JP2008224522A - アンテナ接続診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ接続状態を精度良く確認することができるアンテナ接続診断装置を提供する。
【解決手段】スマートECU4は、LFアンテナ接続を自己診断する際、発振回路23から直流電圧の検査用電圧V2をLFアンテナ19a,19bに出力させ、まずはトランジスタ25をオンし、トランジスタ26をオフする。このとき、LFアンテナ19aが正常に車体に取り付いていれば、LFアンテナ19aのコンデンサ21aに電荷が蓄積される。スマートECU4は、暫く経つと電圧供給を停止し、電圧供給停止から所定時間経過後のLFアンテナ19aの端子間電圧Vxaを閾値と比較する。スマートECU4は、この時の端子間電圧Vxaがコンデンサ容量により閾値以上となればLFアンテナ19aが正常に取り付けられていると判別し、端子間電圧Vxaが閾値よりも低くなればLFアンテナ19aが異常取付状態にあると判別し、以上の診断動作をLFアンテナ毎に行う。
【選択図】図3
【解決手段】スマートECU4は、LFアンテナ接続を自己診断する際、発振回路23から直流電圧の検査用電圧V2をLFアンテナ19a,19bに出力させ、まずはトランジスタ25をオンし、トランジスタ26をオフする。このとき、LFアンテナ19aが正常に車体に取り付いていれば、LFアンテナ19aのコンデンサ21aに電荷が蓄積される。スマートECU4は、暫く経つと電圧供給を停止し、電圧供給停止から所定時間経過後のLFアンテナ19aの端子間電圧Vxaを閾値と比較する。スマートECU4は、この時の端子間電圧Vxaがコンデンサ容量により閾値以上となればLFアンテナ19aが正常に取り付けられていると判別し、端子間電圧Vxaが閾値よりも低くなればLFアンテナ19aが異常取付状態にあると判別し、以上の診断動作をLFアンテナ毎に行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子キーと双方向無線通信可能なキー通信対象のアンテナが、正常にキー通信対象に接続されているか否かを診断するアンテナ接続診断装置に関する。
近年、車両操作の利便性向上を目的として、車両キーを実際に用いてキー操作を行わなくても例えば車両のドアロック施解錠やエンジン始動が許可又は実行されるハンズフリーシステムを搭載する車両が増えてきている。この種のハンズフリーシステムの一例は、例えば特許文献1等に開示されている。ハンズフリーシステムは、車両のLF発信機からLF帯のリクエストを間欠的に発信させ、このリクエスト信号に応答して電子キーが返信してきたRF帯のIDコード(識別コード)を車両のRF受信機で受信し、電子キーのIDコードを車両のIDコードと照らし合わせ、これらIDコードが一致してID照合が成立すれば、ドアロック施解錠やエンジン始動が許可又は実行するシステムである。
このようなハンズフリーシステムにおいては、電子キーが車両周囲のどの位置にあっても電子キー及び車両間の無線通信が成立しなければならないことから、車両の複数位置にLF発信機を取り付け、LF発信機の通信エリアが車両周囲全域に亘って形成されるようにする。このため、複数のLF発信機のうち1つでも、例えばアンテナ部品の付け忘れやアンテナ回路のショート等が原因で正常に作動しないと、車両周囲全域にLF帯の通信エリアが形成されないことになってしまう。
このため、例えば車両製造時の監査工程等においては、LF発信機(LFアンテナ)が正常に車体に接続されているか否かのアンテナ接続確認を行っている。この種のLF発信機の接続確認方法の一例としては、例えば作業者がLF発信機の通信エリア内に電子キーを直に位置させ、この電子キーとハンズフリーシステムのコントロールユニットである照合ECUとの間で既出のID照合通信が成立するか否かを見る方法が用いられ、ID照合通信が成立すればLF発信機が車体に正常に取り付いていると判定され、一方でID照合通信が不成立であればLF発信機が車体に正常に接続されていないと判定される。
特開2002−295080号公報
ところで、アンテナ接続確認方法としてID照合通信を用いる場合、この種の通信は通信時において相手側に通信データを無線発信する無線通信であることから、仮にその時の作業場にノイズ電波が発生していた場合、このノイズに影響を受けてID照合通信が成立しないことも考えられ、これはアンテナ接続確認の誤認識にも繋がる。特に、ID照合通信は電子キー及び照合ECUが互いに通信データをやり取りする双方向通信であることから、その分だけ通信データがノイズに影響を受けて正常通信が確立しない状況となる確率が高いものとなり、この点からしてもアンテナ接続状態を確認する他の方法が望まれていた。
また、車両周囲に形成されるLF発信機の通信エリアは、複数のLF発信機が各々発信する通信領域の集合体で形成されているので、各々1つひとつのLF発信機の通信エリアは独立している。このため、LF通信機の通信接続確認時においては、各々のLF通信機ごとにその通信エリアに電子キーを置いて通信成立の有無を見る必要があるので、この確認作業をLF発信機の数だけ行う必要があることから、アンテナ接続確認作業が非常に面倒である問題があった。特に、大型車両の場合は、車体に取り付けるLF発信機の個数が多くなるので、この問題が顕著になる。
本発明の目的は、アンテナ接続状態を精度良く確認することができるアンテナ接続診断装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、電子キーとキー通信対象とが双方向無線通信可能であり、前記電子キーが持つ識別コードと前記キー通信対象に登録された識別コードとを照らし合わせてコード照合を行い、これら識別コードが一致して照合が成立すれば、前記電子キーによる前記キー通信対象の各種動作が許可又は実行される電子キーに用いられ、前記キー通信対象のアンテナが当該キー通信対象のアンテナ回路に正常に取り付けられているか否かを診断するアンテナ接続診断装置において、前記アンテナ回路の一端子から延びるとともに前記アンテナ回路に発生している電圧を他系統で出力可能な出力手段と、前記診断時に前記アンテナに電圧を印加して当該アンテナのコンデンサに電荷を蓄積し、当該電圧を印加した後の前記コンデンサのコンデンサ容量変化に伴う前記アンテナ回路上の電圧変化を前記出力手段から取り込み、当該電圧変化を見ることで前記アンテナ回路への前記アンテナの接続有無を判別する判別手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、キー通信対象のアンテナが正常にそのアンテナ回路に接続されているか否かを自己診断するに際して、判別手段はこのアンテナに電圧(以下、診断用電圧と記す場合もある)を印加して、アンテナの一構成部品であるコンデンサに所定量の電荷を蓄積する。このとき、アンテナがアンテナ回路に正常に接続されていれば、アンテナには検査用電圧が印加される状態となるので、その時の印加電圧に応じた電荷がアンテナのコンデンサに蓄積される。一方、アンテナがアンテナ回路に正常に接続されていないと、検査用電圧がアンテナのコンデンサに印加される状態とはならず、コンデンサには電荷が溜まった状態とはならない。
アンテナへの電圧印加後、判定手段は電圧印加を停止し、その時点から出力手段の電圧波形を監視する。このとき、アンテナが正常にアンテナ回路に取り付いていて、そのコンデンサに電荷が蓄積されていれば、電圧印加停止後はコンデンサ容量が利いて、出力手段から取り出される電圧波形は緩やかな下降線を描く。よって、判断手段は検査用電圧の印加停止後に出力手段から緩やかな下降線を描く電圧波形を取り込めば、アンテナがアンテナ回路に正常に組み付いていると認識する。一方、アンテナが正常にアンテナ回路に取り付いておらず、アンテナに電圧が印加されてもこの時にコンデンサに電荷が溜まっていなければ、電圧印加停止後に出力手段から出力される電圧波形は急激な下降線を描く。よって、判断手段は検査用電圧の印加停止後に出力手段から急激な下降線を描く電圧波形を取り込めば、アンテナがアンテナ回路に正常に組み付いていないと認識し、例えばその旨を作業者に通知するなどの何らかの対処をとる。
従って、本構成の場合、アンテナ接続診断を行うに際しては、診断時にアンテナに電圧を印加して、この時にコンデンサに蓄積されるコンデンサ容量を利用して行う。ところで、他のアンテナ接続診断として例えば電子キー及びキー通信対象間で実際に双方向通信が確立するか否かを見ることで行う方法を用いた場合、仮に作業場にノイズ電波が存在すると、これに影響を受けて正確なアンテナ接続診断を行えない問題が生じる。しかし、本構成の場合は実際の通信確立を見るのではなく、アンテナ回路を用いて自己診断を回路的に行う方法を用いるので、仮に作業場にノイズが生じてもアンテナ接続診断を行うことが可能となり、アンテナ接続の誤診断を生じ難くすることが可能となる。
本発明によれば、アンテナ接続状態を精度良く確認することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したアンテナ接続状態診断装置の第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
以下、本発明を具体化したアンテナ接続状態診断装置の第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、実際に車両キーを操作しなくても、ドアロック施解錠やエンジン始動を行うことが可能なハンズフリーシステム2が搭載されている。このハンズフリーシステム2は、車両1からリクエスト信号Srqを発信させ、このリクエスト信号Srqを携帯機3が受信すると、それに応答する形で携帯機3がIDコードを乗せたID信号Sidを車両1に返信し、携帯機3のIDコードが車両1のIDコードと一致すると、ドアロック施解錠やエンジン始動が許可又は実行されるシステムである。なお、車両1がキー通信対象に相当し、携帯機3が電子キーに相当する。
ハンズフリーシステム2を以下に説明すると、車両1には、車両キーとして使用される携帯機3との間でID照合を行うスマートECU4が設けられている。スマートECU4には、車外にLF帯の信号を発信可能な車外LF発信機5と、車内にLF帯の信号を発信可能な車内LF発信機6が接続されている。図2に示すように、車外LF発信機5は、例えば車両1の各サイドドア1aやラゲージドア1b等の車外に複数設置され、これら通信機群で車両周囲にLF帯の車外通信エリアE1を形成する。車内LF発信機6は、例えば車内の床下等に複数設置され、これら通信機群で車内全域にLF帯の車内通信エリアE2を形成する。スマートECU4には、RF帯の信号を受信可能なRF受信機7が接続されている。RF受信機7は、例えば車内のバックミラー等に埋設されている。なお、スマートECU4が判別手段に相当する。
図1に示すように、スマートECU4には、例えば車外ハンドルノブ等に埋設されたタッチセンサ8が接続されている。タッチセンサ8は、操作者が施錠状態のドアロックを解除する時にハンドルノブをタッチする操作を検出するセンサである。スマートECU4には、例えばハンドルノブに設けられたロックボタン9が接続されている。ロックボタン9は、操作者が解除状態のドアロックを施錠する時に押し操作されるボタンである。スマートECU4には、ドアロックの施解錠を制御するドアECU10がバス11を通じて接続されている。ドアECU10は、スマートECU4からの指令に基づきドアロックモータ12を駆動することでドアロックを施錠状態又は解錠状態にする。
車両1が駐車状態(エンジン停止及びドアロック施錠状態)の際、スマートECU4は、車外LF発信機5からLF帯のリクエスト信号Srqを断続的に発信させ、車両周辺に車外通信エリアE1を形成する。本例のように車外LF発信機5が複数ある場合、車外LF発信機5は1つずつ順にリクエスト信号Srqを発信し、この動作を繰り返す。携帯機3がこの車外通信エリアE1に入り込んでリクエスト信号Srqを受信すると、携帯機3はリクエスト信号Srqに応答する形で、自身のIDコードを乗せたID信号SidをRF帯の信号で返信する。スマートECU4は、RF受信機7を介してリクエスト信号Srqを受信すると、自身に登録されたIDコードと携帯機3のIDコードとを比較してID照合(車外照合)を行う。スマートECU4は、車外照合が成立すると、内部のメモリに車外照合成立フラグを立てて車外照合を認識するとともに、待機中のタッチセンサ8を起動させる。
スマートECU4は、車外照合成立下においてタッチセンサ8で車外ハンドルノブへのタッチ操作を検出すると、ドアロック解除要求信号をドアECU10に出力する。ドアロック解除要求信号を受けたドアECU10は、ドアロックモータ12を一方側に回転させ、施錠状態のドアロックを解除する。ドアロック解除要求信号を出力したスマートECU4は、内部のメモリの車外照合成立フラグを立ち下げる。
車両1が停止状態(エンジン停止及びドアロック解除状態)の際、スマートECU4は、ロックボタン9が押されたことを検出すると、車外LF発信機5からリクエスト信号Srqを発信させる。本例のように車外LF発信機5が複数ある場合、車外LF発信機5は1つずつ順にリクエスト信号Srqを発信する。スマートECU4は、このリクエスト信号Srqを受けて携帯機3が返信してきたIDコードにおいて車外照合が成立した事を認識すると、ドアロック施錠要求信号をドアECU10に出力する。ドアロック施錠要求信号を受けたドアECU10は、ドアロックモータ12を他方側に回転させ、解除状態のドアロックを施錠する。
スマートECU4には、車載電装品の電源を管理する電源ECU13と、エンジン14の点火制御及び燃料噴射制御を行うエンジンECU15とがバス11を通じて接続されている。電源ECU13には、車載アクセサリやエンジンを作動させる際に操作するエンジンスタートスイッチ16と、車載アクセサリに繋がるACCリレー17と、エンジンECU15に繋がるIGリレー18とが接続されている。
スマートECU4は、車外照合が成立してドアロックが解除された後、例えばカーテシスイッチ等(図示略)からドアが開けられた事を検出すると、運転者が乗車すると認識して車内LF発信機6からリクエスト信号Srqを発信し、車室内に車内通信エリアE2を形成する。スマートECU4は、携帯機3がこの車内通信エリアE2に入り込んで返信したID信号SidをRF受信機7で受信すると、自身に登録されたIDコードと携帯機3のIDコードとを比較してID照合(車内照合)を行う。スマートECU4は、車内照合が成立すると、内部のメモリに車内照合成立フラグを立てて車内照合成立を認識する。
乗車した運転者がブレーキペダルを踏みながらエンジンスタートスイッチ16をエンジンオン操作すると、この操作を検出した電源ECU13は、スマートECU4に車内照合結果を確認する。電源ECU13は、スマートECU4から室内照合が成立している通知を受けると、ACCリレー17及びIGリレー18をオンするとともに、エンジンECU15に起動信号を出力する。起動信号を受けたエンジンECU15は、スマートECU4との間で、車内照合結果の確認と、通信先がペアを成すスマートECU4であることを確認するペアリングとを暗号化通信により行う。これら両条件の確認を済ませたエンジンECU15は、点火制御及び燃料噴射制御を開始してエンジン14を始動させる。
図3は、車外LF発信機5として第1車外LF発信機5a及び第2車外LF発信機5bの2発信機を図示した回路例である。車外LF発信機5(車内LF発信機6)は、信号発信箇所となるLFアンテナ19を備え、図3においては第1車外LF発信機5aの第1車外LFアンテナを19aと記し、第2車外LF発信機5bの第2車外LFアンテナを19bと記す。また、これらLFアンテナ19は、コイル20及びコンデンサ21の直列回路から成り、図3においては第1車外LF発信機5aのコイルを20aと記すとともにコンデンサを21aと記し、第2車外LF発信機5bのコイルを20bと記すとともにコンデンサを21bと記す。なお、LFアンテナ19(19a,19b)がアンテナに相当する。
第1車外LFアンテナ19aの電源側には、第1車外LFアンテナ19aのアンテナ出力(信号強度)を決める車外アンテナ出力調整抵抗22aが直列接続されている。第1車外LFアンテナ19aのアンテナ発信周波数は、コイル20a及びコンデンサ21aの特性値によって設定される。また、第2車外LFアンテナ19bの電源側にも、第2車外LFアンテナ19bのアンテナ出力(信号強度)を決める車外アンテナ出力調整抵抗22bが接続されている。第2車外LFアンテナ19bのアンテナ発信周波数は、コイル20b及びコンデンサ21bの特性値によって設定される。
これら車外LFアンテナ19a,19bの電源側は、交流信号(矩形波信号)を出力可能な発振回路23を介してスマートECU4に接続されている。発振回路23は、スマートECU4から指令を受けて、その時の指令に応じた矩形波形を有する駆動電圧Vを各LF発信機5,6に印加する回路である。即ち、発振回路23は、例えばスマートECU4から交流電圧出力指令を受けると、駆動電圧Vとして所定の周波数を持つ交流電圧(信号発信用電圧V1)を各発信機5,6に印加し、またスマートECU4から直流電圧出力指令を受けると、駆動電圧Vとして一定レベルの電圧値を持つ直流電圧(検査用電圧V2)を各発信機5,6に印加可能である。
また、本例の車外LF発信機5(車内LF発信機6)は、リクエスト信号発信時に選択的に発信動作を行うが、これをハーフブリッジ回路24で行っている。図3を用いてこのハーフブリッジ回路24を説明すると、第1車外LFアンテナ19aのGND側とスマートECU4との間には、例えばMOSFET等から成る第1トランジスタ25が接続されている。第1トランジスタ25は、ドレイン端子が第1車外LFアンテナ19aに接続され、ソース端子がGNDに接続され、ゲート端子がスマートECU4に接続され、本例においては第1車外LFアンテナ19a、車外アンテナ出力調整抵抗22a、スマートECU4及び発振回路23から成る第1アンテナ回路27aを開閉する素子として機能する。
更に、第2車外LFアンテナ19bとスマートECU4との間には、同じく例えばMOSFET等から成る第2トランジスタ26が接続されている。この第2トランジスタ26は、ドレイン端子が第2車外LFアンテナ19bに接続され、ソース端子がGNDに接続され、ゲート端子がスマートECU4に接続され、本例においては第2車外LFアンテナ19b及び車外アンテナ出力調整抵抗22b、スマートECU4及び発振回路23から成る第2アンテナ回路27bを開閉する素子として機能する。
スマートECU4は、車外にリクエスト信号Srqを発信する際、まずは発振回路23に交流電圧出力指令を出力して、発振回路23から信号発信用電圧V1を発信機5,6側に出力させる。このとき、スマートECU4は、車外LF発信機5を選択的にリクエスト信号発信状態とすべく動作する。例えば、図3に示す回路例では、第1車外LF発信機5a及び第2車外LF発信機5bのうちまず先に第1車外LF発信機5aからリクエスト信号Srqを発信させるべく、第1トランジスタ25をオンするとともに、第2トランジスタ26はオフする。これにより、発振回路23から流れ出る交流電流は第1車外LF発信機5a(第1アンテナ回路27a)を流れて信号発信用電圧V1が第1車外LF発信機5aのみに印加され、第1車外LF発信機5aからリクエスト信号Srqが発信される状態となる。
続いて、スマートECU4は、第2車外LF発信機5bからリクエスト信号Srqを発信すべく、第1トランジスタ25をオフするとともに、第2トランジスタ26をオンする。これにより、発振回路23から流れ出る交流電流は第2車外LF発信機5b(第2アンテナ回路27b)を流れて信号発信用電圧V1が第2車外LF発信機5bのみに印加され、第2車外LF発信機5bからリクエスト信号Srqが発信される状態となる。そして、スマートECU4は、車両1に設置されたLF発信機5,5…の間でこの発信動作を繰り返すことにより、車両1の周囲にLF帯(即ち、リクエスト信号Srq)の車外通信エリアE1を形成する。なお、車内にリクエスト信号Srqを発信する際も車外と同様の動作をとるので、ここでは説明を省略する。
第1車外LF発信機5a及び第2車外LF発信機5bの電源側(即ち、電源側の一端子)は、電気配線Sを介してスマートECU4の判定位置端子4aに電気接続されている。この電気配線Sは、例えばプリント配線から成り、この配線上にダイオード28及び電圧調整抵抗29が配設されている。スマートECU4は、この判定位置端子4aでLF発信機5,6(即ち、LFアンテナ19)の各々の端子間電圧Vxを監視可能である。また、ダイオード28は、アノードがLF発信機5,6に接続され、カソードがスマートECU4に接続されている。電圧調整抵抗29は、スマートECU4とダイオード28との間においてダイオード28に対して並列状態に配置され、判定位置端子4aにレベル判定に必要な電圧値が出力されるべく大きな抵抗値を持つ素子が使用されている。なお、部材番号が4a,22a,22b,23,25,26,28,29の各素子は、同一基板30上に形成されている。なお、電気配線S、ダイオード28及び電圧調整抵抗29が出力手段を構成する。
スマートECU4は、予め決められた所定の検査タイミングにおいて、各LFアンテナ19,19…が車体に正確に取り付いているか否かを自己診断する機能(以下、アンテナ接続の自己診断機能と記す)を備えている。本例の自己診断機能は、複数存在するLFアンテナ19,19…の特定の一つに発振回路23によって検査用電圧V2として直流電圧を印加し、LFアンテナ19,19…の一構成部品であるコンデンサ21に電荷を蓄積し、その電圧印加を停止した後のコンデンサ容量変化に伴うLFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧波形変化を見ることによってLFアンテナ19の接続有無を診断し、これを各LFアンテナ19,19…ごとに行う機能である。
この自己診断機能においては、発振回路23がLFアンテナ19に検査用電圧V2(即ち、直流電圧)を印加した際、正常にLFアンテナ19が車体に取り付けられていれば、この時のアンテナ回路27a(27b)は閉回路をとることから、発振回路23が出力する検査用電圧V2は正常にLFアンテナ19に印加され、LFアンテナ19のコンデンサ21に電荷が蓄積される。LFアンテナ19に検査用電圧V2を印加した後、この直流電圧印加を停止すると、LFアンテナ19の端子間電圧Vxは徐々に下降する波形を取るが、この時にLFアンテナ19のコンデンサ21にコンデンサ容量が蓄積されていればコンデンサ容量が利いて、図5に示すようにLFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧下降は緩やかになる。
よって、スマートECU4は、LFアンテナ19のアンテナ接続自己診断時にLFアンテナ19に直流電圧を印可してそれを停止した後、所定時間が過ぎてもLFアンテナ19の端子間電圧Vxが閾値Vk以上の値を保持していれば、それを以てLFアンテナ19が車体に正常に接続されていると判別する。一方、スマートECU4は、LFアンテナ19のアンテナ接続自己診断時にLFアンテナ19に直流電圧を印加してそれを停止した後、図6に示すように所定時間過ぎた際にLFアンテナ19の端子間電圧Vxが閾値Vkよりも低い値をとっていれば、それを以てLFアンテナ19が車体に正常に接続されていないと判別する。
次に、以上のように構成された本例のアンテナ接続診断装置の動作を説明する。ここでは、図3に示すアンテナ回路図を用い、第1車外LFアンテナ19a及び第2車外LFアンテナ19bの2つのLFアンテナを自己診断する例を挙げる。
車両1に複数のLF発信機5,6が設置されている場合、スマートECU4は、これらLF発信機5,6の自己診断をLF発信機5,6ごとに順に行う。スマートECU4は、LFアンテナ19の自己診断を開始するにあたって、まずは発振回路23に直流電圧出力指令を出力して発振回路23に検査用電圧V2として直流電圧を出力させる。なお、本例の自己診断は、例えば作業者が他機器を用いて出力した自己診断開始指令をスマートECU4が得た時に開始されたり、又は他ECUから同種の自己診断開始指令をスマートECU4が得た時に開始されたり、若しくはスマートECU4が所定のサイクルをおいて定期的に行うものでもよい。
図3に示す回路例で最初に第1車外LF発信機5aのアンテナ接続状態を自己診断するとした場合、スマートECU4は、発振回路23に検査用電圧V2を出力させた後、図4に示すように第1トランジスタ25をオンするとともに、第2トランジスタ26をオフのままで維持する。ここで、第1車外LFアンテナ19aが第1アンテナ回路27aに正常に取り付いていれば、発振回路23の検査用電圧V2は第1車外LF発信機5aの第1車外LFアンテナ19aに印加される状態となり、第1車外LFアンテナ19aの一構成部品であるコンデンサ21aに電荷が蓄積される状態となる。一方、第1車外LFアンテナ19aが例えば車体に取り付け忘れられていたり、或いは故障していたりした場合、第1車外LFアンテナ19aが結線された第1アンテナ回路27aは開回路となることから、発振回路23の検査用電圧V2が第1車外LFアンテナ19aに印加される状態とはならず、第1車外LFアンテナ19aのコンデンサ21aに電荷は蓄積されない。なお、この時の第2車外LF発信機5bはその回路結線上に位置する第2トランジスタ26がオフであるので、第2車外LFアンテナ19bのコンデンサ21bには電荷は蓄積されない。
続いて、スマートECU4は、第1車外LFアンテナ19aに所定時間の間において電圧を印加した後、発振回路23に電圧出力停止指令を出力し、発振回路23から出力されている検査用電圧V2の出力を停止させる。そして、スマートECU4は、判定位置端子4aで取得する第1車外LFアンテナ19aの端子間電圧Vxa(図3参照)の電圧波形(電圧値)を監視する動作に移行する。
ここで、発振回路23が検査用電圧V2を出力してからこの電圧供給を止めた際、この時に第1車外LFアンテナ19aのコンデンサ21aに電荷が蓄積されていれば、第1車外LFアンテナ19aの端子間電圧Vxaは、コンデンサ21aに蓄積されたコンデンサ容量が利いて、図5に示すように所定の時定数を持って緩やかに下る電圧波形をとる。一方、発振回路23が検査用電圧V2を出力している際、この時に第1車外LFアンテナ19aのコンデンサ21aに電荷が蓄積されていなければ、第1車外LFアンテナ19aの端子間電圧Vxaは、コンデンサ21aに電荷が蓄積されている場合に比べて、図6に示すように電圧波形の下降度合いが急勾配となる。
そこで、スマートECU4は、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、その時に判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxaが、アンテナ接続有無判定の基準である所定の閾値Vk以上であれば、第1車外LFアンテナ19aが第1アンテナ回路27aに正常に取り付けられていると認識する。一方、スマートECU4は、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxaが、先程の閾値Vkよりも低くなっていれば、第1車外LFアンテナ19aが第1アンテナ回路27aに正常に取り付いていないと認識する。
スマートECU4は、判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxaが、アンテナ接続自己診断を開始する前の低い電圧値に戻ると、今度は第2車外LF発信機5bのアンテナ接続状態を自己診断する動作に移り、この時は発振回路23に検査用電圧V2を出力させた後、第1トランジスタ25をオフし、第2トランジスタ26をオンする。ここで、第2車外LFアンテナ19bが第2アンテナ回路27bに正常に取り付いていれば、発振回路23の検査用電圧V2は第2車外LF発信機5bの第2車外LFアンテナ19bに印加される状態となり、第2車外LFアンテナ19bの一構成部品であるコンデンサ21bに電荷が蓄電される状態となる。一方、第2車外LFアンテナ19bが例えば車体に取り付け忘れられていたり、或いは故障していたりした場合、第2車外LFアンテナ19bが結線された第2アンテナ回路27bは開回路となることから、発振回路23の検査用電圧V2は第2車外LFアンテナ19bに印加される状態とはならず、第2車外LFアンテナ19bのコンデンサ21bに電荷は蓄積されない。なお、この時の第1車外LF発信機5aはその回路結線上に位置する第1トランジスタ25がオフであるので、第1車外LFアンテナ19aのコンデンサ21bには電荷は蓄電されない。
続いて、スマートECU4は、第2車外LFアンテナ19bに所定時間の間において電圧を印加した後、発振回路23に電圧出力停止指令を出力し、発振回路23から出力されている検査用電圧V2の出力を停止させる。そして、スマートECU4は、判定位置端子4aで取得する第2車外LFアンテナ19bの端子間電圧Vxb(図3参照)の電圧波形(電圧値)を監視する動作に移行する。
スマートECU4は、第1車外LFアンテナ19aの時と同じように、この時に判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxbと閾値Vkとを比較する動作を行う。即ち、スマートECU4は、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、その時に判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxbが、第1車外LFアンテナ19aの接続有無診断の際に用いた閾値Vk以上であれば、第2車外LFアンテナ19bが第2アンテナ回路27bに正常に取り付けられていると認識する。一方、スマートECU4は、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxbが、先程の閾値Vkよりも低くなっていれば、第2車外LFアンテナ19bが第2アンテナ回路27bに正常に取り付いていないと認識する。
スマートECU4は、LF発信機5,6に直流電圧印加を行ってその電圧印加停後におけるLFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧波形変化を見ることで行うアンテナ接続有無の自己診断を、車体に設置された各々のLF発信機5,6ごとに行う。スマートECU4は、車体に設置された全てのLF発信機5,6でアンテナ接続有無の自己診断を完了すると、この診断結果を車内のディスプレイ画面や、特定の検査機器の表示画面に表示する。この診断結果の表示形体の一例としては、例えば各々のLF発信機について、正常に車体に取り付いていれば「OK」と文字表示され、一方で正常に車体に取り付いていなければ「NG」と文字表示される。
従って、本例においては、各LF発信機5,6のアンテナ接続診断を行うに際しては、LF発信機5,6に対して選択的に検査用電圧V2を印加して、この時にLFアンテナ19のコンデンサ21に蓄積されるコンデンサ容量の変化に伴うLFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧変化を見ることによって行う。よって、本例のアンテナ接続診断は、携帯機3とLF発信機5(6)と間で実際に通信を行って確認する方法を用いないので、仮に自己診断を行う作業場にノイズ電波が生じたとしても、本例の場合はこれに影響を受けない。このため、仮に診断作業場にノイズ電波が生じていてもLFアンテナ19の自己診断を正しく行うことが可能となり、アンテナ接続診断に誤診断を発生し難くすることが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)LF発信機5,6のアンテナ接続の自己診断を行うに際しては、携帯機3とLF発信機5(6)との間で実際に無線通信を行わせてこの時の通信確立の有無を見ることによって自己診断を行うのではなく、LFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧変化を見ることによってこれを行う。このため、仮に診断作業場にノイズ電波が生じていたとしても、本例のLFアンテナ19,19…の自己診断はこれに影響を受けないので、例えばLFアンテナ19,19…が正常に車体に取り付いているにも拘わらず、これが接続されていないと判定されるような状況が生じ難くなる。よって、LFアンテナ19,19…の自己診断の正確性が向上し、アンテナ接続診断の診断結果に誤診断を生じ難くすることができる。
(1)LF発信機5,6のアンテナ接続の自己診断を行うに際しては、携帯機3とLF発信機5(6)との間で実際に無線通信を行わせてこの時の通信確立の有無を見ることによって自己診断を行うのではなく、LFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧変化を見ることによってこれを行う。このため、仮に診断作業場にノイズ電波が生じていたとしても、本例のLFアンテナ19,19…の自己診断はこれに影響を受けないので、例えばLFアンテナ19,19…が正常に車体に取り付いているにも拘わらず、これが接続されていないと判定されるような状況が生じ難くなる。よって、LFアンテナ19,19…の自己診断の正確性が向上し、アンテナ接続診断の診断結果に誤診断を生じ難くすることができる。
(2)LFアンテナ19,19…からリクエスト信号Srqを発信させる際には、矩形波信号波形を持つ発信用電圧V1をLFアンテナ19,19…に印加する必要があり、一方でLFアンテナ19,19…のアンテナ接続の自己診断を行う際には、直流波形を持つ検査用電圧V2をLFアンテナ19,19…に印加する必要があるが、本例においては発振回路23の出力電圧をスマートECU4からの指令に応じて切り換え可能とすることにより、1つの発振回路23でこの2電圧を出力可能としている。このため、この種の発振回路をこれら機能ごとに各々用意する必要がないので、この種の発振回路に要する部品点数を少なく抑えることができ、装置サイズの小型化や部品コスト低減化を図ることができる。
(3)各アンテナ回路27a,27b…に接続されたトランジスタ25,26は、複数存在するLF発信機5…(6…)のうち特定の1つを選択的にリクエスト信号発信状態とするために設けられたものである。本例においては、LFアンテナ19のアンテナ接続自己診断を行う時、特定のLFアンテナ19のコンデンサ21に電荷を蓄積するに際しては、このトランジスタ25,26…を用いてこの処理を行う。このため、このトランジスタ25,26はリクエスト信号Srqの信号発信時と、LFアンテナ19,19…のアンテナ接続の自己診断との両機能で共用されることになるので、これら機能ごとにこの種の部品を用意する必要がなくなり、部品点数の更なる抑制に効果が高い。
(4)LFアンテナ19のアンテナ接続自己診断として、携帯機3と車外LF発信機5(6)との間でスマート通信が実際に成立するか否かを見ることによって行う方法を用いなければ、仮にノイズ電波が発生し易い作業場でアンテナ接続診断を行う場合であっても、できるだけ正確にLFアンテナ19,19…のアンテナ接続の自己診断を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図7に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の検査用電圧V2の出所を変更したのみの構成であるので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図7に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の検査用電圧V2の出所を変更したのみの構成であるので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、各LF発信機5,6の電源側には、これらLF発信機5,6のLFアンテナ19,19…に直流電圧を印加可能なアンテナ検査用電源31が接続されている。アンテナ検査用電源31には、このアンテナ検査用電源31のスイッチング素子として例えばMOSFET等から成る第3トランジスタ32が接続されている。この第3トランジスタ32は、ドレイン端子がアンテナ検査用電源31に接続され、ソース端子が電流逆流防止のダイオード33を介して各LF発信機5,6(LFアンテナ19,19…)に接続され、ゲート端子がスマートECU4に接続され、スマートECU4によってスイッチ切り換えが行われる。
さて、スマートECU4は、LFアンテナ19,19…のアンテナ接続自己診断を開始するにあたって、まずはオフ状態にある第3トランジスタ32をオンしてアンテナ検査用電源31の直流電圧、即ち検査用電圧V2をLF発信機5,6に印加し、アンテナ検査用電源31の駆動電流をLF発信機5,6に流す。このとき、第1実施形態の時のように最初に第1車外LF発信機5aのアンテナ接続状態を自己診断するとした場合、スマートECU4は、アンテナ検査用電源31に検査用電圧V2を出力させた後、第1トランジスタ25をオンするとともに、第2トランジスタ26をオフのままで維持する。
続いて、スマートECU4は、第1車外LFアンテナ19aに所定時間の間において直流電圧を印加した後、第3トランジスタ32をオフし、アンテナ検査用電源31から第1車外LFアンテナ19aに印加されている検査用電圧V2の印加を停止する。スマートECU4が第1車外LFアンテナ19aにアンテナ検査用電源31の検査用電圧V2を印加する時間、即ちスマートECU4が第3トランジスタ32をオンしてからオフするまでの時間は、充分な電荷が第1車外LFアンテナ19aのコンデンサ21aに溜まるまでの時間とする。
そして、直流電圧供給停止後のスマートECU4は、判定位置端子4aで取得する第1車外LFアンテナ19aの端子間電圧Vxaの電圧波形を監視し、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、その時に判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxaが閾値Vk以上であれば、第1車外LFアンテナ19aが第1アンテナ回路27aに正常に取り付いていると認識する。一方、スマートECU4は、検査用電圧V2の供給を停止してからの経過時間tが判定時間Tとなった際、判定位置端子4aで入力する端子間電圧Vxaが閾値Vkよりも低くなっていれば、第1車外LFアンテナ19aが第1アンテナ回路27aに正常に取り付いていないと認識する。
スマートECU4は、端子間電圧Vxaがアンテナ接続自己診断前の低い電圧値に戻り第1車外LFアンテナ19aの自己診断が完了すると、次いで第2車外LF発信機5bのアンテナ接続状態を自己診断する動作に移り、この時は第3トランジスタ32をオンにしてアンテナ検査用電源31を第2車外LF発信機5bに検査用電圧V2を印加した後、第1トランジスタ25をオフにし、第2トランジスタ26をオンする。そして、スマートECU4は、所定時間内の間において第2車外LFアンテナ19bのコンデンサ21bに直流電圧を印加し、電圧供給停止後の判定時間T後の端子間電圧Vxbを閾値Vkと比較し、第2車外LFアンテナ19bが正常に車体に取り付いているか否かを判別する。
スマートECU4は、第3トランジスタ32をオンしてLF発信機5,6に直流電圧印加を行い、その電圧印加停止後におけるLFアンテナ19の端子間電圧Vxの電圧波形変化を見ることで行うアンテナ接続の自己診断を、車体に設置された各々のLF発信機5,6ごとに順に行う。スマートECU4は、車体に設置された全てのLF発信機5,6でアンテナ接続有無の自己診断を完了すると、第1実施形態の時と同様に、この診断結果を車内のディスプレイ画面や、特定の検査機器の表示画面に表示する。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1),(3),(4)の効果に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(5)LF発信機5,6にリクエスト信号Srqを発信させる際の電源(発振回路23)と、LFアンテナ19,19…のアンテナ接続の自己診断を行う際に必要となる電源(アンテナ検査用電源31)とが別部品である。ところで、発振回路23に交流電圧及び直流電圧の両電圧を出力する機能を持たせる際、この場合はスマートECU4や発振回路23にこの種の特別な機能を組み込む必要があり、部品構造が複雑化する問題の生じる懸念があるが、本例のように各々の機能ごとに電源を用意すれば、各電源は簡素な構造のものを用いればそれで充分であるので、装置構造の複雑化を招くことがない。
(5)LF発信機5,6にリクエスト信号Srqを発信させる際の電源(発振回路23)と、LFアンテナ19,19…のアンテナ接続の自己診断を行う際に必要となる電源(アンテナ検査用電源31)とが別部品である。ところで、発振回路23に交流電圧及び直流電圧の両電圧を出力する機能を持たせる際、この場合はスマートECU4や発振回路23にこの種の特別な機能を組み込む必要があり、部品構造が複雑化する問題の生じる懸念があるが、本例のように各々の機能ごとに電源を用意すれば、各電源は簡素な構造のものを用いればそれで充分であるので、装置構造の複雑化を招くことがない。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、LF発信機5,6の駆動回路は、必ずしもハーフブリッジ回路24に限定されず、例えば図8に示すような4つのトランジスタ41a〜41dから成るフルブリッジ回路41を使用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、LF発信機5,6の駆動回路は、必ずしもハーフブリッジ回路24に限定されず、例えば図8に示すような4つのトランジスタ41a〜41dから成るフルブリッジ回路41を使用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、各アンテナ回路27a,27b…を開回路又は閉回路に切り換える素子は、必ずしもトランジスタ25(26)に限定されず、これは一般的なスイッチを採用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、スマートECU4がLFアンテナ19の端子間電圧Vxを判定する際の電圧出力箇所は、出力調整抵抗22a(22b)の入力側端子に限らず、アンテナ回路27a,27b…の結線経路上であれば、その電圧引出位置は特に限定されない。
・ 第1及び第2実施形態において、アンテナ接続の自己診断は、必ずしも車外LF発信機5及び車内LF発信機6の両方に適用することに限定されず、一方のみに採用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、LF発信機5,6の個数は、必ずしも複数に限定されず、これは1つでもよい。なお、LF発信機5,6が1つの場合にはトランジスタ25,26は不要となる。
・ 第1及び第2実施形態において、LF発信機5,6のアンテナ接続の自己診断を行う際、LFアンテナ19の端子間電圧Vxと閾値Vkとを比較してアンテナ接続有無の自己診断を行うが、この際に用いる閾値VkはLFアンテナ19ごとに値を変更してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、エンジンスタートスイッチ16の操作形式は、操作ノブを回動操作してオン操作する回動式と、操作ノブを押込操作してオン操作するプッシュ式のどちらを用いてもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、本例のアンテナ接続の自己診断は、必ずしも車両1のみに採用されることに限らず、アンテナの一構成部品にコンデンサ21を含むものであれば、その採用対象は特に限定されない。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1において、前記判別手段は、前記診断時に前記アンテナの前記コンデンサに電荷蓄積を行うに際して、前記アンテナを信号発信状態とする時と同じ発信回路を用いてこれを行い、当該電圧印加後に前記発信回路をオフした後、その時点からの径時に伴いその時のコンデンサ容量変化によって変わる前記電圧変化を監視し、当該電圧変化を見ることで前記アンテナ回路への前記アンテナの接続有無を判別する。この構成によれば、アンテナに検査用の電圧を印加するに際しては、例えば検査電圧印加用の専用電源を用意する必要がないので、アンテナ接続診断装置に要する部品点数を少なく済ますことが可能となり、装置小型化や部品コスト抑制等に効果が高い。
(1)請求項1において、前記判別手段は、前記診断時に前記アンテナの前記コンデンサに電荷蓄積を行うに際して、前記アンテナを信号発信状態とする時と同じ発信回路を用いてこれを行い、当該電圧印加後に前記発信回路をオフした後、その時点からの径時に伴いその時のコンデンサ容量変化によって変わる前記電圧変化を監視し、当該電圧変化を見ることで前記アンテナ回路への前記アンテナの接続有無を判別する。この構成によれば、アンテナに検査用の電圧を印加するに際しては、例えば検査電圧印加用の専用電源を用意する必要がないので、アンテナ接続診断装置に要する部品点数を少なく済ますことが可能となり、装置小型化や部品コスト抑制等に効果が高い。
(2)請求項1において、前記診断時に前記アンテナに電圧を印可する際の電源として診断専用の検査用電源を備え、前記判別手段は、前記診断時に前記アンテナの前記コンデンサに電荷蓄積を行うに際して、前記検査用電源を駆動することでこれを行い、当該電圧印加後に前記検査用電源をオフした後、その時点からの径時に伴いその時のコンデンサ容量変化によって変わる前記電圧変化を監視し、当該電圧変化を見ることで前記アンテナ回路への前記アンテナの接続有無を判別する。この構成によれば、アンテナ接続診断用の専用電源を用意するので、アンテナに診断用電圧を印加するに際しては、例えばアンテナ発信時に用いる発信回路に診断機能を組み込む必要がなくなり、今まで使用していた発信回路を続けて使用することが可能となる。
(3)請求項1及び前記技術的思想(1),(2)のいずれかにおいて、前記判別手段は、前記診断時において該診断用の前記電圧として直流電圧を前記コンデンサに印加して前記コンデンサへの電荷蓄積を行う。この構成によれば、診断時においてアンテナのコンデンサに充分な電圧が蓄電されるので、アンテナの接続有無診断をより正確に行うことが可能となる。
(4)請求項1及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記アンテナが複数設けられた場合、各々の前記アンテナごとに設けられ、複数の前記アンテナのうち特定のものを選択的に信号発信状態とする際に作動する複数のスイッチ手段を備え、前記判定手段は、複数存在する前記アンテナの中から特定の1つを選定して前記診断を行うべく、前記スイッチ手段を選択的にオンして当該選定を行い、この動作を繰り返すことによって複数存在する前記アンテナの前記診断を順次行う。この構成によれば、複数のアンテナが存在する場合には、各アンテナに設けたスイッチ手段によってこれらアンテナを選択的に信号発信状態に切り換えるが、本構成はこのスイッチ手段をアンテナの自己診断にも使用するので、これら機能間でスイッチ手段の共用化を図ることが可能となり、部品点数の増加抑制が可能となる。また、キー通信対象に複数のアンテナが存在していたとしても、これら全てのアンテナについてアンテナの接続有無診断を行うことが可能となる。
1…キー通信対象としての車両、3…電子キーとしての携帯機、4…判定手段としてのスマートECU、19(19a,19b)…アンテナとしてのLFアンテナ、21(21a,21b)…コンデンサ、27a,27b…アンテナ回路、28…出力手段を構成するダイオード、29…出力手段を構成する電圧調整抵抗、S…出力手段を構成する電気配線。
Claims (1)
- 電子キーとキー通信対象とが双方向無線通信可能であり、前記電子キーが持つ識別コードと前記キー通信対象に登録された識別コードとを照らし合わせてコード照合を行い、これら識別コードが一致して照合が成立すれば、前記電子キーによる前記キー通信対象の各種動作が許可又は実行される電子キーに用いられ、前記キー通信対象のアンテナが当該キー通信対象のアンテナ回路に正常に取り付けられているか否かを診断するアンテナ接続診断装置において、
前記アンテナ回路の一端子から延びるとともに前記アンテナ回路に発生している電圧を他系統で出力可能な出力手段と、
前記診断時に前記アンテナに電圧を印加して当該アンテナのコンデンサに電荷を蓄積し、当該電圧を印加した後の前記コンデンサのコンデンサ容量変化に伴う前記アンテナ回路上の電圧変化を前記出力手段から取り込み、当該電圧変化を見ることで前記アンテナ回路への前記アンテナの接続有無を判別する判別手段と
を備えたことを特徴とするアンテナ接続診断装置。
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