JP2008178813A - 液滴吐出装置、及びデバイスの製造方法、並びにパターン形成方法 - Google Patents

液滴吐出装置、及びデバイスの製造方法、並びにパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレート部材の温度上昇に起因する性能の劣化を抑制できる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置は、機能液の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面を有するプレート部材と、吐出口から液滴が吐出されていないときに、プレート部材を冷却するために、プレート部材の少なくとも一部と接触するように気流を生成する気流生成装置とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出装置、及びデバイスの製造方法、並びにパターン形成方法に関する。
デバイスパターンを形成するための手法の一つとして、機能液の液滴で基板にパターンを形成する液滴吐出法(インクジェット法)が知られている。下記特許文献には、液滴吐出法に基づいて基板にパターンを形成する液滴吐出装置(インクジェット装置)に関する技術の一例が開示されている。
特開平11−248926号公報 特開2004−223914号公報
液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出ヘッドを有する。吐出ヘッドは、ピエゾ素子等、液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体と、ヘッド本体の端に接続され、吐出口(吐出ノズル)が形成されたプレート部材(ノズルプレート)とを有する。プレート部材の温度が上昇すると、例えばプレート部材の熱変形に起因して吐出口同士の距離(ノズルピッチ)が変動したり、吐出口近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口近傍の機能液の固形分が析出したりする可能性がある。その場合、吐出不良が発生したり、所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等、液滴吐出装置の性能が劣化する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、プレート部材の温度上昇に起因する性能の劣化を抑制できる液滴吐出装置を提供することを目的とする。また、その液滴吐出装置を用いるデバイスの製造方法を提供することを目的とする。また、プレート部材の温度上昇に起因する吐出不良等の不具合の発生を抑制して、液滴でパターンを良好に形成できるパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
本発明の第1の観点によると、機能液の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面を有するプレート部材と、前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するために、前記プレート部材の少なくとも一部と接触するように気流を生成する気流生成装置と、を備えた液滴吐出装置が提供される。
本発明の第1の観点によれば、生成した気流でプレート部材を冷却することによって、プレート部材の温度上昇に起因する性能の劣化を抑制できる。また、吐出口から液滴が吐出されているときに、気流を生成した場合、その生成された気流によって、吐出口から吐出された液滴が飛翔する経路が変動したり、所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合が発生する可能性がある。第1の観点によれば、吐出口から液滴が吐出されていないときに、気流を生成することによって、吐出口から吐出された液滴が飛翔する経路が変動したり、所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合の発生を抑制できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記気流生成装置は、前記気流を生成するために前記プレート部材近傍の気体を吸引する吸引口を有する構成を採用できる。これによれば、吸引口より気体を吸引することによって気流を生成できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記気流生成装置は、前記気流を生成するために冷却用気体を供給する供給口を有する構成を採用できる。これによれば、供給口より冷却用気体を供給することによって気流を生成できる。
本発明の第2の観点に従えば、機能液の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面を有するプレート部材と、前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するための気流を生成するために、前記吐出面以外の前記プレート部材の少なくとも一部に冷却用気体を供給する供給口を有する気流生成装置と、を備えた液滴吐出装置が提供される。
本発明の第2の観点によれば、供給口より冷却用気体を供給することによって、プレート部材を冷却するための気流を円滑に生成でき、プレート部材の温度上昇に起因する性能の劣化を抑制できる。また、吐出面に冷却用気体を直接的に供給した場合、その吐出面に形成されている吐出口近傍の機能液が乾いたり、吐出口近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口近傍の機能液の固形分が析出したりする不具合が発生する可能性がある。第2の観点によれば、吐出面以外のプレート部材の少なくとも一部に冷却用気体を供給することによって、吐出口近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口近傍の機能液の固形分が析出したりする不具合の発生を抑制できる。また、吐出口から液滴が吐出されているときに、冷却用気体を供給した場合、その供給された冷却用気体によって、吐出口から吐出された液滴が飛翔する経路が変動したり、所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合が発生する可能性がある。第2の観点によれば、吐出口から液滴が吐出されていないときに、冷却用気体を供給することによって、吐出口から吐出された液滴が飛翔する経路が変動したり、所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合の発生を抑制できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体を備え、前記供給口は、前記吐出面に対して斜め方向から、前記プレート部材の側面及び前記ヘッド本体の側面に向けて前記冷却用気体を供給する構成を採用できる。これによれば、吐出面に冷却用気体が直接的に供給されることを抑制しつつ、プレート部材を冷却できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体を備え、前記プレート部材の側面は、前記ヘッド本体の側面よりも外側に突出し、前記供給口は、前記ヘッド本体の側面に向けて前記冷却用気体を供給する構成を採用できる。これによれば、吐出面に冷却用気体が直接的に供給されたり、吐出面と接触するように気流が生成されたりすることを抑制しつつ、プレート部材を冷却できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記ヘッド本体の側面、及び前記吐出面以外の前記プレート部材の表面の少なくとも一方に形成されたフィン部材を備える構成を採用できる。これによれば、フィン部材の放熱効果によって、プレート部材、ヘッド本体等を効果的に冷却できる。また、フィン部材によって、生成される気流を整えることができる。
本発明の液滴吐出装置において、少なくとも前記プレート部材を収容する空調空間を備え、前記供給口は、前記冷却用気体として、前記空調空間の目標温度よりも低い温度の気体を供給する構成を採用できる。これによれば、プレート部材を効果的に冷却できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記吐出面と対向する第1位置を含む所定領域で、前記液滴でパターンが形成される基板を保持しながら移動可能な移動体を備え、前記気流生成装置は、少なくとも前記吐出口と前記基板とが対向していないときに、前記気流を生成する構成を採用できる。これによれば、少なくとも吐出口と基板とが対向していないときに、プレート部材を良好に冷却でき、吐出口と基板とが対向しているときに、基板に向けて吐出口より液滴を良好に吐出できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記第1位置と異なる第2位置に配置された前記移動体に基板を搬入する動作、及び前記第2位置に配置された前記移動体から基板を搬出する動作の少なくとも一方を実行する搬送装置を備え、前記気流生成装置は、前記移動体が前記第2位置に配置されているときに、前記気流を生成する構成を採用できる。これによれば、移動体に対する基板の搬入、搬出動作と、プレート部材の冷却動作とを並行して実行できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記移動体は、前記液滴で前記パターンを形成するために前記基板の表面が前記吐出口と対向するように、且つ前記吐出面と前記基板の表面とがほぼ平行となるように前記基板を保持する保持領域と、前記保持領域に対して所定方向の少なくとも一方に配置され、前記吐出口からの液滴を受容可能なフラッシング領域とを備え、前記所定方向に前記基板の表面と前記吐出面とを相対的に移動しつつ前記基板の表面に前記吐出口より前記液滴を供給し、前記気流生成装置は、前記吐出口と前記フラッシング領域とが対向しているときに、前記気流を生成する構成を採用できる。これによれば、基板に対する液滴吐出動作を終了した直後、又は基板に対する液滴吐出動作を開始する直前に、プレート部材を冷却できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記プレート部材をメンテナンス可能なメンテナンス装置を備え、前記気流生成装置は、前記プレート部材と前記メンテナンス装置とが対向しているときに、前記気流を生成する構成を採用できる。これによれば、プレート部材に対するメンテナンス動作と、プレート部材の冷却動作とを並行して実行できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記液滴が吐出される基板を加熱する加熱装置を備え、前記吐出面と前記加熱された前記基板の表面とを対向させた状態で、前記吐出口より前記基板に前記液滴が吐出される構成を採用できる。これによれば、吐出口より吐出され、基板に供給された液滴に含まれる液体成分を瞬時に気化可能(乾燥可能)である。したがって、基板上に液滴で所望のパターンを形成できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記プレート部材の温度を検出する温度検出装置と、前記温度検出装置の検出結果に基づいて、前記気流生成装置を制御する制御装置とを備えた構成を採用できる。これによれば、プレート部材を所望の温度に調整できる。
本発明の液滴吐出装置において、前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体と、前記ヘッド本体を支持するキャリッジ部材とを備え、前記気流生成装置の少なくとも一部は、前記キャリッジ部材に支持されている構成を採用できる。これによれば、例えばキャリッジ部材とヘッド本体及びプレート部材とが一緒に移動する構成でも、その移動に伴って気流生成装置も一緒に移動できるので、その気流生成装置を用いて、プレート部材を円滑に冷却できる。
本発明の第3の観点に従えば、上記観点の液滴吐出装置を用いて基板に液滴を吐出して前記基板にパターンを形成する動作と、前記基板の液滴を乾燥する動作と、を含むデバイスの製造方法が提供される。これによれば、プレート部材の温度上昇に起因する性能の劣化を抑制できる液滴吐出装置を用いてデバイスを製造できる。
本発明の第4の観点に従えば、プレート部材の吐出面に形成された吐出口よりパターンを形成するための機能液の液滴を吐出する動作と、前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するために、前記吐出面以外の前記プレート部材の少なくとも一部と接触するように気流を生成する動作と、を含むパターン形成方法が提供される。
本発明の第4の観点によれば、プレート部材の温度上昇に起因する吐出不良等の不具合の発生を抑制して、液滴でパターンを良好に形成できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る液滴吐出装置IJを示す概略構成図、図2は、第1実施形態に係る液滴吐出装置IJの一部を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、機能液の液滴Dを基板Pに吐出することによって、基板Pにデバイスパターンを形成する。液滴吐出装置IJは、機能液の液滴Dを吐出する吐出口1が形成された吐出面2を有するプレート部材37を含む吐出ヘッド3と、吐出面2と対向する第1位置A1を含む所定領域で吐出ヘッド3に対して移動可能であり、Y軸に沿って配置された複数の移動体4、5、6、7と、複数の移動体4、5、6、7をY軸に沿って移動させる駆動装置8と、吐出ヘッド3に流路を介して接続され、吐出ヘッド3に供給するための機能液を収容する機能液収容装置9と、プレート部材37を冷却するために、プレート部材37の少なくとも一部と接触するように気流を生成する気流生成装置80と、液滴吐出装置IJ全体の動作を制御する制御装置10とを備えている。
本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を備えたマルチヘッドタイプの液滴吐出装置であり、複数の吐出ヘッド3を支持するキャリッジ部材11を有する。また、液滴吐出装置IJは、吐出ヘッド3の駆動を制御する駆動回路を含む制御器12を有する。制御器12は、制御装置10の指令に基づいて、吐出ヘッド3を駆動する。
本実施形態において、基板Pは、例えば特開2006−114593号公報、特開2006−261146号公報等に開示されているような、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)多層回路基板を形成するための基板であって、焼成前のLTCC基板(グリーンシート)を含む。また、機能液は、例えば特開2005−34837号公報に開示されているような、導電性微粒子を所定の分散媒に分散したものを含む。本実施形態においては、機能液の導電性微粒子は、銀の微粒子(有機銀化合物、酸化銀ナノ粒子を含む)を主成分とし、分散媒は、水を主成分とする。本実施形態においては、液滴吐出装置IJが、焼成前のLTCC基板(グリーンシート)に、銀の微粒子を含む機能液の液滴Dを吐出して、その液滴Dで基板(グリーンシート)に配線パターンを形成する場合を例にして説明する。
液滴吐出装置IJは、少なくとも3つの移動体を有する。本実施形態においては、液滴吐出装置IJは、4つの移動体4、5、6、7を有する。第1移動体4は、Y軸に沿って配置された4つの移動体のうち、最も−Y側に配置されており、第4移動体7は、最も+Y側に配置されている。すなわち、第1移動体4と第2移動体7とは、Y軸に沿って配置された4つの移動体4、5、6、7のうち、Y軸方向に関して両端に配置されている。第2移動体5及び第3移動体6は、第1移動体4と第4移動体7との間に配置されている。第2移動体5は、第3移動体6の−Y側に配置されている。
第1移動体4は、液滴Dでパターンが形成される基板Pを保持しながら移動可能である。第2、第3、第4移動体5、6、7は、吐出ヘッド3をメンテナンスするメンテナンス装置を含む。本実施形態においては、第2移動体5は、吐出ヘッド3の吐出面2を覆うキャッピング装置13を含む。第3移動体6は、吐出ヘッド3の吐出面2の異物を払うワイピング装置14を含む。第4移動体7は、吐出ヘッド3の少なくとも一部を機能液以外の液体に浸ける浸漬装置15を含む。
液滴吐出装置IJは、各移動体4、5、6、7を移動可能に支持する支持面16を有するベース部材17を備えている。各移動体4、5、6、7のそれぞれは、支持面16に沿って移動可能である。本実施形態においては、支持面16は、XY平面とほぼ平行である。また、本実施形態においては、ベース部材17の支持面16と、その支持面16と対向する各移動体4、5、6、7の対向面との間にエアベアリングが形成されている。各移動体4、5、6、7は、エアベアリングにより、支持面16に対して非接触で支持される。
また、液滴吐出装置IJは、複数の移動体4、5、6、7のY軸方向への移動を案内するガイド部材18を備えている。ガイド部材18は、Y軸方向に長い棒状の部材であり、支持面16の上に配置されている。本実施形態においては、ガイド部材18の両端は、ガイド部材18の外側に配置された支持部材19で支持されている。支持部材19は、床面20に支持されている。また、ベース部材17は、床面20に支持されている支持部材21で支持されている。
本実施形態においては、駆動装置8は、リニアモータを含み、複数の移動体4、5、6、7のそれぞれを独立して移動可能である。駆動装置8は、ガイド部材18に配置されたリニアモータの固定子22と、ガイド部材18と対向する各移動体4、5、6、7の対向面のそれぞれに配置されたリニアモータの可動子23、24、25、26とを有する。制御装置10は、リニアモータを含む駆動装置8を用いて、各移動体4、5、6、7のそれぞれをベース部材17上で独立して移動可能である。
また、液滴吐出装置IJは、吐出ヘッド3と別の位置に配置され、第1移動体4に基板Pを搬入する動作、及び第1移動体4から基板Pを搬出する動作の少なくとも一方を実行する基板搬送装置27を備えている。基板搬送装置27の近傍には、基板Pを収容可能な基板収容装置28が配置されている。
基板搬送装置27は、Y軸方向に関して第1位置A1と異なる第2位置A2に配置された第1移動体4に基板Pを搬入する動作、及び第1移動体4から基板Pを搬出する動作の少なくとも一方を実行する。第1位置A1と第2位置A2とは、Y軸方向に関して離れている。本実施形態においては、第1位置A1は、第2位置A2の+Y側の位置である。第1移動体4は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1と、基板搬送装置27の近傍の第2位置A2との間を、ベース部材17の支持面16に沿って移動可能である。
基板搬送装置27は、例えば基板収容装置28に収容されている基板Pを、第2位置A2に配置された第1移動体4に搬入可能である。また、基板搬送装置27は、第2位置A2に配置された第1移動体4より基板Pを搬出し、基板収容装置28に収容可能である。
また、本実施形態においては、液滴吐出装置IJは、第1移動体4の移動経路の少なくとも一部に配置され、第1移動体4の熱の周囲への放散を遮る断熱部材29を備えている。断熱部材29は、第1移動体4を含む各移動体5、6、7の移動を妨げないように、ベース部材17の所定位置に取り付けられている。
また、液滴吐出装置IJは、上述のプレート部材37を含む吐出ヘッド3、キャリッジ部材11、移動体4、5、6、7、ベース部材17、ガイド部材18、基板搬送装置27、基板収容装置28、断熱部材29、機能液収容装置9、制御器12、及び制御装置10等の各機器、部材等を収容するチャンバ本体30と、チャンバ本体30の内側の空間の環境(温度、湿度、クリーン度等)を調整可能な空調装置31とを有するチャンバ装置32を備えている。
図3及び図4を参照しながら、吐出ヘッド3について説明する。図3は、キャリッジ部材11に支持された複数の吐出ヘッド3を下側から見た図、図4は、吐出ヘッド3の構造の一例を説明するための断面図である。
本実施形態の吐出ヘッド3は、液滴Dを吐出するためのピエゾ素子(圧電素子、駆動素子)33に所定の駆動信号を供給して、そのピエゾ素子33を変形させることによって、機能液を収容した空間34の圧力を可撓性の振動板(膜)35を介して変動させ、その圧力の変動を利用して、吐出口1より機能液の液滴Dを吐出する、いわゆる電気機械変換方式の吐出ヘッドである。制御器12は、制御装置10の指令に基づいて、吐出ヘッド3を駆動する。制御器12は、吐出ヘッド3のピエゾ素子33に所定の駆動信号を供給して、その駆動信号に応じた大きさの液滴Dを吐出口1のそれぞれより吐出可能である。
図3に示すように、本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を有する。複数の吐出ヘッド3は、キャリッジ部材11に支持されている。吐出ヘッド3は、機能液の液滴Dを吐出する吐出口(吐出ノズル)1が形成された吐出面(ノズル形成面)2を有する。吐出面2は、所定方向に長い形状(本実施形態においてはほぼ長方形状)を有する。吐出口1は、吐出面2において、所定方向(吐出面2の長手方向)に沿って複数形成されている。本実施形態においては、複数の吐出口1が並ぶ所定方向は、XY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向である。
図4に示すように、吐出ヘッド3は、液滴Dを吐出するためのピエゾ素子(駆動素子)33を含むヘッド本体36と、ヘッド本体36の下端に配置されたプレート部材(ノズルプレート)37とを有する。ヘッド本体36は、吐出面2と反対側のプレート部材37の上面に接続されている。吐出口1は、プレート部材37に形成されている。プレート部材37は、上下方向に貫通する孔を複数有する。吐出口1は、その孔の下端に配置されている。吐出面2は、プレート部材37に配置されている。
本実施形態においては、吐出ヘッド3(プレート部材37)の吐出面2は、下側(−Z側)に向いている。第1移動体4は、液滴Dでパターンを形成するために基板Pの表面が吐出口1を含む吐出面2と対向するように、且つ吐出面2と基板Pの表面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。第1移動体4は、吐出ヘッド3からの液滴Dが吐出(供給)される基板Pの表面が上側(+Z側)を向くように、基板Pを保持する。また、吐出ヘッド3の吐出面2は、XY平面とほぼ平行である。第1移動体4は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。制御装置10は、吐出ヘッド3の吐出面2と第1移動体4に保持された基板Pの表面との間の距離(プラテンギャップ)を所定の値(例えば600μm)に維持した状態で、吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出する。
また、吐出ヘッド3は、プレート部材37(吐出口1)の上方に形成されたキャビティ(空間)34と、キャビティ34の上方に配置された可撓性の板(振動板)35と、振動板35の上方に配置されたピエゾ素子33とを有する。キャビティ34は、複数の吐出口1のそれぞれに対応するように複数形成されている。キャビティ34は、流路を介して機能液収容装置9と接続される。キャビティ34は、機能液収容装置9からの機能液を収容し、吐出口1に供給する。
振動板35は、上下方向に振動することによって、キャビティ34の圧力(容積)を変動可能である。ピエゾ素子33は、振動板35を上下方向に振動可能である。ピエゾ素子33は、複数の吐出口1のそれぞれに対応するように複数配置されている。ピエゾ素子33は、制御器12からの駆動信号に基づいて振動板35を振動させ、キャビティ34の圧力を変動させることによって、吐出口1より機能液の液滴Dを吐出させる。
また、制御器12は、例えば特開2001−58433号公報に開示されているように、ピエゾ素子33に供給する駆動信号(駆動波形)を調整して、吐出口1のそれぞれから吐出される液滴Dの量(大きさ、体積)を調整可能である。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置IJは、複数の吐出ヘッド3を、それら複数の吐出ヘッド3の位置がほぼ動かないように保持する保持装置38を備えている。保持装置38は、キャリッジ部材11と、そのキャリッジ部材11を支持する支持機構39とを含む。本実施形態においては、支持機構39は、チャンバ本体30の天井面(内面)に固定されている。すなわち、本実施形態においては、複数の吐出ヘッド3は、キャリッジ部材11及び支持機構39を含む保持装置38を介して、チャンバ本体30の天井面(内面)に対してほぼ動かないように保持されている。
本実施形態においては、支持機構39は、キャリッジ部材11を微動可能なアクチュエータを含む。支持機構39は、キャリッジ部材11を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に微動可能である。
次に、図5を参照しながら、第1移動体4について説明する。図5(A)は、第1移動体4を示す斜視図、図5(B)は、第1移動体4を−Y側から見た図である。
第1移動体4は、液滴Dでパターンが形成される基板Pを保持しながら移動可能である。第1移動体4は、リニアモータの可動子23を有する第1可動部材40と、第1可動部材40に搭載され、基板Pを保持する保持領域(保持機構)41を有するホルダ部材42とを備える。ベース部材17の支持面16と対向する第1可動部材40の下面には、エアベアリング43が形成されている。第1可動部材40は、エアベアリング43により、支持面16に対して非接触で支持される。第1移動体4の保持領域41は、基板Pの表面が吐出口1と対向するように、且つ吐出面2と基板Pの表面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。
上述のように、本実施形態の基板Pはグリーンシートを含み、そのグリーンシートには厚み方向に貫通する孔(ビア)が形成されている。基板P(グリーンシート)の裏面には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)で形成されたフィルムFが貼り付けられており、第1移動体4のホルダ部材42は、フィルムFに支持された状態の基板Pを保持する。すなわち、本実施形態においては、第1移動体4のホルダ部材42は、フィルムFを介して基板P(グリーンシート)を保持する。
第1可動部材40の下面には、ガイド部材18を配置可能な凹部44が形成されている。第1可動部材40の凹部44の内面は、ガイド部材18と対向する。上述のように、ガイド部材18には、リニアモータの固定子22が配置されている。ガイド部材18と対向する第1可動部材40の凹部44の内面には、リニアモータの可動子23が配置される。固定子22及び可動子23を含む駆動装置8は、第1可動部材40をY軸方向に移動可能である。また、第1可動部材40のY軸方向への移動に伴って、その第1可動部材40に搭載されているホルダ部材42(基板P)も、第1可動部材40と一緒にY軸方向に移動する。
本実施形態においては、第1可動部材40とホルダ部材42との間には、複数のアクチュエータ45が配置されている。アクチュエータ45は、例えばピエゾ素子を含む。制御装置10は、これらアクチュエータ45を制御することによって、第1可動部材40上で、基板Pを保持したホルダ部材42を移動(微動)可能である。本実施形態においては、基板Pを保持したホルダ部材42は、アクチュエータ45によって、第1可動部材40上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。
吐出ヘッド3から吐出された液滴Dを基板Pに供給するために、制御装置10は、駆動装置8を用いて第1移動体4を移動して、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、第1移動体4(ホルダ部材42)に保持されている基板Pを配置する。また、制御装置10は、第1可動部材40とホルダ部材42との間に配置されているアクチュエータ45を用いて、吐出面2の吐出口1から吐出された液滴Dが基板Pの所定位置に供給されるように、吐出ヘッド3の吐出面2と第1移動体4に保持されている基板Pの表面との間の距離(プラテンギャップ)、吐出ヘッド3の吐出面2と第1移動体4に保持されている基板Pの表面との傾斜方向(θX、θY方向)の位置関係、及び回転方向(θZ方向)の位置関係を調整する。制御装置10は、アクチュエータ45を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2と基板Pの表面とがほぼ平行となるように、且つ、プラテンギャップが所定の値になるように、吐出ヘッド3の吐出面2と第1移動体4に保持されている基板Pの表面との位置関係を調整する。
また、本実施形態においては、吐出ヘッド3の吐出面2と対向可能なホルダ部材42の上面のうち、基板Pを保持する保持領域41に対してY軸方向両側には、吐出口1からの液滴Dを受容可能なフラッシング領域46が設けられている。フラッシング領域46は、吐出ヘッド3の吐出口2から吐出された液滴Dを吸収可能(受容可能)な多孔部材の上面で形成されている。多孔部材は、例えばスポンジ状の部材を含む。制御装置10は、吐出ヘッド3より基板Pに液滴Dを供給する前に、吐出ヘッド3の吐出口1とホルダ部材42のフラッシング領域46とを対向させた状態で、吐出口1より液滴Dを予め吐出する動作、いわゆるフラッシング動作を実行する。なお、フラッシング領域46は、保持領域41に対して+Y側及び−Y側のいずれか一方のみに配置されていてもよい。
また、第1移動体4は、基板Pを加熱する加熱装置47を有する。加熱装置47は、ホルダ部材42に設けられている。制御装置10は、ホルダ部材42の加熱装置47を用いて、そのホルダ部材42に保持されている基板Pを加熱可能である。制御装置10は、吐出面2と加熱された基板Pの表面とを対向させた状態で、吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出する。
加熱装置47は、吐出ヘッド3の吐出口1より吐出され、基板Pに供給された(接触した)液滴Dに含まれる液体成分を瞬時に気化可能である。液滴吐出装置IJは、加熱装置47を用いて基板Pを加熱しつつ、その加熱された基板Pに吐出ヘッド3の吐出口1より液滴Dを供給することによって、基板Pに接触した液滴Dを瞬時に乾燥可能である。
また、基板Pを加熱しつつ、その基板Pに液滴Dを供給することにより、ピニング現象を生じさせることができる。基板Pに供給された後の液滴Dの乾燥過程においては、液滴Dの周縁部における固形分濃度が飽和濃度に達すると、その周縁部において固形分が局所的に析出する。すると、その析出した固形分によって液滴Dの周縁部がピン止めされたような状態となり、それ以降の乾燥に伴う液滴Dの収縮(外径の収縮)が抑制される。このような、周縁部に析出した固形分によって乾燥に伴う液滴Dの収縮が抑制される現象(ピニング現象)を生じさせることによって、基板Pに形成されるパターン(本実施形態においては配線パターン)のエッジ(外形)を良好に規定することができる。
なお、例えば特開2005−28276号公報、特開2005−144324号公報等に開示されているように、基板Pの表面に配置された液滴Dの乾燥条件、対流条件等を調整して、基板Pに吐出(供給)された液滴Dに、ピニング現象を生じさせるようにしてもよい。
以下の説明において、第1移動体4の基板Pを第1位置A1に配置して、その基板Pにパターンを形成するための液滴Dを吐出口1より吐出する処理を適宜、パターン形成処理、と称する。
次に、図6及び図7を参照しながら、第2移動体5について説明する。図6は、第2移動体5を−X側から見た図、図7は、第2移動体5の動作の一例を説明するための図である。第2移動体5は、吐出ヘッド3の吐出面2を覆うキャッピング装置13を含む。
キャッピング装置13は、吐出ヘッド3の吐出面2を覆うキャップ部材48を備える。キャップ部材48は、吐出ヘッド3と対向可能な上面と、その上面に形成され、吐出ヘッド3の吐出面2との間で密閉された空間49を形成可能なキャップ部50とを有する。キャップ部50は、キャップ部材48の上面に形成された凹部(溝)を含み、その凹部によって、吐出ヘッド3の吐出面2との間で空間49を形成可能である。キャップ部50は、複数の吐出ヘッド3に対応するように、複数設けられている。
図7に示すように、キャッピング装置13は、吐出ヘッド3の吐出面2の全てをキャップ部(凹部)50の内側に配置可能である。キャッピング装置13は、例えばキャップ部(凹部)50の内側面の上端と、吐出面2の外側の吐出ヘッド3(プレート部材37)の側面とを接触させることによって、空間49を形成する。
また、キャッピング装置13は、キャップ部(凹部)50の底面に形成され、空間49の流体を吸引可能な吸引口53と、吸引口53と流路54を介して接続された真空システム55とを有する。
第2移動体5は、リニアモータの可動子24を有する第2可動部材51を有し、キャッピング装置13のキャップ部材48は、第2可動部材51上に搭載されている。上述の第1可動部材40と同様、ベース部材17の支持面16と対向する第2可動部材51の下面にはエアベアリングが形成されており、第2可動部材51は、支持面16に対して非接触で支持される。また、上述の第1可動部材40と同様、第2可動部材51の下面には、ガイド部材18を配置可能な凹部が形成されており、可動子24は、ガイド部材18と対向する第2可動部材51の凹部の内面に配置されている。固定子22及び可動子24を含む駆動装置8は、第2可動部材51をY軸方向に移動可能である。また、第2可動部材51のY軸方向への移動に伴って、その第2可動部材51に搭載されているキャッピング装置13のキャップ部材48も、第2可動部材51と一緒にY軸方向に移動する。
また、上述の第1移動体4と同様、第2可動部材51とキャップ部材48との間には複数のアクチュエータ52が配置されている。制御装置10は、これらアクチュエータ52を制御することによって、第2可動部材51上で、キャップ部材48を移動(微動)可能である。本実施形態においては、キャップ部材48は、アクチュエータ52によって、第2可動部材51上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。
キャップ部材48で吐出ヘッド3の吐出面2を覆うために、制御装置10は、駆動装置8を用いて第2移動体5を移動して、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、第2移動体5のキャッピング装置13を配置する。そして、制御装置10は、第2可動部材51とキャップ部材48との間に配置されているアクチュエータ52を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部材48のキャップ部50との間に空間49が形成されるように、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部材48のキャップ部50との位置関係を調整する。例えば、制御装置10は、アクチュエータ52を用いて、キャップ部材51を+Z方向に移動する。これにより、吐出面2がキャップ部50の内側に配置され、キャップ部50の内側面の上端と、吐出面2の外側の吐出ヘッド3(プレート部材37)の側面とが接触し、空間49が形成される。
キャッピング装置13は、吐出ヘッド3の吐出面2とキャップ部50との間で空間49を形成した状態で、真空システム55を駆動することによって、空間49の流体を吸引口53を介して吸引可能である。キャッピング装置13は、吸引口53より空間49の流体(主に気体)を吸引して、空間49を負圧にすることができる。キャッピング装置13は、空間49を負圧にすることによって、キャビティ34等、吐出ヘッド3の内部の機能液を、吐出口1を介して吸引可能である。キャッピング装置13は、空間49の流体を吸引することによって、吐出ヘッド3の内部において、吐出口1に向かう機能液の流れを生成できる。
なお、図6及び図7を参照して説明したキャッピング装置13は、主に吐出ヘッド3の機能液を吸引する吸引機能を有するが、吐出面2(吐出口1)の乾燥を抑制する機能(保湿機能)を有していてもよい。例えば、キャップ部50の内側に湿った多孔部材(メッシュ部材)を配置し、その湿った多孔部材を含むキャップ部50と吐出ヘッド3の吐出面2とを対向させることによって、吐出面2の乾燥を抑制できる。すなわち、吐出面2とキャップ部50とで形成される空間49の内側に、湿った多孔部材を配置することによって、吐出面2の乾燥を抑制できる。
以下の説明において、第2移動体5を第1位置A1に配置して、吐出面2とキャップ部50とを対向させて、吐出面2をキャップ部材48で覆う処理を適宜、キャッピング処理、と称する。
次に、図8及び図9を参照しながら、第3移動体6について説明する。図8は、第3移動体6を−X側から見た図、図9は、第3移動体6の動作の一例を説明するための図である。第3移動体6は、吐出ヘッド3の吐出面2の異物を払うワイピング装置14を含む。吐出ヘッド3の吐出面2の異物は、液滴を含む。液滴は、機能液の液滴D、及び浸漬装置15の液体の液滴の少なくとも一方を含む。
ワイピング装置14は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向した状態で、吐出面2に対して相対的に移動可能なワイピング面56を有するワイピング部材57と、ワイピング部材57のワイピング面56を移動するための駆動機構58と、ワイピング部材57及び駆動機構58を収容するハウジング部材59とを有する。
ワイピング部材57の少なくとも一部は、吐出ヘッド3と対向可能なハウジング部材59の上面に形成された開口60より露出(突出)しており、吐出ヘッド3の吐出面2と対向可能である。ワイピング装置14は、吐出ヘッド3の吐出面2とワイピング部材57のワイピング面56とを対向させた状態で、吐出面2に対してワイピング部材57のワイピング面56を移動することによって、そのワイピング面56で吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物を払う(除去する)ことができる。
本実施形態においては、ワイピング部材57はシート状の部材である。ワイピング部材57は、液体を吸収可能な材料で形成されている。ワイピング部材57は、例えば不織布を含む。なお、ワイピング部材57は、例えばポリエステル等の織布であってもよい。液体を吸収可能な材料でワイピング部材57を形成することによって、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物が液滴である場合、その液滴(異物)を良好に除去できる。
ワイピング部材57のワイピング面56を移動するための駆動機構58は、ワイピング部材57を支持しながら回転する複数のローラを有する。駆動機構58は、ハウジング部材59の内側に配置され、シート状のワイピング部材57を繰り出す繰り出しローラ61と、ワイピング部材57を巻き取る巻き取りローラ62と、吐出ヘッド3の吐出面2に最も近い位置に配置され、吐出ヘッド3の吐出面2と対向するワイピング部材57のワイピング面56と反対側の面を支持する支持ローラ63とを有する。繰り出しローラ61、及び巻き取りローラ62のそれぞれは、回転モータ等のアクチュエータ64、65によって回転する。ワイピング装置14は、アクチュエータ64、65を制御して、ワイピング部材57のワイピング面56を所定速度で移動(走行)させる。また、駆動機構58は、ワイピング部材57の移動(走行)を案内するガイドローラ、及びワイピング部材57の張力を調整可能なテンションローラを備える。
第3移動体6は、リニアモータの可動子25を有する第3可動部材66を有し、ワイピング装置14のハウジング部材59は、第3可動部材66上に搭載されている。上述の第1可動部材40と同様、ベース部材17の支持面16と対向する第3可動部材66の下面にはエアベアリングが形成されており、第3可動部材66は、支持面16に対して非接触で支持される。また、上述の第1可動部材40と同様、第3可動部材66の下面には、ガイド部材18を配置可能な凹部が形成されており、可動子25は、ガイド部材18と対向する第3可動部材66の凹部の内面に配置されている。固定子22及び可動子25を含む駆動装置8は、第3可動部材66をY軸方向に移動可能である。また、第3可動部材66のY軸方向への移動に伴って、その第3可動部材66に搭載されているワイピング装置14のハウジング部材59も、第3可動部材66と一緒にY軸方向に移動する。
また、上述の第1移動体4と同様、第3可動部材66とハウジング部材59との間には複数のアクチュエータ67が配置されている。制御装置10は、これらアクチュエータ67を制御することによって、第3可動部材66上で、ハウジング部材59を移動(微動)可能である。本実施形態においては、ハウジング部材59は、アクチュエータ67によって、第3可動部材66上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。また、ワイピング装置14のワイピング部材57及びローラを含む駆動機構58は、ハウジング部材59の移動に伴って、第3可動部材66上で、ハウジング部材59と一緒に移動する。
ワイピング部材57で吐出ヘッド3の吐出面2の異物を払うために、制御装置10は、駆動装置8を用いて第3移動体6を移動して、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、第3移動体6のワイピング装置14を配置する。そして、制御装置10は、第3可動部材66とハウジング部材59との間に配置されているアクチュエータ67を用いて、ワイピング面56で吐出面2の異物を払うことができるように、吐出ヘッド3の吐出面2と支持ローラ63に支持されている部分のワイピング部材57のワイピング面56との位置関係を調整する。例えば、制御装置10は、アクチュエータ67を用いて、ハウジング部材59をZ軸方向に移動する。ハウジング部材59のZ軸方向の移動に伴って、ワイピング部材57を支持する支持ローラ63もZ軸方向に移動する。制御装置10は、アクチュエータ67を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2と支持ローラ63に支持されている部分のワイピング部材57のワイピング面56との間のZ軸方向の距離(ギャップ)を調整する。そして、制御装置10は、繰り出しローラ61、及び巻き取りローラ62を駆動して、吐出ヘッド3の吐出面2に対してワイピング部材57のワイピング面56を移動(走行)させる。これにより、ワイピング装置14は、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物を払う(除去する)ことができる。
以下の説明において、第3移動体6を第1位置A1に配置して、吐出面2とワイピング面56とを対向させて、吐出面2の異物を払う処理を適宜、ワイピング処理、と称する。
次に、図10及び図11を参照しながら、第4移動体7について説明する。図10は、第4移動体7を−X側から見た図、図11は、第4移動体7の動作の一例を説明するための図である。第4移動体7は、吐出ヘッド3の少なくとも一部を機能液以外の液体に浸ける浸漬装置15を含む。
浸漬装置15は、液体を収容する容器68を備える。浸漬装置15の液体は、吐出ヘッド3の少なくとも一部をクリーニングするためのクリーニング用液体、及び吐出ヘッド3の少なくとも一部を冷却するための冷却用液体の少なくとも一方を含む。浸漬装置15の容器68の上部には開口69が形成されており、吐出ヘッド3は、その開口69を介して、容器68の内側の空間に移動可能(進入可能)である。制御装置10は、吐出ヘッド3を浸漬装置15の容器68の内側の空間に配置して液体に浸けることによって、吐出面2、吐出口1等、吐出ヘッド3の少なくとも一部をクリーニングしたり、冷却したりすることができる。
浸漬装置15の液体として、例えば機能液の分際媒を用いることができる。本実施形態の分散媒は、水を主成分とした液体であるため、浸漬装置15の液体として、水、もしくは水を主成分とした液体を用いることができる。これにより、吐出面2、吐出口1等、吐出ヘッド3の少なくとも一部をクリーニングしたり、冷却したりすることができる。
第4移動体7は、リニアモータの可動子26を有する第4可動部材70を有し、浸漬装置15の容器68は、第4可動部材70上に搭載されている。上述の第1可動部材40と同様、ベース部材17の支持面16と対向する第4可動部材70の下面にはエアベアリングが形成されており、第4可動部材70は、支持面16に対して非接触で支持される。また、上述の第1可動部材40と同様、第4可動部材70の下面には、ガイド部材18を配置可能な凹部が形成されており、可動子26は、ガイド部材18と対向する第4可動部材70の凹部の内面に配置されている。固定子22及び可動子26を含む駆動装置8は、第4可動部材70をY軸方向に移動可能である。また、第4可動部材70のY軸方向への移動に伴って、その第4可動部材70に搭載されている浸漬装置15の容器68も、第4可動部材70と一緒にY軸方向に移動する。
また、上述の第1移動体4と同様、第4可動部材70と容器68との間には複数のアクチュエータ71が配置されている。制御装置10は、これらアクチュエータ71を制御することによって、第4可動部材70上で、容器68を移動(微動)可能である。本実施形態においては、容器68は、アクチュエータ71によって、第4可動部材70上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動(微動)可能である。また、浸漬装置15の容器68に収容されている液体の表面は、容器68の移動に伴って、第4可動部材70上で、容器68と一緒に移動する。
浸漬装置15の液体に吐出ヘッド3の少なくとも一部を浸けるために、制御装置10は、駆動装置8を用いて第4移動体7を移動して、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、第4移動体7の浸漬装置15を配置する。そして、制御装置10は、第4可動部材70と容器68との間に配置されているアクチュエータ71を用いて、少なくとも吐出ヘッド3の吐出面2が容器68の液体に浸かるように、吐出ヘッド3の吐出面2と容器68(液体の表面)との位置関係を調整する。例えば、制御装置10は、アクチュエータ71を用いて、容器68を+Z方向に移動する。容器68の+Z方向への移動に伴って、容器68に収容されている液体の表面は、吐出ヘッド3に近づくように移動する。これにより、浸漬装置15は、吐出ヘッド3の少なくとも一部を液体に浸けることができる。また、制御装置10は、アクチュエータ71を用いて容器68を−Z方向に移動することによって、容器68に収容されている液体と吐出ヘッド3とを離すことができる。
以下の説明において、第4移動体7を第1位置A1に配置して、吐出面2と容器68の液体の表面とを対向させて、吐出ヘッド3の少なくとも一部を容器68の液体に浸ける処理を適宜、浸漬処理、と称する。
また、以下の説明において、吐出ヘッド3をメンテナンスする処理を適宜、メンテナンス処理、と称する。メンテナンス処理は、上述のキャッピング処理、ワイピング処理、及び浸漬処理の少なくとも一つを含む。
次に、図12及び図13を参照しながら、断熱部材29について説明する。図12は、断熱部材29を示す斜視図、図13は、断熱部材29を−Y側から見た図である。
断熱部材29は、第1移動体4を含む各移動体5、6、7の移動経路の少なくとも一部に配置されている。断熱部材29は、第1移動体4の熱の周囲への放散を遮る。上述のように、第1移動体4(ホルダ部材42)は、基板Pを加熱する加熱装置47を含む。断熱部材29は、加熱装置47を含む第1移動体4から発する熱の周囲への放散を遮る。
断熱部材29は、第1位置A1以外の移動体4、5、6、7の移動経路に配置される。すなわち、断熱部材29は、吐出ヘッド3を用いた処理が実行される第1位置A1には配置されない。これにより、吐出ヘッド3と各移動体4、5、6、7との協働による各種処理(パターン形成処理、メンテナンス処理等)の実行は妨げられない。
また、断熱部材29は、基板搬送装置27による処理が実行される第2位置A2にも配置されない。すなわち、本実施形態においては、断熱部材29は、第1位置A1及び第2位置A2以外の移動体4、5、6、7の移動経路に配置される。これにより、第2位置A2に配置された第1移動体4に対する基板搬送装置27による基板Pの搬入動作、及び第1移動体4からの基板Pの搬出動作は妨げられない。
本実施形態においては、断熱部材29は、ベース部材17上の各移動体4、5、6、7と離れた位置で、移動体4、5、6、7を囲むように配置される。断熱部材29は、各移動体4、5、6、7が移動可能な内部空間72を形成する。具体的には、断熱部材29は、ベース部材17の支持面16との間で、各移動体4、5、6、7が移動可能(配置可能)な内部空間72を形成する。断熱部材29は、内部空間72に配置されている第1移動体4の熱の外部空間73への放散を遮る。外部空間73は、内部空間72に対して断熱部材29の外側の空間である。本実施形態においては、外部空間73は、チャンバ本体30(チャンバ本体30の内面)と断熱部材29(断熱部材29の外面)との間の空間を含む。
チャンバ装置32の空調装置31は、少なくとも外部空間73の温度を調整する。これにより、チャンバ本体30内の各機器、部材は、所望の環境(温度)に配置される。
断熱部材29は、断熱性を有し、内部空間72に配置されている第1移動体4の熱の外部空間73への放散を遮ることができる材料で形成されている。本実施形態においては、断熱部材29は、例えば発泡スチロール、発泡ウレタン等、断熱性を有する合成樹脂製である。
本実施形態の断熱部材29は、トンネル状であり、断熱部材29のY軸方向の両側には、各移動体4、5、6、7が通過可能な開口(出入口)74が形成されている。開口74は、断熱部材29によって形成される内部空間72と外部空間73とを連通するように形成されている。
次に、図14を参照しながら、気流生成装置80について説明する。気流生成装置80は、プレート部材37を冷却するために、プレート部材37の少なくとも一部と接触するように気流を生成する。気流生成装置80は、気流を生成するために冷却用気体を供給する供給口81を有する供給部材82を備えている。本実施形態においては、供給口81を有する供給部材82は、吐出ヘッド3(ヘッド本体36)を支持するキャリッジ部材11に支持されている。
気流生成装置80は、プレート部材37を冷却するための気流を生成するために、供給口81より、吐出面2以外のプレート部材37の少なくとも一部に冷却用気体を供給する。供給口81は、吐出面2と対向しない位置に配置されており、本実施形態においては、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面と対向するように配置されている。本実施形態においては、供給口81は、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に向けて冷却用気体を供給する。
本実施形態においては、気流生成装置80は、冷却用気体として、例えばチャンバ本体30の内部の目標温度(例えば22℃)よりも低い温度の気体を供給口81より供給する。気流生成装置80は、例えば10℃程度の気体を供給する。
気流生成装置80は、供給口81より冷却用気体をプレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に向けて供給することによって、プレート部材37の少なくとも一部と接触するように気流を生成する。本実施形態においては、供給口81より供給された冷却用気体によって、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に沿って流れる気流Aが生成されるとともに、プレート部材37の吐出面2に沿って流れる微弱な気流Bが生成される。ここで、気流Bの流速は、気流Aの流速よりも遅く、気流Bの単位体積当たりの流量は、気流Aの単位体積当たりの流量よりも小さい。気流Aの気体の少なくとも一部は、プレート部材37の側面に接触して、プレート部材37から熱を奪う。また、気流Aによってヘッド本体36が冷却され、冷却されたヘッド本体36は、プレート部材37から熱を奪う。また、気流Bの気体の少なくとも一部は、プレート部材37の吐出面2に接触して、プレート部材37から熱を奪う。このようにして、気流生成装置80は、生成した気流によって、プレート部材37を冷却できる。
上述のように、本実施形態においては、吐出面2と基板Pとを対向させた状態で液滴Dを吐出する動作を含む。第1移動体4の基板Pと対向した状態で液滴Dを吐出することによって、吐出ヘッド3(プレート部材37)は、加熱装置47を含む第1移動体4の熱によって加熱される可能性がある。吐出ヘッド3のプレート部材37が加熱され、その状態を放置しておくと、例えばプレート部材37が熱変形し、プレート部材37に形成されている吐出口1同士の距離(ノズルピッチ)が変動する可能性がある。また、プレート部材37が加熱されることによって、吐出口1近傍の機能液、あるいはプレート部材37の上下方向に貫通する孔に配置されている機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口1近傍の機能液の固形分が析出したりする可能性がある。このような不具合が生じると、吐出不良が発生したり、基板Pの所望の位置に液滴Dを供給できない状況が生じる等、液滴吐出装置IJの性能が劣化し、製造されるデバイスの性能が劣化する。本実施形態においては、気流生成装置80でプレート部材37を冷却することによって、加熱されたプレート部材37(吐出ヘッド3)を冷却し、プレート部材37(吐出ヘッド3)を最適な温度に戻す(調整する)ことができる。したがって、ノズルピッチが変動する等の不具合の発生を抑制できる。
また、本実施形態においては、気流生成装置80は、吐出口1から液滴Dが吐出されていないときに、気流を生成するために、供給口81からの冷却用気体の供給動作を実行する。吐出口1から液滴Dが吐出されているときに、冷却用気体を供給して、吐出口1の近傍に気流Bを生成した場合、その気流Bによって、吐出口1から吐出された液滴Dが飛翔する経路が変動したり、基板Pの所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合が発生する可能性がある。吐出口1による液滴吐出動作が実行されていないときに、冷却用気体を供給して気流を生成することによって、吐出口1から吐出された液滴Dが飛翔する経路が変動したり、基板Pの所望の位置に液滴を供給できない状況が生じる等の不具合の発生を抑制できる。
また、本実施形態においては、供給口81は、吐出面2と対向しない位置に配置されており、吐出面2には冷却用気体が直接的に供給されない。吐出面2に冷却用気体を直接的に供給した場合、その吐出面2に形成されている吐出口1近傍の機能液が乾いたり、吐出口1近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口1近傍の機能液の固形分が析出したりする不具合が発生する可能性がある。供給口81を吐出面2と対向しない位置に配置して、吐出面2に冷却用気体が直接的に供給されないようにすることで、吐出口1近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口1近傍の機能液の固形分が析出したりする不具合の発生を抑制できる。また、供給口81から供給された冷却用気体によって、気流Bが生成されるものの、上述のように、気流Bは微弱であるため、吐出口1近傍の機能液の物性(粘度、濃度等)が変化したり、吐出口1近傍の機能液の固形分が析出したりすることを最小限に抑えることができる。
次に、上述の構成を有する液滴吐出装置IJを用いてデバイスを製造する手順の一例について説明する。
制御装置10は、駆動装置8を制御して、第2位置A2に第1移動体4を配置する。制御装置10は、基板搬送装置27を用いて、第2位置A2に配置された第1移動体4に基板Pを搬入する。制御装置10は、駆動装置8を制御して、基板Pを保持した第1移動体4を、第1位置A1に移動する。
図15(A)は、基板Pを保持した第1移動体4が第1位置A1に配置されている状態を示す模式図である。制御装置10は、吐出ヘッド3の吐出面2と対向する第1位置A1に、基板Pを保持した第1移動体4を配置する。そして、制御装置10は、制御器12及び駆動装置8を制御して、第1移動体4の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対してY軸方向に移動しつつ、吐出ヘッド3の吐出口1より、基板Pに液滴Dを吐出(供給)する。これにより、基板Pには、液滴Dによりパターンが形成される。制御装置10は、加熱装置47で基板Pを加熱しつつ、その基板Pに液滴Dを吐出する。
本実施形態においては、複数の吐出ヘッド3の吐出口1のうち、最も+X側の吐出口1と最も−X側の吐出口1との距離と、基板PのX軸方向の大きさとはほぼ等しい。したがって、液滴吐出装置IJは、第1移動体4の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対してY軸方向に移動しつつ吐出ヘッド3の吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出(供給)する際、基板PのY軸方向への1回のみの移動によって、基板Pの表面のほぼ全域に液滴Dを供給できる。
本実施形態においては、液滴吐出装置IJは、第1移動体4の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対してY軸方向に移動しつつ吐出ヘッド3の吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出(供給)する動作を複数回繰り返す。例えば、基板Pを+Y方向に移動しつつ液滴Dを吐出する動作と、基板Pを−Y方向に移動しつつ液滴Dを吐出する動作とを複数回繰り返す。また、例えば特開2004−146796号公報等に開示されているように、基板PのY軸方向への移動毎に、基板PのX軸方向に関する位置を僅かな距離(例えば1つのピクセル分)だけ変化させることができる。
本実施形態においては、気流生成装置80は、吐出口1から液滴Dが吐出されていないときに、図14を参照して説明したように、気流を生成するために供給口81より冷却用気体を供給する。気流生成装置80は、少なくとも吐出口1と基板Pとが対向していないときに、気流を生成する。
例えば、第1移動体4の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対して−Y方向に移動しつつ吐出ヘッド3の吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出(供給)する動作が終了した後、図16の模式図に示すように、ホルダ部材42の保持領域41に対して+Y側に配置されているフラッシング領域46と吐出口1とが対向する。制御装置10は、吐出口1とフラッシング領域46とが対向しているときに、供給口81より冷却用気体を供給して、気流を生成する。また、第1移動体4の基板Pを吐出ヘッド3の吐出口1に対して+Y方向に移動しつつ吐出ヘッド3の吐出口1より基板Pに液滴Dを吐出(供給)する動作が終了した後、ホルダ部材42の保持領域41に対して−Y側に配置されているフラッシング領域46と吐出口1とが対向する。制御装置10は、吐出口1とフラッシング領域46とが対向しているときに、供給口81より冷却用気体を供給して、気流を生成する。これにより、基板Pの表面と対向しているときに加熱されたプレート部材37を、吐出口1から液滴Dが吐出されていないときに、効率良く冷却できる。
なお、上述のように、本実施形態の基板Pは、焼結前のLTCC基板(グリーンシート)であって、フィルムFに支持されている。液滴吐出装置IJは、フィルムFに支持された状態の基板P(グリーンシート)に液滴Dを吐出する。
基板Pに対する液滴Dの吐出動作が終了した後、制御装置10は、第1移動体4から基板Pを搬出するために、駆動装置8を制御して、第1移動体4を第2位置A2に移動する。本実施形態においては、駆動装置8は、複数の移動体4、5、6、7を−Y方向(第1位置A1から第2位置A2へ向かう方向)に一緒に移動する。
第1位置A1と第2位置A2との間の第1移動体4の移動経路には断熱部材29が配置されているので、第1位置A1と第2位置A2との間を移動する第1移動体4の熱が外部空間73へ放散されることを抑制できる。
図15(B)は、基板Pを保持した第1移動体4が第2位置A2に配置されている状態を示す模式図である。本実施形態においては、基板Pを保持可能な第1移動体4は、複数(4つ)の移動体4、5、6、7のうち、最も−Y側(第2位置A2側)に配置されている移動体である。図15(B)に示すように、第1移動体4が第2位置A2に配置されているときに、複数(4つ)の移動体4、5、6、7のうち、最も+Y側(第1位置A1側)に配置されている第4移動体7が第1位置A1に配置されるように、各移動体4、5、6、7の大きさ、数、及び第1位置A1と第2位置A2との距離等が設定されている。したがって、図15(B)に示すように、第1移動体4が第2位置A2に配置されているとき、第1位置A1には第4移動体7が配置される。
制御装置10は、基板搬送装置27を用いて、第2位置A2に配置された第1移動体4から基板Pを搬出するとともに、その第1移動体4に新たな基板Pを搬入する。
一方、制御装置10は、第1位置A1に配置された第4移動体7を用いて、吐出ヘッド3のメンテナンス処理を実行する。第4移動体7の浸漬装置15は、吐出ヘッド3と協働して、メンテナンス処理(浸漬処理)を実行する。制御装置10は、図11等を参照して説明したように、浸漬装置15の液体に吐出ヘッド3を浸けて、吐出ヘッド3をクリーニングする。また、浸漬装置15の液体に吐出ヘッド3を浸けることによって、加熱された吐出ヘッド3(プレート部材37)を冷却することができる。
また、本実施形態においては、制御装置10は、第1位置A1に配置された第4移動体7による吐出ヘッド3に対するメンテナンス処理と、第2位置A2に配置された第1移動体4を用いた処理(基板Pの搬出、搬入処理)の少なくとも一部とを並行して実行可能である。これにより、液滴吐出装置IJの処理効率を向上できる。
第4移動体7を用いた処理(浸漬処理)が終了した後、制御装置10は、駆動装置8を制御して、複数の移動体4、5、6、7を+Y方向(第2位置A2から第1位置A1へ向かう方向)に一緒に移動し、第1位置A1に第3移動体6を配置する。制御装置10は、第1位置A1に配置された第3移動体6を用いて、吐出ヘッド3のメンテナンス処理を実行する。第3移動体6のワイピング装置14は、吐出ヘッド3と協働して、メンテナンス処理(ワイピング処理)を実行する。制御装置10は、図9等を参照して説明したように、ワイピング装置14のワイピング部材57を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2に付着している異物を払う。本実施形態においては、ワイピング装置14によるワイピング処理の前に、浸漬装置15による浸漬処理が実行されている。吐出ヘッド3の吐出面2には、浸漬装置15の液体の液滴が残留している可能性がある。制御装置10は、ワイピング装置14を用いて、吐出ヘッド3の吐出面2に残留した浸漬装置15の液体の液滴を払う(除去する)。
第3移動体6による吐出ヘッド3に対するワイピング処理が終了した後、制御装置10は、駆動装置8を制御して、複数の移動体4、5、6、7を+Y方向(第2位置A2から第1位置A1へ向かう方向)に一緒に移動し、第1位置A1に第2移動体5を配置する。制御装置10は、第1位置A1に配置された第2移動体5を用いて、吐出ヘッド3のメンテナンス処理を実行する。第2移動体5のキャッピング装置13は、吐出ヘッド3と協働して、メンテナンス処理(キャッピング処理)を実行する。制御装置10は、図7等を参照して説明したように、キャッピング装置13を用いて、吐出ヘッド3の吐出口1を吸引する。
なお、キャッピング処理の終了後、第1位置A1に第2移動体6を配置して、ワイピング処理を実行することができる。キャッピング処理の終了後において、吐出面2に異物(液滴を含む)が付着している場合でも、ワイピング処理によって、その異物を除去できる。
第2移動体5による吐出ヘッド3に対するキャッピング処理が終了した後、制御装置10は、駆動装置8を制御して、複数の移動体4、5、6、7を+Y方向(第2位置A2から第1位置A1へ向かう方向)に一緒に移動し、第1位置A1に第1移動体4を配置する。制御装置10は、第1位置A1に配置された第1移動体4に保持されている基板Pに対して、吐出ヘッド3より液滴Dを吐出する処理(パターン形成処理)を開始する。第1移動体4は、吐出ヘッド3と協働して、液滴Dで基板Pにパターンを形成する処理(パターン形成処理)を実行する。
本実施形態においては、複数(例えば10〜20枚程度)の基板P(グリーンシート)に対して液滴Dが吐出され、各基板Pに液滴Dでパターンが形成される。液滴Dでパターンが形成された後の基板Pからは、フィルムFが取り除かれる。そして、液滴Dで形成されたパターンを有する複数の基板Pが積層され、その基板Pの積層体が形成される。その後、基板Pの積層体が加熱処理される。これにより、基板P上の液滴Dが乾燥、焼成されるとともに、基板P(グリーンシート)も焼成される。これにより、所定の配線パターンを有するLTCC基板(LTCC多層回路基板)が形成される。
各移動体4、5、6、7の配置は、上述の形態に限られず適宜変更可能である。例えば、第2位置A2に第1移動体4が配置されているときに、第1位置A1に第3移動体6のワイピング装置14が配置されてもよいし、第2移動体5のキャッピング装置13が配置されてもよい。
そして、気流生成装置80は、メンテナンス装置13、14、15の少なくとも一つとプレート部材37とが対向しているときに、プレート部材37を冷却するための気流を生成してもよい。例えば、図9に示す状態で、供給口81より冷却用気体を供給することができる。
また、第1移動体4が第2位置A2に配置されているときに(基板Pの搬入、搬出動作を行っているときに)、気流生成装置80は、プレート部材37を冷却するための気流を生成することができる。なお、このとき、第1位置A1には、メンテナンス装置13、14、15が配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、プレート部材37を良好に冷却できる。したがって、プレート部材37の温度上昇に起因する吐出不良、液滴吐出装置IJの性能の劣化等を抑制できる。
なお、上述の各移動体4、5、6、7を用いた処理の順序は一例である。例えば、キャッピング処理をした後、浸漬処理を実行し、その後、ワイピング処理を実行してもよい。あるいは、浸漬処理を実行した後、キャッピング処理を実行し、その後、ワイピング処理を実行してもよい。また、浸漬処理を実行後、ワイピング処理を実行し、その後キャッピング処理を実行した後、再びワイピング処理を実行するといったように、同一の処理(ここではワイピング処理)を複数回実行してもよい。各移動体4、5、6、7の配置は、処理する順序に応じて設定される。
また、第2移動体5、第3移動体6、及び第4移動体7を用いたメンテナンス処理において、メンテナンス処理毎に、必ずしも第2移動体5、第3移動体6、及び第4移動体7の全てを使用しなくてもよい。例えば、キャッピング処理を行わずに、浸漬処理及びワイピング処理のみを実行してもよいし、浸漬処理を行わずに、キャッピング処理及びワイピング処理のみを実行してもよいし、浸漬処理及びキャッピング処理を行わずに、ワイピング処理のみを実行するようにしてもよいし、浸漬処理及びワイピング処理を行わずに、キャッピング処理のみを実行するようにしてもよい。
なお、第2移動体5、第3移動体6、及び第4移動体7を用いたメンテナンス処理は、所定のタイミングで実行可能である。本実施形態においては、メンテナンス処理は、第1移動体4から基板Pを搬出する動作、及び第1移動体4に基板Pを搬入する動作毎に実行されるが、例えば、ロット毎、所定時間間隔毎にメンテナンス処理を実行するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図17は、第2実施形態に係る液滴吐出装置IJを示す模式図である。本実施形態の特徴的な部分は、プレート部材37の温度を検出する温度センサ83を設けた点にある。
温度センサ83は、プレート部材37の温度を検出可能な位置に配置されている。温度センサ83の検出結果は制御装置10に出力される。制御装置10は、温度センサ83の検出結果に基づいて、プレート部材37の温度が所望の温度になるように、気流生成装置80の動作を制御する。
気流生成装置80は、温度センサ83の検出結果に基づいて、プレート部材37の温度が所望の温度になるように、供給口81から供給する冷却用気体の温度、流速、及び単位時間当たりの冷却用気体の供給量の少なくとも一つを含む気流生成条件(冷却条件、冷却用気体供給条件)を調整する。例えば、温度センサ83の検出結果に基づいて、プレート部材37の温度が所望の温度よりも高いと判断した場合、気流生成装置80は、供給口81から供給する冷却用気体の温度を低下させたり、流速を高めたり、単位時間当たりの冷却用気体の供給量を高めたりする。また、温度センサ83の検出結果に基づいて、プレート部材37の温度が所望の温度よりも低いと判断した場合、気流生成装置80は、供給口81から供給する冷却用気体の温度を上昇させたり、流速を低下させたり、単位時間当たりの冷却用気体の供給量を低下させたり、気体供給動作を停止したりする。このようにすることで、プレート部材37を所望の温度に調整できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。図18は、第3実施形態に係る液滴吐出装置IJを示す模式図である。本実施形態の特徴的な部分は、プレート部材37の側面が、ヘッド本体36の側面よりも外側に突出している点にある。
図18に示すように、本実施形態においては、プレート部材37の側面は、ヘッド本体36の側面よりも外側に吐出している。気流生成装置80の供給口81は、吐出面2と対向しない位置に配置されており、本実施形態においては、ヘッド本体36の側面と対向するように配置されている。本実施形態においては、供給口81は、ヘッド本体36の側面に向けて冷却用気体を供給する。
気流生成装置80は、供給口81より冷却用気体をヘッド本体36の側面に向けて供給することによって、プレート部材37の少なくとも一部と接触するように気流を生成する。本実施形態においては、供給口81より供給された冷却用気体によって、ヘッド本体36の側面に沿って上方に向かって流れる気流Cと、ヘッド本体36の側面に沿って下方に向かって流れるとともに、ヘッド本体36の側面よりも外側に突出するプレート部材37の上面(+Z側の面)に沿って外側に向かって流れる気流Dが生成される。気流Dの気体の少なくとも一部は、プレート部材37の上面に接触して、プレート部材37から熱を奪う。また、気流Cによってヘッド本体36が冷却され、冷却されたヘッド本体36は、プレート部材37から熱を奪う。このようにして、本実施形態においても、気流生成装置80は、生成した気流によって、プレート部材37を冷却できる。
本実施形態においても、気流生成装置80は、吐出口1から液滴Dが吐出されていないときに、気流を生成するために、供給口81からの冷却用気体の供給動作を実行する。
また、本実施形態においても、供給口81は、吐出面2と対向しない位置に配置されており、吐出面2には冷却用気体が直接的に供給されない。
また、本実施形態においては、供給口81から供給された冷却用気体は、プレート部材37の上面によって、吐出面2には到達せず、吐出面2に接触する気流は生成されない。すなわち、本実施形態においては、ヘッド本体36の側面よりも外側に突出するプレート部材37の一部は、供給口81から供給され、プレート部材37の一部に接触した冷却用気体を吐出面2以外の方向に導くガイド部材として機能する。これにより、気流に起因して、吐出口1近傍の機能液が乾く等の不具合の発生を抑制できる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。図19は、第4実施形態に係る液滴吐出装置IJを示す模式図である。本実施形態の特徴的な部分は、ヘッド本体36の側面、及び吐出面2以外のプレート部材37の少なくとも一方にフィン部材84を設けた点にある。
図19において、ヘッド本体36の側面、及びプレート部材37の上面には、フィン部材84が設けられている。フィン部材84は、複数のブレード状の部材を、吐出ヘッド3の長手方向(吐出口1が並ぶ所定方向)に沿って複数並べたものである。フィン部材84を設けることによって、フィン部材84の放熱効果により、プレート部材37、ヘッド本体36等を効果的に冷却できる。また、フィン部材84によって、生成される気流を整える(整流する)ことができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。図20は、第5実施形態に係る液滴吐出装置IJを示す模式図である。上述の第1〜第4実施形態においては、気流生成装置80は、供給口81より気体を供給することによって気流を生成しているが、本実施形態の特徴的な部分は、気流生成装置80が、気流を生成するために、プレート部材37近傍の気体を吸引する吸引口85を備えた点にある。
図20において、吸引口85は、吐出面2と対向しない位置に配置されている。本実施形態においては、吸引口85は、ヘッド本体36の側面と対向する位置に配置されている。吸引口85は、吸引部材86に形成されている。吸引部材86は、キャリッジ部材11に支持されている。
吸引口85は、不図示の真空システムに接続されており、気体を吸引可能である。気流生成装置85は、吸引口85より気体を吸引することによって、プレート部材37を冷却するための気流を生成できる。本実施形態においては、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に沿って流れる気流Eが生成されるとともに、プレート部材37の吐出面2に沿って流れる微弱な気流Fが生成される。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。上述の第1〜第5実施形態においては、吐出ヘッド3を支持するキャリッジ部材11の位置がほぼ動かない場合を例にして説明したが、図21の模式図に示すように、キャリッジ部材11が移動可能であってもよい。図21において、液滴吐出装置IJは、キャリッジ部材11のX軸方向への移動を案内するガイド部材91と、ガイド部材91に沿ってキャリッジ部材11をX軸方向に移動するリニアモータ等の駆動装置92とを有する。また、液滴吐出装置IJは、基板Pを保持するホルダ部材42のY軸方向への移動を案内するガイド部材93と、ガイド部材93に沿ってホルダ部材42をX軸方向に移動するリニアモータ等の駆動装置94とを有する。液滴吐出装置IJは、キャリッジ部材11をガイド部材91の+X側の端の位置A1に移動するとともに、ホルダ部材42をガイド部材93の+Y側の端の位置A1に移動して、キャリッジ部材11に支持されている吐出ヘッド3の吐出面2とホルダ部材42に保持されている基板Pの表面とを対向させた状態で、液滴吐出動作(パターン形成動作)を実行する。
また、液滴吐出装置IJは、ガイド部材91の−X側の端の位置A3に移動したキャリッジ部材11の吐出ヘッド1の吐出面2と対向可能な位置にメンテナンス装置13、14、15を配置可能である。液滴吐出装置IJは、複数のメンテナンス装置13、14、15のX軸方向への移動を案内するガイド部材95と、ガイド部材95に沿ってメンテナンス装置13、14、15をX軸方向に移動するリニアモータ等の駆動装置96とを有する。
基板Pに対する液滴吐出動作が終了した後、吐出ヘッド3(吐出面2)のメンテナンスを実行するために、キャリッジ部材11は、ガイド部材91に沿って位置A3への移動を開始する。上述の各実施形態で説明したように、供給部材82(吸引部材86)をキャリッジ部材11に設けることによって、キャリッジ部材11の移動中に、気流生成装置80を用いて気流生成動作(冷却動作)を実行できる。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態の特徴的な部分は、供給口81が、吐出面2に対して斜め方向から、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に向けて冷却用気体を供給する点にある。
図22において、供給口81は、吐出面2に対して斜め下方に配置されている。供給口81は、吐出面2に対して斜め下方から、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に向けて冷却用気体を供給する。
本実施形態においては、供給口81を有する供給部材82は、図21で説明した位置A3の近傍に配置されている。すなわち、本実施形態の供給部材82は、キャリッジ部材11に支持されていない。供給部材82をキャリッジ部材11とは別に設けることによって、吐出面2に対して所望の位置に供給部材82(供給口81)を配置することができる。
なお、供給部材82を、図21で説明した位置A1の近傍に配置してもよい。また、供給部材82を、位置A1と位置A3との間のキャリッジ部材11の移動経路の途中に配置してもよい。
気流生成装置80は、供給口81より冷却用気体をプレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に向けて斜め方向(斜め下方)から供給することによって、プレート部材37の少なくとも一部と接触するように気流を生成する。本実施形態においては、供給口81より供給された冷却用気体によって、プレート部材37の側面及びヘッド本体36の側面に沿って、上方に向かって流れる気流Gが生成されるとともに、プレート部材37の吐出面2に沿って供給口81に近づく方向に向かって流れる微弱な気流Hが生成される。ここで、気流Hの流速は、気流Gの流速よりも遅く、気流Hの単位体積当たりの流量は、気流Gの単位体積当たりの流量よりも小さい。気流Gの気体の少なくとも一部は、プレート部材37の側面に接触して、プレート部材37から熱を奪う。また、気流Gによってヘッド本体36が冷却され、冷却されたヘッド本体36は、プレート部材37から熱を奪う。また、気流Hの気体の少なくとも一部は、プレート部材37の吐出面2に接触して、プレート部材37から熱を奪う。このようにして、気流生成装置80は、生成した気流によって、プレート部材37を冷却できる。
なお、上述の第1〜第7実施形態において、供給部材82’が、図23に示すような形状を有していてもよい。図23においては、供給部材82’は、第1の断面積を有する流路101を有する供給管10Tと、第2の断面積を有する供給口81’を、供給管101Tの流路101と供給口81’とを接続するテーパ状の流路102とを有する。流路102は、流路101の出口から供給口81’に向かって拡がるように形成されている。第2の断面積は、第1の断面積よりも小さい。こうすることによっても、供給口81’は、プレート部材36を効果的に冷却できる気流を生成できる。
なお、上述の第1〜第7実施形態においては、基板PがLTCC基板(グリーンシート)であり、基板Pに配線パターン(回路パターン)を形成する場合を例にして説明したが、基板Pとしては、グリーンシートのみならず、ガラス基板、半導体ウエハ等、製造するデバイスに応じて、適宜選択可能である。また、使用される機能液の導電性微粒子としても、銀のみならず、例えば特開2005−34837号公報等に開示されているような、金、銅、パラジウム、及びニッケル等の金属微粒子であってもよいし、導電性ポリマーであってもよい。また、使用される分散媒も、導電性微粒子に応じて適宜選択可能である。また、配線パターンのみならず、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の少なくとも一部を形成することもできる。
また、液滴吐出装置IJを用いて製造可能なデバイスとしては、回路基板に限られず、例えばカラーフィルタ、配向膜等、液晶装置の少なくとも一部を形成することができるし、有機EL装置の少なくとも一部を形成することもできる。
第1実施形態に係る液滴吐出装置を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る液滴吐出装置の一部を示す斜視図である。 キャリッジ部材に支持された複数の吐出ヘッドを下側から見た図である。 吐出ヘッドの構造の一例を説明するための断面図である。 第1移動体の一例を示す図である。 第2移動体の一例を示す図である。 第2移動体の動作の一例を説明するための図である。 第3移動体の一例を示す図である。 第3移動体の動作の一例を説明するための図である。 第4移動体の一例を示す図である。 第4移動体の動作の一例を説明するための図である。 断熱部材を示す斜視図である。 断熱部材を示す側面図である。 第1実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 第1実施形態に係る液滴吐出装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る気流生成装置の動作の一例を説明するための図である。 第2実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 第3実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 第4実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 第5実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 第6実施形態に係る液滴吐出装置を示す模式図である。 第7実施形態に係る気流生成装置を説明するための図である。 供給口及び供給部材の一例を示す図である。
符号の説明
1…吐出口、2…吐出面、3…吐出ヘッド、4…第1移動体、11…キャリッジ部材、13…キャッピング装置、14…ワイピング装置、15…浸漬装置、27…基板搬送装置、32…チャンバ装置、33…ピエゾ素子、36…ヘッド本体、37…プレート部材、41…保持領域、42…ホルダ部材、46…フラッシング領域、47…加熱装置、80…気流生成装置、81…供給口、82…供給部材、83…温度センサ、84…フィン部材、85…吸引口、86…吸引部材、A1…第1位置、A2…第2位置、D…液滴、P…基板

Claims (17)

  1. 機能液の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面を有するプレート部材と、
    前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するために、前記プレート部材の少なくとも一部と接触するように気流を生成する気流生成装置と、を備えた液滴吐出装置。
  2. 前記気流生成装置は、前記気流を生成するために前記プレート部材近傍の気体を吸引する吸引口を有する請求項1記載の液滴吐出装置。
  3. 前記気流生成装置は、前記気流を生成するために冷却用気体を供給する供給口を有する請求項1記載の液滴吐出装置。
  4. 機能液の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面を有するプレート部材と、
    前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するための気流を生成するために、前記吐出面以外の前記プレート部材の少なくとも一部に冷却用気体を供給する供給口を有する気流生成装置と、を備えた液滴吐出装置。
  5. 前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体を備え、
    前記供給口は、前記吐出面に対して斜め方向から、前記プレート部材の側面及び前記ヘッド本体の側面に向けて前記冷却用気体を供給する請求項3又は4記載の液滴吐出装置。
  6. 前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体を備え、
    前記プレート部材の側面は、前記ヘッド本体の側面よりも外側に突出し、
    前記供給口は、前記ヘッド本体の側面に向けて前記冷却用気体を供給する請求項3又は4記載の液滴吐出装置。
  7. 前記ヘッド本体の側面、及び前記吐出面以外の前記プレート部材の表面の少なくとも一方に形成されたフィン部材を備える請求項5又は6記載の液滴吐出装置。
  8. 少なくとも前記プレート部材を収容する空調空間を備え、
    前記供給口は、前記冷却用気体として、前記空調空間の目標温度よりも低い温度の気体を供給する請求項3〜7のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  9. 前記吐出面と対向する第1位置を含む所定領域で、前記液滴でパターンが形成される基板を保持しながら移動可能な移動体を備え、
    前記気流生成装置は、少なくとも前記吐出口と前記基板とが対向していないときに、前記気流を生成する請求項1〜8のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  10. 前記第1位置と異なる第2位置に配置された前記移動体に基板を搬入する動作、及び前記第2位置に配置された前記移動体から基板を搬出する動作の少なくとも一方を実行する搬送装置を備え、
    前記気流生成装置は、前記移動体が前記第2位置に配置されているときに、前記気流を生成する請求項9記載の液滴吐出装置。
  11. 前記移動体は、前記液滴で前記パターンを形成するために前記基板の表面が前記吐出口と対向するように、且つ前記吐出面と前記基板の表面とがほぼ平行となるように前記基板を保持する保持領域と、前記保持領域に対して所定方向の少なくとも一方に配置され、前記吐出口からの液滴を受容可能なフラッシング領域とを備え、
    前記所定方向に前記基板の表面と前記吐出面とを相対的に移動しつつ前記基板の表面に前記吐出口より前記液滴を供給し、
    前記気流生成装置は、前記吐出口と前記フラッシング領域とが対向しているときに、前記気流を生成する請求項1〜10のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  12. 前記プレート部材をメンテナンス可能なメンテナンス装置を備え、
    前記気流生成装置は、前記プレート部材と前記メンテナンス装置とが対向しているときに、前記気流を生成する請求項1〜11のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  13. 前記液滴が吐出される基板を加熱する加熱装置を備え、
    前記吐出面と前記加熱された前記基板の表面とを対向させた状態で、前記吐出口より前記基板に前記液滴が吐出される請求項1〜12のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  14. 前記プレート部材の温度を検出する温度検出装置と、
    前記温度検出装置の検出結果に基づいて、前記気流生成装置を制御する制御装置とを備えた請求項1〜13のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  15. 前記吐出面と反対側の前記プレート部材の上面に接続され、前記液滴を吐出するための駆動素子を含むヘッド本体と、
    前記ヘッド本体を支持するキャリッジ部材とを備え、
    前記気流生成装置の少なくとも一部は、前記キャリッジ部材に支持されている請求項1〜14のいずれか一項記載の液滴吐出装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項記載の液滴吐出装置を用いて基板に液滴を吐出して前記基板にパターンを形成する動作と、
    前記基板の液滴を乾燥する動作と、を含むデバイスの製造方法。
  17. プレート部材の吐出面に形成された吐出口よりパターンを形成するための機能液の液滴を吐出する動作と、
    前記吐出口から前記液滴が吐出されていないときに、前記プレート部材を冷却するために、前記吐出面以外の前記プレート部材の少なくとも一部と接触するように気流を生成する動作と、を含むパターン形成方法。
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