着剤)
本発明においては、インク受理層用結着剤として、皮膜形成が可能な高分子化合物を用いることができる。このような結着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;カゼイン;ゼラチン;大豆タンパク;スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂及びこれらの誘導体等を単独あるいは併用して用いることができる。
インク受理層において、結着剤の合計配合量は、顔料100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましいが、必要な塗工層強度が得られる限り、特に限定されるものではない。結着剤の配合量が多くなると、顔料インクの発色性は向上するが、インク吸収性が低下する傾向にある。
本発明においては、インク受理層用結着剤として、皮膜形成が可能な高分子化合物を用いることができる。このような結着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;カゼイン;ゼラチン;大豆タンパク;スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂及びこれらの誘導体等を単独あるいは併用して用いることができる。
インク受理層において、結着剤の合計配合量は、顔料100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましいが、必要な塗工層強度が得られる限り、特に限定されるものではない。結着剤の配合量が多くなると、顔料インクの発色性は向上するが、インク吸収性が低下する傾向にある。
1.ポリビニルアルコール
本発明においては、インク受理層の結着剤として、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。ポリビニルアルコールは、いずれのタイプのものを使用してもよく、例えば、ケン化度が98%未満のもの、及びケン化度が98%以上のものを単独で使用し、又は併用することができる。又、ケン化度が98%未満のもの、又は98%以上のものの中から、2種類以上のポリビニルアルコールを併用することもできる。ここで、ケン化度が98%未満のものは、部分ケン化ポリビニルアルコールや中間ケン化ポリビニルアルコールと呼ばれる。ケン化度が98%以上のものは、完全ケン化ポリビニルアルコールと呼ばれる。
本発明においては、インク受理層の結着剤として、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。ポリビニルアルコールは、いずれのタイプのものを使用してもよく、例えば、ケン化度が98%未満のもの、及びケン化度が98%以上のものを単独で使用し、又は併用することができる。又、ケン化度が98%未満のもの、又は98%以上のものの中から、2種類以上のポリビニルアルコールを併用することもできる。ここで、ケン化度が98%未満のものは、部分ケン化ポリビニルアルコールや中間ケン化ポリビニルアルコールと呼ばれる。ケン化度が98%以上のものは、完全ケン化ポリビニルアルコールと呼ばれる。
2.ポリビニルアルコールのケン化度
ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど、インク吸収性が向上する傾向にある。この理由は、ケン化度が低いほどポリビニルアルコールの親水性が高く、インクの吸収性も良好となるためと考えられる。また、ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど、発色性が向上する傾向にある。この理由としては、ケン化度が低いほど透明性が高く、そのため塗工層の透明性が高くなり、印字濃度が向上するためと考えられる。
ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど、インク吸収性が向上する傾向にある。この理由は、ケン化度が低いほどポリビニルアルコールの親水性が高く、インクの吸収性も良好となるためと考えられる。また、ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど、発色性が向上する傾向にある。この理由としては、ケン化度が低いほど透明性が高く、そのため塗工層の透明性が高くなり、印字濃度が向上するためと考えられる。
一方、ケン化度が低いほど、塗料安定性が劣る傾向にあり、経時により塗工液が増粘(ひどい時にはプリン状にゲル化)する場合がある。この理由は、ケン化度が低いほど、シリカ(上記した湿式法シリカ及びコロイダルシリカ)との相互作用が強くなるためと考えられる。このため、ポリビニルアルコールのケン化度は80%以上であることが好ましい。
又、上記したように、ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど印字適性が向上し、ケン化度が低いほど操業性が向上するので、印字適性及び操業性を両立させる場合には、ケン化度が98%未満のもの、及びケン化度が98%以上のものを所定の配合割合で混合して用いることが好ましい。
又、上記したように、ポリビニルアルコールのケン化度が低いほど印字適性が向上し、ケン化度が低いほど操業性が向上するので、印字適性及び操業性を両立させる場合には、ケン化度が98%未満のもの、及びケン化度が98%以上のものを所定の配合割合で混合して用いることが好ましい。
3.ポリビニルアルコールの重合度
又、ポリビニルアルコールの重合度が高くなると、顔料インク印字時の印字濃度が向上する一方、染料インクで印字した際のインク吸収性が劣る傾向にある。顔料インクの印字濃度が向上する理由としては、ポリビニルアルコールの重合度が高いほどインク受理層表面に残り易くなり、そのためインク受理層の柔軟性が高くなってクラック(ひび割れ)が低減することが考えられる。そして、インク受理層のクラックが低減すると、インク中の着色顔料がインク受理層表面に留まり易くなり、顔料インクの発色性(印字濃度)が向上すると考えられる。一方、ポリビニルアルコールの重合度が高くなると、インク溶媒と接触した際のポリビニルアルコールの溶解性が悪くなり、染料インクのインク吸収性が低下すると考えられる。
又、ポリビニルアルコールの重合度が高くなると、顔料インク印字時の印字濃度が向上する一方、染料インクで印字した際のインク吸収性が劣る傾向にある。顔料インクの印字濃度が向上する理由としては、ポリビニルアルコールの重合度が高いほどインク受理層表面に残り易くなり、そのためインク受理層の柔軟性が高くなってクラック(ひび割れ)が低減することが考えられる。そして、インク受理層のクラックが低減すると、インク中の着色顔料がインク受理層表面に留まり易くなり、顔料インクの発色性(印字濃度)が向上すると考えられる。一方、ポリビニルアルコールの重合度が高くなると、インク溶媒と接触した際のポリビニルアルコールの溶解性が悪くなり、染料インクのインク吸収性が低下すると考えられる。
以上のことから、顔料インクの発色性を向上する点からはポリビニルアルコールの重合度が2000以上であることが好ましく、染料インクのインク吸収性を向上する点からはポリビニルアルコールの重合度が2000未満であることが好ましい。
さらに、顔料インクの発色性と染料インクのインク吸収性とを共に向上させるために、重合度2000以上のポリビニルアルコールと、重合度2000未満のポリビニルアルコールとを併用してもよい。
さらに、顔料インクの発色性と染料インクのインク吸収性とを共に向上させるために、重合度2000以上のポリビニルアルコールと、重合度2000未満のポリビニルアルコールとを併用してもよい。
(他の成分)
インク受理層には、上記した顔料と結着剤の他に、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
インク受理層には、上記した顔料と結着剤の他に、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
(インク受理層の形成)
支持体上にインク受理層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、あるいはオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択することができる。
支持体上にインク受理層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、あるいはオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択することができる。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、発色性及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜20g/m2であることが好ましく、8〜16g/m2であることが望ましい。
本発明において、インク受理層を設けた面と反対の支持体面に、インク吸収性、筆記性、プリンター印字適性、その他各種機能を有するバックコート層をさらに設けてもよい。
(20°鏡面光沢度)
インク受理層面の20°鏡面光沢度が15%以上であることが好ましい。このようにすると、銀塩写真に匹敵する光沢を有し、さらに高い発色性とインク吸収性を達成したインクジェット用記録媒体が得られる。
インク受理層面の20°鏡面光沢度が15%以上であることが好ましい。このようにすると、銀塩写真に匹敵する光沢を有し、さらに高い発色性とインク吸収性を達成したインクジェット用記録媒体が得られる。
(キャストコート法)
インク受理層面に光沢を付与する方法としては、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法が好適である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、塗工層をキャストドラムに圧着して光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。
キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類がある。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一である。
本発明においては、インクジェット用記録媒体の最表面のインク受理層をキャストコート法で形成することによって、インク受理層に光沢を付与する。好ましくは、銀塩写真に匹敵する面感、光沢を付与することが可能であるという点で、ゲル化キャストコート法(凝固法)を用いる。
インク受理層面に光沢を付与する方法としては、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法が好適である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、塗工層をキャストドラムに圧着して光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。
キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類がある。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一である。
本発明においては、インクジェット用記録媒体の最表面のインク受理層をキャストコート法で形成することによって、インク受理層に光沢を付与する。好ましくは、銀塩写真に匹敵する面感、光沢を付与することが可能であるという点で、ゲル化キャストコート法(凝固法)を用いる。
キャストコート法は、例えば以下のようにして行う。まず、インク受理層となる塗工液を支持体に塗布する。次に、処理液を塗工層に塗布し、塗工層を湿潤状態にさせる。そして、湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受理層を形成し、その表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であってもよいが、特に湿潤状態とした場合には鏡面仕上げ面を写し取りやすく、塗工層表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、得られたインク受理層に銀塩写真並の光沢感を付与させ易くなる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
(ゲル化キャスト法)
次に、ゲル化キャスト法を用いる場合について説明する。この方法は、上記キャストコート法において、上記塗工層を塗布後、未乾燥の塗工層を凝固液によってゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥するものである。凝固液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得にくい。
凝固液としては、湿潤状態の塗工層中の水系結着剤を凝固する作用を持つもの、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩の溶液が用いられる。特に、水系結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固液としてホウ酸とホウ酸塩とを含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の塗工層固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与できる。凝固液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択することができる。
次に、ゲル化キャスト法を用いる場合について説明する。この方法は、上記キャストコート法において、上記塗工層を塗布後、未乾燥の塗工層を凝固液によってゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥するものである。凝固液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得にくい。
凝固液としては、湿潤状態の塗工層中の水系結着剤を凝固する作用を持つもの、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩の溶液が用いられる。特に、水系結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固液としてホウ酸とホウ酸塩とを含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の塗工層固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与できる。凝固液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択することができる。
又、上記塗工液及び/又は凝固液には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に対し、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを紙の両面に片面当り固形分で2.5g/m2となるように塗布し、坪量168g/m2の支持体を得た。
(インク受理層の形成)
この支持体の片面に、ロールコーターを用いて下記塗工液を塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、凝固液を塗工層に塗布して塗工層を凝固させた。次いで、プレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に塗工層を圧着して鏡面を写し取り、12g/m2のインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に対し、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを紙の両面に片面当り固形分で2.5g/m2となるように塗布し、坪量168g/m2の支持体を得た。
(インク受理層の形成)
この支持体の片面に、ロールコーターを用いて下記塗工液を塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、凝固液を塗工層に塗布して塗工層を凝固させた。次いで、プレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に塗工層を圧着して鏡面を写し取り、12g/m2のインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液:顔料として、コロイダルシリカA(細孔径ピーク8nm)45部と、沈降法シリカB(細孔径ピーク32nm)35部、気相法シリカC(細孔径ピーク32nm)20部とを配合し、結着剤として部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−617:株式会社クラレの商品名、ケン化度95%、重合度1700)15部を配合し、さらに離型剤(メイカテックスHP50:明成化学工業社製)を2部配合して濃度23%の塗工液を調製した。
凝固液:(ホウ砂/ホウ酸)で表される配合比が2で、ホウ砂をNa2B4O7で換算し、ホウ酸をH3BO3で換算した時の濃度を6%とし、離型剤(メイカテックスHP50:明成化学工業社製)0.25%、浸透剤(パイオニンD−3120−W:竹本油脂株式会社製の商品名)0.5%、及びpH調整剤としてリンゴ酸0.25%を配合して凝固液を調製した。
凝固液:(ホウ砂/ホウ酸)で表される配合比が2で、ホウ砂をNa2B4O7で換算し、ホウ酸をH3BO3で換算した時の濃度を6%とし、離型剤(メイカテックスHP50:明成化学工業社製)0.25%、浸透剤(パイオニンD−3120−W:竹本油脂株式会社製の商品名)0.5%、及びpH調整剤としてリンゴ酸0.25%を配合して凝固液を調製した。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを40部、沈降法シリカBを40部、気相法シリカCを20部とを配合し、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを35部、沈降法シリカBを45部、気相法シリカCを20部とを配合し、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを30部、沈降法シリカBを50部、気相法シリカCを20部とを配合し、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカを45部に変更し、上記沈降法シリカAの代わりに沈降法シリカD(細孔径ピーク25nm)の配合量を35部に変更し、気相法シリカCを20部とを配合し、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例1>
塗工液において、上記コロイダルシリカAを60部配合し、上記沈降法シリカAの配合量を20部、気相法シリカCを20部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを60部配合し、上記沈降法シリカAの配合量を20部、気相法シリカCを20部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例2>
塗工液において、上記コロイダルシリカAを20部配合し、上記沈降法シリカAの配合量を40部、気相法シリカCを40部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを20部配合し、上記沈降法シリカAの配合量を40部、気相法シリカCを40部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例3>
塗工液において、上記コロイダルシリカAを45部配合し、上記沈降法シリカAの代わりにゲル法シリカ(細孔径ピーク10nm)の配合量を50部、気相法シリカCを40部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液において、上記コロイダルシリカAを45部配合し、上記沈降法シリカAの代わりにゲル法シリカ(細孔径ピーク10nm)の配合量を50部、気相法シリカCを40部とを配合とし、濃度23%の塗工液を調製したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<評価方法>
各実施例及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙を試料に用い、以下の方法で評価した。
各実施例及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙を試料に用い、以下の方法で評価した。
1)細孔径の測定
塗工液に用いたコロイダルシリカ、沈降法シリカ、気相法シリカ、ゲル法シリカの細孔径を窒素吸着測定器 島津製作所製 TriStar3000により測定した。
塗工液に用いたコロイダルシリカ、沈降法シリカ、気相法シリカ、ゲル法シリカの細孔径を窒素吸着測定器 島津製作所製 TriStar3000により測定した。
2)光沢度
光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用い、ISO 8254−1に従って、75°鏡面光沢度と20°鏡面光沢度を測定した。
光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用い、ISO 8254−1に従って、75°鏡面光沢度と20°鏡面光沢度を測定した。
3)印字適性
3−1)印字濃度
インクジェットプリンターとして、染料インクプリンター(PM−950C、セイコーエプソン社製)、及び顔料インクプリンター(PX−G900、セイコーエプソン社製)をそれぞれ用いた。各プリンターにより、試料に黒、シアン、マゼンタ、イエローをベタ印字し、印字濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD−19)で測定した。測定した印字濃度に応じて、以下の総合評価を行った。染料インクでの評価と顔料インクでの総合評価が共に△以上であれば実用上問題がない。
(染料インク)
○:印字濃度4色の合計が8.1以上
△:印字濃度4色の合計が7.5以上8.1未満
×:印字濃度4色の合計が7.5未満
(顔料インク)
○:印字濃度4色の合計が4.5以上
△:印字濃度4色の合計が4.0以上4.5未満
×:印字濃度4色の合計が4.0未満
3−1)印字濃度
インクジェットプリンターとして、染料インクプリンター(PM−950C、セイコーエプソン社製)、及び顔料インクプリンター(PX−G900、セイコーエプソン社製)をそれぞれ用いた。各プリンターにより、試料に黒、シアン、マゼンタ、イエローをベタ印字し、印字濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD−19)で測定した。測定した印字濃度に応じて、以下の総合評価を行った。染料インクでの評価と顔料インクでの総合評価が共に△以上であれば実用上問題がない。
(染料インク)
○:印字濃度4色の合計が8.1以上
△:印字濃度4色の合計が7.5以上8.1未満
×:印字濃度4色の合計が7.5未満
(顔料インク)
○:印字濃度4色の合計が4.5以上
△:印字濃度4色の合計が4.0以上4.5未満
×:印字濃度4色の合計が4.0未満
3−2)インク吸収性
インクジェットプリンターとして、染料インクプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製)、及び顔料インクプリンター(G−900、セイコーエプソン社製)をそれぞれ用いた。上記ベ画像印字部の混色背景ムラ(シアンベタ印字部分)の程度を3段階評価で目視評価した。目視評価○が優れ(ムラがない)、目視評価×が劣る(著しいムラがある)ものとし評価が△以上であれば実用上問題がない。
得られた結果を表1に示す。
インクジェットプリンターとして、染料インクプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製)、及び顔料インクプリンター(G−900、セイコーエプソン社製)をそれぞれ用いた。上記ベ画像印字部の混色背景ムラ(シアンベタ印字部分)の程度を3段階評価で目視評価した。目視評価○が優れ(ムラがない)、目視評価×が劣る(著しいムラがある)ものとし評価が△以上であれば実用上問題がない。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明に相当する実施例1〜5の場合、光沢度に優れるとともに、染料インク及び顔料インクのいずれを用いても印字適性(印字濃度、インク吸収性)が良好であった。
一方、細孔径が20〜40nmにピークを持つシリカが45部以下の配合で有る比較例1の場合、顔料インクの画像ムラが劣り、細孔径が20〜40nmにピークを持つシリカが70部を超える配合で有る比較例2の場合、光沢度、印字濃度が劣り、細孔径が20〜40nmにピークから外れたシリカが50部を配合した7比較例3の場合、光沢度、印字濃度、更に顔料インク画像ムラも劣るものであった。
一方、細孔径が20〜40nmにピークを持つシリカが45部以下の配合で有る比較例1の場合、顔料インクの画像ムラが劣り、細孔径が20〜40nmにピークを持つシリカが70部を超える配合で有る比較例2の場合、光沢度、印字濃度が劣り、細孔径が20〜40nmにピークから外れたシリカが50部を配合した7比較例3の場合、光沢度、印字濃度、更に顔料インク画像ムラも劣るものであった。
Claims (1)
- 支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を一層設けたインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記合成非晶質シリカはその細孔径分布において20〜40nmの間にピークを有し、さらに前記合成非晶質シリカは前記顔料中に45〜70質量%の割合で含有されるインクジェット用記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007073761A JP2008230076A (ja) | 2007-03-21 | 2007-03-21 | インクジェット記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007073761A JP2008230076A (ja) | 2007-03-21 | 2007-03-21 | インクジェット記録媒体 |
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- 2007-03-21 JP JP2007073761A patent/JP2008230076A/ja active Pending
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