JP2010250199A - 製膜装置及び製膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】待ち時間による生産性の低下を招くことなく、吐出ヘッドの温度変化に起因する吐出バラツキを防止した、製膜装置及び製膜方法を提供する。
【解決手段】基板Pを載置するステージ2と、吐出ヘッド3と、吐出ヘッド3のメンテナンスを行うメンテナンス装置5、6、7と、これらを収容するチャンバー8とを備えた製膜装置1である。チャンバー8内には、描画エリアE1とメンテナンスエリアE1とが設けられ、描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間に吐出ヘッド3を移動させる搬送装置25が設けられている。チャンバー8には、描画エリアE1に温度調整用の所定温度の気体を供給する第1空調装置55が設けられている。第1空調装置55には、吐出ヘッド3がメンテナンスエリアE2に位置している間、描画エリアE1への気体の供給を停止するように、第1空調装置55を制御する空調制御装置57が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、製膜装置及び製膜方法に関する。
従来、基板上にカラーフィルター等の機能性薄膜を形成する方法としては、スピンコート法やフレキソ印刷法が一般に用いられている。これに対して近年では、インク使用量削減や工程数削減に効果的であるとして、液滴吐出法が種々の薄膜形成に用いられるようになってきている。液滴吐出法を用いた薄膜の形成方法では、機能性材料(固形分)を溶媒(分散媒)に溶解又は分散させてなるインク(液状体)を液滴として基板上に吐出し、所望位置に配置した後、この配置したインクを乾燥してインク中の溶媒(分散媒)を除去することにより、機能性材料からなる薄膜を形成している。
ところで、工業的に形成するカラーフィルターや配線等の機能性薄膜は、近年では益々精細化、微細化する傾向にあり、したがって液滴吐出法でこれら機能性薄膜を形成するにあたっては、より高い吐出精度が要求されるようになってきている。このような背景のもとに近年では、液滴吐出を行うための吐出ヘッドをチャンバー内に収容し、吐出ヘッドの環境を制御することにより、吐出精度の向上を図っている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、このように吐出ヘッドをチャンバー内に収容した製膜装置では、吐出ヘッドのノズル面がチャンバー内の雰囲気に晒された状態になるため、例えば、このノズル面に設けられた複数のノズルのうち吐出動作を行わないノズルにおいて、インクの乾燥が進み粘度が増すことなどにより、インクの吐出量にバラツキが生じたり、インクの着弾精度の低下を招いたりするなどの問題が生じることがあった。
そこで、このような製膜装置では、ノズルから吐出される液滴の良好な吐出状態を維持又は回復するため、メンテナンス処理を定期的に行っている。具体的には、インクの増粘が進まないように各ノズルからインクを吐出させるフラッシング動作、ノズル面にキャップを被着(キャッピング)し、このキャップを介して吸引することにより、ノズル内の増粘したインクを除去したり、キャビティ内の気泡を除去する吸引動作、ノズル面をワイプ部材で払拭することによってノズル面に付着した付着物を除去するワイピング動作、などがなされている。また、このようなメンテナンス処理は、通常は基板にインク(機能液)を吐出して製膜を行うための描画エリアとは別に設けられた、メンテナンスエリアで行うようにしている。
特開2004−167431号公報 特開2005−146768号公報
しかしながら、前記の製膜装置では以下に述べる改善すべき課題がある。
製膜装置に用いられる吐出ヘッドは、吐出動作を行っているときはもちろん、吐出待ちの状態においても、ノズル内の機能液の増粘が進まないようにするべく微振動の駆動信号(微振動電圧波形)が供給されるため、その動作によって自己発熱を起こしている。また、吐出ヘッドの近傍に配置されて吐出ヘッドの駆動を制御する制御装置も、その動作によって自己発熱を起こす。したがって、吐出ヘッドは自身の発熱と制御装置の発熱とにより、その温度が周囲の温度(雰囲気温度)より高くなり、この吐出ヘッドの近傍の部材の温度も周囲の温度より高くなる。
ところが、吐出ヘッドは、その駆動素子となる圧電素子(例えばピエゾ素子)が温度特性を有し、Vh変位特性などが温度変化に伴って変動するため、周囲の温度変化によって吐出量が変動してしまう。また、吐出ヘッド内のインクも、温度によって粘度が変動するため、これによっても吐出量が変動してしまう。したがって、この吐出ヘッドは、描画エリアで吐出(描画)を行った後、メンテンアンスを行うためにメンテナンスエリアに移動すると、自身の発熱や制御装置の発熱がないことなどによって自身の温度が低下し、その後描画エリアに戻って吐出(描画)を行った際、吐出初期とその後との間で吐出バラツキを生じることがある。
そこで、メンテナンス後、再度描画エリアに移動させた際には、直ちに吐出(描画)を行わせることなく、自己発熱等によって吐出ヘッドが吐出に適した所望の温度(適正温度)にまで暖まるのを待ち、その後、吐出(描画)を行わせることが考えられる。しかし、その場合には、待ち時間によって生産性が損なわれるといった新たな課題を生じてしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、待ち時間による生産性の低下を招くことなく、吐出ヘッドの温度変化に起因する吐出バラツキを防止した、製膜装置及び製膜方法を提供することにある。
本発明の製膜装置は、基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、
前記チャンバー内には、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとが設けられ、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置が設けられ、
前記チャンバーには、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とが設けられ、
前記第1空調装置には、前記搬送装置によって前記吐出ヘッドが前記メンテナンスエリアに位置させられている間、前記描画エリアへの前記気体の供給を停止するように、該第1空調装置を制御する空調制御装置が設けられていることを特徴としている。
この製膜装置によれば、搬送装置によって吐出ヘッドがメンテナンスエリアに位置させられている間、描画エリアへの気体の供給を停止するように、第1空調装置にこれを制御する空調制御装置が設けられているので、吐出ヘッドをメンテナンスエリアに移動してメンテンアンスを行い、その後描画エリアに戻って直ちに吐出(描画)を行っても、その吐出初期とその後との間で吐出バラツキが生じるのを抑えることができる。
すなわち、チャンバー内には第1空調装置から温度調整用の気体(例えば空気)が供給され、これによって特に描画エリアは所望の温度、つまり吐出を行うのに適正な温度に調整され、このように調整された温度環境のもとで、吐出ヘッドから機能液の吐出がなされるようになっている。ここで、第1空調装置から描画エリアに供給される温度調整用の空気は、前述した吐出ヘッドの発熱を考慮して、吐出に適した所望の温度(適正温度)より低い所定の温度の空気を供給している。これにより、吐出ヘッドが描画エリアに位置させられ、吐出を行う際には、前述した吐出ヘッドの発熱等により、温度調整用の気体の温度(所定の温度)より高い適性温度(所望の温度)で吐出動作が行えるようになっている。
ところが、吐出ヘッドがメンテナンスのためにメンテナンスエリアに移動させられると、その間、描画エリアでは吐出ヘッドからの発熱が無く、第1空調装置から所望の温度(適正温度)より低い所定の温度の空気が供給され続けるため、従来では描画エリアの温度が低下し、したがって、前述したように吐出ヘッドを描画エリアに戻して直ちに吐出(描画)を行うと、吐出初期とその後との間で吐出バラツキを生じていた。
そこで、本発明では、前述したように吐出ヘッドがメンテナンスエリアに位置させられている間、描画エリアへの気体の供給を停止するので、描画エリア内が強制換気されてその環境温度が低下してしまうのが防止され、吐出ヘッドがメンテナンスエリアへ移動させられる前の適正温度に保持される。したがって、吐出ヘッドを描画エリアに戻しても、描画エリア内の温度がほぼ所望の温度に保持されているため、温度変化に起因する吐出バラツキを生じることなく、また、吐出ヘッドが所望の温度になるまで待たせることなく、良好に吐出を行わせ、製膜を行うことができる。
また、描画エリアへの気体の供給を停止するので、省エネルギー化を可能にし、地球温暖化の防止に寄与することができる。
本発明の別の製膜装置は、基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、
前記チャンバー内には、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとが設けられ、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置が設けられ、
前記チャンバーには、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とが設けられ、
前記第1空調装置には、前記搬送装置によって前記吐出ヘッドが前記メンテナンスエリアに位置させられている間、前記描画エリアに前記所定の温度より高い温度の気体を供給するように、該第1空調装置を制御する空調制御装置が設けられていることを特徴としている。
この製膜装置によれば、搬送装置によって吐出ヘッドがメンテナンスエリアに位置させられている間、描画エリアに前記所定の温度より高い温度の気体を供給するように、第1空調装置にこれを制御する空調制御装置が設けられているので、吐出ヘッドをメンテナンスエリアに移動してメンテンアンスを行い、その後描画エリアに戻って直ちに吐出(描画)を行っても、その吐出初期とその後との間で吐出バラツキが生じるのを抑えることができる。
すなわち、本発明では、前述したように吐出ヘッドがメンテナンスエリアに位置させられている間、描画エリアに前記所定の温度より高い温度の気体を供給するので、この高い温度の気体が供給されることによって描画エリア内が強制換気され、その環境温度が低下してしまうのが防止される。したがって、吐出ヘッドを描画エリアに戻しても、描画エリア内の温度が例えば前記所定の温度より高い所望の温度(適正温度)に保持されているため、温度変化に起因する吐出バラツキを生じることなく、また、吐出ヘッドが所望の温度になるまで待たせることなく、良好に吐出を行わせ、製膜を行うことができる。
また、前記製膜装置において、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間には、仕切りシャッターが開閉可能に設けられているのが好ましい。
このようにすれば、例えば描画エリアの温度をメンテナンスエリアの温度より高くしておきたい場合に、これら描画エリアとメンテナンスエリアとを仕切りシャッターで仕切っておくことにより、描画エリアの温度をより良好に調整し、保持することができる。
また、前記製膜装置において、前記第1空調装置は、前記気体の供給を、前記チャンバーの天井部から下部側に向けて行うよう構成されているのが好ましい。
このようにすれば、気体の供給による気流によってパーティクル等の異物が巻き上げられ、基板上に載ることで製膜不良の原因になってしまうことが、防止される。
また、前記製膜装置においては、前記吐出ヘッドの駆動を制御するための制御装置が、前記描画エリアに配置されているのが好ましい。
このようにすれば、メンテナンスエリアにおいて吐出ヘッドが吐出駆動や微振動駆動している場合に、制御装置が自己発熱を起こすため、描画エリア内の温度が低下するのを防止することができる。
本発明の製膜方法は、基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、前記チャンバー内に、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとを設け、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置を設け、前記チャンバーに、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とを設けてなる、製膜装置を用い、前記吐出ヘッドから前記基板上に機能液の液滴を吐出し、前記基板に製膜を行うに際して、
前記搬送装置によって前記吐出ヘッドを前記メンテナンスエリアに位置させている間、前記第1空調装置による前記描画エリアへの前記気体の供給を停止することを特徴としている。
この製膜方法によれば、搬送装置によって吐出ヘッドをメンテナンスエリアに位置させている間、第1空調装置による描画エリアへの前記気体の供給を停止するので、吐出ヘッドをメンテナンスエリアに移動してメンテンアンスを行い、その後描画エリアに戻って直ちに吐出(描画)を行っても、その吐出初期とその後との間で吐出バラツキが生じるのを抑えることができる。したがって、温度変化に起因する吐出バラツキを生じることなく、また、吐出ヘッドが所望の温度になるまで待たせることなく、良好に吐出を行わせ、製膜を行うことができる。
また、描画エリアへの気体の供給を停止するので、省エネルギー化を可能にし、地球温暖化の防止に寄与することができる。
本発明の別の製膜方法は、基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、前記チャンバー内に、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとを設け、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置を設け、前記チャンバーに、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とを設けてなる、製膜装置を用い、前記吐出ヘッドから前記基板上に機能液の液滴を吐出し、前記基板に製膜を行うに際して、
前記搬送装置によって前記吐出ヘッドを前記メンテナンスエリアに位置させている間、前記第1空調装置により、前記所定の温度より高い温度の気体を前記描画エリアに供給することを特徴としている。
この製膜方法によれば、搬送装置によって吐出ヘッドをメンテナンスエリアに位置させている間、第1空調装置により、所定の温度より高い温度の気体を描画エリアに供給するので、吐出ヘッドをメンテナンスエリアに移動してメンテンアンスを行い、その後描画エリアに戻って直ちに吐出(描画)を行っても、その吐出初期とその後との間で吐出バラツキが生じるのを抑えることができる。したがって、温度変化に起因する吐出バラツキを生じることなく、また、吐出ヘッドが所望の温度になるまで待たせることなく、良好に吐出を行わせ、製膜を行うことができる。
本発明の製膜装置の一実施形態の概略構成を示す側断面図である。 本発明の製膜装置の一実施形態の要部を示す斜視図である。 ステージの概略構成を示す斜視図である。 キャリッジに保持された複数の吐出ヘッドを下側から見た斜視図である。 吐出ヘッドの構造の一例を説明するための側断面図である。 着弾精度測定ユニットを説明するための図である。 着弾精度測定ユニットの使用方法明するための図である。 ワイピングユニットを説明するための図である。 ワイピングユニットの使用方法明するための図である。 キャッピングユニットを説明するための図である。 キャッピングユニットの使用方法明するための図である。
以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の製膜装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。図1、図2は、本発明の製膜装置の一実施形態を示す概略構成図であって、これらの図において符号1は製膜装置である。図1は、本実施形態に係る製膜装置1の側断面図、図2は、本実施形態に係る製膜装置1の要部を示す斜視図である。
製膜装置1は、図1に示すように基板Pを載置するステージ2と、複数のノズル(図示せず)が形成されたノズル面(図示せず)を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッド3と、該吐出ヘッド4を保持するキャリッジ4と、前記吐出ヘッド3のメンテナンスを行うメンテナンス装置5、6、7と、前記ステージ2、前記吐出ヘッド3、前記キャリッジ4、前記メンテナンス装置5、6、7を全て収容するチャンバー8と、を備えて構成されたものである。また、この製膜装置1は、本実施形態では機能液としてカラーフィルター材料を用い、その液滴を基板Pに吐出することにより、基板Pにカラーフィルターの薄膜を形成するものとなっている。なお、前記ステージ2、メンテナンス装置5、6、7は、全て、チャンバー8内に配置された直方体状の基台9上に、設けられている。
この製膜装置1においては、そのチャンバー8内に、前記ステージ2を配置してなる描画エリアE1と、前記メンテナンス装置5、6、7を配置してなるメンテナンスエリアE2とが設けられている。そして、これら描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間には、仕切りシャッター10が開閉可能に設けられている。この仕切りシャッター10は、例えば図1中二点鎖線で示すように、上方に引き上げられることで描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間を開放し、また、その状態から下降させられることにより、描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間を仕切るように構成されている。なお、この仕切りシャッター10には、前記基台9や後述するキャリッジ4の搬送レールに干渉しないよう、これらを避けた状態に開口部(図示せず)が形成されている。
ステージ2は、図3に示すように基台9上に設置された固定部11と、この固定部11上に移動可能に設けられた可動部12とからなるもので、モーター等の駆動源(図示せず)により、可動部12が固定部11上にて例えば+X方向、−X方向に移動するよう、構成されたものである。可動部12には、その上面に基板Pを保持する保持機構13が設けられている。保持機構13は、静電吸着、真空吸着、あるいは機械的に位置決めし保持する公知の機構からなるもので、基板Pを可動部12の所定位置に着脱可能に保持するものとなっている。
また、可動部12の上面には、前記保持機構13が設けられた箇所の両側に、それぞれフラッシングエリア14が設けられている。フラッシングエリア14には、吐出ヘッド3のノズルから吐出された液滴を吸収する多孔部材が配設されている。多孔部材としては、例えばスポンジ状の部材が用いられる。このような構成のもとに吐出ヘッド3は、基板Pに液滴を吐出する前後に、フラッシングエリア14上に移動してノズルより液滴を吐出する動作、いわゆるフラッシング動作を行うことができるようになっている。
吐出ヘッド3は、図4に示すように、キャリッジ4の下面側に複数(図4では12個)設けられている。これら複数の吐出ヘッド3には、機能液の液滴を吐出するノズル15を形成したノズル面16が設けられている。ノズル面16は、本実施形態で略矩形状になっている。ノズル15は、ノズル面16において、所定方向(ノズル面16の長辺方向)に沿って複数形成されている。
また、この吐出ヘッド3は、その断面図である図5に示すように、ピエゾ素子(圧電素子)17に所定の駆動信号が供給されると、このピエゾ素子17が変形し、機能液を収容したキャビティ18の圧力が可撓性の振動板19を介して変動する。そして、この圧力の変動によってノズル15より機能液の液滴Dを吐出する、いわゆる電気機械変換方式の吐出ヘッドとなっている。
すなわち、この吐出ヘッド3は、ヘッド本体20と、ヘッド本体20の下端に貼設されたノズルプレート21とを有している。ノズルプレート21にはノズル15が形成されており、また、その下面がノズル面16となっている。ノズル面16は、前記ステージ2上に配置される基板Pに対向するように、下方に向いて配置されている。また、吐出ヘッド3は、ノズルプレート21の上側に形成された前記キャビティ(空間)18と、キャビティ18の上側に配置された前記振動板19と、振動板19の上方に配置された前記ピエゾ素子17とを有している。
キャビティ18は、複数のノズル15のそれぞれに対応するように複数形成されている。これらキャビティ18は、フレキシブルチューブからなる流路(図示せず)を介して、図1に示した機能液収容部22に接続されている。これによってキャビティ18は、機能液収容部22から機能液(カラーフィルター材料)が供給され、ノズル15を通して吐出するようになっている。
振動板19は、上下方向に振動することによってキャビティ18の容積を変化させ、その内圧を変化させるものである。ピエゾ素子17は、複数のノズル15のそれぞれに対応して複数配置されたもので、制御装置23からの駆動信号に基づいて振動板19を振動させ、キャビティ18の内圧を変化させることにより、ノズル15から機能液の液滴Dを吐出させるものである。このような構成からなる吐出ヘッド3は、特にピエゾ素子(圧電素子)17が駆動信号を受けて駆動(動作)することにより、自己発熱を起こすようになっている。
制御装置23は、吐出ヘッド3に電気的に接続されたもので、吐出ヘッド3のピエゾ素子17に電気信号(駆動信号)を印加するための電子回路を備えたものである。したがって。この制御装置23は、その動作中に自己発熱を起こすようになっている。また、この制御装置23には制御器24が電気的に接続されている。制御器24は、制御装置23の電源として機能するとともに、後述する搬送装置やメンテナンス装置5、6、7の駆動源(図示せず)を制御するためのものである。したがって。この制御器24も、その動作中に自己発熱を起こすようになっている。ここで、これら制御装置23、制御器24は、いずれもメンテナンスエリアE1に配置されている。
また、吐出ヘッド3を備えたキャリッジ4は、図1に示すように搬送装置25により、基台9上面の長辺方向に沿って移動させられるようになっている。搬送装置25は、キャリッジ4を吊架する梁状のレール26と、このレール26に沿ってキャリッジ4を進退可能に移動させるモーター等の駆動源27と、を備えて構成されたものである。駆動源27は、レール26に設けられた移動体(図示せず)を、該レール26に沿って移動させるもので、メンテナンスエリアE1に配設されたものである。移動体は、キャリッジ4を移動可能に保持するものであり、これによってキャリッジ4は、レール26に沿って移動するようになっている。なお、この駆動源27は、その動作中に自己発熱を起こすようになっている。また、駆動源27は前記制御器24に電気的に接続され、この制御器24からの駆動信号によって動作するようになっている。
ここで、搬送装置25のレール26は、描画エリアE1からメンテナンスエリアE2に連続して配設されており、これによって搬送装置25は、キャリッジ4とこれに設けられた吐出ヘッド3とを、描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間に移動可能にしている。なお、図示しないものの、キャリッジ4は移動体に対して移動可能に構成されており、これによって吐出ヘッド3は、前記ステージ2上の基板Pに対して移動可能になっている。すなわち、ステージ2における固定部11に対する可動部12の移動(例えばX方向への移動)と、吐出ヘッド3の移動体に対する移動(例えばY方向への移動)とにより、吐出ヘッド3はステージ2上の基板Pに対して、X方向とこれに直交するY方向とに、相対的に移動できるようになっている。また、図示しない昇降機構により、移動体に対して昇降可能になっており、これによってステージ2上の基板Pや、後述するメンテナンス装置5、6、7に対して接離可能になっている。
メンテナンス装置5は、図6に示すように着弾精度測定ユニット28を有したものである。この着弾精度測定ユニット28は、吐出ヘッド3のノズル15から吐出される液滴Dの着弾精度を測定するためのもので、吐出ヘッド3のノズル面16に対向し、かつノズル面16に対して相対的に移動可能に設けられた記録面29を有する帯状のシート部材30と、シート部材30の記録面29を送るための送り機構31と、シート部材30及び送り機構31を収容するハウジング部材32と、を有したものである。
シート部材30は、少なくともその一部がハウジング部材32の上面に形成された開口32a内に露出させられ、これによって吐出ヘッド3のノズル面16と対向可能になっている。また、このシート部材30は、吐出ヘッド3の各ノズル15から吐出された液滴Dの着弾位置を記録することが可能な記録媒体(測定部材)からなっており、例えばロール紙などの記録紙が好適に用いられている。
送り機構31は、シート部材30を供給する供給リール33と、供給リール33から供給されたシート部材30を巻き取る巻取リール34と、これら供給リール33及び巻取リール34を回転させる回転モーター等のアクチュエーター35と、を有して構成されている。このような構成のもとに送り機構31は、制御器24によってアクチュエーター35が駆動制御されることにより、シート部材30を供給リール33から巻取リール34に送るようになっている。
このような着弾精度測定ユニット28によって吐出ヘッド3の各ノズル15から吐出される液滴Dの着弾精度を測定するには、まず、制御器24によって搬送装置25を駆動させ、キャリッジ4をメンテナンス装置5の着弾精度測定ユニット28上に移動させる。そして、図7に示すように吐出ヘッド3のノズル面16を着弾精度測定ユニット28のハウジング部材32の開口32aに対向させる。
次に、制御装置23によって吐出ヘッド3に吐出動作を行わせ、開口32a内に露出したシート部材30の記録面29に液滴Dを着弾させる。その後、この記録面29に記録された液滴Dの着弾位置から、各ノズル15から吐出される液滴Dの着弾精度を測定する。そして、この測定結果に基づき、吐出ヘッド3の吐出精度を確認し、正常であれば基板Pへの薄膜形成を行うようにする。また、異常である場合には、例えば以下のメンテナンス装置6、7によるメンテナンスを再度行うようにする。
メンテナンス装置6は、図8に示すようにワイピングユニット36を有したものである。このワイピングユニット36は、吐出ヘッド3のノズル面16に付着した付着物(異物)を除去するためのもので、吐出ヘッド3のノズル面16に対向し、かつノズル面16に対して相対的に移動可能に設けられたワイピング面37aを有する帯状のワイプ部材37と、前記ワイピング面37aを移動(走行)させるための駆動機構38と、ワイプ部材37及び駆動機構38を収容するハウジング部材39と、を有したものである。なお、吐出ヘッド3のノズル面16に付着した付着物(異物)とは、ノズル面16に付着した機能液の液滴Dも含んでいる。
また、ワイピングユニット36は、ワイプ部材37のワイピング面37aと反対の側の面を支持する払拭ローラー43と、供給リール40と払拭ローラー43との間でワイプ部材37の張力を調整する一対のテンションローラー44と、巻取リール41と払拭ローラー43との間でワイプ部材37の移動(走行)を案内するガイドローラー45と、を備えている。ワイプ部材37は、例えば不織布などの、液体を吸収可能な材料からなっている。
駆動機構38は、ワイプ部材37を供給する供給リール40と、供給リール40から供給されたワイプ部材37を巻き取る巻取リール41と、これら供給リール40及び巻取リール41を回転させる回転モーター等のアクチュエーター42と、を有して構成されている。このような構成のもとに駆動機構38は、制御器24によってアクチュエーター42が駆動制御されることにより、ワイプ部材37を供給リール40から巻取リール41に向けて所定速度で移動(走行)させるようになっている。
このようなワイピングユニット36によって吐出ヘッド3のノズル面2を払拭するためには、まず、制御器24によって搬送装置25を駆動させ、キャリッジ4をメンテナンス装置6のワイピングユニット36上に移動させる。そして、図9に示すように吐出ヘッド3のノズル面16をワイピングユニット36のハウジング部材39の開口39aに対向させる。
次に、制御器24によって供給リール40及び巻取リール41を駆動させ、図9に示すように吐出ヘッド3のノズル面16上にワイプ部材37のワイピング面37aを移動(走行)させる。すなわち、吐出ヘッド3のノズル面16にワイプ部材37のワイピング面37aを接触させ、その状態で移動(走行)させることにより、ノズル面16をワイプ部材37で払拭する。これにより、ノズル面16に付着した付着物(異物)を除去することができる。
メンテナンス装置7は、図10に示すようにキャッピングユニット46を有したものである。このキャッピングユニット46は、吐出ヘッド3のノズル面16にキャップ47を被着させ、キャッピングするためのものである。キャップ47は、吐出ヘッド3に対向する上面に形成された凹部からなるキャップ部48を有したものである。キャップ部48は、その凹部によって吐出ヘッド3のノズル面16との間に空間を形成可能にしたもので、複数の吐出ヘッド3に対応して、これら複数の吐出ヘッド3と同じ数設けられている。
また、キャッピングユニット46は、キャップ部48の底面に形成されて凹部内の流体を吸引するための吸引口49と、吸引口49に連通する流路50と、流路50に接続された真空プンプ等の吸引手段51と、を有している。
そして、このキャッピングユニット46は、図11に示すように吐出ヘッド3のノズル面16側をキャップ部(凹部)48の開口に嵌合させ、ノズル面16側の外周面をキャップ部(凹部)48の内側面の上端部に当接させることにより、キャップ部48に閉空間52を形成するようになっている。
このようなキャッピングユニット46によって吐出ヘッド3のノズル面16をキャッピングし、吸引動作を行わせるには、まず、制御器24によって搬送装置25を駆動させ、キャリッジ4をメンテナンス装置6のキャッピングユニット46上に移動させる。そして、吐出ヘッド3のノズル面16をそれぞれキャッピングユニット46のキャップ部48に対向させる。
次に、制御器24によって前記昇降機構を動作させ、吐出ヘッド3(キャリッジ4)を下降させる。これにより、図11に示すように吐出ヘッド3のノズル面16をキャップ部(凹部)48の開口に嵌合させ、キャップ部48に閉空間52を形成する。続いて、吸引手段51を作動することにより、閉空間52内を吸引し、減圧する。
すると、吐出ヘッド3は、そのノズル面16の各ノズル15に連通する閉空間52内が減圧されたことにより、吐出ヘッド3のキャビティ18等の機能液が、ノズル15を介して吸引される。これにより、吐出前においてキャビティ18内の気泡を除去したり、前記のメンテナンス装置5(着弾精度測定ユニット28)やメンテナンス装置6(ワイピングユニット36)においてメンテナンスを行っている間、乾燥により増粘したノズル15内等の機能液を吐出し、ノズル15内に適正な粘度の機能液を供給することができる。
ここで、このように吐出ヘッド3をキャッピングし、吸引動作を行う際には、通常、吐出ヘッド3に与えている微振動駆動の駆動信号(微振動電圧波形)を停止させる。すなわち、通常の吐出待機時においては、吐出ヘッド3に微振動を付与することにより、ノズル15内の機能液の増粘が進まないようにしている。しかし、吸引動作を行う際には、ノズル15内等の機能液を円滑に流出させるなどのため、微振動駆動の駆動信号の供給を停止させる。したがって、通常の吐出待機時においてはこの微振動駆動の駆動信号によって自己発熱を起こしているが、このキャッピングユニット46による吸引動作時においては、自己発熱が起こらなくなるのである。
なお、キャップ部48には、ノズル面16(ノズル15)の乾燥を抑制する機能(保湿機能)を備えさせてもよい。具体的には、キャップ部48の内側に湿った多孔部材(メッシュ部材)を配置し、その湿った多孔部材を含むキャップ部48と吐出ヘッド3のノズル面16とを対向させることにより、ノズル面16の乾燥を抑制する。つまり、ノズル面16とキャップ部48とで形成される閉空間52の内側に、湿った多孔部材を配置することにより、ノズル面16の乾燥を抑制するようにしてもよい。
また、図1に示すようにチャンバー8内において、描画エリアE1側には、前記ステージ2の側方に、基板搬送装置53が設けられている。基板搬送装置53は、前記ステージ上の基板Pを該ステージ2上から受け取り、該基板搬送装置53の近傍に配設された基板収容装置54に搬送してここに収容させるようになっている。基板収容装置54は、チャンバー8の側壁に設けられたもので、この側壁に設けられた開閉ドア(図示せず)により、チャンバー8の外側から、基板収容装置54内に収容された基板Pを取り出せるようになっている。
前記メンテナンス装置5、6、7や吐出ヘッド3、搬送装置25等を収容してなるチャンバー8には、第1空調装置55、第2空調装置56が設けられている。第1空調装置55は、チャンバー8内の前記描画エリアE1の空調を行うもので、チャンバー8の天井部の描画エリアE1に対応した位置に配設され、図1中破線の矢印で示すように、天井部から描画エリアE1内の下部側に向けて所定の温度の空気(気体)をダウンフローさせるものである。このような構成によって第1空調装置55は、空気の供給による気流によってパーティクル等の異物を巻き上げ、異物が基板P上に載ることで製膜不良を生じてしまうことを、防止している。なお、チャンバー8には、その床面側に排気口(図示略)が設けられており、これによって前記のダウンフローされた空気が排気口から流出し、天井部側に向けて巻き上がることが防止されている。
また、この第1空調装置55は、空調制御装置57に接続されてこれに制御されるようになっている。空調制御装置57は、前記制御器24に電気的に接続されており、制御器24から信号を受けることにより、以下の第1空調装置55に対する二通りの制御のうち、予め設定された一方の制御を行うようになっている。
すなわち、この空調制御装置57は、制御器24が前記搬送装置25によって吐出ヘッド3をメンテナンスエリアE2に移動させてここに位置させるように制御している間、
(1)描画エリアE1に、温度調整用の所定の温度の空気を供給するのを停止するように、第1空調装置55を制御する。
(2)描画エリアE1に、前記所定の温度より高い温度の空気(気体)を供給するように、第1空調装置55を制御する。
これら(1)、(2)の二通りの制御は、全く異なる制御となるため、同時に行うことはできず、したがって、予めいずれの制御を選択するか決定しておく。
ここで、(1)の方法では吐出ヘッド3がメンテナンスエリアE2に位置している時間が長くなると、描画エリアE1も徐々に温度が低下してしまう。一方、この(1)の方法は、温度調整用の加温した空気の供給を停止するため、(2)の方法に比べ、省エネルギー効果が期待できる。よって、空調制御装置57は、例えば吐出ヘッド3がメンテナンスエリアE2に予め設定した時間以上位置している場合には、(2)の方法による制御を行い、予め設定した時間未満だけ位置している場合には、(1)の方法による制御を行うようにする。あるいは、吐出ヘッド3がメンテナンスエリアE2に位置している間の前半において、(1)の方法による制御を行い、続いて後半において、(2)の方法による制御を行うようにしてもよい。
なお、このメンテナンスエリアE1には、前述したように制御装置23、制御器24が共に配置され、さらに搬送装置25の駆動源27も配設されている。したがって、これらがその発熱によってメンテナンスエリアE1の温度を高めるので、前記の(1)の方法で制御した場合に、描画エリアE1の温度低下が抑制される。また、前記の(2)の方法で制御した場合にも、供給する空気(気体)の温度を、前記所定の温度より高い温度であれば、前記所望の温度(適正温度)より低い温度にすることができる。
第2空調装置56は、チャンバー8内の前記メンテナンスエリアE2の空調を行うもので、チャンバー8の天井部のメンテナンスエリアE2に対応した位置に配設され、このメンテナンスエリアE2に所定温度の空気を、図1中破線の矢印で示すようにダウンフローさせるものである。この第2空調装置56は、前記空調制御装置57によって独立して制御され、あるいは、空調装置57とは別の空調制御装置によって制御されるようになっている。
このような構成の製膜装置1によって基板Pにカラーフィルターを製膜するには、まず、仕切りシャッター10を閉じた状態で第1空調装置55、第2空調装置56を作動させ、チャンバー8内の描画エリアE1の温度、メンテナンスエリアE2の温度を、それぞれ設定した温度に調整する。すなわち、空調制御装置57により、第1空調装置55から描画エリアE1に所定の温度の空気を供給する。また、第2空調装置56からメンテナンスエリアE2に設定した温度の空気を供給する。
そして、吐出ヘッド3から機能液(カラーフィルター材料)を吐出して基板P上に製膜を行うに先立ち、吐出ヘッド3を、搬送装置25によってメンテナンスエリアE2に移動させ、ここで必要なメンテナンスを行わせる。その際、吐出ヘッド5がいなくなった(位置しなくなった)描画エリアE1については、空調制御装置57によって前記(1)に示した方法、あるいは前記(2)に示した方法で第1空調装置55を制御し、これによって描画エリアE1の温度低下を防止しておく。
すなわち、(1)の方法を採用し、描画エリアE1への空気の供給を停止することにより、描画エリアE1内を強制換気してその環境温度が低下してしまうのを防止する。また、(2)の方法を採用し、描画エリアE1に前記所定の温度より高い温度の空気を供給することにより、この高い温度の空気で描画エリアE1内を強制換気し、その環境温度が低下してしまうのを防止する。
一方、メンテナンスエリアE2では、吐出ヘッド3のメンテナンスを行う。具体的には、メンテナンス装置7のキャッピングユニット46において吐出ヘッド3のノズル面16に対し吸引動作を行い、また、メンテナンス装置6のワイピングユニット36において吐出ヘッド3のノズル面16を払拭し、さらに、メンテナンス装置5の着弾精度測定ユニット29において着弾精度を測定する。そして、吐出ヘッド3の着弾精度(吐出精度)が正常であることを確認したら、搬送装置25によって吐出ヘッド3を描画エリアE1に移動させる。
このようにして吐出ヘッド3を描画エリアE1に移動させると、描画エリアE1では、自己発熱を起こす吐出ヘッド3が位置していなかったことにより、従来では環境温度が低下していたが、本発明においては、空調制御装置57によって前記(1)又は(2)の方法で第1空調装置55を制御しているので、温度の低下がほとんど起こらず、したがって吐出ヘッド3やその内部の機能液も、吐出に適正な温度(所望の温度)に保持される。
したがって、搬送装置25によって吐出ヘッド3を描画エリアE1に移動させたら、ここで待機させることなく、直ちに吐出ヘッド3を基板P上に位置させ、その状態で従来と同様にして吐出動作を行わせ、基板P上に液滴Dを配する。これにより、基板Pにカラーフィルター(薄膜)を形成する。このようにして吐出動作を行わせると、吐出ヘッド3やその内部の機能液が吐出に適正な温度(所望の温度)に保持されていることから、吐出初期とその後との間で吐出バラツキを生じることなく、良好に吐出を行うことができる。
このようにして基板Pに対してカラーフィルター(薄膜)を形成し、さらにこの薄膜形成を所定枚数の基板Pに対して行ったら、再度メンテナンスを行うべく、仕切りシャッター10を開閉しつつ、搬送装置25によって吐出ヘッド3をメンテナンスエリアE2に移動させる。そして、必要に応じて再度、メンテナンス装置5、6、7によってメンテナンスを行う。
また、この間には、前述したように空調制御装置57により、前記(1)又は(2)の方法で第1空調装置55を制御し、描画エリアE1の温度低下を防止しておく。
その後、この吐出ヘッド3を再度描画エリアE1に戻し、ステージ2上の基板Pに対し、前述したように機能液(カラーフィルター材料)を吐出し、薄膜(カラーフィルター)を形成する。その際、吐出ヘッド3をメンテナンスエリアE2から描画エリアに移動させ、その状態で待機させることなく、直ちに吐出を行わせても、描画エリアE1内が設定した温度(例えば所望の温度)に保持されているため、前述したように温度変化に起因する吐出バラツキを生じることがない。
したがって、本発明の製膜装置1、及びこの製膜装置1による製膜方法によれば、空調制御手段57によって前記(1)又は(2)の方法で第1空調装置55を制御し、描画エリアE1内の温度をほぼ所望の温度に保持しているため、温度変化に起因する吐出バラツキを生じることなく、また、吐出ヘッドが所望の温度になるまで待たせることなく、良好に吐出を行わせ、製膜を行うことができる。
また、特に(1)の方法を採用すれば、描画エリアE1への空気(気体)の供給を停止するので、省エネルギー化を可能にし、地球温暖化の防止に寄与することができる。
また、描画エリアE1とメンテナンスエリアE2との間に仕切りシャッター10を開閉可能に設けているので、例えば描画エリアE1の温度をメンテナンスエリアE2の温度より高くしておきたい場合に、これら描画エリアE1とメンテナンスエリアE2とを仕切りシャッター10で仕切っておくことにより、描画エリアE1の温度をより良好に調整し、保持することができる。
また、第1空調装置55からの空気(気体)の供給を、チャンバー8の天井部から下部側に向けて行うように構成しているので、空気の供給による気流によってパーティクル等の異物を巻き上げ、基板P上に載せてしまうことで製膜不良を生じてしまう不都合も防止することができる。
さらに、制御装置23、制御器24、駆動源27を描画エリアE1に配置しているので、これら制御装置23、制御器24、駆動源27から発生する熱によって描画エリアE1の温度低下を防止するとともに、これらの熱を有効利用(再利用)することにより、省エネルギー化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では仕切りシャッター10によって描画エリアE1とメンテナンスエリアE2とを仕切るようにしたが、特に描画エリアE1とメンテナンスエリアE2とを同じ温度に調整する場合には、仕切りシャッター10を設けることなく、第1空調装置55、第2空調装置56により、描画エリアE1、メンテナンスエリアE2を同じ温度にするようにしてもよい。
また、ステージ2の構成や、吐出ヘッド3の搬送装置25の構成、さらにメンテナンス装置5、6、7の構成等についても、前記実施形態に限定されることなく、種々の構成を採用することができる。
また、前記実施形態では、カラーフィルターの薄膜を製膜する場合について説明したが、本発明の製膜装置及び製膜方法は、カラーフィルター以外にも、有機EL装置における機能膜(発光層や正孔注入層など)や液晶装置における配向膜、さらには配線パターンなど、各種の薄膜の形成に適用することができる。
1…製膜装置、2…ステージ、3…吐出ヘッド、4…キャリッジ、5、6、7…メンテナンス装置、8…チャンバー、10…仕切りシャッター、15…ノズル、16…ノズル面、17…ピエゾ素子、23…制御装置、24…制御器、25…搬送装置、27…駆動源、28…着弾精度測定ユニット、36…ワイピングユニット、46…キャッピングユニット、55…第1空調装置、56…第2空調装置、57…空調制御装置、P…基板、E1…描画エリア、E2…メンテナンスエリア

Claims (7)

  1. 基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、
    前記チャンバー内には、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとが設けられ、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置が設けられ、
    前記チャンバーには、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とが設けられ、
    前記第1空調装置には、前記搬送装置によって前記吐出ヘッドが前記メンテナンスエリアに位置させられている間、前記描画エリアへの前記気体の供給を停止するように、該第1空調装置を制御する空調制御装置が設けられていることを特徴とする製膜装置。
  2. 基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、
    前記チャンバー内には、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとが設けられ、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置が設けられ、
    前記チャンバーには、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とが設けられ、
    前記第1空調装置には、前記搬送装置によって前記吐出ヘッドが前記メンテナンスエリアに位置させられている間、前記描画エリアに前記所定の温度より高い温度の気体を供給するように、該第1空調装置を制御する空調制御装置が設けられていることを特徴とする製膜装置。
  3. 前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間には、仕切りシャッターが開閉可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製膜装置。
  4. 前記第1空調装置は、前記気体の供給を、前記チャンバーの天井部から下部側に向けて行うよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製膜装置。
  5. 前記吐出ヘッドの駆動を制御するための制御装置が、前記描画エリアに配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製膜装置。
  6. 基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、前記チャンバー内に、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとを設け、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置を設け、前記チャンバーに、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とを設けてなる、製膜装置を用い、前記吐出ヘッドから前記基板上に機能液の液滴を吐出し、前記基板に製膜を行うに際して、
    前記搬送装置によって前記吐出ヘッドを前記メンテナンスエリアに位置させている間、前記第1空調装置による前記描画エリアへの前記気体の供給を停止することを特徴とする製膜方法。
  7. 基板を載置するステージと、複数のノズルが設けられたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから機能液の液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と、前記ステージと前記吐出ヘッドと前記メンテナンス装置とを収容するチャンバーとを備え、前記チャンバー内に、前記ステージを配置してなる描画エリアと、前記メンテナンス装置を配置してなるメンテナンスエリアとを設け、かつ、前記描画エリアと前記メンテナンスエリアとの間に前記吐出ヘッドを移動させる搬送装置を設け、前記チャンバーに、前記描画エリアに温度調整用の所定の温度の気体を供給する第1空調装置と、前記メンテナンスエリアに温度調整用の気体を供給する第2空調装置とを設けてなる、製膜装置を用い、前記吐出ヘッドから前記基板上に機能液の液滴を吐出し、前記基板に製膜を行うに際して、
    前記搬送装置によって前記吐出ヘッドを前記メンテナンスエリアに位置させている間、前記第1空調装置により、前記所定の温度より高い温度の気体を前記描画エリアに供給することを特徴とする製膜方法。
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