JP2008228202A - 画像処理装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンを使用してジョブを実行する画像処理装置であって、ジョブの中断を要するエラーの発生に応答して、作業記憶領域内の画像データを退避させる画像処理装置およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の画像処理装置10は、画像データを処理するエンジン120を使用してジョブを実行する画像処理装置であって、ジョブの進行に応じて分割入力される画像データを入力するための作業用画像記憶手段130と、ジョブの中断を要するエラーの発生に応答して、作業用画像記憶手段130内の前記画像データを退避させる制御手段126とを含み構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンを使用してジョブを実行する画像処理装置に関し、より詳細には、エラーの発生に応答して、作業記憶領域内の画像データを退避させる画像処理装置およびプログラムに関する。
近年、社会におけるセキュリティに対する意識の向上やオフィス環境における業務効率化への要求により、複写機や複合機などによって出力される印刷物のみならず、機器内の画像情報に対しても管理することが求められている。例えば、近年のデジタル複合機では、スキャンした原稿画像を複合機内のハードディスクに蓄積し、必要に応じて、外部のパーソナル・コンピュータ(以下、PCとして参照する)などの外部装置から、蓄積された画像を操作・取得・管理することを可能とする技術が既に知られている。
例えば、特開2006−20151号公報(特許文献1)は、外部機器からの画像データのキャプチャ要求に対し、指定された形式へと画像データを変換処理して送信することを目的として、RGB形式の画像データを記憶するハードディスクと、ハードディスクに記憶されている画像データをクライアントPCと送受信するネットワーク・インタフェース・コントローラと、ハードディスクに記憶された画像データをクライアントPCから指定された形式に変換処理する画像フォーマット変換ユニットと、を備えることを特徴とする画像処理装置を開示している。
上記従来技術は、複合機の内部処理で使用されている画像形成機能に最適化した画像形式の画像データを、複合機側で汎用画像形式へ変換し、複合機においてスキャンした原稿の画像データをPCにおいても利用可能としようとするものである。
特開2006−20151号公報
特に近年のセキュリティや機器管理に対する要求の高まりから、正常に取得された画像データのみならず、ジョブ中途において、画像読込異常や画像書込異常などのエンジン・エラーの発生により、ジョブが異常中断された場合であっても、入力中の画像データや画像データに関する情報を取得可能であることが好ましい。
しかしながら、上記の従来技術では、正常に画像読取されて蓄積された画像データのみがキャプチャの対象であり、例えば、画像読取処理(スキャン・ジョブ)が正常に完了する前に異常中断した場合には、それまで入力された画像は、消去されたり、再読込で上書きされたりしてしまい、取得することができず、セキュリティや機器管理上の要求に応えるものではなかった。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、エラー発生により、ジョブが異常中断された場合であっても、入力途中の画像データを取得可能とし、セキュリティや機器管理の観点からの要求に充分に応えることができる、画像処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、ジョブの進行に応じて作業用画像記憶手段に分割入力される画像データを、ジョブの中断を要するエラーの発生に応答して退避させる制御手段を備えた構成を採用する。ジョブの中断を要するエラーとしては、例えば、画像読込異常または画像書込異常といったエンジン・エラー、不正コピー検知や地紋検知などのソフトウェア上のエラーなどがある。ジョブ実行中にエラーが発生した場合、作業用画像記憶手段内のデータが破棄される前、または中断されたジョブが再開され上書きが開始される前に、画像データを所定の退避先に退避することができる。
退避先としては、例えば、メモリなどの1次記憶領域または不揮発メモリやハードディスクなどの2次記憶領域によって提供される画像処理装置内の退避用画像記憶手段、または、通信手段を介して画像蓄積サーバやメールサーバなどの外部装置とすることができる。退避の際には、画像データは、装置内で使用される画像形式そのまま(RAWデータ)、または画像変換手段によって所定の画像形式(例えば、TIFF、JPEG、JPEG2000など)へ変換されたものとして、退避先の記憶領域に格納されることとなる。
この構成により、例えば、原稿ジャムや排紙ジャムなどのエンジンにおけるエラー発生によりジョブが中断された場合であっても、作業用画像記憶領域内の画像データが取得可能となり、例えば、エラー発生前の作業状態の確認、機器管理目的での異常データの収集および分析や、異常発生時のバックアップデータとして利用することが可能となる。また、画像処理装置が画像変換手段を備える構成を採用した場合には、画像装置側での画像形式変換が可能となり、容易に画像データへのアクセスが可能となる。
すなわち本発明によれば、画像データを処理するエンジンを使用してジョブを実行する画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
前記ジョブの進行に応じて分割入力される画像データを入力するための作業用画像記憶手段と、
前記ジョブの中断を要するエラーの発生に応答して、前記作業用画像記憶手段内の前記画像データを退避させる制御手段と
を含む、画像処理装置が提供される。
前記画像処理装置は、画像データを退避させるための退避用画像記憶手段を含み、前記制御手段は、前記作業用画像記憶手段内の前記画像データを前記退避用画像記憶手段に退避させることができる。前記画像処理装置は、前記退避用画像記憶手段に退避させた前記画像データまたは前記画像データに関する情報を表示させる表示手段をさらに含むことができる。前記画像処理装置は、画像データの画像形式を所定の画像形式へと変換する画像変換手段をさらに含むことができる。
さらに、前記画像処理装置は、退避する際のキャプチャ設定を行うためのユーザ・インタフェース手段をさらに含み、前記キャプチャ設定は、解像度、画像形式、圧縮方式、圧縮率、色条件または退避先の指定を含むことができる。前記画像処理装置は、前記画像データを外部装置に送信するための通信手段と、前記画像データを送信すべき宛先を特定する宛先特定情報を格納する格納手段とをさらに含むことができる。前記通信手段は、画像蓄積サーバまたはメールサーバとしての前記外部装置との通信を実行することができる。前記エンジンは、スキャナ・エンジンまたはプロッタ・エンジン、またはこれらの両方を含むことができる。前記ジョブは、コピー・ジョブ、スキャン・ジョブ、ファクシミリ・ジョブとすることができる。
さらに本発明によれば、画像処理装置を、上記の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお本実施形態では、画像処理装置の一例として、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリント等の画像を扱う複合機能を有する複合機10を用いた例を説明する。
図1は、本実施形態の複合機10のハードウェア構成を示す。複合機10は、コントローラ12と、オペレーション・パネル42と、FCU(ファクシミリ・コントロール・ユニット)32と、メディア・リンク・コントローラ(MLC)38と、スキャナ・エンジン40とプロッタ・エンジン41とを含み構成される。コントローラ12は、CPU(中央演算処理装置)14と、システムメモリ(MEM−P)16と、NB(ノース・ブリッジ)18と、NB(ノース・ブリッジ)18を介してCPU14と接続するASIC20と、SB(サウス・ブリッジ)28とを含み構成される。
ASIC20は、各種画像処理を実行し、AGP(Accelerated Graphics Port)46を介してNB18と接続されている。なお、AGP46を介して接続することによりパフォーマンスを向上させている。システムメモリ16は、描画用メモリなどとして用いられる。NB18を介してCPU14とASIC20とを接続することにより、CPU14のインタフェースが公開されていない場合にも対応することが可能となる。SB28は、図示しないROMやPCIバスや周辺デバイスなどとNB18とを接続するためのブリッジである。
ASIC20は、ローカルメモリ(MEM−C)22と、ハードディスク(HDD)24と、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(NV−RAM)26と、イーサネット(登録商標)などの物理層(PHY)30と接続される。ローカルメモリ22は、コピー用画像バッファや符号バッファとして用いられ、HDD24は、画像データ、文書データ、プログラム、フォントデータやフォームデータなどを蓄積するストレージである。NV−RAM26は、複合機10を制御するためのプログラムなどを格納する。PHY30は、複合機10をインターネットやLANなどのネットワークに接続するインタフェース機器であり、ネットワークを介して印刷ジョブなどを受付けている。
オペレーション・パネル42は、コントローラ12のASIC20と直接接続され、オペレータからの各種指示の入力を受付けまた画面出力を行い、ユーザ・インタフェースを提供する。FCU32、スキャナ・エンジン40、プロッタ・エンジン41およびMLC38は、PCIバス44を介してASIC20と接続される。FCU32は、G3またはG4といったファクシミリ通信規格に準じた通信方法を実行する。スキャナ・エンジン40およびプロッタ・エンジン41は、例えばオペレーション・パネル42を介したオペレータからのジョブ指令を受けて、それぞれ画像読取処理や画像形成処理を実行する。MLC38は、画像形式の相互変換など、画像変換を実行するハードウェアであり、省メモリで高速に画像変換することを可能としている。ASIC20には、さらに、PCIバス44を介して、USBインタフェース34と、IEEE1394インタフェース36とを含み構成され、パーソナル・コンピュータ(以下、PCとして参照)などの外部装置と接続する標準型インタフェースを提供している。
図2は、本実施形態の複合機10のソフトウェアおよびハードウェア構成を示す。図2に示した複合機10は、複合機としての機能を提供するための各種アプリケーション62〜70からなるアプリケーション層60と、プラットフォーム層102と、ハードウェア・リソース116と、複合機起動部108とを含んで構成される。ハードウェア・リソース116は、白黒レーザプリンタ(B&W LP)112と、カラーレーザプリンタ(Color LP)114と、スキャナやファクシミリなどのハードウェア110と、MLC38とを含み構成される。
アプリケーション層60は、プリンタ、コピー、ファックスやスキャナなどの画像形成に関連するユーザ・サービスに固有の処理を行い、図2に示した実施形態では、コピー機能を提供するコピー・アプリケーション62と、ファクシミリ機能を提供するファックス・アプリケーション64と、スキャナ機能を提供するスキャナ・アプリケーション66と、ネットファイル機能を提供するネットファイル・アプリケーション68と、プリンタ機能を提供するプリンタ・アプリケーション70とを含み構成される。
プラットフォーム層102は、図示しないOSとともにアプリケーション62〜70からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生するコントロール・サービス層90と、1つまたは複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロール・サービス層90からの獲得要求を調停し実行制御するシステム資源管理部(SRM)92と、SRM92からの獲得要求に応じて、ハードウェア・リソース116の管理を行うハンドラ層100とを含み構成される。OSとしては例えば、UNIX(登録商標)を採用することができるが、WINDOWS(登録商標)やその他いかなるOSを採用することができる。
各種コントロール・サービスとしては、図2に示した実施形態では、ネットワーク・コントロール・サービス(NCS)74と、デリバリー・コントロール・サービス(DCS)76と、オペレーション・パネル・コントロール・サービス(OCS)78と、ファクシミリ・コントロール・サービス(FCS)80と、エンジン・コントロール・サービス(ECS)82と、メモリ・コントロール・サービス(MCS)84と、ユーザ・インフォメーション・コントロール・サービス(UCS)86と、システム・コントロール・サービス(SCS)88とを含んで構成されている。
SCS88は、各種アプリケーションの管理、システム画面表示やLED表示などのユーザ・インタフェースの制御、ハードウェア資源の管理、割込みアプリケーションの制御などを行う。UCS86は、ユーザ情報を管理する。MCS84は、画像メモリの取得および解放、画像データの圧縮・伸張等のメモリ制御などを行う。ECS82は、スキャナ・エンジン40やプロッタ・エンジン41やHDD24などのハードウェア資源を制御し、画像読取りや画像形成動作などを実行し、各アプリケーション62〜70から受信したジョブを、一枚単位の原稿、転写紙レベルにプロセスを分割して、該プロセスを管理し、画像読取や画像形成動作を制御する。FCS80は、GSTNインタフェースと接続し、GSTN網を使用したファクシミリ送受信、バックアップメモリで管理されている各種ファクシミリ・データの登録/引用、ファクシミリ読み取りなどを実行する。
OCS78は、オペレータと本体制御との間のインタフェースとなるオペレーション・パネル42の制御を行う。DCS76は、HDD24などに蓄積された蓄積文書の配信を制御を行う。NCS74は、PHY30を制御して、複合機10をイーサネット(登録商標)と接続させ、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用可能なサービスを提供し、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分け、各アプリケーションからのデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバ・デーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを含むことができる。
また、プラットフォーム層102とアプリケーション層60との間には、アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)72を有し、プラットフォーム層102は、API72に含まれる予め定義された関数により、各種アプリケーション62〜70からの処理要求を受信している。
SRM92は、SCS88とともにシステム制御およびハードウェア・リソース116の管理を行い、獲得要求されたハードウェア・リソース116が利用可能か否かを判定し、利用可能であれば獲得要求されたハードウェア・リソース116が利用可能である旨を、上位層に通知する。また、SRM92は、上位層からの獲得要求に対して、ハードウェア・リソース116を利用するためのスケジューリングを行い、例えばプロッタ・エンジン41による紙搬送や画像形成動作やメモリ確保やファイル生成などを直接実施している。
ハンドラ層100は、FCU32を管理するファクシミリ・コントロール・ユニット・ハンドラ(FCUH)94と、プロセスに対するメモリ割当て、プロセスに割当てたメモリの管理を行うイメージメモリハンドラ(IMH)96と、メディア・エディット・ユーティリティ(MEU)98とを含み構成される。MEU98は、MLC38を制御し、画像変換処理を行うハードウェアMLC38の機能を用いて画像変換を行い、MLC38が装着されていない場合には、ソフトウェア・ライブラリなどを用いて画像変換処理を行う。SRM92およびFCUH94は、エンジン・インタフェース(I/F)104に含まれる予め定義されている関数を使用して、ハードウェア・リソース116に対する処理要求を送信する。
複合機10は、上述のソフトウェア群により、エンジン(110、112、114を含む)、HDD24、NV−RAM26などのハードウェア資源を制御し、ユーザ・インタフェースを介したユーザ指令や外部コンピュータからの入力に応答して、コピーやファクシミリやモノクロコピーやフルカラーコピーなど、複合機としての機能をユーザに提供している。
複合機起動部108は、複合機10の電源投入時に最初に実行され、上述までのプラットフォーム層102およびアプリケーション層60のソフトウェア群に対応する制御プログラムを図示しないROMやHDD24や図示しないSDカードなどから読出して、CPU14の作業メモリ領域を提供するシステムメモリ16上に展開して、プロセスを起動する。これにより、上記したソフトウェア手段および後述の各機能手段が実現される。
なお、上述のアプリケーションおよびコントロール・サービス、ハードウェアは、種々の組合わせにより構成することができ、例えば、特定の用途、機種に対応して追加・削除することができる。また、図2に示した実施形態では、複合機としての各アプリケーションや制御サービスにおける共通部分を抽出して、プラットフォーム化した構成として参照したが、複合機10のハードウェアおよびソフトフェアの構成は、特に限定されるものではない。以下、スキャナ・エンジン40またはプロッタ・エンジン41においてエラーが発生したことに応答して、入力途中の画像データを退避(バックアップを含む。以下同じ)させる機能について説明する。
図3は、本実施形態の複合機10が有する、ジョブの中断を要するエラーが発生したことに応答して、画像データを退避させる機能についてのブロック図を示す。図3に示すように、複合機10は、エンジン120と、アプリケーション122と、ジョブ制御部124と、画像変換部128と、作業用記憶領域130とを含み構成されている。アプリケーション122は、図2に示したアプリケーション層60の各アプリケーションに対応し、画像読取処理を含む、コピー・アプリ62、ファックス・アプリ64またはスキャナ・アプリ66とすることができ、オペレータの指示に応じてジョブを開始する。
エンジン120は、スキャナ・エンジン40またはプロッタ・エンジン41、またはこれら両方を含むことができ、原稿ジャムや排紙ジャムなどのエラーが発生した場合に、アプリケーション122へその旨を通知する。なお、エンジン120は、ジョブ実行時に使用されるエンジンであり、ジョブを実行するアプリケーション122に応じて対応したものとすることができ、例えば、スキャナ・アプリ66の場合にはスキャナ・エンジン40に対応し、コピー・アプリ62の場合には、スキャナ・エンジン40およびプロッタ・エンジン41に対応することとなる。
作業用記憶領域130は、複合機10内のシステムメモリ16またはローカルメモリ22などの1次記憶装置によって提供され、アプリケーション122によって開始されたジョブの進行に応じて、画像データが、例えばライン単位で分割入力される。画像読取処理では、例えばスキャナ・エンジン40からの読取画像が、作業用記憶領域130へ分割入力される。作業用記憶領域130は、原稿1枚分の画像データに相当する記憶領域を提供するページメモリとすることができる。
ジョブ制御部124は、ここでは、アプリケーション122からの処理要求に応じてハードウェア・リソースを制御するプラットフォーム層102のソフトウェア群に対応し、SRM92、ECS82、MCS84、IMH96などを含むものとして参照する。またジョブ制御部124は、退避制御部126を含み、退避制御部126は、エンジン120におけるエラーの発生に応答して、作業用記憶領域130に入力された画像データを退避先132へ退避させる。
なお本実施形態において、退避とは、原稿ジャムや排紙ジャムなどのエラーの発生によってジョブが中断される場合に、作業用記憶領域130内に入力されている画像データを、当該画像データが破棄または上書きされる前に、所定の退避先132に格納することをいう。退避先132については後述する。なお、退避制御部126は、図2に示したソフトウェア構成においては、メモリ割当てやメモリの管理を行うIMH96に含ませて実装することができる。
図3に示した画像変換部128は、図1および図2に示した画像変換用のハードウェアであるMLC38および、MLC38を制御するソフトウェアであるMEU98に対応した機能手段として参照する。画像変換部128は、画像データを退避させる際に、必要に応じて、画像データの画像形式変換を行う。なお、本実施形態において、複合機10内で取扱う画像データを、画像変換部128により、所定の汎用画像形式に変換して退避させる機能をキャプチャとして参照する。ジョブ実行中に作業用記憶領域130に入力される画像データは、画像形成処理に最適化された画像形式とすることができ、画像変換部128は、作業用記憶領域130内の画像データの画像形式を所定の汎用形式へと変換し、PCなどの一般的な情報処理装置にて取扱い可能としている。なお、キャプチャの設定としては、退避時の画像変換の有無、画像変換を行う場合には画像形式や圧縮率など、予めオペレータにより、オペレーション・パネル42を介して設定されたものを用いることができる。
エンジン120においてエラーが発生した場合には、エンジン120は、ジョブを実行しているアプリケーション122へエラー発生の通知を行う。エラー発生を検知したアプリケーション122は、ジョブ制御部124へジョブの中断要求を発行する。ジョブ制御部124がジョブ中断要求を受領した場合には、退避制御部126は、作業用記憶領域130内の入力中の画像データを、必要に応じて画像変換させ、退避先132へ退避させる。画像データの退避が完了した後、ジョブ制御部124は、アプリケーション122へ中断処理が完了した旨の応答を行う。その後、アプリケーション122は、例えばオペレーション・パネル42にエラー表示を行い、オペレータに通知することができる。
上述したエラーとしては、原稿ジャムや排紙ジャムといったエンジン120における機構上のエラー以外にも、トナー交換などのリソース状態に応じたエラー、地紋検知や電子透かしによる不正コピー・エラーなどのソフトウェア上のエラーについても適用することができ、特に限定されるものではない。複合機10において、ジョブを中断させ、作業用記憶領域130への画像入力を中断させ得る如何なるエラーに対しても適用することができる。
図4は、本実施形態の複合機10が画像データを退避させる場合のデータフロー図を示す。図4に示すように、複合機10が読取る原稿Pは、ジョブの進行に応じて読取られ、作業用記憶領域130へ入力される。複合機10は、原稿Pが完全に読取られる前にエラーが発生した場合であっても、入力途中の画像データQを、所定の退避先132に退避させる。この退避先132としては、複合機10内の、システムメモリ16やローカルメモリ22において専用に確保された1次記憶領域140、またはハードディスク24などにおいて専用に確保された2次記憶領域142とすることができる。退避先となる1次記憶領域140および2次記憶領域142は、複数の画像データを格納可能に確保されており、入力画像データQを、それぞれ、バックアップ画像データR−1およびバックアップ画像データR−2として格納することができる。なお、1次記憶領域140または2次記憶領域142の確保は、IMH96によって行われる。
さらに本実施形態では、PHY30およびNCS74などの通信手段を使用して、所定の通信プロトコルを用いることにより、画像データを、ネットワーク154を介して外部装置へ送信して、退避させることができる。退避先132としては、例えば、画像を蓄積する画像蓄積サーバ150や、メール配信先となるPC152などの外部装置内の記憶領域とすることができる。なお、ネットワーク154は、LAN、WANやインターネットなどの有線および無線のネットワークとすることができ、特に限定されるものではない。
画像蓄積サーバ150へ画像データをバックアップ転送する場合には、画像データQは、ファイル転送プロトコル(FTP)、XMLなどの構造化言語を利用したSOAPによるウェブサービス、またはその他の独自プロトコルにより、NCS74の機能を使用して転送され、画像蓄積サーバ150内の画像蓄積データベース144内にバックアップ画像データR−3として格納される。
PC152へメール送信する場合には、画像データQは、SMTPプロトコルなどのメール送信用プロトコルを使用して、PC152へ送信されるメール・メッセージ146とともに添付画像ファイルR−4として送信される。なお、画像蓄積サーバ150やPC152などの外部装置へ退避させる場合には、利便性の観点から、画像変換部128によって汎用画像形式へ変換した後、送信することが好ましく、転送速度やメールサーバの容量、ネットワークの輻湊を防止する観点から、高い圧縮率を有する汎用画像形式とすることが好ましい。
また、画像データとともに、例えば、利用を開始した際のユーザ認証により取得された作業者ユーザ識別値、タイムスタンプやエラー内容などの画像データに関する情報を当該画像データと対応付けて、退避先132に格納することができる。さらに、作業者ユーザ識別値やタイムスタンプやエラー内容に応じて退避先132を制御する構成とすることもできる。
以下、本実施形態の複合機10が実行する、エラー発生に応じて画像データを退避させる処理について、説明を簡単とするために、ジョブとして1枚の原稿を画像読取処理する場合を例示して、詳細を説明する。
図5は、本実施形態の複合機10が実行する、エラー発生に応じて画像データを1次記憶領域140へ退避させる処理のフローチャートを示す。図5に示した制御は、ステップS101で、オペレーション・パネル42を介してオペレータから画像読取りの指示(スキャン・ジョブの開始指示)を受領して開始する。ステップS102では、画像読取指令を受領したスキャナ・アプリ66は、プラットフォーム層102のジョブ制御部124に対して、画像読取り要求を発行する。ステップS103では、画像読取り要求を受領したジョブ制御部124では、IMH96がシステムメモリ16から作業用記憶領域130を確保し、ステップS104で、スキャナ・エンジン40からの作業用記憶領域130への画像入力を開始する。
ステップS105では、スキャナ・エンジン40からの画像入力が順次行われ、ステップS106では、ジョブが終了したか否かの判定を行う。ステップS106の判定で、ジョブが未だ終了していないと判定された場合(NO)には、処理をステップS107へ分岐させ、エラーが発生したか否かを判定する。ステップS107の判定で、エラーが発生していないと判定された場合(NO)には、処理をステップS105へ分岐させ、ジョブが終了するか、またはエラーが発生して中断されるかするまで、ループを繰返す。一方、ステップS106の判定で、ジョブが終了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS111へ分岐させ、スキャン・ジョブを終了させる。
ステップS107の判定で、例えばスキャナ・エンジン40における原稿ジャムなどのエラーが発生した場合(YES)には、処理をステップS108へ分岐させる。ステップS108では、スキャナ・エンジン40からスキャナ・アプリ66へエラーの発生が通知され、エラー発生を検知したスキャナ・アプリ66は、ジョブ中断要求をジョブ制御部124へ発行する。ステップS109で退避制御部126は、ジョブ中断要求の発行に応答して、作業用記憶領域130に入力された分の画像データを、予め退避用にシステムメモリ16上に確保してあった退避用の1次記憶領域140へ退避させる。ステップS110では、退避が完了したことを受けて、ジョブ制御部124は、その他の中断処理を完了させ、スキャナ・アプリ66へ中断処理の完了応答を通知し、ステップS111で処理を終了させる。
図6は、図5の処理フローによって複合機10内の退避用の1次記憶領域140に格納された中断画像データのサムネイル表示を行うためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)300を示す。ここで、GUIの働きの説明を簡略化するために、オペレーション・パネル42がタッチパネルによって構成された場合を例として説明する。
図6に示されたGUI300は、オペレーション・パネル42に表示され、中断された読取画像のサムネイル表示である旨の表示と、サムネイル画像302a〜302dと、「戻る」ボタン306と、サムネイル表示画面を移動させる「次へ」ボタン308とを含み構成される。また図6に示した実施形態では、サムネイル画像302とともに、中断された時のタイムスタンプが表示されている。また図6に示したGUI300は、選択領域304を含み、中断画像データのサムネイルを押下することによって選択し、全体表示や印刷が実行可能にされている。
図7は、本実施形態の複合機10が実行する、エラー発生に応じて画像データを2次記憶領域142へ退避させる処理のフローチャートを示す。図7に示した制御は、ステップS201で、オペレーション・パネル42を介してオペレータから画像読取りの指示を受領して開始する。なお、図7に示したステップS200からステップS204までの処理は、図5に示したステップS100からステップS104までの処理と対応し、同一処理であるため、ここでは説明を省略する。
ステップS204までの処理により、スキャナ・エンジン40からの画像入力が開始される。ステップS205では、スキャナ・エンジン40から作業用記憶領域130への画像入力が順次行われ、ステップS206では、ジョブが終了したか否かを判定する。ステップS206の判定で、ジョブが未だ終了していないと判定された場合(NO)には、処理をステップS207へ分岐させ、エラーが発生したか否かを判定する。ステップS207の判定で、エラーが発生していない場合(NO)には、処理をステップS205へ分岐させ、ジョブの終了または中断まで、ループさせる。一方、ステップS206の判定で、ジョブが終了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS212へ分岐させ、ジョブを終了させる。
ステップS207の判定で、例えば原稿ジャムなどのエラーが発生した場合(YES)には、処理をステップS208へ分岐させる。ステップS208では、スキャナ・エンジン40からスキャナ・アプリ66へエラー発生が通知され、エラー発生を検知したスキャナ・アプリ66は、ジョブ中断要求をジョブ制御部124へ発行する。ステップS209では、退避制御部126は、ジョブ中断要求に応答して、作業用記憶領域130内に入力された画像データを、予め退避用にハードディスク24上に確保しておいた退避用の2次記憶領域142へ退避させる。ステップS210では、退避制御部126は、画像変換部128を用いて、2次記憶領域142に退避させた画像データの画像形式を変換して、汎用画像形式として再び2次記憶領域142へ格納させる。ステップS211では、退避が完了したことを受けて、ジョブ制御部124は、その他の中断処理を完了させ、スキャナ・アプリ66へ中断処理の完了応答を通知し、ステップS212で処理を終了させる。
画像データを2次記憶領域142へ退避させる場合であっても、図6に示したものと同様なGUIを使用して、中断画像のサムネイル表示を行うことができる。
ジョブを実行している間に、エラー発生を検知(ステップS107およびS108,ステップS207およびS208)して、エラー発生までに作業用記憶領域130内に入力された画像データを、所定の退避用記憶領域に退避させる(ステップS109,ステップS209)制御とすることにより、中断処理が完了して、作業用記憶領域130内のデータが消去されたり、ジョブの再実行などにより上書きされる場合であっても、その前に画像データの退避が行われ、画像データを取得することが可能となる。なお、作業用記憶領域130内のデータの消去は、セキュリティ上の観点から好ましい。本実施形態では、上記制御を採用することにより、エラーが発生しない場合には消去することを可能としつつ、エラーが発生した場合には、中断された画像データ消去前に取得し、機器管理用データとして利用することを可能としている。
また、画像変換部128による画像データの画像形式変換については、画像変換を行わずに退避用の1次記憶領域140または2次記憶領域142に格納させることもできるが、利便性の観点から、また退避用の記憶領域を省容量化する観点から、解像度の変更なども含めて、所定の画像形式に画像変換した後に格納することができる。画像変換部128は、作業用記憶領域130から画像変換を行いながら所定の退避用記憶領域に格納させることができる。
以下、外部装置を退避先として、エラー発生に応じて画像データを退避させる処理について説明する。図8は、本実施形態の複合機10が実行する、エラー発生に応じて画像データを外部の画像蓄積サーバ150へ退避(バックアップ転送)する場合の処理のフローチャートを示す。図8に示した処理は、予めオペレーション・パネル42などを介してバックアップ転送先の画像蓄積サーバ150のアドレス(ホスト名やIPアドレスなど)が登録され、NV−RAM26などに設定情報として保存されているものとする。
図8に示した制御は、ステップS301で、オペレーション・パネル42を介してオペレータから画像読取りの指示を受領して開始される。なお、図8に示したステップS300からステップS304までの処理についても、図5に示したステップS100からステップS104までの処理に対応し、同一処理であるため、ここでは説明を省略する。
ステップS304までの処理により、スキャナ・エンジン40からの画像入力が開始される。ステップS305では、スキャナ・エンジン40からの画像入力が順次行われ、ステップS306では、ジョブが終了したか否かを判定する。ステップS306の判定で、ジョブが未だ終了していない場合(NO)には、処理をステップS307へ分岐させ、エラーが発生したか否かを判定する。ステップS307の判定で、エラーが発生していない場合(NO)には、処理をステップS305へループさせる。一方、ステップS306の判定で、ジョブが終了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS311へ分岐させ、ジョブを終了させる。
ステップS307の判定で、エラーが発生した場合(YES)には、処理をステップS308へ分岐させる。ステップS308では、スキャナ・エンジン40からスキャナ・アプリ66へエラー発生が通知され、エラー発生を検知したスキャナ・アプリ66は、ジョブ中断要求をジョブ制御部124へ発行する。ステップS309で退避制御部126は、ジョブ中断要求の発行に応答して、作業用記憶領域130内に入力された画像データを読出して、画像変換処理を施し、NV−RAM26などに格納された宛先サーバのアドレスを参照して、画像蓄積サーバ150へ直送する。
本実施形態では、ステップS309の処理で、画像データを受信した画像蓄積サーバ150は、例えば、送信元複合機の装置識別値やIPアドレスにより分類し、画像データをデータベース144に登録する。その際に、作業者ユーザ識別値、タイムスタンプ、ジョブの種類やエラー内容など、画像データに関する情報もともにデータベースに登録することができる。ステップS310では、退避が完了したことを受けてジョブ制御部124は、その他の中断処理を完了させ、スキャナ・アプリ66へ中断処理の完了応答を通知し、ステップS311で処理を終了させる。
エラーの発生により入力が中断された画像データが、各複合機から画像蓄積サーバ150へ送信され、中断画像データを一元的に管理することによって、機器管理担当者は、より容易に各複合機の異常データを管理することが可能となる。
以下、作業者に対応する電子メールアドレスを宛先として、エラー発生に応じて画像データを退避させる処理について説明する。以下に示す実施形態では、例えばICカードなどを使用して、既にユーザ認証が行われており、作業者を特定することができる場合を想定している。なお、アドレス帳やユーザに関する情報は、図2に示したUCS86によって管理されている。図9は、(A)作業者と送信先を対応付けるユーザ−アドレス・テーブルのデータ構造および、(B)アドレス帳設定のためのGUIの実施形態を示す。
図9(A)に示したユーザ−アドレス・テーブル200は、ユーザ識別値を登録するためのフィールド202と、ユーザ識別値に対応する電子メールアドレスを入力するためのフィールド204とを含み構成され、ユーザと電子メールアドレスとを対応付けている。本実施形態では、現在の作業者が識別され、エラーが発生した場合には、現在の作業者に対応する電子メールアドレスへと中断画像データおよび画像データに関する情報が送信される。なお、ユーザ−アドレス・テーブル200は、NV−RAM26などに格納することができる。
図9(B)に示したGUI320は、アドレス帳の設定である旨の表示と、氏名フィールド322と、電子メールアドレス・フィールド324と、「戻る」ボタン326と、アドレス帳の次のページへ移動するための「次へ」ボタン328とを含み構成される。例えば、オペレータは、電子メールアドレス・フィールド324を押下して、電子メールアドレスを編集することができる。オペレータは、予めGUI320を使用して、エラー発生の際に中断画像データを送信する宛先電子メールアドレスを登録することができる。
図10は、本実施形態の複合機10が実行する、エラー発生に応答して画像データをメール送信する場合の処理のフローチャートを示す。図10に示した制御は、ステップS401で、オペレーション・パネル42を介してオペレータから画像読取りの指示を受領して開始される。なお、図10に示したステップS400からステップS404までの処理についても、図5に示したステップS100からステップS104までの処理に対応し、同一処理であるため、ここでは説明を省略する。
ステップS404までの処理によりスキャナ・エンジン40からの画像入力が開始される。ステップS405では、スキャナ・エンジン40からの画像入力が順次行われ、ステップS406で、ジョブが終了したか否かの判定を行う。ステップS406の判定で、ジョブが未だ終了していない場合(NO)には、処理をステップS407へ分岐させ、エラーが発生したか否かを判定する。ステップS407の判定で、エラーが発生していない場合(NO)には、処理をステップS405へ再びループさせる。一方、ステップS406の判定で、ジョブが終了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS412へ分岐させ、ジョブを終了させる。
ステップS407の判定で、エラーが発生した場合(YES)には、処理をステップS408へ分岐させる。ステップS408では、スキャナ・エンジン40からスキャナ・アプリ66へエラー発生が通知され、エラー発生を検知したスキャナ・アプリ66は、ジョブ中断要求をジョブ制御部124へ発行する。ステップS409では、NV−RAM26に格納されたユーザ−アドレス・テーブル200を参照して、現在の作業者に対応する電子メールアドレスを取得する。ステップS410で退避制御部126は、ジョブ中断要求の発行に応答して、作業用記憶領域130内に入力された画像データを読出して、画像変換処理を施し、SMTPサーバ(例えば複合機10のNCS74のsmtpd)を介して、画像データを添付して宛先の電子メール・アドレスへメール送信処理を実行する。
本実施形態では、ステップS410のメール送信後、送信されたメール・メッセージ146は、宛先メールアドレスの対応するメールサーバに伝送されて一時的に格納される。そして、PC152は、作業者による指示に応答して、メールサーバにアクセスして、当該メール・メッセージ146を受信する。画像データが添付されたメール・メッセージ146を受信したPC152では、メーラやビュアーなどのソフトウェアを使用して、送信した電子メールおよび添付画像データが閲覧可能とされる。ステップS411では、退避が完了したことを受けてジョブ制御部124は、その他の中断処理を完了させ、スキャナ・アプリ66へ中断処理の完了応答を通知し、ステップS412で処理を終了させる。
なお、ステップS410のメール送信後、当該メール・メッセージを受信したPC152では、中断画像データ閲覧可能となり、複合機10側でエラーが発生したこと、またその際にどの段階まで画像データが読込まれたのかを検証することが可能となる。また、バックアップデータとして活用することも可能となる。中断画像データをメール送信する際には、特に、メールサーバの容量が限られている場合があることから、解像度の変換等も含めて、画像変換部128により所定の画像形式に変換して送信することが好ましい。
以下、発生したエラーの内容に応じて通知先を変更する退避制御について説明する。図11は、エラー内容に応じて通知先を変更する退避制御の際に参照されるエラー内容−通知先対応テーブル210のデータ構造を示す。エラー内容に応じて通知先を変更する退避制御は、図11に示すような、エラー内容−通知先対応テーブル210を使用して、エラー内容に応じた退避処理を行う。エラー内容−通知先対応テーブル210は、エラー内容がエントリされるフィールド212と、連絡先が入力されるフィールド214とを含み構成され、例えばNV−RAM26に格納される。また、エラー内容フィールド212と連絡先フィールド214とは、多対多で関連付けられ、その対応関係が例として矢印216によって示されている。
図11に示した例では、「原稿ジャム」および「排紙ジャム」のエラー内容については、両方のエラー内容に対して「機器管理者」および「作業者」が関連付けられており、エラーの内容が原稿ジャムおよび排紙ジャムであった場合は、機器管理者および作業者の連絡先(アドレス帳に設定された電子メールアドレスなど)に、画像データが添付された電子メールが送信される。また図11に示した例では、「不正コピー原稿」のエラー内容に対しては、「部署責任者」へ通知されるように設定されている。このように、ユーザが、例えば電子透かしなどで複製禁止とされている原稿のコピーを試みた場合、当該複合機10が設置されている部署責任者へ、複製を試みた原稿の一部の画像データと、例えばユーザ識別値などが送信され、不正コピーを好適に防止させることができる。なお、エラー内容に応じて通知先を変更する退避処理の詳細な処理フローについては、詳細な説明を省略するが、図10に示した処理フロート同様の処理によって実現すること理解できるであろう。
本実施形態では、作業用記憶領域130に入力された画像データは、予め設定されたキャプチャ設定に応じた画像形式で、退避されることとなる。以下、作業用記憶領域130に入力された画像データを退避させる際の画像変換の有無および変換後の画像形式や圧縮率などの設定について、説明する。
本実施形態の複合機10は、作業用記憶領域130から退避先(1次記憶領域140、2次記憶領域142、画像蓄積サーバ150、PC152など)へ退避させる際に、画像変換せずにRAWデータのままか、または、JPEG、JPEG2000やTIFF形式に画像変換を行った上で、退避させることができる。退避させる際のキャプチャ設定や退避先の設定は、オペレーション・パネル42を介してオペレータからの指令を受領して、予め設定情報として格納しておくことができる。
図12は、キャプチャ設定のためのGUIの実施形態を示す。図12(A)に示したGUI340は、画像変換後の画像形式を設定するためのキャプチャ方式設定のためのGUIを示す。図12(A)に示したGUI340は、キャプチャ方式の設定である旨の表示と、タブ342と、ウィンドウ344と、「設定」ボタン354と、「戻る」ボタン356とを含み構成されている。図に示した実施形態では、タブ342は、ジョブについて「スキャナ」、「コピー」、「FAX」、「**」の内、「スキャナ」が選択されており、ウィンドウ344には、スキャン・ジョブに関するキャプチャ方式設定情報が示されている。ウィンドウ344には、カラー原稿346についての画像形式を選択するための選択ボタン350aおよび選択ボタン350bと、モノクロ原稿348についての画像形式を選択するための選択ボタン352aおよび選択ボタン352bとが含まれている。選択ボタン350aおよび選択ボタン350bは、二者択一的な選択を行うためのUI部品であり、カラー原稿について、変換後の画像形式をJPEGまたはTIFFとして選択することができる。選択ボタン352aおよび選択ボタン352bも同様である。そして、「設定」ボタン354は、押下を待受けて、押下された場合に選択された設定を有効にする。
図12(B)に示したGUI360は、変換後の画像データのサイズを指定するデータサイズ設定を行うためのGUIを示す。図12(B)に示したGUI360は、データサイズの設定である旨の表示と、タブ362と、ウィンドウ364と、「設定」ボタン354と、「戻る」ボタン356とを含み構成されている。図に示した実施形態では、タブ362は、ジョブについて「スキャナ」、「コピー」、「FAX」、「**」の内、「スキャナ」が選択されており、ウィンドウ364には、スキャン・ジョブに関するデータサイズに関する情報が提示されている。より具体的には、ウィンドウ364には、圧縮率368について、「高」選択ボタン370a、「標準」選択ボタン370b、「低」選択ボタン370cが示され、オペレータは、選択ボタン370を押下することによって選択可能とされている。選択ボタン370a、選択ボタン370bおよび選択ボタン370cは、三者択一的な選択を行うためのUI部品であり、圧縮率について、「高」「標準」「低」の三段階で設定可能とされている。そして、「設定」ボタン372は、押下を待受けて、押下された場合に選択された設定を有効にする。
図12に示したGUIを用いることによって、画像データを退避させる際に、所定の画像形式および所望のレベルのデータサイズの画像データに変換して退避先に格納させることが可能となる。なお本実施形態では、データサイズのレベルを、圧縮率によって指定する構成としたが、他の実施形態では、解像度の変更指定によっても、データサイズのレベルを指定することができる。さらに他の実施形態では、画像データがカラーである場合に、モノクロ画像へ変換させるなどの色条件の指定などによっても、データサイズのレベルを指定することもできる。本実施形態ではさらに、コピー・ジョブ、ファクシミリ送信ジョブなどに対しても同様な設定が可能である。
なお、上述までは、スキャナ・アプリ66を用いた場合の実施形態をもって、エラー発生に応じた作業用記憶領域の画像データの退避処理について説明してきた。しかしながら、読取る原稿は、1枚以上とすることもでき、また、スキャナ・アプリ66以外にも、コピー・アプリ62、ファックス・アプリ64などに対しても、適用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、エラー発生によってジョブが異常中断される場合であっても、入力途中の画像データを取得可能とし、セキュリティや機器管理の観点からの要求に充分に応えることができる、画像処理装置およびプログラムを提供することが可能となる。
ジョブの進行に応じて作業用記憶領域に入力される画像データを、ジョブの中断を要するエラーが発生したことに応答して退避させることにより、例えば、原稿ジャムや排紙ジャムなどのエンジンにおけるエラー発生によりジョブが中断された場合であっても、作業用記憶領域内の画像データが取得可能となる。これにより、例えば、エラー発生前の作業状態の確認、機器管理目的での異常データの収集および分析や異常発生時のバックアップデータとして利用することが可能となる。
なお上述では、画像処理装置の一実施形態として、複数機能を備えた複合機を例に説明してきた。しかしながら本発明の実施形態では、画像処理装置は、スキャナなどの画像読取装置、複写機など画像形成装置として構成することもできる。
また上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本実施形態の複合機のハードウェア構成を示す図。 本実施形態の複合機のソフトウェアおよびハードウェア構成を示す図。 エラーが発生したことに応答して画像データを退避させる機能についてのブロック図。 画像データを退避させる場合のデータフロー図。 エラー発生に応じて画像データを1次記憶領域へ退避させる処理のフローチャート。 中断画像データのサムネイル表示を行うグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)300を示す図。 エラー発生に応じて画像データを2次記憶領域へ退避させる処理のフローチャート。 エラー発生に応じて画像データを外部の画像蓄積サーバ150へバックアップ転送する場合の処理のフローチャート。 (A)作業者と送信先を対応付けるユーザ−アドレス・テーブルのデータ構造、(B)アドレス帳設定のためのGUIの実施形態を示す図。 エラー発生に応答して画像データをメール送信する場合の処理のフローチャート。 エラー内容に応じて通知先を変更する退避制御の際に参照されるエラー内容−通知先対応テーブルのデータ構造。 キャプチャ設定のためのGUIの実施形態を示す図。
符号の説明
10…複合機、12…コントローラ、14…CPU、16…システムメモリ、18…NB、20…ASIC、22…ローカルメモリ、24…HDD、26…NV−RAM、28…SB、30…物理層(PHY)、32…FCU、34…USBインタフェース、36…IEEE1394インタフェース、38…MLC、40…スキャナ・エンジン、41…プロッタ・エンジン、42…オペレーション・パネル、44…PCIバス、46…AGP、60…アプリケーション層、62…コピー・アプリ、64…ファックス・アプリ、66…スキャナ・アプリ、68…ネットファイル・アプリ、70…プリンタ・アプリ、72…API、74…NCS、76…DCS、78…OCS、80…FCS、82…ECS、84…MCS、86…UCS、88…SCS、90…コントロール・サービス層、92…SRM、94…FCUH、96…IMH、98…MEU、100…ハンドラ層、102…プラットフォーム層、104…エンジン・インタフェース(I/F)、108…複合機起動部、110…ハードウェア、112…白黒レーザプリンタ、114…カラーレーザプリンタ、116…ハードウェア・リソース、120…エンジン、122…アプリケーション、124…ジョブ制御部、126…退避制御部、128…画像変換部、130…作業用記憶領域、132…退避先、140…1次記憶領域、142…2次記憶領域、144…データベース、146…メール・メッセージ、150…画像蓄積サーバ、152…PC、154…ネットワーク、200…ユーザ−アドレス・テーブル、202,204…フィールド、210…エラー内容−通知先対応テーブル、212,214…フィールド、216…矢印、300…GUI、302…サムネイル画像、304…選択領域、306,326…「戻る」ボタン、308,328…「次へ」ボタン、320…GUI、322,324…フィールド、340,360…GUI、342,362…タブ、344,364…ウィンドウ、354,372…「設定」ボタン、356,374…「戻る」ボタン、346,348,368…項目、350,352,370…選択ボタン

Claims (10)

  1. 画像データを処理するエンジンを使用してジョブを実行する画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
    前記ジョブの進行に応じて分割入力される画像データを入力するための作業用画像記憶手段と、
    前記ジョブの中断を要するエラーの発生に応答して、前記作業用画像記憶手段内の前記画像データを退避させる制御手段と
    を含む、画像処理装置。
  2. 前記画像処理装置は、画像データを退避させるための退避用画像記憶手段を含み、前記制御手段は、前記作業用画像記憶手段内の前記画像データを前記退避用画像記憶手段に退避させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像処理装置は、前記退避用画像記憶手段に退避させた前記画像データまたは前記画像データに関する情報を表示させる表示手段をさらに含む、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理装置は、画像データの画像形式を所定の画像形式へと変換する画像変換手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像処理装置は、退避する際のキャプチャ設定を行うためのユーザ・インタフェース手段をさらに含み、前記キャプチャ設定は、解像度、画像形式、圧縮方式、圧縮率、色条件または退避先の指定を含む、請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像処理装置は、前記画像データを外部装置に送信するための通信手段と、
    前記画像データを送信すべき宛先を特定する宛先特定情報を格納する格納手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記通信手段は、画像蓄積サーバまたはメールサーバとしての前記外部装置との通信を実行する、請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記エンジンは、スキャナ・エンジンまたはプロッタ・エンジン、またはこれらの両方を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記ジョブは、コピー・ジョブ、スキャン・ジョブ、ファクシミリ・ジョブである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 画像処理装置を請求項1〜9のいずれか1項に記載の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015069415A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 ブラザー工業株式会社 サーバ,プリンタおよびプリントシステム

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