JP2008225738A - Nc工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工作機械本体10Aが複数の治具ベース31〜33を備え、該治具ベース31〜33に、ワークを固定した治具60を位置決め可能とし、加工プログラムに従って治具60上のワークの加工を実行可能としたNC工作機械において、工作機械本体10Aの座標系で特定される、各治具ベース31〜33に固有の複数の第1基準座標データと、複数の治具60に対応し、各治具60に固有の加工基準を特定する第2基準座標データとを備え、いずれかの治具ベース31〜33に治具60がセットされた場合、第1基準座標データ及び第2基準座標データに基づいて、加工プログラムで使用される加工基準座標を演算する演算処理装置14を備えるようにした。
【選択図】図1
Description
この種のNC工作機械には、例えば、工具の自動交換機能(ATC)を備えたマシニングセンタがあり、マシニングセンタは、フライス削り、穴あけ、中ぐり、ねじ立て等の一連の作業を、一度の工作物取り付けで、完全にあるいはほぼ完全に行うことが可能である。
また、上記構成において、前記加工プログラムが記録媒体に記録され、前記工作機械本体側には記録媒体の受け入れスロットを備えることが好ましい。この構成によれば、工作機械本体側が受け入れスロットに装填された記録媒体を介して加工プログラムを容易に取得することができる。
また、上記構成において、前記演算処理装置の演算処理プログラムが記録媒体に記録され、前記工作機械本体側には記録媒体の受け入れスロットを備えることが好ましい。この構成によれば、工作機械本体側が受け入れスロットに装填された記録媒体を介して演算処理プログラムを容易に取得することができる。
また、上記構成において、前記加工プログラム、前記第2基準座標データ、及び前記演算処理装置の演算処理プログラムのいずれかを通信回線を介して外部から取得する取得手段を備えるようにしてもよい。この構成によれば、通信回線に接続された外部機器に加工プログラム、第2基準座標データ及び演算処理プログラムを格納して、この外部機器から必要なデータを取得する構成を適用することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るNC工作機械システム(ラインシステム)を示す図である。
このNC工作機械システム1は、親機のマシニングセンタ(M/C1)10と、一台又は複数台の子機(増設)のマシニングセンタ(M/C2)20とを備えている。マシニングセンタ10、20は、工具の自動交換機能を備えたNC工作機械であり、工作機械本体10A、20Aが備える主軸の先端に取り付ける工具を自動交換することによって、テーブル11、21上のワーク(被削物)に対し、一台で複合的な加工が可能である。
NC制御装置12は、作業者が操作する操作装置13と、各種演算処理を行う演算処理装置14と、メインプログラム等の各種データを記憶する記憶装置15とを備え、演算処理装置14がメインプログラムを実行して、操作装置13を介して入力された各種指示に応じてマシニングセンタ10の各部を制御する。
これら治具ベース31〜33には、治具固定用のボルト締結用の挿入孔等の締結具(図示せず)と、治具位置決め用の位置合わせピンPとを備えており、各治具ベース31〜33の位置合わせピンPの径と、これらピンPの取り付けピッチとが同一に形成される。なお、これら治具ベース31〜33は、同一のものを使用してもよいし、上記条件を満たす範囲で異なる形状のものを使用してもよい。また、図1において、値G54、G55及びG56は、マシニングセンタ10が治具ベース31〜33を特定する情報であると共に、マシニングセンタ20が治具ベース31A〜33Aを特定する情報である。
このマシニングセンタ10、20では、ワーク固定用の複数の治具60を位置決め可能な複数の治具ベース31〜33、31A〜33Aを備えるため、複数種類の部品を製造する場合に、例えば、治具ベース31〜33に治具61〜63を固定して3種類の部品を生産した次の日に、治具ベース31〜33に治具64〜66を固定して異なる3種類の部品を生産する、といったように、その日の生産目標に合わせて臨機応変に治具60の配置レイアウト(ワークの配置レイアウト)を変更することが可能である。
治具(JIG1)60が治具ベース(JIGBase1)31に固定された場合には、この治具60に関連づけられた記録メディア50は、外部メディア読取装置41に装填される。一方、治具60が治具ベース(JIGBase2)32に固定された場合には、この治具60に関連づけられた記録メディア50は外部メディア読取装置42に装填される。また、治具60が治具ベース(JIGBase3)33に固定された場合には、この治具60に関連づけられた記録メディア50が外部メディア読取装置43に装填される。
図2に示すように、メインプログラムには、各治具ベース31〜33に固有の治具ベース基準座標データ(第1基準座標データ)A〜Jを示すパラメータと、サブプログラムを外部メディア読取装置41〜43から順に呼び出すプログラムとが記述されている。
ここで、治具ベース基準座標データA〜Jは、このマシニングセンタ10で加工時に使用する座標系(工作機械本体10Aの座標系)で特定される座標データである。
ここで、治具60に固有の加工基準の位置を、マシニングセンタ10で加工時に使用する座標(工作機械本体10Aの座標系)で特定した場合、その治具60がセットされる治具ベース31〜33に応じて異なる座標となる。このため、本構成では、この加工基準位置を特定する治具基準座標データa〜cを、このマシニングセンタ10で加工時に使用する座標データとするのではなく、上記治具ベース基準座標データA〜Jに対応する工作機械本体10Aの座標系上の座標を加工基準座標に補正する補正データとしている。
より具体的には、図3に示す値aが、X座標の相対変位量であり、値bがY座標の相対変位量であり、値cがZ座標の相対変位量であり、すなわち、これら相対変位量によって治具ベース基準座標データA〜Jに対応する座標を加工基準座標に補正する補正量を示すことができる。
なお、各記録メディア50に記録される各サブプログラムにおいて、図4に示すように、加工座標演算処理プログラムP1〜P3は共通であり、それ以外の情報、つまり、治具基準座標データa〜c及び加工プログラムP4が異なる。
また、加工座標演算処理プログラムP1は、上記演算式(1)を、図4に示すように、スロットCS1(C/S1)に記録メディア(=カード)50が装填されている場合に実行させる処理を含んでいる。
また、加工座標演算処理プログラムP2は、上記演算式(2)を、スロットCS2(C/S2)に記録メディア(=カード)50が装填されている場合に実行させる処理を含んでいる。
また、加工座標演算処理プログラムP3は、この演算式(3)を、スロットCS3(C/S3)に記録メディア(=カード)50が装填されている場合に実行させる処理を含んでいる。
このサブプログラムの呼び出しにおいて、NC制御装置12は、スロットCS1に記録メディア(=カード)50が差し込んであるか否かを判断する(ステップS4)。
このサブプログラムの呼び出しにおいて、NC制御装置12は、スロットCS2に記録メディア(=カード)50が差し込んであるか否かを判断する(ステップS8)。
したがって、段取り替えにより所定の治具60を別の治具ベース31〜33に固定した場合でも、作業者が手動で加工座標を再設定する必要がなく、段取り替え作業を短時間化かつ容易化することができる。
また、各治具ベース31A〜33Bに治具60を固定した場合に、この工作機械本体20Aの座標系で、各治具ベース31A〜33Bに固有の治具ベース基準座標データ(第1基準座標データ)A〜Jと、治具60に固有の加工基準位置(第2基準座標データ)a〜cとの相対変位量についても、親機で各治具ベース31〜33に治具60を固定した場合と各々同一に構成され、つまり、親の工作機械本体10Aと共通に構成されている。
この工作機械本体20Aの記憶装置15には、親の工作機械本体10Aと同様にメインプログラムが記憶されており、このメインプログラムには、上述の治具ベース基準座標データ(第1基準座標データ)A〜Jを示すパラメータと、サブプログラムを外部メディア読取装置41A〜43Aから順に呼び出すプログラムとが記述されている。
したがって、子機のマシニングセンタ20においても、段取り替えにより所定の治具60を別の治具ベース31A〜33Aに固定した場合、加工基準座標を手動入力する必要がなく、段取り替え作業を短時間化かつ容易化することができ、すぐに加工を実施することができる。
これによれば、子機のマシニングセンタ20では精度確認作業が不要になり、或いは、その作業を簡略化することができ、親機のマシニングセンタ10と同等の精度確認されたものと同品質の製品を製造することができる。
このため、例えば、子機のマシニングセンタ20を親機と離れた遠隔地に設置する場合でも、その設置時の精度確認作業等を省略或いは簡略化することができ、かつ、親機で精度保証された製品と同じ品質の製品を製造することができる。
これらにより、本構成では、どのマシニングセンタ10、20でも、また、どの治具ベース31〜33、31A〜33Aでも、治具60と記録メディア50とを持って行けば、即加工ができ、一発良品化が可能なNC工作機械システムを実現することができる。
図7は第2実施形態に係るNC工作機械システム1を示す図である。なお、この図においては、親機のマシニングセンタ10だけを示している。以下、第1実施形態と略同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる部分を説明する。
このNC工作機械システム1では、工作機械本体10Aに取り付けられる治具ベース31〜33に、各治具ベース識別用のバーコード(治具ベース識別情報)131、132、133が各々設けられると共に、治具60にも、治具識別用のバーコード(治具識別情報)161、162、163、・・・が各々設けられ、工作機械本体10Aは、外部メディア読取装置141として複数のUSB(Universal Serial Bus)のスロットCS0〜CS3を備えたUSB装置を備えている。以下、バーコード161〜163・・・を特に区別する必要がない場合はバーコード160と表記する。
この外部メディア読取装置141には、上記バーコードを読み取るバーコードリーダ145がUSB接続されると共に、治具60に対応するサブプログラムを記憶した記録メディア(USB1)150がUSB接続される。
また、上述の実施形態では、マシニングセンタに本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、複数の治具ベースを取り付け可能なマシニングセンタ以外の他のNC工作機械に適用してもよい。
10、20 マシニングセンタ(NC工作機械)
10A、20A 工作機械本体
11、21 テーブル
12 NC制御装置
13 操作装置
14 演算処理装置
15 記憶装置
31〜33、31A〜33B 治具ベース
41〜43、41A〜43A 外部メディア読取装置
50〜56 記録メディア(記録媒体)
60〜66 治具
A〜J 治具ベース基準座標データ(第1基準座標データ)
a〜c 治具基準座標データ(第2基準座標データ)
CS1〜CS3 スロット(受け入れスロット)
P1〜P3 加工座標演算処理プログラム(演算処理プログラム)
P4 加工プログラム
Claims (9)
- 工作機械本体が複数の治具ベースを備え、該治具ベースに、ワークを固定した治具を位置決め可能とし、加工プログラムに従って前記治具上のワークの加工を実行可能としたNC工作機械において、
前記工作機械本体の座標系で特定される、各治具ベースに固有の複数の第1基準座標データと、前記複数の治具に対応し、各治具に固有の加工基準を特定する第2基準座標データとを備え、いずれかの治具ベースに治具がセットされた場合、前記第1基準座標データ及び前記第2基準座標データに基づいて、加工プログラムで使用される加工基準座標を演算する演算処理装置を備えた、
ことを特徴とするNC工作機械。 - 前記第2基準座標データは、前記第1基準座標データに対応する前記工作機械本体の座標系上の座標を加工基準座標に補正する補正データであることを特徴とする請求項1に記載のNC工作機械。
- 前記加工プログラムが記録媒体に記録され、
前記工作機械本体側には記録媒体の受け入れスロットを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のNC工作機械。 - 前記第2基準座標データが記録媒体に記録され、
前記工作機械本体側には記録媒体の受け入れスロットを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のNC工作機械。 - 前記演算処理装置の演算処理プログラムが記録媒体に記録され、前記工作機械本体側には記録媒体の受け入れスロットを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のNC工作機械。
- 前記スロットは前記治具ベースの個数に対応して備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載のNC工作機械。
- 前記加工プログラム、前記第2基準座標データ、及び前記演算処理装置の演算処理プログラムのいずれかを通信回線を介して外部から取得する取得手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のNC工作機械。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の工作機械本体を親機とし、該親機と同じ座標系を有し、かつ該座標系上の任意の座標を固有の第1基準座標データとして持つ治具ベースを有した子機となる工作機械本体を備え、
親機で、治具ベース上に治具を固定し、該治具に固定されたワークに実際に加工を加えて、精度確認した加工プログラム、及び、治具の加工基準を特定する第2基準座標データを、子機で使用される治具に付加すると共に、
子機の治具ベースに該治具がセットされた場合、前記第1基準座標データ及び前記第2基準座標データに基づいて、精度確認した加工プログラムで使用される加工基準座標を演算する演算処理装置を備えた、
ことを特徴とするNC工作機械。 - 子機の治具ベースの個数が親機の治具ベースの個数以下であることを特徴とする請求項8に記載のNC工作機械。
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