JP2008229672A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を精度よく判定することができるレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】判定用のワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに沿ってスポット状の溶接部W1〜W3を順次形成する。このとき、加工点温度検出センサ4により溶接中の加工点の光強度を検出し、加工点温度検出センサ4から出力される判定出力値を判定装置3により取得する。続いて、判定装置3の異常判定部31により、判定出力値の所定データ点ごとの移動平均値を求め、この移動平均値を判定出力値から減算する。そして、移動平均値を減算した判定出力値が所定時間内に予め設定した所定出力値となる回数を、判定値として求め、この判定値を予め設定した判定値照合テーブルと照合して、溶接異常の有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザビームを照射することにより、被加工物にスポット状の溶接部を形成するレーザ溶接方法に関する。
従来、レーザ溶接方法として、レーザビームを照射することによりスポット状の溶接部を形成するレーザ溶接方法であって、溶接時に発生するプラズマ光の光強度を光センサで検出し、光センサから出力された出力値に基づいて溶接異常の有無を判定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−329412号公報
ここで、上述したようなレーザ溶接方法においては、溶接部をスポット状に形成することからレーザビームが瞬間的に被加工物に照射されるため、場合によっては、出力値は、急峻に立ち上がり、そして、その後すぐ急峻に立ち下がるものとなる。しかし、上述したようなレーザ溶接方法では、かかる出力値の立ち上がり及び立ち下がりに対応しきれず、よって、スポット状の溶接部を形成する場合に溶接異常の有無を精度よく判定することができないおそれがある。
そこで、本発明は、スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を精度よく判定することができるレーザ溶接方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るレーザ溶接方法は、レーザビームを照射することにより被加工物にスポット状の溶接部を形成するレーザ溶接方法であって、溶接部を形成する際の被加工物のレーザビーム照射位置における光強度を光強度検出手段により検出し、光強度検出手段から出力された出力値に基づいて溶接異常の有無を判定する工程を含み、溶接異常を判定する工程においては、出力値から当該出力値の移動平均値を減算し、移動平均値を減算した出力値が所定時間内に予め設定された所定出力値となる回数を判定値として求め、判定値が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて溶接異常の有無を判定することを特徴とする。
このレーザ溶接方法によれば、出力値から当該出力値の移動平均値を減算するため、出力値における立ち上がり及び立ち下がり部分の変動が緩和される。そのため、移動平均値が減算された出力値が所定時間内に所定出力値となる回数を判定値として求め、この判定値が閾値に達したか否かに基づいて溶接異常の有無を判定することで、出力値の立ち上がり及び立ち下がり部分が溶接異常の判定に及ぼす悪影響を抑制することが可能となる。従って、スポット状の溶接部を形成するに際して出力値が急峻に立ち上がり、立ち下がる場合であっても、溶接異常の有無を精度よく判定することができる。
また、前記溶接異常を判定する工程の前に、所定出力値及び閾値を設定する工程をさらに含み、所定出力値及び閾値を設定する工程においては、溶接部を形成する際の基準用被加工物のレーザビーム照射位置における光強度を光強度検出手段により検出し、光強度検出手段から出力された出力値から当該出力値の移動平均値を減算し、移動平均値を減算した出力値の標準偏差に基づいて所定出力値及び閾値を設定することが好ましい。この場合、出力値の立ち上がり及び立ち下がり部分が所定出力値及び閾値に対して及ぼす悪影響を抑制することができ、よって、スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を一層精度よく判定することができる。加えて、上述したように、所定出力値及び閾値の設定が標準偏差に基づいているため、溶接異常を判定する際に出力値に溶接異常の兆候が一見しては表れない場合でも、溶接異常の有無を精度よく判定することが可能となる。
また、溶接異常を判定する工程においては、判定値が閾値に満たなかったときに、溶接異常があると判定することが好ましい。この場合、例えば出力値にノイズ等の影響があっても、溶接異常の有無を精度よく判定することが可能となる。さらに、光強度検出手段等の各装置部品に異常が生じると、出力値が低下し判定値が閾値に満たない場合があることから、装置部品の異常をも溶接異常として判定することができる。
また、光強度検出手段から出力された出力値は、レーザビーム照射位置の温度に関する出力値であることが好ましい。この場合、スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を精度よく判定するという上記効果は特に顕著となる。これは、光強度検出手段から出力された出力値がレーザビーム照射位置の温度に関する出力値であると、その出力値が極めて急峻に大きく立ち上がり及び立ち下がるため、上記作用(出力値における立ち上がり及び立ち下り部分の変動が緩和されるという作用)が効果的に発揮されるからである。なお、温度に関する出力値に基づいて判定される溶接異常としては、被加工物の間の隙間量異常、供給されるガスの供給異常、及び溶接部の溶け込み異常が挙げられる。
本発明によれば、スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を精度よく判定することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態において、「上」、「下」等の語は、図面に示される状態に基づいており、便宜的なものである。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ溶接システムを示す概略図である。図1に示すように、レーザ溶接システム1は、例えば鉄道車両構体に用いる外板パネルと骨部材と(以下、これらを「ワーク(被加工部材)10A,10B」と称す)をレーザビームにより重ね溶接(以下、単に「レーザ溶接」という)するためのものである。レーザ溶接システム1は、レーザビームを照射してワーク10A,10Bにスポット状の溶接部W1〜W5(図2参照)を形成するレーザ溶接装置2と、レーザ溶接に関する異常(溶接異常)を判定する判定装置3と、を備えて構成されている。なお、以下の説明では、ワーク10A,10Bにおいてレーザ照射方向から見た略中央部分に直線状に設定された溶接予定領域Rに沿って溶接部W1〜W5を形成する場合について例示する。
レーザ溶接装置2は、送り装置21と、ワーク固定装置22と、レーザ照射装置23と、ガス供給装置24とを備えている。これらの各装置21〜24は、上位の制御装置(図示しない)に接続され、この制御装置から出力される動作指示情報に従って、各動作を自動で実行する。
送り装置21は、ワーク10A,10Bへのレーザビームの照射位置を走査させる装置であり、ワーク10A,10Bを載置可能な可動ステージ(駆動手段)25を有している。この送り装置21は、制御装置から走査開始を指示する旨の動作指示情報を受け取ると、可動ステージ25を溶接予定領域Rに沿って走査させる。これにより、可動ステージ25に載置されたワーク10A,10Bは、溶接予定領域Rに沿って、レーザ照射装置23によるレーザビームの照射位置に対して相対的に移動する。
ワーク固定装置22は、ワーク10A,10Bを可動ステージ25に固定する装置であり、長尺の押さえ板26aを有する加圧治具26を複数(ここでは2つ)有している。このワーク固定装置22は、制御装置から動作開始を指示する動作指示情報を受け取ると、可動ステージ25に載置されたワーク10A,10Bの上方から長尺の加圧治具26を下降させる。そして、長尺の押さえ板26aによって、溶接予定領域Rを挟んだワーク10A,10Bの両端部分を可動ステージ25に押し付けることにより、溶接予定領域R近傍のワーク10A,10Bの密着性を向上させる。
レーザ照射装置23は、ワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに向けてレーザビームを照射する装置である。レーザ照射装置23は、ワーク10A,10Bの上方に配置されたレーザヘッド27を有している。レーザ照射装置23は、制御装置から照射開始を指示する動作指示情報を受け取ると、レーザヘッド27の先端から例えば波長1.06μm、出力約4.0kWのYAGレーザを出射させる。
また、このレーザ照射装置23は、内部に出力切替機構(図示しない)を備えている。この出力切替機構により、レーザ照射装置23は、ワーク10A,10Bに対して連続的にレーザビームを照射することもでき、パルス状にレーザビームを照射することもできるようになっている。
ガス供給装置24は、ワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに対してアシストガスを供給する装置であり、ワーク10A,10Bに対して約45度傾斜するように配置された供給ノズル28を有している。ガス供給装置24は、レーザ照射装置23の動作中に制御装置から供給開始を指示する動作指示情報を受け取ると、所定の供給量でワーク10A,10Bにおけるレーザビームの照射位置(以下、「加工点」という)にアシストガスを供給する。アシストガスとしては、ワーク10A,10Bの酸化防止及びスパッタ防止等を目的として、ヘリウムガス又はアルゴンガス等が用いられる。
一方、判定装置3は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスクといった格納部、ディスプレイといった表示部等を備えたコンピュータシステムである。この判定装置3には、加工点温度検出センサ4が接続されている。加工点温度検出センサ4は、加工点における温度を検出するためのフォトセンサであり、レーザビームの照射位置の近傍に配置されている。
この加工点温度検出センサ4は、ワーク10A,10Bに溶接部W1〜W5を形成する際に加工点の光強度を検出し、レーザビームの波長を除く赤外線領域の光の光強度に対応する出力値(つまり、加工点温度に相当する出力値)を判定装置3に出力する。出力値が加工点温度に相当する場合、判定装置3の後述の異常判定部31により、ワーク10A,10B間の隙間量の異常(以下、「キャップ異常」という)、アシストガスの供給異常(以下、「ガス異常」という)、及び溶接部の溶け込み異常(以下、「溶け込み異常」という)の有無が判定される。
この判定装置3は、機能的な構成要素として、異常判定部31と、格納部32とを有している。異常判定部31は、加工点温度検出センサ4からの出力値(出力信号)を受け取り、この出力値に基づいて溶接異常の有無を判定する。具体的には、異常判定部31は、出力値から当該出力値の移動平均値を減算し、移動平均値を減算した出力値が所定時間内に所定出力値となる回数を判定値として求め、この判定値と判定値照合テーブル(図6参照)とを照合して溶接異常の有無を判定する。
また、異常判定部31は、溶接異常の有無の判定結果を示す判定結果情報を生成し、例えばワーク10A,10Bの製品番号と関連付けて格納部32に出力する。格納部32は、異常判定部31から出力される判定結果情報を受け取り格納する。また、この格納部32は、上記の判定値照合テーブルを格納する。
次に、上述した構成を有するレーザ溶接システム1の動作について、図3を参照しつつ説明する。図3は、レーザ溶接システム1の動作を示すフローチャートである。
レーザ溶接システム1では、まず始めに、溶接異常が無いとされる基準用のレーザ溶接をワーク10A,10B(以下、「基準用のワーク10A,10B」と称す)に対して実施し、所定出力値及び判定値照合テーブルを予め設定する。具体的には、以下の動作を実施する。
まず、基準用のワーク10A,10Bを可動ステージ25に載置し、上方から加圧治具26を下降させてワーク10A,10Bを可動ステージ25に固定する。続いて、制御装置からワーク固定装置22、レーザ照射装置23、送り装置21、及びガス供給装置24の各装置に動作指示情報を出力し、レーザ照射、ワーク送り、及びアシストガスの供給を開始する。
レーザヘッド27からは、YAGレーザを所定の間隔でパルス照射し、これに併せて、可動ステージ25を速度約10m/sで基準用のワーク10A,10Bを矢印A方向(図1参照)に走査する。これにより、平面形状が略円形となる溶接部W1〜W5を、所定の間隔で基準用のワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに順次形成する(基準用レーザ溶接:S1)。なお、本実施形態では、図2に示すように、溶接部W1〜W5は、ワーク10Bの一面側に露出しない非貫通の溶接部となっている。
ここで、レーザ溶接を行っている間においては、加工点温度検出センサ4により加工点の光強度を検出し、加工点温度検出センサ4から出力される基準用の出力値(以下、「基準出力値」という)を判定装置3の異常判定部31により取得する(S2)。
図4は加工点温度検出センサ4から出力される基準出力値の波形パターンの一例を示す線図である。この波形パターンは、溶接部W1〜W3を形成する際の加工点温度検出センサ4からの基準出力値を示し、図中の縦軸は出力値の電圧、横軸は時間となっている。溶接部W1〜W3の形成では、YAGレーザが瞬間的に溶接予定領域Rに照射されるため、波形パターンは、3つのピークを有することとなる。各ピークでは、レーザビームの照射開始と共に出力強度が急激に増加し、オーバーシュート部分を経て、その後、レーザビームの照射終了と共に出力強度が急激に減少する。つまり、各ピークにおいて、出力値は、極めて急峻に大きく立ち上がり、そして、その後すぐ急峻に立ち下がる。
続いて、異常判定部31により、基準出力値の所定データ点(ここでは2〜3データ点)ごとの移動平均値を求め、この移動平均値を基準出力値から減算する(移動平均差分処理:図3のS3)。
図5は移動平均値を減算した基準出力値の波形パターンの一例を示す線図である。この波形パターンは、図4に示した基準出力値から当該基準出力値の移動平均値を減算したものを示し、図5中の縦軸は移動平均値を減算した基準出力値の電圧、横軸は時間となっている。図5に示すように、移動平均値を減算した基準出力値は、3つのピークのそれぞれにおいて、図4に示した基準出力値に比べて(処理前の出力値の波形パターンに比べて)その最大値及び最小値が小さくなると共に立ち上がり部分及び立ち下り部分が平坦化されている。
続いて、移動平均値を減算した基準出力値の標準偏差σを算出し、この標準偏差σを用いて、溶接異常の検知項目ごとに所定出力値を設定する。ここでは、ギャップ異常の所定出力値を標準偏差σの4.8倍の4.8σとし、ガス異常の所定出力値を標準偏差σの3.0倍の3.0σとし、溶け込み異常の所定出力値を標準偏差σの11.5倍の11.5σとして設定している。そして、移動平均値を減算した基準出力値及び設定した所定出力値を用い、判定値照合テーブルを設定し、この判定値照合テーブルを格納部32に格納する(図3のS4)。
図6は判定値照合テーブルの一例を示す図表である。この判定値照合テーブルでは、後述するS7にて求められる判定値が4回以上である場合は正常、1回以上3回以下である場合はギャップ異常、0回である場合はセンサ異常と照合される。すなわち、この判定値照合デーブルにおいては、判定値が4回(予め設定された閾値)に満たなかったときに溶接異常があると判定すると共に、判定値が1回以上3回以下のときにギャップ異常があると特定し、判定値が0回のときにセンサ異常があると特定する。
次に、所定出力値及び判定値照合テーブルを設定した後、判定の対象とするレーザ溶接をワーク10A,10B(以下、「判定用のワーク10A,10B」)に対して実施する。
まず、上記のレーザ溶接と同様にして、判定用のワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに沿って溶接部W1〜W5を順次形成する(判定対象レーザ溶接:図3のS5)。これと共に、加工点温度検出センサ4により溶接中の加工点の光強度を検出し、加工点温度検出センサ4から出力される判定用の出力値(以下、「判定出力値」という)を判定装置3の異常判定部31により取得する(S6)。
続いて、異常判定部31により、判定出力値の所定データ点(ここでは2〜3データ点)ごとの移動平均値を求め、この移動平均値を判定出力値から減算する(移動平均差分処理:S6)。
そして、移動平均値を減算した判定出力値が所定時間内に上記のS4にて設定した所定出力値となる回数を、判定値として算出する。判定値算出方法としては、具体的には、図7に示すように、ギャップ異常の判定値は移動平均値を減算した判定出力値が500データ内(所定時間内)において+4.8σとなる回数として算出する。また、ガス異常の判定値は移動平均値を減算した判定出力値が400データ内において+3.0σとなる回数とし、溶け込み異常の判定値は移動平均値を減算した判定出力値が500データ内において+11.5σとなる回数として算出する(S7)。
図8は移動平均値を減算した判定出力値の波形パターンの一例における一部を拡大して示す線図である。図中の縦軸は移動平均値を減算した判定出力値の電圧、横軸は時間となっている。また、図中の矢印hは500データに相当する時間幅を示し、破線は判定出力値が+4.8σとなるラインを示している。この移動平均値を減算した判定出力値では、500データ内において+4.8σとなるラインと5回交差しており、よって、ギャップ異常の判定値が5回となっている。
続いて、異常判定部31により、算出した判定値を上記のS4にて設定した判定値照合テーブル(図6参照)と照合して、溶接異常の有無を判定する。具体的には、異常判定部31は、算出した判定値が判定値照合テーブルにおける閾値以上である場合には、溶接異常が存在しない正常状態(レーザ溶接が正常に行われた)と判定し、算出した判定値が閾値よりも小さく且つ0では無い場合には、溶接異常が存在すると判定し、算出した閾値が0の場合には、レーザ溶接システム1に異常が存在する(例えば、加工点温度検出センサ4に異常がある)と判定する(S8)。
図9は算出した判定値の波形の一例を示す図である。図中の判定値はギャップ異常における判定値を示し、閾値αは判定値照合テーブルにおける閾値を示す。図中の実線で示す波形では、判定値が閾値以上の値となっており、この場合、異常判定部31は、ギャップ異常が存在しないと判定する。一方、図中の破線で示す波形では、判定値が閾値より小さく且つ0では無い値となっており、この場合、異常判定部31は、ギャップ異常が存在すると判定する。
続いて、異常判定部31により、溶接異常の有無の判定結果とワーク10A,10Bの製品番号とを関連付けた判定結果情報を生成し、格納部32に格納する(S9)。そして、レーザ溶接が完了していればそのまま処理を終了し、レーザ溶接が完了していない場合には、上記のS5〜S9の処理を繰り返し行うこととなる(S10)。
以上、本実施形態によれば、判定出力値から当該判定出力値の移動平均値を減算するため、判定出力値における立ち上がり及び立ち下がり部分の変動が緩和される。そのため、移動平均値が減算された判定出力値が所定時間内に所定出力値となる回数を判定値として求め、この判定値が閾値に達したか否かにより溶接異常の有無を判定することで、判定出力値の立ち上がり及び立ち下がり部分が溶接異常の判定に対して及ぼす悪影響を抑制することができる。
従って、本実施形態では、スポット状の溶接部を形成するに際して出力値が急峻に立ち上がり、立ち下がる場合であっても、溶接異常の有無を精度よく判定することができ、溶接異常の判定で問題となる出力値の立ち上がり及び立ち下がりの影響が移動平均差分処理により打ち消され、ギャップ異常、ガス異常、溶け込み異常の有無を判定することが可能となっている。
また、本実施形態では、上述したように、溶接部W1〜W5を形成する際の加工位置の光強度を光強度検出手段により検出し、光強度検出手段から出力された基準出力値から当該基準出力値の移動平均値を減算し、移動平均値を減算した基準出力値の標準偏差に基づいて所定出力値及び閾値を設定するため、基準出力値の立ち上がり及び立ち下がり部分が所定出力値及び閾値に対して及ぼす悪影響を抑制することができ、よって、スポット状の溶接部を形成する場合において溶接異常の有無を一層精度よく判定することができる。
さらに、上述したように、所定出力値及び閾値の設定が標準偏差に基づいているため、判定値を求める際の判定出力値に溶接異常の兆候が一見しては表れない場合でも、溶接異常の有無を精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、上述したように、判定値が閾値に満たなかったときに、溶接異常があると判定するため、例えば判定出力値にノイズ等の影響があっても、溶接異常の有無を精度よく判定することができる。
さらに、加工点温度検出センサ4等の各装置部品に異常(故障)が生じた場合、判定出力値が低下し所定時間内に所定出力値に達し得ず、判定値が閾値に満たない(判定値が0となる)場合があるから、上述したように判定値が閾値に満たなかったときに溶接異常があると判定することで、装置部品の異常をも溶接異常として判定することができる。
ところで、従来、スポット状の溶接部W1〜W5を形成するレーザ溶接方法において、加工点の光強度を検出することで出力される出力値が温度に関する出力値である場合、その出力値は極めて急峻に大きく立ち上がり及び立ち下がるため、温度に関する出力値からでは溶接異常の有無を判定することが不可能であった。
これに対し、本実施形態によれば、上述したように出力値の立ち上がり及び立ち下り部分の変動が緩和されるため、加工点温度検出センサ4からの温度に関する出力値からであっても、スポット状の溶接部W1〜W5を形成する際の溶接異常の有無を精度よく判定することができる。つまり、本実施形態では、出力値の立ち上がり及び立ち下り部分の変動を緩和するという上記作用が効果的に発揮され、スポット状の溶接部W1〜W5を形成する場合において溶接異常の有無を精度よく判定するという効果が特に顕著となり、その結果、スポット状の溶接部W1〜W5を形成する際において、温度に関する出力値から溶接異常(ギャップ異常、ガス異常、及び溶け込み異常)の有無を判定することが初めて可能になっている。
また、本実施形態では、上述したように、溶接部W1〜W5がワーク10Bの一面側に露出しない非貫通の溶接部であるため、ワーク10Bでの溶接痕が目立たないようにすることができると共に、溶接部が一面側に露出する貫通の溶接部である場合に比して、ワーク10A,10Bへの入熱を低減することできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、加工点の温度を検出するための加工点温度検出センサ4を用いたが、レーザビームの光強度を検出するためのレーザ出力強度検出センサを用いもよく、レーザビームの照射によって発生するプラズマの光強度を検出するためのプラズマ光強度検出センサを用いてもよく、被加工物で反射する反射光の光強度を検出するための反射光強度検出センサを用いてもよい。レーザ出力強度検出センサを用いる場合、溶接異常として、レーザ照射装置の異常が判定される。プラズマ光強度検出センサ及び反射光強度検出センサを用いる場合、溶接異常として、ギャップ異常、溶け込み異常、ガス異常、及びブローホール発生が判定される。
また、上記実施形態では、ワーク10A,10Bを互いに重ね合わせて溶接する重ね溶接を行ったが、ワーク10A,10Bを互いに突き合わせて溶接する突合せ溶接を行ってもよい。
本発明の一実施形態に係るレーザ溶接システムを示す概略図である。 溶接後のワークの断面図である。 レーザ溶接システム1の動作を示すフローチャートである。 加工点温度検出センサから出力される基準出力値の波形パターンの一例を示す線図である。 移動平均値を減算した基準出力値の波形パターンの一例を示す線図である。 判定値照合テーブルの一例を示す図表である。 溶接異常の検知項目ごとの判定値算出方法を示す図表である。 移動平均値を減算した判定出力値の波形パターンの一例における一部を拡大して示す線図である。 算出した判定値の波形の一例を示す図である。
符号の説明
10A,10B…ワーク(被加工物)、4…加工点温度検出センサ(光強度検出手段)、W1〜W5…溶接部、α…閾値。

Claims (4)

  1. レーザビームを照射することにより被加工物にスポット状の溶接部を形成するレーザ溶接方法であって、
    溶接部を形成する際の被加工物のレーザビーム照射位置における光強度を光強度検出手段により検出し、前記光強度検出手段から出力された出力値に基づいて溶接異常の有無を判定する工程を含み、
    前記溶接異常を判定する工程においては、
    前記出力値から当該出力値の移動平均値を減算し、前記移動平均値を減算した出力値が所定時間内に予め設定された所定出力値となる回数を判定値として求め、前記判定値が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて前記溶接異常の有無を判定することを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 前記溶接異常を判定する工程の前に、前記所定出力値及び前記閾値を設定する工程をさらに含み、
    前記所定出力値及び前記閾値を設定する工程においては、
    溶接部を形成する際の基準用被加工物のレーザビーム照射位置における光強度を前記光強度検出手段により検出し、前記光強度検出手段から出力された出力値から当該出力値の移動平均値を減算し、前記移動平均値を減算した出力値の標準偏差に基づいて前記所定出力値及び前記閾値を設定することを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記溶接異常を判定する工程においては、
    前記判定値が前記閾値に満たなかったときに、前記溶接異常があると判定することを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記光強度検出手段から出力された出力値は、前記レーザビーム照射位置の温度に関する出力値であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のレーザ溶接方法。
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