JP2008227891A - 音響装置、遅延測定方法、遅延測定プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
マルチチャンネル方式を採用しつつ、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図る際に有用な遅延時間測定を行う。
【解決手段】
集音位置における暗騒音量レベルを暗騒音推定部251が推定し、推定された暗騒音量レベルを減算部261が差し引いて補正音量を算出する。引き続き、閾値時刻特定部262が、テスト音声の出力後における補正音量の時間積分値が所定の閾値に達する閾値時刻を特定する。そして、遅延推定部263が、テスト音声の出力後から閾値時刻までの期間において、補正音量が最大となる時刻を集音位置へのテスト音声の直接波の到達時刻と推定する。この到達時刻の推定結果に基づいて、テスト音声を出力したスピーカから集音位置までの伝搬遅延時間を推定する。
【選択図】 図8
マルチチャンネル方式を採用しつつ、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図る際に有用な遅延時間測定を行う。
【解決手段】
集音位置における暗騒音量レベルを暗騒音推定部251が推定し、推定された暗騒音量レベルを減算部261が差し引いて補正音量を算出する。引き続き、閾値時刻特定部262が、テスト音声の出力後における補正音量の時間積分値が所定の閾値に達する閾値時刻を特定する。そして、遅延推定部263が、テスト音声の出力後から閾値時刻までの期間において、補正音量が最大となる時刻を集音位置へのテスト音声の直接波の到達時刻と推定する。この到達時刻の推定結果に基づいて、テスト音声を出力したスピーカから集音位置までの伝搬遅延時間を推定する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、音響装置、遅延測定方法、遅延測定プログラム及びその記録媒体に関する。
従来から、5.1チャンネルサラウンド方式等の複数のスピーカを組み合せたマルチチャンネル方式を採用する音響装置が普及している。こうした音響装置では、聴取者にとって違和感の無いように楽曲等を再生するため、各スピーカからの出力音声について、楽曲等の音声コンテンツの作成者が意図した通りの同期をとることが必要となる。
かかる同期を実現するため、各スピーカに対してM系列信号を順次供給して音声を出力させて、各スピーカからの出力音声の伝搬遅延時間を測定する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、各スピーカから出力された音声を、マイクロフォンで集音することにより、インパルス応答を測定した後、インパルス応答のピーク値を検出する。そして、各スピーカに対応して検出されたピーク値に所定の定数(1未満の定数)を乗算した値を各スピーカの閾値とする。
次に、各スピーカに関する集音結果において、対応する閾値を最初に越えたインパルス応答の立ち上がり時点を検出する。そして、各スピーカについて、M系列信号を供給した時点から当該立ち上がり時点までの時間を、出力音声の伝搬遅延時間として求める。
引き続き、求められた各スピーカの伝搬遅延時間に基づいて、各スピーカに対応して配設された遅延器による遅延時間量を設定する。その後、遅延時間量が設定された遅延器を介して、オーディオ信号を各スピーカに供給する。この結果、各スピーカからの出力音声について、聴取位置における同期が図られる。
上述した従来例の技術では、インパルス応答のピーク値から求めた閾値を用いて、スピーカからの出力音声の伝搬遅延時間を求めている。しかしながら、例えば、車両の車室等のように広いとはいえない閉空間内では、スピーカから出力された音声の直接音に近いタイミングで、反射音もマイクロフォンに入射することになる。また、周囲雑音もマイクロフォンに入射する。このため、集音位置における集音結果から、スピーカからの直接音のピークを精度良く検出できない場合があった。特に、ツイータ(tweeter)等の高域再生専用のスピーカから出力される音声の場合には、反射音の影響が大きくなり、従来例の技術を適用しても、各スピーカからの出力音声の聴取位置における同期を精度良く図ることができず、聴取者に違和感を生じさせる結果を招くことがあった。
このため、車両の車室等においても、各スピーカから集音位置までの音声の伝搬遅延時間を精度良く求め、各スピーカからの出力音声の聴取位置における同期を精度良く図ることができる技術が待望されている。かかる要望に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、マルチチャンネル方式を採用しつつ、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図ることができる新たな音響装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、マルチチャンネル方式を採用しつつ、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図る際に有用な新たな遅延測定方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、音声コンテンツの再生結果を複数のスピーカから音場空間へ向けて音声を出力する音響装置であって、前記音場空間の所定の集音位置で集音を行う集音手段と;前記複数のスピーカのいずれからも音声を出力していない状態における前記集音手段による集音結果に基づいて、前記音場空間の暗騒音量レベルを推定する暗騒音推定手段と;前記複数のスピーカの中から選択されたスピーカである選択スピーカからテスト音声を出力させるテスト音声発生手段と;前記テスト音声の出力後における前記集音手段の集音結果に基づいて得られる各時刻の集音音量から、前記暗騒音推定手段により推定された前記暗騒音量レベルを差し引いた各時刻の補正音量を算出する減算手段と;前記補正音量の時間積分値が所定の閾値に達した閾値時刻を特定する特定手段と;前記テスト音声の出力時刻から前記閾値時刻までの期間内で、前記補正音量が最大となる時刻を、前記テスト音声の前記集音手段への到達時刻と推定し、前記テスト音声の出力時刻から前記推定された到達時刻までの時間を、前記選択スピーカからの前記集音手段までの前記テスト音声の伝搬遅延時間と推定する遅延推定手段と;を備えることを特徴とする音響装置である。
請求項7に記載の発明は、所定の音場空間における暗騒音量レベルを推定する暗騒音推定工程と;前記音場空間に向けて音声を出力する複数のスピーカの中から選択されたスピーカである選択スピーカからテスト音声を出力するテスト音声出力工程と;前記テスト音声の出力後における集音結果として得られる集音音量から、推定された前記暗騒音量レベルを差し引く減算工程と;前記テスト音声の出力後において、前記減算工程において得られた補正音量の時間積分値が所定の閾値に達した時刻を特定する特定工程と;前記テスト音声の出力後から前記特定工程において特定された時刻までの期間内で、前記補正音量が最大となる時刻を、前記選択スピーカからの前記テスト音声の集音位置への到達時刻と推定する到達時刻推定工程と;前記テスト音声の出力時刻から前記到達推定時刻工程において推定された到達時刻までの時間を、前記選択スピーカから前記集音位置までの前記テスト音声の伝搬遅延時刻と推定する遅延推定工程と;を備えることを特徴とする遅延測定方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の遅延測定方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする遅延測定プログラムである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の遅延測定プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録された記録媒体である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11を参照しつつ説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一の又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る音響装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。なお、以下の説明では、音響装置100は、移動体である車両CR(図2参照)に搭載され、5.1チャンネルサラウンド方式を採用しているものとする。
図1には、一実施形態に係る音響装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。なお、以下の説明では、音響装置100は、移動体である車両CR(図2参照)に搭載され、5.1チャンネルサラウンド方式を採用しているものとする。
この図1に示されるように、音響装置100は、制御ユニット110と、ドライブユニット120とを備えている。
また、音響装置100は、音出力ユニット130Cと、音出力ユニット130Lと、音出力ユニット130Rと、音出力ユニット130SLと、音出力ユニット130SRと、音出力ユニット130SWとを備えている。ここで、音出力ユニット130Cはセンタスピーカ131Cを有し、音出力ユニット130Lはレフトスピーカ131Lを有している。また、音出力ユニット130Rはライトスピーカ131Rを有し、音出力ユニット130SLはサラウンドレフトスピーカ131SLを有している。また、音出力ユニット130SRは、サラウンドライトスピーカ131SRを有し、音出力ユニット130SWは、サブウーファスピーカ131SWを有している。
さらに、音響装置100は、集音手段としての集音ユニット140と、表示ユニット150と、操作入力ユニット160とを備えている。
なお、制御ユニット110以外の要素120〜160は、制御ユニット110に接続されている。
制御ユニット110は、音響装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110の詳細については、後述する。
ドライブユニット120は、音コンテンツが記録されたコンパクトディスクCDが挿入された状態で、制御ユニット110から音コンテンツの再生指令DVCを受けると、再生指定がなされた音をコンテンツコンパクトディスクCDから読み出す。かかる音コンテンツの読み出し結果は、オーディオ信号であるコンテンツデータCTDとして制御ユニット110に送られる。
音出力ユニット130C,130L,130R,130SL,130SR,130SWのそれぞれは、上述したスピーカの他に、制御ユニット110から受信した音声出力信号を増幅する増幅器とを備えている。これらの音出力ユニット130C〜130SWは、制御ユニット110による制御のもとで、案内用音声、音楽等を再生して出力する。
本実施形態では、図2に示されるように、音出力ユニット130Cのセンタスピーカ131Cは、車両CRの車内空間である音場空間ASPの前方中央部のダッシュボード内に配置される。このセンタスピーカ131Cは、後方を向くように配設されている。
音出力ユニット130Lのレフトスピーカ131Lは、助手席側の前方ドア筐体内に配置されている。このレフトスピーカ131Lは、助手席側を向くように配設されている。
音出力ユニット130Rのライトスピーカ131Rは、運転席側の前方ドア筐体内に配置されている。このライトスピーカ131Rは、運転席側を向くように配設されている。
音出力ユニット130SLのサラウンドレフトスピーカ131SLは、助手席側後部の筐体内に配置される。このサラウンドレフトスピーカ131SLは、助手席側の後部座席を向くように配設されている。
音出力ユニット130SRのサラウンドライトスピーカ131SRは、運転席側後部の筐体内に配置される。このサラウンドライトスピーカ131SRは、運転席側の後部座席を向くように配設されている。
音出力ユニット130SWのサブウーハスピーカ131SWは、音場空間ASPの後部に配置される。このサブウーハスピーカ131SWは、車両の前方に向けて配設されている。
図1に戻り、集音ユニット140は、(i)周囲の音を収集して電気的なアナログ音声信号とするマイクロフォン、(ii)マイクロフォンから入力されたアナログ音声信号を増幅する増幅器とを備えて構成されている。ここで、マイクロフォンは、音場空間ASPにおける所定の少なくとも1つの位置に配置されている。集音ユニット140による集音結果データAADは制御ユニット110に報告される。
表示ユニット150は、(i)液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイス151と、(ii)制御ユニット110から送出された表示制御データIMDに基づいて、表示ユニット150全体の制御を行うグラフィックレンダラ等の表示コントローラと、(iii)表示画像データを記憶する表示画像メモリ等を備えて構成されている。この表示ユニット150は、制御ユニット110による制御のもとで、操作ガイダンス情報等を表示する。
操作入力ユニット160は、音響装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット150の表示デバイス151に設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。
この操作入力ユニット160を利用者が操作することにより、音響装置100の動作内容の設定が行われる。例えば、各スピーカの周波数特性の設定、音コンテンツの再生等を、利用者が操作入力ユニット160を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データIPDとして、操作入力ユニット160から制御ユニット110へ送られる。
制御ユニット110は、上述したように、音響装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110は、図3に示されるように、制御処理部111と、調整手段としてのチャンネル信号処理部(CSP)112と、音量調整部(VLA)113と、信号選択部(SSL)114と、テスト音声発生手段としてのテスト信号発生部(TSG)115を備えている。
制御処理部111は、操作入力ユニット160に入力された指令入力や集音ユニット140による集音結果に基づいて、チャンネル信号処理部112、音量調整部113、信号選択部114及びテスト信号発生部115を制御する。また、制御処理部111は、ドライブユニット120及び表示ユニット150を制御する。この制御処理部111については、後述する。
チャンネル信号処理部112は、ドライブユニット120からのコンテンツデータCTDを受ける。そして、チャンネル信号処理部112は、コンテンツデータCTDに含まれている複数のチャンネルデータ(本実施形態では、6つのチャンネルデータ)のそれぞれについて処理を行う。このチャンネル信号処理部112は、図4に示されるように、チャンネル分離部(CHS)210と、周波数特性補正部(FCS)220と、遅延手段としての遅延部(DLA)230とを備えている。
チャンネル分離部210は、コンテンツデータCTDを受ける。そして、コンテンツデータCTDを受けたチャンネル分離部210は、コンテンツデータCTDを展開し、オーディオ信号であるデジタル音データ信号を生成する。引き続き、チャンネル分離部111は、生成されたデジタル音データ信号を解析し、デジタル音データ信号に含まれるチャンネル指定情報に従って、デジタル音データ信号を、上述したCチャンネル、Lチャンネル、Rチャンネル、SLチャンネル、SRチャンネル及びSWチャンネルのデータ信号に分離することにより、デジタル音データ信号を、C〜SWチャンネルのデータ信号に変換する。こうして各チャンネルに分離されたデータ信号である6つのチャンネル信号LDC,LDL,LDR,LDSL,LDSR,LDSWは、周波数特性補正部220へ送られる。
周波数特性補正部220は、チャンネル信号LDC〜LDSWを受ける。そして、周波数特性補正部220は、チャンネル信号LDC〜LDSWのそれぞれを、制御処理部111からの周波数特性補正指令FCCに従って周波数補正する。かかる補正結果は、周波数特性補正信号FCDC〜FCDSWとして、遅延部230へ送られる。なお、周波数特性補正部220は、周波数特性補正の途中段階におけるデータ信号SSTを、周波数特性補正指令FCCの生成のために制御処理部111へ向けて出力する。
遅延部230は、周波数特性補正信号FCDC〜FCDSWを受ける。そして、周波数特性補正部220は、周波数特性補正信号FCDC〜FCDSWのそれぞれを、制御処理部111からの遅延制御指令DLCに従って遅延させる。かかる機能を有する遅延部230は、図5に示されるように、6つの遅延器221C〜221SWを備えている。
遅延器221j(j=C〜SW)のそれぞれは、遅延制御指令DLCにおける個別の遅延制御指令DLCjにより指定された遅延時間DLjだけ周波数特性補正信号FCDC〜FCDSWを遅延させる。かかる遅延結果は、チャンネル処理信号CPDC〜CPDSWとして、音量調整部113へ送られる。
図3に戻り、音量調整部113は、チャンネル処理信号CPDC〜CPDSWを受ける。そして、音量調整部113は、チャンネル処理信号CPDC〜CPDSWのそれぞれを、制御処理部111からの音量調整指令VLCに従って音量調整する。かかる調整結果は、調整音量信号CVDC〜CVDSWとして、信号選択部114へ送られる。
信号選択部114は、音量調整信号CVDC〜CVDSWとテスト信号発生部115からのテスト音声信号GSSとを受ける。そして、信号選択部114は、制御処理部111からの出力選択指令ODSに従って、音出力ユニット130j(j=C〜SW)のそれぞれに対して、調整音量信号CVDjの供給、テスト音声信号GSSの供給、及び、いずれの信号も供給しないかを選択する。かかる機能を有する信号選択部114は、図6に示されるように、スイッチ素子241C〜241SWを備えている。
スイッチ素子241jのそれぞれは、入力端子としてA端子及びB端子を有するとともに、出力端子としてC端子を有している。スイッチ素子241jでは、A端子で調整音量信号CVDjを受けるとともに、B端子でテスト音声信号GSSを受ける。そして、出力選択指令ODSにおける個別選択指令ODSjに従って、A端子とC端子とを接続したり、B端子とC端子とを接続したり、更に、A端子及びB端子のいずれともC端子を接続しなかったりする。スイッチ素子241jのC端子からは、選択された信号(無信号を含む)が、音出力信号AODC〜AODSWとして音出力ユニット130jへ送られる。
図3に戻り、テスト信号発生部115は、制御処理部111から音出力ユニット指定を含むテスト信号発生指令SGCを受けると、各スピーカ131C〜131SWの周波数特性に応じたテスト音声信号GSSを発生させる。こうして発生したテスト音声信号GSSは、信号選択部114へ送られる。
制御処理部111は、上述した他の構成要素を制御しつつ、音響装置100の機能を発揮させる。この制御処理部111は、図7に示されるように、暗騒音推定手段としての暗騒音推定部(NLE)251と、遅延測定部(DLM)252と、制御部(CNT)253とを備えている。
暗騒音推定部251は、制御部253による制御のもとで、集音ユニット140からの集音結果データAADに基づいて、音場空間ASP内における暗騒音量レベルを推定する。より詳細には、暗騒音推定部251は、制御部253からの推定開始指令NMRを受けると、集音結果データAADの収集を開始する。そして、暗騒音推定部251は、所定時間TNMの期間にわたって集音結果データAADの収集を行う。
なお、所定時間TNMは、暗騒音量レベルの精度の良い推定という観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
こうして所定時間TNMの集音結果データAADの収集が終了すると、暗騒音推定部251は、収集されたデータを統計的に処理して、音場空間ASP内における暗騒音量レベルの推定値PDを算出する。算出された推定値PDは、暗騒音通知信号DNLとして遅延測定部252へ送られる。こうして暗騒音量レベルの推定が終了すると、暗騒音推定部251は、その旨を推定終了報告NMPとして制御部253へ報告する。
遅延測定部252は、制御部253による制御のもとで、暗騒音推定部251により推定された暗騒音量レベルの推定値PDと集音結果データAADとに基づいて、各スピーカ131C〜131SWから集音ユニット140のマイクロフォンの設置位置までの音声の伝搬遅延時間を測定する。かかる機能を有する遅延測定部252は、図8に示されるように、減算手段としての減算部(SUB)261と、特定手段としての閾値時刻特定部(TTI)262と、遅延推定手段としての遅延推定部(DLE)263とを備えている。
減算部261は、集音ユニット140からの集音結果データAADと、暗騒音推定部251からの暗騒音通知信号DNLとを受ける。そして、減算部261は、制御部253からの遅延測定開始指令DMRを受けると、集音結果データAADの周期的な取り込みを開始する。こうして取り込まれた集音結果データAADに基づいて、減算部261は、各時刻の集音位置における音量PA(t)を算出する。引き続き、減算部261は、音量PA(t)から暗騒音量レベルPDを差し引いた補正音量CPA(t)を算出する。
かかる補正音量CPA(t)の算出及び一時的な記憶を所定時間TDMにわたって継続する。そして、所定時間TDMが経過すると、減算部261は、所定時間TDM内に得られた各時刻の補正音量CPA(t)を、補正音量報告APWとして閾値時刻特定部262へ送る。
なお、所定時間TDMは、スピーカ131C〜131SWからの出力音声に起因する様々な反射の集音位置への到達時間を考慮して、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
閾値時刻特定部262は、減算部261から補正音量報告APWを受ける。閾値時刻特定部262は、減算部261から補正音量報告APWとして受けた補正音量CPA(t)の所定時間TDMにわたる総積分値EGTを算出する。引き続き、閾値時刻特定部262は、値EGTに所定割合Cを乗じ、閾値ETHを算出する。次に、閾値時刻特定部262は、補正音量CPA(t)の当初からの時間積分値が閾値ETHに達した時刻TTを特定する。そして、閾値時刻特定部262は、当初から時刻TTまでの補正音量CPA(t)を、特定結果IDRとして遅延推定部263へ送る。
なお、値EGTに乗じられる所定割合Cは、スピーカ131C〜131SWからの出力音声の温柔空間における様々な反射における反射位置及び反射率を考慮して、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
遅延推定部263は、閾値時刻特定部262からの特定結果IDRを受ける。そして、遅延推定部263は、特定結果IDRとして受けた当初から時刻TTまでの補正音量CPA(t)を解析し、値が最大となる時刻TRを特定する。引き続き、遅延推定部263は、当初から時刻TRまでの時間を求めることにより、テスト音声が出力されたスピーカから集音位置までのテスト音声の伝搬遅延時間TTDを推定する。こうして測定が終了すると、遅延推定部263は、遅延測定が終了した旨及び測定結果TTDを、測定結果DMPとして制御部253へ報告する。
図7に戻り、制御部253は、「再生モード」と「遅延時間設定モード」との2つのモードの動作を制御する。ここで、「再生モード」とはコンパクトディスクCDから音コンテンツを読み出してオーディオ信号を再生するモードであり、「遅延時間設定モード」とはテスト音声信号を発生させて計測し、音出力ユニット130C,130L,130R,130SL,130SR,130SWのそれぞれからの音声出力タイミングのタイムアライメント補正をするために、スピーカ131j(j=C〜SW)のそれぞれに対応する遅延時間を設定するモードである。
制御部253は、操作入力ユニット160から受けた操作入力データIPDを解析し、音響装置100が、「再生モード」及び「遅延時間設定モード」のいずれかの動作制御を行う。より具体的には、制御部253は、通常は、「再生モード」の動作の制御を行う。一方、操作入力ユニット160から遅延時間設定指令を受けると、制御部253は、「遅延時間設定モード」の動作の制御を行う。そして、「遅延時間設定モード」の動作の制御が終了すると、制御部253は、「再生モード」の動作制御に復帰する。
かかる「遅延時間設定モード」の動作の制御に際して、制御部253は、まず、暗騒音推定部251に対して推定開始指令NMRを送る。引き続き、制御部253は、暗騒音推定部251から推定終了報告NMPを受けると、音出力ユニット130C〜130SWのそれぞれに関する遅延時間測定を制御する。
この遅延時間測定の制御に際して、制御部253は、信号選択部114における最初の測定対象となる音出力ユニットに対応するスイッチ素子のB端子とC端子とを導通させるとともに、他のスイッチ素子のC端子がA端子及びB端子のいずれとも導通しないことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。引き続き、制御部253は、最初の測定対象となる音出力ユニットを指定したテスト信号発生指令SGCをテスト信号発生部115へ送るとともに、遅延測定開始指令DMRを遅延測定部252へ送る。
そして、最初の測定対象となる音出力ユニットに関する測定結果DMPを受けると、制御部253は、信号選択部114における次の測定対象となる音出力ユニットに対応するスイッチ素子のB端子とC端子とを導通させるとともに、他のスイッチ素子のC端子がA端子及びB端子のいずれとも導通しないことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。引き続き、制御部253は、最初の測定対象となる音出力ユニットを指定したテスト信号発生指令SGCをテスト信号発生部115へ送るとともに、遅延測定開始指令DMRを遅延測定部252へ送る。
以後、全ての音出力ユニットに関する遅延測定が終了するまで、制御部253は、上記と同様の信号選択部114、テスト信号発生部115及び遅延測定部252の制御を行う。そして、全ての音出力ユニットについての遅延測定結果を得ると、制御部253は、遅延測定結果を解析し、各音出力ユニット130C〜130SWに供給される音出力データ信号AODC〜AODSWの遅延時間DLC〜DLSW(図5参照)を算出する。そして、この算出結果を、制御部253は、内部に記憶するとともに、遅延制御指令DLCとして、遅延部230へ向けて送る。
こうして、遅延部230における遅延時間設定を行うと、制御部253は、「遅延時間設定モード」の動作制御を終了する。
制御部253は、「再生モード」の動作制御に際しては、信号選択部114へ向けて、スイッチ素子241C〜241SWの全てについて、A端子とC端子とを導通させるべきことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。この結果、音量調整部113からの調整音量信号CVDC〜CVDSWが、信号選択部114を介して、音出力データ信号AODC〜AODSWとして音出力ユニット130C〜130SWに供給されるようになる。
また、制御部253は、「再生モード」の動作制御に際し、利用者が再生すべきコンテンツの指定を支援するための案内画面を表示ユニット150に表示させる。そして、操作入力ユニット160に再生コンテンツを指定した再生指令が入力されると、制御部253は、ドライブユニット120を制御して、再生コンテンツのデータ読み出しを制御する。
また、制御部253は、「再生モード」の動作制御に際し、ドライブユニット120からのコンテンツデータ信号CTDに含まれるチャンネル信号LDC,LDL,LDR,LDSL,LDSR,LDSWの周波数特性補正の制御を行う。この周波数特性補正の制御に際して、制御部253は、周波数特性補正部220からの周波数特性補正の途中段階におけるデータ信号SSTを参照して周波数特性補正指令FCCを生成し、周波数特性補正部220へ送る。
また、制御部253は、「再生モード」の動作制御に際し、音量調整部113を制御して、音出力ユニット130C〜130SWのスピーカ131C〜131SWのからの出力音量を調整する。かかる出力音量の制御に際して、制御部253は、操作入力ユニット160に入力された音量指定や、集音ユニット140による集音結果から得られる騒音レベルに基づいて音量調整指令VLCを生成し、音量調整部113へ送る。
なお、制御部253は、電源ON等に起因して動作を開始した場合には、その時点で内部に記憶されている遅延時間DLC〜DLSWの設定指令を、遅延制御指令DLCとして、遅延部230へ向けて送るようになっている。
[動作]
次に、上記のように構成された音響装置100の動作について、「遅延時間設定モード」時の動作に主に着目して説明する。
次に、上記のように構成された音響装置100の動作について、「遅延時間設定モード」時の動作に主に着目して説明する。
「遅延時間設定モード」は、上述したように、利用者が、操作入力ユニット160に遅延時間設定指令を入力すると開始する。こうして、「遅延時間設定モード」が開始すると、まず、図9のステップS11において、暗騒音量レベルの推定処理が行われる。
暗騒音量レベルの推定処理に際しては、まず、遅延時間設定指令を操作入力データIPDとして受けた制御処理部111における制御部253が、制御処理部111における暗騒音推定部251に対して、推定開始指令NMRを送る。この推定開始指令NMRを受けた暗騒音推定部251は、所定時間TNMの期間にわたって集音結果データAADの収集を行う。かかる暗騒音推定部251による集音結果データAADの収集期間の開始時刻を時刻T1とし、終了時刻を時刻T2とする(図11参照)。
次に、暗騒音推定部251は、収集された集音結果データAADに基づいて、各時刻における集音音量を算出する。引き続き、暗騒音推定部251は、各時刻における集音音量に統計的な処理を行って、暗騒音量レベルPDを算出する。なお、本実施形態では、暗騒音推定部251は、各時刻における集音音量の平均値を暗騒音量レベルPDとして算出している。
こうして暗騒音量レベルPDの算出が終了すると、暗騒音推定部251は、算出された暗騒音量レベルPDを、暗騒音通知信号DNLとして遅延測定部252へ送るとともに、暗騒音量レベルの推定が終了した旨を、推定終了報告NMPとして制御部253へ報告する。この後、ステップS11の処理が終了する。
次に、ステップS12において、最初の測定対象となる音出力ユニットのために遅延測定用の信号経路の設定処理が行われる。このステップS12における信号経路の設定処理では、推定終了報告NMPを受けた制御部253が、制御部253は、信号選択部114における最初の測定対象となる音出力ユニット(例えば、音出力ユニット130C)に対応するスイッチ素子のB端子とC端子とを導通させるとともに、他のスイッチ素子のC端子がA端子及びB端子のいずれとも導通しないことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。
次いで、ステップS13において、遅延測定処理が行われる。この遅延測定処理では、図10に示されるように、まず、ステップS21において、制御部253が、測定対象となる音出力ユニットを指定したテスト信号発生指令SGCをテスト信号発生部115へ送るとともに、遅延測定開始指令DMRを遅延測定部252へ送る。
テスト信号発生指令SGCを受けたテスト信号発生部115は、指定された音出力ユニットに対応するテスト音声信号GSSを生成し、信号選択部114へ送る。この結果、最初の測定対象となる音出力ユニットからテスト音声が出力される。
かかるテスト音声の出力開始時刻を時刻T3とする(図11参照)。また、テスト音声の出力音量が最大となる時刻を時刻T4とする(図11参照)。
一方、遅延測定開始指令DMRを受けた遅延測定部252では、ステップS22において、減算部261が、集音ユニット140からの集音結果データAADを取り込む。引き続き、減算部261が、取り込まれた集音結果データAADに基づいて、減算部261は、各時刻の集音位置における音量PA(t)(この段階では、t=T3)を算出する。
次に、ステップS23において、減算部261が、算出された音量PA(t)から暗騒音推定部251から暗騒音通知信号DNLとして通知された暗騒音量レベルPDを差し引いて、補正音量CPA(t)を算出する。こうして算出された補正音量CPA(t)は、減算部261により一時的に記憶される。
次いで、ステップS24において、減算部261が、集音結果データAADの取り込みを開始してから所定時間TDMが経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS22へ戻る。以後、ステップS24における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS22〜S24の処理が繰り返される。なお、時刻T3から所定時間TDMが経過した時刻を時刻T5とする(図11参照)。
時刻T3から所定時間TDMが経過して時刻T5となり、ステップS24における判定の結果が肯定的となると(ステップS24:Y)、減算部261は、一時的に記憶していた補正音量CPA(t)(T3≦t≦T5)を閾値時刻特定部262へ報告する。この後、処理はステップS25へ進む。
ステップS25では、閾値時刻特定部262が、閾値時刻TTの特定処理を行う。この閾値時刻TTの特定処理に際して、閾値時刻特定部262は、まず、補正音量CPA(t)(T3≦t≦T5)の総時間積分値EGTを算出する(図11参照)。引き続き、閾値時刻特定部262は、総時間積分値EGTに上述した所定割合Cを乗じて、閾値ETHを算出する(図11参照)。そして、閾値時刻特定部262は、補正音量CPA(t)の時刻T3からの時間積分値REG(t)が閾値ETHとなった時刻を、閾値時刻TTと特定する(図11参照)。
閾値時刻TTの特定が終了すると、閾値時刻特定部262は、補正音量CP(t)(T3≦t≦TT)を特定結果IDRとして遅延推定部263へ送る。この後、ステップS25の処理が終了する。
次に、ステップS26において、遅延推定部263が、テスト音声が出力されたスピーカから集音位置までのテスト音声の伝搬遅延時間TTDを推定する。かかる伝搬遅延時間TTDを推定に際して、まず、遅延推定部263は、特定結果IDRとして受けた補正音量CP(t)(T3≦t≦TT)において、音量値が最大である時刻TRを求める。引き続き、ステップS27において、遅延推定部263が、時刻T4から時刻TRまでの時間が、テスト音声が出力されたスピーカから集音位置までのテスト音声の伝搬遅延時間TTDであると推定する。そして、遅延推定部263は、遅延測定が終了した旨及び測定結果TTDを、測定結果DMPとして制御部253へ報告する。こうして、最初の測定対象となる音出力ユニットに関する伝搬遅延時間の測定が終了すると、ステップS13の処理が終了し、処理は、図9のステップS14へ進む。
ステップS14では、測定結果DMPを受けた制御部253が、全ての音出力ユニット130C〜131SWに関する遅延測定が終了したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS15へ進む。
ステップS15では、次の測定対象となる音出力ユニットのために遅延測定用の信号経路の設定処理が行われる。このステップS15における信号経路の設定処理では、制御部253が、信号選択部114における次の測定対象となる音出力ユニット(例えば、音出力ユニット130L)に対応するスイッチ素子のB端子とC端子とを導通させるとともに、他のスイッチ素子のC端子がA端子及びB端子のいずれとも導通しないことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。
ステップS15の処理が終了すると、処理はステップS13へ戻る。以後、ステップS15における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS13〜S15の処理が繰り返される。
全ての音出力ユニット130C〜130SWに関する遅延測定が終了し、ステップS14における判定の結果が肯定的となると(ステップS14:Y)、処理はステップS16へ進む。このステップS16では、制御部253は、音出力ユニット130C〜130SWに関する遅延測定結果を解析し、各音出力ユニット130C〜130SWに供給される音出力データ信号AODC〜AODSWの遅延時間DLC〜DLSWを算出する。そして、この算出結果を、制御部253は、内部に記憶するとともに、遅延制御指令DLCとして、遅延部230へ向けて送る。
こうして、ステップS16の処理が終了すると、制御部253は、信号選択部114へ向けて、スイッチ素子241C〜241SWの全てについて、A端子とC端子とを導通させるべきことを指定する出力選択指令ODSを信号選択部114へ送る。この結果、音量調整部113からの調整音量信号CVDC〜CVDSWが、信号選択部114を介して、音出力データ信号AODC〜AODSWとして音出力ユニット130C〜130SWに供給されるようになる。こうして、「遅延時間設定モード」が終了すると、制御部253、ひいては音響装置100は、「再生モード」の動作を再開する。
かかる「再生モード」時には、制御部253は、利用者が再生すべきコンテンツの指定を支援するための案内画面を表示ユニット150に表示させる。そして、操作入力ユニット160に再生コンテンツを指定した再生指令が入力されると、制御部253は、ドライブユニット120を制御して、再生コンテンツのデータ読み出しを制御する。
また、制御部253は、「再生モード」時には、ドライブユニット120からのコンテンツデータ信号CTDに含まれるチャンネル信号LDC,LDL,LDR,LDSL,LDSR,LDSWの周波数特性補正の制御を行う。この周波数特性補正の制御に際して、制御部253は、周波数特性補正部220からの周波数特性補正の途中段階におけるデータ信号SSTを参照して周波数特性補正指令FCCを生成し、周波数特性補正部220へ送る。
また、制御部253は、「再生モード」時には、音量調整部114を制御して、音出力ユニット130C〜130SWのスピーカ131C〜131SWのからの出力音量を調整する。かかる出力音量の制御に際して、制御部253は、操作入力ユニット160に入力された音量指定や、集音ユニット140による集音結果から得られる騒音レベルに基づいて音量調整指令VLCを生成し、音量調整部114へ送る。
上記のような「再生モード」時における制御部253による制御のもとで、音コンテンツが再生され、再生された音声が、音響装置100の利用者である聴取者に提供される。
以上説明したように、本実施形態では、集音位置における暗騒音量レベルを推定し、推定された暗騒音量レベルを差し引いて補正音量を算出する。引き続き、テスト音声の出力後における補正音量の時間積分値が所定の閾値に達する閾値時刻を特定する。そして、テスト音声の出力後から閾値時刻までの期間において、補正音量が最大となる時刻を集音位置へのテスト音声の直接波の到達時刻と推定する。この到達時刻の推定結果に基づいて、テスト音声を出力したスピーカから集音位置までの伝搬遅延時間と推定する。
したがって、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図る際に有用な遅延時間測定を行うことができる。この結果、本実施形態によれば、マルチチャンネル方式を採用しつつ、聴取位置における各チャンネルの音声の同期を精度良く図ることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ドライブユニット120をCDのドライブユニットとしたが、固定ディスクやDVDのドライブユニットとすることもできる。さらに、ラジオ放送や地上デジタルテレビ放送等の放送波受信回路や外部機器の音声入力回路等とすることもできる。
また、上記の実施形態では、各音出力ユニットにおけるスピーカについては、1ウェイスピーカシステムを想定したが、各音出力ユニットにおいて2ウェイスピーカシステムや、3ウェイスピーカシステムを採用することもできる。
また、上記の実施形態では、5.1chサラウンド方式を採用し、6つの音出力ユニットを備えることとしたが、音コンテンツの読み出し結果であるオーディオ信号を適宜分離もしくは混合し、5つ以下又は6つ以上のスピーカから音出力をさせるようにすることもできる。
また、上記の実施形態では、音量がパワーの次元を有することを想定したが、パワーに代えて、音圧の絶対値や実効値を音量として処理することもできる。
また、上記の実施形態では、閾値ETHを、補正音量CPA(t)(T3≦t≦T5)の総時間積分値EGTに所定割合Cを乗じて算出した。これに対し、テスト音声の総音量を予め定めておき、テスト音声の総音量に、別途に定められた定数を乗じて閾値ETHを算出するようにしてもよい。
なお、上記の実施形態における制御ユニット110の一部又は全部を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、読出専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 音響装置
112 … チャンネル信号処理部(調整手段)
115 … テスト信号発生部(テスト音声発生手段)
131C〜131SW … スピーカ
140 … 集音ユニット(集音手段)
230 … 遅延部(遅延手段)
251 … 暗騒音推定部(暗騒音推定手段)
261 … 減算部(減算手段)
262 … 閾値時刻特定部(特定手段)
263 … 遅延推定部(遅延推定手段)
CR … 車両(移動体)
112 … チャンネル信号処理部(調整手段)
115 … テスト信号発生部(テスト音声発生手段)
131C〜131SW … スピーカ
140 … 集音ユニット(集音手段)
230 … 遅延部(遅延手段)
251 … 暗騒音推定部(暗騒音推定手段)
261 … 減算部(減算手段)
262 … 閾値時刻特定部(特定手段)
263 … 遅延推定部(遅延推定手段)
CR … 車両(移動体)
Claims (9)
- 音声コンテンツの再生結果を複数のスピーカから音場空間へ向けて音声を出力する音響装置であって、
前記音場空間の所定の集音位置で集音を行う集音手段と;
前記複数のスピーカのいずれからも音声を出力していない状態における前記集音手段による集音結果に基づいて、前記音場空間の暗騒音量レベルを推定する暗騒音推定手段と;
前記複数のスピーカの中から選択されたスピーカである選択スピーカからテスト音声を出力させるテスト音声発生手段と;
前記テスト音声の出力後における前記集音手段の集音結果に基づいて得られる各時刻の集音音量から、前記暗騒音推定手段により推定された前記暗騒音量レベルを差し引いた各時刻の補正音量を算出する減算手段と;
前記補正音量の時間積分値が所定の閾値に達した閾値時刻を特定する特定手段と;
前記テスト音声の出力時刻から前記閾値時刻までの期間内で、前記補正音量が最大となる時刻を、前記テスト音声の前記集音手段への到達時刻と推定し、前記テスト音声の出力時刻から前記推定された到達時刻までの時間を、前記選択スピーカからの前記集音手段までの前記テスト音声の伝搬遅延時間と推定する遅延推定手段と;
を備えることを特徴とする音響装置。 - 前記所定の閾値は、前記テスト音声の出力後における前記補正音量の所定時間にわたる積分値に所定割合を乗じて得られる値である、ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
- 前記テスト音声発生手段は、前記選択スピーカから所定の総音量のテスト音声を出力させ、
前記所定の閾値は、前記所定の総音量に所定割合を乗じて得られる値である、
ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。 - 前記複数のスピーカのそれぞれに関する前記遅延推定手段による推定結果に基づいて、前記音声コンテンツの再生時における前記複数のスピーカ相互間における音声出力タイミングを調整する調整手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の音響装置。
- 前記調整手段は、前記音声コンテンツに由来し、前記複数のスピーカのそれぞれに供給される音声信号ごとに、前記遅延推定手段による推定結果に基づいて定められた遅延を付与する遅延手段を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の音響装置。
- 移動体に搭載される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の音響装置。
- 所定の音場空間における暗騒音量レベルを推定する暗騒音推定工程と;
前記音場空間に向けて音声を出力する複数のスピーカの中から選択されたスピーカである選択スピーカからテスト音声を出力するテスト音声出力工程と;
前記テスト音声の出力後における集音結果として得られる集音音量から、推定された前記暗騒音量レベルを差し引く減算工程と;
前記テスト音声の出力後において、前記減算工程において得られた補正音量の時間積分値が所定の閾値に達した時刻を特定する特定工程と;
前記テスト音声の出力後から前記特定工程において特定された時刻までの期間内で、前記補正音量が最大となる時刻を、前記選択スピーカからの前記テスト音声の集音位置への到達時刻と推定する到達時刻推定工程と;
前記テスト音声の出力時刻から前記到達推定時刻工程において推定された到達時刻までの時間を、前記選択スピーカから前記集音位置までの前記テスト音声の伝搬遅延時刻と推定する遅延推定工程と;
を備えることを特徴とする遅延測定方法。 - 請求項7に記載の遅延測定方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする遅延測定プログラム。
- 請求項8に記載の遅延測定プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録された記録媒体。
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JP2007062936A JP2008227891A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 音響装置、遅延測定方法、遅延測定プログラム及びその記録媒体 |
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