JP2008229530A - 液滴吐出方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性の低下を抑制しつつ固形物の成長を抑制する。
【解決手段】基板Pが設けられた吐出エリアIAにおいて、基板Pに対して吐出ヘッドから機能液の液滴を吐出して描画する吐出工程と、吐出エリアIAから外れた位置の非吐出エリアMAで吐出ヘッドに所定のメンテナンス処理を行うメンテナンス工程と、吐出エリアIAと非吐出エリアMAとの間で吐出ヘッドを移動させる移動工程とを有する。吐出エリアIAで吐出ヘッドに所定の高周波微振動を付与する微振動付与工程を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出方法及びデバイス製造方法に関するものである。
従来、各種基材へ吐出ヘッドから液滴(インク)を吐出する液滴吐出装置においては、吐出ヘッドにおけるノズル内部の増粘インクを排出する際にはキャップを用いて負圧吸引する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。また、ノズルプレート面(ノズル面)に付着したインクを除去する際には、ゴムブレードの端面をノズル面に当接させてインクを擦り取る乾式除去方式(特許文献2参照)や、繊維クロスを用いた乾式除去方式、または繊維クロスに溶剤を染み込ませた湿式除去方式が用いられている(例えば特許文献3参照)。
ところが、上記液滴吐出を長期間(長時間)に亘って行った場合、ノズル部に固形物が発生して、その影響で液滴の吐出曲がりが生じる可能性があり、場合によっては上記の技術を用いても除去できない固形物が発生することもある。
そこで、特許文献4や特許文献5には、ヘッドを高周波で微振動させ、インク液にキャビテーションを発生させることにより、当該キャビテーションにより発生した気泡で固化物を破壊または剥離する方法が開示されている。
特開2003−270423号公報 特開2001−171135号公報 特開平11−207977号公報 特開平6−122198号公報 特開2002−361908号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
固形物の成長はノズル毎に異なっており、例えば8〜24時間毎の定期的な固形物除去では、固形物が大きく成長してしまい、除去した固形物がノズル口元につまることで吐出曲がりを生じさせる可能性がある。そこで、外部から微振動を付加してノズル口元の固形物を除去することは可能であるが、この固形物除去処理には、数時間(例えば3時間程度)装置を停止させる必要があり、生産性が低下するという問題があった。また、特許文献4、特許文献5に記載された技術では、微振動を付加するためにヘッドをメンテナンスポジションに移動させているため、やはり生産性が低下するという問題は避けられない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、生産性の低下を抑制しつつ、固形物の成長を抑制できる液滴吐出方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の液滴吐出方法は、基板が設けられた吐出エリアにおいて、前記基板に対して吐出ヘッドから機能液の液滴を吐出して描画する吐出工程と、前記吐出エリアから外れた位置の非吐出エリアで前記吐出ヘッドに所定のメンテナンス処理を行うメンテナンス工程と、前記吐出エリアと前記非吐出エリアとの間で前記吐出ヘッドを移動させる移動工程とを有し、前記吐出エリアで前記吐出ヘッドに所定の高周波微振動を付与する微振動付与工程を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の液滴吐出方法では、吐出ヘッドに付与された高周波微振動に伴う急激な圧力変動に対して機能液の圧力が飽和蒸気圧まで低下してキャビテーションが発生し、このキャビテーションで生じた気泡の衝撃力により、吐出ヘッド内の固形物等を破壊または剥離して除去することができる。このキャビテーションによる固形物の除去に際しては、メンテナンスエリアに吐出ヘッドを移動させることなく、基板に対して機能液の液滴を吐出する吐出エリアにおいて微振動付与工程を実施できるため、吐出ヘッドの移動に伴う時間が消費されて生産性が低下することを抑制できる。また、本発明では、吐出ヘッドの移動に要する時間を大幅に削減できることから、微振動付与工程の周期を短くして頻繁に実施することで可能になり、固形物が成長する前に破壊または剥離して除去することができる。
前記吐出ヘッドとしては、圧力発生室内の前記機能液に所定周波数で圧力を付与する圧電素子を有し、前記微振動付与工程では、前記吐出工程における前記圧電素子の前記所定周波数よりも高い周波数で前記微振動を付与する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、機能液に対して効果的にキャビテーションを発生させることが可能になる。この場合、前記吐出ヘッドの固有振動数よりも大きな周波数で前記微振動を付与することが好ましい。
また、本発明では、前記微振動付与工程で機能液吸収材の上部で前記微振動を付与することが好ましい。
これにより、本発明では、吐出ヘッドに微振動を付与した際に漏れ出る機能液を機能液吸収材で吸収して、周囲に飛散することを防止できる。
また、上記構成では、前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出する吐出面を前記機能液吸収材でワイピング処理する工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、微振動付与工程で吐出面に機能液が漏れ出て残渣として付着した場合でも、機能液残渣をワイピングして除去することができ、この機能液残渣に起因した液滴の飛行曲がり等を防止することが可能になる。
上記の場合、微振動付与工程では、前記吐出面に当接させた前記機能液吸収材を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、前記機能液吸収材を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与しつつ、機能液吸収材により機能液を吸収するため、機能液の飛散を効果的に防止することができる。
一方、前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出する吐出面を、前記機能液吸収材と対向させた状態で前記液滴の予備吐出処理する工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、微振動付与工程で吐出ヘッドから漏れ出す機能液を機能液吸収材で吸収して、周囲に飛散することを防止できる。
前記微振動付与工程では、前記吐出面に当接させたキャップ部を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、前記キャップ部を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与しつつ、機能液吸収材により機能液を吸収するため、機能液の飛散を効果的に防止することができる。
また、上記構成では、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与した後に、前記予備吐出処理を実施する手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、微振動の付与で剥離・除去された固形浮遊物を吐出ヘッドから吐出(排出)することができ、後の吐出工程を安定して実施することが可能になる。
そして、本発明のデバイス製造方法は、先に記載の液滴吐出方法を用いて基板に液滴を吐出してパターンを形成する工程を有することを特徴とするものである。
これにより、本発明のデバイス製造方法では、生産性の低下を抑制しつつ、固形物の成長を抑制できるため、製造コストが抑えられ、また高精度でパターンが形成された高品質のデバイスを製造することが可能になる。
以下、本発明の液滴吐出方法及びデバイス製造方法の実施の形態を、図1ないし図6を参照して説明する。本実施形態では、ワイピング装置により吐出ヘッドに高周波微振動を付与する場合について説明する。
また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、液滴吐出装置IJの一部を示す斜視図である。図2は、複数の吐出ヘッド3を下側(−Z側)から見た斜視図、図3は、吐出ヘッド3の構造の一例を説明するための断面図である。
液滴吐出装置IJは、機能液の液滴D(図3参照)を基板Pに吐出することによって、基板Pにデバイスパターンを形成する。液滴吐出装置IJは、機能液の液滴Dを吐出する吐出口(ノズル)1が形成された吐出面(ノズル面)2を有する吐出ヘッド3を備えており、主に基板Pに対する液滴Dの吐出・描画処理が行われる吐出エリアIAと、吐出エリアIAから外れ基板Pに対する吐出・描画処理を行わない(非吐出)位置に配置され、主に吐出ヘッド3に対するメンテナンス処理が行われるメンテナンスエリア(非吐出エリア)MAとを有している。
本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を備えたマルチヘッドタイプの液滴吐出装置であり、複数の吐出ヘッド3を支持するキャリッジ部材11を有する。また、液滴吐出装置IJは、吐出ヘッド3の駆動を制御する駆動回路を含む制御器12(図2参照)を有する。制御器12は、液滴吐出装置IJ全体の動作を制御する制御装置10の指令に基づいて、吐出ヘッド3を駆動する。
吐出ヘッド3は、吐出エリアIAにおける第1位置A1と、メンテナンスエリアMAにおける第2位置A2との間を、図示しない駆動装置によってX方向に移動自在であり、吐出ヘッド3に供給するための機能液を収容する機能液収容装置9(図1参照)に接続されている。
吐出エリアIAには、吐出面2と対向する上記第1位置A1を含む所定領域で吐出ヘッド3に対して移動可能であり、Y軸に沿って移動可能な移動テーブル4と、移動テーブル4をY軸に沿って移動させる駆動装置8と、移動テーブル4を移動可能に支持する支持面16を有するベース部材17とが備えられている。
ベース部材17の支持面16は、XY平面とほぼ平行に設けられている。また、本実施形態においては、ベース部材17の支持面16と、その支持面16と対向する移動テーブル4の対向面との間にエアベアリング43が形成されている(図4(B)参照)。移動テーブル4はこの、エアベアリング43により、支持面16に対して非接触で支持される。
また、液滴吐出装置IJは、移動テーブル4のY軸方向への移動を案内するガイド部材18を備えている。ガイド部材18は、Y軸方向に長い棒状の部材であり、支持面16の上方に配置されている。本実施形態においては、ガイド部材18の両端は、ガイド部材18の外側に配置された支持部材19で支持されている。支持部材19は、床面20に支持されている。また、ベース部材17は、床面20に支持されている支持部材(図示せず)で支持されている。
本実施形態においては、駆動装置8は、リニアモータを含み、移動テーブル4を移動可能である。駆動装置8は、ガイド部材18に配置されたリニアモータの固定子22と、ガイド部材18と対向する移動テーブル4の対向面に配置されたリニアモータの可動子23とを有する。制御装置10は、リニアモータを含む駆動装置8を用いて、移動テーブル4をベース部材17上で移動可能である。
移動テーブル4の下面には、ガイド部材18を配置可能な凹部44(図4(B)参照)が形成されている。移動テーブル4の凹部44の内面は、ガイド部材18と対向する。上述のように、ガイド部材18には、リニアモータの固定子22が配置されている。ガイド部材18と対向する移動テーブル4の凹部44の内面には、リニアモータの可動子23が配置される。
また、移動テーブル4には、基板Pを保持する基板ステージ40、ワイピング装置(第2除去装置)6、フラッシング部(予備吐出エリア)7が搭載されているが、これら基板ステージ40、ワイピング装置6、フラッシング部7の詳細については後述する。
また、本実施形態におけるメンテナンスエリアMAには、X方向に延在するベース部材30が設けられており、ベース部材30上には、ベース部材17(吐出エリアIA)に近い側から、液滴Dの重量を測定する重量測定装置71、ワイピング装置(除去装置)72、キャッピング装置(吸引装置)73が設けられている。これら重量測定装置71、ワイピング装置72、キャッピング装置73の詳細についても後述する。
また、液滴吐出装置IJは、吐出エリアIAにおける吐出ヘッド3と別の位置に配置され、移動テーブル4に基板Pを搬入する動作、及び移動テーブル4から基板Pを搬出する動作の少なくとも一方を実行する基板搬送装置27を備えている。基板搬送装置27の近傍には、基板Pを収容可能な基板収容装置28が配置されている。
基板搬送装置27は、Y軸方向に関して第1位置A1と異なる第3位置A3に配置された移動テーブル4に基板Pを搬入する動作、及び移動テーブル4から基板Pを搬出する動作の少なくとも一方を実行する。第1位置A1と第3位置A3とは、Y軸方向に関して離間して設けられている。本実施形態においては、第1位置A1は、第3位置A3の+Y側の位置である。移動テーブル4は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1と、基板搬送装置27の近傍の第3位置A3との間を、ベース部材17の支持面16に沿って移動可能である。そして、基板搬送装置27は、例えば基板収容装置28に収容されている基板Pを、第3位置A3に配置された移動テーブル4に搬入可能である。また、基板搬送装置27は、第3位置A3に配置された移動テーブル4より基板Pを搬出し、基板収容装置28に収容可能である。
続いて、図2及び図3を参照しながら、吐出ヘッド3について説明する。
本実施形態の吐出ヘッド3は、ピエゾ素子(圧電素子)33に所定の駆動信号を供給して、そのピエゾ素子33を変形させることによって、機能液を収容した空間34の圧力を可撓性の振動板(膜)35を介して変動させ、その圧力の変動を利用して、吐出口1より機能液の液滴Dを吐出する、いわゆる電気機械変換方式の吐出ヘッドである。制御器12は、制御装置10の指令に基づいて、吐出ヘッド3を駆動する。制御器12は、吐出ヘッド3のピエゾ素子33に所定の駆動信号を供給して、その駆動信号に応じた大きさの液滴Dを吐出口1のそれぞれより吐出可能である。
図2に示すように、本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を有している。吐出ヘッド3は、キャリッジ部材11にX軸方向に沿って複数(図2では6個)配列された列がY軸方向に間隔をあけて2列で支持されている。吐出ヘッド3は、機能液の液滴Dを吐出する吐出口(吐出ノズル)1が形成された吐出面(ノズル形成面)2を有する。吐出面2は、所定方向に長い形状(本実施形態においてはほぼ長方形状)を有する。吐出口1は、吐出面2において、所定方向(吐出面2の長手方向)に沿って複数形成されている。本実施形態においては、複数の吐出口1が並ぶ所定方向は、XY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向である。
図3に示すように、吐出ヘッド3は、ヘッド本体36と、ヘッド本体36の下端に配置されたプレート部材(ノズルプレート)37とを有している。吐出口1は、プレート部材37に形成されている。プレート部材37は、上下方向に貫通する孔を複数有している。吐出口1は、その孔の下端に配置されている。吐出面2は、プレート部材37に配置されている。
本実施形態においては、吐出ヘッド3(プレート部材37)の吐出面2は、下側(−Z側)に向いている。吐出ヘッド3からの液滴Dが吐出(供給)される基板Pの表面は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向するように、上側(+Z側)に向いている。移動テーブル4には、基板Pの表面が上側(+Z側)を向くように、基板Pが保持されている。また、吐出ヘッド3の吐出面2は、XY平面とほぼ平行である。移動テーブル4には、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pが保持されている。制御装置10は、吐出ヘッド3の吐出面2と移動テーブル4に保持された基板Pの表面とを所定距離(プラテンギャップ)D1だけ離して対向させた状態で、その所定距離D1を維持しつつ、吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出させる。
また、吐出ヘッド3は、プレート部材37(吐出口1)の上方に形成されたキャビティ(空間)34と、キャビティ34の上方に配置された可撓性の板(振動板)35と、振動板35の上方に配置されたピエゾ素子33とを有する。キャビティ34は、複数の吐出口1のそれぞれに対応するように複数形成されている。キャビティ34は、流路を介して機能液収容装置9と接続される。キャビティ34は、機能液収容装置9からの機能液を収容し、吐出口1に供給する。
振動板35は、上下方向に振動することによって、キャビティ34の圧力(容積)を変動可能である。ピエゾ素子33は、振動板35を上下方向に振動可能である。ピエゾ素子33は、複数の吐出口1のそれぞれに対応するように複数配置されている。ピエゾ素子33は、制御器12からの駆動信号に基づいて振動板35を振動させ、キャビティ34の圧力を変動させることによって、吐出口1より機能液の液滴Dを吐出させる。
また、制御器12は、例えば特開2001−58433号公報に開示されているように、ピエゾ素子33に供給する駆動信号(駆動波形)を調整して、吐出口1のそれぞれから吐出される液滴Dの量(大きさ、体積)を調整可能である。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を、それら複数の吐出ヘッド3の位置がほぼ動かないように保持する保持装置38を備えている。保持装置38は、キャリッジ部材11と、そのキャリッジ部材11を支持する支持機構39とを含む。本実施形態においては、支持機構39は、キャリッジ部材11を微動可能なアクチュエータを含む。支持機構39は、キャリッジ部材11を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に微動可能である。本実施形態では、これら保持装置38、支持機構39、キャリッジ部材11が吐出ヘッド3とともに、上述した図示しない駆動装置によってX方向に移動自在である。
次に、図4を参照しながら、移動テーブル4上に設けられた基板ステージ40について説明する。図4(A)は、移動テーブル4及び基板ステージ40を示す斜視図、図4(B)は、移動テーブル4及び基板ステージ40を−Y側から見た側面図である。
基板ステージ40は、液滴Dでパターンが形成される基板Pを保持しながら移動可能であり、移動テーブル4に搭載され、基板Pを保持する保持機構41を有するホルダ部材42を備えている。基板ステージ40のホルダ部材42は、基板Pの表面と吐出ヘッド3の吐出面2とが対向するように、且つ、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。そして、固定子22及び可動子23を含む駆動装置8は、移動テーブル4をY軸方向に移動可能であり、移動テーブル4のY軸方向への移動に伴って、その移動テーブル4に搭載されているホルダ部材42(基板P)も一体的にY軸方向に移動する。
本実施形態においては、移動テーブル4とホルダ部材42との間には、複数のアクチュエータ45が配置されている。アクチュエータ45は、例えばピエゾ素子を含む。制御装置10は、これらアクチュエータ45を制御することによって、移動テーブル4上で、基板Pを保持したホルダ部材42を移動(微動)可能である。本実施形態においては、基板Pを保持したホルダ部材42は、アクチュエータ45によって、移動テーブル4上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。
吐出ヘッド3から吐出された液滴Dを基板Pに供給するために、制御装置10は、駆動装置8を用いて移動テーブル4を移動させて、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、基板ステージ40(ホルダ部材42)に保持されている基板Pを配置する。また、制御装置10は、移動テーブル4とホルダ部材42との間に配置されているアクチュエータ45を用いて、吐出面2の吐出口1から吐出された液滴Dが基板Pの所定位置に供給されるように、吐出ヘッド3の吐出面2とホルダ部材42に保持されている基板Pの表面との間の距離(プラテンギャップ)、傾斜方向(θX、θY方向)の位置関係、及び回転方向(θZ方向)の位置関係を調整する。
また、本実施形態においては、吐出ヘッド3の吐出面2と対向可能なホルダ部材42の上面のうち、基板Pを保持する保持機構41のY軸方向両側には、フラッシング領域46が設けられている。フラッシング領域46は、吐出ヘッド3の吐出口2から吐出された液滴Dを吸収可能な多孔部材の上面で形成されている。多孔部材は、例えばスポンジ状の部材を含む。制御装置10は、吐出ヘッド3より基板Pに液滴Dを供給する前に、吐出ヘッド3の吐出口1とホルダ部材42のフラッシング領域46とを対向させた状態で、吐出口1より液滴Dを予め吐出する動作、いわゆるフラッシング動作を実行させる。
また、第1移動体4は、基板Pを加熱する加熱装置47を有する。加熱装置47は、ホルダ部材42に設けられている。制御装置10は、ホルダ部材42の加熱装置47を用いて、そのホルダ部材42に保持されている基板Pを加熱可能である。
液滴吐出装置IJは、加熱装置47を用いて基板Pを加熱しつつ、その加熱された基板Pに吐出ヘッド3の吐出口1より液滴Dを供給することによって、基板Pに接触した液滴Dを瞬時に乾燥可能である。
次に、図1及び図5を参照しながら、ワイピング装置6について説明する。図5は、ワイピング装置6を−Y側から見た図である。ワイピング装置6は、吐出ヘッド3の吐出面2に付着した異物(主に機能液及びその固形物)を払って除去するものであり、移動テーブル4上に設けられている。
ワイピング装置6は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向した状態で、吐出面2に対して相対的に移動可能なワイピング面56を有するワイピング部材57と、ワイピング部材57のワイピング面56を送って移動させるための駆動機構(送り機構)58と、ワイピング部材57及び駆動機構58を収容するハウジング部材59とを有する。
ワイピング部材57の少なくとも一部は、吐出ヘッド3と対向可能なハウジング部材59の上面に形成された開口60より露出(突出)しており、吐出ヘッド3の吐出面2と対向可能である。ワイピング装置6は、吐出ヘッド3の吐出面2とワイピング部材57のワイピング面56とを対向(当接)させた状態で、吐出面2に対してワイピング部材57のワイピング面56を移動させることによって、そのワイピング面56で吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物を払う(除去する)ことができる。
本実施形態においては、ワイピング部材57はシート状のクロス材であり、図2に示したY方向に2列に配列された吐出ヘッド3に対して一括的に当接可能な幅を有している。ワイピング部材57は、液体を吸収可能な材料で形成されている。ワイピング部材57は、例えば不織布を含む。なお、ワイピング部材57は、例えばポリエステル等の織布であってもよい。液体を吸収可能な材料でワイピング部材57を形成することによって、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物が液滴である場合、その液滴(異物)を良好に除去できる。
ワイピング部材57のワイピング面56を移動するための駆動機構58は、ワイピング部材57を支持しながら回転する複数のローラを有する。駆動機構58は、ハウジング部材59の内側に配置され、シート状のワイピング部材57を繰り出す繰り出しローラ61と、ワイピング部材57を巻き取る巻き取りローラ62と、吐出ヘッド3の吐出面2に最も近い位置に配置され、吐出ヘッド3の吐出面2と対向するワイピング部材57のワイピング面56と反対側の面を支持する支持ローラ63とを有する。繰り出しローラ61、及び巻き取りローラ62のそれぞれは、回転モータ等のアクチュエータ64、65によって回転する。ワイピング装置6は、アクチュエータ64、65を制御して、ワイピング部材57のワイピング面56を所定速度で移動(走行)させる。また、駆動機構58は、ワイピング部材57の移動(走行)を案内するガイドローラ、及びワイピング部材57の張力を調整可能なテンションローラを備える。
また、上述の基板ステージ40と同様に、移動テーブル4とハウジング部材59との間には複数のアクチュエータ67が配置されている。制御装置10は、これらアクチュエータ67を制御することによって、移動テーブル4上で、ハウジング部材59を移動(微動)可能である。本実施形態においては、ハウジング部材59は、アクチュエータ67によって、移動テーブル4上で、X軸方向及びZ軸方向に移動可能である。本実施形態では、アクチュエータ67は、例えばピエゾ素子を備えており、Z軸方向に高周波で変位することにより、ハウジング部材59に対して高周波微振動を付与可能となっている。
また、ワイピング装置6のワイピング部材57及びローラを含む駆動機構58は、ハウジング部材59の移動に伴って、移動テーブル4上で、ハウジング部材59と一体的に移動する。
ワイピング部材57で吐出ヘッド3の吐出面2の異物を払うために、制御装置10は、駆動装置8を用いて移動テーブル4を移動して、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、ワイピング装置6を配置する。
そして、制御装置10は、アクチュエータ67を用いて、ワイピング面56で吐出面2の異物を払うことができるように、ハウジング部材59をZ軸方向に移動してワイピング面56を吐出面2に当接させる。そして、制御装置10は、繰り出しローラ61、及び巻き取りローラ62を駆動して、吐出ヘッド3の吐出面2に対してワイピング部材57のワイピング面56を移動(走行)させるとともに、ハウジング部材59をX方向に移動させる。これにより、ワイピング装置6は、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物を順次払う(除去する)ことができる。
なお、メンテナンスエリアMAに設けられたワイピング装置72は、ワイピング装置6とほぼ同様の構成を有しているため、図5に対応する符合を付し、ここではその説明を省略する。
フラッシング部7は、吐出ヘッド3によるフラッシングが定期的に行われるものであり、ワイピング装置6の+Y側に設けられ、移動テーブル4の移動により当該ワイピング装置6及び基板ステージ40と一体的に移動する。このフラッシング部7の吐出面3と対向する側には、フラッシング領域46と同様に、液滴Dを吸収可能な多孔材からなる吸収材15が枠部14に囲まれて敷設されている。
メンテナンスエリアMAに配設された重量測定装置71は、液滴Dを吸収可能な多孔材からなる吸収材を有し、各吐出ヘッド3から吐出された所定滴数の液状体の液滴Dの重量を電子天秤等を用いて、吐出ヘッド3毎に測定することにより、規定の液滴吐出量を得るためのヘッド駆動電圧を、直線近似等の手法により逆算し、この駆動電圧を製膜処理(描画処理)時の電圧として設定することができる。
次に、キャッピング装置73について説明する。
図6は、キャッピング装置73を−X側から見た図である。
キャッピング装置73は、吐出ヘッド3の吐出面2を覆うキャップ部材48を備えている。キャップ部材48は、吐出ヘッド3と対向可能な上面と、その上面に形成され、吐出ヘッド3の吐出面2との間で密閉された空間49を形成可能なキャップ部50とを有している。キャップ部50は、キャップ部材48の上面に形成された凹部(溝)を含み、その凹部によって、吐出ヘッド3の吐出面2との間で空間49を形成可能である。キャップ部50は、複数の吐出ヘッド3のぞれぞれに対応するように、複数設けられている。
また、キャッピング装置73は、キャップ部(凹部)50の底部に形成され、空間49の流体を吸引可能な吸引口53と、吸引口53と流路54を介して接続された真空システム55とを有している。
ベース部材30とキャップ部材48との間には複数のアクチュエータ52が配置されている。制御装置10は、これらアクチュエータ52を制御することによって、ベース部材30上で、キャップ部材48を移動(微動)可能である。本実施形態においては、キャップ部材48は、アクチュエータ52によって、ベース部材30上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。
キャップ部材48で吐出ヘッド3の吐出面2を覆うために、制御装置10は、駆動装置8を用いて吐出ヘッド3を移動させて、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部材48とが対向する第2位置A2に吐出ヘッド3を配置する。そして、制御装置10は、アクチュエータ52を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部材48のキャップ部50との間に空間49が形成されるように、キャップ部材48を+Z方向に移動する。これにより、吐出面2に配置された吐出口1が空間49内に密閉されることになる。
キャッピング装置73は、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部50との間で空間49を形成した状態で、真空システム55を駆動することによって、空間49を負圧にすることによって、キャビティ34等、吐出ヘッド3の内部の機能液を、吐出口1を介して吸引可能である。すなわち、キャッピング装置73は、空間49の流体を吸引することによって、吐出ヘッド3の内部において、吐出口1に向かう機能液の流れを生成し、また、吐出口1内の増粘した機能液を当該吐出口1から排出することができる。
なお、上記キャッピング装置73は、主に吐出ヘッド3の機能液を吸引する吸引機能を有するが、吐出面2(吐出口1)の乾燥を抑制する機能(保湿機能)を有していてもよい。例えば、キャップ部50の内側に湿った多孔部材(メッシュ部材)を配置し、その湿った多孔部材を含むキャップ部50と吐出ヘッド3の吐出面2とを対向させることによって、吐出面2の乾燥を抑制できる。すなわち、吐出面2とキャップ部50とで形成される空間49の内側に、湿った多孔部材を配置することによって、吐出面2の乾燥を抑制することも可能である。
続いて、上記構成の液滴吐出装置IJを用いてデバイスを製造する手順の一例について説明する。
制御装置10は、駆動装置8を制御して移動テーブル4を移動させ、第3位置A3に基板ステージ40を位置決めする。そして、制御装置10は、基板搬送装置27を用いて、第3位置A3に配置された基板ステージ40に基板Pを搬入する。この後、制御装置10は、駆動装置8を制御して移動テーブル4を移動させ、基板Pを保持した基板ステージ40を、吐出ヘッド3の直下の第1位置A1に移動させる。
そして、制御装置10は、制御器12及び駆動装置8を制御して、フラッシング領域46に対してフラッシング(予備吐出)を行った後に、基板ステージ40上の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対してY軸方向に相対移動させつつ、吐出ヘッド3の吐出口1より、基板Pに液滴Dを吐出(供給)して描画する(吐出工程)。これにより、基板Pには、液滴Dにより所定のパターンが形成される。制御装置10は、加熱装置47で基板Pを加熱しつつ、その基板Pに液滴Dを吐出する。
なお、液滴吐出装置IJにおいては、基板ステージ40上の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対してY軸方向に相対移動させつつ吐出ヘッド3の吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出(供給)する動作を複数回繰り返してもよい。例えば、基板Pを+Y方向に移動しつつ液滴Dを吐出する動作と、基板Pを−Y方向に移動しつつ液滴Dを吐出する動作とを複数回繰り返してもよい。また、例えば特開2004−146796号公報等に開示されているように、基板PのY軸方向への移動毎に、基板PのX軸方向に関する位置を僅かな距離(例えば1つのピクセル分)だけ変化させてもよい。これらの場合も、吐出口1からの液滴Dの吐出量を安定させるために、フラッシング領域46に対してフラッシング(予備吐出)を適宜行うことが好ましい。
ここで、上記吐出ヘッド3からの液滴Dの吐出が続くと、吐出ヘッド3内で機能液を含む固形物が生じる可能性がある。そのため、本実施形態では固形物を除去、及び発生した固形物の成長を防止するために、短サイクルで固形物除去処理として、吐出ヘッド3に対して高周波微振動を付与する。
具体的には、基板Pに対する吐出処理が所定量(例えば1枚毎、100枚毎、1回の相対移動毎)完了する毎に、移動テーブル4を移動させて、吐出ヘッド3の吐出面2をフラッシング部7に対向させる。そして、吸収材15の上部にて吐出ヘッド3に高周波微振動を付与する(微振動付与工程)。
このとき、吐出ヘッド3に付与する微振動としては、付与された高周波微振動に伴う急激な圧力変動に対して機能液の圧力が飽和蒸気圧まで低下してキャビテーションを発生させる周波数であり、吐出ヘッド3の固有振動数よりも大きな周波数が好ましく、ここでは20〜100kHzで付与する。これにより、吐出ヘッド3内の機能液でキャビテーションが発生し、このキャビテーションで生じた気泡の衝撃力により、吐出ヘッド3内の固形物等は破壊または剥離する。また、この吐出ヘッド3に対する微振動付与に際して、吐出口1から機能液が飛び散ることがあるが、吐出ヘッド3が機能液吸収材であるフラッシング部7の吸収材15の上部に位置することから、吐出口1から飛び散った機能液は吸収材15に速やかに吸収され、周囲に飛散することを防止できる。
また、吐出ヘッド3に対する微振動付与に際して吐出口1から漏れ出て吐出面2に付着した機能液を除去するために、引き続いてワイピング処理を実行する。すなわち、駆動機構58によりワイピング部材57を走行させるとともに、ハウジング部材59をX方向に移動させることにより、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している機能液の残渣等の異物を順次払う(除去する)。また、機能液の吐出が継続された場合、機能液のミストが吐出面2に付着して、吐出口1の周囲にゲル化物が発生し、穴サイズ減少に伴う吐出重量の減少、吐出口1の真円形状が歪になることによる液滴の飛び散り、飛行曲がりによる着弾位置異常(基板内混色)等の不具合を生じさせる可能性があるが、上述した短サイクルのワイピング処理を実施することにより、このような機能液のミストに起因した不具合を回避することができる。
なお、ワイピング装置6によるワイピング処理を実施するタイミングとしては、一定の時間毎や一定の液滴吐出量毎に行うものでもよいし、例えばワイピング装置6に吐出面2に検知光を照射し、その反射光を受光する光学センサを設け、反射光の強度がしきい値以下に低下した際に、吐出面2に機能液の残渣が付着して検知光を乱反射させているものと判断してワイピング処理を開始する構成としてもよい。
上記微振動付与処理及びワイピング処理が完了すると、続いてフラッシング処理を実施する。
具体的には、制御装置10は、駆動装置8を制御して移動テーブル4を移動させ、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1にフラッシング部7を位置決めする。この後、吐出ヘッド3からフラッシング部7の吸収材15に対して液滴Dを、例えば数万滴予備吐出(フラッシング)させることにより、微振動付与工程で剥離され吐出ヘッド3の内部に残存していた固化浮遊物が吐出される。また、このフラッシング処理を実施することで、ワイピング処理により変化したメニスカス位置をリセットすることができる。このように、メニスカス位置が安定したら、上記と同様に基板ステージ40を第1位置A1に位置決めして、液滴吐出処理を実施する。なお、フラッシング処理は、フラッシング部7ではなく、基板ステージ40のフラッシング領域46で実施してもよい。
そして、基板Pに対する液滴Dの吐出動作が終了した後、制御装置10は、基板ステージ40から基板Pを搬出するために、駆動装置8を制御して、移動テーブル4を介して基板ステージ40を第3位置A3に移動させる。そして、制御装置10は、基板搬送装置27を用いて、第3位置A3に配置された基板ステージ40から基板Pを搬出するとともに、その基板ステージ40に新たな基板Pを搬入する。
一方、基板Pに対する所定量の液滴吐出処理が完了すると、吐出ヘッド3に対するメンテナンス処理を実施する。
具体的には、まず吐出エリアIAにあった吐出ヘッド3を−X方向へ移動させて、メンテナンスエリアMAにおけるキャッピング装置73と対向する第2位置A2に移動させ(移動工程)、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部材48のキャップ部50との間に空間49が形成されるように、アクチュエータ52を用いてキャップ部材48を+Z方向に移動する。これにより、吐出面2に配置された吐出口1が空間49内に密閉される。そして、真空システム55を駆動することによって、空間49を負圧にすることによって、キャビティ34等、吐出ヘッド3の内部の機能液を、吐出口1を介して吸引する。これにより、吐出口1内の増粘した機能液を当該吐出口1から排出させ、吸引口53及び流路54を介して排出することができる。
吐出面2に対するキャッピング処理が完了すると、吐出ヘッド3をワイピング装置72と対向する位置に位置決めする。そして、ワイピング装置72におけるアクチュエータ67を作動させてハウジング部材59を+Z側に上昇させ、ワイピング面56を吐出面2に当接させる。この後、駆動機構58によりワイピング部材57を走行させるとともに、ハウジング部材59をX方向に移動させることにより、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している機能液の残渣等の異物を順次払う(除去する)ことができる。
吐出面2に対するワイピング処理が完了すると、吐出ヘッド3を重量測定装置71と対向する位置に位置決めする。そして、重量測定装置71に対して各吐出ヘッド3から所定数の液滴Dを吐出させ、吐出ヘッド3毎に液滴の重量を測定する。これにより、規定の液滴吐出量を得るためのヘッド駆動電圧を、直線近似等の手法により逆算し、この駆動電圧を液滴吐出処理(描画処理)時の電圧として設定することができる。
このようにメンテナンス処理が施された吐出ヘッド3は、吐出エリアIAに移動して、液吐出処理を再開することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、メンテナンスエリアMAではなく、吐出エリアIAにて吐出ヘッド3に高周波微振動を付与して固形物を破壊・剥離しているため、吐出ヘッド3をメンテナンスエリアMAに移動させる必要がなくなり、吐出ヘッド3の移動に伴う時間が消費されて生産性が低下することを抑制しつつ、吐出ヘッド3内に残存する固形物に起因して生じる飛行曲がり等の不具合を回避することが可能になるとともに、吐出ヘッド3の高寿命化も図ることができる。また、本実施形態では、吐出エリアIAにて微振動付与工程を容易に実施できるため、吐出処理中に短サイクルで頻繁に微振動を付与することが可能になり、固形物が成長して吐出口1を塞ぐ等の不具合も回避することができる。
加えて、本実施形態では、微振動付与処理をフラッシング部7の上部で実施しているため、微振動付与に伴って機能液が周囲に飛散してしまうことを効率的に防止することができる。さらに、本実施形態では、微振動付与処理に続いてワイピング処理を実施するため、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している機能液の残渣等の異物を除去することができ、穴サイズ減少に伴う吐出重量の減少、吐出口1の真円形状が歪になることによる液滴の飛び散り、飛行曲がりによる着弾位置異常(基板内混色)等の不具合を回避できる。また、機能液残渣により吐出口1が塞がれないため、必要以上に機能液を吐出する必要がなくなり、機能液の消費量も低減することができる。
さらに、本実施形態では、微振動付与処理及びワイピング処理後に液滴のフラッシング処理(予備吐出処理)を実施しているため、微振動付与工程で剥離され吐出ヘッド3の内部に残存していた固化浮遊物を吐出することができ、また、このフラッシング処理を実施することで、ワイピング処理により変化したメニスカス位置をリセットすることができ、機能液の吐出量が安定した高精度の吐出処理を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、フラッシング部7の上部で吐出ヘッド3に微振動を付与する構成としたが、フラッシング部7の枠部14をキャップ部として吐出面2またはキャリッジ部材11に当接させ、アクチュエータの作動によりこの枠部14を介して吐出ヘッド3に微振動を付与してもよい。また、ワイピング装置6の上部で吐出ヘッド3に微振動を付与する構成としてもよい。
また、微振動を付与するタイミングも、例えば吐出ヘッド3の近傍に微振動付与装置を配設し、基板搬送装置27により基板Pを交換している空き時間を利用して吐出ヘッド3に微振動を付与したり、当該空き時間にピエゾ素子33を駆動して吐出ヘッド3に微振動を付与する手順を採ることにより、より効率的な固形物除去を実施することが可能になる。
また、上記実施形態では、基板ステージ40、ワイピング装置6及びフラッシング部7が移動テーブル4によって一体的に移動する構成としたが、これに限られるものではなく、個別に移動手段を設け、互いに独立して移動する構成としてもよい。
また、基板としては、ガラス基板、半導体ウエハ等、製造するデバイスに応じて、適宜選択可能である。また、例えば特開2006−114593号公報、特開2006−261146号公報等に開示されているような、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)多層回路基板を形成するための基板であって、焼成前のLTCC基板(グリーンシート)を用いてもよい。
機能液としては、カラーフィルタに用いられる着色インクや、例えば特開2005−34837号公報に開示されているような、導電性微粒子を所定の分散媒に分散したものを用いることができる。使用される機能液の導電性微粒子としては、例えば特開2005−34837号公報等に開示されているような、金、銀、銅、パラジウム、及びニッケル等の金属微粒子であってもよいし、導電性ポリマーであってもよい。また、使用される分散媒も、導電性微粒子に応じて適宜選択可能である。また、配線パターンのみならず、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の少なくとも一部を形成することもできる。
また、液滴吐出装置を用いて製造可能なデバイスとしては、回路基板に限られず、例えばカラーフィルタ、配向膜等、液晶装置の少なくとも一部を形成することができるし、有機EL装置の少なくとも一部を形成することもできる。
液滴吐出装置IJの一部を示す斜視図である。 複数の吐出ヘッド3を下側(−Z側)から見た斜視図である。 吐出ヘッド3の構造の一例を説明するための断面図である。 基板ステージを示す(A)は外観斜視図、(B)は側面図である。 ワイピング装置6を−Y側から見た図である。 キャッピング装置73を−X側から見た図である。
符号の説明
D…液滴、 IA…吐出エリア、 IJ…液滴吐出装置、 MA…メンテナンスエリア(非吐出エリア)、 P…基板、 1…吐出口(ノズル)、 2…吐出面(ノズル面)、 3…吐出ヘッド、 6…ワイピング装置、 7…フラッシング部(予備吐出エリア)、 33…ピエゾ素子(圧電素子)、 40…基板ステージ、 57…ワイピング部材(機能液吸収材)

Claims (11)

  1. 基板が設けられた吐出エリアにおいて、前記基板に対して吐出ヘッドから機能液の液滴を吐出して描画する吐出工程と、
    前記吐出エリアから外れた位置の非吐出エリアで前記吐出ヘッドに所定のメンテナンス処理を行うメンテナンス工程と、
    前記吐出エリアと前記非吐出エリアとの間で前記吐出ヘッドを移動させる移動工程とを有し、
    前記吐出エリアで前記吐出ヘッドに所定の高周波微振動を付与する微振動付与工程を有することを特徴とする液滴吐出方法。
  2. 請求項1記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドは、圧力発生室内の前記機能液に所定周波数で圧力を付与する圧電素子を有し、
    前記微振動付与工程では、前記吐出工程における前記圧電素子の前記所定周波数よりも高い周波数で前記微振動を付与することを特徴とする液滴吐出方法。
  3. 請求項2記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドの固有振動数よりも大きな周波数で前記微振動を付与することを特徴とする液滴吐出方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の液滴吐出方法において、
    前記微振動付与工程では、機能液吸収材の上部で前記微振動を付与することを特徴とする液滴吐出方法。
  5. 請求項4記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出する吐出面を前記機能液吸収材でワイピング処理する工程を有することを特徴とする液滴吐出方法。
  6. 請求項5記載の液滴吐出方法において、
    前記微振動付与工程では、前記吐出面に当接させた前記機能液吸収材を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与することを特徴とする液滴吐出方法。
  7. 請求項5または6記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドに前記微振動を付与した後に、前記ワイピング処理を実施することを特徴とする液滴吐出方法。
  8. 請求項4記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出する吐出面を、前記機能液吸収材と対向させた状態で前記液滴の予備吐出処理する工程を有することを特徴とする液滴吐出方法。
  9. 請求項8記載の液滴吐出方法において、
    前記微振動付与工程では、前記吐出面に当接させたキャップ部を介して、前記吐出ヘッドに前記微振動を付与することを特徴とする液滴吐出方法。
  10. 請求項8または9記載の液滴吐出方法において、
    前記吐出ヘッドに前記微振動を付与した後に、前記予備吐出処理を実施することを特徴とする液滴吐出方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の液滴吐出方法を用いて基板に液滴を吐出してパターンを形成する工程を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010214732A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Riso Kagaku Corp 記録ヘッドの洗浄方法及び洗浄機構
WO2019163705A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 日本電産株式会社 液剤塗布装置
WO2019163706A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 日本電産株式会社 液剤塗布装置

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