JP2008224687A - エカリンと磁性粒子を含む乾式化学試薬を用いてフィブリノーゲンアッセイを行う方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エカリンを含むアッセイ試薬を用いるフィブリノーゲンアッセイを行う方法。フィブリノーゲンアッセイを行う装置は、カバー(10)、オーバーレイ(20)及びベース(30)を含む。カバー(10)は光透過性のガラス又はポリマーの薄いシートであって、サンプル受容開口部(14)及び細長い開口部(12)を有する。オーバーレイ(20)は、ガラス又はポリマーの薄いシートであって、サンプルウェル(22)、反応チャンバ(24)、及び反応チャンバ(24)とサンプルウェル(22)とを連絡する通路(26)を有する。
【選択図】図1
Description
凝固アッセイの種類は数多くある。例えば、プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノーゲンアッセイ(即ち、サンプル中の凝固性フィブリノーゲンの濃度測定)、トロンビン凝固時間(TCT)としても知られるトロンビン時間、活性化凝固時間(ACT)等が挙げられる。これらアッセイの内、最もよく行われるのはプロトロンビン時間である。
現在、米国内における年間の急性心筋梗塞症例数は750,000名であり、他の動脈性塞栓現象、肺塞栓症(PE)及び深部静脈血栓(DVT)と合わせた症例数は100万を超える。これら症例の約25〜35%が、血栓溶解治療の対象候補となり得る。この治療においては、線維素溶解性薬剤を静脈内投与し、閉塞する血液クロットの溶解を促進する。しかし、この治療を行った場合、0.5%の割合で頭蓋内出血が起き、1〜20%の割合でかなりの頭蓋外出血が起こる。現在、血栓溶解治療をモニターするための簡便で、信頼性が高く、且つ迅速な診断機器は存在しない。
フィブリノーゲンはトロンビンの天然基質である。トロンビンはフィブリノーゲンペプチドA及びBの双方を切断し、その結果得られるフィブリンが重合又は架橋し、フィブリンクロットが生成する。フィブリノーゲンは、アンクロッドである、セリンプロテアーゼ(フィブリノーゲンペプチドAを切断するがBは切断しない)によっても作用する。この不完全プロセシングによって、重合はするが架橋はしないフィブリンが生成する。アンクロッドは他のプロテアーゼ活性も有し、フィブリンA鎖の別の部位の切断に対して触媒作用を有する。フィブリノーゲンの不完全プロセシング及びアンクロッドによるフィブリンの更なる分解の結果、インビボでのプラスミノーゲンの活性化が起こり得る。引き続いてフィブリンが更に分解し、その結果肝臓によってフィブリン分解産物(FDP)が排出される。
クラウス式アッセイにおいてヘパリンは、特に高濃度(>0.5U/mL)において凝固時間を延長することが判明している。これにより、従来のアッセイによれば、フィブリノーゲンの濃度が人為的に低く計算されることになる。アッセイ成分は、ヘパリンの影響を除くため調整することができる。フィブリノーゲンアッセイに関する他の懸念は、一般的にはフィブリノーゲン分解生成物(FDP)の影響であり、詳しくはアンクロッド(ancrod)治療による生成物である。FDPはクラウス式アッセイに影響を及ぼすことが知られているので、この妨害は乾式化学法のみならず参照方法においても見られるであろう。FDPの影響は、正しい凝固酵素を選択することにより最小限にすることができる。フィブリノーゲンの構造は、人により異なるであろうし、アッセイが異なればみかけのフィブリノーゲン濃度に影響するであろう。
2.エカリンは、全アッセイ中を通してメイゾトロンビンを生成し、それは、低レベル(20〜100mg/dl)及び高レベル(200〜300mg/dl)のフィブリノーゲンを含む臨床サンプルのA/B値(以下参照)の差異を増幅する。
3.エカリンに基づく本発明アッセイにおいては、多くの商業的アッセイと比較してフィブリノーゲン感度、再現性及びダイナミックレンジが増大されている。
上記のように、本アッセイにおいては、多数の磁性粒子が埋め込まれ、それらが全体に均一に分散している乾式試薬マトリックスを振動磁場又は回転磁場、好ましくは振動磁場に付す。振動磁場又は回転磁場は、参照用に先に本願に含ませた米国特許第5,350,676号又は米国特許第5,670,329号のいずれかに従って得ることができる。
別の領域、即ち、βで表される面積を用いてもよい。βは、振幅Aの側辺、振幅tBを他の側辺とする長方形の面積から、αで表される面積を引いた面積に等しい。βを二つの部分として図4に示す。即ち、上部β1と下部β2である。振幅B’を通過して延び、点2及び点2’における振幅Aに相当する線の垂直線として構成される平行線4及び4’を横断する線は、βの正確な境界を規定するための補助となる。βは、フィブリノーゲン濃度に直接比例し、且つ非常に正確である。
オーバーレイ(20)は、典型的には透過性のガラス又はポリマーの薄いシートを含み、切り抜き部が形成され、該切り抜き部はサンプルウェル(22)、反応チャンバ(24)、及び反応スペースとサンプル受容開口部とを連通する任意的通路(26)を基本的に形成するように示した形状をとる。
図に示すように、カバー(10)の長さ(図面で左から右)は、オーバーレイ(20)の長さとほぼ等しい。カバー(10)及びオーバーレイ(20)の幅(図面で上から下)は、ほぼ等しく、典型的にはベース(30)の幅未満である。カバー、オーバーレイ及びベースを組み立てる時、ベース(30)に対向するカバー(10)の底表面はベース(30)の上部表面から、反応チャンバの容量に対応するサンプル量を、毛管作用により同時に反応量に引き込むのに十分短い距離だけ離して配置する。この作用はベント(12)の存在により可能となる。使用に際して、磁性粒子が全体に均一に分散した乾式試薬が反応チャンバ(24)に充填される。
本アッセイで使用する試薬は、当技術分野において知られているpH範囲(典型的には6.5〜8.0)に調整するのに十分なバッファーとともに、普通の血漿又はクエン酸処理全血を、Bの最小値に近い値で凝固させるために十分量のエカリン、更に磁性粒子を含む。この十分量は、典型的には8.3mg・ml-1であるが、広範囲において変化できる(米国特許第5,110,727号参照)。血液サンプルは、通常希釈の必要はなく、乾式化学アッセイ混合物に直接添加することができる。しかしながら、本実施態様においては、1:2(容量)以内の幾分の希釈、最も好ましくは1:4(容量)以下の希釈が可能であり、必要に応じて希釈を行う。場合によっては、1:10(容量)、又更に1:20(容量)という高度希釈の採用は、例えば非常高いフィブリノーゲンレベルにおいて有利である。
5μg/mL。
使用する試薬は、pHを調整するのに十分な量のバッファーとともに、エカリンを含み、エカリンの濃度は、普通血漿又はクエン酸処理全血を凝固させるために十分な濃度であり、その濃度がまだ増加する時点で得られる絶対最小値より幾分高いB値を有する。磁性粒子の濃度は、典型的には8.3mg・ml-1であるが、広範囲において変化できる(米国特許第5,110,727号参照)。本実施態様において、分析対象の血液サンプルは最初にバッファー−基質の組合せにより希釈する。一般に用いられるバッファーが使用でき、好ましくはオーレンスバッファー、HEPES又はトリスが好ましい。エカリンの基質はプロトロンビン(1U/mL)である。希釈したサンプルは続いて、適切なアナライザー中の乾式化学アッセイ混合物へ添加する。その後、凝固時間を測定する。
本実施態様で使用する試薬は、バッファー及び/又は安定剤とともにエカリンを含む。血液サンプルは希釈すべきではなく、直接乾式化学混合物に添加する。その後、凝固時間を測定する。このスクリーニングは一般的に、フィブリノーゲンが異常であることを決定するのに有用である。
(i)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)多数の磁性粒子が埋め込まれ、それらが全体に均一に分散しているエカリンを含む乾式試薬マトリックスを含む反応チャンバとを有する反応スライドを振動磁場又は回転磁場に付し、
(ii)全血又は血液由来サンプルをサンプルウェルに添加することにより、サンプルを同時に反応チャンバに導入し、該試薬を可溶化させ、粒子を解放させて磁場に応答して運動させ、
(iii)光学的に反応チャンバをモニターし、粒子振動の最大振幅A及び粒子振動の後続ポストピーク最小振幅Bを測定し、且つ
(iv)少なくともB、又はAB間の速度論的凝固曲線により規定される領域を用いてサンプル中のフィブリノーゲン濃度を測定する。
(i’)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)多数の磁性粒子が埋め込まれ、それらが全体に均一に分散しているエカリンを含む乾式試薬マトリックスを含む反応チャンバとを有する反応スライドを振動磁場又は回転磁場に付し、
ここでサンプルウェルとサンプルチャンバとが、サンプルウェルに配置したある容量の液体分析対象サンプルであって、該反応チャンバの体積に対応する該サンプルが自発的に該サンプルウェルから該反応チャンバへ輸送されるような形状の輸送ゾーンを通じて液間接続しており、
(ii’)全血又は血液由来サンプル(例えば、ヘペスバッファーとプロトロンビン中に2〜20容量倍に希釈)をサンプルウェルに添加することにより、サンプルを自発的に反応チャンバに導入し、該試薬を可溶化させ、粒子を開放させて磁場に応答して運動させ、
(iii’)光学的に反応チャンバをモニターし、該磁場に対する粒子運動の程度に対応して、フィブリノーゲンアッセイの開始時間と停止時間を測定し、且つ
(iv’)開始時間と停止時間を用いてサンプル中のフィブリノーゲン濃度を測定する。
クロット形成速度論に基礎を置く第一の実施態様が、凝固時間に基礎を置く第二の実施態様より低濃度のクロット形成試薬を典型的に用い得ることを認識すべきである。しかしながら、用いられる試薬の正確な濃度は、上記のように種類と効力にともなって変化しうる。更に、第二の実施態様は、より低いフィブリノーゲン濃度において結果の信頼性が低下するため、効用範囲が狭くなる傾向にあろう。
0.8U/mLのエカリン(PentaPharm)又は3.0U/mLのバトロキソビン(PentaPharm)を含む溶液(25μL)、3.0mMの塩化カルシウム(Aldrich Chemical Company)、50mMのHEPES(pH7.8)及び8.3mg/mLのPIOPを、適当な添加剤及び安定剤と共に組立てた反応スライドデバイス(図1参照)に注入し、冷凍させた後、凍結乾燥させて乾式化学配合物を得た。
クエン酸処理全血を1500rpmにて15分間遠沈した。血漿を濃縮赤血球から除去し、廃棄した。濃縮赤血球を上で調製した各種血漿サンプルを用いて1:1の割合で希釈し、様々なフィブリノーゲン濃度のクエン酸処理全血サンプルを得た。様々なフィブリノーゲンレベルのこれらクエン酸処理全血サンプルを、下に示す希釈バッファを用いて1:1の割合で希釈した。STAGO ST4凝固アナライザ内の反応セル中にて、希釈サンプル50μLとエカリンベースの液体試薬50μLとを混合し、凝固時間を記録した。
上記実施例において希釈血液サンプル若しくは血漿サンプル(血液由来サンプル)の調製に用いた希釈試薬は、主に50mMのヘペスバッファー、カルシウム3.0mM、pH7.8、1.0U/mLプロトロンビン(エカリン基質)であった。血液サンプル又は血漿サンプルは、希釈バッファを用いて1:1〜1:20の割合で希釈することができた。
クラウス法:クラウス法の変法(FiblastinTM、Organon T
eknika)を参照方法として用いた。クエン酸処理血漿を血液から遠沈によって単離し、血漿をFiblastinTM(トロンビン)試薬と混合した。凝固時間をトロンボライザ(Organon Teknika)を用いて測定した。
乾式化学フィブリノーゲン試験:乾式化学反応スライドを上記の様に調製し、好ましい実施態様で記載したように処方した。
Claims (29)
- フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれているエカリンを含む乾燥試薬マトリックスを含む反応チャンバとを有する反応スライドを振動磁場に付し、
ここで前記サンプルウェルと反応チャンバとは、前記サンプルウェル内に置かれ前記反応チャンバの容量に対応する液体分析物サンプルの分量が前記サンプルウェルから前記反応チャンバへと移送されるような幾何形状を有する移送ゾーンを介して液体連通しており、
(ii)フィブリノーゲンアッセイを遂行するための適切な条件下で、全血又は血液由来サンプルを前記サンプルウェルに添加し、これによって前記サンプルを前記反応チャンバに導入し、前記試薬を可溶化させ、且つ、前記粒子を解放して、前記振動磁場に対する相対粒子運動の程度の変化に対応して前記振動磁場によって誘起される振動パターンを描くように運動させ、
ここで前記振動パターンは開始時間と停止時間を有し、
(iii)前記反応チャンバを光学的にモニターして、次の(iiia)、(iiib)、(iiic)のうちの一以上のパラメータを測定し、
(iiia)前記フィブリノーゲンアッセイのための前記開始時間と前記停止時間、
(iiib)前記粒子振動の最大振幅Aと前記粒子振動の後続残留ポストピーク最小振幅B、
(iiic)AとBの間の領域における、前記粒子振動曲線の傾き又は前記曲線によって規定される面積、
そして
(iv)前記開始時間と前記停止時間、又は少なくともB、又は前記傾き、又は前記面積を用いて前記パラメータ(iiia)〜(iiic)の少なくとも一つを、標準サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度と関連付けて、前記全血又は血液由来サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度を測定する
ことを含む方法。 - 前記乾燥試薬は、バッファーと結合剤からなる群から選択される少なくとも一種の剤を更に含有するものである請求項1に記載の方法。
- フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)反応チャンバと、(3)前記サンプルウェルと前記反応チャンバとの間に置かれこれらと液体連通している通路手段とを有する前記反応スライドを振動磁場に付し、
ここで前記反応チャンバは、エカリンを包含する乾燥試薬マトリックスを含み、当該エカリン中には複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれており、且つ前記乾燥試薬マトリックスは前記反応チャンバにのみ存在し、
(ii)フィブリノーゲンアッセイを遂行するための適切な条件下で、ある量の全血又は血液由来サンプルを前記サンプルウェルに添加し、
ここで、前記サンプルの前記量は、当該サンプルが前記反応チャンバに入ったり前記乾燥試薬マトリックスと接触したりすることなく前記通路手段を実質的に満たすのに十分なものであり、
(iii)ある量のバッファー希釈液とプロトロンビンを前記サンプルウェルに添加し、
ここで前記バッファーの前記量は、前記サンプルを前記反応チャンバへと流し込むのに十分な量であって、これによって前記試薬を可溶化させ、そして、粒子を解放して、前記振動磁場に対する相対粒子運動の程度の変化に対応して前記振動磁場によって誘起される振動パターンを描くように運動させ、
ここで前記振動パターンは開始時間と停止時間を有し、
(iv)前記磁気粒子の振動を光学的にモニターしてフィブリノーゲンアッセイのために前記開始時間と前記停止時間とを測定し、
そして
(v)前記開始時間と前記停止時間を用いて、前記開始時間と前記停止時間を、標準サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度と関連付けて、前記全血又は血液由来サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度を測定する
ことを含む方法。 - フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれているエカリンを含む乾燥試薬マトリックスを含む反応チャンバとを有する反応スライドを振動磁場に付し、
ここで前記サンプルウェルと反応チャンバとは、前記サンプルウェル内に置かれ且つ前記反応チャンバの容量に対応する液体分析物サンプルの分量が前記サンプルウェルから前記反応チャンバへと移送されるような幾何形状を有する移送ゾーンを介して液体連通しており、
(ii)フィブリノーゲンアッセイを遂行するための適切な条件下で、全血又は血液由来サンプルを前記サンプルウェルに添加し、これによって前記サンプルを前記反応チャンバに導入し、前記試薬を可溶化させ、そして前記粒子を解放して、前記振動磁場に対する相対粒子運動の程度の変化に対応して前記振動磁場によって誘起される振動パターンを描くように運動させ、
ここで前記振動パターンは開始時間と停止時間を有し、
(iii)前記反応チャンバを光学的にモニターして、前記粒子振動の最大振幅Aと前記粒子振動の後続残留ポストピーク最小振幅Bとを測定し、
そして
(iv)少なくともBを用いて、少なくともBを、標準サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度と関連付けて、前記全血又は血液由来サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度を測定する
ことを含む方法。 - Bのみを用いて前記サンプル中の前記フィブリノーゲン濃度を測定する請求項4に記載の方法。
- 比A/B又はB/Aを用いて前記サンプル中の前記フィブリノーゲン濃度を測定する請求項4に記載の方法。
- A−Bを用いて前記サンプル中の前記フィブリノーゲン濃度を測定する請求項4に記載の方法。
- (A−B)/A、又はA/(A−B)を用いて前記サンプル中の前記フィブリノーゲン濃度を測定する請求項4に記載の方法。
- A/B及び(A−B)/Aを用いて前記サンプル中の前記フィブリノーゲン濃度を測定する請求項4に記載の方法。
- AとBの間の領域における振動曲線の傾きを用いて前記サンプル中のフィブリノーゲン濃度を決定する請求項4に記載の方法。
- AとBの間の領域によって規定される振動曲線の上方若しくは下方の面積、又はその一部を用いて前記サンプル中のフィブリノーゲン濃度を決定する請求項4に記載の方法。
- 前記乾燥試薬は、バッファーと結合剤からなる群から選択される少なくとも一種を更に含有するものである請求項4に記載の方法。
- フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)(1)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと、(2)反応チャンバと、(3)前記サンプルウェルと前記反応チャンバとの間に置かれ且つこれらと液体連通している通路手段とを有する反応スライドを振動磁場に付し、
ここで前記通路手段は、エカリンを包含する乾燥試薬マトリックスを有し、当該エカリン中には複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれており、且つ前記乾燥試薬は前記通路にのみ存在し、
(ii)フィブリノーゲンアッセイを遂行するための適切な条件下で、全血又は血液由来サンプルを前記サンプルウェルに添加し、
ここで、前記サンプルの量は、当該サンプルが前記通路手段と前記反応チャンバとを実質的に満たし且つ前記試薬と混合されて前記試薬を前記反応チャンバへと流し込むのに十分な量であって、これによって前記磁性粒子を解放し、前記振動磁場に対する相対粒子運動の程度の変化に対応して前記粒子を前記振動磁場によって誘起される振動パターンを描くように運動させ、
ここで前記振動パターンは開始時間と停止時間を有し、
ここで前記振動パターンは動的粒子振動曲線において粒子振動のピーク最大振動まで上昇し、粒子振動のポストピーク最小振幅まで減少し、そして前記動的粒子振動曲線は前記振動曲線の下方に測定可能な傾きと面積とを有し、
(iii)前記反応チャンバを光学的にモニターして、次の(iiia)、(iiib)、(iiic)のうちの一以上のパラメータを測定し、
(iiia)前記フィブリノーゲンアッセイのための前記開始時間と前記停止時間、
(iiib)前記粒子振動の最大振幅Aと前記粒子振動の後続残留ポストピーク最小振幅B、
(iiic)AとBの間の領域における前記粒子振動曲線の傾き又は前記曲線によって規定される面積、
そして
(iv)前記開始時間と前記停止時間、又は少なくともB、又は前記傾き、又は前記面積を用いて前記パラメータ(iiia)〜(iiic)の少なくとも一つのパラメータを、標準サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度と関連付けて、前記全血又は血液由来サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度を測定する
ことを含む方法。 - ステップ(ii)の前に、ある量の蒸留水を、当該蒸留水が毛管作用によって前記通路へと取り込まれるのに十分な量で前記サンプルウェルに添加し、これによって、前記全血若しくは前記血液由来サンプルの添加前に、前記乾燥試薬を可溶化すると共に前記磁性粒子を解放する請求項13に記載の方法。
- フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)フィブリノーゲンアッセイを遂行するための適切な条件下で、全血又は血液由来サンプルを反応スライドのサンプルウェルに添加し、ここで前記反応スライドは(1)液体サンプルを受容するための前記サンプルウェルと、(2)反応チャンバと、(3)前記サンプルウェルと前記反応チャンバとの間に置かれ且つこれらと液体連通している通路手段とを有し、
ここで前記通路手段は、エカリンを包含する乾燥試薬マトリックスを有し、当該エカリン中には複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれており、且つ前記乾燥試薬マトリックスは前記通路にのみ存在し、
ここにおいて前記サンプルウェルに添加される、前記全血又は前記血液由来サンプルの量は、前記通路手段と前記反応チャンバを実質的に満たし且つ前記試薬を前記反応チャンバに流し込んで前記磁性粒子を解放するのに十分なものであり、
(ii)前記反応スライドを、前記全血又は前記血液由来サンプルを前記サンプルウェルに添加する時あるいはその少し後で振動磁場に付し、
ここで前記振動磁場は、前記振動磁場に対する相対粒子運動の程度の変化に対応して、前記解放された磁性粒子に振動パターンを描かせ、
ここで前記振動パターンは開始時間と停止時間を有するものであり、
そして
(iii) 前記反応チャンバを光学的にモニターして、次の(iiia)、(iiib)、(iiic);
(iiia)前記磁性粒子振動の少なくとも一つのポストピーク最小振幅B、 (iiib)前記粒子振動曲線の傾き、
(iiic)前記粒子振動の最大振幅AとBの間の領域での曲線によって規定される面積、
のうちの一以上のパラメータを測定し、これらのパラメータ(iiia)〜(iiic)の少なくとも一つを標準サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度と関連付けて、前記全血又は血液由来サンプル中の凝固性フィブリノーゲン濃度を測定する
ことを含む方法。 - 定量フィブリノーゲンアッセイを行う方法であって、
(i)乾燥試薬マトリックスをある量の希釈された血液サンプルと接触させ、ここで前記乾燥試薬マトリックスは、複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれたエカリンを包含するものであると共に、反応チャンバに収容されて、中心点の周りに磁界の北極と南極をスピンさせることを含む方法によって生成される回転磁場に付され、また、前記ある量の希釈された血液サンプルは、前記反応チャンバを満たすのに十分な量であって、これによって前記磁性粒子を解放して回転磁場の影響の下で移動させ、
(ii)前記血液サンプルが凝固する間、前記磁性粒子の前記回転磁場に対する応答を光学的にモニターして、凝固時間をフィブリノーゲン濃度に関連させる応答曲線を生成し、
(iii)前記応答曲線から凝固時間終点を決定し、
そして
(iv)ステップ(iii)からの凝固時間終点を、凝固時間終点とフィブリノーゲン含量とを関連付ける、記憶された標準較正曲線と比較して、前記比較によってサンプル中の凝固性フィブリノーゲンの量を決定する、
ここで前記標準較正曲線は、フィブリノーゲン量が既知であるサンプルを用いて調製したものである
ことを含む方法。 - 前記希釈された血液サンプルは希釈された全血である請求項16に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う方法。
- 前記希釈された血液サンプルは希釈された血漿である請求項16に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う方法。
- 前記希釈された血液サンプルは抗凝固剤を更に含有する請求項17に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う方法。
- フィブリノーゲンアッセイを行う装置であって、
(i)液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと反応チャンバとを有する反応スライドと、
ここで前記反応チャンバは、エカリンを包含する乾燥試薬マトリックスを含み、当該エカリン中には複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれており、前記サンプルウェルと反応チャンバとは、前記サンプルウェル内に置かれ前記反応チャンバの容量に対応する液体分析物サンプルの分量が前記サンプルウェルから前記反応チャンバへと移送されるような幾何形状を有する移送ゾーンを介して液体連通しており、
(ii)回転磁場と振動磁場からなる群から選択される磁場と、
(iii)前記磁性粒子の前記磁場に対する応答を検出する光学的手段と、
を含む装置。 - 前記希釈された血液サンプルは希釈された全血である請求項20に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う装置。
- 前記希釈された全血は抗凝固剤を更に含有する請求項21に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う装置。
- 更に較正曲線記憶手段を含む請求項21に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う装置。
- 前記希釈された血液サンプルは希釈された血漿である請求項20に記載のフィブリノーゲンアッセイを行う装置。
- 全血又は血液由来サンプルをフィブリノーゲンアッセイ試薬に接触させてフィブリンクロットを形成し、これを全血又は血液由来サンプル中のフィブリノーゲン含量に関連付ける、フィブリノーゲンアッセイにおいて、フィブリノーゲンアッセイ試薬が、凝固誘導活性剤としてエカリンを含有することを特徴とする改良されたフィブリノーゲンアッセイ。
- 前記フィブリノーゲンアッセイ試薬は乾燥化学試薬である請求項25に記載のフィブリノーゲンアッセイ。
- 前記フィブリノーゲンアッセイ試薬は液体試薬である請求項25に記載のフィブリノーゲンアッセイ。
- フィブリノーゲンアッセイを行う反応スライドであって、液体サンプルを受容するためのサンプルウェルと反応チャンバとを有し、
ここで前記反応チャンバは、エカリンを包含する乾燥試薬マトリックスを含み、当該エカリン中には複数の磁性粒子が均一に分散して埋め込まれており、前記サンプルウェルと反応チャンバとは、前記サンプルウェル内に置かれそして前記反応チャンバの容量に対応する液体分析物サンプルの分量が前記サンプルウェルから前記反応チャンバへと移送されるような幾何形状を有する移送ゾーンを介して液体連通している、反応スライド。 - 前記乾燥試薬マトリックスは、バッファーと凍結乾燥安定剤とからなる群から選択される一員以上を更に含有する請求項28に記載の反応スライド。
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