JP2008225042A - 感圧接着シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】個人情報などが印字された圧着葉書などの感圧接着シートにあって、開封時の引き剥がしによって記録文字などの情報が判読しづらくなる不具合を解消できる画像形成装置を用いた感圧接着シートの製造方法を提供する。
【解決手段】感圧接着剤を含有する感圧接着剤トナーを用いて文字画像などの感圧接着剤トナー像が形成されたシートPを定着部F(感圧接着シートの製造装置)に送る。そのシートPを定着ベルト57に密着させた状態で加熱および加圧して定着させる。定着ベルト57の熱膨張率を好ましくは6〜10×10−5/℃のものに設定している。定着後、定着ベルト57からシートPを剥離させると、そのシートPの表面では感圧接着剤が一様に分散され、記録されている文字画像など重要な情報が判読不良になるのを防げる。すなわち、定着ベルト57の熱膨張率が好適に設定されているので、感圧接着剤が感圧接着シートPの表面に一様に分散され、ムラ(斑)が生じるのを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複写機などの画像形成装置を用い、個人情報など記録した通信面を内側に折り重ねて圧着して封印する郵便はがきのごとき感圧接着シートの製造方法に関する。詳しくは、感圧接着剤含有の電子写真用トナー(以下、「感圧接着剤トナー」という)を用いてシート通信面に情報画像を形成して記録でき、記録後は二つ折りなどして圧着して封印できるようにした感圧接着シートの製造方法に関するものである。
近年、個人情報保護のもとに、個人情報などを印字して記録した通信面を内側に二つ折りなどして折り畳み、感圧接着による封印状態にして通信する郵便はがきや通信はがきなどの感圧接着シートの需要が増加している。従来、感圧接着シートによるはがきに情報の画像を形成するには、一般には感圧接着剤含有のインキを用いてオフセット印刷や活版印刷技術で印刷が行われ、それに関する多くの技術が報告されてきた(たとえば、非特許文献参照)。しかし、オフセット印刷などの場合、印刷製版をその度ごとに作成して交換を要することから、面倒でしかも短期に多種少量の印刷に対応するには難がある。
そうしたオフセット印刷などの課題に対応できるものとして、最近ではレーザビームプリンタなどの画像形成装置が注目されている。すなわち、準備したシートを画像形成部に送って感圧接着剤トナーを用いて情報に応じた画像を形成し、画像定着後に後工程に送って折り畳み、圧着して封印できるようにした感圧接着シートを製作するものである。
具体例として、特許文献1に開示された画像形成装置では、記録紙として用いるメールフォーム用のシートを準備し、そのシートに通常トナー像を転写して定着ローラで加熱しつつ加圧してトナー像を定着する。また、通常トナーとは別に、熱によって半溶状態などになって粘着性をもつように設定された再剥離可能な接着トナー像を形成しておき、感圧接着による封印時に「粘着層」として機能させる。それによって、予めシートに粘着層を設ける必要がなくなる。
さらに他例として、再剥離ができる接着層となる接着トナー像を形成するトナー粒子のガラス転移点を30℃〜50℃に設定し、融点70℃〜110℃に設定する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
日本接着協会編、「接着ハンドブック」、第2版、日刊工業新 聞社、昭和46年5月30日、第396〜420頁 特開2003−149994号公報 特開2006−78545号公報
しかしながら、特許文献1,2のそれぞれ画像形成装置では、感圧接着剤トナーを用いて形成したトナー像を加熱して接着層とする技術が開示されているが、次の点に課題が残されている。
すなわち、接着トナー像を形成するトナー粒子のガラス転移点や融点を設定するだけでなく、画像定着部に備わる定着ローラあるいは定着ベルトの材質に好適な熱膨張率のものが選択されていることが要求される。
剥離させる際、それらローラ部材やベルト部材の表面材質に熱膨張率の不適なものが設定されていると、感圧接着剤トナー中の感圧接着剤が均一に好適に分散しない。結果、感圧接着剤の不均一で感圧接着シートの表面に画像ムラ(斑)や感圧接着剤ムラが発生しやすくなる。そうしたムラのために、二つ折りなどにして封印後、ユーザがその感圧接着シートを剥がして開封しようとすると、重要な部分の記録された文字情報などが判読しづらい状態で引き剥がされる。また、画像ムラによって画質が低下したものとなってしまうことがある。
以上から、本発明の目的は、個人情報など印字した通信面を内側に感圧接着して封印して再剥離可能な郵便はがきなどを代表例に、感圧接着面を再剥離して開封時、判読に困らない良質の画像を維持できる感圧接着シートの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、画像情報に基づいて記録材上にトナー画像を形成する第1トナー形成部と、前記記録材を再剥離可能に圧着するための圧着トナーを前記記録材上に形成する第2トナー形成部と、前記第1及び第2トナー形成部により記録材上に形成されたトナーを加熱及び加圧するベルトと、前記ベルトの前記記録材を搬送する搬送部を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、前記ベルトの熱膨張率が6×10−5/℃〜10×10−5/℃に設定されていることを特徴とするものである。
本発明の感圧接着シートの製造方法によれば、感圧接着シート作成用に準備された記録材上に画像形成装置の画像形成部で形成した感圧接着剤トナー像を転写後、その記録材を定着手段に送って密着させた状態で加熱および加圧し、感圧接着シートとして作成する。定着手段の材質を好適な熱膨張率のものに設定することにより、感圧接着剤トナー中の感圧接着剤が均一に分散されて感圧接着剤ムラを生じず、また画像ムラも発生しない。したがって、感圧接着シートをその感圧接着面から剥がして開封する際、判読容易な良質の画像が得られる。
以下、本発明に係る感圧接着シートの製造方法の好適な実施形態について、画像形成装置の具体例としてカラーレーザビームプリンタを使用した場合の感圧接着シートの製造方法を図に基づいて詳細に説明する。
≪画像形成装置≫
図1は、転写式電子写真方式プロセスを用いて画像形成を行うカラーレーザビームプリンタのプリンタ本体1を示し、5つの画像形成ステーション1Pa,1Pb,1Pc,1Pd,1Peを配列したタンデム構造である。
それら画像形成ステーションには主要部を構成する静電潜像の像担持体である感光体ドラム1a,1b,1c,1d,1eが備わっている。各感光体ドラムの周囲には現像装置などが配置され、画像情報に基づいて各画像形成ステーションの感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像剤(以下、「トナー」という)を用いて顕像化する。顕在化されたトナー像は、記録材としての記録紙などのシートP上に転写される。このシートPは工程終了後に「感圧接着シートPA」として作成されるものである。この場合、5つのうちの4つの画像形成ステーション(第1トナー形成部)1Pa〜1PdにおいてたとえばY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色成分トナーを用いた画像の形成が行われる。また、5つのうちの最下流の1つ画像形成ステーション1Peでは、図2および図3に示すように、本実施形態の感圧接着剤を含有した圧着トナー21すなわち「感圧接着剤トナー21」を用いて隠蔽文章などの画像を形成する。この感圧接着剤トナー21の成分などについては後述する。
Y,M,C,K各色トナーに対応するそれぞれの感光体ドラム1a〜は図1中矢印で示す時計回り方向に回転する。図示のY,M,C,K順に限定されるものではないが、感圧接着剤トナー21を用いて画像を形成する画像形成ステーション(第2トナー形成部)1Peは画像の形成順でいう最終の最下流位置に配置するのが原則とされている。
また、プリンタ本体1では、感光体ドラム1a〜の周囲にドラム回転方向に沿って帯電ローラ12a〜、現像装置2a〜およびクリーナ4a〜などが順に配置されている。また、各感光体ドラム下方にはすべての画像形成ステーション1Pa〜1Peが共用する転写部3が配置されている。転写部3は、シートPを順送りして搬送する無端状の搬送ベルト31を有し、搬送ベルト31を挟んで感光体ドラム1a〜のそれぞれに対向する位置に配置された転写ローラ3a〜を有して構成されている。各現像装置2a〜にはY,M,C,K色のトナーが供給装置6a〜によって所定量になるように充填されている。現像装置2eだけは最終画像が形成できる位置で感圧接着剤トナー21の供給装置6eから所定量を供給される。
以上の構成から、プリンタ本体1の作動が開始されると、給紙カセット61または手差し給紙部62から供給されたシートPは、搬送ベルト31によって各画像形成ステーション1Pa〜1Peへと順次搬送される。感光体ドラム1a〜1e上に形成されたY,M,C,Kの「各色成分トナー像」と「感圧接着剤トナー像」が搬送ベルト31で搬送中のシートP上に転写される。感圧接着剤トナー21を用いる最下流の画像形成ステーション1Peでは、通常、必要接着面積の画像信号に応じて図1にて示すレーザスキャナLによって走査露光がなされ、感光体ドラム1e上に静電潜像が形成される。レーザスキャナ部5eには光源装置やポリゴンミラーなどが設置されていて、光源装置から発せられたレーザ光をポリゴンミラーを回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズによって感光体ドラム1eの母線上に集光する。それにより、感光体ドラム1e上に画像信号に応じた潜像が形成され、所定の領域に感圧接着剤トナー21による画像が均一に形成される。
なお、上記感光体ドラム1a〜1eはそれぞれに対応するクリーナ4a〜4eによって転写残トナーをクリーニングして除去され、引き続き次回の静電潜像の形成に備える。搬送ベルト31上に残留したトナーやその他の異物は、搬送ベルト31の表面にクリーニングウエブ(不織布)19を当接させて拭い取るようにしている。また、図1で示されたプリンタ本体1にあっては、両面印刷も可能であり、片面だけ感圧接着させることも可能である。
≪感圧接着シートの製造方法≫
転写部3において感圧接着剤トナー像が転写されたシートPは搬送ベルト31から分離され、図1に示すように、本実施形態の要部である像加熱装置9に送り込まれる。ここでの処理を終えると感圧接着シートPAとして二つ折りなどされる次の後処理工程にむけて排紙される。
転写後のシートPは像加熱装置9に送られると、シートP上の感圧接着剤トナー像を加熱しながら加圧して定着し、定着後は排紙トレイ18に排出される。排出されたシートPは最表面層に感圧接着剤22を有する感圧接着シートPAとして供される。像加熱装置9では、最表面層の感圧接着剤22の層厚さや表面ムラを抑えるための設定が重要な要件となっており、以下それについて説明する。
電子写真用光透過性被記録紙として準備されたシートP上に感圧接着剤トナー像の転写後、像加熱装置9ではそのシートPに対して感圧接着シートPAとしての機能を付加するために感圧接着剤トナー像に熱を加えて粘着性を生み出すべく定着処理する。感圧接着シートPAとしての機能とは、再剥離可能に圧着可能であることをいう。
それによって、図3(b)に示すように、感圧接着剤22をシートPの表面上に分散させる。但し、感圧接着剤トナー21を用いたトナー像は最終画像として形成されるものである。そうすることで、図2および図3(a)に示すように、トナー中心部に内包されている感圧接着剤22が表面に分散されて感圧接着剤層を形成する。感圧接着剤22を最表面層として形成する理由は、Y,M,C,K各色成分トナーで形成された画像上に感圧接着剤トナー21を用いた感圧接着剤トナー像が覆い被さって形成されるようにするためである。図3(b)は、感圧接着剤トナー21を用いた感圧接着剤トナー像が像加熱後に最表面層となる感圧接着剤22の表面に均一に形成された状態を示す。かくして、シートPは隠蔽文章を記録した通信面を内側にして二つ折りなどされ、粘着性を有するその内側の通信面を感圧接着して封印でき、かつ再び剥離して開封できる感圧接着シートPAとしての機能を果たし得るものとなる。
≪感圧接着シートの製造装置≫
つぎに、上記製造方法にて感圧接着シートPAを作成する製造装置である像加熱装置9の構成について、二つ折りなどして感圧接着して封印される前の段階までの感圧接着シートPAを作成する実施形態の数例について説明する。
(第1実施形態)
図4は、製造装置の第1実施形態である定着部(定着手段)Fを示し、この場合感圧接着剤トナー21を表面層に有効に分散させる無端状ベルト構造のものである。
定着部Fは、定着ローラ51と、この定着ローラ51から所定間隔を保ち配設された分離ローラ53と、この分離ローラ53の上側に配設されたテンションローラ54などの回転ローラを有している。これら各ローラ間に無端状の定着ベルト57が捲回され、この定着ベルト57を挟んで上記定着ローラ51に対峙して圧接される第2の定着ローラとして機能する加圧ローラ52を有している。そして、定着ローラ51と分離ローラ53との間の定着ベルト部分において、分離ローラ53寄りの位置で定着ベルト外面に当接させて配設された補助ローラ55を有する。また、定着ベルト57の内側には、定着ローラ51と分離ローラ53との間に配設され、定着ローラ51と分離ローラ53との間の定着ベルト部分を空冷する冷却ファン56が配置されている。それら定着ローラ51、加圧ローラ52、分離ローラ53、テンションローラ54、補助ローラ55は互いに実質的に並行に配列されている。
加えて、定着ローラ51の構造は、同心円状の3層構造となっており、中心部のコア部分と、弾性層と、離型層とで成形されている。コア部分はたとえば直径44mm、厚さ5mmのアルミニウム製中空パイプによって形成されている。弾性層はJIS−A硬度50度、厚さ300μmのシリコンゴムによって成形されている。離型層は厚さ50μmのPFAによって形成されている。コア部分の中空パイプ内部には熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプ58が配設されている。加圧ローラ52もまた同様の構成となっている。弾性層は厚さ3mmのシリコンゴムを用いる。これは弾性層により定着ニップを稼ぐためである。図中の符号59は加圧ローラ52のコア部分の中空パイプ内部に配設した熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプを示す。
定着ローラ51と加圧ローラ52は対向して定着ベルト57を挟み、相対に所定の押圧力で圧接して定着ニップ部Nを形成し、シート搬送方向において所定幅の加熱部および加圧部を形成している。加圧ローラ52の加圧力は総圧でたとえば490Nに設定することができる。このときの定着ニップ部Nの幅はたとえば5mmである。
定着ローラ51の表面硬度は定着ベルト57に合わせて選択する必要がある。定着ローラ51の表面硬度が過剰に軟らかければ定着ベルト57が撓んでしまい、トナーをシートPの受容層の中に十分に押し込めずトナー段差が残ったままになってしまう。定着ベルト57の硬度が柔らかい場合は、定着ローラ51の硬度は十分硬くするために、弾性層を薄くしたり、無くしてPFAの表層のみとしたり、さらには、アルミニウムのコアのみで用いることができる。定着ベルト57はシロキサン変性ポリイミドの単層のベルトを用いることができる。定着ベルト57のベルト表面つまりシートPに接する面は鏡面状に形成されている。
定着ローラ51は不図示の駆動機構によって矢印で示す時計回り方向に所定の速度で回転する。定着ローラ51の回転によって定着ベルト57は矢印で示す時計回り方向に回動して走行する。分離ローラ53,テンションローラ54,加圧ローラ52,補助ローラ55は定着ベルト57の回動に従動して回転駆動する。テンションローラ54は定着ベルト57に所定の張力を付与している。
定着ローラ51と加圧ローラ52のそれぞれ内部に配設されるハロゲンランプ58,59に電力が供給され、ハロゲンランプ58,59の発熱によって定着ローラ51と加圧ローラ52が内部加熱されて表面温度が上昇する。定着ローラ51と加圧ローラ52の表面温度はそれぞれ不図示のサーミスタによって検知され、それらのサーミスタの検知温度が不図示の制御回路にフィードバックされる。制御回路は各サーミスタから入力する検知温度が定着ローラ51と加圧ローラ52とにそれぞれ設定した所定の温度に維持されるようにハロゲンランプ58,59に供給する電力を制御する。すなわち、定着ローラ51と加圧ローラ52を所定の温度に温調管理して定着ニップ部Nの温度を所定の定着温度に温度管理する。
転写ベルト機構E側から定着部F側に送られた表面に未定着トナー画像を有するシートPは定着ニップ部Nの定着ベルト57と加圧ローラ52との間に導入され、定着ニップ部Nに挟持された状態で紙送りされる。シートPの未定着トナー画像面が定着ベルト57の表面に対面する。シートPは定着ニップ部Nで挟持して搬送されつつある過程で加熱および加圧され、各色トナー像の混色ならびに永久定着が施される。
そうした定着作動中、シートPは定着ベルト57の表面に密着した状態で一体に移動し、定着ニップ部Nと分離ローラ53との間の冷却領域(冷却部)Rの区間を搬送される。即ち、定着ニップ部Nと分離ローラ53との間にあるベルトの搬送部が冷却されている。この冷却領域Rにおいて、シートPは冷却ファン56とそれを囲むエアダクト56a内を流れるエアフローの作用により強制的に効率よく冷却される。冷却ファン56によって紙面に直交するエアフローが生じている。
定着ベルト57の表面に密着状態のシートPは冷却領域Rで十分に冷却され、分離ローラ53の位置に至り、分離ローラ53によって定着ベルト57の曲率が変化する領域で定着ベルト57の表面から自らの剛性度の強さ(腰の強さ)で剥離(曲率分離)される。
補助ローラ55は、定着ローラ51から分離ローラ53に至る定着ベルト冷却領域Rの途中でシートPが定着ベルト57の表面から剥離して画像が乱れたり、搬送不能になるのを防止する。また、冷却手段56はファンに限らず、接触型の冷却方式でももちろん可能である。ペルチェ素子、ヒートパイプ、水の循環型冷却装置を用いることもできる。
ここで、かかる第1実施形態の定着部Fでは要旨となる以下の条件設定がなされている。
感圧接着剤トナー21を一度溶解状態にしてから冷却しつつシートPを定着ベルト57から剥離させるため、感圧接着剤22による表面ムラ(斑)が殆ど見られない無状態のかなりの鏡面を作り出すことが可能となる。それを実現するために定着ベルト57には本実施形態の主旨である以下の条件設定がなされる。
定着ベルト57の材質としては、熱膨張率で6×10−5/℃〜10×10−5/℃の温度範囲に収まるものが好ましい。熱膨張率が6×10-5℃より小さい場合は結着樹脂の方の変化が大きく、定着ベルト57に感圧接着剤トナー21が馴染み難く、感圧接着剤22が良好に分散せずにムラ(斑)が生じやすくなる。逆に、10×10-5/℃より大きくなると今度は、ベルトが結着樹脂に対して膨張しすぎてこれまた表面ムラ発生の原因となる。
熱膨張率を測定する試験方法としてはASTM試験法D696を適用することができる。この方法では、ある程度の試験片の大きさが必要となる。そこで、熱膨張率の測定は定着ベルト57上に2つの測定点をマーキングして、定着ローラ51上で加熱された状態での2点間距離と、分離ローラ53上で冷却された状態での2点間距離との比で求めることができる。
感圧接着シート製造装置として、この第1実施形態のような定着部Fを用いた場合、感圧接着剤トナー21の結着樹脂23がある温度の熱で溶解するとともに、感圧接着剤22が表層に均一に分散して形成される。同時に、その感圧接着剤22がある程度軟らかくなって層と成し、定着ベルト57の表面に密着される。その後、シートPは定着ベルト57に密着した状態で定着ベルト57の走行に伴い冷却領域Rを搬送され、強制的に効率良く十分に冷却される。そして、分離ローラ53によって定着ベルト57の曲率が変化する領域にて、シートPが定着ベルト57の表面から曲率分離する。必然的に、定着ベルト57の表面状態のまま固められるので結着樹脂23が固められる。そうした挙動に伴って、図3(c)で示されたように、感圧接着剤22が粘着性を有する層として形成され、その感圧接着剤22のムラも殆ど見出せない、良好な感圧接着剤層が形成される。
(第2実施形態)
つぎに、図5は、感圧接着シート製造装置の第2実施形態として、像加熱ローラ方式による像加熱装置100を示す。
この場合、内部にヒータ101aなどの加熱手段を有する円筒状の加熱ローラ101を有する。加熱ローラ101は定着時に図中時計回り方向に回転する。また、圧着ローラ102を有し、円筒形状を有する加圧回転体として定着時に加熱ローラ101に圧接しながら反時計回り方向に回転する。未定着トナーTがトナー像として付着している被加熱材としてのシートPは、搬送ベルト103によって図の右方から搬送される。さらに、加熱ローラ101と圧着ローラ102とが協働して両ローラ間のニップで加熱および加圧され、未定着トナーTをシートP上に定着して左方に排出される。
また、分離爪104a,104bは加熱ローラ101または圧着ローラ102にシートPが巻き付くことで、シートPが搬送不良を発生しないようにするするために分離する。また、オイルパッド106は適度の粘性を有したシリコーンオイルのごとき離型剤を含浸させたフェルト状のものである。クリーニングローラ105はブラシ状繊維を円筒状に植設したものであり、回転して加熱ローラ101の周面に付着したトナー残滓を除去するとともに、離型剤を加熱ローラ101の表面に適当に供給する。本実施形態のかかる加熱定着手段は、図5のように、別途オイルを供給する加熱定着手段であっても良いが、別途オイルを供給しないオイルレスタイプの加熱定着手段の方が好適である。このオイルレスタイプの加熱定着手段の場合にはオイルパッド106は必要ではない。また、定着時の加圧力としては、2N/mm以上67N/mm以下が望ましい。2N/mm未満だとトナーと紙の定着性の不良及び厚みの均一性にムラが生じ易くなる。また67N/mmより大きくなると、感圧接着剤22が表面に存在しているので加熱ローラ101にオフセットする可能性がある。
また、定着する際のトナー像にあたる面の粗さについてはRa(算術平均粗さ:粗さの曲線から、その平均線の方向に基準長さlだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計する。図8の性能グラフに示すように、合計値を平均した値)で0.001μm以上1.0μm以下が好ましい。0.001μmより小さくなるとあまりにも鏡面すぎてスリップが発生し、通紙が困難になる。また、1.0μmより大きくなると粗さのムラを拾ってしまうので感圧接着剤ムラが発生する。
ここで、図2および図3を参照して感圧接着剤トナー21の成分について以下に示す。
(感圧接着剤トナー)
感圧接着剤トナー21については、結着樹脂23を熱で通常のシートPへの定着を行い、トナー中心部に内包された感圧接着剤22が表面に分散され、感圧接着剤22の層(図3参照)が形成される。
(感圧接着剤)
感圧接着剤22は一般的に使用されるものを本実施形態にあっても用いることができる。たとえば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、天然ゴム系、ポリアクリル酸エステル系、合成ゴム系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ、これらから任意に選択して使用できる。しかし、接着性が充分でしかも剥離する際に互いの接着剤の界面でスムーズに剥離することから、上記各材料のうちでも特に天然ゴム系接着剤及びポリアクリル酸エステル系接着剤の少なくとも1種類を主成分とするものが好ましい。より好ましい天然ゴムとしては、生天然ゴムラテックス、加硫天然ゴムラテックス、およびメタクリル酸メチル(MMA)をグラフト共重合した天然ゴムラテックスなどが挙げられる。
感圧接着剤22の剥離性を調整するうえで微粒状の充填剤、合成ゴム、そして熱可塑性樹脂などを含有することができる。微粒状の充填剤は、無機充填剤と有機充填剤とに分類することができる。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、カオリンクレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、シリカゲル、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられる。さらに無機充填剤にはケイ酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸マグネシウム、水和アルミニウム酸化物、マイカ、ガラス粉が挙げられる。これら無機充填剤の中でも、耐ブロッキング性、および電子写真装置内の実績を考えると、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、水酸化アルミニウムを単独あるいは組み合わせて用いることが望ましい。
有機充填剤としては、セルロース粉末、サツマイモでんぷん、じゃがいもでんぷん、小麦でんぷん、とうもろこしでんぷん、コメでんぷん、タピオカでんぷん、スチレンビーズ、メタクリル酸メチルビーズ、プラスチックピグメントを例示することができる。これらの有機充填剤は、平均粒径が5〜30μmと大きいため、耐ブロッキング性を向上させ、剥離強度の調整をある程度行えることができる。したがって、これらの有機充填剤は粉末形状で添加するのが好ましい。合成ゴムとしては、SBR、NBR、MBR,ネオプレンゴムを挙げることができる。また、熱可塑性樹脂としてはポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。
これら微粒状の充填剤、合成ゴムおよび熱可塑性樹脂は、耐ブロッキング性の向上、剥離性能の維持の目的で適宜添加することができる。さらには、必要に応じて分散剤、消泡剤、界面活性剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、消臭剤、耐水化剤、そして蛍光増白剤などの添加剤を添加することができる。
トナーにおいて感圧接着剤22が占める割合は、十分な接着力を実現できるなどといった理由から、質量では10%以上で50%以下が好ましい。さらには15%以上で45%以下が好ましい。10%より少なくなると、感圧接着剤が分散してうまく表面にでてこない。また、50%より多くなるとトナーとしての電子写真特性が低下する。
(結着樹脂)
結着樹脂23はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、以下の樹脂が挙げられる。すなわち、結着樹脂23にはビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂がある。さらには、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂がある。これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
たとえば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として以下が挙げられる。すなわち、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンのスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体がある。さらに、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体がある。さらに、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体がある。さらにまた、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
また、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂23として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用する。たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートの二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンのジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
以上のような結着樹脂23のうちでも特に定着オフセットに強く、好ましいのはエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。なお、結着樹脂23のトナー全体に占める割合は、普通、質量で50〜90%とする。
(電荷制御剤)
つぎに、電荷制御剤24としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
負極性の電荷制御剤24の具体例として以下列記する。有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノールのフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有る。好ましくは、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィンなどである。
また、正極性の電荷制御剤24の具体例として以下列記する。ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、たとえばりんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドのジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのジオルガノスズボレート類などが有る。好ましくは、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などである。また、電荷制御剤24のトナー全体に占める割合は、通常、質量で0.01〜10%とする。
(離型剤)
一方、定着時のオフセットを低減する役割として離型剤25を配合することもできる。このような離型剤25としては溶融粘度が低いものが好ましく以下列記する。たとえば、フッ素樹脂、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸、アミドパラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックスがある。そしてそれらの変性物(たとえば酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪族及びその金属塩、アミドワックスを使用する。なお、離型剤25のトナー全体に占める割合は普通、質量として0.1〜20%とする。
(表面処理剤)
また、トナーの表面に表面処理剤26として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上させることができる。このような微粉体として疎水性シリカなどを使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレンなどの微粉末も使用できる。なお、表面処理剤26の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、質量として0.1〜20%とする。
(トナーの製造)
つぎに、乾式トナーは製造方法で粉砕法と重合法とに大別される。粉砕トナーの製造は、たとえば結着樹脂23、色材、電荷制御剤24、離型剤25、磁性剤などの必要なトナー成分をヘンシェルミキサおよびボールミルなどの混合機で十分に混合する。
次いで、得られた混合物を加熱ロール、ニーダ、エクストルーダなどの熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミルおよびジェットミルなどで粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレータなどで分級して造粒して所望のトナーを得る。さらに必要に応じて表面処理剤26などをヘンシェルミキサなどの混合機で混合することもできる。
一方、重合トナーの製造は、つぎの方法がある。1つは、たとえばディスクおよび多流体ノズルなどを用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法である。また1つは、単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法である。また1つは、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合してトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法である。さらに1つは、予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法を用いる方法である。これらの製造方法のうち、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
但し、本実施形態の感圧接着シート製造方法において、感圧接着剤トナー像の形成を好適に実現するためには、感圧接着剤22を結着樹脂23内に含包させることが重要であるから、その意味からも上記重合法が好ましい。このようにして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される「現像剤」と呼ばれるものになる。混合はVブレンダーなどを用いて行われる。
現像剤としては、主に乾式二成分用、乾式一成分用、湿式用などが有り、以上で説明した成分を有するトナー基本として、それぞれの感圧接着剤用現像剤を作製できる。本実施形態にあっては、乾式二成分用についてのみ説明されているがこの限りでない。
(感圧接着剤トナーの形成)
乾式二成分として使用する感圧接着剤トナー21は、感圧樹脂剤22、結着樹脂23、離型剤24、表面処理剤26などを用いて作製され、体積平均粒子径が1μm以上15μm以下となるように調整する。なお、トナーの体積平均粒子径はたとえばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダを用いて測定できる。このようなトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなるように調整する。
キャリアの芯材としては、一般的に、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉がある。また、これらの金属の酸化物粉、金属の合金粉、合金の酸化物粉、フェライト粉、そしてマグネタイト粉などを使用する。キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂がある。さらに、キャリアのコート剤にはポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料およびそのレーキ、シリカ微粒子、アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり、コート剤を単に粉体で混合するの方法でキャリアが作製される。なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対してトナーが1〜15質量%となるようにする。
(第3実施形態)
一方、図6(a)〜(e)は、本発明に係る第3実施形態として半折り機と圧着機からなる加工機を付帯的に装備した例を示す。その場合、圧着加工までを自動化ステムにすることも可能である。この加工機について感圧接着シートPAを半折りする機構(半折り部)と圧着させる(圧着部)機構の二つの大きな要素からなっている。但し、これに限定されるものではない。
たとえば、上記第2実施形態の像加熱装置100を通紙して排出された感圧接着シートPAは通常の排出部501の方向へ通紙される(図6a参照)。しかし、途中で反転ローラ502において感圧接着シートPAが半折りパス503部切り替えて送られる(図6b参照)。その感圧接着シートPAは突き当て板504まで送られる(図6c参照)。折り部505は用紙の中央部に位置し、感圧接着シートPAが圧着ローラ506方向に移動させることで用紙中央部が圧着ローラ506に入る。そして、図6(d)に示すように感圧接着シートPAが半折りされていくとともに、圧着ローラ506(圧着葉書で使用されている公知のもの)において総加重6〜20トン(80N/mm-267N/mm)の加重をかけて圧着される。(図6e参照)そして、排紙トレイ507上に圧着された感圧接着シートPBが排紙される。
感圧接着シートPAの基紙として使用するシートPとしては一般用紙を用いることができる。たとえば、酸性または中性の上質紙、中性紙、更紙、再生紙、コート紙一般的なもので可能である。坪量については、電子写真装置の搬送性を考え30〜300g/mが好ましく、45〜250g/mの方がより好ましい。
感圧接着シートPAの剥離性を判断するものとして剥離強度について説明する。まず、上記電子写真装置で製造された感圧接着シートPAをJIS−P8111に準拠して前処理し、測定したい箇所を幅30mm、長さ100mm以上に裁断し、試験片を用意する。この試験片の両面の剥離可能側5mmを万能試験機(引っ張り試験機[オリエンテック製:STA-1225]にセットする。180度剥離試験にて300mm/minの引張速度で引っ張って剥離を進行させ、この間の応力を測定する。この応力の平均値が剥離強度とされる。
本実施形態において容易に剥離できる剥離強度としては、剥離強度が2〜80N/mが好ましい。2N/mより小さくなると作業している間に簡単に剥がれてしまい。感圧接着シートPAとしては使用しづらいものとなる。また、80N/mより大きくなると、剥がすときに大きな力が必要となり、時として破れたりして、隠蔽した文章自体が読めなくなってしまう。
一方、上記第1,第2の実施形態として示された感圧接着剤トナー21は、つぎの各実施例の組成でもって作成することができる。
−実施例1−
感圧接着剤22として天然ゴム系エマルジョン(サイデン化学社製:商品名「サイビノール」を60部、スチレン・アクリル系エマルジョン(ジョンソンポリマー社製:商品名「ジョンクリル」)を15部を作成する。顔料として合成シリカ(塩野義製薬社製:商品名「カープレックス」を100部を作成する。ブロッキング防止剤として小麦澱粉(タジマ食品工業社製:商品名「ハイスターチ」)を110部を作成する。保水性・流動性改良剤としてポリアクリル酸ソーダ系水溶液(サンノプコ社製:商品名「SNシックナー」)を2部作成する。天然ゴム系エマルジョンの酸化、光劣化防止剤としてサイクロデキストリン(塩水港精糖社製:商品名「デキシパール」)20部を混合して乾燥させ、天然ゴム系感圧接着剤とした。この感圧接着剤22を用いて感圧接着剤トナー21を作成した。
イオン交換水709部に0.1M−Na3PO4水溶液451部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む分散媒体を得た。
下記処方を準備する。
・スチレン 170部
・2エチルヘキシルアクリレート 30部
・天然ゴム系感圧接着剤 50部
・ パラフィンワックス(m.p.75℃) 10部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 5部
・ ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3部
上記処方のうちジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物とスチレンだけをエバラマイルダ(荏原製作所製)を用いて予備混合を行った。次に、上記処方全てを60℃に加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成物を調製した。
ホモミキサーの2リットルフラスコ中で調製した分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用いて10000rpmで20分間攪拌し、単量体組成を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ60℃で3時間反応させた後、80℃で10時間重合させた。
重合反応終了後、反応生成物を冷却して塩酸を加え、Ca3(PO4)2を溶解して濾過・水洗乾燥することで感圧接着剤トナー21を得た。
得られたトナーの粒径をコールターカウンタ(コールター社製)で測定したところ、重量平均粒径8.2μmでシャープな粒径分布を有していた。更に、粒子の断面を染色超薄切片法により透過型電子顕微鏡で観察したところ、スチレン−アクリル樹脂を主体とする表面部とワックス及び、感圧接着剤を主体とする中心部に分かれており、カプセル構造が確認できた。
上記トナー98.4部と疎水性シリカ微粒子1.6部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7重量部とアクリルコートのフェライトキャリア93部を混合し、2成分系の電子写真装置用現像剤を得る。
上記処方によって製造された感圧トナーの現像剤およびトナーを実施例の図1に示すプリンタ本体1の5番目の画像形成ステーション1Peに使用する。
まず、A5サイズの上質紙150g/m上に第1〜4番目までの画像形成ステーション1Pa〜1Pdで隠蔽文章を一般的なカラーの電子写真方式にて画像形成を行う。その上に第5番目の画像形成ステーション1Peにて感圧接着剤トナー21によるトナー像を形成して最終層として転写する。それを図3で用いられる像加熱装置(定着温度:190℃、加圧力:6.7N/mm、加熱ローラの表面粗さRa:0.1μm)で定着し、感圧接着用紙を得た。そのときの断面を透過型電子顕微鏡で観察し感圧接着剤層が最表層に分散されているのが確認できた。
そのとき、A5サイズの上質紙を二つ折りにし、クリアランス可変の圧着シーラ(日本エー・ディ・エム社製、SP401)に通すことにより圧着を行った。加圧はクリアランス目盛りで調整し、2つ折りでレベル4、3つ折りでレベル6を用いて、感圧接着シートPAを得た。接着性は完全に成されると同時に、少し曲げたりしても剥がれることはなかった。また、剥離する際に簡単に剥がすことができ、隠蔽文章などもきちんと読み取れた(このときの剥離強度は35N/mであった)。
−実施例2−
実施例1において、像加熱装置9を図5の定着器(定着温度150℃、加圧力4.7N/mm、定着ベルトの表面粗さRa:0.01μm、熱膨張率8×10-5/℃)に代える以外実施例1と同様の現像剤で感圧接着シートPAを得た。
そのとき、かかる上質紙を二つ折りにし、実施例1と同様にして感圧接着シートPAを得た。接着性は完全に成されると同時に、少し曲げたりしても剥がれることはなかった。また、剥離する際には、簡単に剥がすことができ、隠蔽文章などもきちんと読み取れた(このときの剥離強度は20N/mであった)。
−実施例3−
実施例1と同様にして製造されたトナーを今度は図7のような中間転写ベルト31を装備したプリンタ本体1の第1画像形成ステーション(ここでは7Pe)に使用する。今度は、第1画像形成ステーションでまず所定の箇所(隠蔽文章を作り出そう箇所)に感圧接着トナー像を中間転写ベルト31上に形成し、その後、その上に通常の電子写真方式で画像を形成する。次に、中間転写ベルト31からシートPに転写されると同時に画像の最表層になる以外実施例1と同様の現像剤で感圧接着シートPAを得た。
そのとき、かかる上質紙のシートPを二つ折りにし、実施例1と同様にして感圧接着シートPAを得た。接着性は完全に成されると同時に、少し曲げたりしても剥がれることはなかった。また、剥離する際には、簡単に剥がすことができ、隠蔽文章などもきちんと読み取れた(このときの剥離強度は35N/mであった)。
−実施例4−
圧着工程を実施例1のプリンタ本体1にオプションとして採用する。像加熱装置9を図5の定着器(定着温度150℃、加圧力4.7N/mm、定着ベルトの表面粗さRa:0.01μm、熱膨張率8×10-5/℃)に代える以外実施例1と同様の現像剤で感圧接着シートPAを得た。
この感圧接着シートPA像加熱装置9から排紙され、自動的に図4で示した半折り機500に給紙され、前述した要領で圧着用紙を得た。接着性は完全に成されると同時に、少し曲げたりしても剥がれることはなかった。また、剥離する際には、簡単に剥がすことができ、隠蔽文章などもきちんと読み取れた(このときの剥離強度は18N/mであった)。
−実施例5−
実施例1において、シートPを既に印刷されている上質紙(200g/cm)に代え、感圧接着剤層のみの画像形成を行う以外、実施例1と同様にして感圧接着シートPAを得た。
そのとき、かかる用紙を二つ折りにして実施例1と同様にして感圧接着シートPAを得た。接着性は完全に成されると同時に、少し曲げたりしても剥がれることはなかった。また、剥離する際には、簡単に剥がすことができ、隠蔽文字などもきちんと読み取れた(このときの剥離強度は22N/mであった)。
以上、本発明について数例の実施形態ならびにその実施例について説明されたが、それら実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内でその他の実施形態や実施例、応用例、変形例およびそれらの組み合わせも可能である。
たとえば、図7に示すように近年、中間転写ベルト731を用いたプリンタ本体7でも感圧接着シートPAを形成することができる。ただこの場合、中間転写部732で画像が反転されるため、感圧接着剤トナー像は最初の画像形成ステーション7Peで画像形成し中間転写ベルト733上に転写される。さらに、その上に他の画像形成ステーション(7Pd、7Pc、7Pb、7Pa)で電子写真方式により順次形成されたY,M,C,K色画像が中間転写ベルト733上に転写積層される。それらの積層された画像は、中間転写部732でシートPに再転写される。その際、図6(a)で示したと同様に、感圧接着剤トナー像がシートPの最表面層にくることになる。
また、上記の各実施形態のように、タンデム構造のプリンタ本体として説明するため、色トナーおよびBkトナーを含む4つの画像形成ステーション1Pa〜1Pdを含む構成になっている。しかし、既に印刷しているものだけを感圧接着シートPAとして製造したい場合、それらたとえばY,M,C,K色に対応する4つの画像形成ステーション1Pa〜1Pdは含まずに構成することもできる。
本発明に係る感圧接着シートの製造方法を行う画像形成装置の具体例であるカラーレーザビームプリンタを示す図。 本実施形態の感圧接着剤トナーを模式的に示す図。 同図(a)〜(c)は感圧接着剤トナーを用いたトナー像形成の態様を模式的に示す図。 本発明に係る第1実施形態の定着ベルト系の像加熱装置の構成を示す図。 本発明に係る第2施形態の熱ローラ系の像加熱装置の構成を示す図。 図(a)〜(e)は第2の実施形態ともいうべき半折り装置と圧着装置をオプションとして備えた場合の動作の流れを示す図。 本実施形態において感圧接着シートが製造可能な中間転写体を用いたプリンタ本体を示す図。 ローラ表面粗さRaを説明するための式と説明図。
符号の説明
1 プリンタ本体(画像形成装置本体)
7 中間転写体タイプのプリンタ本体
21 感圧接着剤トナー
22 感圧接着剤
F 定着部(定着手段)
P シート
PA 感圧接着シート
PB 折り重ね圧着シート

Claims (1)

  1. 画像情報に基づいて記録材上にトナー画像を形成する第1トナー形成部と、前記記録材を再剥離可能に圧着するための圧着トナーを前記記録材上に形成する第2トナー形成部と、前記第1及び第2トナー形成部によって前記記録材上に形成されたトナーを加熱及び加圧するベルトと、前記ベルトの前記記録材を搬送する搬送部を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、
    前記ベルトの熱膨張率が6×10−5/℃〜10×10−5/℃に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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