JP2018039214A - インク乾燥防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】継続してフラッシング動作を行っても長期に亘ってノズル内のインクの乾燥を防止することができるインク乾燥防止装置を提供する。【解決手段】インクが吐出されるノズルを複数有する塗布ヘッドのインクの乾燥を防止するインク乾燥防止装置であって、インクの溶媒が貯留された溶媒貯留部が形成されたフラッシングトレイと、フラッシングトレイ内に配置され、ノズルから吐出されるインクを吸収させるシート状の布部材と、を備え、フラッシングトレイには、塗布ヘッドのノズル面と対向する対向面を有し、この対向面とノズル面とで形成される隙間を一定にするスペーサが設けられており、スペーサの対向面に前記布部材が配置されることにより、スペーサ上の塗布ヘッドのノズル面と布部材とがノズル面に亘って均一な隙間寸法に維持されている構成とする。【選択図】図5
Description
本発明は、複数のノズルからインクを着弾させるインクジェット塗布装置において、インクを吐出する塗布ヘッドにおけるインクの乾燥を防止するインク乾燥防止装置に関するものである。
カラー液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、カラーフィルタが用いられている。このカラーフィルタは、インクジェット塗布装置等によって効率よく製造されている。インクジェット塗布装置は、複数のノズルを有する塗布ヘッドを有しており、各インクを所定位置に高精度に吐出することができる。
例えば、カラーフィルタの形成は、ガラス等の基板上に3色のインクを所定パターンに精度よく塗布することによって行われる。高精度で品質のよいカラーフィルタを形成するには、ノズル内のインク(ノズル内における大気に触れるインク)を適切に保つ必要がある。すなわち、ノズル内のインクが乾燥すると、インクの粘度が増大してインクの飛行に影響を及ぼしたり、乾燥により固化したインクが基板上に落下するなど高品質なカラーフィルタの形成に大きな影響を及ぼす。そのため、基板の入れ替え等、一定時間、塗布動作を行わない場合には、塗布ヘッドをインク乾燥防止装置に配置し、フラッシング動作を行うことによって塗布ヘッドのインクが乾燥するのを防止している。
このインク乾燥防止装置は、図6に示すように、塗布ヘッド100から吐出されるインクを受けるフラッシングトレイ101が設けられている。このフラッシングトレイ101には、溶媒供給口105から供給されたインク又はインクを構成する溶媒(これらを溶媒等という)が貯留される溶媒貯留部102が形成されており、溶媒貯留部102内に塗布ヘッド100から液滴されたインクを吸収する液滴吸収部材103(スポンジなど)が設けられている。そして、一定時間、塗布動作を行わない場合には、塗布ヘッド100をフラッシングトレイ101の液滴吸収部材103上でフラッシング動作を行うことにより塗布ヘッド100の各ノズルの乾燥を防止している。すなわち、フラッシング動作中は、塗布ヘッド100から吐出される液滴が液滴吸収部材103で吸収されるため、吐出された液滴が跳ね返って塗布ヘッドに付着するのが防止される。そして、溶媒貯留部102上には、溶媒貯留部102から蒸発した溶媒等により一定の溶媒蒸気圧の溶媒雰囲気SBが形成されており、この溶媒雰囲気SB内にすべてのノズルが配置されることにより、各ノズルのインクが増粘するのを防止することができる(例えば下記特許文献1参照)。
しかし、上記インク乾燥防止装置では、インクの乾燥を完全には防止できないという問題があった。上記インク乾燥防止装置では、図7に示すように、溶媒貯留部102内に配置される液滴吸収部材103が吐出されるインクを吸収して経時的に変形してしまうことにより、吐出された液滴が跳ね返ってノズルに付着してしまう問題があった。すなわち、フラッシング動作時のノズル位置と液滴吸収部材103の表面との寸法は、吐出したインクが跳ね返らないように、その高さ寸法(ノズルと液滴吸収部材103との隙間寸法)が精度よく設定範囲内に位置決めされている。ところが、液滴吸収部材103(例えばスポンジ)が吐出された液滴を吸収すると、徐々に液滴吸収部材103の形状が変形して高さ寸法が設定範囲から外れることにより、吐出された液滴が跳ね返り、飛散したインクがノズルに付着してノズルの孔を塞いでしまうという問題があった。
また、溶媒貯留部102上において、ノズル内のインクについては、ノズルを特定の溶媒雰囲気SB(インクの乾燥を防止できる溶媒蒸気圧)に配置することにより、ノズル内で大気と接するインクの乾燥を防止している。しかし、図7に示すように、破線で示す液滴吸収部材103が実線で示す液滴吸収部材103のように変形すると、液滴吸収部材103の高さ位置が変化するため、当初、特定の溶媒雰囲気SB内に位置していたノズルが、時間と共に適正な溶媒蒸気圧の溶媒雰囲気SBから出てしまうことにより、適正に乾燥防止が行われず、ノズル内のインクが乾燥(増粘)してしまうことにより、不吐出や吐出速度低下が発生するという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、継続してフラッシング動作を行っても長期に亘ってノズル内のインクの乾燥を防止することができるインク乾燥防止装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のインク乾燥防止装置は、インクが吐出されるノズルを複数有する塗布ヘッドのインクの乾燥を防止するインク乾燥防止装置であって、前記インクの溶媒が貯留された溶媒貯留部が形成されたフラッシングトレイと、前記フラッシングトレイ内に配置され、前記ノズルから吐出されるインクを吸収させるシート状の布部材と、を備え、前記フラッシングトレイには、塗布ヘッドのノズル面と対向する対向面を有し、この対向面とノズル面とで形成される隙間を一定にするスペーサが設けられており、前記スペーサの対向面に前記布部材が配置されることにより、前記スペーサ上の塗布ヘッドのノズル面と前記布部材とがノズル面に亘って均一な隙間寸法に維持されていることを特徴としている。
上記インク乾燥防止装置によれば、フラッシングトレイ内に塗布ヘッドのノズル面との隙間を一定にするスペーサが設けられており、このスペーサ上に布部材が配置されるため、布部材とノズル面との隙間寸法が均一に維持される。すなわち、スペーサの厚みを調節してスペーサの対向面をノズル面に極力近接させ、その対向面に布部材を配置することにより、布部材の厚み寸法を小さくでき、液滴を吸収したときの布部材の変形量を極力抑えることができるため、ノズル面と布部材との隙間寸法を長期に亘って保持できる。したがって、従来のようにノズル面と布部材との隙間寸法が設定範囲から外れることにより、吐出された液滴が跳ね返ってノズルに付着する問題、及び、当初、特定の溶媒雰囲気内に位置していたノズルが、時間と共に適正な溶媒蒸気圧の溶媒雰囲気から出てしまうという問題を回避し、ノズル内のインクが乾燥するのを抑えることができる。
また、前記スペーサは、インクの溶媒を供給する溶媒供給口を有しており、この溶媒供給口は、前記ノズル面に対向する前記布部材に向く姿勢で設けられている構成にしてもよい。
この構成によれば、溶媒供給口から供給されるインクの溶媒が直接、布部材に吐出されるため、布部材に吸収されたインクをフラッシングトレイ側に促しつつ、ノズル面に対向する布部材に新しいインクの溶媒を供給することができる。したがって、塗布ヘッドと布部材間に形成される溶媒雰囲気の変化を極力抑えることができる。
また、前記布部材は、前記スペーサの対向面に平行な方向に引っ張られつつ、前記対向面に沿わせて固定されている構成とすることができる。
この構成によれば、対向面の表面形状が布部材に現れるため、布部材を一様な平坦面として形成することができ、布部材自身、引っ張られた状態で固定されるため、厚み方向の変形を抑えることができる。
また、具体的な前記布部材の様態としては、MEワイパーを使用することにより、布部材の厚み方向寸法の変形を抑え、長期に亘って一定に維持することができる。
本発明のインク乾燥防止装置によれば、継続してフラッシング動作を行っても長期に亘ってノズル内のインクの乾燥を防止することができる。
本発明のインク乾燥防止装置に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、インク乾燥防止装置を備えたインクジェット塗布装置の一実施形態を示す側面図であり、図2は、インクジェット塗布装置の正面図、図3は、インク乾燥防止装置とヘッドユニットとを示す正面図、図4は、フラッシングトレイとヘッドモジュールとを概略的に示す図である。なお、本実施形態では、インクジェット塗布装置のインクをカラーフィルタを形成する場合のインクとして説明するが、インクは、有機EL、配線パターンの導電性インク、保護膜等、インクジェット形式で吐出できるものであれば、あらゆるものを対象とすることができる。
図1〜図4において、インクジェット塗布装置1は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各インクを基板10に対して吐出することで、例えばカラー液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるカラーフィルタを製造することができる。インクジェット塗布装置1は、図1、図2に示すように、基板10を載置するステージ2と、基板10にインクを塗布する塗布ユニット3とを有しており、塗布ユニット3がステージ2に載置された基板10上を移動しつつ、3色のインクを所定の位置に吐出することにより、基板10上に所定のパターンのカラーフィルターが形成される。そして、長時間塗布を行わない場合などには、塗布ユニット3のインクが乾燥するのを防止するため、ステージ2の横に設けられたインク乾燥防止装置4において塗布ユニット3が配置されるようになっている。
なお、以下の説明では、この塗布ユニット3が移動する方向をX軸方向、これと水平面上で直交する方向をY軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
塗布ユニット3は、本実施形態では、基板10上にRGB3色のインクを塗布するものであり、インクを吐出するヘッドユニット31と、このヘッドユニット31を支持するガントリ32とを有している。ガントリ32は、ステージ2のY軸方向両端部分に設けられる支持部材32aと、これら2つの支持部材32aを連結するビーム部32bとを有しており、支持部材32aとビーム部32bによって略門型形状を有している。また、ステージ2に隣接する位置には、X軸方向に延びるレール21が設けられており、支持部材32aは、それぞれレール21上にスライド自在に設けられている。そして、支持部材32aには、リニアモータなどの駆動手段が設けられており、リニアモータを駆動制御することにより、支持部材32aがX軸方向に移動し、任意の位置で停止できるようになっている。すなわち、塗布ユニット3がステージ2上を跨ぐ状態でX軸方向に移動し、任意の位置で停止することができる。なお、レール21は、インク乾燥防止装置4まで延びており、リニアモータを駆動制御することにより、塗布ユニット3がインク乾燥防止装置4で停止することができる。
また、ビーム部32bには、インクを吐出するヘッドユニット31が設けられている。ヘッドユニット31は、ビーム部32bが支持部材32aに対して昇降動作することにより、基板10に対して昇降動作できるようになっている。これにより基板10にインクを吐出する塗布動作の際には、基板10とヘッドユニット31との距離が適切になるように調節される。また、ヘッドユニット31は、ステージ2のY軸方向寸法の約半分の大きさを有しており、ビーム部32bに対してY軸方向に移動可能に取付けられている。すなわち、X軸方向の所定位置で基板10と対向するヘッドユニット31は、Y軸方向に移動することにより、そのX軸方向所定位置における基板10のすべてのY軸方向領域と対向できるようになっている。なお、ヘッドユニット31は、基板10のY軸方向寸法よりも十分大きい寸法に形成されていてもよい。
また、ヘッドユニット31は、複数のヘッドモジュール5を搭載しており、このヘッドモジュール5からインクが吐出される。すなわち、ヘッドモジュール5は、複数の塗布ヘッド51が一体化されたものであり、複数のヘッドモジュール5が所定間隔で並べて配置されている。本実施形態では、ヘッドモジュール5が階段状に配置されている(図3,図5参照)。塗布ヘッド51は、ピエゾ素子を駆動源としたインク吐出装置であり、インクが吐出されるノズルが複数配列されたノズル面51aを有している。
本実施形態では、ノズル面51aにはノズルの孔が形成されており、ノズルの先端とノズル面51aとがほぼ一致している。このノズル面51aは平坦な形状を有しており、ノズル先端がノズル面51aと面位置になっている。そして、ヘッドモジュール5には、一体化されたすべての塗布ヘッド51のノズル面51aが基板10側に向く状態で配置されており、全てのノズル面51aが基板10と平行になっている。そして、ピエゾ素子を駆動させることにより、ノズル面51aに配列された各ノズルから一滴ずつインクを吐出できるようになっている。これにより、基板10上の塗布領域の所定位置に所定のインクが吐出され、吐出パターンを形成することができる。すなわち、ガントリ32をX軸方向(+方向)に走行させつつ、基板10上の所定位置に位置するノズルからインクを吐出させる。次いで、基板10のX軸方向端部でガントリ32を停止させた状態でヘッドユニット31をビーム部32bのY軸方向端部まで移動させ、今度はガントリ32をX軸方向(−方向)に走行させつつ、基板10上の所定位置に位置するノズルからインクを吐出させることにより、基板10全体に所定パターンを形成することができる。
なお、本実施形態では、ステージ2上の基板10に対しガントリ32が移動する形態について説明するが、ガントリ32が固定され、ステージ2がガントリ32に対して移動するものであってもよい。
ここで、カラーフィルタの生産を一時的に停止するなど、基板10への塗布動作を長時間行わない場合には、インク乾燥防止装置4により塗布ヘッド51のインクの乾燥が防止される。
インク乾燥防止装置4は、塗布ユニット3のノズルからインクを吐出させてフラッシング動作を行うことにより、ノズル内のインク(ノズル内における大気に触れるインク)の乾燥を防止するものである。このインク乾燥防止装置4は、インクを捨て打ちする(フラッシングする)フラッシングトレイ42を有している。
フラッシングトレイ42は、基台41上に配置されており、ヘッドユニット31がインク乾燥防止装置4上に停止した場合に、すべてのヘッドモジュール5がフラッシングトレイ42と対向するように配置されている。
また、フラッシングトレイ42は、図4に示すように、ヘッドモジュール5側に開口する箱形形状を有しており、ヘッドモジュール5と対向した状態では、ヘッドモジュール5全体を覆う大きさに形成されている。そして、フラッシングトレイ42は、インク又はインクを構成する溶媒(これらを溶媒等という)が貯留される溶媒貯留部44を有しており、この溶媒貯留部44に一定量の溶媒等が貯留されている。具体的には、フラッシングトレイ42の底部には、後述のスペーサ6が設けられており、このスペーサ6の対向面が浸る程度に溶媒等が貯留されている。これにより、スペーサ6上に配置される後述の布部材に溶媒等を吸収させ浸透させることができ、溶媒等が布部材から枯渇することを防止できるようになっている。
フラッシングトレイ42には、ヘッドモジュール5との隙間を一定に保つスペーサ6が設けられている。このスペーサ6は、平板状に形成されており、図5に示すように、ヘッドモジュール5を覆うような形状を有している。すなわち、スペーサ6は、階段形状の複数のヘッドモジュール5を覆うように、一回り大きい階段形状に形成されている。本実施形態では、スペーサ6は、3つのヘッドモジュール5を覆うように形成され、このスペーサ6がY軸方向に3つ並んで配置されている。これらのスペーサ6は、ノズル面51aに対向する対向面61を有している。すなわち、スペーサ6は、ヘッドユニット31がインク乾燥防止装置4上に停止した場合に、すべてのヘッドモジュール5のノズル面51aと対向し、この対向面61とノズル面51aがそれぞれ平行になるように形成されている。図5に示す例では、スペーサ6は、ヘッドユニット31がインク乾燥防止装置4上に停止した場合に、階段状のヘッドモジュール5(2点鎖線で示す)が、一回り大きい階段状のスペーサ6(実線で示す)内に配置され、それぞれのスペーサ6の対向面61がノズル面51aと平行になるようになっている。
また、スペーサ6の対向面61は、フラッシングトレイ42の縁の高さ位置より、僅かに高い高さ位置に形成されている。これにより、後述するように溶媒供給口62から供給された溶媒等が溶媒貯留部44に流れるため、対向面61上にノズルから吐出されたインクが滞留するのを抑えることができる。また、後述するように、フラッシングトレイ42の縁に固定された布部材7がスペーサ6の対向面61を覆うことにより、布部材7がフラッシングトレイ42の縁で引っ張られ、布部材7が引っ張られた状態で布部材7を対向面61に沿わせることができる。
なお、このスペーサ6は、フラッシングトレイ42の一部として形成されていてもよく、別部材として形成しフラッシングトレイ42の底面に固定される構成であってもよい。
また、フラッシングトレイ42には、ヘッドモジュール5から吐出されるインクを吸収させる布部材7が設けられている。本実施形態では、布部材7は、シート状のMEワイパーが使用されており、図4に示すように、フラッシングトレイ42全体を覆うように設けられている。具体的には、布部材7は、フラッシングトレイ42の縁で固定されるように取り付けられており、溶媒貯留部44を平面的に覆うように設けられている。そして、布部材7を固定する固定部分71は、布部材7がフラッシングトレイ42の縁部42a側に引っ張られるように構成されている。そのため、布部材7が固定された状態では、布部材7全体が張り詰めた状態で固定される。したがって、布部材7がスペーサ6の対向面61に沿わせて載置された部分では、スペーサ6の対向面61の形状が布部材7表面に現れ、スペーサ6の対向面61上に布部材7が一様な平坦面として形成される。これにより、布部材7は、ヘッドユニット31がインク乾燥防止装置4上に停止した場合に、すべてのヘッドモジュール5に対向し、ヘッドモジュール5のノズル面51aとほぼ平行となる。すなわち、スペーサ6の対向面61上の布部材7は、ノズル面51aとで形成される隙間tが一定になり、ノズル面51aに亘って均一な隙間t寸法が形成される。
そして、布部材7のうち、スペーサ6と接する部分以外の部分、すなわち、溶媒貯留部44上に存在する部分では、溶媒貯留部44の溶媒等と接することにより、溶媒等を吸収する。これにより、布部材7全体が溶媒等を吸収し布部材7から溶媒等が蒸発することにより、布部材7上に溶媒雰囲気が形成され、ノズル内のインクの乾燥を防止することができる。
また、布部材7は、スペーサ6の対向面61の形状を反映できる程度に薄く形成されている。そして、布部材7に張力を与えて保持することにより、布部材7が溶媒等を吸収しても、その吸収により変形することが抑えられ、布部材7の厚み寸法の変化を抑えることができる。したがって、スペーサ6の対向面61上の布部材7と、ノズル面51aとで形成される隙間t寸法は、溶媒等を吸収しても一定に保たれる。
なお、本発明でいう布部材7は、繊維を薄い板状に加工したものであり、本実施形態ではMEワイパー(長繊維からなるワイピングクロス)が使用されている。すなわち、スポンジ等の多孔質材に比べて、溶媒等を吸収しても厚み寸法の変化がほとんどなく(設計上無視できる)、あらゆる布部材7を適用することができる。
また、スペーサ6には、溶媒等を供給する溶媒供給口62が形成されている。溶媒供給口62は、スペーサ6の対向面61に開口し、ノズル面51aに対向する布部材7に向く姿勢で設けられている。図5に示す例では、スペーサ6において、ヘッドモジュール5の中央位置に相当する位置に形成されており、1つのスペーサ6に3つの溶媒供給口62が設けられている。この溶媒供給口62から溶媒等を供給することにより、布部材7に付着したインクを溶媒貯留部44側に流すことができる。すなわち、溶媒供給口62から溶媒等が供給されると、その溶媒が布部材7に吸収される。布部材7には、フラッシング動作によりノズルから吐出されたインクが付着しているが、溶媒供給口62から供給された新しい溶媒等により付着したインクが溶解され、さらに溶媒供給口62から供給される溶媒等により押し流され、結果的に溶媒貯留部44に流される。これにより、布部材7の表面には、継続的にインクが付着する状態を回避することができ、スペーサ6の対向面61上の布部材7には新しい溶媒等が充填されるため、スペーサ6の対向面61上(布部材7上)にはインクの乾燥を防止できる溶媒蒸気圧(適正な溶媒蒸気圧)の溶媒雰囲気SBを継続して形成することができる。
このように、上記実施形態におけるインク乾燥防止装置によれば、フラッシングトレイ42内に塗布ヘッド51のノズル面51aとの隙間tを一定にするスペーサ6が設けられており、このスペーサ6上に布部材7が配置されるため、布部材7とノズル面との隙間t寸法が均一に維持される。すなわち、スペーサ6の厚みを調節してスペーサ6の対向面61をノズル面に極力近接させ、その対向面61に布部材7を配置することにより、布部材7の厚み寸法を小さくでき、液滴を吸収したときの布部材7の変形量を極力抑えることができるため、ノズル面51aと布部材7との隙間t寸法を長期に亘って保持できる。したがって、従来のようにノズル面51aと布部材7との隙間t寸法が設定範囲から外れることにより、吐出された液滴が跳ね返ってノズルに付着する問題、及び、当初、特定の溶媒雰囲気内に位置していたノズルが、時間と共に適正な溶媒蒸気圧の溶媒雰囲気から出てしまうという問題を回避し、ノズル内のインクが乾燥するのを抑えることができる。
上記実施形態では、スペーサ6をヘッドモジュール5に沿った形状に形成される例について説明したが、全てのヘッドモジュール5を含める大きさに形成されるものであってもよい。この場合、布部材7の中央部分が溶媒貯留部44から離れるため、溶媒貯留部44からの溶媒等の吸収が悪くなるが、スペーサ6の中央部分に溶媒供給口62を設けることにより布部材7から溶媒等が枯渇するのを抑えることができる。
上記実施形態では、布部材7をフラッシングトレイ42の縁に固定する例について説明したが、基台41上に固定部材を設け、この固定部材により布部材7を引っ張った状態で固定できる構成にしてもよい。
1 インクジェット塗布装置
2 ステージ
3 塗布ユニット
4 インク乾燥防止装置
5 ヘッドモジュール
6 スペーサ
7 布部材
42 フラッシングトレイ
44 溶媒貯留部
51a ノズル面
61 対向面
62 溶媒供給口
2 ステージ
3 塗布ユニット
4 インク乾燥防止装置
5 ヘッドモジュール
6 スペーサ
7 布部材
42 フラッシングトレイ
44 溶媒貯留部
51a ノズル面
61 対向面
62 溶媒供給口
Claims (4)
- インクが吐出されるノズルを複数有する塗布ヘッドのインクの乾燥を防止するインク乾燥防止装置であって、
前記インクの溶媒が貯留された溶媒貯留部が形成されたフラッシングトレイと、
前記フラッシングトレイ内に配置され、前記ノズルから吐出されるインクを吸収させるシート状の布部材と、
を備え、
前記フラッシングトレイには、塗布ヘッドのノズル面と対向する対向面を有し、この対向面とノズル面とで形成される隙間を一定にするスペーサが設けられており、
前記スペーサの対向面に前記布部材が配置されることにより、前記スペーサ上の塗布ヘッドのノズル面と前記布部材とがノズル面に亘って均一な隙間寸法に維持されていることを特徴とするインク乾燥防止装置。 - 前記スペーサは、インクの溶媒を供給する溶媒供給口を有しており、この溶媒供給口は、前記ノズル面に対向する前記布部材に向く姿勢で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインク乾燥防止装置。
- 前記布部材は、前記スペーサの対向面に平行な方向に引っ張られつつ、前記対向面に沿わせて固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク乾燥防止装置。
- 前記布部材は、MEワイパーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク乾燥防止装置。
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JP2016176139A JP2018039214A (ja) | 2016-09-09 | 2016-09-09 | インク乾燥防止装置 |
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