JP2008229832A - 材料のスライス方法及びスライス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】魚体のフィーレFのスライス方法において、切身の定量度を高める。
【解決手段】フィーレFを切断受部6側へ間欠的に送り込み、フィーレFの送りを停止している間に、該切断受部6に近接してフィーレFの送り移行路を横切る切断刃21によってフィーレFをスライスするスライス方法において、切断受部6のフィーレFの送り方向側の端縁61近傍に該端縁に沿う面内で該端縁側に膜状に光を照射し、該膜状光30がフィーレF表面に当たって描く曲線L1から得られるフィーレFの断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応するフィーレFの送り量を演算し、演算した送り量に達した時点でフィーレFの送りを停止してフィーレFを切断する。
【選択図】図8

Description

本発明は、フィーレ(三枚おろしの魚の片身)、その他の食品の扁平食品等、長さ方向に幅及び厚みが変化する材料を、重量又は体積を揃えてスライスするのに好適なスライス方法及びスライス装置に関するものである。
従来、鮭、ギンダラ等のフィーレを、切身の重量が揃う様にスライスするには、フィーレの重量と全長を計測し、フィーレの全体の形状をカメラ計測し、画像処理を行って、予め全スライス位置(スライス線)を決めてから、切断作業を行っている。
上記方法では、予め決めたフィーレのスライス線と切断刃の移行路が一致する様に、フィーレを送り装置にセットしなければならない。しかし、送り装置のフィーレクランプ位置のずれ、送り方向に対するフィーレの傾き角度のズレ、切り始めの位置のズレによって、切身の重量に±10%程度のバラツキが生じる。
本発明は、上記スライスした材料の重量のバラツキを小さくできるスライス方法及びスライス装置を明らかにするものである。
本発明のスライス方法は、材料を切断受部(6)側へ間欠的に送り込み、材料送りを停止している間に、該切断受部(6)に近接して材料送り移行路を横切る切断刃(21)によって材料をスライスする方法であって、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)近傍に該端縁に沿う面内で膜状に光を照射し、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1から得られる材料の断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応する材料送り量を演算し、演算した送り量に達した時点で材料送りを停止して材料を切断する。
本発明のスライス装置は、材料を切断受部(6)側へ断続的に送り込み、切断受部(6)に近接して材料送り移行路を繰り返し横切る切断刃(21)によって材料をスライスする装置であって、切断受部(6)の材料送り側の端縁(61)近傍にて該端縁に沿う面内で材料を含む領域に膜状に光を照射する光照射装置(3)と、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1を捉えるカメラ(4)と、該カメラ(4)で捉えた該曲線L1から、該曲線L1を含む面に近接した面内で材料を切断した場合の材料の切り口の断面積を演算し、更に断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応する材料送り量を演算し、演算した送り量に達した時点で材料送りを停止する様に制御する制御部(7)を含む。
本発明のスライス方法は、切断受部(6)近傍の材料の断面積を、材料に対する膜状光(30)の照射によって得られる画像に基づいて算出し、材料の一切れ毎の材料送り停止のタイミングを決定できる。従って、材料の各切断片の重量の揃い(定貫性)が向上する。
又、従来の様に、材料送りの際の材料クランプ位置、材料の向き及び材料の切り始めの位置には、従来ほどの制度は要求されないので、作業性が向上する。
本発明のスライス装置は、上記スライス方法の実施に使用する。
又、本発明のスライス装置は、光照射装置(3)とカメラ(4)からの信号を制御部(7)にて信号処理することにより、切断する前の材料の送り方向の長さを計測できる。この計測は下記の様に行なう。
材料をスライス装置の送り案内台(51)にセットするとき、切断受部(6)から遠い側の材料前端部を原点に設定して材料を切断受部(6)側に送り込む。材料の前端が原点を離れてから、光照射装置(3)からの膜状光(30)が材料の切断受部(6)に近い材料後端部に当たったことをカメラ(4)が捉えるまでに要した時間を計測し、この時間と材料送り速度から材料の移動距離を求める。制御部(7)に予め入力されている切断受部(6)と原点との間の距離から、前記材料の移動距離を減ずれば、材料の長さとなる。
実施例では、スライス装置によってスライスする材料は図7aに示す、フィーレFとする。図7aの右側が尾部F0、左側がかま部F2である。
図7aは左半身を示しているが、右半身は左半身とは略左右対称形状である。
図1はスライス装置の平面図、図2はその中央縦断面図である。
公知の如くスライス装置は、基台(1)上にフィーレFの送り方向へ順に、送り案内台(51)、切断受部(6)及び排出コンベア(11)を配備し、切断受部(6)の上方に、切断刃支持台(2)を設け、該切断刃支持台(2)の側方に制御部(7)及びフィーレFの重量を計測する秤(73)を設けている。
以下、送り案内台(51)側を「前」、排出コンベア(11)側を「後」とする。
本発明で不可欠な光照射装置(3)及びカメラ(4)は、実施例では切断刃支持台(2)に搭載されている。
切断受部(6)は基台(1)の切断作業位置に固定され、フィーレFの切断側先端部を支える。
切断受部(6)の後側(フィーレFの送り方向側)の真直端縁(61)と、排出コンベア(11)との間は、後記する切断刃(21)が通過できる隙間が開いている。
送り案内台(51)は、前記切断受部(6)に接近した位置から略水平に前方へ延びている。
図2に示す如く、送り案内台(51)は回動駆動装置(50)に連繋され、図1の矢印A、Bに示す如く、略水平面内で左右に回動可能である。送り案内台(51)の回転中心は、前記切断受部(6)の後側端縁(61)の中央位置を通る垂直線X、又はその近傍である。
送り案内台(51)上には、軌条(54)に沿って該送り案内台(51)の長手方向にスライドするスライド台(52)が配備され、スライド台(52)はスライド駆動装置(55)に連繋されている。
スライド駆動装置(55)は、駆動源をサーボモータ等、回転を高精度に制御可能なモータを(図示せず)駆動源とし、ボールネジ(図示せず)の回転によりスライド台(52)をネジ推力によってスライド駆動する。フィーレFの送り量は、該モータの回転(回転角度)を制御して行なう。
スライド台(52)には、フィーレFのかま部分F2をクランプするクランプ手段(53)が配備されている。
切断刃支持台(2)は、円形の切断刃(21)及び切断刃駆動装置(22)を搭載している。切断刃(21)は、前記切断受部(6)の後側端縁(61)に近接し、該端縁(61)に沿う面内で自転しながら公転して、フィーレFの搬送路を繰り返し横切る。
実施例の切断刃支持台(2)は、傾動駆動装置(20)に連繋され、前記切断受部(6)の後側端縁(61)に略一致する横軸又はその近傍を回転中心として後側へ傾動可能である。
切断刃支持台(2)の上部の後側に、光照射装置(3)、下部前側にカメラ(4)が取り付けられている。光照射装置(3)及びカメラ(4)は、前記切断受部(6)の後側端縁(61)の中央を通り該端縁に直交する垂直面内に位置している。
光照射装置(3)は、前記切断受部(6)の後側端縁(61)を含む面内で、光照射装置(3)を頂点とする下向き三角形の膜状に広がる赤色レーザ光(膜状光)を発射する。
図3に示す如く、上記膜状光(30)の発射によって、フィーレF上には膜状光(30)が当たった部分が、該部分の膨らみ形状に対応する曲線L1となって表れ、切断受部(6)の後端縁(61)には該曲線L1の両側に連続する直線L2、L2が表れる。
カメラ(4)はデジタルカメラであって、光軸を前記切断受部(6)の後側端縁(61)の中央に向けており、上記曲線L1と直線L2、L2を捉えることができる。
排出コンベア(11)は、切断刃(21)によってスライスされたフィーレFを排出する。
制御部(7)は、記憶部、演算部を具え、前記送り案内台(51)の回動駆動装置(50)、送り案内台(51)上のスライド台(52)に連繋したスライド駆動装置(55)、切断刃支持台(2)の切断刃駆動装置(22)の制御機能を有し、又、前記カメラ(4)の画像処理、データ処理機能も有している。又、制御部(7)は、操作ボタン群(72)、モニター(71)を具えている。
操作ボタン群(72)は、フィーレFをスライスすることに関するデータ入力、例えば、フィーレFの切身F1の重量設定、フィーレFが左身か右身の選択を行なう。
制御部(7)の記憶部は、フィーレFの重量と全長の関係からフィーレFを複数の形態に分類し、更に、フィーレFをスライスした一切れの切身F1の設定重量又は設定体積に応じて、図7aに示す、スライス線Bの水平面内での傾き角度と、図7bに示すスライス線の倒れ角度の組み合わせを、150パターン以上を記憶している。
フィーレFを切断するパターンが決まれば、切身F1の一切れ毎、或いは複数切れ毎に送り案内台(51)の略水平面内での回転角度、切断刃支持台(2)の傾動角度は自動的に制御され、一切れ毎の切身の傾きと倒れ角度が決まる。
次に、図4、図5、図6に基づいて、フィーレFの定貫切断について説明する。
実施例では、光照射装置(3)からの膜状光(30)とカメラ(4)のレンズ光軸(40)との間に、切断刃(21)の切断移動平面(23)が位置し、それらは切断受部(6)の後側端縁(61)の近傍で交わる。
該膜状光(30)とカメラ(4)の光軸(40)が成す角度αは90°よりも少し小さい。
膜状光(30)と切断刃移動平面(23)との角度βは0°に近いほど望ましい。
図2に示す如く、光照射装置(3)、カメラ(4)及び切断刃(21)は切断刃支持台(2)に取り付けられており、且つ、切断刃支持台(2)は、切断受部(6)の後側端縁(61)を中心傾動するから、切断刃支持台(2)が後方へ傾動しても上記位置関係は不変である。
図5において、フィーレFの先端(後端)が、切断受部(6)の後側端縁(61)(Q点)を後方へ越えると、フィーレFと切断受け部(6)に膜状光(30)に照射されて、曲線(P点)と該曲線L1の両側と直線L2、L2(Q点)とが表れる。
これを制御部(7)に送り、画像処理して、曲線L1と切断受け部(6)で囲まれるフィーレFの断面積を得る。
実際には、カメラ(4)が捉えるフィーレFのP点の画像高さは、カメラ(4)のレンズ光軸(40)と直交する面内での高さhであるから、三角関数を用いた計算によって、実際に膜状光(30)がフィーレF及び切断受部(6)に当たって描く曲線L1の頂部(P点)と直線L2(Q点)の高さh′(PQ)に補正し、更に、該高さh′を切身F1の切断面の高さh″(AQ)に補正する。
尚、図5においてP点から切断面(23)への垂線の足をAとした。これについては後で述べる。
h′=hcos-1(90−α)
h″=hcos-1(90−α)・cosβ
となる。
フィーレFを切断受部(6)側へ送り込んでいる途上、即ち、切断刃(21)がフィーレFから離れている時間内で、刻々と変化する上記h″を得るために繰り返し演算して断面積を求める。それら演算数値を累積する演算作業(「疑似積分」という)を行ない、その累積値を切断刃(21)の公転平面(23)の倒れ角度から、送り案内台(51)上の高さに変換することによって、切断受部(6)の後側端縁(61)から後方へ越えている分のフィーレF′の体積が分かる。該体積が指令体積値又は指令重量値に対応する数値に到達すればフィーレFの送りを停止し、切断刃(21)によつてフィーレFを切断する。
これによって、フィーレFの各切身F1の重量を揃えることができる。
実施例の場合、切断刃(21)の一公転に要する時間は0.5秒であり、切断刃(21)がフィーレFから離れている時間内で上記累積計算を10回以上繰り返すことが可能である。この結果、切身の設定重量に対して、スライスされた切身F1重量の誤差は±5%以内に抑えることができた。
前記した図5において、角度Aを90°とした点は、三角関数での計算上の問題と、h″を求める計算を一回する時間内に、フィーレFが送り方向に移動する間のフィーレFの高さの変化は僅かであって、角度Aを90°とすることは誤差の範囲に収まるからである。
尚、前記膜状光(30)と切断刃移動平面(23)との角度βが、8°以下であれば、h′をh″と同じとして計算しても殆んど変わらない。
図8は、フィーレFをスライスするフローチャートを示している。
ステップ1(S1)でフィーレFを秤(73)に載せると、フィーレFの重量が制御部(7)に自動的に取り込まれる。
尚、ステップ1(S1)に入る前に既に、フィーレFの切身F1の設定重量を予め制御部(7)に入力しておく。
ステップ2(S2)で、作業者は、フィーレFが、左身か右身かを操作ボタン群(72)のボタン操作で選択する。
ステップ3(S3)で作業者は、フィーレFを、尾部F0を切断受部(6)側に向け、内面(中骨側の面)を下にして送り案内台(51)に載せ、かま部F2をクランプ手段(53)でクランプする。
このとき、クランプ手段(53)を具えたスライド台(52)は、送り案内台(51)の前部の定位置で待機しており、フィーレクランプ位置がフィーレFの全長を計測するための原点となる。
ステップ4(S4)で、作業者は切身加工スタートボタンを押す。
ステップ5(S5)でフィーレFの全長を計測する。ステップ5については、後で詳述する。
ステップ6(S6)でフィーレFの重量と全長から、予め制御部(7)が記憶している150以上の切断パターンから、当該フィーレFに対して最適の切断パターンが自動的に選択され、フィーレFの切断送りが開始される。この時点では、当該フィーレFから得られる切身F1の枚数は決定されており、制御部(7)に記憶される。
ステップ7(S7)では、フィーレFの送り量が、上記選択された切断パターンの尾部F0分に達すると、送りを停止して、切断刃(21)でフィーレFを切断する。
ステップ8(S8)では、フィーレFを予定個数の切身F1にスライスし終わったか否かを判別する。
フィーレFが予定個数の切身F1にスライスし終わっていないときは、ステップ9(S9)に移って、フィーレFを切身の1枚分の設定重量に対応する分だけ切断受部(6)側に送り込む。ステップ9についても、後で詳述する。
フィーレFの切身F1の1つ分の送り込みが終わると、フィーレFの送りが即座に停止され、ステップ10(S10)で切断刃(21)がフィーレFを切断する。
ステップ11(S11)で、日報上の生産切身枚数に1をプラスする。
次にステップ8(S8)に戻って、ステップ8乃至11を繰り返す。
尚、上記日報とは、制御部(7)にて、フィーレFの生産枚数(スライス処理枚数)、フィーレFからの切り身の、1日の総数を集計、記憶、プリントアウトするものを指す。
ステップ8(S8)で、フィーレFを予定個数分の切身にスライスし終えたことを判別すると、ステップ12(S12)に移って、日報上の生産フィーレF枚数に1をプラスする。
ステップ13(S13)で、直前にスライスし終えたフィーレFに関する入力データがリセットされ、ステップ14(S14)で1枚のフィーレのスライス加工が終了となる。
スライスすべきフィーレF毎に上記動作を繰り返す。
上記スライス方法は、フィーレFを切断受部(6)に送り込みながらフィーレFが切断受部(6)を通過する瞬間の断面積を計測して、その累積からフィーレFが切断受部(6)を通過した体積或いは重量を演算し、演算値が目標値に達すると、フィーレFを切断できる。従って、フィーレFの各切断片の重量の揃い(定貫性)が向上する。
図9は、前記ステップ(S5)の詳細を示すフローチャートである。
ステップSa1で、フィーレFの頭出し動作(フィーレFの尾部F0を検出する動作)が開始される。
ステップSa2で原点(送り案内台(51)上のフィーレFのクランプ位置)から膜状光(30)が切断受部(6)に当たる位置(実施例では切断受部(6)の後側端縁(61))までの距離を確認する(この距離は制御部(7)に予め記憶されている)。この距離を「基準長さ」とする。
ステップSa3で制御部(7)へ、頭出し検知指令を発する。
ステップSa4でフィーレFの頭出しのための送りが開始され、膜状光(30)の直線L2が、フィーレFによって遮られる幅(「基準幅」とする)をカメラ(4)にて検出する。フィーレFの送りが開始されてから、基準幅を検出するまでのフィーレFの送り量を「頭出し送り長さ」とする。
ステップSa5で、フィーレFに遮られた幅が予め指定された幅に達すれば、頭出し確認信号を出力する。
ステップSa6で、フィーレFの全長を次式で決定する。
(フィレ全長)=(基準長さ)−(頭出し送り長さ)
尚、フィーレFの頭出しのための送りが開始され、カメラ(4)にて膜状光(30)の直線L2が、フィーレFに遮られ始めた瞬間までのフィーレFの送り量を「頭出し長さ」としてもよい。しかし、図7aにおいて、フィーレFの尾部F0の先端縁F0′が、膜状光(30)に対して水平面内で通過する角度は、フィーレFによって不規則であるから、この方法は、優れているとは言えない。
図10は、前記ステップ9(S9)の詳細を示すフローチャートである。
前記ステップ8(S8)で、その切身が最終切身でないと判断されると、ステップSb1に移って、切身F1の設定重量に対応する体積値を算出する。
ここでの体積値とは、フィーレFの下面の全面が送り案内台(51)に接しているとした、「見かけの体積値」である。
ステップSb2で、スライスのためのフィーレFの送りを実行する。
ステップSb3で、段落「0020」で説明したフィーレFの断面積測定と、該断面積の累積(疑似積分)を実行する。
疑似積分値が、指定体積値に到達すれば、ステップSb4に移り、即座にフィーレFの送りを停止する。ステップ9(S9)で切身切断が行われる。
尚、フィーレFは尾側部分では、送り案内台(51)に接する割合が高いが、腹側部分やかま側部分では、内蔵処理等の関係上、凹部が生じて送り案内台(51)に接する割合が低下する。従って、切身F1の設定重量に対応する上記「見かけの体積値」を、部位別に補正することを行なうと、切身の定量性を向上させることができる。
図11は、他の実施例のスライス方法のフローチャートを示している。
ステップ1(S1)からはステップ8(S8)まで、及びステップ12(S12)乃至ステップ14(S14)は前記(図8)と同じであるから説明は省略する。
前記ステップ8(S8)で、その切身が最終切身でないと判断されると、ステップSc1に移って、切身F1の設定重量に対応する体積値を算出する。
ステップSc2では、前記した、切断受部(6)近傍を照射した膜状光(30)が送り停止状態のフィーレFの表面に当たって描く曲線L1からフィーレFの断面積を求め、前記体積値を該断面積で除してフィーレFの送り量を決定する。即ち、1回毎の切断分の切身は一様断面と仮定してフィーレFの送り量を決定する。
ステップSc3でフィーレFの送りを実行する。
ステップSc4でフィーレFの送りが完了して送りが停止すれば、ステップSc5で切身切断が行われる。
ステップSc6で、日報上の生産切身枚数に1をプラスする。
次にステップ8(S8)に戻って、ステップS乃至Sc6を、ステップ8(S8)で最終切身切断済みと判断するまで繰り返す。
上記した図11のフローチャートによるスライス方法は、尾部側からかま部側へ断面形状が連続的に変化しているフィーレFの切断には不向きと思われがちであるが、1回の切断毎にフィーレFの断面積を更新して送り量を決定し、1回の送り量も1〜2cm程度であるから、一切れ毎の切身において、切断面に沿う断面積の変化は少ない。更に、前記した如く、フィーレFの送りを、サーボモータ等、回転を高精度に制御可能なモータを駆動源とし、フィーレFの送り量は、該モータの回転を制御して行うから、スライスされた切身F1重量の誤差は実用レベル、例えば指定重量に対して±7%以内に抑えることができる。
又、1回の切断に対して、フィーレFの断面積を1回計測すれば済むから、即ち、フィーレFの送り量を瞬時に決定できるから、フィーレFの送りを含む切断作業を高速化できる。
図11のフローチャートでのスライス方法では、フィーレF送りが停止している間に切断と、次の切断のために切断位置近傍のフィーレの断面積を得るのであるが、どちらを先に行ってもよい。
実施例では、光照射装置(3)とカメラ(4)を切断刃支持台(2)に取り付けたため、膜状光(30)と切断刃(21)の公転平面(23)の成す角度β及び膜状光(30)とカメラ(4)の光軸(40)の位置関係は、切断刃支持台(2)の傾きに関係なく不変であるから、前記したフィーレFの送り量の演算は簡単にできる。
尚、図5において、該膜状光(30)がフィーレF表面に当たったときのフィーレFの見かけの高さhに一定の係数を乗ずると、実際に切断刃(21)で切断したフィーレFの切り口の高さh″の近似値を求めることができる。従って、膜状光(30)がフィーレF表面に当たって描く曲線L1から得られる断面積が、実際に切断刃(21)がフィーレFを切断する切り口の断面積に近似する様な係数を乗ずる演算を、フィーレFを送りつつ切断刃(21)がフィーレFから離れている時間内で複数回繰り返し、それら演算値の累積が指令体積値又は指令重量値に対応する数値に到達した位置でフィーレFの送りを停止してフィーレFを切断しても、上記同様の効果を得ることができる。
本発明の実施に際し、光照射装置(3)とカメラ(4)の両方或いは一方を、移動しない定位置に取り付けることができる。
この場合、スライス毎の、光照射装置(3)とカメラ(4)の両方或いは一方の角度の変化と、切断刃支持台(2)の角度の変化を加味すれば、切身の設定重量に対応するフィーレFの適正送り量を演算で求めることができる。
本発明は、フィーレFに限らず、幅や高さが徐々に変化する材料を重量を揃えて切断するの好適である。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
尚、膜状光(30)がスライスすべき材料に当たって描く曲線L1から得られる材料の断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応する材料の送り量を演算するスライス装置は、本発明に含まれるのは勿論である。
スライス装置の平面図である。 スライス装置の縦断面図である。 膜状光がフィーレと切断受部に当たって生じる光の線が生じることの説明図である。 光照射装置とカメラと切断刃の位置関係の説明図である。 カメラで捉えたフィーレの高さと、実際の切身の切断面との関係の説明図である。 a図はカメラで捉えたフィーレの断面を示し、b図は実際の切身の切断面を示す。 a図はフィーレの平面図であり、b図はフィーレの断面図である。 フィーレをスライスする工程のフローチャートである。 はフィーレの全長計測工程のフローチャートである。 フィーレの設定量の送り工程のフローチャートである。 他の実施例のスライス工程のフローチャートである。
符号の説明
2 切断刃支持台
3 光照射装置
4 カメラ
5 送り装置
51 送り案内台
6 切断受部
61 後側端縁
7 制御部

Claims (13)

  1. 材料を切断受部(6)側へ間欠的に送り込み、材料送りを停止している間に、該切断受部(6)に近接して材料送り移行路を横切る切断刃(21)によって材料をスライスするスライス方法において、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)近傍に該端縁に沿う面内で膜状に光を照射し、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1から得られる材料の断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応する材料送り量を演算し、演算した送り量に達した時点で材料送りを停止して材料を切断する、材料のスライス方法。
  2. 材料を切断受部(6)側へ間欠的に送り込み、材料送りを停止している間に、該切断受部(6)に近接して材料送り移行路を横切る切断刃(21)によって材料をスライスするスライス方法において、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)近傍に該端縁に沿う面内で膜状に光を照射し、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1から得られる材料の断面積と材料の送り長さから、送り長さ分の材料の体積又は重量を演算し、材料を送りつつ切断刃(21)が材料から離れている時間内に演算を繰り返し、それら演算数値の累積が指令体積値又は指令重量値に対応する数値に到達した位置で材料送りを停止して材料を切断する、材料のスライス方法。
  3. 材料を切断受部(6)側へ間欠的に送り込み、材料送りを停止している間に、該切断受部(6)に近接して材料送り移行路を横切る切断刃(21)によって材料をスライスするスライス方法において、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)近傍に該端縁に沿う面内で膜状に光を照射し、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1から得られる材料の断面積が、実際に切断刃(21)が材料を切断する切り口の断面積に近似する様に係数を乗じて、材料切り口の断面積と送り長さ分の材料の体積又は重量を演算し、材料を送りつつ切断刃(21)が材料から離れている時間内に演算を繰り返し、それら演算数値の累積が指令体積値又は指令重量値に対応する数値に到達した位置で材料送りを停止して材料を切断する、材料のスライス方法。
  4. 材料を切断受部(6)側へ間欠的に送り込み、材料送りを停止している間に、該切断受部(6)に近接して材料送り移行路を横切る切断刃(21)によって材料をスライスするスライス方法において、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)近傍に該端縁に沿う面内で膜状に光を照射し、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1から切断位置近傍の材料の断面積を得て、予め設定された指令体積を該断面積で除して材料送り量を決定し、その送り量まで材料を送れば材料送りを停止して材料を切断する、材料のスライス方法。
  5. 材料送り装置は、サーボモータ等、回転を高精度に制御可能なモータを駆動源とし、材料送り量は、モータの回転を制御して行なう、請求項1乃至4の何れかに記載のスライス方法。
  6. 材料は、切断受部(6)の材料送り方向側の端縁(61)に対して、材料の一切れ毎或いは複数切れ毎に、略水平面内での送り角度が変化する様に送り込まれる、請求項1乃至5の何れかに記載の材料のスライス方法。
  7. 切断刃(21)は、該材料の一切れ又は複数切れ毎に、材料の切り口角度が変わる様に、切断刃(21)の倒れ角度が変化する、請求項1乃至3の何れかに記載の材料のスライス方法。
  8. 演算は、材料に対する膜状光(30)の照射角度と、カメラレンズの光軸角度から、実際に切断刃(21)が材料を切断した場合の切断面の断面積に近似する数値補正を含んでいる、請求項1乃至7に記載の材料のスライス方法。
  9. 材料を切断受部(6)側へ断続的に送り込み、切断受部(6)に近接して材料送り移行路を繰り返し横切る切断刃(21)によって材料をスライスするスライス装置において、切断受部(6)の材料送り側の端縁(61)近傍にて該端縁に沿う面内で材料を含む領域に膜状に光を照射する光照射装置(3)と、該膜状光(30)が材料表面に当たって描く曲線L1を捉えるカメラ(4)と、該カメラ(4)で捉えた該曲線L1から、該曲線L1を含む面に近接した面内で材料を切断した場合の材料の切り口の断面積を演算し、更に断面積を基に、指令体積値又は指令重量値に対応する材料送り量を演算し、演算した送り量に達した時点で材料送りを停止する様に制御する制御部(7)を含む、材料のスライス装置。
  10. カメラ(4)と光照射装置(3)は切断刃支持台(2)に搭載されている、請求項9に記載の材料のスライス装置。
  11. 材料は送り案内台(51)に載せて送られ、該送り案内台(51)は、切断受部(6)の近傍位置を中心に略水平面内で回転可能であり、材料の送り方向に対する切断刃(21)の切り角度を、切身の一切れ毎、或いは複数切れ毎に変化させることできる、請求項9又は10に記載のスライス装置。
  12. 切断刃(21)は切断刃支持台(2)に搭載され、該切断刃支持台(2)は垂直面内で回転可能であり、該材料に対して切断刃(21)が食い込む角度を切身の一切れ毎、或いは複数切れ毎に変化させることができる、請求項9乃至11の何れかに記載の材料のスライス装置。
  13. 制御部(7)は、材料が送り移行路上の原点を基準として、材料の先端が膜状光(30)に当たる位置に達したことをカメラ(4)が捉えた時点或いはその後の一定の材料送りが経過するまでの材料送込み量を「頭出し送り長さ」とし、原点から膜状光(30)が材料送り移行路に当たる位置までを「基準長さ」とし、「基準長さ」から「頭出し移動長さ」を減じて材料の全長を計測する機能を有している請求項6乃至12の何れかに記載の材料スライス装置。
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